JPH0133658B2 - - Google Patents
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- JPH0133658B2 JPH0133658B2 JP58145096A JP14509683A JPH0133658B2 JP H0133658 B2 JPH0133658 B2 JP H0133658B2 JP 58145096 A JP58145096 A JP 58145096A JP 14509683 A JP14509683 A JP 14509683A JP H0133658 B2 JPH0133658 B2 JP H0133658B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- titanium nitride
- wear
- piston ring
- chrome plating
- hardness
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J9/00—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction
- F16J9/26—Piston-rings, e.g. non-metallic piston-rings, seats therefor; Ring sealings of similar construction characterised by the use of particular materials
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C23—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
- C23C—COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
- C23C14/00—Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material
- C23C14/02—Pretreatment of the material to be coated
- C23C14/024—Deposition of sublayers, e.g. to promote adhesion of the coating
- C23C14/025—Metallic sublayers
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- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
技術分野
本発明は、耐摩耗、耐焼付性に優れた皮膜を被
覆した内燃機関用ピストンリングに関する。 従来技術 従来、ピストンリングの表面処理としては、硬
質クロムめつきが主体に使われている。硬質クロ
ムめつきを被覆したピストンリングは、自身の耐
摩耗性に優れ、相手シリンダの摩耗も少ないこと
から、長い間ピストンリングの表面処理として主
流をなしてきた。しかしながら、近年、エンジン
の高出力化、高性能化に伴い、ピストンリングが
晒される条件は、益々苛酷になつており、一層強
力な耐摩耗性、耐焼付性が要求されるようになつ
てきた。このような要求にはもはや従来の硬質ク
ロムめつきのみでは対処しきれなくなりつつあ
る。 斯かる状況に対処する為、本願出願人は、先に
特開昭57−65837においてピストンリングの摺動
外周面に所定硬さ、所定厚さのイオンプレーテイ
ングによる窒化チタン皮膜を被覆し、さらに摺動
外周面の面あらさを所定値以下にする技術を開示
した。これによれば耐摩耗性、耐焼付性の点で従
来技術に比しはるかに改善されたが、次の様な不
都合がその後見出された。すなわち、イオンプレ
ーテイングによる窒化チタンは、それ自身、耐摩
耗、耐焼付性に優れ、ピストンリングの表面処理
として非常に有用であるが、皮膜厚さに限度があ
る為、窒化チタン皮膜が磨滅し母材が露出した場
合、摩耗が急速に進み、又、耐焼付性も劣化する
等、耐久性の面で必ずしも満足のいくものではな
いということである。 発明の目的 本発明の目的は、上記の欠点を解消する為にイ
オンプレーテイングによる窒化チタンの優れた摩
擦特性はそのまま維持しつつ、かつ耐久性の向上
を可能にすることである。 発明の構成 上記の目的を達成するために、本発明によれば
イオンプレーテイングによる厚さ2〜10μm、面
粗度1.5μ以下の窒化チタンの下地処理として、厚
さが10〜100μmで硬さがHv600以上の硬質クロム
めつきを施すことに加え、さらに摺動面外周面に
1にないし複数本の条痕を形成するを特徴とする
ものであり、それによりたとえ窒化チタンが一部
磨滅した場合であつてもその下地層として硬質ク
ロムめつき層があるためピストンリング全体とし
ては充分な耐摩耗性と耐焼付性を維持することが
できる。 発明の具体的構成 まず初めに特許請求の範囲において特定した構
成要件について述べる。 下地層として硬質クロムめつきを施した上にイ
オンプレーテイングによる窒化チタンを被覆する
理由は次の通りである。即ち第1図に概略を示す
往復動摩擦試験機による摩耗試験結果(第3図)
に見られる様にピストンリング母材に直接窒化チ
タンを被覆したもの(特開昭57−65837)は、母
材が露出した場合、母材部のミクロスカツフイン
グが顕著に見られ、摩耗が促進し、特に耐焼付性
に問題が生ずるのに対し、硬質クロムめつき下地
層の上に窒化チタンを被覆した場合(第3図の試
料3)は、窒化チタンの一部が磨滅しても、その
様な傾向は全く見られず、良好な摩擦面を呈する
と共に、硬質クロムめつきのみで窒化チタンを被
覆しない場合(試料1)あるいは硬質クロムめつ
き下地層を施さずリング母材に直接窒化チタンを
被覆した場合(試料2)よりきわめて少ない摩耗
量を示す為である。これは窒化チタンの一部が磨
滅しても、下地に耐摩耗、耐焼付性に優れた硬質
クロムめつきが存在する為に、ミクロスカツフイ
グの発生もなく、摩耗自体を耐摩耗性に富む窒化
チタンで受ける為、部分的に下地が露出したにも
かかわらず、きわめて少い摩耗を示したものと考
えられる。 尚、第1図において、ピストンリングに相当す
る上試片11は上試片固定ブロツク17により保
持され上方から油圧シリンダ19により下向きの
荷重が加えられる。一方、シリンダに相当する相
手部材たる下試片13は可動ブロツク21により
保持され、かつ例えば図示の如きクランク機構2
3により矢印方向に往復動せしめられる。また1
5はロードセルである。第1図に示す摩擦試験機
は公知であり、またその構成自体は本発明とは直
線関係ないので詳しい説明は省略する。 摩耗量の評価は第2図に示す如き各試料1、
2、3(上試片)に残る摩耗痕径a、bの各3回
づつの測定値の平均により行つた。 またテスト条件は次の通りである。 テスト供試試料 ●シリンダ相当(下試片13):シリンダライナ
用鋳鉄製(FC25相当材)70L×17W×7t(mm)
の平板試験面バフ研磨仕上硬さHRB95、表
面粗さ0.5μ ●ピストンリング相当(上試片11):ピストン
リング用鋼製8〓×23L(mm)の端面を18Rの球
面仕上 試料1(従来技術)−硬質クロムめつきを8〓×
23L(mm)の端面に厚さ60μつけて試料面粗さ
を0.8μに調整。めつき硬さHv1020、母材硬
さHv440 試料2(従来技術)−ピストンリング用鋼材の上
に直接イオンプレーテイングによる窒化チタ
ンを厚さ5μつけて試料面粗さを0.8μに調整、
窒化チタン硬さHv1770、母材硬さHv440 試料3(本発明品)−硬質クロムめつきを厚さ
60μつけた上にイオンプレーテイングによる
窒化チタンを厚さ5μつけて試料面粗さを0.8μ
に調整、めつき硬さHv850、窒化チタン硬さ
Hv1780、母材硬さHv440 ●イオンプレーテイング条件 使用装置:蒸発源に電子ビームを使用し、
蒸発源近傍にイオン化電極を設けた高真空型
のイオンプレーテイング装置 処理条件:窒素分圧6×10-4Torr、基板
温度400℃、処理時間45分 摩耗試験条件 試験機:往復動摩擦試験機(第1図に概略図
示) 試験条件:ストローク50mm、ならし2Kg×
100cpm×5分、本試験20Kg×600cpm×30分、
潤滑油SAE#10エンジンオイル(ミスト状吹
きつけ) 次に、下地処理として、硬質クロムめつきに
限定した理由は、イオンプレーテイング処理時
に晒される温度履歴を受けても、耐摩耗性に必
要な高い硬度水準を維持でき、耐焼付性に優れ
た安価な皮膜が他にない為である。尚、第4図
はクロムめつきの熱履歴による一般的な硬さの
低下変化を示す特性線図である。 硬質クロムめつきの上に被覆する皮膜をイオ
ンプレーテイングによる窒化チタンに限定した
理由は、ピストンリング母材の機械的性質をそ
こなわない比較的低温で密着度の良好な皮膜を
形成できるのがイオンプレーテイング以外にな
く、窒化チタンは、耐摩耗、耐焼付性の必要条
件である高硬度、高融点の要件を満たすセラミ
ツクス質材の中で、靭性に富む皮膜でありピス
トンリングの様に応力負荷状態で使用れても剥
離、粗大クラツク発生のない皮膜の為である。 次に下地である硬質クロムめつきの厚さを好
ましくは10〜100μmに限定した理由は10μm未
満の場合は耐久性が充分でなく、100μmをこ
えると、イオンプレーテイング処理時、熱負荷
を受けた時に粗大クラツクの発生が顕著とな
り、窒化チタン皮膜にも粗大クラツクを誘発す
るからである。この粗大クラツクは、クラツク
のエツヂによるエツヂローデイングを起こし、
又皮膜のカケを誘発する等エンジンにとつて致
命的な悪影響を及ぼす。なお、最も好ましい厚
さは30〜70μmである。 硬質クロムめつきの硬さは、熱負荷をかける
ことにより第4図に示す如く低下する。従つ
て、イオンプレーテイング処理時に熱負荷を受
けると硬さ低下をきたす。そこで、下地クロム
めつきの硬さを種々かえて試料を作成し、往復
動摩擦試験機による摩耗試験を実施した結果を
第5図に示す。 第5図のテスト条件は次のとおりである ●シリンダ相当(下試片):シリンダライナ用
鋳鉄製70L×17W×7t(mm)の平板、試験面バ
フ研磨仕上 ●ピストンリング相当(上試片):ピストンリ
ング用鋳鉄製8〓×23L(mm)の端面を18Rの球
面加工、この端面に厚さ60μの硬質Crめつき
をつけて、下記第1表に示す熱処理を施した
後、イオンプレーテイングによる窒化チタン
を厚さ4μつけて、表面粗度を0.8μに調整
覆した内燃機関用ピストンリングに関する。 従来技術 従来、ピストンリングの表面処理としては、硬
質クロムめつきが主体に使われている。硬質クロ
ムめつきを被覆したピストンリングは、自身の耐
摩耗性に優れ、相手シリンダの摩耗も少ないこと
から、長い間ピストンリングの表面処理として主
流をなしてきた。しかしながら、近年、エンジン
の高出力化、高性能化に伴い、ピストンリングが
晒される条件は、益々苛酷になつており、一層強
力な耐摩耗性、耐焼付性が要求されるようになつ
てきた。このような要求にはもはや従来の硬質ク
ロムめつきのみでは対処しきれなくなりつつあ
る。 斯かる状況に対処する為、本願出願人は、先に
特開昭57−65837においてピストンリングの摺動
外周面に所定硬さ、所定厚さのイオンプレーテイ
ングによる窒化チタン皮膜を被覆し、さらに摺動
外周面の面あらさを所定値以下にする技術を開示
した。これによれば耐摩耗性、耐焼付性の点で従
来技術に比しはるかに改善されたが、次の様な不
都合がその後見出された。すなわち、イオンプレ
ーテイングによる窒化チタンは、それ自身、耐摩
耗、耐焼付性に優れ、ピストンリングの表面処理
として非常に有用であるが、皮膜厚さに限度があ
る為、窒化チタン皮膜が磨滅し母材が露出した場
合、摩耗が急速に進み、又、耐焼付性も劣化する
等、耐久性の面で必ずしも満足のいくものではな
いということである。 発明の目的 本発明の目的は、上記の欠点を解消する為にイ
オンプレーテイングによる窒化チタンの優れた摩
擦特性はそのまま維持しつつ、かつ耐久性の向上
を可能にすることである。 発明の構成 上記の目的を達成するために、本発明によれば
イオンプレーテイングによる厚さ2〜10μm、面
粗度1.5μ以下の窒化チタンの下地処理として、厚
さが10〜100μmで硬さがHv600以上の硬質クロム
めつきを施すことに加え、さらに摺動面外周面に
1にないし複数本の条痕を形成するを特徴とする
ものであり、それによりたとえ窒化チタンが一部
磨滅した場合であつてもその下地層として硬質ク
ロムめつき層があるためピストンリング全体とし
ては充分な耐摩耗性と耐焼付性を維持することが
できる。 発明の具体的構成 まず初めに特許請求の範囲において特定した構
成要件について述べる。 下地層として硬質クロムめつきを施した上にイ
オンプレーテイングによる窒化チタンを被覆する
理由は次の通りである。即ち第1図に概略を示す
往復動摩擦試験機による摩耗試験結果(第3図)
に見られる様にピストンリング母材に直接窒化チ
タンを被覆したもの(特開昭57−65837)は、母
材が露出した場合、母材部のミクロスカツフイン
グが顕著に見られ、摩耗が促進し、特に耐焼付性
に問題が生ずるのに対し、硬質クロムめつき下地
層の上に窒化チタンを被覆した場合(第3図の試
料3)は、窒化チタンの一部が磨滅しても、その
様な傾向は全く見られず、良好な摩擦面を呈する
と共に、硬質クロムめつきのみで窒化チタンを被
覆しない場合(試料1)あるいは硬質クロムめつ
き下地層を施さずリング母材に直接窒化チタンを
被覆した場合(試料2)よりきわめて少ない摩耗
量を示す為である。これは窒化チタンの一部が磨
滅しても、下地に耐摩耗、耐焼付性に優れた硬質
クロムめつきが存在する為に、ミクロスカツフイ
グの発生もなく、摩耗自体を耐摩耗性に富む窒化
チタンで受ける為、部分的に下地が露出したにも
かかわらず、きわめて少い摩耗を示したものと考
えられる。 尚、第1図において、ピストンリングに相当す
る上試片11は上試片固定ブロツク17により保
持され上方から油圧シリンダ19により下向きの
荷重が加えられる。一方、シリンダに相当する相
手部材たる下試片13は可動ブロツク21により
保持され、かつ例えば図示の如きクランク機構2
3により矢印方向に往復動せしめられる。また1
5はロードセルである。第1図に示す摩擦試験機
は公知であり、またその構成自体は本発明とは直
線関係ないので詳しい説明は省略する。 摩耗量の評価は第2図に示す如き各試料1、
2、3(上試片)に残る摩耗痕径a、bの各3回
づつの測定値の平均により行つた。 またテスト条件は次の通りである。 テスト供試試料 ●シリンダ相当(下試片13):シリンダライナ
用鋳鉄製(FC25相当材)70L×17W×7t(mm)
の平板試験面バフ研磨仕上硬さHRB95、表
面粗さ0.5μ ●ピストンリング相当(上試片11):ピストン
リング用鋼製8〓×23L(mm)の端面を18Rの球
面仕上 試料1(従来技術)−硬質クロムめつきを8〓×
23L(mm)の端面に厚さ60μつけて試料面粗さ
を0.8μに調整。めつき硬さHv1020、母材硬
さHv440 試料2(従来技術)−ピストンリング用鋼材の上
に直接イオンプレーテイングによる窒化チタ
ンを厚さ5μつけて試料面粗さを0.8μに調整、
窒化チタン硬さHv1770、母材硬さHv440 試料3(本発明品)−硬質クロムめつきを厚さ
60μつけた上にイオンプレーテイングによる
窒化チタンを厚さ5μつけて試料面粗さを0.8μ
に調整、めつき硬さHv850、窒化チタン硬さ
Hv1780、母材硬さHv440 ●イオンプレーテイング条件 使用装置:蒸発源に電子ビームを使用し、
蒸発源近傍にイオン化電極を設けた高真空型
のイオンプレーテイング装置 処理条件:窒素分圧6×10-4Torr、基板
温度400℃、処理時間45分 摩耗試験条件 試験機:往復動摩擦試験機(第1図に概略図
示) 試験条件:ストローク50mm、ならし2Kg×
100cpm×5分、本試験20Kg×600cpm×30分、
潤滑油SAE#10エンジンオイル(ミスト状吹
きつけ) 次に、下地処理として、硬質クロムめつきに
限定した理由は、イオンプレーテイング処理時
に晒される温度履歴を受けても、耐摩耗性に必
要な高い硬度水準を維持でき、耐焼付性に優れ
た安価な皮膜が他にない為である。尚、第4図
はクロムめつきの熱履歴による一般的な硬さの
低下変化を示す特性線図である。 硬質クロムめつきの上に被覆する皮膜をイオ
ンプレーテイングによる窒化チタンに限定した
理由は、ピストンリング母材の機械的性質をそ
こなわない比較的低温で密着度の良好な皮膜を
形成できるのがイオンプレーテイング以外にな
く、窒化チタンは、耐摩耗、耐焼付性の必要条
件である高硬度、高融点の要件を満たすセラミ
ツクス質材の中で、靭性に富む皮膜でありピス
トンリングの様に応力負荷状態で使用れても剥
離、粗大クラツク発生のない皮膜の為である。 次に下地である硬質クロムめつきの厚さを好
ましくは10〜100μmに限定した理由は10μm未
満の場合は耐久性が充分でなく、100μmをこ
えると、イオンプレーテイング処理時、熱負荷
を受けた時に粗大クラツクの発生が顕著とな
り、窒化チタン皮膜にも粗大クラツクを誘発す
るからである。この粗大クラツクは、クラツク
のエツヂによるエツヂローデイングを起こし、
又皮膜のカケを誘発する等エンジンにとつて致
命的な悪影響を及ぼす。なお、最も好ましい厚
さは30〜70μmである。 硬質クロムめつきの硬さは、熱負荷をかける
ことにより第4図に示す如く低下する。従つ
て、イオンプレーテイング処理時に熱負荷を受
けると硬さ低下をきたす。そこで、下地クロム
めつきの硬さを種々かえて試料を作成し、往復
動摩擦試験機による摩耗試験を実施した結果を
第5図に示す。 第5図のテスト条件は次のとおりである ●シリンダ相当(下試片):シリンダライナ用
鋳鉄製70L×17W×7t(mm)の平板、試験面バ
フ研磨仕上 ●ピストンリング相当(上試片):ピストンリ
ング用鋳鉄製8〓×23L(mm)の端面を18Rの球
面加工、この端面に厚さ60μの硬質Crめつき
をつけて、下記第1表に示す熱処理を施した
後、イオンプレーテイングによる窒化チタン
を厚さ4μつけて、表面粗度を0.8μに調整
【表】
●イオンプレーテイング条件
使用装置:第3図と同じ
処理条件:窒素分圧7×10-4Torr、基板
温度300℃、処理時間35分 第5図の結果を見れば明らかな様に、下地クロ
ムめつきの硬さがHv600未満になると、急速に摩
耗量が増大する。従つて、下地クロムめつきの硬
さをHv600以上に限定するのが好ましい。下地ク
ロムめつきの硬さHv600以上を確保するには、イ
オンプレーテイング処理時の基板温度を600℃以
下にすることが必要で、これはピストンリング母
材の変形、軟化さらにCrめつきの粗大クラツク
発生防止の面からも重要である。又イオンプレー
テイングによる窒化チタン皮膜の密着度を確保す
る意味から、基板温度は300℃以上にすることが
望ましく、イオンプレーテイング時のピストンリ
ング温度は300〜600℃の間で処理し、好ましくは
400〜500℃が好ましい。 次に窒化チタンの厚さであるが、2μ未満では
耐久性の面で充分でなく、10μを越えると使用中
にクラツクの発生およびそこから派生するカケ等
が起きやすくなり相手シリンダを損傷させるなど
悪影響がでるので2〜10μの範囲とするのが望ま
しい。 窒化チタン皮膜の仕上面粗度を相手シリンダ相
当材(FC25相当材、硬さHRB94、表面粗さ
0.5μ)の摩耗との関係を第6図に示す。第6図か
ら明らかなように、窒化チタン皮膜の仕上面粗度
が1.5μを越えると、相手シリンダ材の摩耗が急激
に増大してくる。これは窒化チタン皮膜が非常に
硬い為、面粗度が粗くなると、相手材を削り取る
作用が働く為と考えられる。従つて相手シリンダ
を損傷させない面粗度として1.5μ以下に限定する
のが好ましい。なお最も好ましい面粗度は1.0μ以
下である。 上述の如く窒化チタン皮膜厚さは2〜10μと非
常に薄い為、ピストンリングを作製する場合、窒
化チタン皮膜をつける前段階でほぼ完成状態にし
ておき、窒化チタン皮膜をつけた後は、当リラツ
ピングを施す程度だけにする必要がある。従つ
て、後加工で最終仕上面粗度を調整するのは難し
い。またイオンプレーテイングによる窒化チタン
皮膜は薄い為、コーテイング後の面粗度は下地面
粗度にほぼならう。そこで、最終面粗度は下地ク
ロムめつきの面粗度でほぼきまることになり、下
地の加工状態が重要となる。硬質クロムめつきの
様に単一層でしかも硬い皮膜は面粗度をこまかく
するのが比較的容易であり、この面でも下地とし
て硬質クロムめつきを用いる利点がある。 尚、第6図のテスト条件は次の通りである。 ●シリンダ相当(下試片):シリンダライナ用鋳
鉄製70L×17W×7t(mm)の平板、試験面バフ研
磨仕上 ●ピストンリング相当(上試片):ピストンリン
グ用鋼材8〓×23L(mm)の端面を18Rの球面加工、
この端面に厚さ60μの硬質クロムめつきをつけ
て、面粗度を第2表に示す如く変えて研磨した
後、イオンプレーテイングによる窒化チタンを
厚さ4μつけてテストに供給した。
温度300℃、処理時間35分 第5図の結果を見れば明らかな様に、下地クロ
ムめつきの硬さがHv600未満になると、急速に摩
耗量が増大する。従つて、下地クロムめつきの硬
さをHv600以上に限定するのが好ましい。下地ク
ロムめつきの硬さHv600以上を確保するには、イ
オンプレーテイング処理時の基板温度を600℃以
下にすることが必要で、これはピストンリング母
材の変形、軟化さらにCrめつきの粗大クラツク
発生防止の面からも重要である。又イオンプレー
テイングによる窒化チタン皮膜の密着度を確保す
る意味から、基板温度は300℃以上にすることが
望ましく、イオンプレーテイング時のピストンリ
ング温度は300〜600℃の間で処理し、好ましくは
400〜500℃が好ましい。 次に窒化チタンの厚さであるが、2μ未満では
耐久性の面で充分でなく、10μを越えると使用中
にクラツクの発生およびそこから派生するカケ等
が起きやすくなり相手シリンダを損傷させるなど
悪影響がでるので2〜10μの範囲とするのが望ま
しい。 窒化チタン皮膜の仕上面粗度を相手シリンダ相
当材(FC25相当材、硬さHRB94、表面粗さ
0.5μ)の摩耗との関係を第6図に示す。第6図か
ら明らかなように、窒化チタン皮膜の仕上面粗度
が1.5μを越えると、相手シリンダ材の摩耗が急激
に増大してくる。これは窒化チタン皮膜が非常に
硬い為、面粗度が粗くなると、相手材を削り取る
作用が働く為と考えられる。従つて相手シリンダ
を損傷させない面粗度として1.5μ以下に限定する
のが好ましい。なお最も好ましい面粗度は1.0μ以
下である。 上述の如く窒化チタン皮膜厚さは2〜10μと非
常に薄い為、ピストンリングを作製する場合、窒
化チタン皮膜をつける前段階でほぼ完成状態にし
ておき、窒化チタン皮膜をつけた後は、当リラツ
ピングを施す程度だけにする必要がある。従つ
て、後加工で最終仕上面粗度を調整するのは難し
い。またイオンプレーテイングによる窒化チタン
皮膜は薄い為、コーテイング後の面粗度は下地面
粗度にほぼならう。そこで、最終面粗度は下地ク
ロムめつきの面粗度でほぼきまることになり、下
地の加工状態が重要となる。硬質クロムめつきの
様に単一層でしかも硬い皮膜は面粗度をこまかく
するのが比較的容易であり、この面でも下地とし
て硬質クロムめつきを用いる利点がある。 尚、第6図のテスト条件は次の通りである。 ●シリンダ相当(下試片):シリンダライナ用鋳
鉄製70L×17W×7t(mm)の平板、試験面バフ研
磨仕上 ●ピストンリング相当(上試片):ピストンリン
グ用鋼材8〓×23L(mm)の端面を18Rの球面加工、
この端面に厚さ60μの硬質クロムめつきをつけ
て、面粗度を第2表に示す如く変えて研磨した
後、イオンプレーテイングによる窒化チタンを
厚さ4μつけてテストに供給した。
【表】
●イオンプレーテイング条件
使用装置:第3図と同じ
処理条件:窒素分圧6×10-4Torr、基板温
度400℃、処理時間35分 また第6図における摩耗量の評価は第7図の様
に下試片(ライナ相当)の摩耗痕を3ヶ所アラサ
計で測定し、その摩耗深さの平均をとつた。 第8図に本発明によるピストンリングの種々の
断面形状を示す。A,Bは使用前の状態であり、
C,Dは使用後の状態である。1はピストンリン
グ母材、3はクロムめつき下地層、5は窒化チタ
ン被膜を示す。かような断面形状にすることによ
り、摩耗が進行してきて下地クロムめつき3が現
れても、摺動面全面の窒化チタン5が一度に磨滅
することなく一部に必ず窒化チタン皮膜が残るこ
とになり、摩耗の進行がおさえられる。すなわ
ち、窒化チタン皮膜の一部が磨滅して、下地クロ
ムめつきが現れても部分的に窒化チタン皮膜が残
つていれば、摩耗進行の大部分は硬い窒化チタン
で受ける為、全面に窒化チタンが残つている場合
と同程度の摩耗率で進むことになる。硬質クロム
めつき下地層を施さない場合は、下地即ち、母材
1が露出した場合母材1の部分でミクロスカツフ
イングを起こし、相手シリンダを損傷し、さらに
はピストンリング摩耗も促進させるが、本発明に
よるピストンリングは下地に耐摩耗、耐スカツフ
性にある程度実積のある硬質クロムめつきを処理
してある為、前記の様な不具合は生ぜず、比較的
薄い窒化チタン皮膜でも充分な耐久性を維持でき
るという特徴を有する。 尚、第8図Aに示すバレルフエース形状に対し
第8図Bに示す如く円周方向に1ないしは数本の
条痕を設けたピストンリング形状は、ピストンリ
ングの幅寸法の大きい場合に特に有効である。何
となればこれら条痕が油だまりとなり耐スカツフ
イング性を向上させるからである。 実施例 以下、本発明の実施例について述べる。 実施例 1 鋼製トツプリングと鋼製組合せオイルリングの
サイドレール外周に硬質クロムめつきをつけて、
バレル状に研磨加工し、厚さ50μ、面粗さを0.5μ
にしたものと、鋼製トップリングとサイドレール
母材の外周を直接バレル状に研磨加工し、面粗さ
を0.5μにしたものの上に、蒸発源に電子ビームを
使用し、蒸発源近傍にイオン化電極を設けた高真
空型のイオンプレーテイング装置を用いて、窒素
分圧6×10-4Torr、基板温度450℃、処理時間35
分の条件で厚さ5μの窒化チタン皮膜をつけた。
この時の窒化チタンの硬さはHv1790で外周表面
あらさは0.5μであり、下地クロムめつき硬さは
Hv790であつた。前記クロムめつきの上に窒化チ
タンをつけたトップリングおよびサイドレール
(本発明)と鋼製母材に直接窒化チタンをつけた
トップリング(SWOSC−V材、外周断面バレル
形状、表面粗さ0.5μ、硬さHv430)およびサイド
レール(SK−5材、外周断面円弧状、表面粗さ
0.5μ)(比較材)と従来の硬質クロムめつきをつ
けたトツプリング(SWOSC−V材、外周断面バ
レル形成、クロムめつき厚さ130μ、表面粗さ
0.5μ)及びサイドレール(SK−5材、外周断面
円弧状、クロムめつき厚さ120μ、表面粗さ0.5μ)
を、1300c.c.4サイクル、水冷4気筒のガソリンエ
ンジンに組込み、高鉛ガソリン(Pb3.2/usガロ
ン)を使用した全負荷200時間の耐久テストを実
施した。テスト後のトツプリングとサイドレール
の摩耗量および相手シリンダ(FC25相当材、表
面粗さ3.0μ、硬さHRB93)の上死点付近の摩耗
量測定結果を第9図に示す。本発明によるピスト
ンリングは、従来の硬質クロムめつきのみのピス
トンリングに対して、非常に少ない摩耗量を示し
ており、さらに母材に直接窒化チタンをつけたピ
ストンリングにくらべても、はるかに少ない摩耗
量を示した。なお、硬質クロムめつきの摺動外周
面はアプレツシブな摩耗による摺動キズが非常に
多く、又、母材に直接窒化チタンをつけたピスト
ンリングは母材が露出し、その母材部にミクロス
カツフイングが見られたが、本発明によるピスト
ンリングは、キズも少なくスカツフイングは全く
起きていなかつた。 実施例 2 球状黒鉛鋳鉄製トツプリングの外周に第8図
b)のように2本の条痕をつけて、硬質クロムめ
つきをつけ、バレル状に研磨加工し、厚さ60μ、
表面あらさを0.8μにしたものと、外周形状をプレ
ーンにして、硬質クロムめつきをつけ、プレーン
な形状に研磨加工し、厚さ60μ、表面あらさ0.8μ
にしたものと、同一母材に2本の条痕をつけ、バ
レル状に研磨加工し、表面あらさを0.8μにしたも
のの上に夫々実施例1と同じイオンプレーテイン
グ装置を用いて同一条件で厚さ5μの窒化チタン
皮膜をつけたもの、即ち、本発明によるシリンダ
No.2及びNo.3と、比較材のシリンダNo.4と、硬質
クロムめつきのみ(めつき厚さ120μ、外周断面
バレル状、表面粗さ0.8μ)をつけたトツプリング
(シリンダNo.1)を用意した。尚、窒化チタン皮
膜硬さはHv1770であり、下地クロムめつきの硬
さはHv780であり、外周表面あらさは0.9μであつ
た。これらの供試トツプリングを2956c.c.、4サイ
クル、水冷4気筒のデイーゼルエンジンに組込み
全負荷400時間の耐久テストを実施した。テスト
後のトツプリング外周摩耗と、相手シリンダ
(FC25相当材、表面粗さ3μ、硬さHRB97)の上
死点付近の摩耗量測定結果を第10図に示す。本
発明によるピストンリング(シリンダNo.2及びシ
リンダNo.3)は、非常に少ない摩耗量を示すと同
時に相手シリンダ摩耗も軽減している。比較材の
シリンダNo.4はすでに窒化チタン皮膜は残つてお
らず、窒化チタン皮膜が磨滅した後に摩耗が多く
なつたものと考えられる。また、ピストンリング
の断面形状はプレーン形よりバレル形の方が好ま
しいこともわかる。尚、しかしながら、特に図示
はしないが本発明においては断面プレーン形のピ
ストンリングに条痕を施したものでもよい。 発明の効果 以上の様に本発明のピストンリングはイオンプ
レーテイングによる窒化チタン皮膜の下地処理を
硬質クロムめつきに特定することにより、従来の
窒化チタン皮膜のみをつけたピストンリングの欠
点であつた耐久性不足を大幅に改善すると共に、
耐焼付性も改善でき、高負荷エンジン用のピスト
ンリングとして安定した性能を維持することがで
き、その工業的価値は大である。
度400℃、処理時間35分 また第6図における摩耗量の評価は第7図の様
に下試片(ライナ相当)の摩耗痕を3ヶ所アラサ
計で測定し、その摩耗深さの平均をとつた。 第8図に本発明によるピストンリングの種々の
断面形状を示す。A,Bは使用前の状態であり、
C,Dは使用後の状態である。1はピストンリン
グ母材、3はクロムめつき下地層、5は窒化チタ
ン被膜を示す。かような断面形状にすることによ
り、摩耗が進行してきて下地クロムめつき3が現
れても、摺動面全面の窒化チタン5が一度に磨滅
することなく一部に必ず窒化チタン皮膜が残るこ
とになり、摩耗の進行がおさえられる。すなわ
ち、窒化チタン皮膜の一部が磨滅して、下地クロ
ムめつきが現れても部分的に窒化チタン皮膜が残
つていれば、摩耗進行の大部分は硬い窒化チタン
で受ける為、全面に窒化チタンが残つている場合
と同程度の摩耗率で進むことになる。硬質クロム
めつき下地層を施さない場合は、下地即ち、母材
1が露出した場合母材1の部分でミクロスカツフ
イングを起こし、相手シリンダを損傷し、さらに
はピストンリング摩耗も促進させるが、本発明に
よるピストンリングは下地に耐摩耗、耐スカツフ
性にある程度実積のある硬質クロムめつきを処理
してある為、前記の様な不具合は生ぜず、比較的
薄い窒化チタン皮膜でも充分な耐久性を維持でき
るという特徴を有する。 尚、第8図Aに示すバレルフエース形状に対し
第8図Bに示す如く円周方向に1ないしは数本の
条痕を設けたピストンリング形状は、ピストンリ
ングの幅寸法の大きい場合に特に有効である。何
となればこれら条痕が油だまりとなり耐スカツフ
イング性を向上させるからである。 実施例 以下、本発明の実施例について述べる。 実施例 1 鋼製トツプリングと鋼製組合せオイルリングの
サイドレール外周に硬質クロムめつきをつけて、
バレル状に研磨加工し、厚さ50μ、面粗さを0.5μ
にしたものと、鋼製トップリングとサイドレール
母材の外周を直接バレル状に研磨加工し、面粗さ
を0.5μにしたものの上に、蒸発源に電子ビームを
使用し、蒸発源近傍にイオン化電極を設けた高真
空型のイオンプレーテイング装置を用いて、窒素
分圧6×10-4Torr、基板温度450℃、処理時間35
分の条件で厚さ5μの窒化チタン皮膜をつけた。
この時の窒化チタンの硬さはHv1790で外周表面
あらさは0.5μであり、下地クロムめつき硬さは
Hv790であつた。前記クロムめつきの上に窒化チ
タンをつけたトップリングおよびサイドレール
(本発明)と鋼製母材に直接窒化チタンをつけた
トップリング(SWOSC−V材、外周断面バレル
形状、表面粗さ0.5μ、硬さHv430)およびサイド
レール(SK−5材、外周断面円弧状、表面粗さ
0.5μ)(比較材)と従来の硬質クロムめつきをつ
けたトツプリング(SWOSC−V材、外周断面バ
レル形成、クロムめつき厚さ130μ、表面粗さ
0.5μ)及びサイドレール(SK−5材、外周断面
円弧状、クロムめつき厚さ120μ、表面粗さ0.5μ)
を、1300c.c.4サイクル、水冷4気筒のガソリンエ
ンジンに組込み、高鉛ガソリン(Pb3.2/usガロ
ン)を使用した全負荷200時間の耐久テストを実
施した。テスト後のトツプリングとサイドレール
の摩耗量および相手シリンダ(FC25相当材、表
面粗さ3.0μ、硬さHRB93)の上死点付近の摩耗
量測定結果を第9図に示す。本発明によるピスト
ンリングは、従来の硬質クロムめつきのみのピス
トンリングに対して、非常に少ない摩耗量を示し
ており、さらに母材に直接窒化チタンをつけたピ
ストンリングにくらべても、はるかに少ない摩耗
量を示した。なお、硬質クロムめつきの摺動外周
面はアプレツシブな摩耗による摺動キズが非常に
多く、又、母材に直接窒化チタンをつけたピスト
ンリングは母材が露出し、その母材部にミクロス
カツフイングが見られたが、本発明によるピスト
ンリングは、キズも少なくスカツフイングは全く
起きていなかつた。 実施例 2 球状黒鉛鋳鉄製トツプリングの外周に第8図
b)のように2本の条痕をつけて、硬質クロムめ
つきをつけ、バレル状に研磨加工し、厚さ60μ、
表面あらさを0.8μにしたものと、外周形状をプレ
ーンにして、硬質クロムめつきをつけ、プレーン
な形状に研磨加工し、厚さ60μ、表面あらさ0.8μ
にしたものと、同一母材に2本の条痕をつけ、バ
レル状に研磨加工し、表面あらさを0.8μにしたも
のの上に夫々実施例1と同じイオンプレーテイン
グ装置を用いて同一条件で厚さ5μの窒化チタン
皮膜をつけたもの、即ち、本発明によるシリンダ
No.2及びNo.3と、比較材のシリンダNo.4と、硬質
クロムめつきのみ(めつき厚さ120μ、外周断面
バレル状、表面粗さ0.8μ)をつけたトツプリング
(シリンダNo.1)を用意した。尚、窒化チタン皮
膜硬さはHv1770であり、下地クロムめつきの硬
さはHv780であり、外周表面あらさは0.9μであつ
た。これらの供試トツプリングを2956c.c.、4サイ
クル、水冷4気筒のデイーゼルエンジンに組込み
全負荷400時間の耐久テストを実施した。テスト
後のトツプリング外周摩耗と、相手シリンダ
(FC25相当材、表面粗さ3μ、硬さHRB97)の上
死点付近の摩耗量測定結果を第10図に示す。本
発明によるピストンリング(シリンダNo.2及びシ
リンダNo.3)は、非常に少ない摩耗量を示すと同
時に相手シリンダ摩耗も軽減している。比較材の
シリンダNo.4はすでに窒化チタン皮膜は残つてお
らず、窒化チタン皮膜が磨滅した後に摩耗が多く
なつたものと考えられる。また、ピストンリング
の断面形状はプレーン形よりバレル形の方が好ま
しいこともわかる。尚、しかしながら、特に図示
はしないが本発明においては断面プレーン形のピ
ストンリングに条痕を施したものでもよい。 発明の効果 以上の様に本発明のピストンリングはイオンプ
レーテイングによる窒化チタン皮膜の下地処理を
硬質クロムめつきに特定することにより、従来の
窒化チタン皮膜のみをつけたピストンリングの欠
点であつた耐久性不足を大幅に改善すると共に、
耐焼付性も改善でき、高負荷エンジン用のピスト
ンリングとして安定した性能を維持することがで
き、その工業的価値は大である。
第1図は本発明の摩耗試験に使用した公知の往
復動摩擦試験機の概要図、第2図は摩耗量の評価
方法を示す摩耗痕径の寸法を示す図、第3図は従
来技術との比較において本発明のピストンリング
についての摩擦試験結果を示すグラフ、第4図は
硬質クロムめつきの熱履歴による硬さ低下を示す
グラフ、第5図は下地硬質クロムめつきの硬さと
摩耗量との関係についての摩擦試験結果を示すグ
ラフ、第6図はイオンプレーテイングによる窒化
チタンの表面粗度と相手材の摩耗深さとの関係に
ついての摩擦試験結果を示すグラフ、第7図は第
6図に示す試験におけるシリンダ相当材(下試
片)の摩耗量の評価方法を示す試料片の測定個所
を示す図、第8図A,Bは本発明のピストンリン
グの2種類の断面模式図であり、第8図C,Dは
夫々の使用後の状態を示す断面模式図、第9図は
従来技術との比較おいて本発明トツプリング及び
サイドレールの耐久試験結果を示すグラフ、第1
0図は従来技術との比較において別の条件下で行
つた本発明ピストンリングの耐久試験を示すグラ
フ。 1……母材、3……クロムめつき、5……窒化
チタン。
復動摩擦試験機の概要図、第2図は摩耗量の評価
方法を示す摩耗痕径の寸法を示す図、第3図は従
来技術との比較において本発明のピストンリング
についての摩擦試験結果を示すグラフ、第4図は
硬質クロムめつきの熱履歴による硬さ低下を示す
グラフ、第5図は下地硬質クロムめつきの硬さと
摩耗量との関係についての摩擦試験結果を示すグ
ラフ、第6図はイオンプレーテイングによる窒化
チタンの表面粗度と相手材の摩耗深さとの関係に
ついての摩擦試験結果を示すグラフ、第7図は第
6図に示す試験におけるシリンダ相当材(下試
片)の摩耗量の評価方法を示す試料片の測定個所
を示す図、第8図A,Bは本発明のピストンリン
グの2種類の断面模式図であり、第8図C,Dは
夫々の使用後の状態を示す断面模式図、第9図は
従来技術との比較おいて本発明トツプリング及び
サイドレールの耐久試験結果を示すグラフ、第1
0図は従来技術との比較において別の条件下で行
つた本発明ピストンリングの耐久試験を示すグラ
フ。 1……母材、3……クロムめつき、5……窒化
チタン。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ピストンリングの少なくとも摺動外周面に硬
質クロムめつき下地層を被覆すると共に該硬質ク
ロムめつき層上にイオンプレーテイングによる窒
化チタン皮膜を被覆せしめた内燃機関用ピストン
リングであつて、 上記硬質クロムめつき下地層はその厚さが10〜
100μmで硬さがHv600以上であり、かつ窒化チタ
ン皮膜の厚さは2〜10μmであり、更に摺動外周
面の面粗度は1.5μ以下であり、摺動外周面には円
周方向に1ないし複数本の条痕が形成されること
を特徴とするピストンリング。 2 摺動外周面の形状はバレル状であることを特
徴とする特許請求の範囲第1項に記載のピストン
リング。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14509683A JPS6036759A (ja) | 1983-08-10 | 1983-08-10 | 内燃機関用ピストンリング |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14509683A JPS6036759A (ja) | 1983-08-10 | 1983-08-10 | 内燃機関用ピストンリング |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6036759A JPS6036759A (ja) | 1985-02-25 |
| JPH0133658B2 true JPH0133658B2 (ja) | 1989-07-14 |
Family
ID=15377276
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14509683A Granted JPS6036759A (ja) | 1983-08-10 | 1983-08-10 | 内燃機関用ピストンリング |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6036759A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2823602B2 (ja) * | 1989-09-27 | 1998-11-11 | 臼井国際産業株式会社 | ピストンリング |
| JPH112323A (ja) * | 1997-06-10 | 1999-01-06 | Hino Motors Ltd | ピストンリング |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS59127858U (ja) * | 1983-02-18 | 1984-08-28 | 日本ピストンリング株式会社 | ピストンリング |
-
1983
- 1983-08-10 JP JP14509683A patent/JPS6036759A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6036759A (ja) | 1985-02-25 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |