JPH0246717B2 - - Google Patents
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- JPH0246717B2 JPH0246717B2 JP58066444A JP6644483A JPH0246717B2 JP H0246717 B2 JPH0246717 B2 JP H0246717B2 JP 58066444 A JP58066444 A JP 58066444A JP 6644483 A JP6644483 A JP 6644483A JP H0246717 B2 JPH0246717 B2 JP H0246717B2
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Description
本発明は、キヤスト塗被紙の製造法に関し、特
に塗被層表面に密着ムラによる斑点や光沢ムラの
発生を伴うことなく、高速度で製造しうるリウエ
ツトキヤスト法の改良に関するものである。 キヤスト塗被紙と呼ばれる印刷用強光沢塗被紙
の製造法としては、湿潤状態の塗被層を加熱ドラ
ム面に圧接して光沢仕上げするウエツトキヤスト
法、湿潤状態の塗被層をゲル状態にして加熱ドラ
ム面に圧接して光沢仕上げするゲル化キヤスト
法、湿潤状態の塗被層を一旦乾燥した後、再湿潤
により可塑化して加熱ドラム面に圧接するリウエ
ツトキヤスト法等が知られている。 これらのキヤスト仕上げ方法は、いずれも可塑
状態にある塗被層を加熱ドラム面に圧接乾燥し、
離型させる点で共通しているが、塗被層の可塑状
態の違いによつて操業性及び得られるキヤスト塗
被紙の品質においてそれぞれ以下の如き問題点を
有している。先づウエツトキヤスト法では、加熱
ドラム面の温度を100℃以上にすると塗被液の沸
騰が起り、塗被層が破壊されるという問題がある
ため100℃以上に高めることができず、このため
低速度での操業を余儀なくされているのが現状で
ある。 ゲル化キヤスト法では、塗被層がゲル状態にさ
れているため、加熱ドラム面の温度を100℃以上
に上げることも可能であるが、塗被層中に含まれ
る多量の水分を加熱ドラム面と圧接ロールで形成
されるニツプ中で原紙層中に移行させる必要があ
り、また塗被層のゲル化の度合を調節するのも困
難なため、実際にはあまり高速での仕上げは行わ
れていない。 リウエツトキヤスト法では、塗被層が一旦乾燥
されるため、加熱ドラム面の温度を90〜180℃ま
で上げることも可能であるが、一旦乾燥された塗
被層を再湿潤するために可塑化の度合がウエツト
キヤスト法やゲル化キヤスト法に比較して著しく
低い。そのため低速度下での操業に於ては比較的
均質な強光沢の塗被紙が得られるものの、高速度
操業になるに従つて光沢の均質性は急激に失われ
てくる。これはピンホール状の斑点や光沢ムラが
現象であり、可塑化が低いため塗被層が加熱ドラ
ム面に均一に密着されない為に発生するものと考
えられる。 リウエツトキヤスト法におけるこのような問題
を改良する為に、例えば再湿潤する前の塗被層を
過度にスーパーカレンダー掛けして平滑化してお
く方法や、塗被層を仕上げ面に圧接する際のプレ
スロール圧を高圧にする方法等の提案がある。し
かしこれらの方法は一方でキヤスト塗被紙の特徴
である低緊度で嵩高く、かつ硬度が高いという利
点が著しく損なわれるという難点がある。 そこで嵩高さを損なわないで密着ムラを改良す
る方法として、再湿潤する前の塗被紙をブラシ処
理する方法が提案されている。 しかしこの方法は、塗被面を平滑化させること
が出来る反面、塗被層表面を緻密化させる傾向が
あり、このため高速度でキヤスト塗被紙を製造す
る場合には、速度に対応して再湿潤液の水分が原
紙層を通して蒸発するのが難しく、従つて実際に
は水分の蒸発を充分に確保した上でなければキヤ
スト速度を高めることができず、また仕上りキヤ
スト塗被紙に於ても印刷インキの乾燥性が遅く、
インキの裏移りトラブルを引き起す欠点もある。 このようなことから前記のいずれのキヤスト仕
上げ法に於ても塗被層表面に密着ムラによる斑点
や、光沢ムラの発生を伴うことなく高品質のキヤ
スト塗被紙を高速度で製造することに関しては技
術的に遅れているというのが現状である。 そこで本発明者等は、高品質のキヤスト塗被紙
を高速度で製造することについて長年各方面から
検討してきた結果、前記した3つのキヤスト仕上
げ方法のうち、その性質上最も高速度生産の可能
性を秘めたリウエツトキヤスト法に着目し、その
特に再湿潤液について技術的検討を加えることに
よつて、遂に前記目的に適う技術を確立したので
ある。 而して本発明の構成は、顔料及び接着剤を主成
分とする乾燥した塗被層を再湿潤し、加熱された
鏡面に圧接して強光沢仕上げするキヤスト塗被紙
の製造法に於て、再湿潤液が可塑化促進剤として
アミド化合物を含有することを特徴とするもので
ある。 因にリウエツトキヤスト法に於ける従来の再湿
潤液としては、水又は水に界面活性剤を含有させ
たものが一般的に使用されており、更には顔料に
対して分散機能がある燐酸塩の水溶液の使用も知
れている。 しかし燐酸塩によつて塗被層の加熱ドラム面に
対する密着ムラが生じないだけの可塑性を得よう
とすると2〜3秒間という湿潤時間としてはかな
り長時間の浸漬を必要とするため、この間塗被層
中に水分が過剰に浸透し、結局乾燥に時間を要し
高速度でキヤスト仕上げすることは難しいという
欠点がある。 また外の再湿潤液として、カゼインのような親
水性の接着剤に対して可塑化を促進するアンモニ
ア、ヘキサメチレンテトラミンの使用が知られて
いる。これらの再湿潤液によれば短時間で可塑化
は促進され、均質な強光沢のキヤスト塗被紙が得
られるものの、一方では加熱ドラム面に付着され
ている離型剤(オレイン酸、ステアリン酸の如き
脂肪酸の薄膜)を溶解する作用があり、長時間の
操業ができないという欠点がある。 これに対し、本願発明で使用するアミド化合物
は、塗被層の可塑化時間がアンモニア、ヘキサメ
チレンテトラミン等に比較して勝るとも劣らない
程速効性であり、また加熱ドラム面に付着してい
る離型剤膜を溶解する作用もなく、均質で光沢ム
ラのない強光沢のキヤスト塗被紙を高速度で製造
するのに極めて効果的に作用することが確認され
たのである。 アミド化合物がこのように効果的に作用する機
構についてはまだ明らかではないが、蓋し、アミ
ド化合物の水溶液は容積が水単独に比べて大き
く、溶媒和効果を増加させると云われており、こ
れが塗被層に対する可塑化を促進して結果として
アンモニア、ヘキサメチレンテトラミンと同等の
再湿潤効果を発揮するのではないかと考えられ
る。 而して本発明で用いるアミド化合物としては、
理化学辞典(岩波書店)で記載されているアミド
又はイミドと称されるものであり、具体的には、
尿素、ギ酸アミド、酢酸アミド、安息香酸アミ
ド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ス
クシンイミド、グルタルイミド、フタルイミド及
びこれらの誘導体であり、本発明では更に、シア
ナミド及びシアナミドから誘導されるジシアンジ
アミド、チオ尿素、グアニジンなども対象とする
ものである。これらのアミド化合物を単独又は二
種以上を組合せて使用するもので、中でも尿素、
チオ尿素、ジシアンジアミドが非常に効果的であ
る。またこれらのアミド化合物を再湿潤液として
使用する場合の溶液濃度は、0.05%〜10%で好ま
しくは、0.2%〜5.0%の範囲が効果的である。因
に0.05%以下では可塑性効果が少なく、また10%
以上では可塑化効果はよくても反面仕上りキヤス
ト塗被紙の表面強度の低下やインキの転移性不良
など印刷適性の面でマイナスに作用するため好ま
しくないからである。なお本発明では、このよう
な湿潤液で塗被層表面を再湿潤し、加熱ドラム面
に圧接乾燥するが、この際に再湿潤液にはキヤス
ト後の塗被紙が加熱ドラムから剥離し易くするた
めに離型剤を含有させておくことは安定操業のた
めにも好ましいことである。 本発明の方法において、塗被層を形成するため
に用いられる塗被組成物は、従来のキヤスト塗被
紙用組成物と同様顔料及び接着剤を主たる成分と
する組成物が用いられる。 顔料としては、例えばクレー、カオリン、水酸
化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、
硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、プラ
スチツクピグメント等一般の塗被紙用顔料の一種
以上が用いられる。又、接着剤としては、カゼイ
ン、大豆蛋白、メタノール、酢酸等の単細胞質化
性菌体からの抽出蛋白等の蛋白質類、スチレン・
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブ
タジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテツ
クス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル
酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系
重合体ラテツクス、エチレン・酢酸ビニル共重合
体等のビニル系重合体ラテツクス、或いはこれら
の各種重合体をカルボキシル基等の官能基含有単
量体により官能基変性したアルカリ溶解性或いは
アルカリ非溶解性の重合体ラテツクス、ポリビニ
ルアルコール、オレフイン・無水マレイン酸樹
脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、陽性澱
粉、酸化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロ
ース誘導体等一般の塗被紙用接着剤が単独或いは
併用して用いられる。これらの接着剤は顔料100
重量部当り5〜50重量部、一般には10〜30重量部
の範囲で使用される。 また消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤等の
各種助剤も必要に応じて適宜使用される。 本発明において、塗被組成物は一般の塗被紙製
造に用いられているブレードコーター、エヤーナ
イフコーター、ロールコーター、ブラシコータ
ー、カーテンコーター、チヤンプレツクスコータ
ー、バーコーター、グラビアコーター、サイズプ
レスコーター等の塗被装置を設けたオンマシン或
いはオフマシンコーターによつて原紙上に一層或
いは多層に分けて塗被される。その際の塗被組成
物の固形分離度は、一般に40〜70重量%であるが
操業性を考慮すると45〜65重量%の範囲が好まし
い。又、原紙としては一般の印刷用塗被紙やキヤ
スト塗被紙に用いられる米坪30〜400g/m2のペ
ーパーベース或いはボードベースの原紙が用いら
れる。 これらは酸性或いはアルカリ性抄紙で抄造され
る原紙であり、高歩留パルプを約10重量%以上含
む中質原紙も勿論使用出来る。また、予備印工あ
るいはキヤスト塗被紙の裏面に一般の顔料コーテ
イングを設けたような塗被紙も原紙として使用可
能である。 かかる原紙への塗被組成物の塗被量は乾燥重量
で10〜50g/m2程度塗被されるが、得られるキヤ
スト塗被紙の白紙品質、キヤスト塗被紙速度の改
良効果の点で15〜35g/m2の範囲で調節されるの
が最も好ましい。 原紙上に塗被された塗被組成物の乾燥は熱風ド
ライヤー、エヤーホイルドライヤー、エヤーキヤ
ツプドライヤー、シリンダードライヤー、赤外線
ドライヤー、電子線ドライヤー等通常の塗被紙用
乾燥装置によつて行われる。塗被紙の乾燥程度
は、原紙の種類、塗被組成物の種類等によつて異
なるが、一般に紙水分として約1〜11%の範囲で
あり、約3〜8%の範囲に乾燥するのが望まし
い。乾燥後の塗被紙は必要に応じてマシンキヤレ
ンダー等のキヤレンダー処理を行うことも出来る
が、当然キヤスト塗被紙の特徴である嵩高さや硬
度を著しく損なうようなキヤレンダー処理は避け
る必要がある。 以下に本発明の実施例を記載するが、本発明が
これらの実施例のみに限定されるものでないこと
は勿論である。なお実施例中、部とあるのは重量
部を表わすものである。 実施例 1〜3(比較例1〜3) (1) 各実施例及び比較例の共通事項 コーテイングクレー95部、サチンホワイト
(濃度28%、PH12.0)を5部(固型分)、荷性ソ
ーダ0.3部を水66部中にコーレス分散機を用い
て分散し、濃度60%の顔料スラリーを調製し
た。これに消泡剤としてトリブチルフオスフエ
ート0.5部、離型剤としてステアリン酸カルシ
ウム0.5部、接着剤としてアンモニアを用いて
溶解したカゼインの濃度15%水溶液10部(固型
分)及びスチレン・ブタジエン系ラテツクス
(住友ノーガタツク(株)製、商品名「SN−307」)
15部(固型分)、更に水を加えて固型分濃度が
45%の塗被液を得た。 この塗被液を用いて第1図に示す装置にてリ
ウエツトキヤストを行つた。即ち、米坪100
g/m2の原紙1に乾燥重量が28g/m2となるよ
うに上記の塗被液をエアーナイフコーター2で
塗被し、乾燥機3で紙水分が6%になるように
乾燥した。次いで直径750mmのウレタンゴム被
覆のプレスロール4と直径1220mmのクロムメツ
キしたキヤストドラム5で形成されるプレスニ
ツプ6に通紙し、ここでノズル7から供給する
再湿潤液によつて塗被層表面を再湿潤し、次い
でプレスニツプ圧200Kg/cm、ドラム表面温度
120℃の回転速度65m/分のキヤストドラム5
に圧接し乾燥後、テークオフロール8でキヤス
トドラムから剥離することによつてキヤスト塗
被紙9を製造した。 (2) 各実施例及び比較例の相異点 上記のキヤスト塗被紙を製造するにつけ、再
湿潤液として 実施例1では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 尿 素 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 実施例2では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 ジシアンジアミド 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 実施例3では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 ギ酸アミド 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 比較例1では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 オレイン酸カリウム 0.5部 水 99.5部 比較例2では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 アンモニア 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 比較例3では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 ピロリン酸ソーダ 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 (3) 上記各実施例及び比較例による効果は次表の
如くであつた。
に塗被層表面に密着ムラによる斑点や光沢ムラの
発生を伴うことなく、高速度で製造しうるリウエ
ツトキヤスト法の改良に関するものである。 キヤスト塗被紙と呼ばれる印刷用強光沢塗被紙
の製造法としては、湿潤状態の塗被層を加熱ドラ
ム面に圧接して光沢仕上げするウエツトキヤスト
法、湿潤状態の塗被層をゲル状態にして加熱ドラ
ム面に圧接して光沢仕上げするゲル化キヤスト
法、湿潤状態の塗被層を一旦乾燥した後、再湿潤
により可塑化して加熱ドラム面に圧接するリウエ
ツトキヤスト法等が知られている。 これらのキヤスト仕上げ方法は、いずれも可塑
状態にある塗被層を加熱ドラム面に圧接乾燥し、
離型させる点で共通しているが、塗被層の可塑状
態の違いによつて操業性及び得られるキヤスト塗
被紙の品質においてそれぞれ以下の如き問題点を
有している。先づウエツトキヤスト法では、加熱
ドラム面の温度を100℃以上にすると塗被液の沸
騰が起り、塗被層が破壊されるという問題がある
ため100℃以上に高めることができず、このため
低速度での操業を余儀なくされているのが現状で
ある。 ゲル化キヤスト法では、塗被層がゲル状態にさ
れているため、加熱ドラム面の温度を100℃以上
に上げることも可能であるが、塗被層中に含まれ
る多量の水分を加熱ドラム面と圧接ロールで形成
されるニツプ中で原紙層中に移行させる必要があ
り、また塗被層のゲル化の度合を調節するのも困
難なため、実際にはあまり高速での仕上げは行わ
れていない。 リウエツトキヤスト法では、塗被層が一旦乾燥
されるため、加熱ドラム面の温度を90〜180℃ま
で上げることも可能であるが、一旦乾燥された塗
被層を再湿潤するために可塑化の度合がウエツト
キヤスト法やゲル化キヤスト法に比較して著しく
低い。そのため低速度下での操業に於ては比較的
均質な強光沢の塗被紙が得られるものの、高速度
操業になるに従つて光沢の均質性は急激に失われ
てくる。これはピンホール状の斑点や光沢ムラが
現象であり、可塑化が低いため塗被層が加熱ドラ
ム面に均一に密着されない為に発生するものと考
えられる。 リウエツトキヤスト法におけるこのような問題
を改良する為に、例えば再湿潤する前の塗被層を
過度にスーパーカレンダー掛けして平滑化してお
く方法や、塗被層を仕上げ面に圧接する際のプレ
スロール圧を高圧にする方法等の提案がある。し
かしこれらの方法は一方でキヤスト塗被紙の特徴
である低緊度で嵩高く、かつ硬度が高いという利
点が著しく損なわれるという難点がある。 そこで嵩高さを損なわないで密着ムラを改良す
る方法として、再湿潤する前の塗被紙をブラシ処
理する方法が提案されている。 しかしこの方法は、塗被面を平滑化させること
が出来る反面、塗被層表面を緻密化させる傾向が
あり、このため高速度でキヤスト塗被紙を製造す
る場合には、速度に対応して再湿潤液の水分が原
紙層を通して蒸発するのが難しく、従つて実際に
は水分の蒸発を充分に確保した上でなければキヤ
スト速度を高めることができず、また仕上りキヤ
スト塗被紙に於ても印刷インキの乾燥性が遅く、
インキの裏移りトラブルを引き起す欠点もある。 このようなことから前記のいずれのキヤスト仕
上げ法に於ても塗被層表面に密着ムラによる斑点
や、光沢ムラの発生を伴うことなく高品質のキヤ
スト塗被紙を高速度で製造することに関しては技
術的に遅れているというのが現状である。 そこで本発明者等は、高品質のキヤスト塗被紙
を高速度で製造することについて長年各方面から
検討してきた結果、前記した3つのキヤスト仕上
げ方法のうち、その性質上最も高速度生産の可能
性を秘めたリウエツトキヤスト法に着目し、その
特に再湿潤液について技術的検討を加えることに
よつて、遂に前記目的に適う技術を確立したので
ある。 而して本発明の構成は、顔料及び接着剤を主成
分とする乾燥した塗被層を再湿潤し、加熱された
鏡面に圧接して強光沢仕上げするキヤスト塗被紙
の製造法に於て、再湿潤液が可塑化促進剤として
アミド化合物を含有することを特徴とするもので
ある。 因にリウエツトキヤスト法に於ける従来の再湿
潤液としては、水又は水に界面活性剤を含有させ
たものが一般的に使用されており、更には顔料に
対して分散機能がある燐酸塩の水溶液の使用も知
れている。 しかし燐酸塩によつて塗被層の加熱ドラム面に
対する密着ムラが生じないだけの可塑性を得よう
とすると2〜3秒間という湿潤時間としてはかな
り長時間の浸漬を必要とするため、この間塗被層
中に水分が過剰に浸透し、結局乾燥に時間を要し
高速度でキヤスト仕上げすることは難しいという
欠点がある。 また外の再湿潤液として、カゼインのような親
水性の接着剤に対して可塑化を促進するアンモニ
ア、ヘキサメチレンテトラミンの使用が知られて
いる。これらの再湿潤液によれば短時間で可塑化
は促進され、均質な強光沢のキヤスト塗被紙が得
られるものの、一方では加熱ドラム面に付着され
ている離型剤(オレイン酸、ステアリン酸の如き
脂肪酸の薄膜)を溶解する作用があり、長時間の
操業ができないという欠点がある。 これに対し、本願発明で使用するアミド化合物
は、塗被層の可塑化時間がアンモニア、ヘキサメ
チレンテトラミン等に比較して勝るとも劣らない
程速効性であり、また加熱ドラム面に付着してい
る離型剤膜を溶解する作用もなく、均質で光沢ム
ラのない強光沢のキヤスト塗被紙を高速度で製造
するのに極めて効果的に作用することが確認され
たのである。 アミド化合物がこのように効果的に作用する機
構についてはまだ明らかではないが、蓋し、アミ
ド化合物の水溶液は容積が水単独に比べて大き
く、溶媒和効果を増加させると云われており、こ
れが塗被層に対する可塑化を促進して結果として
アンモニア、ヘキサメチレンテトラミンと同等の
再湿潤効果を発揮するのではないかと考えられ
る。 而して本発明で用いるアミド化合物としては、
理化学辞典(岩波書店)で記載されているアミド
又はイミドと称されるものであり、具体的には、
尿素、ギ酸アミド、酢酸アミド、安息香酸アミ
ド、オレイン酸アミド、ステアリン酸アミド、ス
クシンイミド、グルタルイミド、フタルイミド及
びこれらの誘導体であり、本発明では更に、シア
ナミド及びシアナミドから誘導されるジシアンジ
アミド、チオ尿素、グアニジンなども対象とする
ものである。これらのアミド化合物を単独又は二
種以上を組合せて使用するもので、中でも尿素、
チオ尿素、ジシアンジアミドが非常に効果的であ
る。またこれらのアミド化合物を再湿潤液として
使用する場合の溶液濃度は、0.05%〜10%で好ま
しくは、0.2%〜5.0%の範囲が効果的である。因
に0.05%以下では可塑性効果が少なく、また10%
以上では可塑化効果はよくても反面仕上りキヤス
ト塗被紙の表面強度の低下やインキの転移性不良
など印刷適性の面でマイナスに作用するため好ま
しくないからである。なお本発明では、このよう
な湿潤液で塗被層表面を再湿潤し、加熱ドラム面
に圧接乾燥するが、この際に再湿潤液にはキヤス
ト後の塗被紙が加熱ドラムから剥離し易くするた
めに離型剤を含有させておくことは安定操業のた
めにも好ましいことである。 本発明の方法において、塗被層を形成するため
に用いられる塗被組成物は、従来のキヤスト塗被
紙用組成物と同様顔料及び接着剤を主たる成分と
する組成物が用いられる。 顔料としては、例えばクレー、カオリン、水酸
化アルミニウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、
硫酸バリウム、酸化亜鉛、サチンホワイト、プラ
スチツクピグメント等一般の塗被紙用顔料の一種
以上が用いられる。又、接着剤としては、カゼイ
ン、大豆蛋白、メタノール、酢酸等の単細胞質化
性菌体からの抽出蛋白等の蛋白質類、スチレン・
ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・ブ
タジエン共重合体等の共役ジエン系重合体ラテツ
クス、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル
酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系
重合体ラテツクス、エチレン・酢酸ビニル共重合
体等のビニル系重合体ラテツクス、或いはこれら
の各種重合体をカルボキシル基等の官能基含有単
量体により官能基変性したアルカリ溶解性或いは
アルカリ非溶解性の重合体ラテツクス、ポリビニ
ルアルコール、オレフイン・無水マレイン酸樹
脂、メラミン樹脂等の合成樹脂系接着剤、陽性澱
粉、酸化澱粉等の澱粉類、カルボキシメチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロ
ース誘導体等一般の塗被紙用接着剤が単独或いは
併用して用いられる。これらの接着剤は顔料100
重量部当り5〜50重量部、一般には10〜30重量部
の範囲で使用される。 また消泡剤、着色剤、離型剤、流動変性剤等の
各種助剤も必要に応じて適宜使用される。 本発明において、塗被組成物は一般の塗被紙製
造に用いられているブレードコーター、エヤーナ
イフコーター、ロールコーター、ブラシコータ
ー、カーテンコーター、チヤンプレツクスコータ
ー、バーコーター、グラビアコーター、サイズプ
レスコーター等の塗被装置を設けたオンマシン或
いはオフマシンコーターによつて原紙上に一層或
いは多層に分けて塗被される。その際の塗被組成
物の固形分離度は、一般に40〜70重量%であるが
操業性を考慮すると45〜65重量%の範囲が好まし
い。又、原紙としては一般の印刷用塗被紙やキヤ
スト塗被紙に用いられる米坪30〜400g/m2のペ
ーパーベース或いはボードベースの原紙が用いら
れる。 これらは酸性或いはアルカリ性抄紙で抄造され
る原紙であり、高歩留パルプを約10重量%以上含
む中質原紙も勿論使用出来る。また、予備印工あ
るいはキヤスト塗被紙の裏面に一般の顔料コーテ
イングを設けたような塗被紙も原紙として使用可
能である。 かかる原紙への塗被組成物の塗被量は乾燥重量
で10〜50g/m2程度塗被されるが、得られるキヤ
スト塗被紙の白紙品質、キヤスト塗被紙速度の改
良効果の点で15〜35g/m2の範囲で調節されるの
が最も好ましい。 原紙上に塗被された塗被組成物の乾燥は熱風ド
ライヤー、エヤーホイルドライヤー、エヤーキヤ
ツプドライヤー、シリンダードライヤー、赤外線
ドライヤー、電子線ドライヤー等通常の塗被紙用
乾燥装置によつて行われる。塗被紙の乾燥程度
は、原紙の種類、塗被組成物の種類等によつて異
なるが、一般に紙水分として約1〜11%の範囲で
あり、約3〜8%の範囲に乾燥するのが望まし
い。乾燥後の塗被紙は必要に応じてマシンキヤレ
ンダー等のキヤレンダー処理を行うことも出来る
が、当然キヤスト塗被紙の特徴である嵩高さや硬
度を著しく損なうようなキヤレンダー処理は避け
る必要がある。 以下に本発明の実施例を記載するが、本発明が
これらの実施例のみに限定されるものでないこと
は勿論である。なお実施例中、部とあるのは重量
部を表わすものである。 実施例 1〜3(比較例1〜3) (1) 各実施例及び比較例の共通事項 コーテイングクレー95部、サチンホワイト
(濃度28%、PH12.0)を5部(固型分)、荷性ソ
ーダ0.3部を水66部中にコーレス分散機を用い
て分散し、濃度60%の顔料スラリーを調製し
た。これに消泡剤としてトリブチルフオスフエ
ート0.5部、離型剤としてステアリン酸カルシ
ウム0.5部、接着剤としてアンモニアを用いて
溶解したカゼインの濃度15%水溶液10部(固型
分)及びスチレン・ブタジエン系ラテツクス
(住友ノーガタツク(株)製、商品名「SN−307」)
15部(固型分)、更に水を加えて固型分濃度が
45%の塗被液を得た。 この塗被液を用いて第1図に示す装置にてリ
ウエツトキヤストを行つた。即ち、米坪100
g/m2の原紙1に乾燥重量が28g/m2となるよ
うに上記の塗被液をエアーナイフコーター2で
塗被し、乾燥機3で紙水分が6%になるように
乾燥した。次いで直径750mmのウレタンゴム被
覆のプレスロール4と直径1220mmのクロムメツ
キしたキヤストドラム5で形成されるプレスニ
ツプ6に通紙し、ここでノズル7から供給する
再湿潤液によつて塗被層表面を再湿潤し、次い
でプレスニツプ圧200Kg/cm、ドラム表面温度
120℃の回転速度65m/分のキヤストドラム5
に圧接し乾燥後、テークオフロール8でキヤス
トドラムから剥離することによつてキヤスト塗
被紙9を製造した。 (2) 各実施例及び比較例の相異点 上記のキヤスト塗被紙を製造するにつけ、再
湿潤液として 実施例1では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 尿 素 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 実施例2では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 ジシアンジアミド 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 実施例3では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 ギ酸アミド 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 比較例1では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 オレイン酸カリウム 0.5部 水 99.5部 比較例2では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 アンモニア 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 比較例3では、以下の組成よりなる再湿潤液
を使用 ピロリン酸ソーダ 1.0部 オレイン酸カリウム 0.5部 水 98.5部 (3) 上記各実施例及び比較例による効果は次表の
如くであつた。
【表】
【表】
実施例 4
コーテイングクレー80部、粒子径2μ以下の粒
子を95%含む重質炭酸カルシウム(富士カオリン
(株)製、商品名「カービタール95」)20部、ポリア
クリル酸ソーダ0.5部を水50部中にコーレス分散
機を用いて分散し、濃度66%の顔料スラリーを調
製した。 これに消泡剤としてトリブチルフオスフエート
0.5部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム
0.25部、接着剤としてアンモニアを用いて溶解し
た大豆蛋白の濃度18%水溶液6部(固型分)及び
スチレン・ブタジエン系ラテツクス(住友ノーガ
タツク(株)製、商品名「SN−311」)17部(固型
分)、更に水を加えて固型分濃度が55%の塗被液
を得た。 この塗被液を用いて第2図に示す装置にてリウ
エツトキヤストを行なつた。即ち、パルプ組成が
NBKP30部、LBKP70部、サイズ剤としてアル
キルケテンダイマーを使用した米坪90g/m2の原
紙1に乾燥重量が25g/m2となるように上記の塗
被液をブレードコーター2で塗被し、乾燥機3で
紙水分が5.5%になるように乾燥した。次いで直
径800mmのプレスロール4と直径3000mmのクロム
メツキしたキヤストドラム5で形成されるプレス
ニツプ6に通紙し、ここでノズル7から供給する
チオ尿素1.5部、ポリエチレンエマルジヨン0.3
部、水98.2部よりなる再湿潤液によつて塗被層表
面を再湿潤し、次いでプレスニツプ圧150Kg/cm、
ドラム表面温度105℃、回転スピード70m/分の
キヤストドラム5に圧接し乾燥後、テークオフロ
ール8でキヤストドラムから剥離することによつ
てキヤスト塗被紙9を製造した。 得られたキヤスト塗被紙の塗被面には密着ムラ
は殆どみられず、光沢度は90%であつた。なお、
この実施例の方法によつて8時間をこえる連続操
業を行つて操業性及びキヤスト塗被紙の品質は低
下することはなかつた。
子を95%含む重質炭酸カルシウム(富士カオリン
(株)製、商品名「カービタール95」)20部、ポリア
クリル酸ソーダ0.5部を水50部中にコーレス分散
機を用いて分散し、濃度66%の顔料スラリーを調
製した。 これに消泡剤としてトリブチルフオスフエート
0.5部、離型剤としてオレイン酸アンモニウム
0.25部、接着剤としてアンモニアを用いて溶解し
た大豆蛋白の濃度18%水溶液6部(固型分)及び
スチレン・ブタジエン系ラテツクス(住友ノーガ
タツク(株)製、商品名「SN−311」)17部(固型
分)、更に水を加えて固型分濃度が55%の塗被液
を得た。 この塗被液を用いて第2図に示す装置にてリウ
エツトキヤストを行なつた。即ち、パルプ組成が
NBKP30部、LBKP70部、サイズ剤としてアル
キルケテンダイマーを使用した米坪90g/m2の原
紙1に乾燥重量が25g/m2となるように上記の塗
被液をブレードコーター2で塗被し、乾燥機3で
紙水分が5.5%になるように乾燥した。次いで直
径800mmのプレスロール4と直径3000mmのクロム
メツキしたキヤストドラム5で形成されるプレス
ニツプ6に通紙し、ここでノズル7から供給する
チオ尿素1.5部、ポリエチレンエマルジヨン0.3
部、水98.2部よりなる再湿潤液によつて塗被層表
面を再湿潤し、次いでプレスニツプ圧150Kg/cm、
ドラム表面温度105℃、回転スピード70m/分の
キヤストドラム5に圧接し乾燥後、テークオフロ
ール8でキヤストドラムから剥離することによつ
てキヤスト塗被紙9を製造した。 得られたキヤスト塗被紙の塗被面には密着ムラ
は殆どみられず、光沢度は90%であつた。なお、
この実施例の方法によつて8時間をこえる連続操
業を行つて操業性及びキヤスト塗被紙の品質は低
下することはなかつた。
第1図及び第2図は、本発明にかかるキヤスト
塗被紙を製造するにつけて使用するキヤストコー
ターの一例を示す線図である。 1……原紙、2……エアーナイフコーター、
2′……ブレードコーター、3……乾燥機、4…
…プレスロール、5……キヤストドラム、6……
プレスニツプ、7……ノズル、8……テークオフ
ロール、9……キヤスト塗被紙。
塗被紙を製造するにつけて使用するキヤストコー
ターの一例を示す線図である。 1……原紙、2……エアーナイフコーター、
2′……ブレードコーター、3……乾燥機、4…
…プレスロール、5……キヤストドラム、6……
プレスニツプ、7……ノズル、8……テークオフ
ロール、9……キヤスト塗被紙。
Claims (1)
- 1 顔料及び接着剤を主成分とする乾燥塗被層を
再湿潤し、加熱された鏡面に圧接して強光沢仕上
げするキヤスト塗被紙の製造法に於て、再湿潤液
が可塑化促進剤としてアミド化合物を含有するこ
とを特徴とするキヤスト塗被紙の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6644483A JPS59192797A (ja) | 1983-04-13 | 1983-04-13 | キヤスト塗被紙の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6644483A JPS59192797A (ja) | 1983-04-13 | 1983-04-13 | キヤスト塗被紙の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59192797A JPS59192797A (ja) | 1984-11-01 |
| JPH0246717B2 true JPH0246717B2 (ja) | 1990-10-17 |
Family
ID=13315946
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6644483A Granted JPS59192797A (ja) | 1983-04-13 | 1983-04-13 | キヤスト塗被紙の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59192797A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5576198A (en) * | 1978-11-27 | 1980-06-09 | Kanzaki Paper Mfg Co Ltd | Production of casted coat paper |
-
1983
- 1983-04-13 JP JP6644483A patent/JPS59192797A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59192797A (ja) | 1984-11-01 |
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