JPS6364512B2 - - Google Patents
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- JPS6364512B2 JPS6364512B2 JP9492983A JP9492983A JPS6364512B2 JP S6364512 B2 JPS6364512 B2 JP S6364512B2 JP 9492983 A JP9492983 A JP 9492983A JP 9492983 A JP9492983 A JP 9492983A JP S6364512 B2 JPS6364512 B2 JP S6364512B2
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Landscapes
- Manufacture, Treatment Of Glass Fibers (AREA)
Description
この発明は、温度の高い溶融ガラスを高速回転
遠心力によつて回転子の側壁に多数に穿孔された
微小直径のオリフイスから吐出させてガラス繊維
を製造する場合に用いられる回転子を制作するた
めの素材としての、高温度において溶融ガラスに
対する耐蝕性ならびに耐摩耗性を有する合金に関
するものであつて、先に昭和56年12月8日に特許
出願をした特願昭56−197121号(特開昭58−
100652号)発明になる合金をさらに改良してなる
ものである。(該回転子の構造および取付け機構
については特開昭57−106532号または米国特許第
4392878号を参照されたい。) 上記既出願明細書にも記載されているように、
回転遠心力方式によつてガラス繊維を製造するた
めに用いられる底付き円筒状回転子は、大気中で
自らも高温度に加熱され、かつおよそ2000r.p.m.
という高速度で回転し、さらにその側壁に多数に
穿孔された微小直径のオリフイス中を溶融ガラス
が高速度で通過するので、回転子を形成する合金
素材には次のような事項が要求される。 1 高速回転によつて生ずる遠心力に耐え得る高
温機械的強度を有すること。 2 オリフイス中を溶融ガラスが高速度で通過す
ることによつて生ずる摩滅に対する十分な耐摩
耗性を有すること。 3 高温度における十分な空気に対する耐酸化性
を有すること。 4 溶融ガラスに対する十分な耐蝕性(耐アルカ
リ性)を有すること。 5 合金の表面に不可避的に形成される酸化物被
膜の溶融ガラスに対する耐蝕性が優れているこ
と。 従来、回転子の素材となり得る合金として、
CoおよびWのうち1種または2種を含有したNi
―Cr合金(例えば米国特許第3010201号、同第
3318694号、同第3806338号参照)、WおよびNiの
うち1種または2種を含有したCo―Cr合金(例
えば米国特許第3933484号参照)、またはFe―Ni
―Cr系不銹鋼合金(例えばSUS310)が知られて
いる。 しかしながら、これらの合金のうちSUS310
は、のちに実施例比較データ中に示されているよ
うに、その回転子としての寿命が著しく短くて殆
んど実用にならない。また上記のCoおよびWを
含有したNi―Cr合金や、WおよびNiを含有した
Co―Cr合金は、前記の合金の具備すべき諸事項
のうち、とくに高温機械的強度を高める目的で、
高価なCoやWを多量に含有させているので、合
金の製造コストが嵩むほかに、溶融ガラスに対す
る合金自体、および合金の表面に不可避的に生ず
る酸化物被膜の両耐蝕性が劣化して結局回転子の
耐久性をあまり向上させることができない、とい
つた問題を抱えている。 既述の特開昭58−100652号発明の目的は、高価
なCoを合金成分として使用しないで、高温度の
もとに溶融ガラスと接触しながら高速回転をする
といつた苛酷な使用条件のもとにあつても、耐久
性(寿命)が従来のものよりも格段に優れた回転
子を安価に形成し得る合金素材を提供することに
あつた。 上記の目的は、重量で0.05ないし0.50%のC,
15ないし35%のCr,1ないし7%のW、0.10ない
し0.25%のTi、0.10ないし0.25%のZr、およそ1
%のNb、残部Ni(ただしNi含量は55%以上)、お
よび不可避的な混入不純物の組成からなる合金を
素材として、溶融ガラス繊維吐出用の円筒状をし
た回転子を制作することによつて達成された。
(該実施例参照。)なお、必要に応じて一般の脱酸
剤として2.0%以下のSiまたはMn、あるいはその
両者をこの合金に添加することもできた。 本発明の目的は、上述の特開昭58−100652号発
明の合金をさらに改良して、回転子の寿命をより
一層著しく延長させ得るような合金を得ることに
ある。そしてこの目的は、上記既発明における合
金の成分組成のものに、さらに0.05ないし0.20重
量%の窒素(N)を含有させることによつて達成
された。 すなわち、本発明の溶融ガラス繊維吐出用円筒
状回転子の製作素材としての高温耐蝕耐摩耗合金
は、重量で0.05ないし0.50%のC、15ないし35%
のCr、1ないし7%のW、0.10ないし0.25%の
Ti、0.10ないし0.25%のZr、0.9ないし1.1%の
Nb、0.05ないし0.20%のN、0%よりも大きく、
2.0%以下のSiおよび/またはMn、残部がNi(た
だしNiの含量は55%以上)、および不可避的な混
入不純物の組成からなるものである。 次に本発明になる合金における各成分範囲の限
定埋由について、特許昭58−100652号明細書およ
び図面における記述と一部重複させながら説明を
する。 Cは地金に固溶し、あるいはCrやW等の炭化
物を形成して、高温度における合金の機械的強度
や耐摩耗性を高めるのに貢献する。しかしなが
ら、C含有量が多過ぎると合金の切削性が劣化し
て、溶融ガラスを吐出する微小直径のオリフイス
を穿孔加工することが困難となる。また一般にC
含有量が多過ぎると、CrやW等の炭化物が過剰
に形成されて、地金中の金属Crの含有量が減少
するとともに、組織の均質性が失われて溶融ガラ
スに対する耐蝕性が低下する。 本発明合金の高温機械的強度と溶融ガラスに対
する耐蝕性に及ぼすC含有量の影響は第1図の曲
線図に例示されているとおりであつて、曲線Aは
温度1000℃における引張強さを、曲線Bは温度
1100℃における引張強さを、曲線Cは温度1140℃
で240時間後の溶融ガラスによる腐蝕減量%を示
す。この曲線図によると、C含有量が0.4ないし
0.5%のところで耐蝕性が若干劣化しているけれ
ども、腐蝕減量は約4%の僅少量であつて、この
程度ならば実用上支障はない。 従つて本発明合金のC含有量の許容範囲を、第
1図から判断して、下限を0.05%、上限を切削性
および耐アルカリ性を考慮して0.50%と定めた。 Siは合金の脱酸素調整用の添加されるが、これ
が多過ぎると合金の靭性が低下するとともに、合
金自身、ならびに合金の表面に不可避的に生ずる
酸化物被膜の溶融ガラスに対する耐蝕性を劣化さ
せる。従つてSi含有量の上限を2.0%と定めた。
下限については、0%よりも大きいこと以外には
別に制限はない。 Mnも合金の脱酸素調整用に添加される。これ
が多過ぎると高温度での合金の耐酸化性を劣化さ
せるので、その含有量の上限を2.0%と定めた。
上記と同様に下限については、0%よりも大きい
こと以外には別に制限はない。 Crは地金に固溶し、あるいはCと結合して炭
化物を形成して、耐摩耗性の向上や耐酸化性の増
加にとつて必要な元素である。ガラス繊維吐出用
の回転子は自らも1000℃以上の高温度に加熱され
る。この場合にスケール析出による回転子の寿命
の低下を防止するために、Crの含有量は最底15
%は必要である。しかしこれが多過ぎると酸性の
酸化物Cr2O3を合金表面に生成するとともに、Cr
を多量に含有させることによつて必然的にNi含
有量が低下して、アルカリ性の溶融ガラスに対す
る耐蝕性を劣化させる。こうした関係でCr含有
量の上限を35%と定めた。Ni含量は合金の対ア
ルカリ性を確保するために55%以上とする必要が
ある。 Wは地金に固溶し、あるいはCと結合して炭化
物を形成して、合金の高温機械的強度と耐摩耗性
を高める。しかしこれが多過ぎると溶融ガラスに
対する耐蝕性および高温度における耐酸化性を著
しく減少させる。 本発明合金の高温機械的強度と溶融ガラスに対
する耐蝕性に及ぼすW含有量の影響は、第2図の
曲線図に例示されているとおりであつて、曲線D
は温度1000℃における引張強さを、曲線Eは温度
1100℃における引張強さを、曲線Fは温度1140℃
で240時間後の溶融ガラスによる腐蝕減量%を示
す。この曲線図によると、多量のWの添加によつ
て溶融ガラスに対する耐蝕性は著しく低下するこ
とがわかる。しかしながら、Cの成分限定埋由の
項において述べたように、腐蝕減量4%、すなわ
ちW含有量7%までは実用上支障はない。従つて
W含有量の許容範囲は第2図の観点からこれを1
ないし7%と定めた。 Ti,ZrおよびNbは、Cと結合して粒状の炭化
物を形成し、かつその炭化物は高温度でも地金に
固溶し難い性質を持つているので、合金の高温度
における機械的強度および耐摩耗性を向上させ、
またCがCrと結合して鎖網目状に炭化物を形成
するのを防止して、合金の靭性を向上させるのに
有効な元素である。しかしながらこれらが多過ぎ
ると合金の溶製に際して作業が煩雑となり、コス
ト的にも高価となる割には添加効果は増さないの
で、実験の結果最適割合として0.10ないし0.25%
のTi、0.10ないし0.25%のZr、および0.9ないし
1.1%のNbと定めた。 Nは地金に固溶し、あるいはTi,Zr,Nbと窒
化物を形成して、高温度における合金の機械的強
度や耐摩耗性を高めるのに貢献することが判つ
た。しかしながらN含有量が多過ぎるとTi,Zr,
Nbの窒化物を過剰に形成して、Ti,Zr,Nbの
炭化物球状化効果を阻害して合金を脆化する。ま
た、本発明合金の大気中で温度1600℃におけるN
の溶解度は0.23%であつて、凝固点までの温度低
下によつてさらにNの溶解度が低下するので、
0.20%をこえたNの添加は本発明合金の鋳物に多
くの窒素ガスによるピンホールを発生させること
になつて実用に供し難くなる。 本発明合金の高温機械的強度と溶融ガラスに対
する耐蝕性に及ぼすN含有量の影響は、第3図の
曲線図に例示されているとおりであつて、曲線G
は温度1000℃における引張強さを、曲線Hは温度
1100℃における引張強さを、曲線Iは温度1140℃
で240時間後の溶融ガラスによる腐蝕減量%を示
す。この曲線図によると、N含有量の増加ととも
に高温機械的強度および耐蝕性がゆるやかに改善
されることが判る。従つて、本発明合金のN含有
量の許容範囲を、第3図から判断してその下限を
0.05%、その上限を窒素ガスによるピンホール発
生、ならびにTi,Zr,Nbの炭化物球状化阻害の
観点から0.20%と定めた。 合金中にNを添加する方法としては、溶融した
合金を窒素ガス気流中で温度1600で撹拌しながら
一定時間窒素ガスを溶合金中に吸収させるやりか
たと、窒化珪素や窒化クロムのような市販の窒化
物を合金組成物中に添加するやり方がある。しか
しながら前者では均質な吸収が困難であるので、
後者の方が良策である。 Niは本発明合金の基本となる元素である。そ
れは、ガラス繊維吐出用回転子は1000℃以上の高
温度で酷使的に用いられるからである。もしも基
本元素をFeとした場合には、合金の高温機械的
強度および溶融ガラスに対する耐蝕性が十分でな
くなり、またもしも基本元素をCoとした場合に
は、溶融ガラスに対する耐蝕性が十分でなくなる
ばかりでなく、コスト高となるので不適当であ
る。従つて、本発明合金形成に必要な前記した成
分元素および不可避的に混入する微量不純物元素
を除いた残部の含量の成分をNiとした。ただし
既述のように、アルカリ性の溶融ガラスに対する
耐蝕性を確保するために、Niの含量はこれを55
%以上とする必要がある。 不可避的に混入する不純物元素としてはFe,
P,S,Cu等がある。とくにFeは最高5.5%含ま
れる場合がある。 実施例および比較例 本発明になる合金の実施例4例の組成を第1表
に示す。第1表には多数の比較例の組成をも併記
してある。 本実施例の合金において、窒素を含有させるた
めに、市販の窒化フエロクロム(成分はN6.35
%,Cr58.8%、残りFe。)の計算量を添加した。 第1表に示された成分組成の各合金を素材とし
て、これらから(1)JIS―G―0567の規定による高
温引張試験片、(2)厚さ5mm、幅15mm、長さ50mmの
腐蝕試験片、および(3)外径300mm、高さ50mm、周
壁の厚さ3mmの鋳物製の底付き円筒状回転体を制
作し、これに数千個のオリフイスを側壁に穿孔し
て溶融ガラス繊維吐出用回転子とした。 高温引張試験は、温度1000℃および1100℃にお
いて、毎分5%の伸びの歪速度で行われた。また
腐蝕試験は、温度1140℃の溶融ガラス中に試験片
を240時間浸漬して、その減量%を測定して行わ
れた。 ガラス繊維吐出実用試験は、回転子の円周壁外
側の平均温度を約1010℃に保ち、回転数を2500な
いし2100r.p.m.としてこれを回転させて溶融ガラ
スをノズルから吐出させて繊維化し、その際の回
転子の耐久性、すなわち平均寿命時間数を測定し
た。 第1表の実施例合金のそれぞれについての上記
諸特性試験結果が第2表中に示されている。第2
表には、第1表の比較例合金についての諸特性値
が、特願昭56−197121号明細書中のデータ、およ
び米国各特許明細書から引用されて併記されてい
る。 第2表の平均寿命欄から判るように、特開昭58
−100652号発明になる合金を以て制作された回転
子の寿命がおよそ300ないし350時間であるのに対
して、本発明になる合金を以て制作された回転子
の寿命が450ないし600時間と著しく改善されてい
るのを見ることができる。
遠心力によつて回転子の側壁に多数に穿孔された
微小直径のオリフイスから吐出させてガラス繊維
を製造する場合に用いられる回転子を制作するた
めの素材としての、高温度において溶融ガラスに
対する耐蝕性ならびに耐摩耗性を有する合金に関
するものであつて、先に昭和56年12月8日に特許
出願をした特願昭56−197121号(特開昭58−
100652号)発明になる合金をさらに改良してなる
ものである。(該回転子の構造および取付け機構
については特開昭57−106532号または米国特許第
4392878号を参照されたい。) 上記既出願明細書にも記載されているように、
回転遠心力方式によつてガラス繊維を製造するた
めに用いられる底付き円筒状回転子は、大気中で
自らも高温度に加熱され、かつおよそ2000r.p.m.
という高速度で回転し、さらにその側壁に多数に
穿孔された微小直径のオリフイス中を溶融ガラス
が高速度で通過するので、回転子を形成する合金
素材には次のような事項が要求される。 1 高速回転によつて生ずる遠心力に耐え得る高
温機械的強度を有すること。 2 オリフイス中を溶融ガラスが高速度で通過す
ることによつて生ずる摩滅に対する十分な耐摩
耗性を有すること。 3 高温度における十分な空気に対する耐酸化性
を有すること。 4 溶融ガラスに対する十分な耐蝕性(耐アルカ
リ性)を有すること。 5 合金の表面に不可避的に形成される酸化物被
膜の溶融ガラスに対する耐蝕性が優れているこ
と。 従来、回転子の素材となり得る合金として、
CoおよびWのうち1種または2種を含有したNi
―Cr合金(例えば米国特許第3010201号、同第
3318694号、同第3806338号参照)、WおよびNiの
うち1種または2種を含有したCo―Cr合金(例
えば米国特許第3933484号参照)、またはFe―Ni
―Cr系不銹鋼合金(例えばSUS310)が知られて
いる。 しかしながら、これらの合金のうちSUS310
は、のちに実施例比較データ中に示されているよ
うに、その回転子としての寿命が著しく短くて殆
んど実用にならない。また上記のCoおよびWを
含有したNi―Cr合金や、WおよびNiを含有した
Co―Cr合金は、前記の合金の具備すべき諸事項
のうち、とくに高温機械的強度を高める目的で、
高価なCoやWを多量に含有させているので、合
金の製造コストが嵩むほかに、溶融ガラスに対す
る合金自体、および合金の表面に不可避的に生ず
る酸化物被膜の両耐蝕性が劣化して結局回転子の
耐久性をあまり向上させることができない、とい
つた問題を抱えている。 既述の特開昭58−100652号発明の目的は、高価
なCoを合金成分として使用しないで、高温度の
もとに溶融ガラスと接触しながら高速回転をする
といつた苛酷な使用条件のもとにあつても、耐久
性(寿命)が従来のものよりも格段に優れた回転
子を安価に形成し得る合金素材を提供することに
あつた。 上記の目的は、重量で0.05ないし0.50%のC,
15ないし35%のCr,1ないし7%のW、0.10ない
し0.25%のTi、0.10ないし0.25%のZr、およそ1
%のNb、残部Ni(ただしNi含量は55%以上)、お
よび不可避的な混入不純物の組成からなる合金を
素材として、溶融ガラス繊維吐出用の円筒状をし
た回転子を制作することによつて達成された。
(該実施例参照。)なお、必要に応じて一般の脱酸
剤として2.0%以下のSiまたはMn、あるいはその
両者をこの合金に添加することもできた。 本発明の目的は、上述の特開昭58−100652号発
明の合金をさらに改良して、回転子の寿命をより
一層著しく延長させ得るような合金を得ることに
ある。そしてこの目的は、上記既発明における合
金の成分組成のものに、さらに0.05ないし0.20重
量%の窒素(N)を含有させることによつて達成
された。 すなわち、本発明の溶融ガラス繊維吐出用円筒
状回転子の製作素材としての高温耐蝕耐摩耗合金
は、重量で0.05ないし0.50%のC、15ないし35%
のCr、1ないし7%のW、0.10ないし0.25%の
Ti、0.10ないし0.25%のZr、0.9ないし1.1%の
Nb、0.05ないし0.20%のN、0%よりも大きく、
2.0%以下のSiおよび/またはMn、残部がNi(た
だしNiの含量は55%以上)、および不可避的な混
入不純物の組成からなるものである。 次に本発明になる合金における各成分範囲の限
定埋由について、特許昭58−100652号明細書およ
び図面における記述と一部重複させながら説明を
する。 Cは地金に固溶し、あるいはCrやW等の炭化
物を形成して、高温度における合金の機械的強度
や耐摩耗性を高めるのに貢献する。しかしなが
ら、C含有量が多過ぎると合金の切削性が劣化し
て、溶融ガラスを吐出する微小直径のオリフイス
を穿孔加工することが困難となる。また一般にC
含有量が多過ぎると、CrやW等の炭化物が過剰
に形成されて、地金中の金属Crの含有量が減少
するとともに、組織の均質性が失われて溶融ガラ
スに対する耐蝕性が低下する。 本発明合金の高温機械的強度と溶融ガラスに対
する耐蝕性に及ぼすC含有量の影響は第1図の曲
線図に例示されているとおりであつて、曲線Aは
温度1000℃における引張強さを、曲線Bは温度
1100℃における引張強さを、曲線Cは温度1140℃
で240時間後の溶融ガラスによる腐蝕減量%を示
す。この曲線図によると、C含有量が0.4ないし
0.5%のところで耐蝕性が若干劣化しているけれ
ども、腐蝕減量は約4%の僅少量であつて、この
程度ならば実用上支障はない。 従つて本発明合金のC含有量の許容範囲を、第
1図から判断して、下限を0.05%、上限を切削性
および耐アルカリ性を考慮して0.50%と定めた。 Siは合金の脱酸素調整用の添加されるが、これ
が多過ぎると合金の靭性が低下するとともに、合
金自身、ならびに合金の表面に不可避的に生ずる
酸化物被膜の溶融ガラスに対する耐蝕性を劣化さ
せる。従つてSi含有量の上限を2.0%と定めた。
下限については、0%よりも大きいこと以外には
別に制限はない。 Mnも合金の脱酸素調整用に添加される。これ
が多過ぎると高温度での合金の耐酸化性を劣化さ
せるので、その含有量の上限を2.0%と定めた。
上記と同様に下限については、0%よりも大きい
こと以外には別に制限はない。 Crは地金に固溶し、あるいはCと結合して炭
化物を形成して、耐摩耗性の向上や耐酸化性の増
加にとつて必要な元素である。ガラス繊維吐出用
の回転子は自らも1000℃以上の高温度に加熱され
る。この場合にスケール析出による回転子の寿命
の低下を防止するために、Crの含有量は最底15
%は必要である。しかしこれが多過ぎると酸性の
酸化物Cr2O3を合金表面に生成するとともに、Cr
を多量に含有させることによつて必然的にNi含
有量が低下して、アルカリ性の溶融ガラスに対す
る耐蝕性を劣化させる。こうした関係でCr含有
量の上限を35%と定めた。Ni含量は合金の対ア
ルカリ性を確保するために55%以上とする必要が
ある。 Wは地金に固溶し、あるいはCと結合して炭化
物を形成して、合金の高温機械的強度と耐摩耗性
を高める。しかしこれが多過ぎると溶融ガラスに
対する耐蝕性および高温度における耐酸化性を著
しく減少させる。 本発明合金の高温機械的強度と溶融ガラスに対
する耐蝕性に及ぼすW含有量の影響は、第2図の
曲線図に例示されているとおりであつて、曲線D
は温度1000℃における引張強さを、曲線Eは温度
1100℃における引張強さを、曲線Fは温度1140℃
で240時間後の溶融ガラスによる腐蝕減量%を示
す。この曲線図によると、多量のWの添加によつ
て溶融ガラスに対する耐蝕性は著しく低下するこ
とがわかる。しかしながら、Cの成分限定埋由の
項において述べたように、腐蝕減量4%、すなわ
ちW含有量7%までは実用上支障はない。従つて
W含有量の許容範囲は第2図の観点からこれを1
ないし7%と定めた。 Ti,ZrおよびNbは、Cと結合して粒状の炭化
物を形成し、かつその炭化物は高温度でも地金に
固溶し難い性質を持つているので、合金の高温度
における機械的強度および耐摩耗性を向上させ、
またCがCrと結合して鎖網目状に炭化物を形成
するのを防止して、合金の靭性を向上させるのに
有効な元素である。しかしながらこれらが多過ぎ
ると合金の溶製に際して作業が煩雑となり、コス
ト的にも高価となる割には添加効果は増さないの
で、実験の結果最適割合として0.10ないし0.25%
のTi、0.10ないし0.25%のZr、および0.9ないし
1.1%のNbと定めた。 Nは地金に固溶し、あるいはTi,Zr,Nbと窒
化物を形成して、高温度における合金の機械的強
度や耐摩耗性を高めるのに貢献することが判つ
た。しかしながらN含有量が多過ぎるとTi,Zr,
Nbの窒化物を過剰に形成して、Ti,Zr,Nbの
炭化物球状化効果を阻害して合金を脆化する。ま
た、本発明合金の大気中で温度1600℃におけるN
の溶解度は0.23%であつて、凝固点までの温度低
下によつてさらにNの溶解度が低下するので、
0.20%をこえたNの添加は本発明合金の鋳物に多
くの窒素ガスによるピンホールを発生させること
になつて実用に供し難くなる。 本発明合金の高温機械的強度と溶融ガラスに対
する耐蝕性に及ぼすN含有量の影響は、第3図の
曲線図に例示されているとおりであつて、曲線G
は温度1000℃における引張強さを、曲線Hは温度
1100℃における引張強さを、曲線Iは温度1140℃
で240時間後の溶融ガラスによる腐蝕減量%を示
す。この曲線図によると、N含有量の増加ととも
に高温機械的強度および耐蝕性がゆるやかに改善
されることが判る。従つて、本発明合金のN含有
量の許容範囲を、第3図から判断してその下限を
0.05%、その上限を窒素ガスによるピンホール発
生、ならびにTi,Zr,Nbの炭化物球状化阻害の
観点から0.20%と定めた。 合金中にNを添加する方法としては、溶融した
合金を窒素ガス気流中で温度1600で撹拌しながら
一定時間窒素ガスを溶合金中に吸収させるやりか
たと、窒化珪素や窒化クロムのような市販の窒化
物を合金組成物中に添加するやり方がある。しか
しながら前者では均質な吸収が困難であるので、
後者の方が良策である。 Niは本発明合金の基本となる元素である。そ
れは、ガラス繊維吐出用回転子は1000℃以上の高
温度で酷使的に用いられるからである。もしも基
本元素をFeとした場合には、合金の高温機械的
強度および溶融ガラスに対する耐蝕性が十分でな
くなり、またもしも基本元素をCoとした場合に
は、溶融ガラスに対する耐蝕性が十分でなくなる
ばかりでなく、コスト高となるので不適当であ
る。従つて、本発明合金形成に必要な前記した成
分元素および不可避的に混入する微量不純物元素
を除いた残部の含量の成分をNiとした。ただし
既述のように、アルカリ性の溶融ガラスに対する
耐蝕性を確保するために、Niの含量はこれを55
%以上とする必要がある。 不可避的に混入する不純物元素としてはFe,
P,S,Cu等がある。とくにFeは最高5.5%含ま
れる場合がある。 実施例および比較例 本発明になる合金の実施例4例の組成を第1表
に示す。第1表には多数の比較例の組成をも併記
してある。 本実施例の合金において、窒素を含有させるた
めに、市販の窒化フエロクロム(成分はN6.35
%,Cr58.8%、残りFe。)の計算量を添加した。 第1表に示された成分組成の各合金を素材とし
て、これらから(1)JIS―G―0567の規定による高
温引張試験片、(2)厚さ5mm、幅15mm、長さ50mmの
腐蝕試験片、および(3)外径300mm、高さ50mm、周
壁の厚さ3mmの鋳物製の底付き円筒状回転体を制
作し、これに数千個のオリフイスを側壁に穿孔し
て溶融ガラス繊維吐出用回転子とした。 高温引張試験は、温度1000℃および1100℃にお
いて、毎分5%の伸びの歪速度で行われた。また
腐蝕試験は、温度1140℃の溶融ガラス中に試験片
を240時間浸漬して、その減量%を測定して行わ
れた。 ガラス繊維吐出実用試験は、回転子の円周壁外
側の平均温度を約1010℃に保ち、回転数を2500な
いし2100r.p.m.としてこれを回転させて溶融ガラ
スをノズルから吐出させて繊維化し、その際の回
転子の耐久性、すなわち平均寿命時間数を測定し
た。 第1表の実施例合金のそれぞれについての上記
諸特性試験結果が第2表中に示されている。第2
表には、第1表の比較例合金についての諸特性値
が、特願昭56−197121号明細書中のデータ、およ
び米国各特許明細書から引用されて併記されてい
る。 第2表の平均寿命欄から判るように、特開昭58
−100652号発明になる合金を以て制作された回転
子の寿命がおよそ300ないし350時間であるのに対
して、本発明になる合金を以て制作された回転子
の寿命が450ないし600時間と著しく改善されてい
るのを見ることができる。
【表】
第1図は本発明合金の高温引張強度と溶融ガラ
スに対する耐蝕性とに及ぼすC含有量の影響を示
す曲線図。第2図は本発明合金の高温引張強度と
溶融ガラスに対する耐蝕性とに及ぼすW含有量の
影響を示す曲線図。第3図は本発明合金の高温引
張強度と溶融ガラスに対する耐蝕性とに及ぼすN
含有量の影響を示す曲線図。
スに対する耐蝕性とに及ぼすC含有量の影響を示
す曲線図。第2図は本発明合金の高温引張強度と
溶融ガラスに対する耐蝕性とに及ぼすW含有量の
影響を示す曲線図。第3図は本発明合金の高温引
張強度と溶融ガラスに対する耐蝕性とに及ぼすN
含有量の影響を示す曲線図。
Claims (1)
- 1 重量で0.05ないし0.50%のC、15ないし35%
のCr、1ないし7%のW、0.10ないし0.25%の
Ti、0.10ないし0.25%のZr、0.9ないし1.1%の
Nb、0.05ないし0.20%のN、0%よりも大きく、
2.0%以下のSiおよび/またはMn、残部がNi(た
だしNiの含量は55%以上)、および不可避的な混
入不純物の組成からなる溶融ガラス繊維吐出用円
筒状回転子の製作素材としての高温耐蝕耐摩耗合
金。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9492983A JPS59222548A (ja) | 1983-05-31 | 1983-05-31 | 高温耐蝕耐摩耗合金 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9492983A JPS59222548A (ja) | 1983-05-31 | 1983-05-31 | 高温耐蝕耐摩耗合金 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59222548A JPS59222548A (ja) | 1984-12-14 |
| JPS6364512B2 true JPS6364512B2 (ja) | 1988-12-12 |
Family
ID=14123653
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9492983A Granted JPS59222548A (ja) | 1983-05-31 | 1983-05-31 | 高温耐蝕耐摩耗合金 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59222548A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| FR3085966B1 (fr) * | 2018-09-13 | 2023-03-24 | Saint Gobain Isover | Alliage pour assiette de fibrage |
-
1983
- 1983-05-31 JP JP9492983A patent/JPS59222548A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59222548A (ja) | 1984-12-14 |
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