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JPH0224850B2 - - Google Patents
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JPH0224850B2 - - Google Patents

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JPH0224850B2
JPH0224850B2 JP18998182A JP18998182A JPH0224850B2 JP H0224850 B2 JPH0224850 B2 JP H0224850B2 JP 18998182 A JP18998182 A JP 18998182A JP 18998182 A JP18998182 A JP 18998182A JP H0224850 B2 JPH0224850 B2 JP H0224850B2
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formula
copolymer
terephthalic acid
diallyl ester
acid diallyl
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JP18998182A
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Wataru Tanaka
Masanari Oosuga
Takeshi Kuri
Sadao Takakuwa
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Osaka Soda Co Ltd
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Daiso Co Ltd
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Priority to FR8317392A priority patent/FR2535327B1/fr
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  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、従来公知文献未記載のテレフタル酸
ジアリルエステル共重合体に関し、テレフタル酸
ジアリルエステル重合体の好ましい性質を実質的
に維持できて且つ改善された曲げ強さ及び顕著に
改善された耐衝撃性を示すテレフタル酸ジアリル
エステル共重合体に関する。とくに、テレフタル
酸ジアリルエステルとベンジル位に少なくとも1
個の水素原子を有する芳香族炭化水素とからみち
びかれた従来公知文献未記載のテレフタル酸ジア
リルエステル共重合体であつて、高度の寸法安定
性、熱時の剛性、耐熱性、電気的特性などに優れ
た性質を示し、耐衝撃性に特に優れ且つ容易に成
形でき、たとえばエンジニアリングプラスチツク
スとして有用なテレフタル酸ジアリルエステル共
重合体に関する。本発明はまた、このような共重
合体の製法にも関する。 更に詳しくは、本発明は、下記式() で表わされるテレフタル酸ジアリルエステルと下
記式(2) 但し式中、R1及びR2は、それぞれ、水素原子
及び低級アルキル基より成る群からえらばれた基
を示し、 nは1〜3の整数を示す、 で表わされるベンジル位に少なくとも1個の水素
原子を有する芳香族炭化水素とから導かれ、下記
式(3) 及び下記式(4) の繰り返し単位を有するテレフタル酸ジアリルエ
ステル共重合体であつて、 (a) 該式(1)モノマー単位の末端に該式(2)モノマー
単位1個が、上記ベンジル位に於て該式(1)モノ
マー単位のアリル基とその3 C 及び/又は3 ′ C と
炭素−炭素結合した構造を有し、 (b) 該共重合体中の式(1)モノマー単位のアリル基
で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分の該式
(1)モノマー単位の数が3〜11個、好ましくは3
〜10個であり、 (c) ウイス(Wijs)法で測定したヨウ素価で表
わした不飽和度が40〜85、好ましくは45〜80
で、 (d) 25℃における真比重が1.20〜1.25、好ましく
は1.21〜1.25で、 (e) GPC(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグ
ラフイー)法で測定したポリスチレン換算数平
均分子量(n)が4000〜10000で、重量平均
分子量(w)が70000〜200000であり、且つ (f) 上記nとwとの比w/nで表わした
分子量分布が10〜40である ことを特徴とするテレフタル酸ジアリルエステル
共重合体に関する。 従来、ジアリルフタレート樹脂は、寸法安定
性、熱時の剛性などの機械的特性、耐熱性、電気
的特性などに優れ、高い信頼度を要求される分野
で広く使われているが、一方、該樹脂は脆く、靭
性が不十分である難点があり、近年、成形品の小
型化に伴つて、その成形品の肉薄部分や小さな突
起部分などの割れや欠け発生の問題が大きくなつ
てきた。 このような技術課題の克服を意図して、配合技
術の向上やポリマーブレンドによるジアリルフタ
レート樹脂の脆さを改良する提案は多数なされて
いる。たとえば、ガラス繊維などの充填剤で補強
する方法、可撓性をもつポリエステルやゴム状の
ポリマーなどで変性する方法が知られている。し
かしながら、これらの方法はいずれも、ジアリル
フタレートの優れた特性を損わずに、靭性を付与
しようと意図したにもかかわらず、その目的を達
成しているとはいい難い。 例えば、上記の充填剤による方法においては、
成形品中に長繊維充填剤を残しておかねばならな
いが、そのためには混練方法や成形方法に大きな
制約を受け、実用的でない。又、上記の他のポリ
マー等で変性する方法においては、寸法安定性、
耐熱性、機械的強度、電気的特性、成形性のいず
れかが不当に低下するのが普通である。このよう
に従来提案の方法では、その改善可能な限界に達
しており、満足し得る改善を達成するためには従
来提案の方法にはもはや多くを望めないのが現状
である。 一方、ポリブチレンテレフタレート(PBT)
やポリフエニレンサルフアイド(PPS)を始めと
する熱可塑性樹脂の進歩は著しく、耐熱性や電気
的特性の優れた樹脂や配合技術も開発され、生産
性のよいこともあつて、従来ならば熱硬化性樹脂
が使われる分野も含めて、広い分野で採用される
ようになつてきた。しかしながら、あくまで熱可
塑性であるため、クリープによる変形や耐熱性の
面でトラブルがあり、特に高温高湿下での長期間
の使用に際しての信頼度は熱硬化性樹脂のそれに
は及ばない。 本発明者らは、従来のジアリルフタレート樹脂
に匹敵するか、或いはそれ以上の諸特性を有し、
それに加えて、さらに改善された高い衝撃値を有
する強靭な熱硬化性樹脂を開発すべく研究を行つ
てきた。 その結果、前記式(1)のテレフタル酸ジアリルエ
ステルと前記式(2)で表わされるベンジル位に少な
くとも1個の水素原子を有する芳香族炭化水素と
が共重合体を形成すること、及び形成された共重
合体は従来公知文献未記載のテレフタル酸ジアリ
ルエステル共重合体であつて、テレフタル酸ジア
リルエステル重合体の好ましい性質を実質的に維
持し、更に、改善された曲げ強さ及び顕著に改善
された耐衝撃性を示す新規な高分子化合物である
ことを発見した。このような知見は従来完全に未
知であつた。 式(1)化合物と式(2)化合物とが上記優れた性質を
有する新規な高分子化合物を形成するという全く
新しい知見に基いて、さらに研究を進めた結果、
前記式(1)のテレフタル酸ジアリルエステルと前記
式(2)で表わされるベンジル位に少なくとも1個の
水素原子を有する芳香族炭化水素とを、有機過酸
化物の存在下に、特定の制御された反応条件を選
択して反応させることによつて、反応再現性よく
共重合反応して、(a)、該式(1)モノマー単位の末端
に該式(2)モノマー単位1個が上記ベンジル位に於
て該式(1)モノマー単位のアリル基とその3 C 及び/
又は3 ′ C と炭素−炭素結合した構造を有し、(b)、
該共重合体中の式(1)モノマー単位のアリル基で形
成された炭素−炭素結合分子鎖部分の該式(1)モノ
マー単位の数が3〜11個、好ましくは3〜10個で
ある構造的特徴を持つ本発明の新規なテレフタル
酸ジアリルエステル共重合体が得られることが発
見された。このような反応条件の選択は、上記新
しい知見を知つてはじめてなし得たことであつ
て、このような選択それ自体、従来完全に未知で
あつた。更に、得られた従来公知文献未記載のテ
レフタル酸ジアリルエステル共重合体は、選ばれ
た条件下では、さらに硬化して不溶不融の三次元
高分子となりうる、いわゆるプレポリマーとして
取り出すことができる新規な熱硬化性樹脂である
ことが発見された。 従来、テレフタル酸ジアリルエステルの重合に
際して、低級脂肪族アルコール類や芳香族炭化水
素類を溶媒として利用できることは知られていた
(例えば、特公昭35−943号)。又、フタル酸ジア
リルエステルのプレポリマーの製造に於て重合率
の向上を意図して、連鎖移動剤としてクメンやジ
イソプロピルベンゼンの如き芳香族炭化水素類を
添加剤として利用する提案(特公昭48−1832号)
も知られている。 しかしながら、前述したとおり、前記改善性質
を有する新規共重合体の存在やその形成可能なこ
とについては完全に未知であつたので、そのよう
な共重合体の形成に役立つ如何なる知見もこれら
先行技術には開発されていない。当然のことなが
ら式(1)テレフタル酸ジアリルエステルと式(2)芳香
族炭化水素との共重合反応及び共重合体について
は、上記先行技術を包含して、従来、如何なる公
知文献にも記載されていない。 本発明者等の研究の結果、特定の制御された反
応条件を選択することによつて、従来、単に反応
溶媒或は連鎖移動剤としてのみ認識されていた芳
香族炭化水素中、前記式(2)に特定されたベンジル
位に少なくとも1個の水素原子を有する芳香族炭
化水素が、式(1)テレフタル酸ジアリルエステルの
共重合成分としてポリマー鎖中に入りこんで前記
(a)及び(b)の構造的特徴を持つ共重合体を形成し、
この共重合体が前記の優れた改善性質を示す極め
て有用な新規共重合体であることが発見された。 従つて、本発明の目的は新規なテレフタル酸ジ
アリルエステル共重合体及びその製法を提供する
にある。 本発明の上記目的及び更に多くの他の目的なら
びに利点は、以下の記載から一層明らかとなるで
あろう。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、下記式(1) で表わされるテレフタル酸ジアリルエステルと下
記式(2) 但し式中、R1及びR2は、それぞれ、水素原子
及び低級アルキル基より成る群からえらばれた基
を示し、 は1〜3の整数を示す、 で表わされるベンジル位に少なくとも1個の水素
原子を有する芳香族炭化水素とから導かれ、下記
式(3) 及び下記式(4) の繰り返し単位を有するテレフタル酸ジアリルエ
ステル共重合体であつて、 (a) 該式(1)モノマー単位の末端に該式(2)モノマー
単位1個が、上記ベンジル位に於て該式(1)モノ
マー単位のアリル基とその3 C 及び/又は3 ′ C と
炭素−炭素結合した構造を有し、 (b) 該共重合体中の式(1)モノマー単位のアリル基
で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分の該式
(1)モノマー単位の数が3〜11個、好ましくは3
〜10個であり、 (c) ウイス(Wijs)法で測定したヨウ素価で表
わした不飽和度が40〜85、好ましくは45〜80
で、 (d) 25℃における真比重が1.20〜1.25、好ましく
は1.21〜1.25で、 (e) GPC(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグ
ラフイー)法で測定したポリスチレン換算数平
均分子量(n)が4000〜10000で、重量平均
分子量(w)が70000〜200000であり、且つ (f) 上記nとwとの比w/nで表わした
分子量分布が10〜40である、 ことを特徴とするテレフタル酸ジアリエステル共
重合体である。 本発明の一好適態様によれば、本発明共重合体
は、下記いずれかの特性を更に有する。 (g) 軟化範囲50〜120℃、好ましくは約60゜〜約
110℃、更に好ましくは約70゜〜約100℃である、 (h) 50重量%メチルエチルケトン溶液の粘度80〜
300センチポイズ(30℃)である、 (i) ブラベンダープラストグラフで測定したブラ
ベンダー溶融粘度が250〜2600m・g、好まし
くは400〜2500m・gで、プロセツシング時間
が5〜65分である。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、上記のとおり、(a)式(1)モノマー単位の末端
に式(2)モノマー単位1個が、上記ベンジル位に於
て、該式(1)モノマー単位のアリル基とその3 C 及
び/又は3 ′ C と炭素−炭素結合した構造を有す
る。更に、(b)該共重合体の式(1)モノマー単位のア
リル基で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分の
該式(1)モノマー単位の数が3〜11個、好ましくは
3〜10個であるという構造的特徴を有する。 この構造を、式(2)化合物としてトルエン(R1
=R2=H,n=1)を用いた場合を例に示すと、
下記のように示すことができる。 上記式(A)構造部分に於て、Rは未反応のアリル
基CH2=CH−CH2−及び/又は該共重合体の他
の分子鎖部分を構成するアリル基から導かれた鎖 を表わす。このような態様の例として下記式
(C1で表わされる構造部分(C1)をあげることがで
きる。 上記式(A)構造部分中、式(1)モノマー単位のアリ
ル基で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分の該
式(1)モノマー単位の数は式(A)に示したとおり3〜
11、好ましくは3〜10である。そして、この炭素
−炭素結合分子鎖部分〔式(B)構造部分〕は、上記
式(A)に示した下記頭−尾結合〔式(B1)構造部
分〕 のほかに、下記頭−頭結合部分〔式(B2)構造
部分〕を有することができる。 上記構造部分(C1)中の式(1)モノマー単位は
2つのエステル結合を介して2つの式(B)構造部分
を結合させる分岐点を構成している。又、Rが未
反応のアリル基の場合は、下記式(C2)で表わ
すことができる。 この式(C2)構造部分は、本発明のテレフタ
ル酸ジアリルエステル共重合体の硬化に際して架
橋点となる部分である。この(C2)構造部分に
おけるアリル基の二重結合は、後記する(c)ウイス
(Wijs)法で測定したヨウ素価で表わされる不飽
和度の主要部(約90%以上)を占める。 以上に説明したように、本発明のテレフタル酸
ジアリルエステル共重合体は、(a)、式(1)モノマー
単位の末端に式(2)モノマー単位1個が、式(2)モノ
マーのベンジル位に於て式(1)モノマーのアリル基
とその3 C 及び/又は3 ′ C と炭素−炭素結合した構
造を有し、且つ(b)該共重合体の式(1)モノマー単位
のアリル基で形成された炭素−炭素結合分子鎖部
分〔式(B)構造部分〕の該式(1)モノマー単位の数が
3〜11個好ましくは3〜10個であるという構造的
特徴を有する。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体の上記(a)及び(b)の構造的特徴は、テレフタル酸
ジアリルエステル共重合体の寸法安定性、熱時剛
性、耐熱性、電気的特性などの優れた性質を維持
しながら、改善された曲げ強さ、顕著に改善され
た耐衝撃性、成形容易性などの諸性質の向上に、
他の特徴(b)〜(f)との結合要件下に、大きく関与し
ている。 尚、本発明共重合体の上記(a)及び(b)の構造的特
徴は、下記のようにして測定決定される。 構造的特徴(a)及び(b)の測定確認方法:− 試料テレフタル酸ジアリルエステル共重合体
を真空乾燥器に入れ、室温で油回転真空ポンプ
及び拡散ポンプで減圧にし、恒量になるまで乾
燥する。 上記乾燥該共重合体をクロロホルム−dに濃
度10〜20重量%となるように溶解し、室温〜40
℃でプロトンNMRを測定する。60〜300MHz
のNMR装置が使用できる。同スペクトルよ
り、該共重合体が式(1)モノマー単位及び式(2)モ
ノマー単位からなる構造を有することを確認す
ると同時に、それぞれの芳香核の水素原子数の
比率を求め、該共重合体中の式(1)モノマー単位
と式(2)モノマー単位の比率を求める。 上記乾燥該共重合体100重量部をエタノール
性1規定水酸化カリウム(試薬特級水酸化カリ
ウム135重量部を99.5%エタノール2400容量部
に溶解したもの)と共に24時間加熱還流し、該
共重合体のエステル結合部分を加水分解して切
断する。反応生成物をろ過し、ろ液を塩酸々性
にしたのち再びろ過し、ろ液を減圧濃縮する。
濃縮中に生じた沈殿をろ過して除きながら、水
浴50〜70℃、5mmHg以下で恒量になるまで揮
発分を除く。得られた蒸発残渣を加水分解物と
する。 上記加水分解物をジメチルスルホキシド−d6
に濃度5〜10重量%となるように溶解し、プロ
トン及び1 3 C −NMRスペクトルを測定する。 プロトンNMRは60〜90MHz、室温〜100℃
で測定し、ポリアリルアルコールに式(2)モノマ
ー単位が化学結合した構造を確認する。また、
式(2)モノマー単位の側鎖アルキル基のベンジル
位の水素原子数とベンジル位以外の水素原子数
との比率から、反応したベンジル位の水素は一
つだけであることを確認する。 13C−NMRは90MHz、40℃で測定し、5万
〜6万回積算して、スペクトルを得る。同スペ
クトルより、式(2)モノマーにおいてn≠1の場
合はポリアリルアルコールと炭素−炭素結合で
結合したベンジル位の炭素原子と未反応で残つ
ているベンジル位の炭素原子の2種類の存在を
確認し、かつプロトンNMRから求められた構
造とを照合し、一端に式(2)モノマーがそのベン
ジル位でポリアリルアルコールと結合した加水
分解物の構造が確認される。式(2)モノマーにお
いてn=1の場合は、未反応で残つているベン
ジル位の炭素原子は存在しないし、本発明の方
法においては、芳香核の炭素原子は、本発明に
おける共重合反応には関与しないので(n=0
すなわちベンゼンの場合は式(1)モノマーとは共
重合反応しない)、この場合も式(2)モノマーは
ポリアリルアルコールの一端に結合する。 加水分解物のマススペクトルを測定する。
m/eが{式(2)モノマーの分子量−1}+58n
(n=0,2,3,……)の位置にピークを示
すことを確認する。 以上により、該共重合体中の式(1)モノマー単
位のアリル基で形成された炭素−炭素結合分子
鎖部分当り、1個の式(2)モノマー単位が該分子
鎖部分の末端に結合した構造が決定される。 加水分解物の分子量を蒸気圧浸透法で測定す
る。 使用機種 日立パーキンエルマー115型または114
型分子量測定装置 溶 媒 メタノール 温 度 40℃ 1×10-1〜5×10-1wt%の希薄溶液を4〜5点
つくり測定装置にて△Rを求め検量線(ベンジル
を用いて作成)より見かけの分子量を求める。横
軸に濃度C、縦軸に見かけの分子量をとり、各点
をプロツトしC→0に外挿し、数平均分子量n
を求める。求めた分子量から{式(2)モノマーの分
子量−1}を引き、アリルアルコールの分子量58
で除して、該共重合体中の式(1)モノマー単位のア
リル基で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分の
式(1)モノマー単位の数を求める。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、(c)ウイス(Wijs)法で測定したヨウ素価
で表わした不飽和度が40〜85好ましくは45〜80で
ある特徴を有する。 このヨウ素価は、上述したとおり、本発明共重
合体の(C2)構造部分に於けるアリル基の二重
結合に主として由来している。普通、約90%以上
がこの二重結合に由来する不飽和度であつて、残
余は前記の式(A)構造中の(B)構造部分の式(2)モノマ
ー単位と反対側の部分(後に述べる)に存在し得
る二重結合に由来するであろう。この(C2)構
造部分が、本発明のテレフタル酸ジアリルエステ
ル共重合体の硬化に際して架橋点となる部分であ
つて、(C2)構造部分の数で表わすと、該共重合
体一分子中に約6〜約137程度である。従つて、
(B)構造部分を構成する式(1)モノマー単位の中でR
が基CH2=CH−CH2−のもの、すなわち、(C2
構造部分をとるものの比率は約43〜約83%程度で
ある。そして残余はRが
【式】で表わ される(C1)構造部分の形をとり、単位鎖同志
の架橋点もしくは分岐点となつているものと認め
られる。 上記特徴(c)のヨウ素価で表わした不飽和度が40
〜85好ましくは45〜80であることは、従来法で得
られた実用に供し得るテレフタル酸ジアリルエス
テル重合体のそれが80〜95程度であるのに比して
相対的に低いことを意味し、本発明のテレフタル
酸ジアリルエステルの共重合体が示す改善された
曲げ強さ及び顕著に改善された耐衝撃性の達成
に、前記(a)及び(b)の構造的特徴と密接に関連し、
更に、これらと他の特徴(d),(e)及び(f)との結合要
件下に、互いに影響し合つて役立つている。 上述のように、構造的特徴(a)及び(b)と関連し
て、特徴(c)のヨウ素価が40未満で小さすぎると、
硬化速度の不当な遅延、機械的強度の低下、耐衝
撃性の低下、耐熱性の悪化などの不都合を生じ、
該ヨウ素価が85を超えて大きすぎると、耐衝撃性
の低下、コンパウンド形成時のゲル化物発生その
他の加工性の悪化、硬化時の歪発生などの欠点を
生ずる。 尚、本発明に於て、特徴(c)のヨウ素価は、ウイ
ス法により測定決定された価であつて、下記の方
法により測定決定される。 (c) ヨウ素価の測定決定方法:− 試料共重合体を0.25〜0.35gの範囲内で精秤
し、200mlの共栓付三角フラスコ内に入れ、約30
mlのクロロホルムを加えて試料を完全に溶解す
る。これにWijs試薬(三塩化ヨウ素7.9gおよび
ヨウ素8.2gを、それぞれ200〜300mlの氷酢酸に
溶解したのち、両液を混合して1とする)をホ
ールピペツトで正確に20ml加え、次に2.5%酢酸
第二水銀氷酢酸溶液10mlを加えた後20分間暗所に
放置して反応を完結させる。 これに新しく作つた20%KI溶液を5mlを加え、
1%澱粉溶液を指示薬として用い、0.1N−
Na2S2O3標準液にて滴定する。滴定の際には激し
く振とうする。同時に空試薬も行なう。 ヨウ素価=(A−B)××1.27/s A:空試験に要した0.1N−Na2S2O3液のml数 B:本試験に要した0.1N−Na2S2O3液のml数 :0.1N−Na2S2O3液の力価 s:試料のg数 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、(d)25℃に於ける真比重が1.20〜1.25好まし
くは1.21〜1.25である特徴を有する。 この真比重は、従来のテレフタル酸ジアリルエ
ステルの重合体の真比重が1.24〜1.27程度である
のに比して、本発明の共重合体の真比重は相対的
に低比重であることを意味しており、前記の構造
的特徴(a)及び(b)と関連し、更に、これらと他の特
徴(c),(e)及び(f)との結合要件下に、互いに影響し
合つて、耐衝撃性の向上及び軽量化に役立つてお
り、良好な機械的強度、耐熱性の維持にも影響し
ている。 この特徴(d)真比重が1.20未満で小さすぎると、
耐衝撃性、機械的強度、耐熱性の低下を生じ、ま
た、1.25を超えて大きすぎる場合にも耐衝撃性の
悪化を生ずる。 尚、本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共
重合体の上記特徴(d)の真比重は、下記測定法によ
り測定決定される価である。 (d) 真比重の測定決定方法:− 該共重合体約7gを金型を用いて、直径30mm厚
み約10mmの円板状のタブレツトをつくる。空気抜
きのため約570Kg/cm2で加圧次いで解圧する操作
を4〜5回繰返したのち、約1400Kg/cm2でプレス
してタブレツトとし、厚さ50μのポリエチレンテ
レフタレートフイルムにはさみ、高周波予熱器で
該共重合体の軟化範囲近くまで予熱したのち圧力
約1400Kg/cm2で約30秒間プレスして板状とする。
プレス温度は該共重合体の軟化範囲の上限より10
〜20℃高く設定する。プレスより取り出して放冷
後、目視で気泡のない部分を選び20mm角程度に折
りとつて試験片とする。 測定は25゜±0.5℃の恒温室中で行なう。試験片
及び測定に使用するイオン交換水は恒温室内に一
昼夜置いて調温しておく。試験片を天秤から吊す
ためのクリツプ等の治具を用意する。 試験片の重量agを測定する。次に先に用意し
た水中での治具の重量cgと、治具に試験片を取
付け、水中での試験片と治具の総重量bgとを測
定する。試験片の比重を次式から求める。 試験片の比重=a/(a−b+c) 試験片3点の平均値を該共重合体の25℃におけ
る真比重とする。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、(e)GPC(ゲル・パーミエーシヨン・クロマ
トグラフイー)法で測定したポリスチレン換算数
平均分子量(n)が4000〜10000で、重量平均
分子量(w)が70000〜200000である。 この分子量は、従来のテレフタル酸ジアリルエ
ステルの重合体のnが約6000〜20000程度であ
るのに比して、本発明共重合体では相対的にn
が低く、又、従来のテレフタル酸ジアリルエステ
ルの重合体のwが約60000〜約130000程度であ
るのに比して、本発明共重合体では相対的にw
が高いことを意味しており、前記の構造的特徴(a)
及び(b)と関連し、更に、これらと他の特徴(c),(d)
及び(f)との結合要件下に、互いに影響し合つて、
耐衝撃性及び機械的強度の向上、耐熱性の維持、
加工性や成形性の向上などにも役立つている。 上記n及びwが小さすぎると該共重合体の
粘度低下、軟化範囲の低下、硬化物の硬度低下、
機械的強度の悪化、などの不都合を生じ、また、
大きすぎると、耐衝撃性の低下、加工性や成形性
の悪化などを生ずる。 尚、本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共
重合体の上記特徴(e)のn及びwは、下記の測
定法により測定決定される価である。 (e) n及びwの測定決定方法:− ゲルパーミエーシヨンクロマトグラフ法により
測定決定する。ウオーターズ社製150CGPCを使
用し、同社製データモジユールによりデータ処理
し、n及びwを計算する。カラムはウオータ
ーズマイクロカラムシリーズから、102Åを2本、
5×102Å、103Å、104Å及び105Å各1本をこの
順序に直列に接続して用い、テトラヒドロフラン
を溶媒とし、温度25℃、流量2.0ml/minで測定
する。 先ず検量線を作製する。6種類の数平均分子
量のわかつた市販標準ポリスチレン(数平均分
子量はそれぞれ350000,217000,92600,9100,
3570,1790)およびテレフタル酸ジアリルモノ
マー(分子量246)について測定して、それぞ
れの保持時間を求める。得られたデータを上記
データモジユールに入力し、数平均分子量と保
持時間の関係を三次曲線で近似した検量線を得
る。 試料共重合体20mgをテトラヒドロフラン20ml
を溶解したものから、約3mlを専用サンプルビ
ンにとり、オートサンプリング装置を用いて測
定する。データは上で作製した検量線に基づい
て、データモジユール内で自動的に処理され、
Mn及びwが計算される。ピークは15秒間隔
で分割し、それぞれの分割点の分子量をMi、
ピークの高さをHiとすると、次式 n=ΣHi/Σ(Hi/Mi)及びw=ΣMiHi/ΣHi により計算が行われる。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、(f)上記nとwとの比w/nで表わ
した分子量分布が10〜40である。 このw/nで表わされた分子量分布は、従
来のテレフタル酸ジアリルエステルの重合体が約
5〜10程度であるのに比して、本発明の共重合体
のそれは相対的に大きいことを意味しており、前
記の構造的特徴(a)及び(b)と関連し、更に、これら
と他の特徴(c),(d)及び(e)との結合要件下に、互い
に影響し合つて、耐衝撃性の向上、良好な曲げ弾
性率、適度な硬化速度などに役立つ影響を与えて
いる。 このw/nの値が10未満で小さすぎると耐
衝撃性が低下し、また成形に際して、溶融時の流
れも悪くなり、40を超えて大きすぎると硬化速度
が不当に遅延する欠陥を生ずる。 更に、本発明のテレフタル酸ジアリルエステル
共重合体は、以上に説明した特徴(a)〜(f)を有する
点で特徴的であり且つ従来のテレフタル酸ジアリ
ルエステル重合体と異なる共重合体であるが、さ
らに下記(g)〜(i)の特徴の少なくとも一つを更に示
すのが好ましい。 本発明テレフタル酸ジアリルエステル共重合体
は、好ましくは(g)軟化範囲50〜120℃、好ましく
は約60゜〜約110℃、さらに好ましくは約70゜〜約
100℃を示す。 この軟化範囲は、従来のテレフタル酸ジアリル
エステルの重合体のそれが約100℃までであつた
のに比して、相対的に高軟化温度側へシフトして
いることを意味しており、本発明共重合体の前述
した特徴(a)〜(f)と結合要件下に加工性、成形性に
優れ、硬化時に歪の発生を回避するのに役立つ。
軟化範囲が上記範囲から離れて小さすぎると成形
性が悪化し、また硬化速度の不当な遅延を伴う不
利益があり、大きすぎると加工性が劣り、成形性
も悪化し、さらに成形歪が大きくなるなどの難点
を生ずる。 尚、本発明において軟化温度は、下記測定法に
より測定決定される価である。 (g) 軟化温度の測定決定:− メトラー社製PF61光透過式自動融点測定装置
を用いる。 試料共重合体をめのう乳鉢で十分に粉砕し、
付属の毛細管にすきまができないよう注意し
て、高さ約4mmになるように充填する。上記装
置にセツトし、温度約40℃から毎分0.2℃で昇
温し、セツトした試料の光透過率を測定する。
測定結果は記録紙上に記録し、温度と光の透過
率の関係を示す添付図面のような測定曲線を得
る。図中、横軸が温度、縦軸が光透過率を示
す。 融解前の直線XAを延長する。融解時の直線
YFを延長する。融解途中の曲線AFの直線部分
CDを両側に延長し、前に引いた二本の直線と
の交点B及びEを求める。このようにしてでき
た三角形ABCの面積を二等分するようにBを
通る直線を引いて、測定曲線との交点B′を求
める。同様にして交点E′を求める。横軸から、
B′及びE′の温度を読みとり、B′とE′の間を試料
の軟化範囲とする。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、好ましくは(h)50重量%メチルエチルケトン
溶液の粘度が80〜300センチポイズ(30℃)であ
る。 この好適条件は、次項(i)の好ましいブラベンダ
ー溶融粘度特性と共に、すでに述べた本発明共重
合体の他の特徴との結合要件下に、本発明の共重
合体の加工性、成形性の向上に役立ち、適度な硬
化速度、硬化歪発生防止などにも役立つている。 上記のように、本発明のテレフタル酸ジアリル
エステルは、好ましくは(i)ブラベンダープラスト
グラフで測定したブラベンダー溶融粘度が250〜
2600m・g、好ましくは400〜2500m・gで、プ
ロセツシング時間が5〜65分、好ましくは10〜60
分である。 尚、本発明に於いて、粘度、ブラベンダー溶融
粘度、プロセツシング時間の測定決定は下記のと
おりである。 (h) 粘度の測定決定:− 容量100mlの三角フラスコに試料共重合体15〜
25gを精秤し、同重量のメチルエチルケトンを加
えて溶解し、50重量%溶液とする。この溶液をウ
ベローデ型粘度計に移し、予め30℃に調製してお
いた恒温水槽に入れ、15分間静置したのち測定す
る。流下時間tをストツプウオツチで10分の1秒
の単位まで測定する。3回測定を繰返して平均値
をとる。また適当な市販粘度計校正用標準液を用
いて、上記ウベローデ型粘度計の係数を求めて
おく。一方、ゲイリユサツク比重瓶を用いて、試
料溶液の比重d30 4を測定する。求める粘度ηは次
式 η=t××d30 4 で算出する。 (i) ブラベンダー溶融粘度及びプロセツシング時
間の測定決定:− ブラベンダー社(独)製のブラベンダープラス
トグラフにより測定する。混練室容量50c.c.で、ロ
ータ型式はW50Hである。試料共重合体50gにス
テアリン酸亜鉛0.5gを加え、よく混合して均一
に分散させたものを測定材料とする。混練室温度
130℃、ロータ回転数毎分22回転で測定を行い、
混練時間に対する混練抵抗の変化をm・g単位の
トルク曲線として記録紙上に記録する。測定は、
混練抵抗が5000m・gに達するまで続ける。記録
紙のトルク曲線から、トルクの最低値を読みと
り、ブラベンダー溶融粘度とし、一方、試料投入
終了時から、混練抵抗が5000m・gに達するまで
の時間を、記録紙から読みとつて、プロセツシン
グ時間と決定する。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体の構造的特徴については、すでに特徴(a),(b)及
び(c)に関して詳しく述べた。ここでトルエンを式
(2)化合物として用いた場合について示した前記式
(A)構造中の(B)構造部分の式(2)モノマー単位と反対
側の部分は、重合の停止反応または破壊的連鎖移
動反応に関わる部分であり、従つて種々の構造を
とり得るので一つの構造で示すことはできない。
本発明者等の検討によれば、例えば、以下のよう
ないくつかの構造が入り混つて存在する。 その一つのタイプは、式(A)構造中の式(B)構造部
分すなわち式(B1)及び/又は式(B2)構造部
分の末端ラジカル同志のカツプリングにより生ず
る構造であつて、たとえば、下記のような場合を
包含する。 他のタイプとしては、式(B)構造部分の末端のラ
ジカルによる他からの水素引き抜き反応により生
ずる構造であつて、たとえば、下記のような場合
を包含する。 更に他のタイプとして、式(B)構造部分の末端の
ラジカル間の不均化反応による不飽和結合の生成
した構造があり、たとえば、下記のような場合を
包含する。 その他に、式(B)構造部分の末端のラジカルと式
(2)モノマーの一つのベンジル位に生じたラジカル
との反応による末端構造、テレフタル酸ジアリル
エステルモノマー或は部分構造に含まれるアリル
基が、そのアリル位の水素原子を引き抜かれて生
じたアリルラジカル同志の反応で生成した末端構
造、その他の種々の末端構造が存在し得るであろ
う。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、たとえば、以下に例示する方法によつて、
特定の制御された反応条件を選択して、下記式(1) で表わされるテレフタル酸ジアリルエステルと、
下記式(2) 但し式中、R1及びR2は、それぞれ、水素原子
及び低級アルキル基より成る群からえらばれた基
を示し、 は1〜3の整数を示す、 で表わされるベンジル位に少なくとも1個の水素
原子を有する芳香族炭化水素とを共重合反応せし
めることにより製造できる。既に詳しく述べたよ
うに、本発明により、このような共重合体が実在
できること及びその特徴ならびに同定手段が解明
された以上、これらを指針にして他の製造変更態
様を実験的に設定して、他の製造手段を採用する
ことは当業者の容易になし得るところである。従
つて、本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共
重合体は、以下に例示する製造態様によつて限定
されるものでないことを理解すべきである。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体は、例えば、以下に式(2)化合物としてキシレン
を用いた態様で詳しく説明するように、例えば、
「かご」効果(cage effect)条件下に、式(1)化合
物と式(2)化合物とを、公知の有機過酸化物やアゾ
化合物触媒の存在下に、反応させることにより製
造することができる。以下に、テレフタル酸ジア
リルエステル(DAT)とキシレンとを過酸化ジ
−tert−ブチル(DTBPO)触媒を用いて重合す
る態様を例に、製造例について詳しく述べる。 重合槽にキシレンを仕込み、テレフタル酸ジア
リル(DAT)、過酸化ジ−tert−ブチル
(DTBPO)及びキシレンの三成分を、モル比が
2.0〜8.4:0.5:1なる比率を保ちながら、重合区
域のある一点に設けたノズルから、同時的に重合
槽に連続的に供給しつつ、強力な撹拌下に重合操
作を行う。予め重合槽に仕込んでおくべきキシレ
ンの量は、重合反応に使用するDATの重量の5
倍以上の重量がよい。キシレンとDTBPOは、重
合槽に供給する前に、上記の比率で混合しておく
のが好都合であり、また、この混合物は約5℃以
下に冷却しておくのがよい。その理由は、
DTBPOが熱分解して、tert−ブトキシラジカル
を生じ、このラジカルがキシレンのメチル基から
水素を引き抜いてメチルベンジルラジカルを生成
し、それがカツプリングするおそれを防ぐためで
ある。 上記ノズルは例えば二重管とし、内管からキシ
レンとDTBPOの混合液を、該内管の円周部を取
囲むようにつくられた外管から、約15℃以下に冷
却しておいたDATを供給するように設計するの
が好都合である。内管は外管より短くし、液相へ
供給される直前で三成分が混合されるようにする
のが好結果をもたらし、好ましい。重合槽の空間
部に、ノズルから供給されたDATやDTBPOが
逃げて、上記の比率を乱すのを防ぐために、ノズ
ル出口は常に液相中にあるように設置することが
望ましい。撹拌にはタービン翼その他の撹拌効率
の高い手段を利用するのがよく、周速度約20m/
秒以上となるように強力に撹拌することが好まし
い。この例では、重合温度は約140〜170℃とする
のが適当である。DTBPOの常圧における沸点は
109℃であるから、これを十分液相中に保ち且つ
上記の比率を維持するために、反応器は密閉系と
する。したがつて、DAT及びキシレンと
DTBPOの混合物の供給にはそれぞれ高圧ポンプ
を使用する。 例えば、以上の態様によつて、高温の液相系中
へ、温度、粘度、組成の異る成分を供給し、速か
に分散させると、微視的にみれば、DAT,
DTBPO及びキシレンの三成分からなる微小な無
数の「かご」を液相中に分散させてかご効果条件
を具現することができる。これら成分を充分に離
れて位置するノズルから供給したのでは、個々の
成分が液相中にそれぞれ分散するだけで、所望の
かご効果条件を達成し難い。又、所定量を当初か
ら一度に仕込んだ場合も同様である。 例えば上述のようにして、DATとキシレンか
らなる「かご効果」条件下に反応を行うことによ
り、0.5モルのDTBPOは熱分解して1モルのt
−ブトキシラジカルを生じるが、該ラジカルの
DATへの付加を制御できるように、該ラジカル
は、始めからキシレンで希釈して使用し、また
DATも予め約15℃に冷却して、活性度を低下さ
せておくのがよい。斯くて、かご効果条件の反応
により、該ラジカルが定量的にかご内のキシレン
から水素を引き抜き1モルのメチルベンジルラジ
カルを生成し、このラジカルはDATへの付加能
力が大きいので、かご内のDATのアリル基の炭
素に付加して、重合が開始する。 このようにして、上記製造例によれば、「かご」
の中ではメチルベンジルラジカルが、先ずDAT
モノマーを攻撃することによつて、重合を開始さ
せるようにすることができる。 一方、重合槽内は強力に撹拌されているから、
「かご」内の分子は系内に速やかに均一に分散、
溶解して、予め重合槽に仕込んであつた多量のキ
シレンによる十分な希釈効果によつて、DATモ
ノマーのアリル重合の成長反応速度は極めて遅く
なり、停止反応の速度が相対的に大きくなつて、
メチルベンジルラジカルがそのベンジル位に於て
DATモノマーのアリル基とその3 C 及び/又は3 ′ C と炭素−炭素結合した構造を伴つて付加して生
じたラジカルの数だけ重合体分子ができることに
なる。従つて、単位鎖の大きさは、供給した
DATモノマーとDTBPOのモル比以上にはなり
得ないで、単位鎖すなわちキシレン分子1個と
DATモノマー単位のアリル基で形成された炭素
−炭素結合分子鎖部分のDATモノマー単位の数
が3〜11個からなる分子鎖が生成するように反応
を制御することができるものと推測される。 供給した各成分の比率により目的とする組成と
構造を有する共重合体を得るためには、先ずキシ
レンからの水素引き抜き反応を「かご」が破壊さ
れるまでに定量的に行わせるために、この例にお
ける温度は約140〜170℃の高温が好ましい。また
DTBPOから生じたt−ブトキシラジカルが「か
ご」から出て、重合の開始効率を低くしたり、も
つと重要なことは、共重合体中のキシレンと
DATの比率を乱すことを防ぐためにも、前述し
たように、ノズルは一点に設けるのが好都合であ
る。 重合反応の進行と共に、単位鎖と単位鎖の反
応、成長しつつある単位鎖とすでに生成した単位
鎖との反応、さらに重合反応が進むと、単位鎖が
いくつか反応して大きな分子になつた共重合体も
反応に関与してくるようになるが、これらの段階
では、重合体中のDATモノマーユニツトの未反
応アリル基が反応に加わつてくる。すなわち二つ
の単位鎖が少くとも一つのDATモノマーを共有
することによつて、重合体がさらに大きくなつて
いくのである。従つて、単位鎖のどの部分が反応
するかによつて、共重合体全体の構造が、ラダー
状に伸びるか、枝分れの多い丸まつた形をとるか
が決まつてくる。 本発明の共重合体を形成するのにもう一つの非
常に重要な点がここにある。テレフタル酸ジアリ
ル共重合体を伸びた形にするためには、メチルベ
ンジルラジカルが、すでに生成した重合体に結合
しているアリル基ではなく、DATモノマーのア
リル基に付加したアリルラジカルを生じ、キシレ
ン分子1個とDATモノマー1個(2個以上でも
あり得る)から生じたかさ高いラジカルが、実質
的な成長の開始点として働きうるように反応を制
御すべきである。 周知のように、耐衝撃性を向上させる一つの方
法は、綿状に伸びた分子鎖に十分からみあいを起
こさせながら、適度な架橋密度で硬化させること
であろう。またこのようないわゆる高分子効果の
発現するのが、一般に分子量5000前後からである
ことも知られている。 上記のように、糸まり状ではなく、基本的に伸
びた構造の重合体をつくつておくことが、耐衝撃
性の向上には必須である。前述した製造例の方法
によれば、アリルラジカルに付加しやすいメチル
ベンジルラジカルを生成させ、これを先ずDAT
モノマーに付加させてかさ高いラジカルをつくる
ように反応を制御できることにより、分子鎖の成
長に際して、分子鎖中の立体的な障害のある内部
よりも末端にあるアリル基への反応を優先的に起
こさせるように制御できるようになり、そのこと
によつて、ラダー状に伸びた形の共重合体の製造
が可能となつたものと推測している。 更に、前述の製造例によれば、系全体としては
DATとDTBPOのモル比は一定に保たれている
ので、キシレン分子1個のDATモノマー単位の
アリル基で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分
すなわち単位鎖の長さは平均し、ほぼ一定に制御
することができる。本発明による共重合体への成
長は、これら単位鎖同志の反応を含む過程を経て
達成されるが、分子鎖中のすべての位置に単なる
確率論的に反応を起こさせるならば、上に説明し
たように重合体は広がるよりもむしろ糸まり状の
構造をとりやすい。分子鎖間でループ状の場所も
できやすく、これはゲル化を促す。 所定量のDAT,DTBPO及びキシレンを、所
定の供給速度で供給を終了して共重合をおえたの
ち、たとえば、脂肪族炭化水素類またはアルコー
ル類を用いて共重合体を分離し、乾燥すれば、熱
硬化性樹脂であつて、しかも耐衝撃性の非常に優
れた本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重
合体を得ることができる。 使用する脂肪族炭化水素類の例としては、ヘキ
サン、ヘプタンなどを例示でき、又、アルコール
類の例としては、メタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、tert−ブチルアルコールな
どを例示することができる。 以上、本発明のテレフタル酸ジアリルエステル
共重合体を製造するための特定の制御された反応
条件選択の指針をまじえて、一製造例について詳
しく述べたが、前述したように、本発明のテレフ
タル酸ジアリルエステル共重合体、その構造的特
徴ならびに同定手段が本発明により明らかにされ
た以上、上記指針を勘案して、当業者は、種々の
他の製造変更態様を実験的に容易に設定すること
ができる。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体を形成するのに用いる前記式(2)のベンジル位に
少なくとも1個の水素原子を有する芳香族炭化水
素の有する基R1及びR2は、それぞれ、水素原子
及び低級アルキル基より成る群からえらばれる
が、該低級アルキル基としてはC1〜C5のアルキ
ル基が例示できる。このような式(2)化合物の例と
しては、たとえば、トルエン、エチルベンゼン、
n−プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、
n−ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、sec
−ブチルベンゼン、n−アミルベンゼン、sec−
アミルベンゼン、イソアミルベンゼン、(2−メ
チルブチル)−ベンゼン、o−キシレン、m−キ
シレン、p−キシレン、キシレン異性体混合物、
プソイドクメン、1,2−ジエチルベンゼン、
1,3−ジエチルベンゼン、1,4−ジエチルベ
ンゼン、1,2−ジプロピルベンゼン、1,3−
ジプロピルベンゼン、1,4−ジプロピルベンゼ
ン、ジイソプロピルベンゼン類、p−シメン、
1,2−ジブチルベンゼン、1,3−ジブチルベ
ンゼン、1,4−ジブチルベンゼン、1,2−ジ
イソアミルベンゼン、1,3−ジイソアミルベン
ゼン、1,4−ジイソアミルベンゼン、1,2,
3−トリメチルベンゼンなどを例示することがで
きる。 又、本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共
重合体を形成するのに用いる有機過酸化物触媒、
アゾ化合物触媒の例としては、以下の如き化合物
を例示することができる。 過酸化ジ−tert−ブチル、過酸化−sec−ブチ
ル、過酸化tert−ブチル−sec−ブチル、過酸化
ジクミル等の過酸化ジアルキル類や過酸化ジアリ
ール類。 過酸化ベンゾイル等の過酸化ジアロイル類や過
酸化ジアシル類。 過シユウ酸ジ−tert−ブチル、過安息香酸tert
−ブチル等の如き過カルボン酸のアルキルエステ
ル類;2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、
2,2′−アゾビス−(2−メチルブチロニトリ
ル)、2,2′−アゾビス−(2−メチルヘプタニト
リル)、1,1′−アゾビス−(1−シクロヘキシル
カルボニトリル)、2,2′−アゾビスイソ酪酸メ
チル、4,4′−アゾビス−(4−シアノペンタン
酸)、アジドベンゼン等の如きアゾ化合物;tert
−ブチルヒドロペルオキシド、sec−ブチルヒド
ロペルオキシド、テトラリルヒドロペルオキシ
ド、クミルヒドロペルオキシド、ベンジルヒドロ
ペルオキシド、ベンズヒドリルヒドロペルオキシ
ド、デカリルヒドロペルオキシド、アセチルペル
オキシド、シクロヘキシルヒドロペルオキシド、
n−デシルヒドロペルオキシド等のヒドロペルオ
キシド類;更に、分子状酸素によつて、酸化され
やすい化合物、本発明においてはテレフタル酸ジ
アリルエステル、式(2)で表わされるベンジル位に
少くとも1個の水素原子を有する芳香族炭化水素
或いは本発明共重合体が相当するが、これらが予
め或いは共重合反応中に空気または酸素により酸
化して過酸化物を生成させれば、本発明の共重合
反応の触媒として十分使用できる。 既に述べたように、従来のテレフタル酸ジアリ
ルエステル重合体樹脂は、靭性に欠ける点がしば
しば指摘され、成形品の取扱い中に落としたりす
ると欠けやすい、リブ等の出つぱり部分が破損し
やすい、電子回路のコネクターとして使用した場
合にプリント配線基板との接触面が破損しやす
い、ネジのタツプ立てのときに割れやすい等各種
の不満が実用面にあつた。さらに、近年、電子機
器及び部品類の小型化に伴い、たとえばコネクタ
ーのピンの間隔も狭くすることを要求される。耐
熱性を要求されるハンダ付けのほか、圧接着によ
る配線方法が広まり、熱可塑性樹脂の進出を許し
てはいるが、やはり寸法安定性、耐熱性、耐クリ
ープ性等の要求から、熱硬化性樹脂を使用する場
合も多い。したがつて、ジアリルフタレート樹脂
の靭性、耐衝撃性を改良することは、業界の強い
要望であつた。 従来、耐衝撃性はシヤルピーやアイゾツド衝撃
値で比較されていたが、これらは肉厚の場合の尺
度となり得ても、肉薄の場合になるとしばしば事
情が変つてくる。そこで本発明者らは、部品の小
型化という情勢も考慮して、薄板による落錘試験
を主として採用することにした。このテストによ
り、同一条件で比較テストした結果、本発明のテ
レフタル酸ジアリルエステル共重合体樹脂の落錘
衝撃値は、従来のテレフタル酸ジアリルエステル
重合体樹脂が20〜30mm程度であるのに対して、約
80mm以上、後に実施例17に示すように189mmにも
達する予想外且つ顕著に改善された耐衝撃性を有
するという特徴的性質を示す。更に、曲げ強さに
おいても、従来のテレフタル酸ジアリルエステル
重合体樹脂が4.0〜6.3Kg/mm2程度であるのに対し
て、本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重
合体樹脂は約6Kg/mm2以上、後に実施例21に示す
ように7.4Kg/mm2にも達する優れた曲げ強度を示
す。 この様に、本発明のテレフタル酸ジアリルエス
テル共重合体樹脂は、特にすぐれた耐衝撃性を備
え、改善された曲げ強度を示し、同時に、成形収
縮が小さく、耐熱性、耐クリープ性、寸法安定
性、耐薬品性、機械的強度、電気絶縁性にも優
れ、特に、長期間、高温高湿の苛酷な条件下での
すぐれた絶縁性能及び高温で負荷のかかつた状態
での変形に対する抵抗性と寸法安定性というジア
リルフタレート樹脂のすべての性能を満足し、或
いは凌駕し、さらに、前述のような驚くべき靭性
を付加した優れた熱硬化性樹脂である。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体樹脂は、所望に応じて、たとえば、充填剤、重
合促進剤、重合禁止剤、内部離型剤、カツプリン
グ剤、顔料、その他の添加剤を該共重合体樹脂の
特性を損わない範囲で配合して用いて、成形加工
性あるいは成形品の物性を改善することができ
る。 充填剤の例としては、無機及び/又は有機質の
充填剤が利用でき、これらは一種でも複数種併用
してでも利用できる。その使用量としては、該共
重合体樹脂重量に基いて、約1〜約300重量%の
如き使用量を例示することができる。これら充填
剤の具体例として、無機質の充填剤の例として
は、タルク、マイカ、アスベスト、ガラス粉末、
シリカ、クレー、シラス、酸化チタン、酸化マグ
ネシウム、炭酸カルシウム、アルミナ、アスベス
ト繊維、シリカ繊維、ガラス繊維、シリケートガ
ラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、ボロン繊
維、ベリリウム繊維、スチール繊維、ホイスカー
等;有機質の充填剤の例としては、セルロース等
の天然繊維、パルプ、アクリル繊維、ポリエチレ
ンテレフタレート等のポリエステル系繊維、木
綿、レーヨン、ビニロン等を例示することができ
る。 重合促進剤の例としては、たとえば、ナフテン
酸或いはオクトエ酸のコバルト塩、バナジウム
塩、マンガン塩等の金属石けん類、ジメチルアニ
リン、ジエチルアニリンの如き芳香族第三級アミ
ン類などを例示できる。その使用量としては、本
発明共重合樹脂重量に基いて、約0.005〜約6重
量%の如き使用量を例示することができる。 さらに、重合禁止剤の例としては、たとえば、
p−ベンゾキノン、ナフトキノンの如きキノン
類、ハイドロキノン、p−tert−ブチルカテコー
ル、ハイドロキノンモノメチルエーテル、p−ク
レゾールの如き多価フエノール類、塩化トリメチ
ルアンモニウムの如き第四級アンモニウム塩類な
どを例示できる。その使用量としては、本発明共
重合体樹脂重量に基いて約0.001〜約0.1重量%の
如き使用量を例示することができる。 内部離型剤の例としては、たとえば、ステアリ
ン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン
酸マグネシウムの如きステアリン酸の金属塩など
を例示することができる。その使用量としては、
本発明共重合体樹脂重量に基いて約0.1〜約5重
量%の如き使用量を例示することができる。 さらに又、カツプリング剤の例としては、たと
えば、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシ
シラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリ
メトキシシランなどを例示することができる。そ
の使用量としては、本発明共重合体樹脂重量に基
いて約0.01〜約3重量%の如き使用量を例示する
ことができる。 顔料の例としては、たとえば、カーボンブラツ
ク、鉄黒、カドミイエロー、ベンジジンイエロ
ー、カドミオレンジ、ベンガラ、カドミレツド、
コバルトブルー、アントラキノンブルーの如き顔
料を例示でき、その使用量としては、本発明共重
合体樹脂重量に基いて、約0.01〜約10重量%の如
き使用量を例示することができる。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体樹脂は、すでに特徴Cについて詳しく述べたよ
うに、(C2)構造部分に於けるアリル基の二重結
合に主として由来する不飽和基を、ウイス法で測
定したヨウ素価で表わした不飽和度として45〜80
有し、さらに硬化して不溶不融の三次元高分子と
なり得るプレポリマーである。従つて、本発明の
共重合体樹脂は、適当な過酸化物、たとえば過酸
化ジクミル、過安息香酸tert−ブチル、過酸化ジ
−tert−ブチルなどの過酸化物の適当量、たとえ
ば該共重合体樹脂重量に基いて約0.1〜6重量%
の如き量を配合して加熱すると不可逆的に硬化し
得る熱硬化性樹脂で、該共重合体樹脂それ自体の
形で、或は上記例示の如き充填剤等の添加剤を含
むコンパウンドの形で各種の成形方法により各種
の成形物に成形することができる。 該共重合体樹脂の硬化に用いうる過酸化物とし
ては上記のほかに、メチルエチルケトンペルオキ
シド、シクロヘキサノンペルオキシドの如きケト
ンペルオキシド、1,1−ビス(tert−ブチルペ
ルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキ
サンの如きペルオキシケタール、クメンヒドロペ
ルオキシドの如きヒドロペルオキシド、過酸化ラ
ウロイル、過酸化ベンゾイル、過酸化2,4−ジ
クロルベンゾイルの如き過酸化ジアロイルや過酸
化ジアシル、ジイソプロピルペルオキシジカルボ
ネートの如きペルオキシカルボネート、tert−ブ
チルペルオキシアセテート、tert−ブチルペルオ
キシピバレート、tert−ブチルペルオキシオクト
エートの如きペルオキシエステルが例示でき、更
に有機過酸化物以外のアゾビスイソブチロニトリ
ルの如きアゾ化合物も同様に用いることができ
る。 このような成形方法の例としては、本発明共重
合体樹脂のテレフタル酸ジアリルモノマー溶液を
金型中に注入して硬化させる注型法、該共重合体
樹脂を加熱して流動状態とし、これを金型に入れ
て加熱硬化させる射出成形法または移送成形法、
該共重合体樹脂を金型中で加熱加圧して硬化させ
る圧縮成形法、該共重合体樹脂を適当な有機溶剤
に溶解し、繊維状シートに含浸させ、乾燥後、必
要ならば加圧条件下に、繊維状シート中で該樹脂
を硬化させる積層板成形法、該共重合体樹脂の微
粉末もしくは溶液を基材に塗布し、基材上で硬化
させる塗装法、該共重合体樹脂溶液を印刷紙など
に含浸させ、乾燥後、基板上で加熱加圧して硬化
させる化粧板成形法などの成形方法を例示でき
る。成形に際して、硬化のための加熱温度として
は約120〜約190℃の如き温度を例示できる。又、
加圧条件を採用する場合の加圧としては、約5〜
約1000Kg/cm2の如き圧力を例示することができ
る。 本発明のテレフタル酸ジアリルエステル共重合
体樹脂は、単独で或は前記例示の如き添加剤を配
合して、更には他の樹脂類やモノマー類を組合せ
て広い分野に於て成形材料として利用できる。 例えば、コネクター、モーターのコンミテータ
ー、ガバナー、コイルボビン、リレー、スイツ
チ、端子板、イグニツシヨン、ブレーカー、ソケ
ツト、摺動抵抗体のバインダー、プリント配線基
板、電子部品および素子の封止材、コイル封入そ
の他の弱電乃至重電分野における絶縁材料などの
如き電気及び電子分野;例えば、プラスチツクブ
レーキのピストンその他の機械分野;例えば食器
類その他の日用品分野;例えば薬品もしくはスチ
ーム消毒を要するトレイ、容器類の如き医用材料
分野に於ける成形材料として有用である。 更に、該共重合体を、紙、不織布、ガラスクロ
ス等の如き繊維状シートに、溶剤の存在下または
不在下に含浸または塗布し、木、紙、金属その他
無機質基材に圧着硬化させるか、予め硬化させた
ものを、上記基材に貼着して化粧板の形で各種の
建材類、家具・インテリア類、キヤビネツト類、
厨房設備類、車両・船舶内装材その他の分野に有
用である。又、該共重合体をそのまま木材に含
浸・硬化すれば、木材プラスチツク複合体(いわ
ゆるWPC)となり、床材、縁甲板、のき天、建
築構造材、スポーツ用品等の分野に利用でき、さ
らに、又、ガラスクロスその他の繊維状シート構
造に含浸、積層した積層板として、高温高湿時の
諸特性を必要とする分野、たとえば、ターミナル
プレート、モーターなどのウエツジ、絶縁カラ
ー、スロツトアーマー、コイルセパレーターなど
の如き回転機関係分野、ダクトピース、バリヤ
ー、ターミナルプレート、操作棒、配電盤などの
パネル類、プリント配線基板、バリコン絶縁支持
体などの如き静止器関係分野に有用であり、更
に、温度・湿度変化が激しい場合でも寸法安定性
が優れ、良好な機械強度を必要とする分野、たと
えば、レードーム、ミサイルの羽根、ロケツトノ
ズル、ジエツト機のエヤダクトなど、又、各種化
学装置の部品の如き耐薬品性を必要とする分野、
アンテナ、スキー、スキーストツク、釣竿などの
如き耐候性、耐薬品性、機械的強度を必要とする
分野、その他塗料、他の樹脂類の成形用鋳型の材
料、ホツトスタンピング用樹脂、UV硬化イン
キ、レンズその他光学的用途の材料、ガラス繊
維、炭素繊維のバインダー、光、電子線或いはX
線を用いたリングラフイーにおけるレジスト膜用
樹脂など、広範囲の用途に供することができる。 以下、実施例により、本発明のテレフタル酸ジ
アリルエステル共重合体及びその製造例の数例に
ついて、更に詳しく説明する。 実施例 1〜12 タービン翼式可変式撹拌機、モノマー及び触媒
供給用二重管式供給ノズル、チツ素パージ口、リ
ーク弁、サンプリング口、温度計及び圧力計を備
えた内径600mm、内容積120のジヤケツト付
SUS304製重合槽を使用した。モノマー及び触媒
供給用二重管式供給ノズルは重合槽の胴部の液面
下に取り付け、重合槽にはいる前からは外管の内
径を1.5mmとし、供給配管中での滞留時間をでき
るだけ短くした。ノズルの閉塞に備えて、このよ
うなノズルを3個設置した。サンプリング口も重
合槽の胴部に設置し、重合反応中内圧を利用し
て、液相のサンプリングが採取できるようにし
た。チツ素パージ口には油回転式真空ポンプとチ
ツ素ボンベを接続し、必要に応じて切替えられる
ようにした。 上記重合槽に、後掲表1に示した式(2)芳香族炭
化水素(HC)の60Kgを仕込み、常温で、真空ポ
ンプで減圧にし、チツ素ガスで常圧に戻す操作を
3回繰返して槽内の空気をチツ素で置換したの
ち、再び減圧にし、重合槽を密閉した。撹拌機を
起動して240RPMで撹拌しながら、ジヤケツトに
スチームを通じて、温度140℃に昇温した。 撹拌速度を上げて720RPMとし、二重管式ノズ
ルの外管からテレフタル酸ジアリルを所定の速度
で、また同時に過酸化ジ−tert−ブチル
(DTBPO)と式(2)芳香族炭化水素(HC)をモル
比0.5:1となるように予め混合しておいたもの
を所定の速度で、吐出圧70Kg/cm2のポンプで重合
槽へ供給した。なお、実施例5のみは過酸化ジ−
tert−ブチルの代りに過酸化ジクミルを用いた。
この間、重合槽の温度は140℃を保つようにスチ
ームを調節した。なお供給すべき式(1)テレフタル
酸ジアリルエステル(DAT)は15℃に、過酸化
ジ−t−ブチルと芳香族炭化水素の混合物は5℃
にそれぞれ冷却し、重合槽へ至る配管はそれぞれ
保冷した。重合槽圧力は0.3〜2Kg/cm2Gであつ
た。 所定量のテレフタル酸ジアリル、芳香族炭化水
素、過酸化ジ−tert−ブチルの供給が終了すれ
ば、スチームをとめ、撹拌速度を下げて240RPM
とし、ジヤケツトに冷却水を通じて冷却した。常
温付近まで冷却したのち、リーク弁を開けて、常
圧に戻し、重合反応を終了した。 重合反応中はサンプリング口から適宜サンプル
を採取して、屈折率、及びGPCで反応を追跡し
た。 テレフタル酸ジアリル、芳香族炭化水素及び過
酸化ジ−tert−ブチルの供給速度と供給量を後掲
表1に示した。 上で得られた重合反応液を、薄膜式蒸発器を用
いて、揮発分を留去し、蒸発残分中の未反応芳香
族炭化水素の、共重合体と未反応テレフタル酸ジ
アリルの合計に対する比率を、重量で0.3:1と
し、次いで蒸発残分を、供給したテレフタル酸ジ
アリルの、重量で5倍のメタノールを仕込んだ撹
拌槽に滴下しながら撹拌し、共重合体を析出させ
た。析出した共重合体を同量のメタノールでよく
洗い、ろ過、乾燥、粉砕して粉末状の共重合体を
得た。 共重合体の収率及び物性は後掲表1に示した。 比較例 1 実施例1〜12において、式(2)芳香族炭化水素の
代りに、ベンゼンを用いたほかは、全く同様にし
て重合体を製造した。その結果を後掲表1に示し
た。 比較例 2 テレフタル酸ジアリル10Kg、過酸化ジ−tert−
ブチル25gの混合物を、撹拌下120℃で2時間反
応させ、冷却したのち、重合液を60Kgのメタノー
ル中に撹拌下滴下して重合体を析出させた。重合
体を各60Kgのメタノールを用いて3回洗浄して粉
状とし、ろ過、乾燥、粉砕して、テレフタル酸ジ
アリル単独重合体を得た。得られた重合体の物性
を下掲表1に示した。
【表】
【表】
【表】 実施例13〜24及び比較例3〜4 (a) 無充填コンパウンドの調製 実施例1〜12で得た共重合体をそれぞれ1Kgと
り、過酸化ジクミル20gを加え、予めよく混合し
たのち、ロール混練した。前ロール温度90〜100
℃、後ロール温度60〜80℃で5分間混練し、ロー
ルからシート状に取り出して、放冷後、荒く砕い
たものをヘンシエルミキサーで粉砕した。 (b) 無充填コンパウンドの圧縮成形 上で得た無充填コンパウンドを20〜30gとり、
金型を用いて手動プレスで直径50mm、厚さ10mmの
ほぼ円板状のタブレツトをつくり、高周波予熱器
で約80℃に予熱したのち、直ちに所定の温度に調
整しておいた圧縮成形用金型のキヤビテイの中央
部に置き、自動プレスで金型温度160℃、圧力100
Kg/cm2で所定の時間成形し、直径約100mm、厚さ
約2mmの円板状成形品を得た。 圧縮成形時間及び成形品物性は表2にまとめて
示した。 成形品物性の測定方法は表2の後に記載する通
りである。 比較のため、前記比較例1で得た重合体を用い
るほかは、上記実施例13〜24と同様にして無充填
コンパウンドを調製し、同様にして圧縮成形し、
同様にして試験した結果を表2に示した(比較例
3)。 同様に比較のため、前記比較例2で得た重合体
を用いるほかは、上記と同様に行ない、その結果
を表2に示した(比較例4)。
【表】
【表】
【表】 成形品の物性試験方法;− (1) ロツクウエル硬度: ロツクウエル硬度計(Mスケール)を用いて室
温で測定し、3点測定値の算術平均値で示す。 (2) 試験片の厚さ: 成形品試料の中央部に於てマイクロメーターを
用いて実測する。 (3) 比重: 成形品から任意の形状の試験片3点を切り出し
て用いる。各試験片の重量(aグラム)を実測す
る。試験片をつるす治具の水中での重量(cグラ
ム)を実測する。次いで、試験片を治具でつるし
て水中での総重量(bグラム)を実測し、下記式
により算出する。 比重=a/(a−b+c) 尚、測定は25±0.5℃で行ない、試験片3点の
算術平均値で示す。 (4) 寸法収縮率: 成形品試料の直径をマイクロメーターを用いて
実測し、金型キヤビテイ直径(100mm)との差を
求め、金型キヤビテイ直径で除して、100を乗じ
た値で示す。 (5) 曲げ強さ: 試験片:成形品3枚から巾約25mmの試験片を6
枚ダイアモンドカツターで切り出したもの
を用いる。 試験機:TENSILON/UTM−111−500(東洋
ボールドウイン社製) 測定条件:ロードセル50Kg 支持巾60mm クロスヘツドスピード1mm/分 計算はJIS K6918記載の公式に従い、6点の算
術平均値で示す。 (6) 落錘衝撃値: 成形品2枚から36個のテストピースをダイアモ
ンドカツターで切り出して測定にあてる。試験機
はデユポン式落球試験機(荷重500g、支持台フ
ラツト、撃芯/2インチR)を用い、デイクソン・
モード法により50%破壊高さを求める(参考:
JIS K7211)。 (7) DSC反応率: 成形品資料を微粉砕したテスト試料及び成形前
の無充填コンパウンドの夫々について、その発熱
量を差動走査熱量計(パーキンエルマー社製の
DSC−1B)を用いて測定し、下記式により算出
する。 DSC反応率(%)=(A−B)/A×100 式中、 Aは無充填コンパウンドの発熱量(cal/g) Bは微粉砕成形品の発熱量(cal/g) (8) 煮沸吸水率: 試験片寸法が直径100mm、厚み2mmの円板試験
料であるほかはJIS K6918に準じて求める。 (9) 耐熱性: 150℃の恒温槽中に2時間放置後、デシケータ
ー中で放冷した3枚の成形品を用いて行なう。各
成形品試験片について初期重量を実測する。つい
で、これら試験片を240゜±2℃に調整した恒温槽
中に適当な時間放置した後、デシケーター中で放
冷し、それぞれの重量を実測する。このとき、3
枚の試験片の重量減少の平均値が初期重量の10%
に達していない場合は、これらの試験片を再び
240゜±2℃の恒温槽に適当な時間放置したのち、
再び重量減少を求める。この操作を3枚の試験片
の重量減少の平均値が初期重量に対して10%に達
するまで繰返し、この試験に要した全日数を求め
て示す。 (10) 電気特性: (イ) 体積抵抗率 JIS K6918に準じて行なう。 (ロ) 誘電率 試験片の厚みを2mmとするほか、JIS
K6918に準じて行なう。 (ハ) 誘電正接 上記(ロ)と同様の試験片を用いて、JIS
K6918に準じて行なう。 (ニ) 絶縁破壊強さ JIS K6911に準じ行なう(短時間法)。 (ホ) 耐アーク性 試験片厚みが2mmであるほかは、JIS
K6918に準じて行なう。 実施例 25〜26 (a) フルコンパウンドの調製 前記実施例2及び4で得た共重合体をそれぞれ
1Kgをとり、下記に示したように配合し、前記実
施例13〜24に記載した無充填コンパウンドの調製
と同じようにして、フルコンパウンドを調製し
た。 該共重合体 100重量部 ガラス短繊維* 60 〃 炭酸カルシウム 40 〃 ジクミルパーオキサイド 2 〃 ステアリン酸カルシウム 1 〃 メタクリロキシシラン 0.6〃 ハイドロキノン 0.01〃 * 旭フアイバーグラス社製 (b) フルコンパウンドの圧縮成形 成形方法と条件、及び物性測定法は、前記実施
例13〜24に記載した無充填コンパウンドの場合と
同じである。 圧縮成形時間及び成形品物性は下掲表3にまと
めて示した。
【表】
【表】 実施例 27 実施例26で調製したフルコンパウンドを、射出
成形し、成形品の物性を測定した。射出成形条件
は下記に示した通りである。 機種 ミニスーパー60(各機製作所) 射出成形品取数 JIS曲げ強度試験片 1個 〃 衝撃強度試験片 1個 〃 熱変形温度試験片 1個 金型温度(固定側) 170℃ 〃 (可動側) 170℃ シリンダー温度前部 100℃ 〃 後部 40℃ 圧締圧力 1300Kg/cm2 射出量 105c.c. 射出圧力 800Kg/cm2 射出圧力保持時間 15秒 射出時間 3〜4秒 スクリユー回転数 毎分85回転 硬化時間 90秒 得られた成形品の物性を下掲表4に示した。 尚、射出成形品の物性測定法は以下の通りであ
る。 曲げ強さ:JIS K6918に準ずる シヤルピー衝撃強さ:同上 熱変形温度:同上
【表】 【図面の簡単な説明】
添付図面は、本発明共重合体の軟化温度の決定
に用いる温度−光透過率の関係を示すグラフであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 下記式(1) で表わされるテレフタル酸ジアリルエステルと下
    記式(2) 但し式中、R1及びR2は、それぞれ、水素原子
    及び低級アルキル基より成る群からえらばれた基
    を示し、 nは1〜3の整数を示す、 で表わされるベンジル位に少なくとも1個の水素
    原子を有する芳香族炭化水素とから導かれ、下記
    式(3) 及び下記式(4) の繰り返し単位を有するテレフタル酸ジアリルエ
    ステル共重合体であつて、 (a) 該式(1)モノマー単位の末端に該式(2)モノマー
    単位1個が、上記ベンジル位に於て該式(1)モノ
    マー単位のアリル基とその3 C 及び/又は3 ′ C と
    炭素−炭素結合した構造を有し、 (b) 該共重合体中の式(1)モノマー単位のアリル基
    で形成された炭素−炭素結合分子鎖部分の該式
    (1)モノマー単位の数が3〜11個であり、 (c) ウイス(Wijs)法で測定したヨウ素価で表
    わした不飽和度が40〜85で、 (d) 25℃における真比重が1.20−1.25で、 (e) GPC(ゲル・パーミエーシヨン・クロマトグ
    ラフイー)法で測定したポリスチレン換算数平
    均分子量(n)が4000〜10000で、重量平均
    分子量(w)が70000〜200000であり、且つ (f) 上記nとwとの比w/nで表わした
    分子量分布が10〜40である ことを特徴とするテレフタル酸ジアリルエステル
    共重合体。 2 該共重合体が、 (g) 軟化範囲50゜〜120℃である、 特許請求の範囲第1項記載のテレフタル酸ジア
    リルエステル共重合体。 3 該共重合体が、 (h) 50重量%メチルエチルケトン溶液の粘度80〜
    300センチポイズ(30℃)である、 特許請求の範囲第1項もしくは第2項記載のテ
    レフタル酸ジアリルエステル共重合体。 4 該共重合体が、 (i) ブラベンダープラストグラフで測定したブラ
    ベンダー溶融粘度が250〜2600m・gで、プロ
    セツシング時間が5〜65分である、 特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記
    載のテレフタル酸ジアリルエステル共重合体。
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