JPS647154B2 - - Google Patents
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- JPS647154B2 JPS647154B2 JP22483585A JP22483585A JPS647154B2 JP S647154 B2 JPS647154 B2 JP S647154B2 JP 22483585 A JP22483585 A JP 22483585A JP 22483585 A JP22483585 A JP 22483585A JP S647154 B2 JPS647154 B2 JP S647154B2
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- thermosetting resin
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は耐食性、表面導電性、耐摩耗性および
耐熱衝撃性が改善された、たとえば航空宇宙機器
用、精密電気機械機器用、自動車部品用として好
適な、表面処理を施したマグネシウム(Mg)ま
たはMg合金とその表面処理方法に関する。 〔開示の概要〕 本発明は、表面処理を施したMgまたはMg合
金とその表面処理方法において、MgまたはMg
合金の表面に酸化皮膜、熱硬化性樹脂膜、導電性
皮膜が順次設けられてなり、前記熱硬化性樹脂膜
および導電性皮膜のうちの少なくとも一つを材質
の異なる複数の層とすることにより、耐食性を著
しく向上させることができるのみでなく、表面導
電性を確保でき、さらには耐熱衝撃性、耐摩耗性
を向上させる技術を開示するものである。 なお、この概要はあくまでも本発明の技術内容
に迅速にアクセスするためにのみ供されるもので
あつて、本発明の技術的範囲および権利解釈に対
しては何の影響も及ぼさないものである。 〔従来の技術〕 航空宇宙機器用、精密電気機器用ならびに自動
車部品用などに使用される金属材料は、軽量化、
低消費エネルギー化、高性能化のため、アルミニ
ウム(Al)を始めとする軽合金が多用されてい
る。たとえば、衛星用中継器筐体等に見られるよ
うに、電気・電子部品または回路を内蔵する筐体
では、安定な接地を得るため、また耐電磁干渉性
を確保するため表面導電性が必要とされる。これ
ら筐体に従来用いられてきたAl合金の場合には、
耐食性が優れているので、厚い耐食性の絶縁皮膜
を表面に生成する必要がない。 最近、上述した機器用として、Al合金にかわ
り、Al合金よりも30%以上比重の小さいMg合金
が用いられる傾向にある。Mgは実用金属の中で
最も化学的に活性であり、実用に際してMgまた
はMg合金の表面には防錆膜の形成が必要であ
る。Mg合金の防食法には、例えばSpencer,L.
F.の論文“Chemical Coatings for Magnesium
Alloys”(Metal Finishing;Sept.,1970,63―
66および同誌Oct.,1970,52―57)など多くの研
究がなされているが、Mg合金の防食技術はいま
だ確立されていない。通常の化成処理、陽極酸化
処理、湿式めつき、乾式めつきあるいは塗装等に
より防錆膜をマグネシウム表面上に付着させたと
しても、これらの膜中にはミクロなピンホールが
存在するため、下地のマグネシウムが表面に拡散
してくるのを防ぎきれず、耐食性の劣化をきた
す。さらに表面導電性を付与するために、防食酸
化皮膜上にAu、銀(Ag)その他の導電性金属皮
膜を設けると、MgまたはMg合金と導電性金属
皮膜の間には、濕つた環境下では電池が形成さ
れ、MgまたはMg合金の腐食が進行するという
問題がある。 このようにMgまたはMg合金については、有
効な防食法が確立しておらず、まして、防食性と
表面導電性の双方を具えたMgまたはMg合金は
これまで実現しておらず、また、そのようなMg
またはMg合金の表面処理方法もこれまでなかつ
た。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述したように従来のMgまたはMg合金の表
面処理方法ではMgまたはMg合金の耐食性、表
面導電性が十分でないのみならず耐熱衝撃性、耐
摩耗性のいずれも十分でなかつた。 本発明は、このような従来のMgまたはMg合
金の表面処理方法の欠点を改良するためになされ
たものであつて、特に耐食性、表面導電性と共
に、耐熱衝撃性および耐摩耗性にすぐれた表面処
理の施されたMgまたはMg合金を提供すること
および、そのための表面処理方法を提供すること
を目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 かかる目的を達成するために、本発明において
は、MgまたはMg合金の表面に酸化皮膜、熱硬
化性樹脂膜、導電性皮膜が順次設けられてなり、
熱硬化性樹脂膜および導電性皮膜のうちの少なく
とも一つが材質の異なる複数からなつている。 〔作用〕 以上のように、本発明にかかる表面処理を施し
たMgおよびMg合金は、MgおよびMg合金表面
に、順次酸化皮膜、熱硬化性樹脂膜および導電性
皮膜を被着させ、熱硬化性樹脂膜および導電性皮
膜のうちの少なくとも一つは材質の異なる複層と
しているので、耐食性と表面導電性をともに備
え、皮膜の付着力が強い。また、たとえ導電性皮
膜、熱硬化性樹脂膜の一部が傷つけられても、硬
い酸化皮膜が下地のMgまたはMg合金を保護す
るため耐摩耗性、耐食性が極めて大きい。 〔実施例〕 本発明の内容を実施例および比較例に基づいて
詳細に説明する。 MgまたはMg合金表面に酸化皮膜、熱硬化性
樹脂膜、導電性皮膜を順次形成し、7種類の表面
処理を施したMgまたはMg合金と、比較のため
に酸化皮膜、熱硬化性樹脂膜または導電性皮膜の
一つを有しない7種類のMgまたはMg合金を以
下に示す方法で作製した。 〔実施例 1〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの組成の合金板に陽
極酸化処理のため電極リード線を接続させた後、
この合金板をKOH165g、KF35g、Na3PO435g、
Al(OH)335g、KMnO420gを水1中に溶かした
混合水溶液中に浸し、電圧AV40V、電流密度
2.0A/dm2で15分陽極酸化を行い、合金板表面
に厚さ20μmの酸化皮膜を形成し、ついで、酸化
皮膜上にエポキシ樹脂を10μmの厚さとなるよう
付着させ、さらにその上にウレタン樹脂を15μm
の厚さとなるように付着させた。この熱硬化性樹
脂が固化した後、Arガス圧5×10-5Torr、バイ
アス電圧−20Vの条件でスパツタクリーニングを
行い、熱硬化樹脂膜表面を清浄化するとともに、
この膜の表面を活性化させた。ついで、Arガス
圧2×10-4Torr、バイアス電圧−200Vの条件で
Auを5μmの厚さとなるようイオンプレーテイン
グを行つた。導電性皮膜を設けるに際して、熱硬
化性樹脂の温度を、その樹脂が熱分解する温度以
下にとどめることが、熱硬化性樹脂の強度を弱め
ず、また樹脂と導電性皮膜の密着性を高める上で
必要である。このように表面処理した合金板を実
施例試料1と名付けた。 〔実施例 2〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの組成の合金の表面
に実施例1と同じ条件で陽極酸化処理を施し、厚
さ20μmの酸化皮膜を形成した。ついで、酸化皮
膜上に、エポキシ樹脂を10μmの厚さとなるよう
付着させた。この熱硬化性樹脂が固化した後、実
施例1と同様にスパツタクリーニングを行い、熱
硬化性樹脂膜表面を清浄化するとともに、この膜
の表面を活性化させた。ついで、Arガス圧2×
10-4Torr、バイアス電圧−200Vの条件で、Niを
0.04μmの厚さとなるようイオンプレーテイング
を行い、引き続き、Auを5μmの厚さとなるよう
イオンプレーテイングを行つた。このように表面
処理した合金板を実施例試料2と名付けた。 〔実施例 3〕 純Mg板をNa2Cr2O7120g、CaF212g、
MgF212gを1の水に溶かした混合水溶液中に
60分浸し、いわゆる化成処理により20Å厚さの酸
化皮膜を生成させた。 この酸化皮膜上に、エポキシ樹脂を厚さ5μmと
なるよう付着させ、その上にユリア樹脂を25μm
付着させた。この熱硬化性樹脂が固化した後、そ
の表面をスパツタクリーニングすることなく、
Arガス圧4×10-4Torr、バイアス電圧−70Vの
条件で、Tiを0.05μmの厚さとなるようイオンプ
レーテイングを行い、ひきつづきAuを3μmの厚
さとなるようイオンプレーテイングを行つた。こ
のように表面処理したMg板を実施例試料3と名
付けた。 〔実施例 4〕 第1図を参照して本実施例を説明する。図にお
いて、1はMg合金板、2は陽極酸化皮膜、3は
熱硬化性樹脂膜で3A,3Bの2層からなつてい
る。4は導電性皮膜で4A,4Bの2層からなつ
ている。 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの組成の合金板1の
表面に実施例1と同じ条件で陽極酸化処理を施
し、厚さ20μmの酸化皮膜2を形成した。ついで
酸化皮膜2上にエポキシ樹脂3Aを10μmの厚さ
となるように付着させ、その上にウレタン樹脂3
Bを15μmの厚さとなるように付着して熱硬化樹
脂層3とした。熱硬化樹脂層3が固化した後、ウ
レタン樹脂3Bの表面をスパツタクリーニング
し、Arガス圧2×10-4Torr、バイアス電圧−
260Vの条件でNi4Aを0.04μmの厚さとなるよう
にイオンプレーテイングし、さらに実施例1と同
条件でAu4Bを5μmの厚さとなるようイオンプ
レーテイングして、導電性皮膜4とした。このよ
うに表面処理した合金板を実施例試料4と名付け
た。 〔実施例 5〕 6wt%Zn―0.5wt%Zr―Mgからなる組成の合金
板をNa2Cr2O7120g、CaF212g、MgF212gを1
の水に溶かした混合水溶液中に70分浸し、いわゆ
る化成処理を施すことにより20Å厚さの酸化皮膜
を生成させた。 この酸化皮膜上に、フエノール樹脂を7μmの厚
さとなるよう付着させ、その上にアクリル樹脂を
20μmの厚さとなるよう付着させた。この熱硬化
性樹脂が固化した後、その表面をスパツタクリー
ニングし、Arガス圧3×10-3Torr、バイアス電
圧−300Vの条件で、Alを0.1μmの厚さとなるよ
うスパツタリングを行つた。さらにArガス圧5
×10-3Torr、バイアス電圧−250Vの条件で、Ag
を5μmの厚さとなるよう付着させた。このように
表面処理した合金板を実施例試料5と名付けた。 〔実施例 6〕 純Mg板に電極リード線を付着させた後、この
Mg板をKOH165g、KF35g、Na3PO435g、Al
(OH)335g、KMnO420gを水1中に溶かした混
合水溶液中に浸し、電圧AC80V、電流密度
2.0A/dm2の条件で70分陽極酸化を行い30μmの
厚さの酸化皮膜を生成させた。 ついでこの酸化皮膜上にメラミン樹脂を10μm
の厚さとなるように付着させ、その上にシリコン
樹脂を20μmの厚さとなるよう付着させた。この
熱硬化性樹脂が固化した後、その表面をスパツタ
クリーニングし、1×10-5Torrの真空下での真
空蒸着法により、この熱硬化性樹脂膜上に0.1μm
の厚さとなるようTiを付着させた。さらに同様
な方法により、Alを3μm付着させた。このよう
に表面処理したMg板を実施例試料6と名付け
た。 〔実施例 7〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgからなる組成の合金
板をNa2Cr2O7120g、CaF212g、MgF212gを1
の水に溶かした混合水溶液中に60分浸し、いわゆ
る化成処理により、20Å厚さの酸化皮膜を生成さ
せた。 こ酸化皮膜上に、エポキシ樹脂を厚さ5μmとな
るよう付着させ、その上にユリア樹脂を25μm付
着させた。この熱硬化性樹脂が固化した後、その
表面をスパツタクリーニングし、Arガス圧4×
10-4Torr、バイアス電圧−70Vの条件で、Tiを
0.05μmの厚さとなるようイオンプレーテイング
を行い、ひきつづきAuを3μmの厚さとなるよう
イオンプレーテイングを行つた。このように表面
処理した合金板を実施例試料7と名付けた。 〔比較例 1〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgからなる組成の合金
板に電極リード線を接続させた後、この合金板を
KOH165g、KF35g、Na3PO435g、Al(OH)335g、
KMnO4、10g、MnO410gを水1に溶かした混
合水溶液中に浸し、電圧AC50V、電流密度
2.0A/dm2にて15分間陽極酸化を行い、合金板
表面に厚さ20μmの酸化皮膜を生成させた。 ついで、この酸化皮膜上に実施例1と同様にイ
オンプレーテイング法により厚さ5μmのAu膜を
形成させた。 このように表面処理した合金板試料を比較例試
料1と名付けた。 〔比較例 2〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgからなる合金板上に
厚さ40μmのメラミン樹脂を塗布した後、この合
金板を大気中湿度30%、温度35℃のもとで72時間
放置し、塗布したメラミン樹脂を乾燥させた。 ついで、乾燥させたメラミン樹脂膜表面をスパ
ツタクリーニングし、その上に、イオンプレーテ
イング法により、厚さ5μmのAu膜を生成させた。 このように表面処理した合金板試料を比較例試
料2と名付けた。 〔比較例 3〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの合金板を
Na2Cr2O7120g、CaF21.2gを1の水に溶かした
水溶液中に60分浸し、いわゆる化成処理を施すこ
とにより、この合金表面上に厚さ20Åの酸化皮膜
を生成させた。 ついで、この酸化皮膜上に実施例1と同様にイ
オンプレーテイング法により厚さ5μmのAu膜を
形成させた。 このように表面処理した合金板試料を比較例試
料3と名付けた。 〔比較例 4〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの組成の合金板の上
に厚さ40μmのメラミン樹脂を塗布した後、この
合金板を大気中湿度30%、温度35℃の条件で72時
間放置し、塗布したメラミン樹脂を完全に乾燥さ
せた。 ついで、この熱硬化性樹脂表面をスパツタクリー
ニングし、その上に実施例1と同様にイオンプレ
ーテイング法により、厚さ1.5μmのAu膜を被着
させた。 このように表面処理した合金板試料を比較例試
料4と名付けた。 〔比較例 5〕 純Mg板に実施例1と同じ条件で陽極酸化処理
を施し、合金表面上に厚さ20μmの酸化皮膜を形
成した。その後、実施例1と同様なイオンプレー
テイング条件で、この酸化皮膜上にNiを0.04μm
厚さ、さらにAuを5μmの厚さとなるよう付着さ
せた。このように表面処理したMg板を比較例試
料5と名付けた。 〔比較例 6〕 6wt%Zn―0.5wt%Zr―Mgからなる組成の合金
板に酸化皮膜を設けず、直接フエノール樹脂
7μm、アクリル樹脂20μmを付着させ、この熱硬
化性樹脂膜が固化した後、その表面をスパツタク
リーニングし、実施例5と同様なスパツタリング
条件で、この熱硬化性樹脂膜上にAlを0.1μm厚
さ、Agを5μm厚さとなるよう付着させた。この
ように表面処理した合金板を比較例試料6と名付
けた。 〔比較例 7〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgからなる組成の合金
板上に実施例1と同じ条件で陽極酸化処理を施
し、厚さ20μmの酸化皮膜を形成した。この酸化
皮膜上にエポキシ樹脂を10μm厚さとなるように
塗布し、その上にウレタン樹脂を15μm厚さとな
るように塗布した。このように表面処理した合金
板を比較例試料7と名付けた。 実施例試料1―7、比較例試料1―7につい
て、塩水噴霧試験、抵触抵抗試験、熱衝撃試験を
行なつた結果を表―1に示す。
耐熱衝撃性が改善された、たとえば航空宇宙機器
用、精密電気機械機器用、自動車部品用として好
適な、表面処理を施したマグネシウム(Mg)ま
たはMg合金とその表面処理方法に関する。 〔開示の概要〕 本発明は、表面処理を施したMgまたはMg合
金とその表面処理方法において、MgまたはMg
合金の表面に酸化皮膜、熱硬化性樹脂膜、導電性
皮膜が順次設けられてなり、前記熱硬化性樹脂膜
および導電性皮膜のうちの少なくとも一つを材質
の異なる複数の層とすることにより、耐食性を著
しく向上させることができるのみでなく、表面導
電性を確保でき、さらには耐熱衝撃性、耐摩耗性
を向上させる技術を開示するものである。 なお、この概要はあくまでも本発明の技術内容
に迅速にアクセスするためにのみ供されるもので
あつて、本発明の技術的範囲および権利解釈に対
しては何の影響も及ぼさないものである。 〔従来の技術〕 航空宇宙機器用、精密電気機器用ならびに自動
車部品用などに使用される金属材料は、軽量化、
低消費エネルギー化、高性能化のため、アルミニ
ウム(Al)を始めとする軽合金が多用されてい
る。たとえば、衛星用中継器筐体等に見られるよ
うに、電気・電子部品または回路を内蔵する筐体
では、安定な接地を得るため、また耐電磁干渉性
を確保するため表面導電性が必要とされる。これ
ら筐体に従来用いられてきたAl合金の場合には、
耐食性が優れているので、厚い耐食性の絶縁皮膜
を表面に生成する必要がない。 最近、上述した機器用として、Al合金にかわ
り、Al合金よりも30%以上比重の小さいMg合金
が用いられる傾向にある。Mgは実用金属の中で
最も化学的に活性であり、実用に際してMgまた
はMg合金の表面には防錆膜の形成が必要であ
る。Mg合金の防食法には、例えばSpencer,L.
F.の論文“Chemical Coatings for Magnesium
Alloys”(Metal Finishing;Sept.,1970,63―
66および同誌Oct.,1970,52―57)など多くの研
究がなされているが、Mg合金の防食技術はいま
だ確立されていない。通常の化成処理、陽極酸化
処理、湿式めつき、乾式めつきあるいは塗装等に
より防錆膜をマグネシウム表面上に付着させたと
しても、これらの膜中にはミクロなピンホールが
存在するため、下地のマグネシウムが表面に拡散
してくるのを防ぎきれず、耐食性の劣化をきた
す。さらに表面導電性を付与するために、防食酸
化皮膜上にAu、銀(Ag)その他の導電性金属皮
膜を設けると、MgまたはMg合金と導電性金属
皮膜の間には、濕つた環境下では電池が形成さ
れ、MgまたはMg合金の腐食が進行するという
問題がある。 このようにMgまたはMg合金については、有
効な防食法が確立しておらず、まして、防食性と
表面導電性の双方を具えたMgまたはMg合金は
これまで実現しておらず、また、そのようなMg
またはMg合金の表面処理方法もこれまでなかつ
た。 〔発明が解決しようとする問題点〕 上述したように従来のMgまたはMg合金の表
面処理方法ではMgまたはMg合金の耐食性、表
面導電性が十分でないのみならず耐熱衝撃性、耐
摩耗性のいずれも十分でなかつた。 本発明は、このような従来のMgまたはMg合
金の表面処理方法の欠点を改良するためになされ
たものであつて、特に耐食性、表面導電性と共
に、耐熱衝撃性および耐摩耗性にすぐれた表面処
理の施されたMgまたはMg合金を提供すること
および、そのための表面処理方法を提供すること
を目的とする。 〔問題点を解決するための手段〕 かかる目的を達成するために、本発明において
は、MgまたはMg合金の表面に酸化皮膜、熱硬
化性樹脂膜、導電性皮膜が順次設けられてなり、
熱硬化性樹脂膜および導電性皮膜のうちの少なく
とも一つが材質の異なる複数からなつている。 〔作用〕 以上のように、本発明にかかる表面処理を施し
たMgおよびMg合金は、MgおよびMg合金表面
に、順次酸化皮膜、熱硬化性樹脂膜および導電性
皮膜を被着させ、熱硬化性樹脂膜および導電性皮
膜のうちの少なくとも一つは材質の異なる複層と
しているので、耐食性と表面導電性をともに備
え、皮膜の付着力が強い。また、たとえ導電性皮
膜、熱硬化性樹脂膜の一部が傷つけられても、硬
い酸化皮膜が下地のMgまたはMg合金を保護す
るため耐摩耗性、耐食性が極めて大きい。 〔実施例〕 本発明の内容を実施例および比較例に基づいて
詳細に説明する。 MgまたはMg合金表面に酸化皮膜、熱硬化性
樹脂膜、導電性皮膜を順次形成し、7種類の表面
処理を施したMgまたはMg合金と、比較のため
に酸化皮膜、熱硬化性樹脂膜または導電性皮膜の
一つを有しない7種類のMgまたはMg合金を以
下に示す方法で作製した。 〔実施例 1〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの組成の合金板に陽
極酸化処理のため電極リード線を接続させた後、
この合金板をKOH165g、KF35g、Na3PO435g、
Al(OH)335g、KMnO420gを水1中に溶かした
混合水溶液中に浸し、電圧AV40V、電流密度
2.0A/dm2で15分陽極酸化を行い、合金板表面
に厚さ20μmの酸化皮膜を形成し、ついで、酸化
皮膜上にエポキシ樹脂を10μmの厚さとなるよう
付着させ、さらにその上にウレタン樹脂を15μm
の厚さとなるように付着させた。この熱硬化性樹
脂が固化した後、Arガス圧5×10-5Torr、バイ
アス電圧−20Vの条件でスパツタクリーニングを
行い、熱硬化樹脂膜表面を清浄化するとともに、
この膜の表面を活性化させた。ついで、Arガス
圧2×10-4Torr、バイアス電圧−200Vの条件で
Auを5μmの厚さとなるようイオンプレーテイン
グを行つた。導電性皮膜を設けるに際して、熱硬
化性樹脂の温度を、その樹脂が熱分解する温度以
下にとどめることが、熱硬化性樹脂の強度を弱め
ず、また樹脂と導電性皮膜の密着性を高める上で
必要である。このように表面処理した合金板を実
施例試料1と名付けた。 〔実施例 2〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの組成の合金の表面
に実施例1と同じ条件で陽極酸化処理を施し、厚
さ20μmの酸化皮膜を形成した。ついで、酸化皮
膜上に、エポキシ樹脂を10μmの厚さとなるよう
付着させた。この熱硬化性樹脂が固化した後、実
施例1と同様にスパツタクリーニングを行い、熱
硬化性樹脂膜表面を清浄化するとともに、この膜
の表面を活性化させた。ついで、Arガス圧2×
10-4Torr、バイアス電圧−200Vの条件で、Niを
0.04μmの厚さとなるようイオンプレーテイング
を行い、引き続き、Auを5μmの厚さとなるよう
イオンプレーテイングを行つた。このように表面
処理した合金板を実施例試料2と名付けた。 〔実施例 3〕 純Mg板をNa2Cr2O7120g、CaF212g、
MgF212gを1の水に溶かした混合水溶液中に
60分浸し、いわゆる化成処理により20Å厚さの酸
化皮膜を生成させた。 この酸化皮膜上に、エポキシ樹脂を厚さ5μmと
なるよう付着させ、その上にユリア樹脂を25μm
付着させた。この熱硬化性樹脂が固化した後、そ
の表面をスパツタクリーニングすることなく、
Arガス圧4×10-4Torr、バイアス電圧−70Vの
条件で、Tiを0.05μmの厚さとなるようイオンプ
レーテイングを行い、ひきつづきAuを3μmの厚
さとなるようイオンプレーテイングを行つた。こ
のように表面処理したMg板を実施例試料3と名
付けた。 〔実施例 4〕 第1図を参照して本実施例を説明する。図にお
いて、1はMg合金板、2は陽極酸化皮膜、3は
熱硬化性樹脂膜で3A,3Bの2層からなつてい
る。4は導電性皮膜で4A,4Bの2層からなつ
ている。 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの組成の合金板1の
表面に実施例1と同じ条件で陽極酸化処理を施
し、厚さ20μmの酸化皮膜2を形成した。ついで
酸化皮膜2上にエポキシ樹脂3Aを10μmの厚さ
となるように付着させ、その上にウレタン樹脂3
Bを15μmの厚さとなるように付着して熱硬化樹
脂層3とした。熱硬化樹脂層3が固化した後、ウ
レタン樹脂3Bの表面をスパツタクリーニング
し、Arガス圧2×10-4Torr、バイアス電圧−
260Vの条件でNi4Aを0.04μmの厚さとなるよう
にイオンプレーテイングし、さらに実施例1と同
条件でAu4Bを5μmの厚さとなるようイオンプ
レーテイングして、導電性皮膜4とした。このよ
うに表面処理した合金板を実施例試料4と名付け
た。 〔実施例 5〕 6wt%Zn―0.5wt%Zr―Mgからなる組成の合金
板をNa2Cr2O7120g、CaF212g、MgF212gを1
の水に溶かした混合水溶液中に70分浸し、いわゆ
る化成処理を施すことにより20Å厚さの酸化皮膜
を生成させた。 この酸化皮膜上に、フエノール樹脂を7μmの厚
さとなるよう付着させ、その上にアクリル樹脂を
20μmの厚さとなるよう付着させた。この熱硬化
性樹脂が固化した後、その表面をスパツタクリー
ニングし、Arガス圧3×10-3Torr、バイアス電
圧−300Vの条件で、Alを0.1μmの厚さとなるよ
うスパツタリングを行つた。さらにArガス圧5
×10-3Torr、バイアス電圧−250Vの条件で、Ag
を5μmの厚さとなるよう付着させた。このように
表面処理した合金板を実施例試料5と名付けた。 〔実施例 6〕 純Mg板に電極リード線を付着させた後、この
Mg板をKOH165g、KF35g、Na3PO435g、Al
(OH)335g、KMnO420gを水1中に溶かした混
合水溶液中に浸し、電圧AC80V、電流密度
2.0A/dm2の条件で70分陽極酸化を行い30μmの
厚さの酸化皮膜を生成させた。 ついでこの酸化皮膜上にメラミン樹脂を10μm
の厚さとなるように付着させ、その上にシリコン
樹脂を20μmの厚さとなるよう付着させた。この
熱硬化性樹脂が固化した後、その表面をスパツタ
クリーニングし、1×10-5Torrの真空下での真
空蒸着法により、この熱硬化性樹脂膜上に0.1μm
の厚さとなるようTiを付着させた。さらに同様
な方法により、Alを3μm付着させた。このよう
に表面処理したMg板を実施例試料6と名付け
た。 〔実施例 7〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgからなる組成の合金
板をNa2Cr2O7120g、CaF212g、MgF212gを1
の水に溶かした混合水溶液中に60分浸し、いわゆ
る化成処理により、20Å厚さの酸化皮膜を生成さ
せた。 こ酸化皮膜上に、エポキシ樹脂を厚さ5μmとな
るよう付着させ、その上にユリア樹脂を25μm付
着させた。この熱硬化性樹脂が固化した後、その
表面をスパツタクリーニングし、Arガス圧4×
10-4Torr、バイアス電圧−70Vの条件で、Tiを
0.05μmの厚さとなるようイオンプレーテイング
を行い、ひきつづきAuを3μmの厚さとなるよう
イオンプレーテイングを行つた。このように表面
処理した合金板を実施例試料7と名付けた。 〔比較例 1〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgからなる組成の合金
板に電極リード線を接続させた後、この合金板を
KOH165g、KF35g、Na3PO435g、Al(OH)335g、
KMnO4、10g、MnO410gを水1に溶かした混
合水溶液中に浸し、電圧AC50V、電流密度
2.0A/dm2にて15分間陽極酸化を行い、合金板
表面に厚さ20μmの酸化皮膜を生成させた。 ついで、この酸化皮膜上に実施例1と同様にイ
オンプレーテイング法により厚さ5μmのAu膜を
形成させた。 このように表面処理した合金板試料を比較例試
料1と名付けた。 〔比較例 2〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgからなる合金板上に
厚さ40μmのメラミン樹脂を塗布した後、この合
金板を大気中湿度30%、温度35℃のもとで72時間
放置し、塗布したメラミン樹脂を乾燥させた。 ついで、乾燥させたメラミン樹脂膜表面をスパ
ツタクリーニングし、その上に、イオンプレーテ
イング法により、厚さ5μmのAu膜を生成させた。 このように表面処理した合金板試料を比較例試
料2と名付けた。 〔比較例 3〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの合金板を
Na2Cr2O7120g、CaF21.2gを1の水に溶かした
水溶液中に60分浸し、いわゆる化成処理を施すこ
とにより、この合金表面上に厚さ20Åの酸化皮膜
を生成させた。 ついで、この酸化皮膜上に実施例1と同様にイ
オンプレーテイング法により厚さ5μmのAu膜を
形成させた。 このように表面処理した合金板試料を比較例試
料3と名付けた。 〔比較例 4〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgの組成の合金板の上
に厚さ40μmのメラミン樹脂を塗布した後、この
合金板を大気中湿度30%、温度35℃の条件で72時
間放置し、塗布したメラミン樹脂を完全に乾燥さ
せた。 ついで、この熱硬化性樹脂表面をスパツタクリー
ニングし、その上に実施例1と同様にイオンプレ
ーテイング法により、厚さ1.5μmのAu膜を被着
させた。 このように表面処理した合金板試料を比較例試
料4と名付けた。 〔比較例 5〕 純Mg板に実施例1と同じ条件で陽極酸化処理
を施し、合金表面上に厚さ20μmの酸化皮膜を形
成した。その後、実施例1と同様なイオンプレー
テイング条件で、この酸化皮膜上にNiを0.04μm
厚さ、さらにAuを5μmの厚さとなるよう付着さ
せた。このように表面処理したMg板を比較例試
料5と名付けた。 〔比較例 6〕 6wt%Zn―0.5wt%Zr―Mgからなる組成の合金
板に酸化皮膜を設けず、直接フエノール樹脂
7μm、アクリル樹脂20μmを付着させ、この熱硬
化性樹脂膜が固化した後、その表面をスパツタク
リーニングし、実施例5と同様なスパツタリング
条件で、この熱硬化性樹脂膜上にAlを0.1μm厚
さ、Agを5μm厚さとなるよう付着させた。この
ように表面処理した合金板を比較例試料6と名付
けた。 〔比較例 7〕 3wt%Al―1wt%Zn―Mgからなる組成の合金
板上に実施例1と同じ条件で陽極酸化処理を施
し、厚さ20μmの酸化皮膜を形成した。この酸化
皮膜上にエポキシ樹脂を10μm厚さとなるように
塗布し、その上にウレタン樹脂を15μm厚さとな
るように塗布した。このように表面処理した合金
板を比較例試料7と名付けた。 実施例試料1―7、比較例試料1―7につい
て、塩水噴霧試験、抵触抵抗試験、熱衝撃試験を
行なつた結果を表―1に示す。
【表】
【表】
各試験法の詳細は以下のとおりである。
塩水噴霧試験:
35℃に加熱したMgまたはMg合金板試料に対
し、5%のNaCl溶液を噴霧し、MgまたはMg合
金に腐食を生じるまでの時間から耐食性を判定し
た。 接触抵抗: 表面処理を施したMgまたはMg合金板試料の
表面に、Au製の接触子を10gの荷重で押しつけて
接触子と試料との間の電気抵抗をミリオームメー
タで測定し、表面導電性能を判定した。 熱衝撃試験: MgまたはMg合金板試料を、−190℃と+100℃
で30分づつ保持して繰り返し熱サイクルせしめ、
膜の剥離、ひび割れなどの変質がおきるまでの回
数により耐熱衝撃性の良否を判定した。 表―1に示した結果から明らかなように、Mg
またはMg合金上に酸化皮膜を設け、その上に単
層または複層の熱硬化樹脂膜と単層または複層の
導電膜を設けた本発明の実施例試料1―7は、す
ぐれた耐食性、表面導電性、および耐熱衝撃性を
示す。これに対し、酸化皮膜と単層または複層の
導電膜を有するが、熱硬化性樹脂膜をもたない比
較例試料1,3,5はMgまたはMg合金の腐食
の発生が早く、また酸化皮膜と導電性皮膜の熱膨
張の差を緩衝させる樹脂膜がないので、熱衝撃に
対して弱い。Mg合金表面上に酸化皮膜を形成せ
ずに直接単層または複層の熱硬化性樹脂および単
層または複層の導電膜を設けた比較例試料2,
4,6はやはりMg合金に腐食が発生し易く、ま
たMg合金と熱硬化性樹脂との接着が悪いので耐
熱衝撃性が悪い。比較例試料7は、Mg合金表面
に酸化皮膜を形成し、その上に複層の熱硬化樹脂
膜を設けてあるので、耐食性、耐熱衝撃性はすぐ
れているが、導電性皮膜を有しないので、比較例
試料3とともに表面導電性が劣つている。 上に述べた表面に酸化皮膜を形成した後、単層
または複層の熱硬化性樹脂膜および単層または複
層の導電膜を設けたMgまたはMg合金の皮膜の
付着力を試験した。試験方法はピーリング試験と
呼ばれるものである。表面処理を施したMgまた
はMg合金試料の表面に、鋭い刃物によつて1mm
の間隔でそれぞれ直交する10本づつの切込みを入
れ、合計100個の一辺1mmの正方形を形成する。
切込みを加えた試料の表面に粘着テープを強く押
つけた後、粘着テープを試料表面に垂直方向に引
張つてはがす。この時、試料表面の皮膜が100個
の正方形のうち、何個粘着テープに付着してMg
またはMg合金から剥離したかによつて皮膜の付
着力を評価する。代表的な例として、実施例試料
1,2,4および比較例試料5,6,8について
の試験結果を表―2に示す。比較例試料8は次に
述べるようにして作られたものである。
し、5%のNaCl溶液を噴霧し、MgまたはMg合
金に腐食を生じるまでの時間から耐食性を判定し
た。 接触抵抗: 表面処理を施したMgまたはMg合金板試料の
表面に、Au製の接触子を10gの荷重で押しつけて
接触子と試料との間の電気抵抗をミリオームメー
タで測定し、表面導電性能を判定した。 熱衝撃試験: MgまたはMg合金板試料を、−190℃と+100℃
で30分づつ保持して繰り返し熱サイクルせしめ、
膜の剥離、ひび割れなどの変質がおきるまでの回
数により耐熱衝撃性の良否を判定した。 表―1に示した結果から明らかなように、Mg
またはMg合金上に酸化皮膜を設け、その上に単
層または複層の熱硬化樹脂膜と単層または複層の
導電膜を設けた本発明の実施例試料1―7は、す
ぐれた耐食性、表面導電性、および耐熱衝撃性を
示す。これに対し、酸化皮膜と単層または複層の
導電膜を有するが、熱硬化性樹脂膜をもたない比
較例試料1,3,5はMgまたはMg合金の腐食
の発生が早く、また酸化皮膜と導電性皮膜の熱膨
張の差を緩衝させる樹脂膜がないので、熱衝撃に
対して弱い。Mg合金表面上に酸化皮膜を形成せ
ずに直接単層または複層の熱硬化性樹脂および単
層または複層の導電膜を設けた比較例試料2,
4,6はやはりMg合金に腐食が発生し易く、ま
たMg合金と熱硬化性樹脂との接着が悪いので耐
熱衝撃性が悪い。比較例試料7は、Mg合金表面
に酸化皮膜を形成し、その上に複層の熱硬化樹脂
膜を設けてあるので、耐食性、耐熱衝撃性はすぐ
れているが、導電性皮膜を有しないので、比較例
試料3とともに表面導電性が劣つている。 上に述べた表面に酸化皮膜を形成した後、単層
または複層の熱硬化性樹脂膜および単層または複
層の導電膜を設けたMgまたはMg合金の皮膜の
付着力を試験した。試験方法はピーリング試験と
呼ばれるものである。表面処理を施したMgまた
はMg合金試料の表面に、鋭い刃物によつて1mm
の間隔でそれぞれ直交する10本づつの切込みを入
れ、合計100個の一辺1mmの正方形を形成する。
切込みを加えた試料の表面に粘着テープを強く押
つけた後、粘着テープを試料表面に垂直方向に引
張つてはがす。この時、試料表面の皮膜が100個
の正方形のうち、何個粘着テープに付着してMg
またはMg合金から剥離したかによつて皮膜の付
着力を評価する。代表的な例として、実施例試料
1,2,4および比較例試料5,6,8について
の試験結果を表―2に示す。比較例試料8は次に
述べるようにして作られたものである。
【表】
3wt%Al―1wt%Zn―Mgからなる組成の合金
板に陽極酸化処理用の電極リード線を接続させた
後、この合金板をKOH165g、KF35g、
Na3PO435g、Al(OH)335g、KMnO410g、
MnO410gを水に溶かした混合水溶液中に浸し、
電圧AC50V、電流密度2.0A/dm2にて15分間陽
極酸化を行い、合金板表面に厚さ20μmの酸化皮
膜を生成させた。 ついで、酸化皮膜上にメラミン樹脂を40μm厚
さに塗布した後、この合金板を大気中湿度30%、
温度35℃のもとで72時間放置し、塗布したメラミ
ン樹脂を完全に乾燥させた。 その後、Arガス圧5×10-5Torr、バイアス電
圧−20Vの条件で、メラミン樹脂表面のスパツタ
クリーニングを行ない、同時にその表面を活性化
させた。このメラミン樹脂表面上に、Arガス圧
2×10-4Torr、バイアス電圧−200Vの条件で、
Auを5μmの厚さとなるようにイオンプレーテイ
ングを行なつた。 このように表面処理した合金板を比較例試料8
と名付けた。 表―2に見られるように陽極酸化処理を行なつ
たMg合金表面に2層の熱硬化性樹脂膜を設け、
その上にNiとAuの2層の導電性皮膜を設けた本
発明の実施例試料4は全く剥離が生じない。これ
は、酸化皮膜とエポキシ樹脂との接着力が強く、
またウレタン樹脂とNiとの接着力が強いためで
ある。高い導電性のAuの下地にNiやTi、実施例
5のようにAgの下地にAl、実施例6のようにAl
の下地にTiと、それぞれ活性な金属Ni、Al、Ti
またはCrなどの層を下地層として設けると、熱
硬化性樹脂膜と導電性皮膜との接着力が強くな
る。また樹脂の表面をスパツタクリーニングする
ことも接着力を高める上で有効である。熱硬化性
樹脂膜が1層の実施例試料2が実施例試料4につ
ぐ高い付着力を示す。Niを下地層としても熱硬
化性樹脂膜のない比較例試料5は、導電性皮膜の
酸皮化膜への付着力が弱いので、導電性皮膜のほ
とんどが剥離する。また下地層としてAl膜を有
する比較例試料6は、Mg合金の表面を酸化処理
していないので、熱硬化性樹脂のMg合金への付
着力が弱く、樹脂膜が全て剥離する。陽極酸化処
理をしたMg合金上に複層の樹脂膜と単層のAu導
電膜を設けた実施例試料1が、実施例試料2につ
ぐすぐれた付着力を示している。 以上のように、本発明にかかる表面処理を施し
たMg又はMg合金は、Mg又はMg合金上に、順
次酸化被膜、1種又は複数種の熱硬化性樹脂膜、
1種又は複数種の導電性皮膜が形成されているの
で、表面導電性が優れていることは無論のこと、
導電性皮膜の下に存在する熱硬化性樹脂膜、さら
にはその下に存在する硬い酸化皮膜の存在によ
り、耐食性および、耐摩耗性が著しく向上してい
る。導電性皮膜、熱硬化性樹脂の一部が損傷して
も、酸化皮膜によつてMgまたはMg合金は保護
される。熱硬化性樹脂膜の存在は耐食性や耐摩耗
性を向上させるばかりでなく、高分子材料特有の
弾力性を有しており、この熱硬化性樹脂が最下層
の酸化皮膜と最上層の導電性皮膜間に介在してい
るために酸化皮膜と導電性皮膜の熱膨張差を緩衝
する役割を果し、耐熱衝撃性を向上させている。
さらに熱硬化性樹脂膜の存在は、もともと振動吸
収性の優れたMgまたはMg合金の長所をさらに
助長する効果を有しているので、衛星搭載用筐体
で内部に電子回路等を内蔵する場合等には、内部
の電子回路が打上げ時の激しい振動から、確実に
保護され、衛星搭載用機器の信頼性が著しく向上
することになる。 酸化皮膜の凹凸部やピンホール中にくいこんだ
熱硬化性樹脂は、酸化皮膜と熱硬化性樹脂との密
着力を強化する効果を有する。また、有機薄膜上
に金、銀、銅、アルミ、ニツケル等の導電性皮膜
を、イオンプレーテイングやスパツタ等により付
着させる場合、熱硬化性樹脂の温度が、その熱硬
化性樹脂の熱分解温度を越えないようにすること
により、熱硬化性樹脂膜と表面の導電性皮膜との
密着力を大きくすることができる。さらに表面皮
膜の密着力を高める必要がある場合には、酸化皮
膜上に酸化皮膜と親和力の高い熱硬化性樹脂を付
着させ、さらにその熱硬化性樹脂の上に、表面の
導電性皮膜と親和力の高い熱硬化性樹脂を付着さ
せ、その上に導電性皮膜を付着させることによ
り、目的が達成される。 酸化皮膜の形成に用いる陽極酸化法は電流密度
および通電時間等を制御することにより膜厚制御
が容易である。電解液としてNaOH、(HO・
CH2・CH2)2O、Na2C2O4の混合水溶液その他の
も利用できる。また、化成処理による酸化皮膜は
密に生成されるので、膜厚が薄くとも耐食性、耐
摩耗性の高い皮膜が得られる。化成処理液として
NaOH、(HO・CH2・CH2)2O、Na2C2O4の混合
水溶液その他も利用できる。化成処理において
も、溶液組成、処理温度をかえて膜厚を制御する
ことができる。 酸化皮膜上に形成する熱硬化性樹脂材料とし
て、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フエノール樹
脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、シリコン樹脂、
ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹
脂、メタクリル樹脂、ポリビニルホルマール樹
脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂の1種また
は2種以上よりなる膜を用いることができる。 導電層を形成する金属としてはAu、Ag、Cu、
Al、Ni、Snその他の金属又は合金を用いること
ができる。金属層の形成には無電解メツキその他
の方法も可能である。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明の表面処理を施し
たMgまたはMg合金はMgまたはMg合金の欠点
である耐食性を著しく向上させることができるの
みでなく、表面導電性を確保できること、さらに
は耐熱衝撃性、耐摩耗性を向上させることができ
るから、航空宇宙機器、精密電機機器、自動車部
品への広範なMgまたはMg合金の普及を可能な
らしめる。
板に陽極酸化処理用の電極リード線を接続させた
後、この合金板をKOH165g、KF35g、
Na3PO435g、Al(OH)335g、KMnO410g、
MnO410gを水に溶かした混合水溶液中に浸し、
電圧AC50V、電流密度2.0A/dm2にて15分間陽
極酸化を行い、合金板表面に厚さ20μmの酸化皮
膜を生成させた。 ついで、酸化皮膜上にメラミン樹脂を40μm厚
さに塗布した後、この合金板を大気中湿度30%、
温度35℃のもとで72時間放置し、塗布したメラミ
ン樹脂を完全に乾燥させた。 その後、Arガス圧5×10-5Torr、バイアス電
圧−20Vの条件で、メラミン樹脂表面のスパツタ
クリーニングを行ない、同時にその表面を活性化
させた。このメラミン樹脂表面上に、Arガス圧
2×10-4Torr、バイアス電圧−200Vの条件で、
Auを5μmの厚さとなるようにイオンプレーテイ
ングを行なつた。 このように表面処理した合金板を比較例試料8
と名付けた。 表―2に見られるように陽極酸化処理を行なつ
たMg合金表面に2層の熱硬化性樹脂膜を設け、
その上にNiとAuの2層の導電性皮膜を設けた本
発明の実施例試料4は全く剥離が生じない。これ
は、酸化皮膜とエポキシ樹脂との接着力が強く、
またウレタン樹脂とNiとの接着力が強いためで
ある。高い導電性のAuの下地にNiやTi、実施例
5のようにAgの下地にAl、実施例6のようにAl
の下地にTiと、それぞれ活性な金属Ni、Al、Ti
またはCrなどの層を下地層として設けると、熱
硬化性樹脂膜と導電性皮膜との接着力が強くな
る。また樹脂の表面をスパツタクリーニングする
ことも接着力を高める上で有効である。熱硬化性
樹脂膜が1層の実施例試料2が実施例試料4につ
ぐ高い付着力を示す。Niを下地層としても熱硬
化性樹脂膜のない比較例試料5は、導電性皮膜の
酸皮化膜への付着力が弱いので、導電性皮膜のほ
とんどが剥離する。また下地層としてAl膜を有
する比較例試料6は、Mg合金の表面を酸化処理
していないので、熱硬化性樹脂のMg合金への付
着力が弱く、樹脂膜が全て剥離する。陽極酸化処
理をしたMg合金上に複層の樹脂膜と単層のAu導
電膜を設けた実施例試料1が、実施例試料2につ
ぐすぐれた付着力を示している。 以上のように、本発明にかかる表面処理を施し
たMg又はMg合金は、Mg又はMg合金上に、順
次酸化被膜、1種又は複数種の熱硬化性樹脂膜、
1種又は複数種の導電性皮膜が形成されているの
で、表面導電性が優れていることは無論のこと、
導電性皮膜の下に存在する熱硬化性樹脂膜、さら
にはその下に存在する硬い酸化皮膜の存在によ
り、耐食性および、耐摩耗性が著しく向上してい
る。導電性皮膜、熱硬化性樹脂の一部が損傷して
も、酸化皮膜によつてMgまたはMg合金は保護
される。熱硬化性樹脂膜の存在は耐食性や耐摩耗
性を向上させるばかりでなく、高分子材料特有の
弾力性を有しており、この熱硬化性樹脂が最下層
の酸化皮膜と最上層の導電性皮膜間に介在してい
るために酸化皮膜と導電性皮膜の熱膨張差を緩衝
する役割を果し、耐熱衝撃性を向上させている。
さらに熱硬化性樹脂膜の存在は、もともと振動吸
収性の優れたMgまたはMg合金の長所をさらに
助長する効果を有しているので、衛星搭載用筐体
で内部に電子回路等を内蔵する場合等には、内部
の電子回路が打上げ時の激しい振動から、確実に
保護され、衛星搭載用機器の信頼性が著しく向上
することになる。 酸化皮膜の凹凸部やピンホール中にくいこんだ
熱硬化性樹脂は、酸化皮膜と熱硬化性樹脂との密
着力を強化する効果を有する。また、有機薄膜上
に金、銀、銅、アルミ、ニツケル等の導電性皮膜
を、イオンプレーテイングやスパツタ等により付
着させる場合、熱硬化性樹脂の温度が、その熱硬
化性樹脂の熱分解温度を越えないようにすること
により、熱硬化性樹脂膜と表面の導電性皮膜との
密着力を大きくすることができる。さらに表面皮
膜の密着力を高める必要がある場合には、酸化皮
膜上に酸化皮膜と親和力の高い熱硬化性樹脂を付
着させ、さらにその熱硬化性樹脂の上に、表面の
導電性皮膜と親和力の高い熱硬化性樹脂を付着さ
せ、その上に導電性皮膜を付着させることによ
り、目的が達成される。 酸化皮膜の形成に用いる陽極酸化法は電流密度
および通電時間等を制御することにより膜厚制御
が容易である。電解液としてNaOH、(HO・
CH2・CH2)2O、Na2C2O4の混合水溶液その他の
も利用できる。また、化成処理による酸化皮膜は
密に生成されるので、膜厚が薄くとも耐食性、耐
摩耗性の高い皮膜が得られる。化成処理液として
NaOH、(HO・CH2・CH2)2O、Na2C2O4の混合
水溶液その他も利用できる。化成処理において
も、溶液組成、処理温度をかえて膜厚を制御する
ことができる。 酸化皮膜上に形成する熱硬化性樹脂材料とし
て、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フエノール樹
脂、ユリア樹脂、キシレン樹脂、シリコン樹脂、
ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹
脂、メタクリル樹脂、ポリビニルホルマール樹
脂、ナイロン樹脂、ポリエステル樹脂の1種また
は2種以上よりなる膜を用いることができる。 導電層を形成する金属としてはAu、Ag、Cu、
Al、Ni、Snその他の金属又は合金を用いること
ができる。金属層の形成には無電解メツキその他
の方法も可能である。 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明の表面処理を施し
たMgまたはMg合金はMgまたはMg合金の欠点
である耐食性を著しく向上させることができるの
みでなく、表面導電性を確保できること、さらに
は耐熱衝撃性、耐摩耗性を向上させることができ
るから、航空宇宙機器、精密電機機器、自動車部
品への広範なMgまたはMg合金の普及を可能な
らしめる。
第1図は本発明の表面処理を施したMg合金の
一実施例の断面図である。 1…Mg合金、2…酸化皮膜、3…熱硬化性樹
脂膜、4…導電性皮膜。
一実施例の断面図である。 1…Mg合金、2…酸化皮膜、3…熱硬化性樹
脂膜、4…導電性皮膜。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 マグネシウムまたはマグネシウム合金の表面
に酸化皮膜、熱硬化性樹脂膜、導電性皮膜が順次
設けられてなり、前記熱硬化性樹脂膜および前記
導電性皮膜のうちの少なくとも一つが材質の異な
る複数の層からなることを特徴とする表面処理を
施したマグネシウムまたはマグネシウム合金。 2 マグネシウムまたはマグネシウム合金の表面
に酸化皮膜を形成する第1の工程と、前記第1の
工程によつて形成された酸化皮膜上に複数種の熱
硬化性樹脂膜を形成する第2の工程と、前記第2
の工程により形成された熱硬化性樹脂膜上に導電
性皮膜を形成する第3の工程を含むことを特徴と
するマグネシウムまたはマグネシウム合金の表面
処理方法。 3 マグネシウムまたはマグネシウム合金の表面
に酸化皮膜を形成する第1の工程と、前記第1の
工程によつて形成された酸化皮膜上に熱硬化性樹
脂膜を形成する第2の工程と、前記第2の工程に
より形成された熱硬化性樹脂膜上に複数種の導電
性皮膜を形成する第3の工程を含むことを特徴と
するマグネシウムまたはマグネシウム合金の表面
処理方法。 4 マグネシウムまたはマグネシウム合金の表面
に酸化皮膜を形成する第1の工程と、前記第1の
工程によつて形成された酸化皮膜上に複数種の熱
硬化性樹脂膜を形成する第2の工程と、前記第2
の工程により形成された熱硬化性樹脂膜上に複数
種の導電性皮膜を形成する第3の工程を含むこと
を特徴とするマグネシウムまたはマグネシウム合
金の表面処理方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22483585A JPS6286180A (ja) | 1985-10-11 | 1985-10-11 | 表面処理を施したマグネシウムまたはマグネシウム合金およびその表面処理方法 |
| PCT/JP1985/000571 WO1986002388A1 (fr) | 1984-10-16 | 1985-10-14 | Magnesium ou alliage de magnesium a surface traitee, et procede de traitement de leur surface |
| EP19850905112 EP0198092B1 (en) | 1984-10-16 | 1985-10-14 | Surface-treated magnesium or its alloy, and process for the surface treatment |
| US06/865,034 US4770946A (en) | 1984-10-16 | 1985-10-14 | Surface-treated magnesium or magnesium alloy, and surface treatment process therefor |
| DE8585905112T DE3576834D1 (de) | 1984-10-16 | 1985-10-14 | Oberflaechlich behandeltes magnesium oder dessen legierungen und verfahren zum oberflaechenbehandeln. |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP22483585A JPS6286180A (ja) | 1985-10-11 | 1985-10-11 | 表面処理を施したマグネシウムまたはマグネシウム合金およびその表面処理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6286180A JPS6286180A (ja) | 1987-04-20 |
| JPS647154B2 true JPS647154B2 (ja) | 1989-02-07 |
Family
ID=16819924
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP22483585A Granted JPS6286180A (ja) | 1984-10-16 | 1985-10-11 | 表面処理を施したマグネシウムまたはマグネシウム合金およびその表面処理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6286180A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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-
1985
- 1985-10-11 JP JP22483585A patent/JPS6286180A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6286180A (ja) | 1987-04-20 |
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