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JPH025798B2 - - Google Patents
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JPH025798B2 - - Google Patents

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Publication number
JPH025798B2
JPH025798B2 JP56083135A JP8313581A JPH025798B2 JP H025798 B2 JPH025798 B2 JP H025798B2 JP 56083135 A JP56083135 A JP 56083135A JP 8313581 A JP8313581 A JP 8313581A JP H025798 B2 JPH025798 B2 JP H025798B2
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JP
Japan
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pitch
oil
catalyst
coal
toluene
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Application number
JP56083135A
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JPS57198788A (en
Inventor
Yoshihiro Muronaka
Masayoshi Ioka
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Chiyoda Corp
Original Assignee
Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
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Publication date
Application filed by Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd filed Critical Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Priority to JP56083135A priority Critical patent/JPS57198788A/ja
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  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Catalysts (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はトルエン不溶分7重量%以上を含むピ
ツチ状物を水素化処理し、該ピツチ状物を低分子
量化させると共に、該トルエン不溶分を可溶化さ
せるための改良方法に関するものである。 近年、石油に対する需要が著しく増加している
のに対して新規油田の発見及び開発が頭打ち傾向
を示していることから、世界的エネルギー不足が
到来している。これに対し新エネルギーあるいは
代替エネルギーに関する研究及び開発が活発に行
われ、とくに化石エネルギー中最大の埋蔵量を有
する石炭類の液化による代替燃料の製造について
は多数のプロセスが検討されている。 石炭の液化法においては、一般に多段処理法が
採用され、その第1段の処理においては、常温固
体のピツチ状物である一次石炭液化物が得られ
る。そして、この一次石炭液化物は、第2段以降
の処理において、水素化分解が水素化精製されて
燃料油に適した石炭液化油とされる。一次石炭液
化物は、その中にトルエン不溶分を含む芳香族炭
素比率(fa)の高いもので、非常に水素化処理し
にくいものである。従つて、従来の一次石炭液化
物の水素化処理においては、種々の困難が生じ、
このために、石炭液化プロセスの実用化が著しく
妨げられている。例えば一次石炭液化物は、これ
を低分子量化させると共に、その中に含まれるト
ルエン不溶分を可溶化させるために、触媒の存在
下、高温度及び加圧水素下において水素化処理す
ることが一般に行われているが、この場合、最も
解決困難な問題として、触媒に関する問題があ
る。従来、この種の触媒としては、アルミナに
Mo,Co,Niなどを担持した高価な脱硫触媒が用
いられているが、しかしながら、このような触媒
の場合、コーク発生量が多い上に、一次石炭液化
物中に含まれるトルエン不溶分や金属成分、さら
に発生したコークなどにより、その触媒活性が急
速に低下し、触媒交換を頻繁に行わなければなら
ないという問題がある。しかも、前記のような触
媒の場合、一次石炭液化物に対する水素化分解の
選択性が悪く、目的とする一次石炭液化物の低分
子量化及びその中に含まれるトルエン不溶分の水
素化分解の他に、一次石炭液化物を構成する縮合
芳香族への水素化及びその水素化分解、さらに、
芳香族系の媒体油を用いる時には、その媒体油も
水素化分解させるという問題を生じる。そして、
このような芳香核への水素化や水素化分解は、水
素消費量を著しく増大させ、石炭液化コストの上
昇原因の一つとなつている。 本発明者らは、石炭一次液化物のようなトルエ
ン不溶分を多量に含むピツチ状物の水素化処理に
おける前記問題を解決すべく種々研究を重ねた結
果、意外にも、アルミナやシリカ・アルミナのよ
うな酸性の多孔質担体ではなく、マグネシウムシ
リケートや、シリカなどの非酸性の多孔質担体に
水素化活性金属成分を担持させた触媒を用いるこ
とにより、その目的を達成し得ることを見出し、
本発明を完成するに到つた。 すなわち、本発明によれば、トルエン不溶分7
重量%以上を含むピツチ状物を、非酸性多孔質担
体に水素化活性金属成分を担持させた触媒の存在
下、高められた温度及び加圧水素下において水素
化処理し、該トルエン不溶分の少なくとも一部が
可溶化された生成物を得ることを特徴とするピツ
チ状物の水素化処理方法が提供される。 なお、本発明においていうピツチ状物とは、一
次石炭液化物、例えば、石炭の溶剤抽出処理によ
り得られたピツチ状物(脱灰炭)、石炭の水素化
処理により得られたピツチ状物の他、タールピツ
チ、石油ピツチ及び石油の水素化分解や残渣油の
熱処理から得られたピツチ状物、及びそれらの類
似物を意味する。また、トルエン不溶分は、ベン
ゼン不溶分と実質上同義であり、JIS規格による
ベンゼン不溶分の測定法に準じて測定されたもの
である。 本発明で用いる触媒は、非酸性の多孔質担体
に、水素化活性金属成分を担持させて形成したも
のである。この場合、非酸性多孔質担体とは、触
媒担体の表面酸性度の測定指示薬として用いられ
ているメチルレツドを担体表面に吸着させた場合
に、そのメチルレツドが非酸性、即ち、中性又は
塩基性を示す黄色を呈色するような多孔質担体を
意味する。このような非酸性の多孔質担体として
は、例えば、シリカ、マグネシウムシリケート、
カルシウムシリケート、マグネシア、酸化カルシ
ウム、酸化バリウム、希土類酸化物、ケイ酸アル
カリ、多孔質ガラスなどが挙げられる。本発明の
目的には、アルミナやシリカ・アルミナなどの酸
性物質の使用は不適当であるが、このような酸性
物質であつても、担体が実質的に酸性を示さない
ような量である限り、これらの物質の添加を妨げ
るものではない。 前記非酸性の多孔質担体に担持させる水素化活
性金属成分としては、一般の重質炭化水素の水素
化処理用触媒に関して用いられているものが採用
され、遷移金属類及び錫の中から選ばれた少なく
とも1種が用いられる。これらの金属類のうち、
殊に、Cu,Zn,Y,ランタナド、Sn,V,Cr,
Mo,W,Mn,Fe,Co及びNiの中から選ばれた
少なくとも1種の金属類は、本発明で用いる原料
重質炭化水素に対する水素化活性が大きく、しか
も安価に得られることから、好適なものである。
また、これらの金属類の担体に対する担持方法
は、従来慣用されている種々の方法が採用し得
る。触媒中における金属成分の形態は、酸化物、
硫化物あるいはそれらの混合物であつてもよい。
本発明で用いる触媒は、一般的に、10m2/g以
上、好ましくは150m2/g以上の比表面積、0.2
c.c./g以上、好ましくは0.5c.c./g以上の細孔容
積及び50〜500Å、好ましくは100〜300Åの平均
細孔直径を有するものである。 本発明において用いる時に好ましい触媒は、多
孔質マグネシウムシリケートに対して水素化活性
金属成分を担持させたものである。ここで多孔質
マグネシウムシリケートとは、セピオライト、パ
リゴルスカイト及びアタパルジヤイトのような多
孔質粘土鉱物と、これらを粉砕、混練あるいは酸
抽出等の化学的あるいは物理的処理を加えて変成
した物、あるいは水酸化アルミニウムゾル、アル
ミナシリカゾル、チタニアゾルあるいは他の粘土
鉱物等添加物を少量加えて成形した物等の全てを
含むものをいう。角閃石アスベスト鉱物はその
まゝでは細孔容積が極めて小さいマグネシウムシ
リケート鉱物であるが、公知の方法によつて容易
に多孔質化することができ、本発明の目的を満足
する担体の1つである。最も望ましい多孔質マグ
ネシウムシリケートは、得られる触媒の性能ある
いは触媒調整の容易さを考慮するとセピオライ
ト、パリゴルスカイト及びアタパルジヤイトとい
うことができる。これらはいずれも珪素の結合様
式がいわゆる複鎖構造を有する繊維状粘土鉱物と
して知られ、セピオライトは、マグネシウムある
いは希土類元素の一部が、他の金属によつて置換
されたものも知られているが主としてマグネシア
及びシリカから構成される。また、パリゴルスカ
イト及びアタパルジヤイトも、セピオライトと同
様の複鎖構造を持つ多孔質粘土鉱物であり、本発
明の目的に使用可能である。これらのうちでは特
にセピオライトが、担体として優れた特徴を有
し、最も望ましい。即ち、(1)得られる触媒が、比
表面積及び細孔容積が大きく、高活性であり、し
かも鉄、チタン等の金属類の堆積によつて劣化し
にくいこと、(2)セピオライト中のマグネシウムの
一部が他の金属によつて容易に変換され易く、担
持する金属の分散が極めて良好であり、高活性触
媒が安価に得られる、等を挙げることができる。 多孔質マグネシウムシリケート触媒に、担持す
る金属類は、遷移金属類及び錫からなる群から選
ばれた1種以上が用いられる。これらの金属類の
うち、Cu,Zn,Y,ランタニド、Sn,V,Cr,
Mo,W,Mn,Fe,Co,及びNiから選ばれた1
種以上を担持した触媒は、石炭類の水素化分解活
性が大きく、かつ比較的安価に得られるなどの理
由のために好適である。これらの担持金属類の種
類あるいは組合せは、マグネシウムシリケートの
種類、原料ピツチ状物類、性状あるいは反応方
法、条件などに応じて適宜選ばれる。また金属担
持量も多くの因子によつて決められ、極めて広範
囲であるが、通常、金属として合計0.1重量%、
好ましくは0.5〜10重量%の範囲で任意に選ばれ
る。これらの金属類は通常、硝酸塩、硫酸塩、塩
化物、金属酸塩、錯塩あるいはその他の溶媒可溶
性化合物の形で使用される。溶媒としては実用及
び安全性などの観点から通常、水が用いられる
が、メタノール、アセトンあるいは液体アンモニ
アなどの非水溶媒を用いることもできる。金属類
の担持方法としては浸漬、スプレー散布法、混練
法など公知の任意の方法が用いられる。また成形
触媒では金属類の担持を成形工程前の段階で行つ
てもよく又分割して行つてもよい。本発明者らは
セピオライトなどのマグネシウムシリケート担体
にイオン交換法によつて担持された金属は極めて
高度にかつ均一に分散しており、担持量が極めて
少ない場合においても高分子量の縮合芳香族炭化
水素やトルエン不溶分などの水素化分解反応に対
して高活性を示すことを見出している。担体にイ
オン交換法によつて担持できる金属類としては周
期律表b,b,a及び鉄族金属の他に、
V,Cr,Snなどが挙げられる。これらの金属は
塩化物、硫酸塩、硝酸塩などの金属鉱酸塩、珪酸
塩、酢酸塩などの有機酸塩あるいはアンミン錯塩
などの水溶液として用いられるが、必要に応じて
任意の塩類あるいは酸を加えてPHを1〜7に調整
して使用する。 イオン交換法により金属を担持させる場合、担
持金属は担体を構成するマグネシウム等と交換、
担持されることが要件であり、担体中のマグネシ
ウム等と置換されることなく、単に付着あるいは
吸着している金属は、置換されている金属に比べ
て金属重量当り活性が低い。従つてかかる付着あ
るいは吸着している金属は洗浄等によつて回収
し、再使用して効果的に置換せしめるのが望まし
い。 イオン交換法によつて担持することができる金
属と、担持できない金属とを同一の担体に担持す
る場合に、多段工程によつて担持状態を変えて担
持することも可能である。例えばイオン交換法に
よつて第1の金属群を担持した後、第2の金属群
をアンモニアあるいはアミン水溶液などの塩基性
ないし、中性溶液として担持する方法である。 本発明者らの検討によると、多孔質マグネシウ
ムシリケート担体のうち、特にセピオライトは上
記のイオン交換法を用いて金属類を担持するのに
最も望ましい。これはセピオライトの比表面積及
び細孔容積が大きいことの他に、パリゴルスカイ
トあるいはアタパルジヤイトなどの多孔質マグネ
シウムシリケートに比べて、活性金属によつてイ
オン交換されやすく、イオン交換によつて担持さ
れる金属量が多いことなどによると推測される。
イオン交換によつてセピオライトに担持される金
属のうち、Fe,Ni,Co,Cu,Zn,V,Cr,Sn
は、高活性触媒が得られるので特に好適である。
これらの金属類をイオン交換によつて担持した
後、Mo,Wなどをさらに担持してもよい。 本発明において用いる原料ピツチ状物は、芳香
族炭素比率(fa)が0.5以上、殊に、0.6〜0.8の範
囲にあり、450℃以上の沸点を有する成分が60重
量%以上、殊に、70〜100重量%の範囲にありか
つトルエン不溶分を7重量%以上、殊に、20〜70
重量%を含有する軟化点50〜400℃を有する。こ
のようなピツチ状物には、前記したような石炭系
及び/又は石油系の種々のピツチ状物が包含され
る。ピツチ状物は、その種類によつては、水分や
灰分を含むことがあるが、これらの不純物成分
は、ピツチ状物の水素化処理後、生成物の固液分
離操作を困難にするので、予め乾燥処理や、灰分
除去処理を施して、ピツチ状物から除去しておく
のがよい。 本発明は、前記したピツチ状物を水素化処理
し、その低分子量化と共に、その中に含まれるト
ルエン不溶分の少なくとも一部(実質的量)は可
溶化させるものであるが、この場合、ピツチ状物
は、一般的には、その取扱い性と反応性を高める
ために、実質的にトルエン可溶性の芳香族系炭化
水素油からなる媒体油中に分散させて水素化処理
工程に供給される。即ち、ピツチ状物を100メツ
シユパス以下の粘度あるいは150μ以下の粒径に
微粉砕し、媒体油に分散させてスラリー状とし、
これを水素化処理工程に供給する。媒体油として
は、実質的にトルエン可溶性であり、沸点200〜
550℃を有し、芳香族炭素比率(fa)が0.5以上の
芳香族系炭化水素油が用いられ、例えば、石炭液
化油、分解油、石油残渣油、コールタール、アン
トラセン油、アルキルナフタレン、テトラリンな
どが挙げられる。ピツチ状物と媒体油との混合比
率は、混合物の流動性及び目的とするピツチ状物
の水素化分解率によつて任意に決められるが、通
常、無水、無灰基準のピツチ状物1重量部に対
し、0.1〜3重量部の割合である。 本発明における水素化処理条件は、縮合芳香族
系炭化水素の性状や、所望する生成油の性状に応
じて異なるが、一般的には、水素圧30〜350Kg/
cm2、好ましくは100〜200Kg/cm2、処理温度350〜
500℃、好ましくは380〜450℃である。供給原料
の空間速度(LHSV)は、0.1〜2.0Hr-1である。
反応方式としては、固定床、流動床、移動床、移
動床などが任意に採用される。 本発明によれば、ピツチ状物は、低分子量化さ
れると共に、その中に含まれるトルエン不溶分は
可溶化され、著しく減少される。さらに、本発明
によれば、ピツチ状物中のキノリン不溶成分も減
少させることができる。本発明により得られる生
成物は、原料ピツチ状物の種類及び水素化条件に
よつて広範囲に変化させることができ、例えば、
燃料油又は燃料油原料として好適な液状油の他、
軽度の水素化処理によつて、炭素材として好適な
ピツチ状物を得ることも可能である。本発明によ
れば、前記したように、芳香族への水素化を抑制
しながら、ピツチ状物を、水素化分解し、低分子
量化と、トルエン不溶分の水素化分解を同時に達
成することができ、従つて、本発明による生成物
は、従来の方法とは異なり、その水素/炭素比
(H/C)の増加率は少なく、また、芳香族炭素
比率(fa)は、従来の方法の場合のように著しく
減少するようなことはなく、原料ピツチ状物のそ
れと同程度かむしろ上昇する傾向を示す。例え
ば、芳香族炭素比率(fa)が0.6〜0.8のピツチ状
物からは、芳香族炭素比率(fa)が0.7〜0.9の範
囲の水素化処理生成物を得ることが可能である。 本発明による生成物は、従来公知の方法に従つ
て、任意に処理することが可能である。例えば、
生成物を固液分離した後、、生成油分をさらに水
素化処理して精製した後、軽質分を分離し、重質
分を前段の水素化処理工程に循環する方法、生成
油分を水素化精製した後、媒体油を分離し、媒体
油を第1段の水素化処理工程に循環する方法、あ
るいは生成油から媒体油を分離し、再使用のため
に循環する方法などがある。 本発明において用いる触媒は、従来の酸性の多
孔質担体に水素化活性金属成分を担持させたもの
とは異なり、非酸性の多孔質担体に金属成分を担
持させたものを用いることから、前記したような
種々の利点を有するものであるが、以下にその触
媒の作用効果についてさらに詳しく述べる。な
お、本発明において非酸性担体を用いることによ
り前記のような特異な効果が得られる理由につい
ては未だ明確には解明されていないが、ピツチ状
物は芳香族性に極めて富み、塩基的な作用をする
ために、酸性触媒の場合には、触媒上に特に芳香
族性の高いトルエン不溶分などの触媒汚染成分が
吸着されて、固体酸によつて重縮合しやすく、そ
のために触媒の活性低下や、コーク発生などの不
都合を生じやすいのに対し、非酸性担体の場合、
このような不都合が著しく抑制されることによる
ものと考えられる。 (1) 本発明の触媒は、芳香族核自体の水素化分解
を抑制しながら、ピツチ状物を構成する縮合芳
香族系炭化水素のみをより低分子量のものに水
素化分解する選択性に著しくすぐれている。従
つて、本発明の触媒を用いてピツチ状物の水素
化処理を行う時には、媒体油の水素化分解は回
避され、水素消費量は著しく減少される。従来
のアルミナや、シリカ・アルミナ系の触媒を用
いる時には、ピツチ状物の水素化分解の他に、
芳香族核への水素添加及び水素化分解を多量生
じ、さらに媒体油の水素化を生起させることか
ら、水素消費量が莫大なものとなる。 (2) 本発明の触媒によれば、アスフアルテン以上
の重質成分(キノリン不溶分、トルエン不溶
分、n―ペプタン不溶分)を迅速かつ選択的に
反応させることができるので、その重質成分が
選択的に水素化分解された炭素材原料として好
適なピツチ状物を得ることが可能である。従来
の触媒、例えばCo―Mo―Al2O3ではこのよう
な選択性がないために、炭素材原料として好適
な生成物を得ることができない。 (3) 本発明の触媒は、コーク発生量が少なく、触
媒層の閉塞トラブルなどが生じにくい利点を有
している。本発明者らの実験によると、石油系
炭化水素の水素化処理に好適な従来のアルミナ
やアルミナ・シリカ系の触媒の場合、ピツチ状
物の水素化処理に際しては、ピツチの発生が著
しく、反応器がコークにより汚染されやすい上
に、触媒活性が短時間で低下することが認めら
れた。従つて、例えば、固定床触媒層の場合に
は、コークの蓄積により触媒層が閉塞し、運転
が続けられない状態になる。 (4) 本発明の触媒は、ピツチ状物中のキノリン不
溶分を水素化する能力にすぐれ、水素化活性が
長時間にわたつて保持される。通常のアルミナ
やシリカ・アルミナを担体とし、これにPt,
Pd,Mo,Co,Niなどの金属成分を担持させ
た従来の高価な水素化処理用触媒は、キノリン
不溶分を水素化する能力が乏しく、このために
触媒細孔がキノリン不溶分により閉塞され、水
素化活性の低下が著しい。従つて、触媒交換に
よるコストが大きくなり、経済的ではない。 次に本発明の好ましい実施態様として、本発明
を石炭の一次液化物の水素化処理に適用した例を
図面と共に詳述する。 図面において、石炭粉末は、ライン1から混合
槽21に導入され、混合槽21において、ライン
7から循環された媒体油と混合される。ここで、
充分に混合及び調合された石炭スラリーは、ライ
ン2を経て、水添熱分解塔22へ供給される。こ
こでは、ライン12を通つて、水素製造装置26
から水素が同時に供給されている。水添熱分解塔
22で熱分解された原料石炭スラリーは、ライン
3を経由して、固液分離工程23へ送られる。こ
の固液分離としては、例えば、沈降分離が用いら
れるが、これに制限されない。ここで分離された
固形分は、ライン11を通つて、水素製造工程2
6へと搬送される。一方、液状物は、ライン4を
通じて本発明による触媒反応塔22へ供給され
る。ここでは、反応塔の下部からライン13によ
り水素が供給され、水素化反応が行われる。生成
物のうち、ガスはライン6から系外に取り出され
るか、生成炭化水素油は、ライン5を経由して、
蒸留塔25へ送られ、沸点の差異によつて各留分
に分けられる。媒体油はライン7を経て混合槽へ
供給され、原料スラリー調製のために供される。
ライン8,9により、それぞれナフサ分及び重質
油分が取り出され、種々の用途に供される。水素
製造装置26からは、灰分(Ash)がライン14
から取出される。 次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。なお、以下に示された%及びppmは特記さ
れない限り重量基準による。 実施例 1 下記表1に性状を示した芳香族炭素比率が0.75
なる溶剤抽出炭を、表2に性状を示した触媒を用
い、水素化分解した。触媒は特開昭52−95598号
及び特開昭52−113901号公報等に開示した方法に
より、セピオライトを原料として調製した。粒径
は1/16インチのものを用いた。このセピオライト
の500℃焼成体にメチルレツドのエタノール溶液
を吸着させた時の着色は黄色である。(PKa=
4.8)
【表】
【表】 原料スラリーは、溶剤抽出炭を粉砕した後、媒
体油としてのα―メチルナフタレンと混合するこ
とにより調合したが、α―メチルナフタレンと溶
剤抽出炭との重量比は、87.5:12.5であつた。こ
の原料スラリーを200メツシユ篩にかけ、これを
用いた。反応は、流通式反応装置を用いた。反応
条件を表3に示す。反応温度を約120時間毎に増
加させた。
【表】 次に、生成油(残渣油)の収率と性状を表4に
示す。なお、生成油の13C―NMRのスペクトル
図から、この生成物の芳香族炭素比率(fa)が大
きいことが確認された(約0.66〜0.68)。また、
媒体油として用いたα―メチルナフタレンの液化
反応後のガスクロマトグラフを検討した結果、こ
のα―メチルナフタレンには水素化が起つていな
いことが判明した。 第2図に、原料中に含まれるプレアスフアルテ
ン(キノリン可溶で、トルエン不溶)及びアスフ
アルテンの反応転化率(重量%)の温度変化を示
す。曲線1はプレアスフアルテン及び曲線2はア
スフアルテンについての結果を示す。
【表】 表5に生成油(残渣油)中に含まれるキノリン
不溶分(QI)と灰分(Ash)との比率QI/Ashを
反応温度との関係で示す。これよりQI/Ash比は
反応温度と共に低下していることから、キノリン
不溶性炭化水素分が触媒層に単に付着して減少す
るのではなく、少なくとも一部は可溶化して減少
することが認められる。
【表】 なお、表4から本実験においては灰分及びキノ
リン不溶分の一部が触媒層で沈澱分離しているこ
とが判るが、これは本実験においては、触媒層内
の液線速度が小さいのに対して、灰分やキノリン
不溶分の沈降速度が(又は粒径が)大きかつたた
めと推定される。従つて、触媒層高が充分大きい
反応器を用いた場合においては、原料中の灰分等
の固形分がそのまま生成物に含まれると考えられ
る。 表6に水素化処理後の触媒の物性と、触媒上の
沈着物の炭素と水素の分析(触媒重量を基準とし
た炭素及び水素の重量%)を示す。この表6の結
果から、450時間の反応後においても、触媒性状
の変化は少ないことがわかる。
【表】 実施例 2 実施例1と同じ反応条件で、水素圧力を104
Kg/cm2として、同一の方法で液化反応を、反応温
度が399℃で行つた。各留分の転化率を表7に示
す。 この場合、生成油中のトルエン不溶分は15.0重
量%であつた。
【表】 実施例 3 実施例1と同じ反応条件で、LHSVが0.2、反
応温度が399℃で液化反応を行つた。各留分の転
化率を表8に示す。 この場合、生成油中のトルエン不溶分は4.4重
量%であつた。
【表】 実施例 4,5 石炭粉末と、減圧残油とを400〜420℃において
加熱した後、灰分を沈降分離して得られた下記の
性状の石炭ピツチに、沸点が150〜250℃なるクレ
オソート油を重量比で1:1で加えたものを、
Mo,Ni担持シリカ触媒及びW,Ni担持塩基性マ
グネシアシリカ触媒を用いて、水素化処理した。
【表】 Mo,Ni担持シリカ触媒は、市販のシリカ微粉
体に水を加えて押出し成形したものを、400℃に
て、2時間焼成した後、常法に従つて、モリブデ
ン酸アンモン及び硝酸ニツケルのアンモニア性混
合水溶液を浸漬した後、500℃にて、1時間焼成
して得られた。W,Ni担持塩基性マグネシアシ
リカ触媒は、塩基性マグネシア微粉末と疎水性微
粉シリカを20:80重量比で混合した後、これにイ
ソプロパノールを加えて十分に混練し、押出し成
形し、400℃にて2時間焼成した。次に、これに
常法に従つて、硝酸ニツケル水溶液を含浸させた
後、500℃にて1時間焼成し、次いで、パラタン
グステン酸アンモン水溶液を含浸させた後、500
℃にて1時間焼成して得られた。各触媒の主な性
状を下記に示す。
【表】 ピツチ類の水素化処理は、実施例1と同様に流
通式反応装置を用い、水素圧140Kg/cm2、反応温
度400℃、液空間速度0.5Hr-1の反応条件下で行
い、反応開始後10〜20時間後の生成油を分析した
ところ、下記の結果が得られた。これより、非酸
性担体である多孔質シリカ及び強い塩基性を示す
多孔質マグネシアシリカ担体に金属を担持した触
媒が、芳香族炭素比率の高いトルエン不溶分の水
素分解に高い活性を示すと共に、これらのピツチ
類の製造工程に由来する可溶性金属類の除去に高
い活性を示すことが了解されよう。
【表】 比較例 実施例1において、本発明触媒の代わりに、表
12に性状を示した市販脱硫触媒を用い、実施例1
とほぼ同一の方法で実験を行つた。その結果、初
期においては、高活性を示したが、実施例1と同
じ450時間経過した時には、プレアスフアルテン
の転化率が70%、またアスフアルテンの転化率も
70%と大幅に活性の低下が認められた。表13に本
実験で得られた生成物収率及び各生成油性状を示
す。この試験結果から、温度上昇につれて、市販
触媒の水素化活性が低下しているのが見られる。
【表】
【表】
【表】 また、生成油の13C―NMRスペクトル図を検
討した結果、芳香族炭素の割合が相対的に低下し
ていることが確認された(約0.55〜0.60)。また、
液化反応後の媒体油(α―メチルナフタレン)の
ガスクロマトグラムを検討した結果、α―メチル
ナフタレンの水添反応が相当進んでいることが確
認された。 表14には、生成油中のQI/Ashの比を示す。温
度の上昇にもかかわらずQI/Ash比が一定、即
ち、QI分の水素化が起つていないことを示す。
【表】 表15に液化反応後の触媒の物性と、触媒上の沈
着物の炭素、水素分析(触媒に対する%)の結果
を示す。
【表】 本発明の触媒と比較して市販触媒は、450時間
の反応後、著しい物性の変化を呈した。また触媒
上にも多量の炭素質を保持しており、灰分、QI
分との堆積とも併せて水素化活性の低下の原因と
なつている。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の実施態様の一例についての
フロー系統図を示し、第2図は原料中に含まれる
プレアスフアルテン及びアスフアルテンの反応転
化率の温度変化を示すグラフである。 21…混合槽、22…水添熱分解塔、23…固
液分離工程、24…触媒反応塔、25…蒸留塔、
26…水素製造装置。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 トルエン不溶分7重量%以上を含むピツチ状
    物を、実質的にトルエン可溶性の芳香族系炭化水
    素油からなる媒体油中に分散させて、非酸性多孔
    質担体に水素化活性金属成分を担持させた触媒の
    存在下、温度350〜500℃、水素圧30〜350Kg/cm2
    の条件で水素化処理し、該トルエン不溶分の少な
    くとも一部が可溶化された生成物を得ることを特
    徴とするピツチ状物の水素化処理方法。 2 ピツチ状物は軟化点50〜400℃を有する特許
    請求の範囲第1項の方法。 3 ピツチ状物はその60重量%以上が沸点450℃
    以上の成分からなり、かつ芳香族炭素比率(fa)
    が0.5以上である特許請求の範囲第1項又は第2
    項の方法。 4 ピツチ状物は石炭及び/又は石油から誘導さ
    れたものである特許請求の範囲第1項〜第3項い
    ずれかの方法。 5 ピツチ状物は石炭の溶剤抽出により得られた
    ピツチ状物及び/又は石炭の水素化処理により得
    られたピツチ状物である特許請求の範囲第1項〜
    第3項のいずれかの方法。 6 触媒は比表面積10m2/g以上、細孔容積0.2
    c.c./g以上及び平均細孔径50〜500Åを有する特
    許請求の範囲第1項〜第5項のいずれかの方法。 7 非酸性多孔質担体はマグネシアシリケートで
    ある特許請求の範囲第1項〜第6項のいずれかの
    方法。 8 マグネシアシリケートがセピオライトである
    特許請求の範囲第7項の方法。 9 媒体油は石炭液化油、コールタール、アント
    ラセン油、クレオソート油、石油分解油及びアル
    キルナフタレンの中から選ばれる少なくとも1種
    である特許請求の範囲第1項〜第8項のいずれか
    の方法。
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