JPH0132838B2 - - Google Patents
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- JPH0132838B2 JPH0132838B2 JP55078883A JP7888380A JPH0132838B2 JP H0132838 B2 JPH0132838 B2 JP H0132838B2 JP 55078883 A JP55078883 A JP 55078883A JP 7888380 A JP7888380 A JP 7888380A JP H0132838 B2 JPH0132838 B2 JP H0132838B2
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Description
本発明は哺乳類(人間を含む)の下垂体による
ゴナドトロピンの放出を左右するペプチドに関す
る。更に詳細には本発明は哺乳類に急激に投与し
た場合、ゴナドトロピンの放出量を高め、ひいて
はプロゲステロン、テストステロンおよびエスト
ロゲンの様なステロイドホルモンの放出をおこす
ペプチドに関する。 下垂体は視床下部として知られる脳の基部にお
ける領域の茎に結合している。下垂体は前葉およ
び後葉の二種類の基本的葉を有している。下垂体
後葉は視床下部で生成された二種のホルモン即
ち、バゾプレシンとオキシトシンを貯蔵し汎循環
系に移行させる。下垂体前葉は多数のホルモンを
分泌これらのホルモンは複雑な蛋白質または糖蛋
白質の分子であつて血流を経ていろいろな器官へ
移動し、そして未梢器官からの他のホルモンの血
流中への分泌を刺激する。特に、卵胞刺激ホルモ
ン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)(こ
れらは往々にして、性腺刺激ホルモンまたは性腺
刺激ホルモンと呼ばれる)は下垂体から放出され
る。これらのホルモンは種々に組合つて生殖腺の
位置と機能を調整して精巣中にテストステロン
を、そして、卵巣中にプロゲステロンとエストロ
ゲンを生成させ、更に配偶子の生成と熟成を調整
する。 下垂体前葉からホルモンが放出されるためには
通常視床下部で生成された別の種類のホルモンが
前もつて放出されることが必要である。前記の様
な視床下部ホルモンは性腺刺激ホルモン(特に黄
体形成ホルモン、LH)の放出を起こす因子とし
て作用する。LHおよびFSHの様なゴナドトロピ
ンの放出因子として作用する特別な視床下部ホル
モンを本書では“LRF”と呼ぶことにする。こ
こで“RF”は“放出因子”を表わし、“L”は放
出されたホルモンが“LH”であることを意味す
る。 排卵周期を有さず、また、下垂体または卵巣欠
損を示さない数匹の雌の哺乳動物にLRFを投与
すると正常量のゴナドトロピンLHおよびFSHを
放出しはじめる。前記の様なLRFの投与は機能
欠損が視床下部に存する様な場合の不妊症を治療
するのに好適である。同様に、LRFを投与する
ことによつて雌の哺乳動物に排卵を誘発させるこ
とができる。しかしながら、排卵を誘発させるの
に必要なLRFの投与量は一般に高い。また、最
近の報告によれば、LRFを大量に、かつ、頻繁
に投与すると実際に下垂体および生殖腺の除感作
によつて雌および雄のラツトの生殖腺機能を阻害
し、その結果ホルモン網路が破壊される。この理
由により、LRFおよびLRFよりも一層LHの放出
を促進させるLRFの類似体を効果的な避妊剤と
して使用することについて研究がなされた。これ
らのペプチドを有効な避妊剤として使用する場合
の主な欠点は当然、大量に、しかも、頻繁に投与
しなければならないことである。LHの分泌を
LRFよりも何倍も促進させることのできるペプ
チドの開発が望まれている。 従つて、本発明の第1の目的は哺乳動物(人間
を含む)中にゴナドトロピンの放出を起こさせる
のに極めて高い効果を有するペプチドを提供する
ことである。 本発明の別の目的は雌および雄の哺乳動物(人
間を含む)の生殖腺からのステロイド放出を左右
し、また、投与に適した特性を有する有効なペプ
チドを提供することである。 本発明の他の目的は哺乳動物(人間を含む)の
生殖過程に対してLRFよりも一層有効的な作用
を有するペプチドを提供することである。 本発明の前記の各目的およびその他の目的は下
記の記載から一層明らかとなる。 要するに、本発明によつて新規なLRFが合成
された。このLRFは哺乳動物(人間を含む)の
下垂体からのゴナドトロピンの分泌をおこさせる
効力が極めて高く、しかも、このペプチド類は雌
および雄の両方の生殖機能を阻止することもでき
る。例えば、青春期の到来をおくらせることによ
つて、妊娠中絶によつて、生殖器官重量を減少さ
せることによつて、ステロイド生成を減少させる
ことによつておよび精子形成を破壊することによ
つて生殖機能を阻止する。本発明のペプチドは
LRFまたはLRF類似体の第6位が(im−Bzl)
D−Hisで置換されていることを特徴とする。 LRFは次式で示される構造を有するデカペプ
チドである。 p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−A
rg−Pro−Gly−NH2 ペプチドはアミノ酸を2個以上含有し、そのう
ちの1つの酸のカルボキシル基は別のアミノ酸の
アミノ基に連結している様な化合物である。前記
のLRFの構造式はアミノ基が左側にあり、カル
ボキシル基が右側にある様なペプチドの伝統的な
表示に従つたものである。アミノ基の位置は左側
から右側に向つてアミノ基に番号をつけることに
よつて特定される。LRFの場合、右側末端部の
カルボキシル基のヒドロキシ部分はアミノ基
(NH2)で置換されており、これによつてアミド
作用がもたらされる。前記の個々のアミノ酸基の
略号は伝統的なものであり、アミノ酸の慣用名に
もとづく。p−Gluはピログルタミン酸である。
Hisはヒスチジンである。Trpはトリプトフアン
である。Serはセリンである。Tyrはチロシンで
ある。Glyはグリシンである。Leuはロイシンで
ある。Argはアルギニンである。Proはプロリン
である。グリシンを除いて、本発明のペプチド中
のアミノ酸残基は特にことわらない限りL−配置
のものである。 LRFデカペプチドの第6位にあるGlyをD−ア
ミノ酸(例えば、D−Trp)で置換すると哺乳動
物の下垂体からの黄体形成ホルモン(LH)およ
びその他のゴナドトロピンの放出をLRFのとき
よりも約10〜30倍も高める効力を有するペプチド
化合物がもたらされることが知られている。前記
の様な放出効果は置換ペプチドを哺乳動物の血流
中に導入した場合に得られる。所望のペプチドの
親水性はLRFとさほどちがわない。これに対し
て他の有効なLRFは親水性が著しく低い。この
低親水性によつて様々な経路で投与することがで
きる。この投与経路には効果が長期間にわたつて
持続するペプチドにもつとも適したものが含まれ
る。 本発明によつて、ゴナドトロピンの放出に極め
て有効であり、次式で示されるペプチドが合成さ
れた。 p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−His(im
−Bzl)−Leu−Arg−R (式中、RはPro−Gly−NH2およびPro−NH−
CH2−CH3から成る群から選択される。) D−His(im−Bzl)はイミダゾールベンジルD
−ヒスチジンを意味する。ここで、該ベンジル基
はヒスチジン残基のイミダゾール環中のチツ素原
子のうちの一つに結合している。 第6位にD−His(im−Bzl)を有する本発明の
ペプチドは例えば米国特許第3896104号、同第
3972859号および同第4034082号明細書に既に開示
された公告のLRF類似体に比べて著しく高い効
力を有する。本発明の新規なLRFの高い効力お
よび本発明のLRFの親水性が他のLRF類似体の
親水性よりもかなり高いという事実は、本発明の
新規なLRFが雌および雄の双方の不妊症を治療
するのに極めて有用であり、また、長期間にわた
る投与の結果として雌および雄の双方の生殖機能
を阻止するのに極めて有用であることを意味す
る。 本発明のペプチドは固相技法によつて合成され
る合成は段階法で行なうことが好ましい。Rが
Pro−NH−CH2−CH3の場合、合成はクロルメ
チル樹脂上で行ない、RがPro−Gly−NH2の場
合、合成はベンズヒドリルアミンまたはメチルベ
ンズヒドリルアミン樹脂上で行なうことが好まし
い。しかしながら、RがPro−Gly−NH2の場合、
クロルメチル化樹脂も使用できる。なぜなら、ア
ンモニアを使用してグリシンベンジルエステルの
アミノリシスを行なうことができるからである。
樹脂はスチレンと1〜2%のジビニルベンゼンと
を共重合させることによつて製造した合成樹脂の
微小ビーズ(直径20〜70ミクロン)から成る。ク
ロルメチル化樹脂の場合、樹脂中のベンゼン環を
クロルメチルエステルおよび塩化第2スズを用い
たフリーデル・クラフツ反応によつてクロルメチ
ル化する。導入される塩素は反応性の塩化ベンジ
ルである。樹脂が、樹脂1gあたり塩素を0.5〜
2ミリモル含有するに至るまでフリーデル・クラ
フツ反応をつづける。ベンズヒドリルアミンは
1976年2月7日にmax S.Amos等に付与された
米国特許第4072688号の教示に従つて製造される。
つい最近では、パラメチル−BHAが使用される
ようになつた。パラメチル−BHAは米国特許第
4072688号明細書に一般的に述べられた方法で得
ることができる。ただし、この方法ではフリーデ
ル・クラフツ反応で塩化ベンジルのかわりに塩化
p−トルオリルを使用する。パラメチル−BHA
樹脂を使用する場合、HFによる開裂中、緩和な
条件を使用できる。そして、その結果、通常の
BHA樹脂を用いて製造したペプチドよりも一層
純粋なペプチドが得られる。 以下、使用する化合物はまずその化合物名をあ
げ、次にその常用の略語をあげる。 例えば、α−アミノ保護ProまたはGlyのトリ
エチルアンモニウム塩をクロルメチル化樹脂上で
約48時間にわたつてエタノール中で還流させるこ
とによつてエステル化すれば、RがPro−NH−
CH2−CH3またはPro−Gly−NH2であるペプチ
ドを製造できる。同様に、α−アミノ保護Proの
カリウムまたはセシウム塩をジメチルホルムアミ
ド(DMF)またはジメチルスルホキシド
(DMS)中で40〜80℃の温度で処理することによ
つても製造できる。更に、KFの存在下でクロル
メチル化樹脂と共にDMFに溶解されたα−アミ
ノ保護Proも使用できる。α−アミノ−N−末端
基の脱保護および中和処理後、Monahan等が
Biochemistry(1963)Vol.12、4616〜4620頁に一
般的に教示した方法に従つて、N−保護アミノ酸
を段階的に添加する。N〓基はt−ブトキシカル
ボニル(BOC)で保護することができる。また、
Argの側鎖はp−トルエンスルホニル(Tos)で
保護することができる。SerおよびTyrの側鎖保
護基としてベンジルエステル(OBzl)を使用で
きる。TyrおよびTosの側鎖保護基として2,6
−ジクロルベンジルを使用できる。Hisの側鎖保
護基としてジニトロフエニル(Dnp)または
BOCを使用できる。pGluは例えば、ベンジルオ
キシカルボニル(Z)で保護されたアミノ酸とし
て、または、全く保護されていないアミノ酸とし
ても導入できる。 前記の様な方法によれば、完全に保護されたペ
プチド樹脂がもたらされる。完全に保護されたペ
プチドは適当な方法で樹脂支持体から除去され
る。例えば、アンモニアを使用することによつて
樹脂支持体から除去するか、またはジメチルアミ
ン、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピル
アミン、i−プロピルアミン、ブチルアミン、イ
ソブチルアミン、ペンチルアミンまたはフエネチ
ルアミンを用いてアミノリシスすることによつて
樹脂から除去する。斯くして完全に保護されたア
ルキルアミン中間体が得られる。一例として、樹
脂からのペプチドの開裂は耐圧ビン中で0℃の蒸
留エチルアミン中でペプチド樹脂(………Pro−
O−CH2−樹脂)を一晩撹拌することによつて行
なうことができる。別の例として、ペプチド樹脂
(………Pro−Gly−O−CH2−樹脂)を乾燥メタ
ノール中で数日間処理する。この乾燥メタノール
はアンモニアガスを吹き込むことによつてNH3
で飽和された状態に維持する。チツ素雰囲気下ま
たは真空下で蒸留することによつて過剰量のエチ
ルアミンまたはメタノール性アンモニアを除去し
た後、メタノール中に懸濁された樹脂を過する
ことによつてスラリーから回収する。更に、この
回収樹脂をジメチルホルムアミド(DMF)、メタ
ノールおよびDMFとメタノールの混液で連続的
に洗浄する。開裂された保護ペプチドの回収溶液
を室温で真空ロータリーエバポレーターによつて
乾固するまで蒸発させる。ペプチドを最小量のメ
タノールに入れて溶解させる。この溶液を撹拌し
ながら200倍過剰容量の乾燥エーテルに滴下して
加える。柔毛性の沈殿があらわれる。これを過
たは遠心分離によつて回収する。回収された沈殿
を乾燥させ、本発明の一部をなす中間体を得る。 本発明化合物を合成する際に使用する中間体は
次式によつて表わすことができる。 X1−p−Glu−His(X2)−Trp−Ser(X3)−Tyr(X4
)−D−His(im−Bzl)−Leu −Arg(X5)−Pro−X6 前記X1は水素またはポリペプチドの段階重合
において有用であると当業界で知られているタイ
プのα−アミノ保護基である。X1で示されるα
−アミノ保護基としては例えば、(1)ホルミル、ト
リフルオロアセチル、フタリル、Tos、ベンゼン
スルホニル、ニトロフエニル、スルフエニル、ト
リチルスルフエニル、o−ニトロフエノキシアセ
チル、クロルアセチル、アセチルおよびy−クロ
ルブチリルの様なアシル型保護基類;(2)ベンジル
オキシカルボニルおよびp−クロルベンジルオキ
シカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニルおよ
びp−メトキシベンジルオキシカルボニルのよう
な置換ベンジルオキシカルボニルの様な芳香族ウ
レタン型保護基類;(3)BOC、ジイソプロピルメ
トキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルおよびアリルオキシカル
ボニルのような脂肪族ウレタン型保護基類;(4)シ
クロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオ
キシカルボニルおよびシクロヘキシルオキシカル
ボニルのようなシクロアルキルウレタン型保護基
類;(5)フエニルチオカルボニルのようなチオウレ
タン型保護基類;(6)トリフエニルメチル(トリチ
ル)およびベンジルのようなアルキル型保護基
類;(7)トリメチルシランのようなトリアルキルシ
ラン基類などがある。好ましいα−アミノ保護基
はBOCである。 X2はTos、ベンジル、トリチル、2,2,2
−トリフルオル−1−ベンジルオキシカルボニル
アミノエチル、2,2,2−トリフルオル−1−
t−ブチルオキシカルボニルアミノエチルおよび
2,4−ジニトロチオフエニルから成る群から選
択される、イミダゾールチツ素原子用の保護基で
ある。 X3はアセチル、ベンゾイル、テトラヒドロピ
ラニル、t−ブチル、トリチル、ベンジルおよび
2,6−ジクロルベンジルから成る群から選択さ
れる、Serのアルコール性ヒドロキシル基用の保
護基である。ベンジルが好ましい。 X4はテトラヒドロピラニル、t−ブチル、ト
リチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、
4−ブロモベンジルオキシカルボニル、および
2,6−ジクロルベンジルから成る群から選択さ
れる、Tyrのフエノール性ヒドロキシル基用の保
護基である。 X5はニトロ、Tos、ベンジルオキシカルボニ
ル、アゾマンチルチオキシカルボニルおよび
BOCから成る群から選択される、Argのチツ素
原子用の保護基であるか、または水素である。
X5が水素の場合、アルギニンの側鎖チツ素原子
上に保護基は存在しない。 X6はジメチルアミン、C1〜C5アルキルアミン、
フエネチルアミン、O−CH2−〔樹脂支持体〕、
Gly−O−CH2−〔樹脂支持体〕およびGly−NH
〔樹脂支持体〕から成る群から選択される。 X2〜X5の側鎖保護基の選択基準は(1)合成の各
工程でα−アミノ保護基を除去するために選定さ
れた反応条件下で、該保護基が他の反応化合物に
対して安定でなければならない;(2)該保護基はカ
ツプリング条件下で分離してはならない;および
(3)所望のアミノ酸連鎖物の合成が完了後、ペプチ
ド鎖を変更させない反応条件下で該保護基は除去
可能なものでなければならないことである。 X6基が−O−CH2−〔樹脂支持体〕またはGly
−O−CH2−〔樹脂支持体〕である場合、示され
たものはポリスチレン樹脂支持体の多数の官能基
のうちの1つのエステル部分である。X6基がGly
−NH−〔樹脂支持体〕である場合、アミド結合
はGlyをベンズヒドリルアミン樹脂またはメチル
ベンズヒドリルアミン樹脂に結合させる。Rが
Rro−Gly−NH2であるペプチドをベンズヒドリ
ルアミン樹脂上で製造する場合、前記に一般的に
定義したとおりのN−末端基および側鎖保護基を
前記の合成に使用できる。Gly残基のカツプリン
グは1〜5時間にわたつて塩化メチレン
(CH2Cl2)、ジメチルホルムアミド(DMF)また
はこれらの混合物中で2〜5倍過剰量のBOCで
保護されたアミノ酸およびジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)活性化剤を用いて行なう。
最初の残基はアミド結合によつてベンズヒドリル
アミン樹脂に結合される。合成の全過程を通じ
て、ニンヒドリン試験によつてこのカツプリング
反応を監視する。この点について、Keiser等が
Anal.Biochem.34(1970)595頁に報告した論文を
参照できる。 保護基の除去は1,2−エタンチオールを5%
含有するTFA中で20分間処理し、続いてトリエ
チルアミン(Et3N)のDMFまたは塩化メチレン
溶液で中和することによつて行なう。各工程で
MeOHおよびCH2Cl2で何度も洗浄する。各アミ
ノ酸残基をひきつづいて付加し、ペプチド鎖を完
成させる。ペプチドの脱保護および/またはベン
ズヒドリルアミン樹脂またはパラメチルBHA樹
脂からのペプチドの開裂はフツ化水素酸(HF)
またはその他の適当な化合物を用いて0℃で行な
うことができる。HFで処理する前にアニソール
またはその他の適当な掃去剤、例えばメチルアニ
ソールまたはチオアニソールをペプチドに添加す
ることが好ましい。 真空下でHFを除去した後、開裂され、保護基
を除去されたペプチドをエーテルで処理し、過
し、希酢酸で抽出し、過して樹脂から分離さ
せ、次いで凍結乾燥させる。 ペプチドの精製はn−ブタノール/酢酸/水
(4:1:5容量比)混液を溶離剤として使用し、
カルボキシルメチルセルロース(CMC)カラム
イオン交換クロマトグラフし、続いてゲル過カ
ラムで分取クロマトグラフすることによつて行な
うことができる。分取クロマトグラフカラム用充
てん材としてセフアデツクスG−25を使用でき
る。CM−セフアデツクスの様なその他のカチオ
ン交換樹脂または向流分配などもペプチドの精製
に使用できる。 本発明のペプチドは雌の哺乳動物に排卵を誘発
させるのに効果的な量で使用される。また、本発
明のペプチドはLRFが従来から使用されてきた
様なその他の医療目的にも使用できる。後記の表
1の結果より明らかな様に本発明のペプチドの効
力はLRFの効力の約12〜217倍なので、この効力
に基づき、投与対象の様なその他の因子なども考
慮に入れて、各投与ごとに投与量を決定する。例
えば、好適な投与量は体重1Kgあたり、1日に、
約5ng(ナノグラム)〜10ngの範囲内である。 本発明のペプチドは静注、皮下注、筋注によつ
て、または経鼻膣的、経膣的、経口的または舌下
的に哺乳動物に投与できる。有効量は投与方法お
よび処置をうける哺乳動物の特定の種によつて変
化する。経口投与は固形状または液状のいずれに
よつても行なうことができる。 本発明のペプチドはLRFの親水性に匹敵する
親水性を示すので、高濃度の水溶液または食塩水
を製造できる。斯くして、これまでに報告された
その他のLRF類似体をしのぐほどの投与上の顕
著な利点がもたらされる。最も重要な利点は前記
の様なペプチド水溶液を鼻内に投与できることで
ある。 また、本発明のペプチドは酸付加塩の様な薬理
学的に許容される非毒塩または亜鉛、鉄等のよう
な適当な金属錯体の形で生成し、かつ、投与する
ことができる。本発明のペプチドの薬理学的に許
容される非毒塩類は例えば、塩酸塩、臭化水素酸
塩、硫酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、
クエン酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、アスコル
ビン酸塩等である。 以下、実施例をあげて本発明の特徴を更に詳細
に説明する。しかし、下記の実施例は特許請求の
範囲によつて規定される本発明の範囲を限定する
趣旨のものではない。 実施例 1 下記の構造を有する〔im−Bzl D−His6〕−
LRFを固相合成法によつて製造した。 p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−His(im−Bzl)−L
eu−Arg−Pro−Gly−NH2 パラメチルベンズヒドリルアミン樹脂を使用し
た。BOCで保護されたGlyを前記樹脂にカツプリ
ングさせた。このカツプリングは活性化剤として
3倍過剰量のBOCとジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)とを使用し、CH2Cl2中で2時間
以上かけておこなつた。斯くして、アミド結合に
よつてグリシン残基がベンズヒドリルアミン残基
に結合された。 各アミノ酸残基の結合につづいて洗浄、脱保護
および次のアミノ酸残基のカツプリングを自動機
械を使用して下記の表に示す順序で行なつた。樹
脂約5gを用いて開始した。
ゴナドトロピンの放出を左右するペプチドに関す
る。更に詳細には本発明は哺乳類に急激に投与し
た場合、ゴナドトロピンの放出量を高め、ひいて
はプロゲステロン、テストステロンおよびエスト
ロゲンの様なステロイドホルモンの放出をおこす
ペプチドに関する。 下垂体は視床下部として知られる脳の基部にお
ける領域の茎に結合している。下垂体は前葉およ
び後葉の二種類の基本的葉を有している。下垂体
後葉は視床下部で生成された二種のホルモン即
ち、バゾプレシンとオキシトシンを貯蔵し汎循環
系に移行させる。下垂体前葉は多数のホルモンを
分泌これらのホルモンは複雑な蛋白質または糖蛋
白質の分子であつて血流を経ていろいろな器官へ
移動し、そして未梢器官からの他のホルモンの血
流中への分泌を刺激する。特に、卵胞刺激ホルモ
ン(FSH)および黄体形成ホルモン(LH)(こ
れらは往々にして、性腺刺激ホルモンまたは性腺
刺激ホルモンと呼ばれる)は下垂体から放出され
る。これらのホルモンは種々に組合つて生殖腺の
位置と機能を調整して精巣中にテストステロン
を、そして、卵巣中にプロゲステロンとエストロ
ゲンを生成させ、更に配偶子の生成と熟成を調整
する。 下垂体前葉からホルモンが放出されるためには
通常視床下部で生成された別の種類のホルモンが
前もつて放出されることが必要である。前記の様
な視床下部ホルモンは性腺刺激ホルモン(特に黄
体形成ホルモン、LH)の放出を起こす因子とし
て作用する。LHおよびFSHの様なゴナドトロピ
ンの放出因子として作用する特別な視床下部ホル
モンを本書では“LRF”と呼ぶことにする。こ
こで“RF”は“放出因子”を表わし、“L”は放
出されたホルモンが“LH”であることを意味す
る。 排卵周期を有さず、また、下垂体または卵巣欠
損を示さない数匹の雌の哺乳動物にLRFを投与
すると正常量のゴナドトロピンLHおよびFSHを
放出しはじめる。前記の様なLRFの投与は機能
欠損が視床下部に存する様な場合の不妊症を治療
するのに好適である。同様に、LRFを投与する
ことによつて雌の哺乳動物に排卵を誘発させるこ
とができる。しかしながら、排卵を誘発させるの
に必要なLRFの投与量は一般に高い。また、最
近の報告によれば、LRFを大量に、かつ、頻繁
に投与すると実際に下垂体および生殖腺の除感作
によつて雌および雄のラツトの生殖腺機能を阻害
し、その結果ホルモン網路が破壊される。この理
由により、LRFおよびLRFよりも一層LHの放出
を促進させるLRFの類似体を効果的な避妊剤と
して使用することについて研究がなされた。これ
らのペプチドを有効な避妊剤として使用する場合
の主な欠点は当然、大量に、しかも、頻繁に投与
しなければならないことである。LHの分泌を
LRFよりも何倍も促進させることのできるペプ
チドの開発が望まれている。 従つて、本発明の第1の目的は哺乳動物(人間
を含む)中にゴナドトロピンの放出を起こさせる
のに極めて高い効果を有するペプチドを提供する
ことである。 本発明の別の目的は雌および雄の哺乳動物(人
間を含む)の生殖腺からのステロイド放出を左右
し、また、投与に適した特性を有する有効なペプ
チドを提供することである。 本発明の他の目的は哺乳動物(人間を含む)の
生殖過程に対してLRFよりも一層有効的な作用
を有するペプチドを提供することである。 本発明の前記の各目的およびその他の目的は下
記の記載から一層明らかとなる。 要するに、本発明によつて新規なLRFが合成
された。このLRFは哺乳動物(人間を含む)の
下垂体からのゴナドトロピンの分泌をおこさせる
効力が極めて高く、しかも、このペプチド類は雌
および雄の両方の生殖機能を阻止することもでき
る。例えば、青春期の到来をおくらせることによ
つて、妊娠中絶によつて、生殖器官重量を減少さ
せることによつて、ステロイド生成を減少させる
ことによつておよび精子形成を破壊することによ
つて生殖機能を阻止する。本発明のペプチドは
LRFまたはLRF類似体の第6位が(im−Bzl)
D−Hisで置換されていることを特徴とする。 LRFは次式で示される構造を有するデカペプ
チドである。 p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−Gly−Leu−A
rg−Pro−Gly−NH2 ペプチドはアミノ酸を2個以上含有し、そのう
ちの1つの酸のカルボキシル基は別のアミノ酸の
アミノ基に連結している様な化合物である。前記
のLRFの構造式はアミノ基が左側にあり、カル
ボキシル基が右側にある様なペプチドの伝統的な
表示に従つたものである。アミノ基の位置は左側
から右側に向つてアミノ基に番号をつけることに
よつて特定される。LRFの場合、右側末端部の
カルボキシル基のヒドロキシ部分はアミノ基
(NH2)で置換されており、これによつてアミド
作用がもたらされる。前記の個々のアミノ酸基の
略号は伝統的なものであり、アミノ酸の慣用名に
もとづく。p−Gluはピログルタミン酸である。
Hisはヒスチジンである。Trpはトリプトフアン
である。Serはセリンである。Tyrはチロシンで
ある。Glyはグリシンである。Leuはロイシンで
ある。Argはアルギニンである。Proはプロリン
である。グリシンを除いて、本発明のペプチド中
のアミノ酸残基は特にことわらない限りL−配置
のものである。 LRFデカペプチドの第6位にあるGlyをD−ア
ミノ酸(例えば、D−Trp)で置換すると哺乳動
物の下垂体からの黄体形成ホルモン(LH)およ
びその他のゴナドトロピンの放出をLRFのとき
よりも約10〜30倍も高める効力を有するペプチド
化合物がもたらされることが知られている。前記
の様な放出効果は置換ペプチドを哺乳動物の血流
中に導入した場合に得られる。所望のペプチドの
親水性はLRFとさほどちがわない。これに対し
て他の有効なLRFは親水性が著しく低い。この
低親水性によつて様々な経路で投与することがで
きる。この投与経路には効果が長期間にわたつて
持続するペプチドにもつとも適したものが含まれ
る。 本発明によつて、ゴナドトロピンの放出に極め
て有効であり、次式で示されるペプチドが合成さ
れた。 p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−His(im
−Bzl)−Leu−Arg−R (式中、RはPro−Gly−NH2およびPro−NH−
CH2−CH3から成る群から選択される。) D−His(im−Bzl)はイミダゾールベンジルD
−ヒスチジンを意味する。ここで、該ベンジル基
はヒスチジン残基のイミダゾール環中のチツ素原
子のうちの一つに結合している。 第6位にD−His(im−Bzl)を有する本発明の
ペプチドは例えば米国特許第3896104号、同第
3972859号および同第4034082号明細書に既に開示
された公告のLRF類似体に比べて著しく高い効
力を有する。本発明の新規なLRFの高い効力お
よび本発明のLRFの親水性が他のLRF類似体の
親水性よりもかなり高いという事実は、本発明の
新規なLRFが雌および雄の双方の不妊症を治療
するのに極めて有用であり、また、長期間にわた
る投与の結果として雌および雄の双方の生殖機能
を阻止するのに極めて有用であることを意味す
る。 本発明のペプチドは固相技法によつて合成され
る合成は段階法で行なうことが好ましい。Rが
Pro−NH−CH2−CH3の場合、合成はクロルメ
チル樹脂上で行ない、RがPro−Gly−NH2の場
合、合成はベンズヒドリルアミンまたはメチルベ
ンズヒドリルアミン樹脂上で行なうことが好まし
い。しかしながら、RがPro−Gly−NH2の場合、
クロルメチル化樹脂も使用できる。なぜなら、ア
ンモニアを使用してグリシンベンジルエステルの
アミノリシスを行なうことができるからである。
樹脂はスチレンと1〜2%のジビニルベンゼンと
を共重合させることによつて製造した合成樹脂の
微小ビーズ(直径20〜70ミクロン)から成る。ク
ロルメチル化樹脂の場合、樹脂中のベンゼン環を
クロルメチルエステルおよび塩化第2スズを用い
たフリーデル・クラフツ反応によつてクロルメチ
ル化する。導入される塩素は反応性の塩化ベンジ
ルである。樹脂が、樹脂1gあたり塩素を0.5〜
2ミリモル含有するに至るまでフリーデル・クラ
フツ反応をつづける。ベンズヒドリルアミンは
1976年2月7日にmax S.Amos等に付与された
米国特許第4072688号の教示に従つて製造される。
つい最近では、パラメチル−BHAが使用される
ようになつた。パラメチル−BHAは米国特許第
4072688号明細書に一般的に述べられた方法で得
ることができる。ただし、この方法ではフリーデ
ル・クラフツ反応で塩化ベンジルのかわりに塩化
p−トルオリルを使用する。パラメチル−BHA
樹脂を使用する場合、HFによる開裂中、緩和な
条件を使用できる。そして、その結果、通常の
BHA樹脂を用いて製造したペプチドよりも一層
純粋なペプチドが得られる。 以下、使用する化合物はまずその化合物名をあ
げ、次にその常用の略語をあげる。 例えば、α−アミノ保護ProまたはGlyのトリ
エチルアンモニウム塩をクロルメチル化樹脂上で
約48時間にわたつてエタノール中で還流させるこ
とによつてエステル化すれば、RがPro−NH−
CH2−CH3またはPro−Gly−NH2であるペプチ
ドを製造できる。同様に、α−アミノ保護Proの
カリウムまたはセシウム塩をジメチルホルムアミ
ド(DMF)またはジメチルスルホキシド
(DMS)中で40〜80℃の温度で処理することによ
つても製造できる。更に、KFの存在下でクロル
メチル化樹脂と共にDMFに溶解されたα−アミ
ノ保護Proも使用できる。α−アミノ−N−末端
基の脱保護および中和処理後、Monahan等が
Biochemistry(1963)Vol.12、4616〜4620頁に一
般的に教示した方法に従つて、N−保護アミノ酸
を段階的に添加する。N〓基はt−ブトキシカル
ボニル(BOC)で保護することができる。また、
Argの側鎖はp−トルエンスルホニル(Tos)で
保護することができる。SerおよびTyrの側鎖保
護基としてベンジルエステル(OBzl)を使用で
きる。TyrおよびTosの側鎖保護基として2,6
−ジクロルベンジルを使用できる。Hisの側鎖保
護基としてジニトロフエニル(Dnp)または
BOCを使用できる。pGluは例えば、ベンジルオ
キシカルボニル(Z)で保護されたアミノ酸とし
て、または、全く保護されていないアミノ酸とし
ても導入できる。 前記の様な方法によれば、完全に保護されたペ
プチド樹脂がもたらされる。完全に保護されたペ
プチドは適当な方法で樹脂支持体から除去され
る。例えば、アンモニアを使用することによつて
樹脂支持体から除去するか、またはジメチルアミ
ン、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピル
アミン、i−プロピルアミン、ブチルアミン、イ
ソブチルアミン、ペンチルアミンまたはフエネチ
ルアミンを用いてアミノリシスすることによつて
樹脂から除去する。斯くして完全に保護されたア
ルキルアミン中間体が得られる。一例として、樹
脂からのペプチドの開裂は耐圧ビン中で0℃の蒸
留エチルアミン中でペプチド樹脂(………Pro−
O−CH2−樹脂)を一晩撹拌することによつて行
なうことができる。別の例として、ペプチド樹脂
(………Pro−Gly−O−CH2−樹脂)を乾燥メタ
ノール中で数日間処理する。この乾燥メタノール
はアンモニアガスを吹き込むことによつてNH3
で飽和された状態に維持する。チツ素雰囲気下ま
たは真空下で蒸留することによつて過剰量のエチ
ルアミンまたはメタノール性アンモニアを除去し
た後、メタノール中に懸濁された樹脂を過する
ことによつてスラリーから回収する。更に、この
回収樹脂をジメチルホルムアミド(DMF)、メタ
ノールおよびDMFとメタノールの混液で連続的
に洗浄する。開裂された保護ペプチドの回収溶液
を室温で真空ロータリーエバポレーターによつて
乾固するまで蒸発させる。ペプチドを最小量のメ
タノールに入れて溶解させる。この溶液を撹拌し
ながら200倍過剰容量の乾燥エーテルに滴下して
加える。柔毛性の沈殿があらわれる。これを過
たは遠心分離によつて回収する。回収された沈殿
を乾燥させ、本発明の一部をなす中間体を得る。 本発明化合物を合成する際に使用する中間体は
次式によつて表わすことができる。 X1−p−Glu−His(X2)−Trp−Ser(X3)−Tyr(X4
)−D−His(im−Bzl)−Leu −Arg(X5)−Pro−X6 前記X1は水素またはポリペプチドの段階重合
において有用であると当業界で知られているタイ
プのα−アミノ保護基である。X1で示されるα
−アミノ保護基としては例えば、(1)ホルミル、ト
リフルオロアセチル、フタリル、Tos、ベンゼン
スルホニル、ニトロフエニル、スルフエニル、ト
リチルスルフエニル、o−ニトロフエノキシアセ
チル、クロルアセチル、アセチルおよびy−クロ
ルブチリルの様なアシル型保護基類;(2)ベンジル
オキシカルボニルおよびp−クロルベンジルオキ
シカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボ
ニル、p−ブロモベンジルオキシカルボニルおよ
びp−メトキシベンジルオキシカルボニルのよう
な置換ベンジルオキシカルボニルの様な芳香族ウ
レタン型保護基類;(3)BOC、ジイソプロピルメ
トキシカルボニル、イソプロピルオキシカルボニ
ル、エトキシカルボニルおよびアリルオキシカル
ボニルのような脂肪族ウレタン型保護基類;(4)シ
クロペンチルオキシカルボニル、アダマンチルオ
キシカルボニルおよびシクロヘキシルオキシカル
ボニルのようなシクロアルキルウレタン型保護基
類;(5)フエニルチオカルボニルのようなチオウレ
タン型保護基類;(6)トリフエニルメチル(トリチ
ル)およびベンジルのようなアルキル型保護基
類;(7)トリメチルシランのようなトリアルキルシ
ラン基類などがある。好ましいα−アミノ保護基
はBOCである。 X2はTos、ベンジル、トリチル、2,2,2
−トリフルオル−1−ベンジルオキシカルボニル
アミノエチル、2,2,2−トリフルオル−1−
t−ブチルオキシカルボニルアミノエチルおよび
2,4−ジニトロチオフエニルから成る群から選
択される、イミダゾールチツ素原子用の保護基で
ある。 X3はアセチル、ベンゾイル、テトラヒドロピ
ラニル、t−ブチル、トリチル、ベンジルおよび
2,6−ジクロルベンジルから成る群から選択さ
れる、Serのアルコール性ヒドロキシル基用の保
護基である。ベンジルが好ましい。 X4はテトラヒドロピラニル、t−ブチル、ト
リチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、
4−ブロモベンジルオキシカルボニル、および
2,6−ジクロルベンジルから成る群から選択さ
れる、Tyrのフエノール性ヒドロキシル基用の保
護基である。 X5はニトロ、Tos、ベンジルオキシカルボニ
ル、アゾマンチルチオキシカルボニルおよび
BOCから成る群から選択される、Argのチツ素
原子用の保護基であるか、または水素である。
X5が水素の場合、アルギニンの側鎖チツ素原子
上に保護基は存在しない。 X6はジメチルアミン、C1〜C5アルキルアミン、
フエネチルアミン、O−CH2−〔樹脂支持体〕、
Gly−O−CH2−〔樹脂支持体〕およびGly−NH
〔樹脂支持体〕から成る群から選択される。 X2〜X5の側鎖保護基の選択基準は(1)合成の各
工程でα−アミノ保護基を除去するために選定さ
れた反応条件下で、該保護基が他の反応化合物に
対して安定でなければならない;(2)該保護基はカ
ツプリング条件下で分離してはならない;および
(3)所望のアミノ酸連鎖物の合成が完了後、ペプチ
ド鎖を変更させない反応条件下で該保護基は除去
可能なものでなければならないことである。 X6基が−O−CH2−〔樹脂支持体〕またはGly
−O−CH2−〔樹脂支持体〕である場合、示され
たものはポリスチレン樹脂支持体の多数の官能基
のうちの1つのエステル部分である。X6基がGly
−NH−〔樹脂支持体〕である場合、アミド結合
はGlyをベンズヒドリルアミン樹脂またはメチル
ベンズヒドリルアミン樹脂に結合させる。Rが
Rro−Gly−NH2であるペプチドをベンズヒドリ
ルアミン樹脂上で製造する場合、前記に一般的に
定義したとおりのN−末端基および側鎖保護基を
前記の合成に使用できる。Gly残基のカツプリン
グは1〜5時間にわたつて塩化メチレン
(CH2Cl2)、ジメチルホルムアミド(DMF)また
はこれらの混合物中で2〜5倍過剰量のBOCで
保護されたアミノ酸およびジシクロヘキシルカル
ボジイミド(DCC)活性化剤を用いて行なう。
最初の残基はアミド結合によつてベンズヒドリル
アミン樹脂に結合される。合成の全過程を通じ
て、ニンヒドリン試験によつてこのカツプリング
反応を監視する。この点について、Keiser等が
Anal.Biochem.34(1970)595頁に報告した論文を
参照できる。 保護基の除去は1,2−エタンチオールを5%
含有するTFA中で20分間処理し、続いてトリエ
チルアミン(Et3N)のDMFまたは塩化メチレン
溶液で中和することによつて行なう。各工程で
MeOHおよびCH2Cl2で何度も洗浄する。各アミ
ノ酸残基をひきつづいて付加し、ペプチド鎖を完
成させる。ペプチドの脱保護および/またはベン
ズヒドリルアミン樹脂またはパラメチルBHA樹
脂からのペプチドの開裂はフツ化水素酸(HF)
またはその他の適当な化合物を用いて0℃で行な
うことができる。HFで処理する前にアニソール
またはその他の適当な掃去剤、例えばメチルアニ
ソールまたはチオアニソールをペプチドに添加す
ることが好ましい。 真空下でHFを除去した後、開裂され、保護基
を除去されたペプチドをエーテルで処理し、過
し、希酢酸で抽出し、過して樹脂から分離さ
せ、次いで凍結乾燥させる。 ペプチドの精製はn−ブタノール/酢酸/水
(4:1:5容量比)混液を溶離剤として使用し、
カルボキシルメチルセルロース(CMC)カラム
イオン交換クロマトグラフし、続いてゲル過カ
ラムで分取クロマトグラフすることによつて行な
うことができる。分取クロマトグラフカラム用充
てん材としてセフアデツクスG−25を使用でき
る。CM−セフアデツクスの様なその他のカチオ
ン交換樹脂または向流分配などもペプチドの精製
に使用できる。 本発明のペプチドは雌の哺乳動物に排卵を誘発
させるのに効果的な量で使用される。また、本発
明のペプチドはLRFが従来から使用されてきた
様なその他の医療目的にも使用できる。後記の表
1の結果より明らかな様に本発明のペプチドの効
力はLRFの効力の約12〜217倍なので、この効力
に基づき、投与対象の様なその他の因子なども考
慮に入れて、各投与ごとに投与量を決定する。例
えば、好適な投与量は体重1Kgあたり、1日に、
約5ng(ナノグラム)〜10ngの範囲内である。 本発明のペプチドは静注、皮下注、筋注によつ
て、または経鼻膣的、経膣的、経口的または舌下
的に哺乳動物に投与できる。有効量は投与方法お
よび処置をうける哺乳動物の特定の種によつて変
化する。経口投与は固形状または液状のいずれに
よつても行なうことができる。 本発明のペプチドはLRFの親水性に匹敵する
親水性を示すので、高濃度の水溶液または食塩水
を製造できる。斯くして、これまでに報告された
その他のLRF類似体をしのぐほどの投与上の顕
著な利点がもたらされる。最も重要な利点は前記
の様なペプチド水溶液を鼻内に投与できることで
ある。 また、本発明のペプチドは酸付加塩の様な薬理
学的に許容される非毒塩または亜鉛、鉄等のよう
な適当な金属錯体の形で生成し、かつ、投与する
ことができる。本発明のペプチドの薬理学的に許
容される非毒塩類は例えば、塩酸塩、臭化水素酸
塩、硫酸塩、リン酸塩、マレイン酸塩、酢酸塩、
クエン酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、アスコル
ビン酸塩等である。 以下、実施例をあげて本発明の特徴を更に詳細
に説明する。しかし、下記の実施例は特許請求の
範囲によつて規定される本発明の範囲を限定する
趣旨のものではない。 実施例 1 下記の構造を有する〔im−Bzl D−His6〕−
LRFを固相合成法によつて製造した。 p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−His(im−Bzl)−L
eu−Arg−Pro−Gly−NH2 パラメチルベンズヒドリルアミン樹脂を使用し
た。BOCで保護されたGlyを前記樹脂にカツプリ
ングさせた。このカツプリングは活性化剤として
3倍過剰量のBOCとジシクロヘキシルカルボジ
イミド(DCC)とを使用し、CH2Cl2中で2時間
以上かけておこなつた。斯くして、アミド結合に
よつてグリシン残基がベンズヒドリルアミン残基
に結合された。 各アミノ酸残基の結合につづいて洗浄、脱保護
および次のアミノ酸残基のカツプリングを自動機
械を使用して下記の表に示す順序で行なつた。樹
脂約5gを用いて開始した。
【表】
【表】
工程13の後、アリコートをニンヒドリン試験に
採取する。この試験が陰性であるとき、次のアミ
ノ酸のカツプリングの工程1にもどり、この試験
が陽性ないし多少陽性であるとき、工程9〜13に
もどる。 前記の順序は最初のアミノ酸を結合させた後、
本発明のペプチドの各アミノ酸をカツプリングす
るのに使用した。合成の全過程を通じて残りの各
アミノ酸を保護するためにN〓BOCを使用した。
Argの側鎖はTosで保護した。OBzlをSerのヒド
ロキシル基用の側鎖保護基として使用した。Tyr
のヒドロキシル基用側鎖保護基として2,6−ジ
クロルベンジルを使用した。Hisの第2位の側鎖
保護基としてp−トルエンスルホニル(Tos)を
使用した。D−His(im−Bzl)は側鎖を保護する
必要がなかつた。p−Gluはベンジルオキシカル
ボニル(Z)で保護されたアミノ酸として、また
は全く保護されていないp−Gluとして導入し
た。CH2Cl2に低溶解性の次のアミノ酸:BOC−
Arg(Tos);BOC−Trp;Z−pGluまたは
pGlu;およびD−His(im−Bzl)をDMFを使用
してカツプリングさせた。 樹脂からのペプチドの開裂およびD−His6の
(im−Bzl)以外の側鎖から保護基を全て除去す
ることはフツ化水素酸(HF)によつて0℃で極
めて容易に行なわれた。HFで処理する前に掃去
剤としてアニソールを添加した。真空下でHFを
除去した後、樹脂を0.1%酢酸で抽出し、洗浄液
を凍結乾燥させ、粗ペプチド粉末を得た。 カルボキシメチルセルロースでイオン交換クロ
マトグラフし(Whatman CM32を使用。0.125M
NH4OAcの段階的傾斜溶離法を使用)、続いてゲ
ル過カラム中で分取クロマトグラフすることに
よつてペプチドを精製した。ゲル過用の溶離剤
としてn−ブタノール/酢酸/水(4:1:5、
容量比〕混液を使用した。 〔D−His6(im−Bzl)〕−LRFが純粋(または
均質)であるか否かは次の様にして判断した。即
ち数種類の異なつた溶剤系による薄層クロマトグ
ラフ法を使用し、そして、RivierがJournal of
Liquid Chromatography、1(3)、343−366
(1978)に開示した“ペプチド類および蛋白類の
高分割および高回収のための転相HPLCにおける
トリアルキルアンモニウムホスフエート
(TAAP)緩衝液の使用(Use of Trialkyl
Ammonium Phosphate(TAAP)Buffers in
Reverse Phase HPLC for High Resolution
and High Recovery of Peptides and
Proteins)”の論文中に一般的に教示した様に、
転相高圧液体クロマトグラフ法を使用して行なつ
た。この転相HPLCでは溶剤系としてトリエチル
アンモニウムホスフエート緩衝水溶液とアセトニ
トリルとの混液を使用した。得られた精製ペプチ
ドのアミノ酸分析の結果は製造化合物の構造式に
一致し、鎖中の各アミノ酸につきおおむね整数値
を示していた。同様に、核磁気共鳴スペクトルの
分析結果も所期の構造と一致し、ベンジル基の存
在を示した。光電旋光計で旋光度を測定した。
〔α〕22 D=−26.0゜(C=1、1%酢酸) 実施例 2 LRF類似体〔D−His6(im−Bzl)、Pro9−
NEt〕−LRFを合成した。合成は固相合成法を用
いてクロルメチル化樹脂上で段階的方法により行
なつた。クロルメチル化樹脂はスチレンと約1%
のジビニルベンゼンとを共重合させることによつ
て製造した。 BOCで保護されたProのトリエチルアンモニウ
ム塩をエタノール中で約48時間にわたつて還流さ
せることによつてクロルメチル化樹脂上でエステ
ル化させた。保護基を除去し、中和した後、次の
アミノ酸ArgのBOC誘導体を実施例1に述べた
方法に従つて添加した。 完全に保護されたペプチドを樹脂支持体から回
収した。この回収はエチルアミンを使用してアミ
ノリシスすることによつて行なつた。斯くして、
完全に保護されたアルキルアミド中間体が得られ
た。ペプチドの開裂は0℃の耐圧ビン中の蒸留エ
チルアミンの中で前記樹脂を一晩撹拌することに
よつて行なつた。真空下で蒸留することによつて
過剰量のエチルアミンを除去した後、メタノール
中に懸濁された樹脂を過することによつて該ス
ラリーから回収した。この樹脂を更にDMF、メ
タノールおよびDMFとメタノールとの混液で連
続的に洗浄した。開裂された保護ペプチドの回収
溶液を真空ロータリーエバポレーターで室温で乾
固するまで蒸発させた。最小量のメタノールを用
いて該ペプチドを溶解させ、得られた溶液を250
倍過剰容量の乾燥エーテルに撹拌しながら滴下し
て加えた。柔毛性の沈殿が生じた。これを遠心分
離によつて回収した。回収した沈殿を乾燥させ、
中間体を得た。次いで、前記の様にHFを用いて
保護基を全て取りのぞいた。 CMCカラムでイオン交換クロマトグラフし、
続いてn−ブタノール/酢酸/水(4:1:5、
容量比)混液を溶離剤として使用して分取クロマ
トグラフすることによつてペプチドを精製した。
分取クロマトグラフカラムはセフアデツクスG−
25であつた。 数種類の異なつた溶剤系で薄層クロマトグラフ
し、また、トリエチルアンモニウムホスフエート
水溶液とアセトニトリルとの混液で転相高速液体
クロマトグラフすることによつて〔D−His6(im
−Bzl)Pro9NEt〕−LRFが純粋(即ち、均質)
であると判断した。得られた精製ペプチドのアミ
ノ酸分析の結果は製造化合物の構造式に一致し、
鎖中の各アミノ酸につきおおむね整数値を示して
いた。同様に、核磁気共鳴スペクトルの分析結果
も所期の構造と一致し、ベンジル基の存在を示し
た。光電旋光計で旋光度を測定した。〔α〕22 D=−
33.9゜(C=1、1%酢酸) 前記の実施例1で調製したペプチドをラツトの
分散下垂体細胞の4日間一次培養液を用いて試験
管内で効力検定し、LRFと比較した。ペプチド
の投与から4日間経過後のLH分泌量をラツトの
LHを測定するための特別な放射線測定装置で分
析した。 表 1 処置剤 LH分泌量(ng) 対 照 612 0.1nM LRF 1255 0.3nM LRF 1767 1.0nM LRF 2167 3.0nM LRF 2867 0.003nM実施例1で得たペプチド 885 0.01nM 〃 〃 1345 0.03nM 〃 〃 2150 0.1nM 〃 〃 2225 0.3nM 〃 〃 2667 前記の処置方法を実施例2で調製したペプチド
を用いてくりかえした。結果を下記の表2に示
す。 表 2 処置剤 LH分泌量(ng) 対 照 500 0.3nM LRF 631 1.0nM LRF 1001 3.0nM LRF 1496 0.003nM実施例2で得たペプチド 895 0.01nM 1256 0.03nM 2088 実施例1で生成したペプチドのLRFと比較し
た相対的効力は12(5.8−24)であつた。(信頼限
界はカツコ内に示した。)実施例2で生成したペ
プチドの相対的効力は217(57−952)であつた。
これらの試験結果から、〔D−His6(im−Bzl)〕−
LRFの効力はLRFの効力の約12倍であり、〔D−
His6(im−Bzl)、Pro9−NEt〕−LRFの効力は
LRFの効力の200倍よりも高いことがわかる。 実施例1および2で生成したペプチド組成物の
効力を更に生体内で試験した。 試験例 1 ネンブタールで麻酔し、アンドロゲン避妊した
発情間期にあるラツトに実施例2で生成したペプ
チドの生理食塩水溶液を0.0625、0.125、0.25、
0.5、1.0μg/Kg皮下投与した。また、同様にネ
ンブタールで麻酔しアンドロゲン避妊した発情間
期にあるラツトにLRFの生理食塩水溶液を0.25、
0.5、1.0、2.0、4.0、8.0μg/Kg皮下投与した。投
与は午後2時から午後3時の間に行い、翌日ラツ
トの卵管を取り出して卵子数を顕微鏡で数えた。
各々の濃度ごとに10匹のラツトを用いて試験を行
いその平均値をもつて当該濃度の卵子数とした。 第1図は投与量と卵子数との関係を示した図で
ある。この図より、実施例2で生成したペプチド
はLRFよりも効力が4.4倍大きいことが確認され
る。 試験例 2 ネンブタールで麻酔し、アンドロゲン避妊した
発情間期にある雌ラツトの代わりにウサギ、ネン
ブタールで麻酔した発情前期のラツト、発情間期
のハムスター、発情間期のマウス、発情間期のラ
ツトを用いて試験例1と同様の試験を行つた。ま
た、ウサギについては皮下投与の他に静脈注射に
よる投与も行つて試験した。 各々の動物に対する実施例1で生成したペプチ
ドのLRFに対する相対効力は表3に示すように
1.8から9.2倍であり、いずれの動物に対しても高
い相対効力が認められた。なお、動物の種類によ
つて相対効力が異なるのは、薬物の吸収機構、薬
物代謝や下垂体の感度あるいはこれらの要因がか
らみあつているためと考えられる。 表 3 試験対象動物 相対効力(95%信頼限界) ウサギ(皮下投与) 1.8(0.9−6.0) ウサギ(静脈注射) 3.7(2.0−6.4) ネンブタールで麻酔した発情前期のラツト
3.4(2.4−5.2) 発情間期のハムスター 5.9(3.7−8.9) 発情間期のマウス 7.7(4.1−15.5) 発情間期のラツト 9.2(6.1−14.7) 試験例 3 LRFおよび実施例2で生成したペプチドをそ
れぞれ0.1mlの生理食塩水中に5μg/Kg溶解させ、
雄ラツトに皮下投与した。投与から0.5、1、
1.5、2、2.5、3、4、8時間経過後に断頭し黄
体形成ホルモンの濃度をRIAによつて測定した。
測定は6匹のラツトについて行い、その平均値を
もつて黄体形成ホルモンの濃度とした。 第2図は投与後の経過時間と黄体形成ホルモン
の濃度との関係を示した図である。この図から明
らかなように、血清中の黄体形成ホルモンの濃度
はペプチドを投与してから30分後にすでに高まり
始め、3.0時間後にピーク達する。このピーク時
の黄体形成ホルモンの濃度は対象化合物たる
LRFに比べ80倍となつている。また、投与後8
時間経過した後もなお2.5倍となつている。 このことから、実施例2で生成したペプチドは
LRFに比べて黄体形成ホルモンの分泌刺激性が
高く、さらにその効果も長時間持続することが明
らかである。 試験例 4 実施例2で生成したペプチドの生理食塩水を雄
12匹、雌12匹の一群に皮下投与した。それぞれの
群ごとの投与量は1回あたり0、0.4、4.0、20μ
g/Kgとし、1日2回投与した(1日あたりの投
与量は0、0.8、8.0、40μg/Kg)。投与は30日間
続け31日目にラツトを殺した。 30日の投与期間中いずれの投与量のラツトもす
べて生き残り、なんら特筆すべき臨床的な変化は
見られなかつた。即ち、上記の条件下でなんら急
性毒性は示されなかつた。 実施例2で生成したペプチドを投与した雌ラツ
トについては、体重がわずかに増加し、卵巣と子
宮の重量は減少した。雄ラツトについては、投与
量に応じて前立腺の重量および血しよう中のテス
トステロン濃度が減少し、こう丸の重量について
は大きな変化はなかつた。雄ラツト、雌ラツトと
もに下垂体および甲状腺の重量がかなり減少し
た。また、副腎の重量は雄ラツトでは減少し雌ラ
ツトでは増加した。 試験例 5 実施例2で生成したペプチドの生理食塩水溶液
0、5、25、5、100、500μg/Kgを妊振7から
12日のラツトに1日1回皮下投与した。投与量と
成育不能になつた着床受精卵の割合を表4に示
す。 表 4 投与量 成育不能な着床受精卵の割合 0 1.2±1.2 5 4.4±2.8 25 60.0±24.4 50 55.8±26.0 100 73.8±16.2 500 100.0 表4より明らかなように500μg/Kg投与すれ
ば、着床後完全に妊娠を中絶することができる。
また、500μg/Kgという高い投与量で何ら急性
毒性は示されなかつた。 前記の結果より、本発明のペプチドは雌および
雄の哺乳動物(人間を含む)の受精能を調節する
のに使用できる。本発明のペプチドを多量に、頻
繁に投与すると排卵阻止(早発性ルテオリシス
(luteolysis)を含む)によつて、また、雌の妊娠
中絶および雄の精子形成阻害によつて受精能を抑
制する。本発明のペプチドを小量、断続的に投与
するとLRF不足によつて惹起された不妊症の受
精能を回復させることができる。同様に正常な雌
の排卵をタイミングよくなさしめることができ
る。また、本発明のペプチドは性ステロイド類の
レベルを低下させるのに使用できる。従つて、本
発明のペプチドは性ホルモン依存性新生物を有す
る患者の処置に使用できる。前記の様に、本発明
のペプチドは静注、皮下注によつて、また、舌下
的、経口的、経膣的、経鼻的にまたは直腸などを
経由して投与できる。本発明のペプチドは水溶性
が高いので生理的溶液に高濃度で溶解させること
ができる。 本発明の好ましい実施態様について述べたが、
特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸
脱することなく変更および修正がなしえることは
当業者には明らかである。
採取する。この試験が陰性であるとき、次のアミ
ノ酸のカツプリングの工程1にもどり、この試験
が陽性ないし多少陽性であるとき、工程9〜13に
もどる。 前記の順序は最初のアミノ酸を結合させた後、
本発明のペプチドの各アミノ酸をカツプリングす
るのに使用した。合成の全過程を通じて残りの各
アミノ酸を保護するためにN〓BOCを使用した。
Argの側鎖はTosで保護した。OBzlをSerのヒド
ロキシル基用の側鎖保護基として使用した。Tyr
のヒドロキシル基用側鎖保護基として2,6−ジ
クロルベンジルを使用した。Hisの第2位の側鎖
保護基としてp−トルエンスルホニル(Tos)を
使用した。D−His(im−Bzl)は側鎖を保護する
必要がなかつた。p−Gluはベンジルオキシカル
ボニル(Z)で保護されたアミノ酸として、また
は全く保護されていないp−Gluとして導入し
た。CH2Cl2に低溶解性の次のアミノ酸:BOC−
Arg(Tos);BOC−Trp;Z−pGluまたは
pGlu;およびD−His(im−Bzl)をDMFを使用
してカツプリングさせた。 樹脂からのペプチドの開裂およびD−His6の
(im−Bzl)以外の側鎖から保護基を全て除去す
ることはフツ化水素酸(HF)によつて0℃で極
めて容易に行なわれた。HFで処理する前に掃去
剤としてアニソールを添加した。真空下でHFを
除去した後、樹脂を0.1%酢酸で抽出し、洗浄液
を凍結乾燥させ、粗ペプチド粉末を得た。 カルボキシメチルセルロースでイオン交換クロ
マトグラフし(Whatman CM32を使用。0.125M
NH4OAcの段階的傾斜溶離法を使用)、続いてゲ
ル過カラム中で分取クロマトグラフすることに
よつてペプチドを精製した。ゲル過用の溶離剤
としてn−ブタノール/酢酸/水(4:1:5、
容量比〕混液を使用した。 〔D−His6(im−Bzl)〕−LRFが純粋(または
均質)であるか否かは次の様にして判断した。即
ち数種類の異なつた溶剤系による薄層クロマトグ
ラフ法を使用し、そして、RivierがJournal of
Liquid Chromatography、1(3)、343−366
(1978)に開示した“ペプチド類および蛋白類の
高分割および高回収のための転相HPLCにおける
トリアルキルアンモニウムホスフエート
(TAAP)緩衝液の使用(Use of Trialkyl
Ammonium Phosphate(TAAP)Buffers in
Reverse Phase HPLC for High Resolution
and High Recovery of Peptides and
Proteins)”の論文中に一般的に教示した様に、
転相高圧液体クロマトグラフ法を使用して行なつ
た。この転相HPLCでは溶剤系としてトリエチル
アンモニウムホスフエート緩衝水溶液とアセトニ
トリルとの混液を使用した。得られた精製ペプチ
ドのアミノ酸分析の結果は製造化合物の構造式に
一致し、鎖中の各アミノ酸につきおおむね整数値
を示していた。同様に、核磁気共鳴スペクトルの
分析結果も所期の構造と一致し、ベンジル基の存
在を示した。光電旋光計で旋光度を測定した。
〔α〕22 D=−26.0゜(C=1、1%酢酸) 実施例 2 LRF類似体〔D−His6(im−Bzl)、Pro9−
NEt〕−LRFを合成した。合成は固相合成法を用
いてクロルメチル化樹脂上で段階的方法により行
なつた。クロルメチル化樹脂はスチレンと約1%
のジビニルベンゼンとを共重合させることによつ
て製造した。 BOCで保護されたProのトリエチルアンモニウ
ム塩をエタノール中で約48時間にわたつて還流さ
せることによつてクロルメチル化樹脂上でエステ
ル化させた。保護基を除去し、中和した後、次の
アミノ酸ArgのBOC誘導体を実施例1に述べた
方法に従つて添加した。 完全に保護されたペプチドを樹脂支持体から回
収した。この回収はエチルアミンを使用してアミ
ノリシスすることによつて行なつた。斯くして、
完全に保護されたアルキルアミド中間体が得られ
た。ペプチドの開裂は0℃の耐圧ビン中の蒸留エ
チルアミンの中で前記樹脂を一晩撹拌することに
よつて行なつた。真空下で蒸留することによつて
過剰量のエチルアミンを除去した後、メタノール
中に懸濁された樹脂を過することによつて該ス
ラリーから回収した。この樹脂を更にDMF、メ
タノールおよびDMFとメタノールとの混液で連
続的に洗浄した。開裂された保護ペプチドの回収
溶液を真空ロータリーエバポレーターで室温で乾
固するまで蒸発させた。最小量のメタノールを用
いて該ペプチドを溶解させ、得られた溶液を250
倍過剰容量の乾燥エーテルに撹拌しながら滴下し
て加えた。柔毛性の沈殿が生じた。これを遠心分
離によつて回収した。回収した沈殿を乾燥させ、
中間体を得た。次いで、前記の様にHFを用いて
保護基を全て取りのぞいた。 CMCカラムでイオン交換クロマトグラフし、
続いてn−ブタノール/酢酸/水(4:1:5、
容量比)混液を溶離剤として使用して分取クロマ
トグラフすることによつてペプチドを精製した。
分取クロマトグラフカラムはセフアデツクスG−
25であつた。 数種類の異なつた溶剤系で薄層クロマトグラフ
し、また、トリエチルアンモニウムホスフエート
水溶液とアセトニトリルとの混液で転相高速液体
クロマトグラフすることによつて〔D−His6(im
−Bzl)Pro9NEt〕−LRFが純粋(即ち、均質)
であると判断した。得られた精製ペプチドのアミ
ノ酸分析の結果は製造化合物の構造式に一致し、
鎖中の各アミノ酸につきおおむね整数値を示して
いた。同様に、核磁気共鳴スペクトルの分析結果
も所期の構造と一致し、ベンジル基の存在を示し
た。光電旋光計で旋光度を測定した。〔α〕22 D=−
33.9゜(C=1、1%酢酸) 前記の実施例1で調製したペプチドをラツトの
分散下垂体細胞の4日間一次培養液を用いて試験
管内で効力検定し、LRFと比較した。ペプチド
の投与から4日間経過後のLH分泌量をラツトの
LHを測定するための特別な放射線測定装置で分
析した。 表 1 処置剤 LH分泌量(ng) 対 照 612 0.1nM LRF 1255 0.3nM LRF 1767 1.0nM LRF 2167 3.0nM LRF 2867 0.003nM実施例1で得たペプチド 885 0.01nM 〃 〃 1345 0.03nM 〃 〃 2150 0.1nM 〃 〃 2225 0.3nM 〃 〃 2667 前記の処置方法を実施例2で調製したペプチド
を用いてくりかえした。結果を下記の表2に示
す。 表 2 処置剤 LH分泌量(ng) 対 照 500 0.3nM LRF 631 1.0nM LRF 1001 3.0nM LRF 1496 0.003nM実施例2で得たペプチド 895 0.01nM 1256 0.03nM 2088 実施例1で生成したペプチドのLRFと比較し
た相対的効力は12(5.8−24)であつた。(信頼限
界はカツコ内に示した。)実施例2で生成したペ
プチドの相対的効力は217(57−952)であつた。
これらの試験結果から、〔D−His6(im−Bzl)〕−
LRFの効力はLRFの効力の約12倍であり、〔D−
His6(im−Bzl)、Pro9−NEt〕−LRFの効力は
LRFの効力の200倍よりも高いことがわかる。 実施例1および2で生成したペプチド組成物の
効力を更に生体内で試験した。 試験例 1 ネンブタールで麻酔し、アンドロゲン避妊した
発情間期にあるラツトに実施例2で生成したペプ
チドの生理食塩水溶液を0.0625、0.125、0.25、
0.5、1.0μg/Kg皮下投与した。また、同様にネ
ンブタールで麻酔しアンドロゲン避妊した発情間
期にあるラツトにLRFの生理食塩水溶液を0.25、
0.5、1.0、2.0、4.0、8.0μg/Kg皮下投与した。投
与は午後2時から午後3時の間に行い、翌日ラツ
トの卵管を取り出して卵子数を顕微鏡で数えた。
各々の濃度ごとに10匹のラツトを用いて試験を行
いその平均値をもつて当該濃度の卵子数とした。 第1図は投与量と卵子数との関係を示した図で
ある。この図より、実施例2で生成したペプチド
はLRFよりも効力が4.4倍大きいことが確認され
る。 試験例 2 ネンブタールで麻酔し、アンドロゲン避妊した
発情間期にある雌ラツトの代わりにウサギ、ネン
ブタールで麻酔した発情前期のラツト、発情間期
のハムスター、発情間期のマウス、発情間期のラ
ツトを用いて試験例1と同様の試験を行つた。ま
た、ウサギについては皮下投与の他に静脈注射に
よる投与も行つて試験した。 各々の動物に対する実施例1で生成したペプチ
ドのLRFに対する相対効力は表3に示すように
1.8から9.2倍であり、いずれの動物に対しても高
い相対効力が認められた。なお、動物の種類によ
つて相対効力が異なるのは、薬物の吸収機構、薬
物代謝や下垂体の感度あるいはこれらの要因がか
らみあつているためと考えられる。 表 3 試験対象動物 相対効力(95%信頼限界) ウサギ(皮下投与) 1.8(0.9−6.0) ウサギ(静脈注射) 3.7(2.0−6.4) ネンブタールで麻酔した発情前期のラツト
3.4(2.4−5.2) 発情間期のハムスター 5.9(3.7−8.9) 発情間期のマウス 7.7(4.1−15.5) 発情間期のラツト 9.2(6.1−14.7) 試験例 3 LRFおよび実施例2で生成したペプチドをそ
れぞれ0.1mlの生理食塩水中に5μg/Kg溶解させ、
雄ラツトに皮下投与した。投与から0.5、1、
1.5、2、2.5、3、4、8時間経過後に断頭し黄
体形成ホルモンの濃度をRIAによつて測定した。
測定は6匹のラツトについて行い、その平均値を
もつて黄体形成ホルモンの濃度とした。 第2図は投与後の経過時間と黄体形成ホルモン
の濃度との関係を示した図である。この図から明
らかなように、血清中の黄体形成ホルモンの濃度
はペプチドを投与してから30分後にすでに高まり
始め、3.0時間後にピーク達する。このピーク時
の黄体形成ホルモンの濃度は対象化合物たる
LRFに比べ80倍となつている。また、投与後8
時間経過した後もなお2.5倍となつている。 このことから、実施例2で生成したペプチドは
LRFに比べて黄体形成ホルモンの分泌刺激性が
高く、さらにその効果も長時間持続することが明
らかである。 試験例 4 実施例2で生成したペプチドの生理食塩水を雄
12匹、雌12匹の一群に皮下投与した。それぞれの
群ごとの投与量は1回あたり0、0.4、4.0、20μ
g/Kgとし、1日2回投与した(1日あたりの投
与量は0、0.8、8.0、40μg/Kg)。投与は30日間
続け31日目にラツトを殺した。 30日の投与期間中いずれの投与量のラツトもす
べて生き残り、なんら特筆すべき臨床的な変化は
見られなかつた。即ち、上記の条件下でなんら急
性毒性は示されなかつた。 実施例2で生成したペプチドを投与した雌ラツ
トについては、体重がわずかに増加し、卵巣と子
宮の重量は減少した。雄ラツトについては、投与
量に応じて前立腺の重量および血しよう中のテス
トステロン濃度が減少し、こう丸の重量について
は大きな変化はなかつた。雄ラツト、雌ラツトと
もに下垂体および甲状腺の重量がかなり減少し
た。また、副腎の重量は雄ラツトでは減少し雌ラ
ツトでは増加した。 試験例 5 実施例2で生成したペプチドの生理食塩水溶液
0、5、25、5、100、500μg/Kgを妊振7から
12日のラツトに1日1回皮下投与した。投与量と
成育不能になつた着床受精卵の割合を表4に示
す。 表 4 投与量 成育不能な着床受精卵の割合 0 1.2±1.2 5 4.4±2.8 25 60.0±24.4 50 55.8±26.0 100 73.8±16.2 500 100.0 表4より明らかなように500μg/Kg投与すれ
ば、着床後完全に妊娠を中絶することができる。
また、500μg/Kgという高い投与量で何ら急性
毒性は示されなかつた。 前記の結果より、本発明のペプチドは雌および
雄の哺乳動物(人間を含む)の受精能を調節する
のに使用できる。本発明のペプチドを多量に、頻
繁に投与すると排卵阻止(早発性ルテオリシス
(luteolysis)を含む)によつて、また、雌の妊娠
中絶および雄の精子形成阻害によつて受精能を抑
制する。本発明のペプチドを小量、断続的に投与
するとLRF不足によつて惹起された不妊症の受
精能を回復させることができる。同様に正常な雌
の排卵をタイミングよくなさしめることができ
る。また、本発明のペプチドは性ステロイド類の
レベルを低下させるのに使用できる。従つて、本
発明のペプチドは性ホルモン依存性新生物を有す
る患者の処置に使用できる。前記の様に、本発明
のペプチドは静注、皮下注によつて、また、舌下
的、経口的、経膣的、経鼻的にまたは直腸などを
経由して投与できる。本発明のペプチドは水溶性
が高いので生理的溶液に高濃度で溶解させること
ができる。 本発明の好ましい実施態様について述べたが、
特許請求の範囲に記載された本発明の範囲から逸
脱することなく変更および修正がなしえることは
当業者には明らかである。
第1図はLRFおよび実施例2で生成したペプ
チドの投与量と卵子数との関係を示したグラフで
ある。第2図はLRFおよび実施例2で生成した
ペプチドの投与後の経過時間と黄体形成ホルモン
の濃度との関係を示したグラフである。
チドの投与量と卵子数との関係を示したグラフで
ある。第2図はLRFおよび実施例2で生成した
ペプチドの投与後の経過時間と黄体形成ホルモン
の濃度との関係を示したグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 次式 p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−His(im
−Bzl)−Leu−Arg−R(式中、D−His(im−
Bzl)はイミダゾールベンジルD−ヒスチジンを
意味しRはPro−Gly−NH2およびPro−NH−
CH2−CH3から成る群から選択される)で示され
る化合物またはその非毒性塩。 2 式中、RがPro−Gly−NH2である特許請求
の範囲第1項記載の化合物。 3 式中、RがPro−NH−CH2−CH3である特
許請求の範囲第1項記載の化合物。 4 薬学的に許容しうる担体と、次式 p−Glu−His−Trp−Ser−Tyr−D−His(im
−Bzl)−Leu−Arg−Pro−NH−CH2−CH3で示
されるペプチドまたはその非毒性塩を効果的な量
含有する雌および雄の哺乳動物における受精能調
節用医薬組成物。
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| US06/047,026 US4244946A (en) | 1979-06-11 | 1979-06-11 | Water-soluble peptides affecting gonadal function |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
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Family
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Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7888380A Granted JPS565448A (en) | 1979-06-11 | 1980-06-11 | Organic compound |
Country Status (12)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4244946A (ja) |
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| JP (1) | JPS565448A (ja) |
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| AT (1) | ATE2617T1 (ja) |
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| DK (1) | DK149896C (ja) |
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| PH (1) | PH15362A (ja) |
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|---|---|---|---|---|
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| WO1982000004A1 (en) * | 1980-06-26 | 1982-01-07 | Salk Inst For Biological Studi | Contraceptive treatment of male mammals |
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