JPH0259840B2 - - Google Patents
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- JPH0259840B2 JPH0259840B2 JP58220668A JP22066883A JPH0259840B2 JP H0259840 B2 JPH0259840 B2 JP H0259840B2 JP 58220668 A JP58220668 A JP 58220668A JP 22066883 A JP22066883 A JP 22066883A JP H0259840 B2 JPH0259840 B2 JP H0259840B2
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61Q—SPECIFIC USE OF COSMETICS OR SIMILAR TOILETRY PREPARATIONS
- A61Q11/00—Preparations for care of the teeth, of the oral cavity or of dentures; Dentifrices, e.g. toothpastes; Mouth rinses
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K8/00—Cosmetics or similar toiletry preparations
- A61K8/18—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition
- A61K8/96—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing materials, or derivatives thereof of undetermined constitution
- A61K8/98—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing materials, or derivatives thereof of undetermined constitution of animal origin
- A61K8/981—Cosmetics or similar toiletry preparations characterised by the composition containing materials, or derivatives thereof of undetermined constitution of animal origin of mammals or bird
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Description
本発明はウシの唾液腺、殊に耳下腺から得られ
る新規な歯牙体液輸送促進物質及びその製造方法
である。 ウサギの視床下部抽出物を耳下腺摘出ラツトに
投与すると、歯牙の歯髄から証牙質造歯細胞細管
への体液輸送が認められなくなるが、該視床下部
抽出物をブタの耳下腺組織抽出物と共に投与する
と体液輸送が認められることは既に明らかにされ
ている。このことから、視床下部因子は耳下腺に
直接作用し、歯牙の歯髄から歯牙質造歯細胞細管
への体液輸送の促進は耳下腺に依存すると考えら
れている。Steinmanらはカリエス誘発性物質と
ラツトに対する齲蝕症の発生についての研究を進
め歯牙体液輸送を促進させる物質をブタ耳下腺よ
り分離し、分子量8100、等電点PH7.5、紫外部吸
収をほとんどもたないタンパク質であることを明
らかにしている〔Endocrinology,83,807
(1968);Endocrinology,106,1994(1980)〕。さ
らに、Steinmanらはこの活性物質をラツトに投
与すると、歯牙への栄養物の補給が向上し、歯牙
発育、歯構造強化などが促進され、齲蝕発生率が
抑制することも報告している。 本発明者らはウシの唾液腺、特に耳下腺にも、
ブタの場合と同様に、歯牙体液輸送を促進する作
用をもつ物質(以下「歯牙体液輸送促進物質」と
いう)が存在するであろうとの予想の下に、ウシ
の耳下腺中に該物質が存在するかどうか研究を行
なつた結果、該物質の存在が確認され、その物質
の分離精製についてさらに研究を重ねた結果、極
めて高純度の歯牙体液輸送促進物質を単離できる
方法を見い出し、その理化学的性質を解明するに
至つた。 本発明により提供される歯牙体液輸送促進物質
は以下に示す如き理化学的性質を有するタンパク
質である。 (1) 性状:白色粉末 (2) 分子量:SDS―ポリアクリルアミドゲルのデ
イスク電気泳動法により測定し
て25000〜35000の範囲内にあ
る。 (3) 等電点:PH5.8〜6.6の範囲内にある。 (4) Rf値:10%ポリアクリルアミドゲルの電気
泳動法により測定して0.26〜
0.34の範囲内にある。 (5) 紫外線吸収スペクトル:極大吸収波長 (λmax)=
約 280nm 測定条件:試料0.80mgを生理食塩液1mlに
溶解したものにつき、光路長1
cmで、日立EPS―3T型分光光
度計を用いて測定。 (6) 吸光度:E1%280onが12〜17の範囲内にある。 測定条件:紫外線吸収スペクトルの測定条
件と同一。 (7) 溶解性:水(生理食塩液)に可溶アセトンに
不溶。 (8) 呈色反応:ニンヒドリン反応 陽性 ビユーレツト反応 陽性 ミロン反応 陽性 坂口反応 陽性 モリツシユ反応 陽性 アンスロン反応 陽性 エルソン・モーガン反応 陽性 (9) 分配係数(Kav値) ゲル過におけるゲル層と液層との間の分配係
数であり、下記式により算出される。 Kav=Ve−Vo/Vt−Vo Vt=ゲルベツドの総容積 Ve=溶出液量 Vo=ゲル粒子外部の溶媒量 ゲル過材としてSephadex G―100
(Pharmacia Fine Chemicals社製)を使用し
且つ溶出液としてPH7.2の0.05Mリン酸緩衝液
を用いた時の、本発明のタンパク質のKav値は
約0.40である。 前述したように、Steinmanらがブタ耳下腺か
ら抽出した歯牙体液輸送促進物質は、SDS―ポリ
アクリルアミドゲルのデイスク電気泳動法により
測定した分子量が8100、等電点がPH7.5、紫外線
吸収スペクトルに極大収波長(λmax)が存在せ
ず、従つて吸光度E1%280onが0の物質であるが、本
発明の物質の理化学的性質は、少なくとも分子
量、紫外部吸収特性がブタの耳下腺から抽出され
た歯牙体液輸送促進物質と明らかに異なつてお
り、従来の文献に未載の新規な物質であると考え
られる。 なお、哺乳動物の唾液腺、特に耳下腺には唾液
腺ホルモンが含まれ、この唾液腺ホルモンはタン
パク質であり、硬組織の発育促進作用、間葉性組
織賦活作用、血清カルシウム低下作用、白血球増
加作用等の種々の優れた生理活性を有し、医薬と
して広範に使用されている。しかし、この唾液腺
ホルモンにはラツト象牙質造歯細胞細管への体液
輸送に対して何ら作用を示さないことを本発明者
らは確認している。従つて、ウシ耳下腺に存在す
る歯牙体液輸送促進物質は唾液腺ホルモンとは作
用の上からも異つた物質であることは明らかであ
る。 すなわち、本発明の物質及び唾液腺ホルモンの
歯牙体液輸送促進活性を次の方法で測定した: 生後5週令のラツトに螢光物質としてアクリフ
ラビン塩酸塩を体重100gに対して5mgの割合で
腹腔内投与した後、直ちに本発明の物質又は唾液
腺ホルモンを0.1mlの液量で静脈内投与し16分後
に断頭した。断頭後1分以内に下顎を摘出し凍結
させたミクロトームを用いて咬合面に垂直な臼歯
切断を調製し、螢光顕微鏡下に象牙質造歯細胞細
管への螢光物質の移行を観察した。その結果移行
が充分に行われたものを陽性(+〜)、移行が
不充分または全く行われなかつたものを陰性
(−)とする。 ウシ耳下腺より抽出した本発明の歯牙体液輸送
促進物質と唾液腺ホルモンの歯牙への体液輸送促
進効果の比較結果を下記第1表に示す。
る新規な歯牙体液輸送促進物質及びその製造方法
である。 ウサギの視床下部抽出物を耳下腺摘出ラツトに
投与すると、歯牙の歯髄から証牙質造歯細胞細管
への体液輸送が認められなくなるが、該視床下部
抽出物をブタの耳下腺組織抽出物と共に投与する
と体液輸送が認められることは既に明らかにされ
ている。このことから、視床下部因子は耳下腺に
直接作用し、歯牙の歯髄から歯牙質造歯細胞細管
への体液輸送の促進は耳下腺に依存すると考えら
れている。Steinmanらはカリエス誘発性物質と
ラツトに対する齲蝕症の発生についての研究を進
め歯牙体液輸送を促進させる物質をブタ耳下腺よ
り分離し、分子量8100、等電点PH7.5、紫外部吸
収をほとんどもたないタンパク質であることを明
らかにしている〔Endocrinology,83,807
(1968);Endocrinology,106,1994(1980)〕。さ
らに、Steinmanらはこの活性物質をラツトに投
与すると、歯牙への栄養物の補給が向上し、歯牙
発育、歯構造強化などが促進され、齲蝕発生率が
抑制することも報告している。 本発明者らはウシの唾液腺、特に耳下腺にも、
ブタの場合と同様に、歯牙体液輸送を促進する作
用をもつ物質(以下「歯牙体液輸送促進物質」と
いう)が存在するであろうとの予想の下に、ウシ
の耳下腺中に該物質が存在するかどうか研究を行
なつた結果、該物質の存在が確認され、その物質
の分離精製についてさらに研究を重ねた結果、極
めて高純度の歯牙体液輸送促進物質を単離できる
方法を見い出し、その理化学的性質を解明するに
至つた。 本発明により提供される歯牙体液輸送促進物質
は以下に示す如き理化学的性質を有するタンパク
質である。 (1) 性状:白色粉末 (2) 分子量:SDS―ポリアクリルアミドゲルのデ
イスク電気泳動法により測定し
て25000〜35000の範囲内にあ
る。 (3) 等電点:PH5.8〜6.6の範囲内にある。 (4) Rf値:10%ポリアクリルアミドゲルの電気
泳動法により測定して0.26〜
0.34の範囲内にある。 (5) 紫外線吸収スペクトル:極大吸収波長 (λmax)=
約 280nm 測定条件:試料0.80mgを生理食塩液1mlに
溶解したものにつき、光路長1
cmで、日立EPS―3T型分光光
度計を用いて測定。 (6) 吸光度:E1%280onが12〜17の範囲内にある。 測定条件:紫外線吸収スペクトルの測定条
件と同一。 (7) 溶解性:水(生理食塩液)に可溶アセトンに
不溶。 (8) 呈色反応:ニンヒドリン反応 陽性 ビユーレツト反応 陽性 ミロン反応 陽性 坂口反応 陽性 モリツシユ反応 陽性 アンスロン反応 陽性 エルソン・モーガン反応 陽性 (9) 分配係数(Kav値) ゲル過におけるゲル層と液層との間の分配係
数であり、下記式により算出される。 Kav=Ve−Vo/Vt−Vo Vt=ゲルベツドの総容積 Ve=溶出液量 Vo=ゲル粒子外部の溶媒量 ゲル過材としてSephadex G―100
(Pharmacia Fine Chemicals社製)を使用し
且つ溶出液としてPH7.2の0.05Mリン酸緩衝液
を用いた時の、本発明のタンパク質のKav値は
約0.40である。 前述したように、Steinmanらがブタ耳下腺か
ら抽出した歯牙体液輸送促進物質は、SDS―ポリ
アクリルアミドゲルのデイスク電気泳動法により
測定した分子量が8100、等電点がPH7.5、紫外線
吸収スペクトルに極大収波長(λmax)が存在せ
ず、従つて吸光度E1%280onが0の物質であるが、本
発明の物質の理化学的性質は、少なくとも分子
量、紫外部吸収特性がブタの耳下腺から抽出され
た歯牙体液輸送促進物質と明らかに異なつてお
り、従来の文献に未載の新規な物質であると考え
られる。 なお、哺乳動物の唾液腺、特に耳下腺には唾液
腺ホルモンが含まれ、この唾液腺ホルモンはタン
パク質であり、硬組織の発育促進作用、間葉性組
織賦活作用、血清カルシウム低下作用、白血球増
加作用等の種々の優れた生理活性を有し、医薬と
して広範に使用されている。しかし、この唾液腺
ホルモンにはラツト象牙質造歯細胞細管への体液
輸送に対して何ら作用を示さないことを本発明者
らは確認している。従つて、ウシ耳下腺に存在す
る歯牙体液輸送促進物質は唾液腺ホルモンとは作
用の上からも異つた物質であることは明らかであ
る。 すなわち、本発明の物質及び唾液腺ホルモンの
歯牙体液輸送促進活性を次の方法で測定した: 生後5週令のラツトに螢光物質としてアクリフ
ラビン塩酸塩を体重100gに対して5mgの割合で
腹腔内投与した後、直ちに本発明の物質又は唾液
腺ホルモンを0.1mlの液量で静脈内投与し16分後
に断頭した。断頭後1分以内に下顎を摘出し凍結
させたミクロトームを用いて咬合面に垂直な臼歯
切断を調製し、螢光顕微鏡下に象牙質造歯細胞細
管への螢光物質の移行を観察した。その結果移行
が充分に行われたものを陽性(+〜)、移行が
不充分または全く行われなかつたものを陰性
(−)とする。 ウシ耳下腺より抽出した本発明の歯牙体液輸送
促進物質と唾液腺ホルモンの歯牙への体液輸送促
進効果の比較結果を下記第1表に示す。
【表】
本発明の歯牙体液輸送促進物質は、ウシの唾液
腺、例えば耳下腺を原料として以下に述べる工
程、すなわち、 (a) ウシの唾液腺の水抽出液をPH4.5〜5.5の酸性
にし、生ずる沈殿を除去する工程、 (b) 得られる上清を分子篩にかけて分子量が5000
〜50000の画分を捕集する工程、及び (c) 該画分をイオン交換体による等電点分画に付
して等電点がPH5.8〜6.6の画分を捕集する工程 を経て製造することができる。 ウシの唾液腺の腺体の水抽出はそれ自体公知の
方法により行なうことができる。例えば、ウシの
唾液腺から採取した新しい腺体を細かく切り刻ん
だものに、約4倍容量の水を加え、アルカリ例え
ば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム等によりPHを中性(PH6.5〜7.5)、好
ましくはPH7.0に調整した後、撹拌しながら抽出
を行なう。撹拌は一般に冷却下、好ましくは0〜
5℃において適宜防腐剤(例えばトルエン)を加
え、数時間、通常2〜3時間行なうのが有利であ
る。 抽出が終つたら、混合液をフルイ(10〜20メツ
シユ程度のもの)にかけ、水性抽出液を分離す
る。 フルイ上に残つた残渣はそそのまま廃棄するこ
とができ、或いは必要に応じて、該残渣について
上記と同じ抽出操作を所望回数(通常はさらに
1、2回)繰り返し行なつてもよい。 残渣が除去された水性抽出液のPHを無機酸例え
ば塩酸により4.5〜5.5、好ましくは5.0に調整する
と沈殿が生ずるが、これを冷却下(好ましくは冷
蔵庫中;約0〜5℃に保持)に数時間乃至1日静
置して沈殿をさらに完結せしめることが望まし
い。 該沈殿を遠心分離(例えば8000rpmで20分間)
し、その上清液を分離回収する。 回収した上清液はゲル粒子を用いる分子篩クロ
マトグラフイーもしくは限外過膜または限外
過フアイバーなどの平板膜または中空繊維膜を用
いる分子篩操作に付される。 分子篩クロマトグラフイーによる分子篩操作
は、デキストラン及びポリアクリルアミドなどの
ゲル粒子をカラムに充填して用いられる。用いら
れるデキストランゲルとしては、例えば
Sephadex G―50,G―75及びG―100
(Pharmacia Fine Chemicals社製)、ポリアクリ
ルアミドゲルとしては、例えばBio―Gel P―
30,P―60およびP―100(Bio―Rad
Laboratories社製)などが有利に使用し得る。こ
れらゲル粒子の粒径には特に制約はないが、通常
40〜120μのものが好適である。また展開に使用
し得る緩衝液としては、ゲル粒子を平衡化させた
緩衝液を使用するのが好ましく、例えば0.1M酢
酸緩衝液(PH5.0)などが用いられれる。操作は
それ自体公知の方法で行うことができ、目的とす
る画分を容易に得ることができる。 また、限外過膜または限外過フアイバーを
用いる場合は、分画分子量30000〜100000、好ま
しくは約50000の上限限外過膜または上限限外
過フアイバー及び分画分子量1000〜10000、好
ましくは5000の下限限外過膜または下限限外
過フアイバーを用いる限外過に付することによ
つて行なわれる。限外過膜としては、例えば、
Diaflo XM―50(保持限界50000)、及びYM―5
(同5000 Amicon社製)、限外過フアイバーと
しては、例えばHollow Fiber H1P50(保持限界
50000)及びH1P5(同5000、Amicon社製)など
を用いることができる。 分離は限外過膜を用いる場合、上記で得られ
た上清液をXM―50を装填した202型撹拌式セル
(Amicon社製)に入れ、2Kg/cm2の窒素ガスで
加圧して過する。この過液をYM―5を装填
した上記したと同じセルに入れ、同様に窒素ガス
で加圧しながら、濃縮することにより、分画分子
量約5000〜50000の画分を得ることができる。 限外過フアイバーを用いる場合は、上記で得
られた上清液をDC4型限外過装置に装填した
Hollow Fiber中を高速で循環させることにより、
限外過膜を用いた場合と同様の画分を得ること
ができる。 かくして、分画分子量5000〜50000の活性成分
含有液を得ることができる。 このようにして得られた分画分子量5000〜
50000の活性成分含有液はイオン交換体による等
電点分画に付すことができるが、該活性成分含有
液を精製するために凍結乾燥したのち、水で抽出
するか、あるいは該濃縮液に約70〜80%飽和にな
るように硫酸アンモニウムを加えて沈殿を生ぜし
め、この沈殿を水に溶解したのち透析により脱塩
する操作を行なうことができる。脱塩操作はそれ
自体公知の方法、例えば該溶解液をセロフアンチ
ユーブにつめ蒸留水を透析外液とすることにより
容易に行うことができる。 該濃縮液は必要に応じ、電気泳動による等電点
分画、疎水性吸着体、陰イオン交換体または多孔
質ガラスを用いるクロマトグラフイーを単独であ
るいは2種以上組合せることにより、さらに精製
することができる。 電気泳動による等電点分画による方法は、それ
自体公知の方法により、すなわち、通電によつて
自由溶液あるいは適当なゲル中にあらかじめ安定
なPH勾配を形成させ、そのPH勾配に対して、本願
活性物質をその等電点と同一のPH層まで泳動さ
せ、そのPH層内に目的物を濃縮させたのち、該濃
縮分画より抽出する方法である。自由溶液又はゲ
ルとしては、シヨ糖の密度勾配溶液またはポリア
クリルアミドゲルを用いることができ、目的物を
PH層内に濃縮するためには自由溶液の場合は約48
時間、ゲルの場合は約6時間通電する必要があ
る。尚本願目的物はPH5.8〜6.6の層内から得るこ
とができる。 疎水性吸着体を用いる方法は、例えば疎水性吸
着体として、オクチル―セルローズCL―6Bまた
はフエニル―セフアローズCL―6B(Pharmacia
Fine Chemicals社製)などをカラムに充填し、
硫酸アンモニウム、食塩などの無機塩を約10〜20
%含有する溶液に前記工程で得られた濃縮液を加
え、この混合液をカラムに流すことによつて精製
することができる。 陰イオン交換体を用いる方法は、弱アルカリ性
好ましくは10〜50mMトリス緩衝液(PH8.5〜9.5)
等の緩衝液に溶解した活性物質を陰イオン交換体
と接触させ目的物を吸着させた後、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムなどの無機塩を加えイオン濃度
を高めた上記緩衝液もしくはPHを酸性(PH約4〜
5)とした酢酸緩衝液を用いて溶出させることに
よつて精製することができる。 多孔質ガラスを用いる方法は、上記活性物質を
含有する濃縮液を酸性、好ましくはPH4.5〜6.0と
したのち、多孔質ガラスと接触させ、次いでグリ
シンまたはプロリンなどのアミノ酸を加えたアル
カリ性、好ましくはPH7.5以上とした溶液を用い
て目的物を溶出させることができる。 これらの精製工程のほか、次に示す陰イオン交
換体による等電点分画法を繰り返し行うこともで
きる。 前記の如くして得られた分画分子量5000〜
50000の活性成分含有液は次いでイオン交換体に
よる等電点分画に付す。 イオン交換体による等電点分画は、蛋白質の等
電点の差を利用して分離するクロマトフオーカシ
ングを用いることができる。 クロマトフオーカシングに使用するイオン交換
体としては、例えばPBE94陰イオン交換体
(Pharmacia Fine Chemicals社製)を用いるこ
とができる。クロマトフオーカシングを行うに
は、上記したPBE94陰イオン交換体を開始緩衝
液で平衡化させる。ここで使用する緩衝液は、従
来より用いられている通常の陰イオン交換体に使
用する緩衝液を使用することができ、例えば
0.025Mトリス緩衝液(PH8.3)などが挙げられ
る。 平衡化した陰イオン交換体をカラムに充填し、
次いで上記分子節操作により得た分画分子量5000
〜50000の活性物質含有液を弱アルカリ性、好ま
しくはPH7.5〜8.5としのちカラムに添加し、溶出
液を用いて溶出する。溶出液としてはポリバツフ
アー(広いPH範囲で均一な緩衝能をもたせるため
に数種類の緩衝イオンが含まれている緩衝液)が
用いられる。 用いられるポリバツフアーとしては、ポリバツ
フアー74またはポリバツフアー96(Pharmacia
Fine Chemicals社製)などが挙げられる。 カラムに滴下する際のポリバツフアーのPHを
5.0に合わせ、ポリバツフアーがカラムを流れる
に従つて、カラム内でPH勾配が形成され、蛋白質
はその等電点の高いものから順次溶出され、本願
目的物質はPH7.0〜7.4の溶出液に含まれている。
かくして得られた溶出液は、前記した限外過
膜、限外過フアイバーまたは透析などの操作に
付し、脱塩したのち凍結乾燥することにより目的
とする歯牙体液輸送促進物質を得ることができ
る。 かくして得られた該歯牙体液輸送促進物質は齲
蝕の予防、治療に有用である。即ち、齲歯は微生
物の作用により生じた歯垢中に、同じく微生物の
代謝物である乳酸が滞留ることにより酸腐蝕が進
み、エナメル層のみならず象牙質へ齲蝕が進行す
る。齲歯の発生に関する要因は多枝にわたるが最
終的に象牙質まで齲蝕された場合においても歯牙
は第二象牙質を形成することにより防御する能力
を備えている。この際、象牙質の機能的増殖にお
いて栄養源の供給は必須なものであり、歯牙体液
輸送を亢進させる物質が第二象牙質の形成に対し
て促進的に作用すると考えられる。 本発明に従う歯牙体液促進物質をかかる齲蝕防
止剤または治療剤などとして用いるには、医薬製
剤調製液(注射用蒸留水、生理食塩液、燐酸緩衝
液、グリシン緩衝液、ベロナール緩衝液等)に歯
牙体液促進物質を添加溶解させ、注射液とするこ
とができる。さらに、この注射液に成形性を高め
るために補助剤として例えば塩化ナトリウム、グ
リシン、乳糖、マンニツト、ソルビツト、シヨ
糖、水解でんぷん、デキストラン等の補助剤を加
え、凍結乾燥製剤とすることもできる。さらに、
通常使用している歯みがき剤に歯牙体液輸送物質
を加え、齲蝕防止剤及び治療剤として使用するこ
ともできる。 さらに、本物質は歯牙のみならず、生体の硬組
織全般、特に骨化形成の促進を期待することがで
きる。 実施例 1 ウシ耳下腺1Kgをミンチし、4倍量の水を加え
て2時間撹拌抽出した後、遠心分離し、沈殿と上
清に分ける。沈殿はさらに2倍量の水を加えて再
び抽出、遠心分離を繰返し、得られた上清とさき
の分と合わせ、1N塩酸を加えてPH5.0に調整す
る。析出した沈殿を8000rpm、20分間遠心分離し
て除去し、この上清を1N水酸化ナトリウムでPH
7.0とした。この溶液をDC4型限外過装置
(Amicon社製)を用い、分画分子量50000の限外
過フアイバーHIP50(Amicon社製)で過し、
得られた過液を分画分子量5000の限外過フア
イバーHIP5(Amicon社製)で濃縮した。この濃
縮液に硫酸アンモニウムを80%飽和になるように
溶解した後、約4℃で一夜静置し、遠心分離し
た。得られた沈殿に水を加え、活性成分を抽出し
た。抽出液を0.1M酢酸緩衝液(PH5.0)で平衡化
したセフアデツクスG―75カラム(Pharmacia
Fine Chemicals社製ゲル、径5cm、高さ90cm)
に添加し、同緩衝液で溶出し、活性分画を回収
し、凍結乾燥し、活性物質を得た。 次いで、該活性物質を0.025Mトリス緩衝液
(PH8.3)に溶解し、同緩衝液で平衡化したPBE94
ゲルカラム(Pharmacia Fine Chemicals社製ゲ
ル、径1.4cm、高さ13cm)に添加し、水で10倍に
希釈したポリバツフアー74(PH5.0:Pharmacia
Fine Chemicals社製)で溶出し、活性ピークを
集めて濃縮した。再びPBE94ゲルカラムを用い
て同様にクロマトフオーカシングによつて精製
し、分画分子量10000の限外過膜PM―10
(Amicon社製)で脱塩してから凍結乾燥し、歯
牙体液輸送促進物質(8.1mg)を得た。本物質は
ポリアクリルアミドゲルのデイスク電気泳動で単
一バンドを示し、SDS―ポリアクリルアミドゲル
のデイスク電気泳動により測定した分子量は約
30000、10%ポリアクリルアミドゲルの電気泳動
法によるRf値は0.28であつた。また6N塩酸を用
い110℃で24時間加水分解した結果によるアミノ
酸分析値は下記に示す通りであつた。 構成アミノ酸(100残基当りの残基数) リジン 7.54,ヒスチジン 4.27,アルギニン
3.63,アスパラギン酸 12.50,トレオニン
5.17,セリン 4.52,グルタミン酸 9.31,プロ
リン 8.09,グリシン7.92,アラニン 6.78,バ
リン 7.48,メチオニン 1.05,イソロイシン
1.92,ロイシン 10.57,チロシン 3.10,フエニ
ルアラニン 4.35,トリプトフアン0.77 ラツトに対して70ng/Kgi.v.で歯牙への体液輸
送促進活性を示した。 実施例 2 実施例1と同様にして得たセフアデツクスG―
75活性分画の凍結乾燥物を1.0M硫酸アンモニウ
ムを含む0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(PH6.8)
に溶解し、この溶解液を同緩衝液で平衡化したオ
クチル―セフアローズCL―6Bカラム
(Pharmacia Fine Chemicals社製ゲル、径2.6
cm、高さ20cm)に添加し、同緩衝液で洗浄し素通
りさせる。この非吸着液を透析した後、濃縮して
から2%両性担体(バイオライトPH3〜10、Bio
―Rad Laboratories社製)を含む4%ポリアク
リルアミドゲルによる等電点電気泳動を行つた。
等電点電気泳動ゲルの活性部分を水で抽出し、限
外過膜PM―10(Amicon社製)によつて脱塩し
てから実施例1と同様にクロマトフオーカシング
によつて純化した凍結乾燥物(5.6mg)を得た。
ラツトに対して90ng/Kgi.v.で歯牙への体液輸送
促進活性を示した。 実施例 3 実施例1と同様にして得たセフデツクスG―75
活性分画の凍結乾燥物を0.05Mトリス緩衝液(PH
9.0)に溶解し、該溶解液を同緩衝液で平衡化し
たDEAE―セルロースカラム(ワツトマン社製
DE52、径5.6cm、高さ20cm)に添加し、同緩衝液
で洗浄してから0.5M NaClを含む0.05Mトリス緩
衝液(PH9.0)で溶出した。この溶出液を限外
過膜PM―10(Amicon社製)を用いて脱塩してか
ら実施例1と同様な方法でクロマトフオーカシン
グを行い純化した凍結乾燥物を得た。得られた活
性物質の収量は6.8mgであり、ラツトに対して
70ng/Kgi.v.で歯牙への体液輸送促進活性を示し
た。 実施例 4 実施例1と同様にして得たセフアデツクスG―
75活性分画の凍結乾燥物を0.05M酢酸緩衝液(PH
5.0)に溶解し、同緩衝液で平衡化したCPG―10
カラム(エレクトロヌクレオニクス社製2000Å、
120〜200メツシユ、径2.6cm、高さ20cm)に添加
し、同緩衝液で洗浄してから、0.5Mグリシン溶
液(PH9.0)で溶出した。この溶出液を限外過
膜PM―10(Amicon社製)により脱塩してから実
施例1と同様な方法でクロマトフオーカシングを
行い純化し、目的とする凍結乾燥物(7.5mg)を
得た。ラツトに対して80ng/Kgi.v.で歯牙への体
液輸送促進活性を示した。
腺、例えば耳下腺を原料として以下に述べる工
程、すなわち、 (a) ウシの唾液腺の水抽出液をPH4.5〜5.5の酸性
にし、生ずる沈殿を除去する工程、 (b) 得られる上清を分子篩にかけて分子量が5000
〜50000の画分を捕集する工程、及び (c) 該画分をイオン交換体による等電点分画に付
して等電点がPH5.8〜6.6の画分を捕集する工程 を経て製造することができる。 ウシの唾液腺の腺体の水抽出はそれ自体公知の
方法により行なうことができる。例えば、ウシの
唾液腺から採取した新しい腺体を細かく切り刻ん
だものに、約4倍容量の水を加え、アルカリ例え
ば水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素
ナトリウム等によりPHを中性(PH6.5〜7.5)、好
ましくはPH7.0に調整した後、撹拌しながら抽出
を行なう。撹拌は一般に冷却下、好ましくは0〜
5℃において適宜防腐剤(例えばトルエン)を加
え、数時間、通常2〜3時間行なうのが有利であ
る。 抽出が終つたら、混合液をフルイ(10〜20メツ
シユ程度のもの)にかけ、水性抽出液を分離す
る。 フルイ上に残つた残渣はそそのまま廃棄するこ
とができ、或いは必要に応じて、該残渣について
上記と同じ抽出操作を所望回数(通常はさらに
1、2回)繰り返し行なつてもよい。 残渣が除去された水性抽出液のPHを無機酸例え
ば塩酸により4.5〜5.5、好ましくは5.0に調整する
と沈殿が生ずるが、これを冷却下(好ましくは冷
蔵庫中;約0〜5℃に保持)に数時間乃至1日静
置して沈殿をさらに完結せしめることが望まし
い。 該沈殿を遠心分離(例えば8000rpmで20分間)
し、その上清液を分離回収する。 回収した上清液はゲル粒子を用いる分子篩クロ
マトグラフイーもしくは限外過膜または限外
過フアイバーなどの平板膜または中空繊維膜を用
いる分子篩操作に付される。 分子篩クロマトグラフイーによる分子篩操作
は、デキストラン及びポリアクリルアミドなどの
ゲル粒子をカラムに充填して用いられる。用いら
れるデキストランゲルとしては、例えば
Sephadex G―50,G―75及びG―100
(Pharmacia Fine Chemicals社製)、ポリアクリ
ルアミドゲルとしては、例えばBio―Gel P―
30,P―60およびP―100(Bio―Rad
Laboratories社製)などが有利に使用し得る。こ
れらゲル粒子の粒径には特に制約はないが、通常
40〜120μのものが好適である。また展開に使用
し得る緩衝液としては、ゲル粒子を平衡化させた
緩衝液を使用するのが好ましく、例えば0.1M酢
酸緩衝液(PH5.0)などが用いられれる。操作は
それ自体公知の方法で行うことができ、目的とす
る画分を容易に得ることができる。 また、限外過膜または限外過フアイバーを
用いる場合は、分画分子量30000〜100000、好ま
しくは約50000の上限限外過膜または上限限外
過フアイバー及び分画分子量1000〜10000、好
ましくは5000の下限限外過膜または下限限外
過フアイバーを用いる限外過に付することによ
つて行なわれる。限外過膜としては、例えば、
Diaflo XM―50(保持限界50000)、及びYM―5
(同5000 Amicon社製)、限外過フアイバーと
しては、例えばHollow Fiber H1P50(保持限界
50000)及びH1P5(同5000、Amicon社製)など
を用いることができる。 分離は限外過膜を用いる場合、上記で得られ
た上清液をXM―50を装填した202型撹拌式セル
(Amicon社製)に入れ、2Kg/cm2の窒素ガスで
加圧して過する。この過液をYM―5を装填
した上記したと同じセルに入れ、同様に窒素ガス
で加圧しながら、濃縮することにより、分画分子
量約5000〜50000の画分を得ることができる。 限外過フアイバーを用いる場合は、上記で得
られた上清液をDC4型限外過装置に装填した
Hollow Fiber中を高速で循環させることにより、
限外過膜を用いた場合と同様の画分を得ること
ができる。 かくして、分画分子量5000〜50000の活性成分
含有液を得ることができる。 このようにして得られた分画分子量5000〜
50000の活性成分含有液はイオン交換体による等
電点分画に付すことができるが、該活性成分含有
液を精製するために凍結乾燥したのち、水で抽出
するか、あるいは該濃縮液に約70〜80%飽和にな
るように硫酸アンモニウムを加えて沈殿を生ぜし
め、この沈殿を水に溶解したのち透析により脱塩
する操作を行なうことができる。脱塩操作はそれ
自体公知の方法、例えば該溶解液をセロフアンチ
ユーブにつめ蒸留水を透析外液とすることにより
容易に行うことができる。 該濃縮液は必要に応じ、電気泳動による等電点
分画、疎水性吸着体、陰イオン交換体または多孔
質ガラスを用いるクロマトグラフイーを単独であ
るいは2種以上組合せることにより、さらに精製
することができる。 電気泳動による等電点分画による方法は、それ
自体公知の方法により、すなわち、通電によつて
自由溶液あるいは適当なゲル中にあらかじめ安定
なPH勾配を形成させ、そのPH勾配に対して、本願
活性物質をその等電点と同一のPH層まで泳動さ
せ、そのPH層内に目的物を濃縮させたのち、該濃
縮分画より抽出する方法である。自由溶液又はゲ
ルとしては、シヨ糖の密度勾配溶液またはポリア
クリルアミドゲルを用いることができ、目的物を
PH層内に濃縮するためには自由溶液の場合は約48
時間、ゲルの場合は約6時間通電する必要があ
る。尚本願目的物はPH5.8〜6.6の層内から得るこ
とができる。 疎水性吸着体を用いる方法は、例えば疎水性吸
着体として、オクチル―セルローズCL―6Bまた
はフエニル―セフアローズCL―6B(Pharmacia
Fine Chemicals社製)などをカラムに充填し、
硫酸アンモニウム、食塩などの無機塩を約10〜20
%含有する溶液に前記工程で得られた濃縮液を加
え、この混合液をカラムに流すことによつて精製
することができる。 陰イオン交換体を用いる方法は、弱アルカリ性
好ましくは10〜50mMトリス緩衝液(PH8.5〜9.5)
等の緩衝液に溶解した活性物質を陰イオン交換体
と接触させ目的物を吸着させた後、塩化ナトリウ
ム、塩化カリウムなどの無機塩を加えイオン濃度
を高めた上記緩衝液もしくはPHを酸性(PH約4〜
5)とした酢酸緩衝液を用いて溶出させることに
よつて精製することができる。 多孔質ガラスを用いる方法は、上記活性物質を
含有する濃縮液を酸性、好ましくはPH4.5〜6.0と
したのち、多孔質ガラスと接触させ、次いでグリ
シンまたはプロリンなどのアミノ酸を加えたアル
カリ性、好ましくはPH7.5以上とした溶液を用い
て目的物を溶出させることができる。 これらの精製工程のほか、次に示す陰イオン交
換体による等電点分画法を繰り返し行うこともで
きる。 前記の如くして得られた分画分子量5000〜
50000の活性成分含有液は次いでイオン交換体に
よる等電点分画に付す。 イオン交換体による等電点分画は、蛋白質の等
電点の差を利用して分離するクロマトフオーカシ
ングを用いることができる。 クロマトフオーカシングに使用するイオン交換
体としては、例えばPBE94陰イオン交換体
(Pharmacia Fine Chemicals社製)を用いるこ
とができる。クロマトフオーカシングを行うに
は、上記したPBE94陰イオン交換体を開始緩衝
液で平衡化させる。ここで使用する緩衝液は、従
来より用いられている通常の陰イオン交換体に使
用する緩衝液を使用することができ、例えば
0.025Mトリス緩衝液(PH8.3)などが挙げられ
る。 平衡化した陰イオン交換体をカラムに充填し、
次いで上記分子節操作により得た分画分子量5000
〜50000の活性物質含有液を弱アルカリ性、好ま
しくはPH7.5〜8.5としのちカラムに添加し、溶出
液を用いて溶出する。溶出液としてはポリバツフ
アー(広いPH範囲で均一な緩衝能をもたせるため
に数種類の緩衝イオンが含まれている緩衝液)が
用いられる。 用いられるポリバツフアーとしては、ポリバツ
フアー74またはポリバツフアー96(Pharmacia
Fine Chemicals社製)などが挙げられる。 カラムに滴下する際のポリバツフアーのPHを
5.0に合わせ、ポリバツフアーがカラムを流れる
に従つて、カラム内でPH勾配が形成され、蛋白質
はその等電点の高いものから順次溶出され、本願
目的物質はPH7.0〜7.4の溶出液に含まれている。
かくして得られた溶出液は、前記した限外過
膜、限外過フアイバーまたは透析などの操作に
付し、脱塩したのち凍結乾燥することにより目的
とする歯牙体液輸送促進物質を得ることができ
る。 かくして得られた該歯牙体液輸送促進物質は齲
蝕の予防、治療に有用である。即ち、齲歯は微生
物の作用により生じた歯垢中に、同じく微生物の
代謝物である乳酸が滞留ることにより酸腐蝕が進
み、エナメル層のみならず象牙質へ齲蝕が進行す
る。齲歯の発生に関する要因は多枝にわたるが最
終的に象牙質まで齲蝕された場合においても歯牙
は第二象牙質を形成することにより防御する能力
を備えている。この際、象牙質の機能的増殖にお
いて栄養源の供給は必須なものであり、歯牙体液
輸送を亢進させる物質が第二象牙質の形成に対し
て促進的に作用すると考えられる。 本発明に従う歯牙体液促進物質をかかる齲蝕防
止剤または治療剤などとして用いるには、医薬製
剤調製液(注射用蒸留水、生理食塩液、燐酸緩衝
液、グリシン緩衝液、ベロナール緩衝液等)に歯
牙体液促進物質を添加溶解させ、注射液とするこ
とができる。さらに、この注射液に成形性を高め
るために補助剤として例えば塩化ナトリウム、グ
リシン、乳糖、マンニツト、ソルビツト、シヨ
糖、水解でんぷん、デキストラン等の補助剤を加
え、凍結乾燥製剤とすることもできる。さらに、
通常使用している歯みがき剤に歯牙体液輸送物質
を加え、齲蝕防止剤及び治療剤として使用するこ
ともできる。 さらに、本物質は歯牙のみならず、生体の硬組
織全般、特に骨化形成の促進を期待することがで
きる。 実施例 1 ウシ耳下腺1Kgをミンチし、4倍量の水を加え
て2時間撹拌抽出した後、遠心分離し、沈殿と上
清に分ける。沈殿はさらに2倍量の水を加えて再
び抽出、遠心分離を繰返し、得られた上清とさき
の分と合わせ、1N塩酸を加えてPH5.0に調整す
る。析出した沈殿を8000rpm、20分間遠心分離し
て除去し、この上清を1N水酸化ナトリウムでPH
7.0とした。この溶液をDC4型限外過装置
(Amicon社製)を用い、分画分子量50000の限外
過フアイバーHIP50(Amicon社製)で過し、
得られた過液を分画分子量5000の限外過フア
イバーHIP5(Amicon社製)で濃縮した。この濃
縮液に硫酸アンモニウムを80%飽和になるように
溶解した後、約4℃で一夜静置し、遠心分離し
た。得られた沈殿に水を加え、活性成分を抽出し
た。抽出液を0.1M酢酸緩衝液(PH5.0)で平衡化
したセフアデツクスG―75カラム(Pharmacia
Fine Chemicals社製ゲル、径5cm、高さ90cm)
に添加し、同緩衝液で溶出し、活性分画を回収
し、凍結乾燥し、活性物質を得た。 次いで、該活性物質を0.025Mトリス緩衝液
(PH8.3)に溶解し、同緩衝液で平衡化したPBE94
ゲルカラム(Pharmacia Fine Chemicals社製ゲ
ル、径1.4cm、高さ13cm)に添加し、水で10倍に
希釈したポリバツフアー74(PH5.0:Pharmacia
Fine Chemicals社製)で溶出し、活性ピークを
集めて濃縮した。再びPBE94ゲルカラムを用い
て同様にクロマトフオーカシングによつて精製
し、分画分子量10000の限外過膜PM―10
(Amicon社製)で脱塩してから凍結乾燥し、歯
牙体液輸送促進物質(8.1mg)を得た。本物質は
ポリアクリルアミドゲルのデイスク電気泳動で単
一バンドを示し、SDS―ポリアクリルアミドゲル
のデイスク電気泳動により測定した分子量は約
30000、10%ポリアクリルアミドゲルの電気泳動
法によるRf値は0.28であつた。また6N塩酸を用
い110℃で24時間加水分解した結果によるアミノ
酸分析値は下記に示す通りであつた。 構成アミノ酸(100残基当りの残基数) リジン 7.54,ヒスチジン 4.27,アルギニン
3.63,アスパラギン酸 12.50,トレオニン
5.17,セリン 4.52,グルタミン酸 9.31,プロ
リン 8.09,グリシン7.92,アラニン 6.78,バ
リン 7.48,メチオニン 1.05,イソロイシン
1.92,ロイシン 10.57,チロシン 3.10,フエニ
ルアラニン 4.35,トリプトフアン0.77 ラツトに対して70ng/Kgi.v.で歯牙への体液輸
送促進活性を示した。 実施例 2 実施例1と同様にして得たセフアデツクスG―
75活性分画の凍結乾燥物を1.0M硫酸アンモニウ
ムを含む0.01Mリン酸ナトリウム緩衝液(PH6.8)
に溶解し、この溶解液を同緩衝液で平衡化したオ
クチル―セフアローズCL―6Bカラム
(Pharmacia Fine Chemicals社製ゲル、径2.6
cm、高さ20cm)に添加し、同緩衝液で洗浄し素通
りさせる。この非吸着液を透析した後、濃縮して
から2%両性担体(バイオライトPH3〜10、Bio
―Rad Laboratories社製)を含む4%ポリアク
リルアミドゲルによる等電点電気泳動を行つた。
等電点電気泳動ゲルの活性部分を水で抽出し、限
外過膜PM―10(Amicon社製)によつて脱塩し
てから実施例1と同様にクロマトフオーカシング
によつて純化した凍結乾燥物(5.6mg)を得た。
ラツトに対して90ng/Kgi.v.で歯牙への体液輸送
促進活性を示した。 実施例 3 実施例1と同様にして得たセフデツクスG―75
活性分画の凍結乾燥物を0.05Mトリス緩衝液(PH
9.0)に溶解し、該溶解液を同緩衝液で平衡化し
たDEAE―セルロースカラム(ワツトマン社製
DE52、径5.6cm、高さ20cm)に添加し、同緩衝液
で洗浄してから0.5M NaClを含む0.05Mトリス緩
衝液(PH9.0)で溶出した。この溶出液を限外
過膜PM―10(Amicon社製)を用いて脱塩してか
ら実施例1と同様な方法でクロマトフオーカシン
グを行い純化した凍結乾燥物を得た。得られた活
性物質の収量は6.8mgであり、ラツトに対して
70ng/Kgi.v.で歯牙への体液輸送促進活性を示し
た。 実施例 4 実施例1と同様にして得たセフアデツクスG―
75活性分画の凍結乾燥物を0.05M酢酸緩衝液(PH
5.0)に溶解し、同緩衝液で平衡化したCPG―10
カラム(エレクトロヌクレオニクス社製2000Å、
120〜200メツシユ、径2.6cm、高さ20cm)に添加
し、同緩衝液で洗浄してから、0.5Mグリシン溶
液(PH9.0)で溶出した。この溶出液を限外過
膜PM―10(Amicon社製)により脱塩してから実
施例1と同様な方法でクロマトフオーカシングを
行い純化し、目的とする凍結乾燥物(7.5mg)を
得た。ラツトに対して80ng/Kgi.v.で歯牙への体
液輸送促進活性を示した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ウシの唾液腺から得られる、SDS―ポリアク
リルアミドゲルのデイスク電気泳動法により測定
した分子量が25000〜35000、等電点がPH5.8〜
6.6、10%ポリアクリルアミドゲルの電気泳動法
により測定したRf値が0.26〜0.34、紫外線吸収ス
ペクトルの極大吸収波長(λmax)が約280nmで
且つ吸光度E1%280onが12〜17であることを特徴とす
る歯牙体液輸送促進物質。 2 (a) ウシの唾液腺の水抽出液をPH4.5〜5.5の
酸性にし、生ずる沈殿を除去する工程、 (b) 得られる上清を分子篩にかけて分子量が5000
〜50000の画分を捕集する工程、及び (c) 該画分をイオン交換体により等電点分画に付
して等電点がPH5.8〜6.6の画分を捕集する工程 よりなることを特徴とする歯牙体液輸送促進物質
の製造方法。 3 工程(b)で得られる分子量が5000〜50000の画
分を、硫酸アンモニウムを用いる塩析、水抽出及
び脱塩処理に付した後工程(c)に付す特許請求の範
囲第2項記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58220668A JPS60115527A (ja) | 1983-11-25 | 1983-11-25 | 歯牙体液輸送促進物質及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58220668A JPS60115527A (ja) | 1983-11-25 | 1983-11-25 | 歯牙体液輸送促進物質及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60115527A JPS60115527A (ja) | 1985-06-22 |
| JPH0259840B2 true JPH0259840B2 (ja) | 1990-12-13 |
Family
ID=16754576
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58220668A Granted JPS60115527A (ja) | 1983-11-25 | 1983-11-25 | 歯牙体液輸送促進物質及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60115527A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4424759B2 (ja) * | 1997-04-28 | 2010-03-03 | あすか製薬株式会社 | 保湿剤、それを含む化粧料および医薬品 |
| JP6846844B2 (ja) * | 2016-07-05 | 2021-03-24 | 多木化学株式会社 | コラーゲンの製造方法 |
-
1983
- 1983-11-25 JP JP58220668A patent/JPS60115527A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60115527A (ja) | 1985-06-22 |
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