JPH0115605B2 - - Google Patents
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- JPH0115605B2 JPH0115605B2 JP58215045A JP21504583A JPH0115605B2 JP H0115605 B2 JPH0115605 B2 JP H0115605B2 JP 58215045 A JP58215045 A JP 58215045A JP 21504583 A JP21504583 A JP 21504583A JP H0115605 B2 JPH0115605 B2 JP H0115605B2
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- stretching
- fiber
- strength
- fibers
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Description
産業上の利用分野
本発明は、高強力高ヤング率でしかも耐摩耗性
に優れた芳香族コポリアミド繊維に関する。更に
詳しくは、共重合成分としてエーテル結合を含む
特殊な芳香族ジアミンを用いた芳香族コポリアミ
ドから構成され、かつ特定の微細構造をもつ、高
強力高ヤング率でしかも耐摩耗性に優れた芳香族
コポリアミド繊維に関する。 従来技術 ポリパラフエニレンテレフタルアミド
(PPTA)に代表されるパラフエニレン基を主鎖
中に組込んだ芳香族ポリアミド(PPTA系ポリマ
ー)が、高強力高ヤング率の繊維になり易いこと
は、従来公知であり(例えば、特公昭47―2489号
公報参照)、既にタイヤコード、プラスチツク補
強材としての実用化が試みられている。 このPPTA系ポリマー以外にも、主としてパラ
骨格又は平行軸結合の硬い環を含むポリアミド、
ポリアミドヒドラジド、剛直な直線性の良い複素
環を含む芳香族ポリアミド、ポリオキサジアゾー
ルからも高強力高ヤング率の成形物が得られるこ
とも公知である(例えば、Black W,Preston
J.;“High―modulus wholly aromatic fibers”,
Marcel Dekker,Inc.参照)。 これらのポリマーおよびPPTA系ポリマー(以
下、両者を併せて「剛直平行軸結合ポリアミド・
ポリヘテロ環類」とよぶ)は、溶融成形が困難で
あり、主として溶液成形が行われる。 剛直平行軸結合ポリアミド・ヘテロ環類は、そ
の剛直性ゆえに高強力高ヤング率を有する成形品
となり易いが、反面、安定な溶液になり難い。溶
液から成形する場合、一般的に高濃度溶液とする
方が生産性が高く、また強度も高くなる。 しかしながら、例えばPPTA系ポリマーは硫酸
に代表される一部の鉱酸類に高濃度(約20%)に
溶解するのみであるが、硫酸等を使用すること
は、重合溶媒と成形溶媒とが異ることになり工程
が複雑化するばかりでなく、作業環境の悪化、装
置の腐蝕、廃液の処理などの点において著しく不
利となる。 一方、有機溶媒類においては、非プロトン性極
性溶媒(N―メチル―2―ピロリドン、N,
N′ジメチルアセトアミド等)に可溶化無機ハロ
ゲン塩(塩化リチウム、塩化カルシウム等)を加
えたときに、数(重量)%から10(重量)%程度
まで溶解可能であるのみであり、成形品の性能は
硫酸高濃度溶液から成形した場合よりも劣る。 したがつて、PPTA系ポリマーの成形において
も、成形の容易さと成形物の性能の両面から、次
の2つの方法が実用的であると考えられるのみで
ある。 (A) 高濃度の硫酸溶液を使用して、高強力高ヤン
グ率の性能の良い成形物を得る。―この場合、
重合と成形の溶媒の相違、作業環境の悪化、装
置の腐蝕、廃液処理等の問題が生じる。 (B) 低濃度の有機溶媒溶液を使用して、やや成能
の劣つた成形物を得る。―ここの場合、作業上
の容易さでは、上記(A)よりも優れるが、通常の
条件では、強力の低い成形物しか得られない。 PPTA系以外の剛直平行軸結合ポリアミド・ポ
リヘテロ環類も上述した(A),(B)の事情を有する。
そして、剛直平行軸結合ポリアミド・ポリヘテロ
環類は分子の凝集力が強いため、一度生成した欠
陥構造を熱処理や延伸等で改善することは非常に
困難である。このことは溶液から固体に変換する
過程(即ち凝固)で生じる構造が決定的な強度支
配因子であることを意味する。 また、剛直平行軸結合ポリアミド・ポリヘテロ
環類は、高濃度において光学的異方性溶液となる
場合が多く、この現象は凝固過程での構造の緻密
化と高配向化を助けるので、好都合であるが、強
度が230Kg/mm2を越えるような成形物を与える溶
液構造と凝固条件との組合せは非常に限定され
る。現在のところ、100%の硫酸に80℃以上で濃
度20(重量)%まで溶解したPPTA系の光学的異
方性溶液を0.5〜1cm程度の空気層中に押出し、
該層を通過後、水系凝固浴で流下緊張紡糸する方
法(特開昭47―39458号)が実用性のあるものの
ように思われる。しかし、上記(A)の範ちゆうに含
まれるこの方法は硫酸を使用することなどがあつ
て、将来共に工業的に最も有利な方法かどうか疑
わしい。一方、上記(B)の範ちゆうに含まれる方法
は、溶液が低濃度であり、低配向性の成形物を作
り易く、低い強度を与え易い。そして一度そのよ
うな構造を作ると高強度化のための構造変換(例
えば高温延伸)を容易に行い難くなる。 以上のような理由により、剛直平行軸結合ポリ
アミド・ポリヘテロ環類のものから高強力高モジ
ユラスの成形物を製造するには種々の困難が伴
う。 一方、柔かい高分子鎖を高倍率に延伸(超延
伸)して高強度の成形物を得る方法が知られてい
る(例えば、Cleak et.al.,Polymer Eng.Sci.14
〔10〕682―686(1974)参照)。 柔軟な高分子鎖は、溶融又は溶液状態ではエン
トロピー的にランダムコイルの形態をとり、結晶
化過程では折りたたまれた分子鎖からなる結晶結
成をとり易い。折りたたまれた結晶の形成は必然
的に非晶部に貫通する分子鎖の数を少くするた
め、荷重を支える効率が低下し、したがつて強度
が低下する。 成形物におけるこの折りたたみ分子鎖を減少さ
せ、極度に伸長した分子鎖からなる結晶構造を有
する成形物を製造する試みもなされている。例え
ば、高温下で徐々に延伸してきわめて高い倍率の
延伸を行う、いわゆる超延伸により、強度の改善
された繊維が得られている。そして、この方法が
適用される柔軟な高分子の例としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリオキシエチレン等が
挙げられる。これらの高分子は安価であり、延伸
原理も簡単であるが、生産速度は著るしく遅く、
極限に近い延伸を行うときの操作制御が難しい。
また、これらの柔軟な高分子は融点が低いために
耐熱性の上でも問題がある。 近年、本質的に剛直な高分子成分にやや剛直性
に近い半柔軟性高分子成分を組込んだある種の芳
香族コポリアミドの繊維を超延伸して、高強力高
ヤング率でかつ耐熱性のすぐれた繊維を製造する
方法が提案されている(特開昭51―76386号、特
開昭51―136916号、米国特許4075172号)。この方
法は、すでに述べたような諸問題がなく、工業的
にきわめて有利に高強力高ヤング率の繊維を製造
することが可能であるが、従来提案された方法に
より製造された上記繊維には、耐摩耗性が劣ると
いう欠点が存することが判つた。 発明の目的 本発明の目的は、上述の如き製造上の問題がな
く、高強力高ヤング率でかつ耐摩耗性のすぐれた
耐熱性芳香族コポリアミド繊維を提供することに
ある。 発明の構成 本発明者らは、上述の芳香族コポリアミド繊維
の優れた強力、ヤング率、耐熱性等のすぐれた性
質を損うことなく耐摩耗性を改善すべく研究の結
果、その微細構造とくに結晶化度、結晶サイズ及
び結晶配向度を制御することにより、耐摩耗性の
良好な繊維とすることに成功したものである。 すなわち、本発明は、ポリマー繰返し単位の80
モル%以上が、下記繰返し単位〔〕および
〔〕からなる芳香族コポリアミドで構成され、 (ただし、上記〔〕および〔〕において、
芳香族残基の水素原子の一部または全部がハロゲ
ン原子および/または低級アルキル基で置換され
ていてもよい。) 結晶度が50〜70%、結晶サイズが18〜40Åであ
り、かつ結晶配向度が90%以上であることを特徴
とする、高強力高ヤング率でしかも耐摩耗性にす
ぐれた芳香族コポリアミド繊維である。 本発明の芳香族コポリアミド繊維を構成する共
重合体において、剛直な骨格となる部分は、
に優れた芳香族コポリアミド繊維に関する。更に
詳しくは、共重合成分としてエーテル結合を含む
特殊な芳香族ジアミンを用いた芳香族コポリアミ
ドから構成され、かつ特定の微細構造をもつ、高
強力高ヤング率でしかも耐摩耗性に優れた芳香族
コポリアミド繊維に関する。 従来技術 ポリパラフエニレンテレフタルアミド
(PPTA)に代表されるパラフエニレン基を主鎖
中に組込んだ芳香族ポリアミド(PPTA系ポリマ
ー)が、高強力高ヤング率の繊維になり易いこと
は、従来公知であり(例えば、特公昭47―2489号
公報参照)、既にタイヤコード、プラスチツク補
強材としての実用化が試みられている。 このPPTA系ポリマー以外にも、主としてパラ
骨格又は平行軸結合の硬い環を含むポリアミド、
ポリアミドヒドラジド、剛直な直線性の良い複素
環を含む芳香族ポリアミド、ポリオキサジアゾー
ルからも高強力高ヤング率の成形物が得られるこ
とも公知である(例えば、Black W,Preston
J.;“High―modulus wholly aromatic fibers”,
Marcel Dekker,Inc.参照)。 これらのポリマーおよびPPTA系ポリマー(以
下、両者を併せて「剛直平行軸結合ポリアミド・
ポリヘテロ環類」とよぶ)は、溶融成形が困難で
あり、主として溶液成形が行われる。 剛直平行軸結合ポリアミド・ヘテロ環類は、そ
の剛直性ゆえに高強力高ヤング率を有する成形品
となり易いが、反面、安定な溶液になり難い。溶
液から成形する場合、一般的に高濃度溶液とする
方が生産性が高く、また強度も高くなる。 しかしながら、例えばPPTA系ポリマーは硫酸
に代表される一部の鉱酸類に高濃度(約20%)に
溶解するのみであるが、硫酸等を使用すること
は、重合溶媒と成形溶媒とが異ることになり工程
が複雑化するばかりでなく、作業環境の悪化、装
置の腐蝕、廃液の処理などの点において著しく不
利となる。 一方、有機溶媒類においては、非プロトン性極
性溶媒(N―メチル―2―ピロリドン、N,
N′ジメチルアセトアミド等)に可溶化無機ハロ
ゲン塩(塩化リチウム、塩化カルシウム等)を加
えたときに、数(重量)%から10(重量)%程度
まで溶解可能であるのみであり、成形品の性能は
硫酸高濃度溶液から成形した場合よりも劣る。 したがつて、PPTA系ポリマーの成形において
も、成形の容易さと成形物の性能の両面から、次
の2つの方法が実用的であると考えられるのみで
ある。 (A) 高濃度の硫酸溶液を使用して、高強力高ヤン
グ率の性能の良い成形物を得る。―この場合、
重合と成形の溶媒の相違、作業環境の悪化、装
置の腐蝕、廃液処理等の問題が生じる。 (B) 低濃度の有機溶媒溶液を使用して、やや成能
の劣つた成形物を得る。―ここの場合、作業上
の容易さでは、上記(A)よりも優れるが、通常の
条件では、強力の低い成形物しか得られない。 PPTA系以外の剛直平行軸結合ポリアミド・ポ
リヘテロ環類も上述した(A),(B)の事情を有する。
そして、剛直平行軸結合ポリアミド・ポリヘテロ
環類は分子の凝集力が強いため、一度生成した欠
陥構造を熱処理や延伸等で改善することは非常に
困難である。このことは溶液から固体に変換する
過程(即ち凝固)で生じる構造が決定的な強度支
配因子であることを意味する。 また、剛直平行軸結合ポリアミド・ポリヘテロ
環類は、高濃度において光学的異方性溶液となる
場合が多く、この現象は凝固過程での構造の緻密
化と高配向化を助けるので、好都合であるが、強
度が230Kg/mm2を越えるような成形物を与える溶
液構造と凝固条件との組合せは非常に限定され
る。現在のところ、100%の硫酸に80℃以上で濃
度20(重量)%まで溶解したPPTA系の光学的異
方性溶液を0.5〜1cm程度の空気層中に押出し、
該層を通過後、水系凝固浴で流下緊張紡糸する方
法(特開昭47―39458号)が実用性のあるものの
ように思われる。しかし、上記(A)の範ちゆうに含
まれるこの方法は硫酸を使用することなどがあつ
て、将来共に工業的に最も有利な方法かどうか疑
わしい。一方、上記(B)の範ちゆうに含まれる方法
は、溶液が低濃度であり、低配向性の成形物を作
り易く、低い強度を与え易い。そして一度そのよ
うな構造を作ると高強度化のための構造変換(例
えば高温延伸)を容易に行い難くなる。 以上のような理由により、剛直平行軸結合ポリ
アミド・ポリヘテロ環類のものから高強力高モジ
ユラスの成形物を製造するには種々の困難が伴
う。 一方、柔かい高分子鎖を高倍率に延伸(超延
伸)して高強度の成形物を得る方法が知られてい
る(例えば、Cleak et.al.,Polymer Eng.Sci.14
〔10〕682―686(1974)参照)。 柔軟な高分子鎖は、溶融又は溶液状態ではエン
トロピー的にランダムコイルの形態をとり、結晶
化過程では折りたたまれた分子鎖からなる結晶結
成をとり易い。折りたたまれた結晶の形成は必然
的に非晶部に貫通する分子鎖の数を少くするた
め、荷重を支える効率が低下し、したがつて強度
が低下する。 成形物におけるこの折りたたみ分子鎖を減少さ
せ、極度に伸長した分子鎖からなる結晶構造を有
する成形物を製造する試みもなされている。例え
ば、高温下で徐々に延伸してきわめて高い倍率の
延伸を行う、いわゆる超延伸により、強度の改善
された繊維が得られている。そして、この方法が
適用される柔軟な高分子の例としては、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリオキシエチレン等が
挙げられる。これらの高分子は安価であり、延伸
原理も簡単であるが、生産速度は著るしく遅く、
極限に近い延伸を行うときの操作制御が難しい。
また、これらの柔軟な高分子は融点が低いために
耐熱性の上でも問題がある。 近年、本質的に剛直な高分子成分にやや剛直性
に近い半柔軟性高分子成分を組込んだある種の芳
香族コポリアミドの繊維を超延伸して、高強力高
ヤング率でかつ耐熱性のすぐれた繊維を製造する
方法が提案されている(特開昭51―76386号、特
開昭51―136916号、米国特許4075172号)。この方
法は、すでに述べたような諸問題がなく、工業的
にきわめて有利に高強力高ヤング率の繊維を製造
することが可能であるが、従来提案された方法に
より製造された上記繊維には、耐摩耗性が劣ると
いう欠点が存することが判つた。 発明の目的 本発明の目的は、上述の如き製造上の問題がな
く、高強力高ヤング率でかつ耐摩耗性のすぐれた
耐熱性芳香族コポリアミド繊維を提供することに
ある。 発明の構成 本発明者らは、上述の芳香族コポリアミド繊維
の優れた強力、ヤング率、耐熱性等のすぐれた性
質を損うことなく耐摩耗性を改善すべく研究の結
果、その微細構造とくに結晶化度、結晶サイズ及
び結晶配向度を制御することにより、耐摩耗性の
良好な繊維とすることに成功したものである。 すなわち、本発明は、ポリマー繰返し単位の80
モル%以上が、下記繰返し単位〔〕および
〔〕からなる芳香族コポリアミドで構成され、 (ただし、上記〔〕および〔〕において、
芳香族残基の水素原子の一部または全部がハロゲ
ン原子および/または低級アルキル基で置換され
ていてもよい。) 結晶度が50〜70%、結晶サイズが18〜40Åであ
り、かつ結晶配向度が90%以上であることを特徴
とする、高強力高ヤング率でしかも耐摩耗性にす
ぐれた芳香族コポリアミド繊維である。 本発明の芳香族コポリアミド繊維を構成する共
重合体において、剛直な骨格となる部分は、
【式】および
【式】であり、やや剛直に近い
半柔軟性の骨格となる部分は、
【式】で表わされる
3,4′―ジアミノジフエニル残基であり、これら
はランダムに、或いは、上記繰返し単位〔〕お
よび〔〕が各々2〜15個ブロツク状に共重合し
て、共重合体を形成している。 この重合体における、上記繰返し単位〔〕と
〔〕との共重合割合は、〔〕/〔〕のモル比
率にして1/3〜3/1が適当である。 共重合体の重合度は、極限粘度にして1.5〜
7.0、特に2.0〜5.0の範囲が好ましい。 該共重合体は、必要に応じて、その性質を損わ
ない範囲内で少量の他の共重合成分を共重合した
り他の重合体を添加してもよく、また、公知の着
色剤、改質剤等の添加剤を含んでもよい。 この芳香族コポリアミドは、主鎖中に非対称な
構造を有する3,4′―ジアミノジフエニルエーテ
ル残基を導入したことにより、非プロトン性極性
溶媒への溶解が可能になり、水系凝固浴にて凝固
せしめた後に、高倍率の高温延伸が可能になると
いう利点を有する。しかも、上記非対称性構造に
より懸念される繊維構造の乱れは意外に少く、ホ
モポリマーであるPPTAよりもむしろ高い強度を
示す。 また、結晶構造は、3,4′―ジアミノジフエニ
ルエーテル残基の導入により、結晶サイズが一般
に小さくなり、微結晶が数多く集合した形態であ
ると想像される。このような結晶サイズが小さく
なることは、結晶相と非晶相の2極化分離を阻止
するので、連続的周期的外力に対する耐摩耗性が
改善されるのである。 しかし、上に述べた数々の利点も、繊維の微細
構造によつて左右され、単に、ポリマーとして上
述の芳香族コポリアミドを用いることによつて得
られるものではない。 本発明者らの研究によれば、上述の芳香族コポ
リアミドからなる繊維にあつては、結晶化度、結
晶サイズ及び結晶配向度が特に重要であり、これ
らが全て特定の範囲内にある場合に限り、高強力
高ヤング率でかつ耐摩耗性のすぐれた繊維となる
ことが判明した。 まず、結晶化度は、50〜70%の範囲内にあるこ
とが必要であり、60〜67%の範囲内が好適であ
る。 従来より、高強力高ヤング率の繊維を得るため
には、きわめて結晶性の高い構造を作ることが常
法とされており、上述の芳香族コポリアミド繊維
の場合にも、結晶化度をできるだけ高くする配慮
がなされてきた。 ところが、上述の芳香族コポリアミドのよう
に、分子構造が本質的に剛直であつて、その中に
やや柔軟な成分(3,4′―ジアミノジフエニルエ
ーテル残基)が組込まれている場合は、第1に分
子配向の増加が重要であり、結晶化度のみを優先
的に増加させるのは好ましいことではなく、事
実、結晶化度が70%を越えると繊維の耐摩耗性が
低下する傾向が見られる。この意味から、本発明
では、結晶化度の上限を70%に抑え、これ以下の
結晶化度にしなければならない。 一方、結晶化度が50%未満では、得られた繊維
の強度が著しく低下し、高強力繊維となり難い。 次に、結晶サイズは18〜40Åの範囲内にあるこ
とが必要であり、20〜30Åの範囲内が好適であ
る。結晶サイズが18Å未満ではあまりに微結晶で
結晶構造全体の秩序性が低下して強力が低下す
る。一方、結晶サイズが40Åを越えると結晶領域
が肥大化し、結晶相と非晶相の2極化分離が進
み、いわゆる海島構造となる。このような構造に
なると微結晶網目構造が少くなつて耐摩耗性が悪
化する。 また、結晶配向度は90%以上であることが必要
であり、好ましくは91〜94%に配向させるべきで
ある。結晶配向度が90%未満では、強度が低下す
るため不適当である。一方、95%以上の結晶配向
度を得るのは事実上困難であり、かなり高配向の
延伸が必要と考えられる。 物性値の測定方法 上述の結晶化度、結晶サイズおよび結晶配向度
はいずれもX線回折によつて測定されるが、以下
にこれらの物性値の測定(算出)方法を説明す
る。 (i) 結晶サイズ(D) 理学電機社のX線発生装置、広角回折計および
計数回路ユニツトを使用する。試料は約2.2g/
cmの幅密度となるように4.5cm長のホルダーに装
着し、回折計のスキヤン軸に対して延伸方向(機
械方向)を垂直にする。 Cu―Kα線(λ=1.5418Å))を使用してX線広
角回折を行う。そのとき本発明の繊維の大部分は
赤道方向2θ=16〜25゜の範囲内に実質上一つ又は
二つの重つた主要ピークを有する。 実質上一つの主要ピークとは、二つのピークが
重つているとは認められない最大の強度を有する
ピーク、または二つのピークが重つていると認め
られても、二つのピーク間の谷の深さ(二つのピ
ークの頂点を結ぶ線分と谷底との距離)が二つの
ピークの最大の高さの1/10に満たない場合の重つ
たピーク全体、または谷の高さが二つのピークの
最大の高さの1/10に満たない場合の二つのピーク
のうち高い方のピークを指す。 二つの重つた主要ピークとは、二つのピーク間
の谷の高さが二つのピークの最大の高さの1/10以
上でかつ谷の深さが二つのピークの最大の高さの
1/10以上の場合のピークを指す。 結晶サイズ(D)は、Å単位で次式により計算され
る。 D=0.94λ/(B−b)Cosθ 上式において0.94はScherrer定数と呼ばれるも
の、Bはラジアン単位で表わされた測定ピークの
半価幅、bは装置のブロードニング定数(ラジア
ン単位)であり、上記装置の場合0.0017radであ
る。 BをX線回折チヤートから求めるには次の手順
による。赤道上に二つの重つた主要ピークが存在
する場合は、それぞれのピークがガウス曲線の形
をしていると仮定して、各ピークを分離する。次
に、子午方向の回折曲線から求められるピークの
ない所の高さを点綴した曲線をベースラインとし
て採用し、ピーク頂点とベースラインの中点より
ベースラインに平行に直線を引き、測定ピークと
の交点の幅(半価幅)をラジアン単位で求め、こ
れをBとする。 本発明の繊維の大部分は、実質上一つの主要ピ
ークが観測され、比較的容易にBの値が求められ
る。 なお、詳細な測定条件は次の通りである。 電圧 50KV 電流 80mA タイムコンスタント 1秒 掃引速度 2゜/分 チヤートスピード 2cm/分 試料の照射直径 2.8mmφ (ii) 配向度(f) 上述の結晶サイズ測定と同一のX線発生装置、
広角回折計および計数回路ユニツトを使用する
が、新たに方位角方向に測定が出来る機械回転試
料台を取りつける。サンプルの試料密度も同様で
ある。赤道上で最大のピークを有する2θ値を保つ
たまま方位角方向に回転して配向回折ピークを得
る。ベースラインを見出すことは容易であり、こ
のベースラインに頂点から下した垂線の中点から
ベースラインに平行な直線を引きピークの肩との
交点を求める。この交点の作る線分の長さ(半価
幅)をH(度)とすると、結晶配向度(f)は次式で
求められる。 f=180−H/180×100(%) (iii) 結晶化度 装置は上述のものと同様である。試料を垂直面
内に回転しながら赤道方向に回折計を掃引して、
ランダムに繊維が配向した場合の総回折曲線をと
る。次に子午方向の回折チヤートを重ねて非晶部
分に寄与する反射を求める。子午方向の結晶部に
起因するピークを除けば、非晶部分の反射による
ベースラインが得られる。さらに空気による散乱
を求める。 10゜2θ40゜の範囲の下記C,T,Aを求めて
結晶化度Xを計算する。 C=(総回折ライン)と(非晶部分の反射によ
るベースライン)が囲む面積 T=(総回折ライン)と(高さ零の線)が囲む
面積 A=(空気散乱ライン)と(高さ零の線)が囲
む面積 X=C/(T−A)×100(%) なお、詳細な測定条件は次の通りである。 電圧 40KV 電流 30mA タイムコンスタント 2秒 掃引スピード 2゜/分 チヤートスピード 1cm/分 試料面上の照射直径 3.8mmφ 繊維の製造法 次に、本発明で特定した諸物性を有する芳香族
コポリアミド繊維の製造法について説明する。 上記繰返し単位〔〕及び〔〕を有する芳香
族コポリアミドは、それ自体公知の重合方法によ
つて製造することができ、例えば米国特許第
4075172号に記載の溶液重合法により製造される。 この芳香族コポリアミドは、N,N′―ジメチ
ルアセトアミド、N―メチル―2―ピロリドン等
の非プロトン性極性溶媒に可溶であり、特に上記
溶媒中に周期律表第族又は第族の金属のハロ
ゲン化物からなる可溶化無機ハロゲン塩(例えば
塩化リチウム、塩化カルシウム等)を含有するも
のに良好な溶解性を示し、好適な紡糸溶液となし
得る。 紡糸溶液としては、一般に、重合体濃度が4〜
20(重量)%、金属ハロゲン化物の濃度が0.2〜10
(重量)%のものが好ましい。 また、紡糸は、水又は極性溶媒の水溶液あるい
はこれらに金属ハロゲン化物を含む凝固浴を用
い、紡糸口金から押出した溶液を一たん空気層中
に押出したのち、直ちに上記凝固浴中に導入して
繊維状に凝固させる方法を採用するのが好まし
い。(好適な紡糸溶液の調整法、紡糸条件等につ
いては、米国特許第4075172号に詳しく記載され
ている。) 紡糸された芳香族コポリアミド繊維(未延伸繊
維)は、次いで、延伸に供せられるが、本発明で
特定した微細構造を形成させるためには、結晶化
に先立ち分子配向が効果的に増加するような延伸
法が採用されるべきである。具体的には、未延伸
繊維をまず400℃以下の比較的低温で2.0〜6.0倍
に延伸し、次いで400℃を越える高温で残余の延
伸を行つて、全延伸倍率を8〜15倍、好ましくは
10〜14倍にするような、多段延伸を採用すること
が必要である。 このような多段延伸のうちでも、未延伸繊維を
まず100℃以下の温度で(例えば30〜100℃の温水
浴中で)1.1〜2.0倍延伸し、次いで100℃を越え
400℃を越えない温度で1.5〜3.0倍に延伸し、さ
らに400℃を越え550℃を越えない温度で3.0〜5.0
倍に延伸し、全延伸倍率を10〜14倍とするような
逐次延伸方法が好適である。 これに対して、例えば上記米国特許の実施例の
ように未延伸繊維を500℃付近の高温領域で一気
に10〜14倍程度の高倍率に延伸を行うと、高温の
ため結晶化が速かに起り、繊維の結晶化度が70%
を越えるようになるため、高度は大きいが耐摩耗
性の劣つた繊維となる。 なお、上述の多段延伸を行うに際し、100℃以
下の延伸を温水中で行い、以後の延伸を熱板及
び/又は過熱水蒸気浴を用いて行うのが好まし
い。 本発明の繊維にあつては、延伸工程における諸
条件によつて微細構造が大きく変化するため、上
述の多段延伸を採用し、かつその際最終繊維の結
晶化度、結晶サイズ、結晶配向度がすべて本発明
で特定した範囲内に入るような延伸条件を適宜調
整することが必要である。 発明の効果 上述した如き微細構造を有する本発明の芳香族
コポリアミド繊維は、高い強力とヤング率を有す
るばかりでなく、耐摩耗性がきわめて大きいとい
う利点がある。 すなわち、該繊維は、通常、20g/de以上の
引張り強度と、500g/de以上のヤング率を有す
る。しかも、耐摩耗性は従来公知の同種繊維に比
べ飛躍的に向上し、後述の測定法による耐摩耗性
にして200回を起える優れた値を示す。 さらに、本発明の芳香族コポリアミド繊維は、
PPTA繊維のような製造上の問題がなく、また、
PPTA繊維に比べて高い強力となし得る。そし
て、PPTA繊維に劣らない良好な耐熱性を有す
る。 したがつて、本発明の芳香族コポリアミド繊維
は、タイヤコード、その他のゴム製品や樹脂の補
強材、ベルト、ローブ、耐熱性フイルター等の分
野において有効に使用される。 実施例 次に、本発明の実施例および比較例を詳述す
る。 例中に示した極限粘度、耐摩耗性は次のように
して測定された値である。 (a) 極限粘度 溶媒を洗い落した後の含水ポリマーを100℃真
空下で3時間乾燥した後97.5%濃硫酸に0.5g/dl
の濃度で溶解した溶液にて、常法により測定す
る。 (b) 耐摩耗性 1500デニール糸条を2本とつて、夫々10cm当り
4回の上撚りと下撚りを入れて撚糸コードとす
る。この撚糸コードを2本お互に直角方向にこす
り合せる。この時に各撚糸コードにかかる張力は
0.2g/dlである。2本の撚糸コードを繰り返し
こすり合せて一方が断糸するまでの反復回数を測
定する。 実施例 1 下記の酸成分(1種類)およびアミン成分(2
種類) を、N―メチル―2―ピロリドン(以下、NMP
と略称する)中で重合し、極限粘度3.2の芳香族
コポリアミドを得た。反応により生成した塩酸は
水酸化カルシウムで中和し、上記芳香族コポリア
ミドの濃度が6(重量)%となる如く紡糸溶液
(ドープ)を調整した。 この紡糸溶液を1000個の紡糸孔を有する紡糸口
金を通して空気層中へ押出し(紡糸における吐出
量は最終延伸糸が1500dlとなるように調整、直ち
に30(重量)%NMP水溶液中に導入して凝固さ
せ、水洗した後、50℃の温水浴中にて1.3倍に延
伸し、120℃のローラー上で1.02倍に緊張しつつ
乾燥した。 次に、この乾燥糸を表1―1に示す条件にて熱
板上で1段延伸又は2段延伸を行つた。それぞれ
得られた延伸の物性を測定したところ、表1―2
の結果が得られた。 なお、これらの実験のうち実験No.6は、NMP
水溶液中にて凝固させ水洗した後、温水中での延
伸を行わずに、そのまゝ定長で乾燥し、引続き
500℃の熱板上で一段延伸したものであり、実験
No.4(実施例)に対応する比較例である。
はランダムに、或いは、上記繰返し単位〔〕お
よび〔〕が各々2〜15個ブロツク状に共重合し
て、共重合体を形成している。 この重合体における、上記繰返し単位〔〕と
〔〕との共重合割合は、〔〕/〔〕のモル比
率にして1/3〜3/1が適当である。 共重合体の重合度は、極限粘度にして1.5〜
7.0、特に2.0〜5.0の範囲が好ましい。 該共重合体は、必要に応じて、その性質を損わ
ない範囲内で少量の他の共重合成分を共重合した
り他の重合体を添加してもよく、また、公知の着
色剤、改質剤等の添加剤を含んでもよい。 この芳香族コポリアミドは、主鎖中に非対称な
構造を有する3,4′―ジアミノジフエニルエーテ
ル残基を導入したことにより、非プロトン性極性
溶媒への溶解が可能になり、水系凝固浴にて凝固
せしめた後に、高倍率の高温延伸が可能になると
いう利点を有する。しかも、上記非対称性構造に
より懸念される繊維構造の乱れは意外に少く、ホ
モポリマーであるPPTAよりもむしろ高い強度を
示す。 また、結晶構造は、3,4′―ジアミノジフエニ
ルエーテル残基の導入により、結晶サイズが一般
に小さくなり、微結晶が数多く集合した形態であ
ると想像される。このような結晶サイズが小さく
なることは、結晶相と非晶相の2極化分離を阻止
するので、連続的周期的外力に対する耐摩耗性が
改善されるのである。 しかし、上に述べた数々の利点も、繊維の微細
構造によつて左右され、単に、ポリマーとして上
述の芳香族コポリアミドを用いることによつて得
られるものではない。 本発明者らの研究によれば、上述の芳香族コポ
リアミドからなる繊維にあつては、結晶化度、結
晶サイズ及び結晶配向度が特に重要であり、これ
らが全て特定の範囲内にある場合に限り、高強力
高ヤング率でかつ耐摩耗性のすぐれた繊維となる
ことが判明した。 まず、結晶化度は、50〜70%の範囲内にあるこ
とが必要であり、60〜67%の範囲内が好適であ
る。 従来より、高強力高ヤング率の繊維を得るため
には、きわめて結晶性の高い構造を作ることが常
法とされており、上述の芳香族コポリアミド繊維
の場合にも、結晶化度をできるだけ高くする配慮
がなされてきた。 ところが、上述の芳香族コポリアミドのよう
に、分子構造が本質的に剛直であつて、その中に
やや柔軟な成分(3,4′―ジアミノジフエニルエ
ーテル残基)が組込まれている場合は、第1に分
子配向の増加が重要であり、結晶化度のみを優先
的に増加させるのは好ましいことではなく、事
実、結晶化度が70%を越えると繊維の耐摩耗性が
低下する傾向が見られる。この意味から、本発明
では、結晶化度の上限を70%に抑え、これ以下の
結晶化度にしなければならない。 一方、結晶化度が50%未満では、得られた繊維
の強度が著しく低下し、高強力繊維となり難い。 次に、結晶サイズは18〜40Åの範囲内にあるこ
とが必要であり、20〜30Åの範囲内が好適であ
る。結晶サイズが18Å未満ではあまりに微結晶で
結晶構造全体の秩序性が低下して強力が低下す
る。一方、結晶サイズが40Åを越えると結晶領域
が肥大化し、結晶相と非晶相の2極化分離が進
み、いわゆる海島構造となる。このような構造に
なると微結晶網目構造が少くなつて耐摩耗性が悪
化する。 また、結晶配向度は90%以上であることが必要
であり、好ましくは91〜94%に配向させるべきで
ある。結晶配向度が90%未満では、強度が低下す
るため不適当である。一方、95%以上の結晶配向
度を得るのは事実上困難であり、かなり高配向の
延伸が必要と考えられる。 物性値の測定方法 上述の結晶化度、結晶サイズおよび結晶配向度
はいずれもX線回折によつて測定されるが、以下
にこれらの物性値の測定(算出)方法を説明す
る。 (i) 結晶サイズ(D) 理学電機社のX線発生装置、広角回折計および
計数回路ユニツトを使用する。試料は約2.2g/
cmの幅密度となるように4.5cm長のホルダーに装
着し、回折計のスキヤン軸に対して延伸方向(機
械方向)を垂直にする。 Cu―Kα線(λ=1.5418Å))を使用してX線広
角回折を行う。そのとき本発明の繊維の大部分は
赤道方向2θ=16〜25゜の範囲内に実質上一つ又は
二つの重つた主要ピークを有する。 実質上一つの主要ピークとは、二つのピークが
重つているとは認められない最大の強度を有する
ピーク、または二つのピークが重つていると認め
られても、二つのピーク間の谷の深さ(二つのピ
ークの頂点を結ぶ線分と谷底との距離)が二つの
ピークの最大の高さの1/10に満たない場合の重つ
たピーク全体、または谷の高さが二つのピークの
最大の高さの1/10に満たない場合の二つのピーク
のうち高い方のピークを指す。 二つの重つた主要ピークとは、二つのピーク間
の谷の高さが二つのピークの最大の高さの1/10以
上でかつ谷の深さが二つのピークの最大の高さの
1/10以上の場合のピークを指す。 結晶サイズ(D)は、Å単位で次式により計算され
る。 D=0.94λ/(B−b)Cosθ 上式において0.94はScherrer定数と呼ばれるも
の、Bはラジアン単位で表わされた測定ピークの
半価幅、bは装置のブロードニング定数(ラジア
ン単位)であり、上記装置の場合0.0017radであ
る。 BをX線回折チヤートから求めるには次の手順
による。赤道上に二つの重つた主要ピークが存在
する場合は、それぞれのピークがガウス曲線の形
をしていると仮定して、各ピークを分離する。次
に、子午方向の回折曲線から求められるピークの
ない所の高さを点綴した曲線をベースラインとし
て採用し、ピーク頂点とベースラインの中点より
ベースラインに平行に直線を引き、測定ピークと
の交点の幅(半価幅)をラジアン単位で求め、こ
れをBとする。 本発明の繊維の大部分は、実質上一つの主要ピ
ークが観測され、比較的容易にBの値が求められ
る。 なお、詳細な測定条件は次の通りである。 電圧 50KV 電流 80mA タイムコンスタント 1秒 掃引速度 2゜/分 チヤートスピード 2cm/分 試料の照射直径 2.8mmφ (ii) 配向度(f) 上述の結晶サイズ測定と同一のX線発生装置、
広角回折計および計数回路ユニツトを使用する
が、新たに方位角方向に測定が出来る機械回転試
料台を取りつける。サンプルの試料密度も同様で
ある。赤道上で最大のピークを有する2θ値を保つ
たまま方位角方向に回転して配向回折ピークを得
る。ベースラインを見出すことは容易であり、こ
のベースラインに頂点から下した垂線の中点から
ベースラインに平行な直線を引きピークの肩との
交点を求める。この交点の作る線分の長さ(半価
幅)をH(度)とすると、結晶配向度(f)は次式で
求められる。 f=180−H/180×100(%) (iii) 結晶化度 装置は上述のものと同様である。試料を垂直面
内に回転しながら赤道方向に回折計を掃引して、
ランダムに繊維が配向した場合の総回折曲線をと
る。次に子午方向の回折チヤートを重ねて非晶部
分に寄与する反射を求める。子午方向の結晶部に
起因するピークを除けば、非晶部分の反射による
ベースラインが得られる。さらに空気による散乱
を求める。 10゜2θ40゜の範囲の下記C,T,Aを求めて
結晶化度Xを計算する。 C=(総回折ライン)と(非晶部分の反射によ
るベースライン)が囲む面積 T=(総回折ライン)と(高さ零の線)が囲む
面積 A=(空気散乱ライン)と(高さ零の線)が囲
む面積 X=C/(T−A)×100(%) なお、詳細な測定条件は次の通りである。 電圧 40KV 電流 30mA タイムコンスタント 2秒 掃引スピード 2゜/分 チヤートスピード 1cm/分 試料面上の照射直径 3.8mmφ 繊維の製造法 次に、本発明で特定した諸物性を有する芳香族
コポリアミド繊維の製造法について説明する。 上記繰返し単位〔〕及び〔〕を有する芳香
族コポリアミドは、それ自体公知の重合方法によ
つて製造することができ、例えば米国特許第
4075172号に記載の溶液重合法により製造される。 この芳香族コポリアミドは、N,N′―ジメチ
ルアセトアミド、N―メチル―2―ピロリドン等
の非プロトン性極性溶媒に可溶であり、特に上記
溶媒中に周期律表第族又は第族の金属のハロ
ゲン化物からなる可溶化無機ハロゲン塩(例えば
塩化リチウム、塩化カルシウム等)を含有するも
のに良好な溶解性を示し、好適な紡糸溶液となし
得る。 紡糸溶液としては、一般に、重合体濃度が4〜
20(重量)%、金属ハロゲン化物の濃度が0.2〜10
(重量)%のものが好ましい。 また、紡糸は、水又は極性溶媒の水溶液あるい
はこれらに金属ハロゲン化物を含む凝固浴を用
い、紡糸口金から押出した溶液を一たん空気層中
に押出したのち、直ちに上記凝固浴中に導入して
繊維状に凝固させる方法を採用するのが好まし
い。(好適な紡糸溶液の調整法、紡糸条件等につ
いては、米国特許第4075172号に詳しく記載され
ている。) 紡糸された芳香族コポリアミド繊維(未延伸繊
維)は、次いで、延伸に供せられるが、本発明で
特定した微細構造を形成させるためには、結晶化
に先立ち分子配向が効果的に増加するような延伸
法が採用されるべきである。具体的には、未延伸
繊維をまず400℃以下の比較的低温で2.0〜6.0倍
に延伸し、次いで400℃を越える高温で残余の延
伸を行つて、全延伸倍率を8〜15倍、好ましくは
10〜14倍にするような、多段延伸を採用すること
が必要である。 このような多段延伸のうちでも、未延伸繊維を
まず100℃以下の温度で(例えば30〜100℃の温水
浴中で)1.1〜2.0倍延伸し、次いで100℃を越え
400℃を越えない温度で1.5〜3.0倍に延伸し、さ
らに400℃を越え550℃を越えない温度で3.0〜5.0
倍に延伸し、全延伸倍率を10〜14倍とするような
逐次延伸方法が好適である。 これに対して、例えば上記米国特許の実施例の
ように未延伸繊維を500℃付近の高温領域で一気
に10〜14倍程度の高倍率に延伸を行うと、高温の
ため結晶化が速かに起り、繊維の結晶化度が70%
を越えるようになるため、高度は大きいが耐摩耗
性の劣つた繊維となる。 なお、上述の多段延伸を行うに際し、100℃以
下の延伸を温水中で行い、以後の延伸を熱板及
び/又は過熱水蒸気浴を用いて行うのが好まし
い。 本発明の繊維にあつては、延伸工程における諸
条件によつて微細構造が大きく変化するため、上
述の多段延伸を採用し、かつその際最終繊維の結
晶化度、結晶サイズ、結晶配向度がすべて本発明
で特定した範囲内に入るような延伸条件を適宜調
整することが必要である。 発明の効果 上述した如き微細構造を有する本発明の芳香族
コポリアミド繊維は、高い強力とヤング率を有す
るばかりでなく、耐摩耗性がきわめて大きいとい
う利点がある。 すなわち、該繊維は、通常、20g/de以上の
引張り強度と、500g/de以上のヤング率を有す
る。しかも、耐摩耗性は従来公知の同種繊維に比
べ飛躍的に向上し、後述の測定法による耐摩耗性
にして200回を起える優れた値を示す。 さらに、本発明の芳香族コポリアミド繊維は、
PPTA繊維のような製造上の問題がなく、また、
PPTA繊維に比べて高い強力となし得る。そし
て、PPTA繊維に劣らない良好な耐熱性を有す
る。 したがつて、本発明の芳香族コポリアミド繊維
は、タイヤコード、その他のゴム製品や樹脂の補
強材、ベルト、ローブ、耐熱性フイルター等の分
野において有効に使用される。 実施例 次に、本発明の実施例および比較例を詳述す
る。 例中に示した極限粘度、耐摩耗性は次のように
して測定された値である。 (a) 極限粘度 溶媒を洗い落した後の含水ポリマーを100℃真
空下で3時間乾燥した後97.5%濃硫酸に0.5g/dl
の濃度で溶解した溶液にて、常法により測定す
る。 (b) 耐摩耗性 1500デニール糸条を2本とつて、夫々10cm当り
4回の上撚りと下撚りを入れて撚糸コードとす
る。この撚糸コードを2本お互に直角方向にこす
り合せる。この時に各撚糸コードにかかる張力は
0.2g/dlである。2本の撚糸コードを繰り返し
こすり合せて一方が断糸するまでの反復回数を測
定する。 実施例 1 下記の酸成分(1種類)およびアミン成分(2
種類) を、N―メチル―2―ピロリドン(以下、NMP
と略称する)中で重合し、極限粘度3.2の芳香族
コポリアミドを得た。反応により生成した塩酸は
水酸化カルシウムで中和し、上記芳香族コポリア
ミドの濃度が6(重量)%となる如く紡糸溶液
(ドープ)を調整した。 この紡糸溶液を1000個の紡糸孔を有する紡糸口
金を通して空気層中へ押出し(紡糸における吐出
量は最終延伸糸が1500dlとなるように調整、直ち
に30(重量)%NMP水溶液中に導入して凝固さ
せ、水洗した後、50℃の温水浴中にて1.3倍に延
伸し、120℃のローラー上で1.02倍に緊張しつつ
乾燥した。 次に、この乾燥糸を表1―1に示す条件にて熱
板上で1段延伸又は2段延伸を行つた。それぞれ
得られた延伸の物性を測定したところ、表1―2
の結果が得られた。 なお、これらの実験のうち実験No.6は、NMP
水溶液中にて凝固させ水洗した後、温水中での延
伸を行わずに、そのまゝ定長で乾燥し、引続き
500℃の熱板上で一段延伸したものであり、実験
No.4(実施例)に対応する比較例である。
【表】
〓注〓 実験No.3〜5が本発明の実施
例であり、他は比較例である。
実験No.1〜2およびNo.4は熱板
延伸は1段のみ。
例であり、他は比較例である。
実験No.1〜2およびNo.4は熱板
延伸は1段のみ。
【表】
〓注〓 実験No.3〜5が本発明の実施
例である。
実験No.1は結晶化度、結晶サイズ、結晶配向度
のすべてが本発明で特定した範囲外にあるもの、
実験No.2は結晶サイズ、結晶配向度が本発明で特
定した範囲外にあるもので、ともに強度が低く耐
摩耗性も不良である。 実験No.6は結晶化度が過大のもので、強度は良
好であるが耐摩耗性に劣るものである。 実施例 2 実施例1と同様に1種類の成分と2種類のアミ
ン成分を使用するが、重合に際しアミン成分の混
合比率を下記の範囲内で表2―1に示す如く変化
させた。(ただし、下記A+B=50部となる如く
酸成分と全アミン成分のバランスをとつた。) 上記成分を実施例1と同様にNMP中で重合
し、得られたポリマーを紡糸した。これらのポリ
マーは夫々化学組成が異るので表2―1に示す方
法で延伸した。 実験No.7〜8のポリマーはNMPに不溶である
ため、99%濃硫酸に溶解して紡糸溶液(ポリマー
濃度20重量%)を作成し、水中に紡糸して凝固さ
せた。この2例は高倍率延伸が不可能であるの
で、500℃の熱板上で夫々1.05〜1.10倍に1段延
伸した。 実験No.9〜13では、延伸を3段階に分けて行つ
た。すなわち、まず50℃の温水中で、1.3倍に延
伸した後、定長乾燥し、次いで360℃に設定した
第1の熱板上で2.0倍に延伸し、残余の延伸は500
℃に設定した第2の熱板上で破断延伸倍率の80%
の延伸倍率で延伸し、延伸糸を得た。 かくして得られた各延伸糸の物性を測定したと
ころ、表2―2に示す結果が得られた。
例である。
実験No.1は結晶化度、結晶サイズ、結晶配向度
のすべてが本発明で特定した範囲外にあるもの、
実験No.2は結晶サイズ、結晶配向度が本発明で特
定した範囲外にあるもので、ともに強度が低く耐
摩耗性も不良である。 実験No.6は結晶化度が過大のもので、強度は良
好であるが耐摩耗性に劣るものである。 実施例 2 実施例1と同様に1種類の成分と2種類のアミ
ン成分を使用するが、重合に際しアミン成分の混
合比率を下記の範囲内で表2―1に示す如く変化
させた。(ただし、下記A+B=50部となる如く
酸成分と全アミン成分のバランスをとつた。) 上記成分を実施例1と同様にNMP中で重合
し、得られたポリマーを紡糸した。これらのポリ
マーは夫々化学組成が異るので表2―1に示す方
法で延伸した。 実験No.7〜8のポリマーはNMPに不溶である
ため、99%濃硫酸に溶解して紡糸溶液(ポリマー
濃度20重量%)を作成し、水中に紡糸して凝固さ
せた。この2例は高倍率延伸が不可能であるの
で、500℃の熱板上で夫々1.05〜1.10倍に1段延
伸した。 実験No.9〜13では、延伸を3段階に分けて行つ
た。すなわち、まず50℃の温水中で、1.3倍に延
伸した後、定長乾燥し、次いで360℃に設定した
第1の熱板上で2.0倍に延伸し、残余の延伸は500
℃に設定した第2の熱板上で破断延伸倍率の80%
の延伸倍率で延伸し、延伸糸を得た。 かくして得られた各延伸糸の物性を測定したと
ころ、表2―2に示す結果が得られた。
【表】
【表】
上述の実施例1および実施例2に示した実験結
果から、本発明で特定したポリマー組成で、かつ
繊維の結晶化度、結晶サイズおよび結晶配向度が
特定の範囲内にあるもののみが、強伸度特性にす
ぐれており、しかも耐摩耗性にすぐれていること
が明らかである。
果から、本発明で特定したポリマー組成で、かつ
繊維の結晶化度、結晶サイズおよび結晶配向度が
特定の範囲内にあるもののみが、強伸度特性にす
ぐれており、しかも耐摩耗性にすぐれていること
が明らかである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリマー繰返し単位の80モル%以上が、下記
繰返し単位[]および[] 〔ただし、上記[]および[]において、
芳香族残基の水素原子の一部又は全部がハロゲン
原子および/または低級アルキル基で置換されて
いてもよい。〕 で構成される芳香族コポリアミドの溶液を、紡糸
口金から押出し、水性凝固浴中にて凝固せしめて
未延伸繊維となし、該未延伸繊維をまず100℃以
下の温度で1.1〜2.0倍延伸し、次いで100℃を越
え400℃を越えない温度で1.5〜3.0倍に延伸し、
さらに400℃を越え550℃を越えない温度で3.0〜
5.0倍に延伸し、全延伸倍率を10〜14倍で逐次延
伸することを特徴とする芳香族コポリアミド繊維
の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21504583A JPS60110918A (ja) | 1983-11-17 | 1983-11-17 | 芳香族コポリアミド繊維の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21504583A JPS60110918A (ja) | 1983-11-17 | 1983-11-17 | 芳香族コポリアミド繊維の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60110918A JPS60110918A (ja) | 1985-06-17 |
| JPH0115605B2 true JPH0115605B2 (ja) | 1989-03-17 |
Family
ID=16665838
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21504583A Granted JPS60110918A (ja) | 1983-11-17 | 1983-11-17 | 芳香族コポリアミド繊維の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60110918A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013170334A (ja) * | 2012-02-22 | 2013-09-02 | Teijin Ltd | コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維およびその製造方法 |
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|---|---|---|---|---|
| JPS6261805A (ja) * | 1985-09-13 | 1987-03-18 | Bridgestone Corp | 重荷重用ラジアルタイヤ |
| JPS62257417A (ja) * | 1986-05-02 | 1987-11-10 | Teijin Ltd | 全芳香族ポリアミド剛毛の製造方法 |
| JP2732879B2 (ja) * | 1989-01-23 | 1998-03-30 | 帝人株式会社 | 全芳香族共重合ポリアミド |
| US5212258A (en) * | 1991-10-29 | 1993-05-18 | E. I Du Pont De Nemours And Company | Aramid block copolymers |
| JP5592201B2 (ja) * | 2010-08-30 | 2014-09-17 | 帝人株式会社 | 耐薬品性が向上した芳香族ポリアミド粒子及びその製造方法 |
Family Cites Families (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5333294A (en) * | 1976-09-08 | 1978-03-29 | Teijin Ltd | Aromatic copolyamide molding and its production |
| JPS57193587A (en) * | 1981-05-26 | 1982-11-27 | Teijin Ltd | Rope |
| JPS6017113A (ja) * | 1983-07-07 | 1985-01-29 | Teijin Ltd | 芳香族ポリアミド繊維の製造法 |
-
1983
- 1983-11-17 JP JP21504583A patent/JPS60110918A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2013170334A (ja) * | 2012-02-22 | 2013-09-02 | Teijin Ltd | コポリパラフェニレン・3,4’−オキシジフェニレン・テレフタルアミド繊維およびその製造方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60110918A (ja) | 1985-06-17 |
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