JPS637878B2 - - Google Patents
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- JPS637878B2 JPS637878B2 JP4597085A JP4597085A JPS637878B2 JP S637878 B2 JPS637878 B2 JP S637878B2 JP 4597085 A JP4597085 A JP 4597085A JP 4597085 A JP4597085 A JP 4597085A JP S637878 B2 JPS637878 B2 JP S637878B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は被覆剤の固着性を極めて良好なものに
し生産性の向上を図ると共に、被覆剤の可撓性と
高電流使用での耐棒焼け性を著しく改善した非低
水素系被覆アーク溶接棒(以下非低水素系棒と称
する)に関するものである。 〔従来の技術〕 非低水素系棒は、低水素系被履アーク溶接棒に
比べ溶接金属中の水素量が多いことから拘束の大
きい被溶接物での耐割れ性や衝撃靭性は劣るもの
の、溶接作業性が良好であるところから利用範囲
が極めて広い。例えばイルミナイト系全姿勢用溶
接棒は造船、橋梁、機械、建築および圧力容器な
どに、また、ライムチタニヤ系溶接棒では軽量鉄
骨、自動車部品、セグメント、ドラム缶などに用
いられ、いずれも軟鋼の薄板、中板の溶接に適し
ている。 ところで非低水素系棒の生産性向上や溶接作業
性の改善については例えば特公昭59−2599号公報
に被覆剤中にヘクトライトを0.1〜3重量%添加
することにより被覆剤の固着性を高め輸送時にお
ける被覆剤の脱落を防ぎ、かつ製造時での塗装性
を良好にし、傷やへこみを減少させ生産歩留の向
上を図れることが示されている。しかも、このヘ
クトライトはその埋蔵箇所が極く限られているた
め、その適用には限界がある。 また、被覆剤の可撓性向上については、例えば
特公昭54−24974号公報に記載されるように水ガ
ラス中にアルカリ溶液、タンパク質、アルミニウ
ム塩および多糖類からなる混合添加剤を0.1〜10
重量%添加したものを固着剤として用いることに
よりかなり改善されている。しかし、この固着剤
を使用した非低水素系棒は高電流で使用すると溶
接棒後半部分の被覆剤中の有機物がジユール熱で
分解燃焼し所謂棒焼け現象を起こし易く、棒焼け
を起こした部分を使用すると溶接時にアークが不
安定になるという欠点がある。そこで特開昭57−
206595号公報では固着剤としての水ガラスにおけ
るSiO2/Na2Oのモル比を2.8〜3.8にした高モル
比水ガラスの使用により棒焼けを防止している。
ところが特開昭57−100896号公報に記載されてい
るように水ガラスのモル比を高くすることは製造
時での乾燥割れを生じさせ、またモル比が高くな
るとNa2OやK2Oなどのアルカリ酸化物が減少す
るのでアーク状態が劣化しスパツタの飛散が多く
なるという問題点がある。 このように現状の非低水素系棒において生産性
が良好で、かつ被覆剤の可撓性と高電流使用にお
ける耐棒焼け性を改善し、さらにその他アーク状
態、スパツタ、スラグ状態、ビード外観などの溶
接作業性を満足させることは非常に困難であつ
た。これらの要求をすべて満たす溶接棒を得るこ
とは溶接棒を使用する各業界から強く要望されて
いた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は前述した実情に鑑み、被覆剤組成を吟
味し従来の諸性能を確保するとともに被覆剤の固
着性を極めて良好なものにして生産性の向上が可
能で、製作する構造物が複雑で狭い箇所での溶接
時に要求される被覆剤の可撓性にも優れ、さら
に、高電流を使用した場合でも充分満足しうる被
覆剤の耐棒焼け性が得られる非低水素系棒を提供
するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は前述した要望に応えるために非低水素
系棒の被覆剤を種々検討した結果、生産性の向上
と溶接作業時における被覆剤の可撓性および耐棒
焼け性を著しく改善したものであつて、その要旨
とするところは被覆剤中に105μ以下の粒子が85
重量%(以下%で表わす)以上のセピオライトを
0.5〜5.0%、有機物を0.5〜8.5%含有し、かつ有
機物量に対するセピオライト量の比を0.3〜3.5と
することを特徴とする非低水素系棒にある。 生産性と被覆剤の可撓性の改善については被覆
剤そのものの固着性を強靭なものにし、かつ溶接
棒の心線と被覆剤との固着力を良好にすることが
極めて有効であることを着目し種々研究を重ねた
結果、セピオライトと有機物の併用および有機物
量に対するセピオライト量の比を限定することが
極めて重要でもつとも効果の大きいことを見出し
た。セピオライトは天然の含水マグネシウム珪酸
塩で、化学構造式は(OH2)4(OH)4Mg8Si12O306
〜8H2Oで表わされ、結晶構造は繊維状を呈して
おり、水ガラスにおける分散性が良好で被覆剤に
添加した場合、水ガラスとの混合時にその繊維同
志が複雑にからみ合つたり、ほぐれたりして被覆
剤の増粘性を高める作用がある。さらに、溶接棒
製造時での乾燥工程においてはセピオライト自身
で固結するばかりか他の被覆剤をも固結する性質
がある。従つてこれらの増粘性と固結性が良好な
ゆえに被覆剤の固着性は優れたものになる。 また、セピオライトは前述のとおり結晶水を含
んでいるため高電流を使用して溶接した場合、そ
の結晶水が溶接のジユール熱により溶接棒後半部
の被覆剤から脱水する際その被覆剤からの放熱が
活発となり、被覆剤の耐棒焼け性を良好にする作
用もある。 このようにセピオライトは生産性向上と被覆剤
の可撓性および高電流使用における耐棒焼け性改
善に大いに貢献できるが、被覆剤に添加するセピ
オライトが粗粒であつたり、多量に使用したりす
るとアーク力が弱まり不安定となり、スパツタの
飛散も多くなる。そこでセピオライトの粒度と添
加量の限定をする必要があり、さらにアーク状態
を良好にし健全な溶接作業性を保有するために有
機物の併用はかくことのできないもので、有機物
量に対するセピオライト量の比が重要な要件であ
ることを確認した。本発明は以上の知見に基づい
てなされたものである。なお、ここでいう有機物
とは澱粉、セルロース、木粉、デキストリン、ア
ルギン酸ソーダなどを指し、単独あるいは種々の
組合せで使用できる。 〔作用〕 以下本発明における作用について詳述する。 本発明の非低水素系棒において、まず被覆剤中
に105μ以下の粒子が85%以上のセピオライトを
含有せしめるのは溶接作業性の安定性および使い
易さと、被覆剤の固着性と均一性を図り、生産歩
留を向上させ、かつ被覆剤の可撓性を良好にする
ためである。その粒度が105μ以上の粒子が15%
以上ではアークが不安定でスパツタの飛散が多く
なり、生産性の面では繊維状のセピオライトの分
散性が劣化し被覆剤の固着性を悪くし、溶接棒製
造の際の乾燥工程において被覆剤表面部に傷やヘ
こみ、およびかすれなどを生じ易くなる。また溶
接時における被覆剤の可撓性が悪くなり被覆剤が
剥れ落ち、このまま溶接すると被覆筒が形成され
ずシールド不足とアークの指向性が安定せず、溶
接金属中にブローホールに溶け込み不足、および
ビード外観の劣化などの溶接欠陥が生じる結果と
なる。 次にセピオライトの添加量を0.5〜5.0%に限定
したのはセピオライトの効果が他の諸性能をも劣
化することなく充分に活用するためであり、0.5
%未満では被覆剤の固着性は従来と同様で悪く、
生産歩留の低下や被覆剤の可撓性の劣化を招き、
さらに高電流で溶接した際未使用部の被覆剤の耐
棒焼け性が悪くなり、このまま使用するとアーク
力が弱く不安定となりスパツタの飛散が多くなる
と共に被覆剤中の脱酸剤が変質し溶接金属の脱酸
反応が充分に行なえずブローホールやピツトが発
生する原因となる。一方5.0%を越えるとアーク
力が弱くなりスパツタが多く、さらには被覆剤同
志が緻密になり過ぎて乾燥工程において被覆剤の
表面部が先に乾燥して内部の水分が未乾燥状態で
とり残され、この水分が乾燥熱によつて蒸発し、
被覆剤内部の水蒸気圧が限界値を超えると乾燥し
た被覆剤の表面が突き破られ乾燥割れを発生す
る。 有機物を被覆剤中に0.5〜8.5%含有せしめるの
は適度なアーク力によるアークの安定性を確保
し、欠陥のない溶接金属を得ると共に生産性の向
上に寄与できるからで0.5%未満ではアーク力が
弱いためにアークが不安定となりスパツタの飛散
が多く、溶け込み不足やスラグ巻き込みなども生
じ溶接作業性が悪くなる。また溶接棒製造時にお
いては被覆剤の表面部に傷やへこみ、かすれが発
生し易くなり生産歩留が低下する。一方8.5%を
超えると他の成分を調整しても高電流を使用した
際、未使用部の被覆剤の耐棒焼け性が劣化し、さ
らに製造後あるいは再乾燥後これを大気中に放置
すると被覆剤の吸湿速度が増加し、このまま溶接
すると溶接金属中に拡散性水素量が多くなり耐割
れ性や耐ブローホール性などが悪化する。 有機物量に対するセピオライト量の比を0.3〜
3.5とするのは生産性向上と被覆剤の可撓性と高
電流での被覆剤の耐棒焼け性を充分満足させ、他
の諸性能も劣化しないようにするために重要であ
る。その比が0.3未満では被覆剤の固着性が低下
し、前述した本発明の目的を果すことができず、
特に溶接時における被覆剤の耐棒焼け性が悪くな
り溶接作業性の劣化および溶接欠陥を生じること
になる。 また、その比が3.5を超えるとアークが不安定
となりスパツタが多くなると共に、アークに広が
りがなくなりビードが凸形状を呈するようにな
り、さらにアーク力が弱くなるのでスラグの粘性
が増加し、溶融スラグが被覆筒にからみ易くなる
ために溶け込み不足やスラグ巻き込みを生じるよ
うになる。 〔実施例〕 以下に実施例に基づいて、本発明例と比較例お
よび従来例とを比較して本発明の効果をさらに具
体的に述べる。 第1表に試験に供したセピオライトの種々の粒
度を示し、第2表にはイルミナイト系、ライムチ
タニヤ系および鉄粉酸化鉄系の各被覆タイプにお
ける本発明溶接棒と比較溶接棒および従来溶接棒
の各性能試験結果を示すものである。 なお、供試溶接棒の製造は第2表に示すそれぞ
れの被覆剤に固着剤を添加し、湿式混合を行なつ
て直径4.0mmの軟鋼心線を用い、その長さをイル
ミナイト系、ライムチタニヤ系のものが400mm、
鉄粉酸化鉄系のものが550mmとし、通常の押出し
式塗装機により被覆塗装した後、イルミナイト
系、ライムチタニヤ系で最高温度150℃、鉄粉酸
化鉄系で最高温度190℃の乾燥を行ない各種溶接
棒を作成した。 各試験方法とその良否判定基準は以下のとおり
とした。被覆剤の固着性を定量化するための被覆
剤脱落試験では約1.5Kgの製品を板厚6mmで作成
した55mm×300mm×720mmの鋼製の箱に入れ1分間
で40回転の速度で5分間回転させ被覆剤の脱落し
た割合を測定したものでその脱落率が2%以下の
ものを良好と判定した。生産歩留の試験について
は溶接棒約150Kgを製造し、塗装および乾燥工程
において傷、へこみ、かすれ、または乾燥割れが
生じないものを良品とし、製造した全溶接棒に対
する良品の割合を生産歩留としその値が99%以上
であつたものを良好とした。また、被覆剤の可撓
性試験については第1図に示す固定治具4の一部
に溶接棒のホルダー掴み代1を固定し、他端に向
つて円弧状に曲げるものでその判定方法は棒曲げ
角度で表わし、第1図に示す160mmφの管状治具
3の円弧面に押しつけられて曲げられた溶接棒2
の被覆剤が欠け始めた状態で止めたときの溶接棒
先端部の延長線と治具に最初にセツトした溶接棒
とのなす角度(θ)で示し、その角度は供試溶接
棒10本の平均値であり、180゜曲がつたものを良好
とした。次に被覆剤の耐棒焼け性試験では軟鋼板
(板厚12mm、幅100mm、長さ800mm)を用い交流溶
接機を使用して下向溶接を行ない、電流はイルミ
ナイト系、ライムチタニヤ系には200Aを用い、
鉄粉酸化鉄系では180Aで試験を行ない、その判
定方法は未使用部の被覆剤が変質して被覆筒が形
成されず、かつアーク状態が急変して不安定とな
りアーク力が低下し始める位置でアークを消弧さ
せ、そのときの残りの溶接棒長で表わし、その値
は供試溶接棒10本の平均値であり、60mm以下を良
好とした。さらに他の溶接作業性試験としてイル
ミナイト系、ライムチタニヤ系溶接棒については
180Aで下向、水平すみ肉姿勢を、150Aで立向姿
勢を調査し、鉄粉酸化鉄系溶接棒については、い
ずれも160Aで下向と水平すみ肉姿勢にて調査し
た。 その判定方法についてはアーク状態、スパツタ
の多少、スラグ状態およびビード外観などがそれ
ぞれの溶接姿勢において全て満足するものを良好
とした。
し生産性の向上を図ると共に、被覆剤の可撓性と
高電流使用での耐棒焼け性を著しく改善した非低
水素系被覆アーク溶接棒(以下非低水素系棒と称
する)に関するものである。 〔従来の技術〕 非低水素系棒は、低水素系被履アーク溶接棒に
比べ溶接金属中の水素量が多いことから拘束の大
きい被溶接物での耐割れ性や衝撃靭性は劣るもの
の、溶接作業性が良好であるところから利用範囲
が極めて広い。例えばイルミナイト系全姿勢用溶
接棒は造船、橋梁、機械、建築および圧力容器な
どに、また、ライムチタニヤ系溶接棒では軽量鉄
骨、自動車部品、セグメント、ドラム缶などに用
いられ、いずれも軟鋼の薄板、中板の溶接に適し
ている。 ところで非低水素系棒の生産性向上や溶接作業
性の改善については例えば特公昭59−2599号公報
に被覆剤中にヘクトライトを0.1〜3重量%添加
することにより被覆剤の固着性を高め輸送時にお
ける被覆剤の脱落を防ぎ、かつ製造時での塗装性
を良好にし、傷やへこみを減少させ生産歩留の向
上を図れることが示されている。しかも、このヘ
クトライトはその埋蔵箇所が極く限られているた
め、その適用には限界がある。 また、被覆剤の可撓性向上については、例えば
特公昭54−24974号公報に記載されるように水ガ
ラス中にアルカリ溶液、タンパク質、アルミニウ
ム塩および多糖類からなる混合添加剤を0.1〜10
重量%添加したものを固着剤として用いることに
よりかなり改善されている。しかし、この固着剤
を使用した非低水素系棒は高電流で使用すると溶
接棒後半部分の被覆剤中の有機物がジユール熱で
分解燃焼し所謂棒焼け現象を起こし易く、棒焼け
を起こした部分を使用すると溶接時にアークが不
安定になるという欠点がある。そこで特開昭57−
206595号公報では固着剤としての水ガラスにおけ
るSiO2/Na2Oのモル比を2.8〜3.8にした高モル
比水ガラスの使用により棒焼けを防止している。
ところが特開昭57−100896号公報に記載されてい
るように水ガラスのモル比を高くすることは製造
時での乾燥割れを生じさせ、またモル比が高くな
るとNa2OやK2Oなどのアルカリ酸化物が減少す
るのでアーク状態が劣化しスパツタの飛散が多く
なるという問題点がある。 このように現状の非低水素系棒において生産性
が良好で、かつ被覆剤の可撓性と高電流使用にお
ける耐棒焼け性を改善し、さらにその他アーク状
態、スパツタ、スラグ状態、ビード外観などの溶
接作業性を満足させることは非常に困難であつ
た。これらの要求をすべて満たす溶接棒を得るこ
とは溶接棒を使用する各業界から強く要望されて
いた。 〔発明が解決しようとする問題点〕 本発明は前述した実情に鑑み、被覆剤組成を吟
味し従来の諸性能を確保するとともに被覆剤の固
着性を極めて良好なものにして生産性の向上が可
能で、製作する構造物が複雑で狭い箇所での溶接
時に要求される被覆剤の可撓性にも優れ、さら
に、高電流を使用した場合でも充分満足しうる被
覆剤の耐棒焼け性が得られる非低水素系棒を提供
するものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は前述した要望に応えるために非低水素
系棒の被覆剤を種々検討した結果、生産性の向上
と溶接作業時における被覆剤の可撓性および耐棒
焼け性を著しく改善したものであつて、その要旨
とするところは被覆剤中に105μ以下の粒子が85
重量%(以下%で表わす)以上のセピオライトを
0.5〜5.0%、有機物を0.5〜8.5%含有し、かつ有
機物量に対するセピオライト量の比を0.3〜3.5と
することを特徴とする非低水素系棒にある。 生産性と被覆剤の可撓性の改善については被覆
剤そのものの固着性を強靭なものにし、かつ溶接
棒の心線と被覆剤との固着力を良好にすることが
極めて有効であることを着目し種々研究を重ねた
結果、セピオライトと有機物の併用および有機物
量に対するセピオライト量の比を限定することが
極めて重要でもつとも効果の大きいことを見出し
た。セピオライトは天然の含水マグネシウム珪酸
塩で、化学構造式は(OH2)4(OH)4Mg8Si12O306
〜8H2Oで表わされ、結晶構造は繊維状を呈して
おり、水ガラスにおける分散性が良好で被覆剤に
添加した場合、水ガラスとの混合時にその繊維同
志が複雑にからみ合つたり、ほぐれたりして被覆
剤の増粘性を高める作用がある。さらに、溶接棒
製造時での乾燥工程においてはセピオライト自身
で固結するばかりか他の被覆剤をも固結する性質
がある。従つてこれらの増粘性と固結性が良好な
ゆえに被覆剤の固着性は優れたものになる。 また、セピオライトは前述のとおり結晶水を含
んでいるため高電流を使用して溶接した場合、そ
の結晶水が溶接のジユール熱により溶接棒後半部
の被覆剤から脱水する際その被覆剤からの放熱が
活発となり、被覆剤の耐棒焼け性を良好にする作
用もある。 このようにセピオライトは生産性向上と被覆剤
の可撓性および高電流使用における耐棒焼け性改
善に大いに貢献できるが、被覆剤に添加するセピ
オライトが粗粒であつたり、多量に使用したりす
るとアーク力が弱まり不安定となり、スパツタの
飛散も多くなる。そこでセピオライトの粒度と添
加量の限定をする必要があり、さらにアーク状態
を良好にし健全な溶接作業性を保有するために有
機物の併用はかくことのできないもので、有機物
量に対するセピオライト量の比が重要な要件であ
ることを確認した。本発明は以上の知見に基づい
てなされたものである。なお、ここでいう有機物
とは澱粉、セルロース、木粉、デキストリン、ア
ルギン酸ソーダなどを指し、単独あるいは種々の
組合せで使用できる。 〔作用〕 以下本発明における作用について詳述する。 本発明の非低水素系棒において、まず被覆剤中
に105μ以下の粒子が85%以上のセピオライトを
含有せしめるのは溶接作業性の安定性および使い
易さと、被覆剤の固着性と均一性を図り、生産歩
留を向上させ、かつ被覆剤の可撓性を良好にする
ためである。その粒度が105μ以上の粒子が15%
以上ではアークが不安定でスパツタの飛散が多く
なり、生産性の面では繊維状のセピオライトの分
散性が劣化し被覆剤の固着性を悪くし、溶接棒製
造の際の乾燥工程において被覆剤表面部に傷やヘ
こみ、およびかすれなどを生じ易くなる。また溶
接時における被覆剤の可撓性が悪くなり被覆剤が
剥れ落ち、このまま溶接すると被覆筒が形成され
ずシールド不足とアークの指向性が安定せず、溶
接金属中にブローホールに溶け込み不足、および
ビード外観の劣化などの溶接欠陥が生じる結果と
なる。 次にセピオライトの添加量を0.5〜5.0%に限定
したのはセピオライトの効果が他の諸性能をも劣
化することなく充分に活用するためであり、0.5
%未満では被覆剤の固着性は従来と同様で悪く、
生産歩留の低下や被覆剤の可撓性の劣化を招き、
さらに高電流で溶接した際未使用部の被覆剤の耐
棒焼け性が悪くなり、このまま使用するとアーク
力が弱く不安定となりスパツタの飛散が多くなる
と共に被覆剤中の脱酸剤が変質し溶接金属の脱酸
反応が充分に行なえずブローホールやピツトが発
生する原因となる。一方5.0%を越えるとアーク
力が弱くなりスパツタが多く、さらには被覆剤同
志が緻密になり過ぎて乾燥工程において被覆剤の
表面部が先に乾燥して内部の水分が未乾燥状態で
とり残され、この水分が乾燥熱によつて蒸発し、
被覆剤内部の水蒸気圧が限界値を超えると乾燥し
た被覆剤の表面が突き破られ乾燥割れを発生す
る。 有機物を被覆剤中に0.5〜8.5%含有せしめるの
は適度なアーク力によるアークの安定性を確保
し、欠陥のない溶接金属を得ると共に生産性の向
上に寄与できるからで0.5%未満ではアーク力が
弱いためにアークが不安定となりスパツタの飛散
が多く、溶け込み不足やスラグ巻き込みなども生
じ溶接作業性が悪くなる。また溶接棒製造時にお
いては被覆剤の表面部に傷やへこみ、かすれが発
生し易くなり生産歩留が低下する。一方8.5%を
超えると他の成分を調整しても高電流を使用した
際、未使用部の被覆剤の耐棒焼け性が劣化し、さ
らに製造後あるいは再乾燥後これを大気中に放置
すると被覆剤の吸湿速度が増加し、このまま溶接
すると溶接金属中に拡散性水素量が多くなり耐割
れ性や耐ブローホール性などが悪化する。 有機物量に対するセピオライト量の比を0.3〜
3.5とするのは生産性向上と被覆剤の可撓性と高
電流での被覆剤の耐棒焼け性を充分満足させ、他
の諸性能も劣化しないようにするために重要であ
る。その比が0.3未満では被覆剤の固着性が低下
し、前述した本発明の目的を果すことができず、
特に溶接時における被覆剤の耐棒焼け性が悪くな
り溶接作業性の劣化および溶接欠陥を生じること
になる。 また、その比が3.5を超えるとアークが不安定
となりスパツタが多くなると共に、アークに広が
りがなくなりビードが凸形状を呈するようにな
り、さらにアーク力が弱くなるのでスラグの粘性
が増加し、溶融スラグが被覆筒にからみ易くなる
ために溶け込み不足やスラグ巻き込みを生じるよ
うになる。 〔実施例〕 以下に実施例に基づいて、本発明例と比較例お
よび従来例とを比較して本発明の効果をさらに具
体的に述べる。 第1表に試験に供したセピオライトの種々の粒
度を示し、第2表にはイルミナイト系、ライムチ
タニヤ系および鉄粉酸化鉄系の各被覆タイプにお
ける本発明溶接棒と比較溶接棒および従来溶接棒
の各性能試験結果を示すものである。 なお、供試溶接棒の製造は第2表に示すそれぞ
れの被覆剤に固着剤を添加し、湿式混合を行なつ
て直径4.0mmの軟鋼心線を用い、その長さをイル
ミナイト系、ライムチタニヤ系のものが400mm、
鉄粉酸化鉄系のものが550mmとし、通常の押出し
式塗装機により被覆塗装した後、イルミナイト
系、ライムチタニヤ系で最高温度150℃、鉄粉酸
化鉄系で最高温度190℃の乾燥を行ない各種溶接
棒を作成した。 各試験方法とその良否判定基準は以下のとおり
とした。被覆剤の固着性を定量化するための被覆
剤脱落試験では約1.5Kgの製品を板厚6mmで作成
した55mm×300mm×720mmの鋼製の箱に入れ1分間
で40回転の速度で5分間回転させ被覆剤の脱落し
た割合を測定したものでその脱落率が2%以下の
ものを良好と判定した。生産歩留の試験について
は溶接棒約150Kgを製造し、塗装および乾燥工程
において傷、へこみ、かすれ、または乾燥割れが
生じないものを良品とし、製造した全溶接棒に対
する良品の割合を生産歩留としその値が99%以上
であつたものを良好とした。また、被覆剤の可撓
性試験については第1図に示す固定治具4の一部
に溶接棒のホルダー掴み代1を固定し、他端に向
つて円弧状に曲げるものでその判定方法は棒曲げ
角度で表わし、第1図に示す160mmφの管状治具
3の円弧面に押しつけられて曲げられた溶接棒2
の被覆剤が欠け始めた状態で止めたときの溶接棒
先端部の延長線と治具に最初にセツトした溶接棒
とのなす角度(θ)で示し、その角度は供試溶接
棒10本の平均値であり、180゜曲がつたものを良好
とした。次に被覆剤の耐棒焼け性試験では軟鋼板
(板厚12mm、幅100mm、長さ800mm)を用い交流溶
接機を使用して下向溶接を行ない、電流はイルミ
ナイト系、ライムチタニヤ系には200Aを用い、
鉄粉酸化鉄系では180Aで試験を行ない、その判
定方法は未使用部の被覆剤が変質して被覆筒が形
成されず、かつアーク状態が急変して不安定とな
りアーク力が低下し始める位置でアークを消弧さ
せ、そのときの残りの溶接棒長で表わし、その値
は供試溶接棒10本の平均値であり、60mm以下を良
好とした。さらに他の溶接作業性試験としてイル
ミナイト系、ライムチタニヤ系溶接棒については
180Aで下向、水平すみ肉姿勢を、150Aで立向姿
勢を調査し、鉄粉酸化鉄系溶接棒については、い
ずれも160Aで下向と水平すみ肉姿勢にて調査し
た。 その判定方法についてはアーク状態、スパツタ
の多少、スラグ状態およびビード外観などがそれ
ぞれの溶接姿勢において全て満足するものを良好
とした。
【表】
【表】
【表】
以上説明したとおり、本発明溶接棒は従来の非
低水素系棒の欠点を克服し、被覆剤の固着性を良
好にし生産性と被覆剤の可撓性を著しく向上させ
ると共に高電流での耐棒焼け性をも大幅に改善で
きる溶接棒を提供でき、溶接施工においては溶接
作業が容易で溶接作業能率の向上に大いに貢献で
きる。
低水素系棒の欠点を克服し、被覆剤の固着性を良
好にし生産性と被覆剤の可撓性を著しく向上させ
ると共に高電流での耐棒焼け性をも大幅に改善で
きる溶接棒を提供でき、溶接施工においては溶接
作業が容易で溶接作業能率の向上に大いに貢献で
きる。
第1図は、被覆アーク溶接棒の可撓性試験を説
明するための溶接棒曲げ治具側面略図を示すもの
である。 1……溶接棒の掴み代、2……溶接棒、3……
管状治具、4……固定治具。
明するための溶接棒曲げ治具側面略図を示すもの
である。 1……溶接棒の掴み代、2……溶接棒、3……
管状治具、4……固定治具。
Claims (1)
- 1 被覆剤中に105μ以下の粒子が85重量%以上
のセピオライトを0.5〜5.0重量%、有機物を0.5〜
8.5重量%含有し、かつ有機物量に対するセピオ
ライト量の比を0.3〜3.5とすることを特徴とする
非低水素系被覆アーク溶接棒。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4597085A JPS61206595A (ja) | 1985-03-08 | 1985-03-08 | 被覆ア−ク溶接棒 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4597085A JPS61206595A (ja) | 1985-03-08 | 1985-03-08 | 被覆ア−ク溶接棒 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61206595A JPS61206595A (ja) | 1986-09-12 |
| JPS637878B2 true JPS637878B2 (ja) | 1988-02-18 |
Family
ID=12734081
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4597085A Granted JPS61206595A (ja) | 1985-03-08 | 1985-03-08 | 被覆ア−ク溶接棒 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61206595A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4536544B2 (ja) * | 2005-02-21 | 2010-09-01 | 日鐵住金溶接工業株式会社 | 被覆アーク溶接棒 |
| JP5524497B2 (ja) * | 2009-03-23 | 2014-06-18 | 日鐵住金溶接工業株式会社 | 非低水素系被覆アーク溶接棒 |
-
1985
- 1985-03-08 JP JP4597085A patent/JPS61206595A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61206595A (ja) | 1986-09-12 |
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