JPS639980B2 - - Google Patents
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- JPS639980B2 JPS639980B2 JP20046384A JP20046384A JPS639980B2 JP S639980 B2 JPS639980 B2 JP S639980B2 JP 20046384 A JP20046384 A JP 20046384A JP 20046384 A JP20046384 A JP 20046384A JP S639980 B2 JPS639980 B2 JP S639980B2
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- Japan
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- oil
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- plated steel
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Description
【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野)
本発明は紫外線硬化塗料に対して優れた塗膜密
着性を有するニツケルメツキ鋼板に関するもので
ある。
着性を有するニツケルメツキ鋼板に関するもので
ある。
その骨子は該メツキ鋼板に後処理として行なわ
れるクロメート皮膜の組成並びにその上に塗布さ
れる表面油の組成を紫外線硬化塗料に対し最適密
着性を与えるよう制御することにある。
れるクロメート皮膜の組成並びにその上に塗布さ
れる表面油の組成を紫外線硬化塗料に対し最適密
着性を与えるよう制御することにある。
(従来の技術)
近年省エネルギー、低公害の観点から塗膜の硬
化に紫外線を用いる”紫外線硬化型塗料(以下
UV塗料と略す)が各分野で適用されつつある。
就中缶の外面塗装(印刷用ホワイトコート)等は
膜厚も薄く、耐食性その他の問題が少ないため実
用化が最も進んでいる。UV塗料としては分子内
に不飽和2重結合を有するエポキシアクリレート
やポリエステル変性エポキシ等が用いられる。
UV塗料の最大の欠点は下地に対する密着性が悪
いことで、これは硬化時に大きな体積収縮を起こ
すためである。この欠点の克服のため、プレポリ
マーの分子量アツプ、反応性希釈剤の混合量の低
減等塗料組成の改善が鋭意行なわれている。
化に紫外線を用いる”紫外線硬化型塗料(以下
UV塗料と略す)が各分野で適用されつつある。
就中缶の外面塗装(印刷用ホワイトコート)等は
膜厚も薄く、耐食性その他の問題が少ないため実
用化が最も進んでいる。UV塗料としては分子内
に不飽和2重結合を有するエポキシアクリレート
やポリエステル変性エポキシ等が用いられる。
UV塗料の最大の欠点は下地に対する密着性が悪
いことで、これは硬化時に大きな体積収縮を起こ
すためである。この欠点の克服のため、プレポリ
マーの分子量アツプ、反応性希釈剤の混合量の低
減等塗料組成の改善が鋭意行なわれている。
一方被塗装材には錫メツキ鋼板やニツケルメツ
キ鋼板が用いられる。ニツケルメツキ鋼板は溶接
缶用材料として錫メツキ鋼板に代わつて近年開発
されたもので、通常硫酸ニツケル+塩化ニツケル
浴から陰極電解法によつて製造されている。錫メ
ツキ鋼板、ニツケルメツキ鋼板とも耐食性、塗料
密着性向上の目的でクロメート電解後処理があ
り、この上に表面油が塗布されている。表面油に
は綿実油やヂオクチルセバケートが用いられ、錫
メツキ鋼板ではアセチルトリブチルシトレート等
も用いられている。
キ鋼板が用いられる。ニツケルメツキ鋼板は溶接
缶用材料として錫メツキ鋼板に代わつて近年開発
されたもので、通常硫酸ニツケル+塩化ニツケル
浴から陰極電解法によつて製造されている。錫メ
ツキ鋼板、ニツケルメツキ鋼板とも耐食性、塗料
密着性向上の目的でクロメート電解後処理があ
り、この上に表面油が塗布されている。表面油に
は綿実油やヂオクチルセバケートが用いられ、錫
メツキ鋼板ではアセチルトリブチルシトレート等
も用いられている。
被塗装材の面からみるとUV塗料の密着性はク
ロメート皮膜組成や油膜によつて影響され、また
UV塗装前の空焼きによつても変化することが知
られている。例えば第2回国際錫メツキ鋼板会議
においてヘルウイツグ等によつて発表された「紫
外線硬化インキとラツカーの性能に及ぼす錫メツ
キ鋼板の表面特性の影響」と題する論文(E.J.
HelWig and M.J.Black;“Effect of Tinplate
Surface properties on performanceof UV―
Cured Inks and Lacquers”;Proc.2ndlnter.
Tinplate Conf.p.407(1980)London)には、錫
メツキ鋼板では綿実油やヂオクチルセバゲートよ
りもトリブチルシトレートが安定したUV塗料密
着性を示すこと並びに良好な密着性を与えるクロ
メート皮膜の形成条件(電解液のPHや温度)が提
示されている。しかしながらその製品の表面の詳
細な構造とUV塗料密着性との関係は明確でな
い。しかもニツケルメツキ鋼板では生成したクロ
メート皮膜が錫メツキ鋼板上のものと異なり、か
つ表面油についてもどのようなものがUV密着性
に対してすぐれているのか全く不明であつた。更
に製缶分野では一般にUV塗装(外面)に先立
ち、内面塗料の塗装焼付工程(赤外線や熱風加
熱)があるため、この時の加熱(プレベーキン
グ、空焼き)によつて油とクロメート皮膜とが反
応して空焼き前と異なる表面組成となり、これが
密着性を支配するため、空焼き条件によつて密着
性に大巾な差を生じる。例えば先行空焼き時にニ
ツケルメツキ板を支持するステンレス支持具(ウ
イケツトという)との接触部分で密着劣化が甚だ
しい(ウイケツトの形状にUV塗膜剥離が起る)
ことが知られていたが、その原因は不明であつ
た。すなわち空焼き条件の如何に拘わらず常に安
定したUV塗料密着性を得るには油の組成を含む
クロメート皮膜の構造を正確に把握する必要があ
るが、この観点からの研究は従来全く行なわれて
いない。この理由は油膜及びクロメート皮膜の厚
さが、それぞれ数10Åと極めて薄く、その組成、
構造を正確に知る手段がなかつたためである。し
かるに近年オージエ電子分光(AFS)やX線光
電子分光(ESCA)等の表面分析装置が開発され
るに及んで表面のÅオーダーの化学組成の定量化
が可能となり、種々の分野で活用されている。こ
の内ESCAは有機物を含む極表面層の分析に特徴
を有しており、表面油を含むクロメート皮膜組成
の解析に適用することができる。
ロメート皮膜組成や油膜によつて影響され、また
UV塗装前の空焼きによつても変化することが知
られている。例えば第2回国際錫メツキ鋼板会議
においてヘルウイツグ等によつて発表された「紫
外線硬化インキとラツカーの性能に及ぼす錫メツ
キ鋼板の表面特性の影響」と題する論文(E.J.
HelWig and M.J.Black;“Effect of Tinplate
Surface properties on performanceof UV―
Cured Inks and Lacquers”;Proc.2ndlnter.
Tinplate Conf.p.407(1980)London)には、錫
メツキ鋼板では綿実油やヂオクチルセバゲートよ
りもトリブチルシトレートが安定したUV塗料密
着性を示すこと並びに良好な密着性を与えるクロ
メート皮膜の形成条件(電解液のPHや温度)が提
示されている。しかしながらその製品の表面の詳
細な構造とUV塗料密着性との関係は明確でな
い。しかもニツケルメツキ鋼板では生成したクロ
メート皮膜が錫メツキ鋼板上のものと異なり、か
つ表面油についてもどのようなものがUV密着性
に対してすぐれているのか全く不明であつた。更
に製缶分野では一般にUV塗装(外面)に先立
ち、内面塗料の塗装焼付工程(赤外線や熱風加
熱)があるため、この時の加熱(プレベーキン
グ、空焼き)によつて油とクロメート皮膜とが反
応して空焼き前と異なる表面組成となり、これが
密着性を支配するため、空焼き条件によつて密着
性に大巾な差を生じる。例えば先行空焼き時にニ
ツケルメツキ板を支持するステンレス支持具(ウ
イケツトという)との接触部分で密着劣化が甚だ
しい(ウイケツトの形状にUV塗膜剥離が起る)
ことが知られていたが、その原因は不明であつ
た。すなわち空焼き条件の如何に拘わらず常に安
定したUV塗料密着性を得るには油の組成を含む
クロメート皮膜の構造を正確に把握する必要があ
るが、この観点からの研究は従来全く行なわれて
いない。この理由は油膜及びクロメート皮膜の厚
さが、それぞれ数10Åと極めて薄く、その組成、
構造を正確に知る手段がなかつたためである。し
かるに近年オージエ電子分光(AFS)やX線光
電子分光(ESCA)等の表面分析装置が開発され
るに及んで表面のÅオーダーの化学組成の定量化
が可能となり、種々の分野で活用されている。こ
の内ESCAは有機物を含む極表面層の分析に特徴
を有しており、表面油を含むクロメート皮膜組成
の解析に適用することができる。
(発明が解決しようとする問題点)
本発明者らは、UV塗料の密着不良の問題を解
決するために、前述のESCAを適用して密着性に
及ぼす材料表面の影響を明らかにし、これに基い
てUV塗料に対し優れた密着性を有する製缶用鋼
板を開発したものである。
決するために、前述のESCAを適用して密着性に
及ぼす材料表面の影響を明らかにし、これに基い
てUV塗料に対し優れた密着性を有する製缶用鋼
板を開発したものである。
(問題点を解決するための手段)
本発明は、クロメート処理を施されたニツケル
メツキ鋼板のUV塗料密着性が、クロメート皮膜
の水和度と表面に塗布された油の極性基濃度によ
つて影響されるので、UV塗料の密着性を向上す
るために、クロメート皮膜(Cr2O3・NH2Oの一
般式で示す)の水和度Nが1.5以上の値を有し、
表面油の極性基(エステルカルボニル基)濃度、
nCOが無極性基(炭素水素基)濃度、nCHに対し、
少なくとも8%以上で、かつ水和度Nと極性基濃
度比(nCO/nCH)との間に 0.24N+2.6(nCO/nCH)≧1 の関係を満足するように表面設計を行なうもので
ある。
メツキ鋼板のUV塗料密着性が、クロメート皮膜
の水和度と表面に塗布された油の極性基濃度によ
つて影響されるので、UV塗料の密着性を向上す
るために、クロメート皮膜(Cr2O3・NH2Oの一
般式で示す)の水和度Nが1.5以上の値を有し、
表面油の極性基(エステルカルボニル基)濃度、
nCOが無極性基(炭素水素基)濃度、nCHに対し、
少なくとも8%以上で、かつ水和度Nと極性基濃
度比(nCO/nCH)との間に 0.24N+2.6(nCO/nCH)≧1 の関係を満足するように表面設計を行なうもので
ある。
(作用)
まず、本発明者らはUV塗料の密着性不良の原
因の検討を行なつた。
因の検討を行なつた。
UV塗料を塗布する製缶用鋼板には、クロメー
ト処理されたニツケルメツキ鋼板、もしくはニツ
ケルを下地に上層に薄いメツキを施した複層メツ
キ鋼板が使われ、これらはさらにその上に表面油
が塗布された状態で用いられる。そのため、UV
塗料を塗布し硬化させてから、剥離した界面の塗
膜並びに金属側の面をそれぞれESCAによつて調
べ、剥離が油膜を含むクロメート皮膜と塗膜との
界面で起つていること、従つて油膜とクロメート
皮膜組成のいずれもが密着性に影響を与え得るこ
とを明らかにした。
ト処理されたニツケルメツキ鋼板、もしくはニツ
ケルを下地に上層に薄いメツキを施した複層メツ
キ鋼板が使われ、これらはさらにその上に表面油
が塗布された状態で用いられる。そのため、UV
塗料を塗布し硬化させてから、剥離した界面の塗
膜並びに金属側の面をそれぞれESCAによつて調
べ、剥離が油膜を含むクロメート皮膜と塗膜との
界面で起つていること、従つて油膜とクロメート
皮膜組成のいずれもが密着性に影響を与え得るこ
とを明らかにした。
ついでクロメート皮膜組成の水和度と被覆性並
びに油膜の極性濃度に着目し、空焼方法、各種の
表面活性化処理(フレーム処理、UVプレ照射)、
油の種類、並びに溶剤洗浄などによつて表面状態
と組成とを変えた多数の試料を作製し、密着性と
の関係をしらべた。その結果、密着性は油の極性
基濃度並びにクロメート皮膜の水和度によつて決
まり、極性基濃度が高いものほど、水和度の高い
ものほど密着性がよいことを知見した。この関係
を第1図に示す。
びに油膜の極性濃度に着目し、空焼方法、各種の
表面活性化処理(フレーム処理、UVプレ照射)、
油の種類、並びに溶剤洗浄などによつて表面状態
と組成とを変えた多数の試料を作製し、密着性と
の関係をしらべた。その結果、密着性は油の極性
基濃度並びにクロメート皮膜の水和度によつて決
まり、極性基濃度が高いものほど、水和度の高い
ものほど密着性がよいことを知見した。この関係
を第1図に示す。
本発明において、クロメート皮膜の水和度及び
油の極性基濃度の決定は前述のESCAの測定デー
タに基づいている。本発明は被塗装材の表面組成
を定量的に規定するものであり、従つてその定量
化方法は重要な意味を有するので以下に詳述す
る。
油の極性基濃度の決定は前述のESCAの測定デー
タに基づいている。本発明は被塗装材の表面組成
を定量的に規定するものであり、従つてその定量
化方法は重要な意味を有するので以下に詳述す
る。
クロメート処理ニツケルメツキ鋼板表面を
ESCAにて測定するとCr、O、NiおよびCの4
元素が検出されるが、Cは第2図に示すようにそ
のピーク形状によつて炭化水素基(ICH)とエス
テルカルボニル基(ICO)とに分離でき、Crおよ
びNiはそのピーク位置から3価の水和酸化クロ
ム(Cr2O3,NH2O)と酸化ニツケル(Ni2OC)
であると固定される。油膜がエステル結合を含む
化合物から成ることは、一般に表面油として、分
子内にエステルカルボニル基を有するヂオクチル
セバケートや綿実油が用いられるためである。
ESCAにて測定するとCr、O、NiおよびCの4
元素が検出されるが、Cは第2図に示すようにそ
のピーク形状によつて炭化水素基(ICH)とエス
テルカルボニル基(ICO)とに分離でき、Crおよ
びNiはそのピーク位置から3価の水和酸化クロ
ム(Cr2O3,NH2O)と酸化ニツケル(Ni2OC)
であると固定される。油膜がエステル結合を含む
化合物から成ることは、一般に表面油として、分
子内にエステルカルボニル基を有するヂオクチル
セバケートや綿実油が用いられるためである。
さて表面元素濃度は通常の定量分析手順に従つ
て以下のようにして求められる。すなわちi,j
元素のピーク強度(高さもしくは面積が用いられ
る)をIi,Ijとした時、その原子濃度(単位体積
当りの原子数)の比ni/njは(1)式で与えられる。
て以下のようにして求められる。すなわちi,j
元素のピーク強度(高さもしくは面積が用いられ
る)をIi,Ijとした時、その原子濃度(単位体積
当りの原子数)の比ni/njは(1)式で与えられる。
ni/nj=Ii/Ij×σjλjSj/σiλiSi (1)
ここでσi,σjはi,j元素のイオン化断面積
で、Cのイオン化断面積σcを1.00とした時、σp=
2.85 σCr=7.60 σNi=1392である。λj,λjは電子の
脱出深さでλ∝E0.75 K(EKは電子の運動エネルギ
ー)から求められる。Sは電子の運動エネルギー
に依存した検出効率(装置関数)で本装置(VG
社製ESCA)ではSC=1.3、SCr=1.85、Sp=1.8、
SNi=2.6である。これらの値を用いて(1)式から
ni/njが求められる。但しCに関しては、炭化水
素基(285.0eV)とエステル基(288.6eV)とか
ら成るため、それぞれのピーク強度の和(ICH+
ICO=IC)を取る。np/nC=k、nCr/nC=k2、
nNi/nC=k3とすると、nC+nO+nCr+nNi=1であ
るから、 nC=1/1+k1+k2+k3 ―(2) np=k1/1+k1+k2+k3 ―(3) nCr=k2/1+k1+k2+k3 ―(4) nNi=k3/1+k1+k2+k3 ―(5) として全元素の原子濃度パーセントを求めること
ができる。また炭化水素Cの濃度(nCH)とエス
テルCの濃度(nCO)とはそれぞれnCH=nC×
(ICH/IC)、nCO=nC×(ICO/IC)で求めることがで
きる。
で、Cのイオン化断面積σcを1.00とした時、σp=
2.85 σCr=7.60 σNi=1392である。λj,λjは電子の
脱出深さでλ∝E0.75 K(EKは電子の運動エネルギ
ー)から求められる。Sは電子の運動エネルギー
に依存した検出効率(装置関数)で本装置(VG
社製ESCA)ではSC=1.3、SCr=1.85、Sp=1.8、
SNi=2.6である。これらの値を用いて(1)式から
ni/njが求められる。但しCに関しては、炭化水
素基(285.0eV)とエステル基(288.6eV)とか
ら成るため、それぞれのピーク強度の和(ICH+
ICO=IC)を取る。np/nC=k、nCr/nC=k2、
nNi/nC=k3とすると、nC+nO+nCr+nNi=1であ
るから、 nC=1/1+k1+k2+k3 ―(2) np=k1/1+k1+k2+k3 ―(3) nCr=k2/1+k1+k2+k3 ―(4) nNi=k3/1+k1+k2+k3 ―(5) として全元素の原子濃度パーセントを求めること
ができる。また炭化水素Cの濃度(nCH)とエス
テルCの濃度(nCO)とはそれぞれnCH=nC×
(ICH/IC)、nCO=nC×(ICO/IC)で求めることがで
きる。
さて以上の手続きによつて、表面を構成する各
元素(及び成分)の原子パーセントがわかると、
以下の方法によつて、水和酸化クロムの水和度
(N)と被覆率(α)とを求めることができる。
すなわち表面構造は一般に、 αCr2O3NH2O+(1―α)Ni2O3 ―(6) で表わすことができる。この分子式の中の酸素の
原子濃度(np′)は(4)式から求められた値より、
エステル結合の分だけ少ないからno′=n0−2nCO
となる。ここでn0′/nCr=X、nNi/nCr=Yとす
ると、Nとαは次の(7),(8)式から得られる。
元素(及び成分)の原子パーセントがわかると、
以下の方法によつて、水和酸化クロムの水和度
(N)と被覆率(α)とを求めることができる。
すなわち表面構造は一般に、 αCr2O3NH2O+(1―α)Ni2O3 ―(6) で表わすことができる。この分子式の中の酸素の
原子濃度(np′)は(4)式から求められた値より、
エステル結合の分だけ少ないからno′=n0−2nCO
となる。ここでn0′/nCr=X、nNi/nCr=Yとす
ると、Nとαは次の(7),(8)式から得られる。
N=2X―3Y―3 ―(7)
α=1/Y+1 ―(8)
上記の計算によつて、ニツケルメツキ鋼板の水
和酸化クロム層は水和度(N)と被覆率(α)に
よつて特性づけられることが分つた。一方油の特
性はその極性基濃度比(nCO/nCH)で評価できる
ので、本発明者らは塗油ニツケルメツキ鋼板の表
面を上記の3つの特性値、すなわち油の極性基
nCO/nCH(=ICO/ICH)、クロメート皮膜の水和度
(N)並びにその被覆率(α)によつて規定する
ことにした。n及びαはクロメート処理条件、空
焼条件によつて変化しN=1.5〜4.6、α=0.75〜
0.91の範囲であつた。N及びαは空焼によつて一
般に低下するが、表面油との相互作用がある。
和酸化クロム層は水和度(N)と被覆率(α)に
よつて特性づけられることが分つた。一方油の特
性はその極性基濃度比(nCO/nCH)で評価できる
ので、本発明者らは塗油ニツケルメツキ鋼板の表
面を上記の3つの特性値、すなわち油の極性基
nCO/nCH(=ICO/ICH)、クロメート皮膜の水和度
(N)並びにその被覆率(α)によつて規定する
ことにした。n及びαはクロメート処理条件、空
焼条件によつて変化しN=1.5〜4.6、α=0.75〜
0.91の範囲であつた。N及びαは空焼によつて一
般に低下するが、表面油との相互作用がある。
またnCO/nCHは空焼すると一般に増大するが
(油の酸化)、オーブン内で空気の流通不良の個所
(前述したステンレス製ウイケツトとの接触部が
これに相当する)でnCO/nCHは変化せず、油の酸
化が起りにくい。またフレーム加熱等の前処理に
よつてnCO/nCHは増大するが、UVプレ照射や溶
剤洗浄などででは余り変らない。上記に列挙した
種々の条件で表面組成を変化させて、UV塗料密
着性を調べたところ、密着性は水和度(N)と極
性基濃度(nCO/nCH)によつて決まり、クロメー
ト被覆率(α)は0.75〜0.91の範囲では殆んど関
係がなかつた。
(油の酸化)、オーブン内で空気の流通不良の個所
(前述したステンレス製ウイケツトとの接触部が
これに相当する)でnCO/nCHは変化せず、油の酸
化が起りにくい。またフレーム加熱等の前処理に
よつてnCO/nCHは増大するが、UVプレ照射や溶
剤洗浄などででは余り変らない。上記に列挙した
種々の条件で表面組成を変化させて、UV塗料密
着性を調べたところ、密着性は水和度(N)と極
性基濃度(nCO/nCH)によつて決まり、クロメー
ト被覆率(α)は0.75〜0.91の範囲では殆んど関
係がなかつた。
この結果を示したのが、先に述べた第1図に示
す関係である。第1図は横軸に油の極性基濃度、
縦軸にクロメート皮膜の水和度を示し、Oは密着
性良好のもの、Xは不良のものを示す。水和度が
低いと密着性が不良になるのは水素結合によつて
密着力を上げるオール結合(−OH…)が少なく
なるためであり、油の極性基濃度が多少高くても
密着不良となる。この下限は約N=1.5である。
一方水和度がこの値以上であつても油の極性基濃
度が低いと、良好な密着性は得られない。空焼き
条件によつて変化することを考慮に入れると、極
性基濃度(nCO/nCH×100)として8%以上を確
保することが必要である。図中の破線は0.24N+
2.60(nCO/nCH)=1を示しているが、N≧1.5、
nCO/nCH×100≧8%を確保してもなお、破線よ
り左下の範囲のものは密着性不良である。そこで
空焼条件の如何に拘わらず良好な密着性を得るた
めの表面組成としてN≧1.5およびnCO/nCH≧0.08
でかつ0.24N+2.60(nCO/nCH)≧1以上と規定し
た。
す関係である。第1図は横軸に油の極性基濃度、
縦軸にクロメート皮膜の水和度を示し、Oは密着
性良好のもの、Xは不良のものを示す。水和度が
低いと密着性が不良になるのは水素結合によつて
密着力を上げるオール結合(−OH…)が少なく
なるためであり、油の極性基濃度が多少高くても
密着不良となる。この下限は約N=1.5である。
一方水和度がこの値以上であつても油の極性基濃
度が低いと、良好な密着性は得られない。空焼き
条件によつて変化することを考慮に入れると、極
性基濃度(nCO/nCH×100)として8%以上を確
保することが必要である。図中の破線は0.24N+
2.60(nCO/nCH)=1を示しているが、N≧1.5、
nCO/nCH×100≧8%を確保してもなお、破線よ
り左下の範囲のものは密着性不良である。そこで
空焼条件の如何に拘わらず良好な密着性を得るた
めの表面組成としてN≧1.5およびnCO/nCH≧0.08
でかつ0.24N+2.60(nCO/nCH)≧1以上と規定し
た。
すなわち上記範囲の表面組成を有するクロメー
ト処理ニツケルメツキ鋼板は、空焼きの有無、ウ
イケツト接触の有無に関係なく良好なUV塗料密
着性を示す。以下に本発明の実施例を述べる。
ト処理ニツケルメツキ鋼板は、空焼きの有無、ウ
イケツト接触の有無に関係なく良好なUV塗料密
着性を示す。以下に本発明の実施例を述べる。
(実施例)
実施例 1
硫酸ニツケル+塩化ニツケル混合浴で陰極電解
してニツケル付着量600mg/m2のニツケルメツキ
鋼板を得、引続きクロム酸60g/に硫酸
400ppmの処理浴中で電流密度20A/dm2で陰極
電解し、Cr付着量として8mg/dm2の水和酸化
クロムを主とする皮膜を形成せしめ、90℃の熱水
で洗浄し、熱風乾燥した。更に表面油としてエス
テルカルボニル濃度の高いアセチルトリブチルシ
トレートを4mg/m2に塗布した。ついでプレベー
キングとして、該メツキ板をステンレス製の支持
具にたてかけて210℃10分間空焼した。支持具と
接触した表面(空気流動不良個所)をESCAにて
測定したところ油膜の極性基濃度(nCO/nCH×
100)が20.2%、水和度(N)が3.6の組成を持つ
表面を得た。また支持具と接触しなかつた場所で
は、それぞれ22.8%及び3.5の値を有していた。
当該メツキ板表面にエポキシアクリレートを主成
分とするUV用プレポリマーを、乾燥後の重量と
して180mg/dm2にロール塗布し、引続きUV照
射(10KW、1.3秒)を行ない塗膜形成を行なつ
た。このようにして得られたUV塗膜の密着性
は、支持具との接触の如何にかかわらず、いずれ
の場所もすぐれており、スクラツチを入れたテー
プ剥離によつて全く剥離しなかつた。
してニツケル付着量600mg/m2のニツケルメツキ
鋼板を得、引続きクロム酸60g/に硫酸
400ppmの処理浴中で電流密度20A/dm2で陰極
電解し、Cr付着量として8mg/dm2の水和酸化
クロムを主とする皮膜を形成せしめ、90℃の熱水
で洗浄し、熱風乾燥した。更に表面油としてエス
テルカルボニル濃度の高いアセチルトリブチルシ
トレートを4mg/m2に塗布した。ついでプレベー
キングとして、該メツキ板をステンレス製の支持
具にたてかけて210℃10分間空焼した。支持具と
接触した表面(空気流動不良個所)をESCAにて
測定したところ油膜の極性基濃度(nCO/nCH×
100)が20.2%、水和度(N)が3.6の組成を持つ
表面を得た。また支持具と接触しなかつた場所で
は、それぞれ22.8%及び3.5の値を有していた。
当該メツキ板表面にエポキシアクリレートを主成
分とするUV用プレポリマーを、乾燥後の重量と
して180mg/dm2にロール塗布し、引続きUV照
射(10KW、1.3秒)を行ない塗膜形成を行なつ
た。このようにして得られたUV塗膜の密着性
は、支持具との接触の如何にかかわらず、いずれ
の場所もすぐれており、スクラツチを入れたテー
プ剥離によつて全く剥離しなかつた。
実施例 2
実施例1に示すのと同一の条件でニツケルメツ
キ鋼板を得、ついでクロム酸60g/に硫酸
400ppmの処理浴中で電流密度20A/dm2で陰極
電解し、Cr付着量として8mg/dm2の水和酸化
クロムを主とする皮膜を形成せしめ、50℃の温水
で洗浄し、熱風乾燥した。更に表面油としてジオ
クチルセバケートを4mg/m2に塗布した。ついで
プレベーキングとして該メツキ板をステンレス支
持具に立てかけ210℃、10分で空焼した。ついで
支持具と接触した部分(空気流通不良個所)をガ
スバーナーの炎で加熱処理した。その後に接触部
表面をESCAにて測定したところ、油膜の極性基
濃度(nCO/nCH×100)22.6℃、水和度(N)が
2.6の組成を持つ表面を得た。また支持具と接触
しなかつた部分の表面はそれぞれ20.8%、28であ
つた。当該メツキ板表面に実施例1と同様の方法
にてUV塗膜を形成させた。このものの塗膜密着
性は支持具との接触の如何にかかわらず、いずれ
の場合もすぐれていた。一方ガスバーナー処理を
行なわない場合、支持具との接触部の表面は
(nCO/nCH)×100=7.5%、N=2.1であり、この部
分ではUV塗膜の剥離がみられた。
キ鋼板を得、ついでクロム酸60g/に硫酸
400ppmの処理浴中で電流密度20A/dm2で陰極
電解し、Cr付着量として8mg/dm2の水和酸化
クロムを主とする皮膜を形成せしめ、50℃の温水
で洗浄し、熱風乾燥した。更に表面油としてジオ
クチルセバケートを4mg/m2に塗布した。ついで
プレベーキングとして該メツキ板をステンレス支
持具に立てかけ210℃、10分で空焼した。ついで
支持具と接触した部分(空気流通不良個所)をガ
スバーナーの炎で加熱処理した。その後に接触部
表面をESCAにて測定したところ、油膜の極性基
濃度(nCO/nCH×100)22.6℃、水和度(N)が
2.6の組成を持つ表面を得た。また支持具と接触
しなかつた部分の表面はそれぞれ20.8%、28であ
つた。当該メツキ板表面に実施例1と同様の方法
にてUV塗膜を形成させた。このものの塗膜密着
性は支持具との接触の如何にかかわらず、いずれ
の場合もすぐれていた。一方ガスバーナー処理を
行なわない場合、支持具との接触部の表面は
(nCO/nCH)×100=7.5%、N=2.1であり、この部
分ではUV塗膜の剥離がみられた。
第1図は紫外線硬化塗装を行なつた場合の密着
性と水和酸化クロムの水和度(N)と表面油極性
基濃度比(nCO/nCH)との関係を示したものであ
る。図中の破線は0.24N+2.60nCO/nCH=1を示
す。第2図はクロメート処理ニツケルメツキ鋼板
表面のX線光電子スペクトロメーター(ESCA)
のC、Cr及びNiのスペクトルを示す。Cのピー
クシフトから炭化水素基を示す285電子ボルトの
ピーク強度とカルボキシ基に相当する288.6電子
ボルトのピーク強度とから表面油の極性基濃度の
原子濃度を求めることができる。
性と水和酸化クロムの水和度(N)と表面油極性
基濃度比(nCO/nCH)との関係を示したものであ
る。図中の破線は0.24N+2.60nCO/nCH=1を示
す。第2図はクロメート処理ニツケルメツキ鋼板
表面のX線光電子スペクトロメーター(ESCA)
のC、Cr及びNiのスペクトルを示す。Cのピー
クシフトから炭化水素基を示す285電子ボルトの
ピーク強度とカルボキシ基に相当する288.6電子
ボルトのピーク強度とから表面油の極性基濃度の
原子濃度を求めることができる。
Claims (1)
- 1 クロメート処理されたニツケルメツキ鋼板で
あつて、Cr2O3・NH2Oの一般式で示される水和
酸化クロム皮膜の水和度Nが1.5以上で、しかも
表面油膜の極性基(エステル結合)の原子濃度
(nCO)と無極性基(炭化水素)の濃度(nCH)と
の比率(nCO/nCH×100)が8%以上でかつ0.24N
+2.60(nCO/nCH)≧1を満足する表面組成を有す
ることを特徴とする紫外線硬化塗料に対し優れた
密着性を有する製缶用鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20046384A JPS6178641A (ja) | 1984-09-27 | 1984-09-27 | 紫外線硬化塗料に対し優れた密着性を有する製缶用鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP20046384A JPS6178641A (ja) | 1984-09-27 | 1984-09-27 | 紫外線硬化塗料に対し優れた密着性を有する製缶用鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6178641A JPS6178641A (ja) | 1986-04-22 |
| JPS639980B2 true JPS639980B2 (ja) | 1988-03-03 |
Family
ID=16424725
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP20046384A Granted JPS6178641A (ja) | 1984-09-27 | 1984-09-27 | 紫外線硬化塗料に対し優れた密着性を有する製缶用鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6178641A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0241590U (ja) * | 1988-09-14 | 1990-03-22 | ||
| JPH04108532U (ja) * | 1991-02-25 | 1992-09-18 | 積水化学工業株式会社 | 音響装置付き浴室 |
| JPH06267U (ja) * | 1992-06-09 | 1994-01-11 | 株式会社クボタ | バスタブ |
-
1984
- 1984-09-27 JP JP20046384A patent/JPS6178641A/ja active Granted
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0241590U (ja) * | 1988-09-14 | 1990-03-22 | ||
| JPH04108532U (ja) * | 1991-02-25 | 1992-09-18 | 積水化学工業株式会社 | 音響装置付き浴室 |
| JPH06267U (ja) * | 1992-06-09 | 1994-01-11 | 株式会社クボタ | バスタブ |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6178641A (ja) | 1986-04-22 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |