JPH031983B2 - - Google Patents
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- JPH031983B2 JPH031983B2 JP61182999A JP18299986A JPH031983B2 JP H031983 B2 JPH031983 B2 JP H031983B2 JP 61182999 A JP61182999 A JP 61182999A JP 18299986 A JP18299986 A JP 18299986A JP H031983 B2 JPH031983 B2 JP H031983B2
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明はビスフエノールAのポリアルキレンオ
キシド付加物部分をソフトセグメントとして含有
するポリエステル系樹脂からなる外科縫合糸に関
する。 〔従来の技術〕 従来から縫合糸として、絹糸のような天然高分
子からポリプロピレンなどの合成高分子まで、数
多くの素材の糸が使用されている。 近年、医学の進歩により、精巧かつ複雑な外科
手術に対応した優れた性質を有する縫合糸が求め
られている。 このような縫合糸の1つに、生体軟組織(とく
に血管璧や皮膚など)の応力−歪曲線に近似した
良好な柔軟性を有するモノフイラメントがある。 米国特許第4224946号明細書にはこのようなモ
ノフイラメントとして、芳香族ポリエステル部分
をハードセグメントとして含有し、脂肪族ポリエ
ーテル部分をソフトセグメントとして含有するポ
リエステル−ポリエーテル共重合体を延伸してな
る縫合糸が開示されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 前記ポリエステル−ポリエーテル共重合体にお
いて、芳香族ポリエステル部分はポリテトラメチ
レンテレフタレート部分で代表されるように、高
融点かつ高結晶性であり、耐熱性や耐酸化分解性
に優れている。一方、脂肪族ポリエーテル部分は
ポリテトラメチレングリコール部分で代表される
ように、芳香族ポリエステル部分と比較して低融
点かつ非結晶性であり、耐熱性や耐酸化分解性に
劣るものである。したがつて、これらの部分から
なるポリエステル−ポリエーテル共重合体は、脂
肪族ポリエーテル部分が耐熱性や耐酸化分解性に
劣るため、重縮合反応時や溶融成形時などにこの
脂肪族ポリエーテル部分が切断し、強度の低下が
おこりやすい。よつて、該ポリエステル−ポリエ
ーテル共重合体からなる縫合糸も抗張力が劣つた
り、抗張力などの力学的性質が製造ロツトによつ
て異なりやすいという欠点がある。 本発明はこのようなポリエステル−ポリエーテ
ル共重合体からなる手術用縫合糸の欠点を改良す
るためになされたものであり、生体軟組織の応力
−歪曲線に近似した良好な柔軟性を有し、かつ耐
熱性や抗張力や力学的性質が安定した優れた縫合
糸を提供することを目的としてなされたものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前記ポリエステル−ポリエーテル共
重合体における脂肪族ポリエーテル部分の代りに
ビスフエノールAのポリアルキレンオキシド付加
物部分を用いると、えられるポリエステル系樹脂
の耐熱性や耐酸化分解性が向上し、目的とする縫
合糸がえられることが見出されたことによりなさ
れたものであり、ソフトセグメントとしてビスフ
エノールAのポリアルキレンオキシド付加物を10
〜70重量%含有するポリエステル系樹脂からなる
外科縫合糸に関する。 〔実施例〕 本発明に用いるポリエステル系樹脂のソフトセ
グメントとして含有されるビスフエノールAのポ
リアルキレンオキシド付加物部分は、一般式(1): (式中、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、好ま
しくはエチレン基、nは4以上の整数である)で
示されるものであり、分子量は500〜10000が好ま
しく、力学的性質のバランスを考えると600〜
3000がさらに好ましく、700〜2000がとくに好ま
しい。ビスフエノールAのポリアルキレンオキシ
ド付加物の分子量が500未満になると柔軟性が不
足し、分子量が10000をこえると抗張力が充分で
なくなる傾向にある。 本明細書にいうソフトセグメントとはビスフエ
ノールAのポリアルキレンオキシド付加物部分の
ことであり、ソフトセグメント比率とはポリエス
テル系樹脂中にしめるビスフエノールAのポリア
ルキレンオキシド付加物部分の重量割合(重量
%)のことである。該ソフトセグメント比率は10
〜70重量%であり、20〜50重量%であるのが好ま
しく、さらに25〜45重量%であるのが好ましい。
ソフトセグメント比率が10重量%未満になると柔
軟性が不足し、70重量%をこえると抗張力が劣
る。 本発明の縫合糸に用いるポリエステル系樹脂
は、ジカルボン酸化合物と分子量300以下のジオ
ール化合物と前記ビスフエノールAのポリアルキ
レンオキシド付加物とを必須成分として重合させ
ることにより製造することができる。 前記ジカルボン酸化合物とは、ジカルボン酸の
みならず、その誘導体などで反応によりエステル
を形成しうる化合物をも含む概念である。該ジカ
ルボン酸化合物としては、たとえば芳香族ジカル
ボン酸や脂肪族(脂環式も含む、以下同様)ジカ
ルボン酸、これらのジアルキルエステル、ジハロ
ゲン化物または酸無水物などがあげられ、その具
体例としては、たとえばテレフタル酸、フタル
酸、イソフタル酸、4,4′−ビフエニルジカルボ
ン酸、4,4′−スルホニルジ安息香酸、2,6−
ナフタリンジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フ
マル酸などや、これらのジアルキルエステル、ジ
ハロゲン化物あるいは酸無水物などがあげられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用
してもよい。 前記ジカルボン酸化合物のうちでは、縫合糸に
強い抗張力を与えうるという点からすると芳香族
ジカルボン酸化合物が好ましく、抗張力に加えて
ポリエステル系樹脂に優れた成形性や結晶性を与
えうるという点からすると、とくにテレフタル酸
やそのジアルキルエステルなどの誘導体が好まし
い。 前記分子量300以下のジオール化合物とは、分
子量300以下のジオールのみならず、その誘導体
などで反応によりエステルを形成しうる化合物を
含む概念である。該ジオール化合物の具体例とし
ては、たとえばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエ
チレングリコール、シプロピレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、水素化ビスフエノールAなどがあげら
れ、これらは単独で用いてもよく、2種以上併用
してもよい。これらジオール化合物のなかでは、
縫合糸に優れた力学的性質を与えうるという点か
らすると、エチレングリコールや1,4−ブタン
ジオールが好ましく、重縮合や成形に必要な温度
が低く、かつ結晶化速度が速いという点を考えあ
わせると、とくに1,4−ブタンジオールが好ま
しい。 前記のごとき原料を使用して通常の方法によ
り、本発明に用いるポリエステル系樹脂が製造さ
れる。 本発明に用いるポリエステル系樹脂の還元比粘
度(ηSP/C)は0.5〜3.0(フエノール/テトラク
ロルエタン=1/1(容量比)の混合溶剤を用い、
ポリマー濃度C=0.5g/dl、25℃で測定)が好
ましく、さらに0.7〜2.5であるのが好ましい。 前記還元比粘度が0.5未満になると抗張力がお
とり、3.0をこえると成形性におとる傾向にある。 本発明の縫合糸は該ポリエステル系樹脂を通常
の合成繊維の溶融紡糸などの方法により紡糸した
のち、延伸して製造される。最適な延伸倍率はポ
リエステル系樹脂の性質、とくにソフトセグメン
ト比率によつて変化するので一概に決定できない
が、3〜15倍であるのが好ましく、さらに5〜12
倍、とくに6〜10倍であるのが好ましい。この延
伸によつてフイラメントを形成するポリエステル
系樹脂分子は強く配向し、血管璧に近似した柔軟
性と縫合糸として充分に強い抗張力とをうること
ができる。したがつて、延伸倍率が3倍未満にな
ると縫合糸が柔軟になり過ぎたり、抗張力が不足
したりし、15倍をこえると柔軟性が不足したりす
る傾向が生じる。 本明細書にいう血管壁に近似した柔軟性とは、
歪が10〜50%の範囲のある歪までは小さな弾性率
を示し、その歪をこえると急激に高い弾性率を示
す応力−歪曲線を有することを意味する。 つぎに本発明の縫合糸の製法について説明す
る。 まず、本発明の縫合糸に用いるポリエステル系
樹脂の製法であるが、通常のポリエステルの製造
方法と同様の方法によつて製造することができ
る。前記方法の具体例としては、たとえばグリコ
ールと多塩基酸とを用いる直接エステル化反応、
グリコールと酸無水物とを用いる直接エステル化
反応、ジカルボン酸エステルとグリコールとのエ
ステル交換反応、ジカルボン酸エステルの多縮
合、ジカルボン酸クロリドとジオールとの複分解
反応などの反応を利用した種々の方法があげられ
る。これらのなかで最も一般的なのがジカルボン
酸エステルとグリコールとのエステル交換反応を
用いた方法であるので、この方法について具体的
に説明する。 この方法では原料のジカルボン酸エステルとグ
リコールとのエステル交換反応を行ない、ついで
えられたエステル交換物を重縮合させる。 エステル交換反応はジカルボン酸ジアルキルエ
ステルとグリコールとを触媒の存在下、窒素ガス
などの不活性ガス雰囲気中、約150〜250℃の高温
で行なわれる。 該触媒としては、たとえば有機チタン化合物や
アンチモン、鉛、亜鉛、マグネシウム、ゲルマニ
ウム、カルシウムまたはマンガンなどの化合物の
ような公知のエステル交換触媒を用いることがで
きる。 重縮合反応は約1mmHg以下の減圧下、生成共
重合体の融点〜300℃の範囲で通常行なわれるが、
ビスフエノールAのポリアルキレンオキシド付加
物の熱分解を考えると生成共重合体の融点〜270
℃の範囲が好ましい。この重縮合反応工程でも、
必要に応じて鉛、チタニウム、アンチモン、ニオ
ビウム、ゲルマニウムなどの化合物を触媒として
添加してもよい。 重合に用いる原料は一括して仕込んでもよい
し、ジカルボン酸化合物と分子量300以下のジオ
ール化合物とでエステル交換反応を行なわせたの
ち、重縮合の前にビスフエノールAのポリアルキ
レンオキシド付加物を添加して反応させてもよ
い。 このようにして製造されたポリエステル系樹脂
は溶融して押出され、急冷後延伸せしめられるな
どの方法により、本発明の縫合糸がえられる。 ポリエステル系樹脂の紡糸は、通常の合成繊維
の溶融紡糸法と同様の方法で行なえばよい。紡糸
して水やグリセリンで急冷したのち、前記のよう
に3〜15倍、さらに5〜12倍、とくに6〜10倍に
延伸するのが好ましい。延伸方法にもとくに限定
はないが、通常は2段階に延伸するのが好まし
い。 次に実施例に基づき本発明の縫合糸を説明す
る。なお、実施例における「部」は重量部を意味
し、還元比粘度(ηSP/C)はフエノール/テト
ラクロルエタン=1/1(容量比)の混合溶剤を
用い、ポリマー濃度C=0.5g/dl、25℃で測定
した値である。 実施例 1 ジメチルテレフタレート768部、1,4−ブタ
ンジオール648部、分子量1000のビスフエノール
Aのポリエチレンオキシド付加物 360部、テトラ−n−ブチルチタネート1.2部、
イルガノツクス1330(酸化防止剤、チバガイギー
社製)3部をジヤケツト温度200℃、窒素ガス雰
囲気下のオートクレーブに入れて攪拌した。常圧
で120分間を要して内温を250℃に昇温し、メタノ
ールと過剰の1,4−ブタジオールとを留出除去
した。250℃に到達したのち10分間で0.5mmHg以
下の減圧にして重縮合を行なつた。100分間重縮
合反応を行ない、ポリエステル系樹脂をえた。 えられたポリエステル系樹脂の還元比粘度は
1.2であつた。 このポリエステル系樹脂を230〜250℃の温度条
件で15m/分の押出速度で紡糸した。押出された
糸は60℃の水を通つたのち、90℃の水中で4.7倍
に延伸せしめられ、ついで120℃のグリセリン中
で1.5倍に延伸せしめられた。最後に充分に水洗
を行ない、乾燥したのち巻取つた。 製造した糸の直径は0.115mmのモノフイラメン
トで、この糸を用いて島津オートグラフIS−2000
を用いて引張試験を行なつた。えられた直線時お
よび結節時の抗張力と伸びの結果を第1表に、ま
た応力−歪曲線を第1図に示す。
キシド付加物部分をソフトセグメントとして含有
するポリエステル系樹脂からなる外科縫合糸に関
する。 〔従来の技術〕 従来から縫合糸として、絹糸のような天然高分
子からポリプロピレンなどの合成高分子まで、数
多くの素材の糸が使用されている。 近年、医学の進歩により、精巧かつ複雑な外科
手術に対応した優れた性質を有する縫合糸が求め
られている。 このような縫合糸の1つに、生体軟組織(とく
に血管璧や皮膚など)の応力−歪曲線に近似した
良好な柔軟性を有するモノフイラメントがある。 米国特許第4224946号明細書にはこのようなモ
ノフイラメントとして、芳香族ポリエステル部分
をハードセグメントとして含有し、脂肪族ポリエ
ーテル部分をソフトセグメントとして含有するポ
リエステル−ポリエーテル共重合体を延伸してな
る縫合糸が開示されている。 〔発明が解決しようとする問題点〕 前記ポリエステル−ポリエーテル共重合体にお
いて、芳香族ポリエステル部分はポリテトラメチ
レンテレフタレート部分で代表されるように、高
融点かつ高結晶性であり、耐熱性や耐酸化分解性
に優れている。一方、脂肪族ポリエーテル部分は
ポリテトラメチレングリコール部分で代表される
ように、芳香族ポリエステル部分と比較して低融
点かつ非結晶性であり、耐熱性や耐酸化分解性に
劣るものである。したがつて、これらの部分から
なるポリエステル−ポリエーテル共重合体は、脂
肪族ポリエーテル部分が耐熱性や耐酸化分解性に
劣るため、重縮合反応時や溶融成形時などにこの
脂肪族ポリエーテル部分が切断し、強度の低下が
おこりやすい。よつて、該ポリエステル−ポリエ
ーテル共重合体からなる縫合糸も抗張力が劣つた
り、抗張力などの力学的性質が製造ロツトによつ
て異なりやすいという欠点がある。 本発明はこのようなポリエステル−ポリエーテ
ル共重合体からなる手術用縫合糸の欠点を改良す
るためになされたものであり、生体軟組織の応力
−歪曲線に近似した良好な柔軟性を有し、かつ耐
熱性や抗張力や力学的性質が安定した優れた縫合
糸を提供することを目的としてなされたものであ
る。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前記ポリエステル−ポリエーテル共
重合体における脂肪族ポリエーテル部分の代りに
ビスフエノールAのポリアルキレンオキシド付加
物部分を用いると、えられるポリエステル系樹脂
の耐熱性や耐酸化分解性が向上し、目的とする縫
合糸がえられることが見出されたことによりなさ
れたものであり、ソフトセグメントとしてビスフ
エノールAのポリアルキレンオキシド付加物を10
〜70重量%含有するポリエステル系樹脂からなる
外科縫合糸に関する。 〔実施例〕 本発明に用いるポリエステル系樹脂のソフトセ
グメントとして含有されるビスフエノールAのポ
リアルキレンオキシド付加物部分は、一般式(1): (式中、Rは炭素数2〜6のアルキレン基、好ま
しくはエチレン基、nは4以上の整数である)で
示されるものであり、分子量は500〜10000が好ま
しく、力学的性質のバランスを考えると600〜
3000がさらに好ましく、700〜2000がとくに好ま
しい。ビスフエノールAのポリアルキレンオキシ
ド付加物の分子量が500未満になると柔軟性が不
足し、分子量が10000をこえると抗張力が充分で
なくなる傾向にある。 本明細書にいうソフトセグメントとはビスフエ
ノールAのポリアルキレンオキシド付加物部分の
ことであり、ソフトセグメント比率とはポリエス
テル系樹脂中にしめるビスフエノールAのポリア
ルキレンオキシド付加物部分の重量割合(重量
%)のことである。該ソフトセグメント比率は10
〜70重量%であり、20〜50重量%であるのが好ま
しく、さらに25〜45重量%であるのが好ましい。
ソフトセグメント比率が10重量%未満になると柔
軟性が不足し、70重量%をこえると抗張力が劣
る。 本発明の縫合糸に用いるポリエステル系樹脂
は、ジカルボン酸化合物と分子量300以下のジオ
ール化合物と前記ビスフエノールAのポリアルキ
レンオキシド付加物とを必須成分として重合させ
ることにより製造することができる。 前記ジカルボン酸化合物とは、ジカルボン酸の
みならず、その誘導体などで反応によりエステル
を形成しうる化合物をも含む概念である。該ジカ
ルボン酸化合物としては、たとえば芳香族ジカル
ボン酸や脂肪族(脂環式も含む、以下同様)ジカ
ルボン酸、これらのジアルキルエステル、ジハロ
ゲン化物または酸無水物などがあげられ、その具
体例としては、たとえばテレフタル酸、フタル
酸、イソフタル酸、4,4′−ビフエニルジカルボ
ン酸、4,4′−スルホニルジ安息香酸、2,6−
ナフタリンジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸、アジピン酸、セバシン酸、コハク酸、フ
マル酸などや、これらのジアルキルエステル、ジ
ハロゲン化物あるいは酸無水物などがあげられ
る。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用
してもよい。 前記ジカルボン酸化合物のうちでは、縫合糸に
強い抗張力を与えうるという点からすると芳香族
ジカルボン酸化合物が好ましく、抗張力に加えて
ポリエステル系樹脂に優れた成形性や結晶性を与
えうるという点からすると、とくにテレフタル酸
やそのジアルキルエステルなどの誘導体が好まし
い。 前記分子量300以下のジオール化合物とは、分
子量300以下のジオールのみならず、その誘導体
などで反応によりエステルを形成しうる化合物を
含む概念である。該ジオール化合物の具体例とし
ては、たとえばエチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−
ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエ
チレングリコール、シプロピレングリコール、ト
リエチレングリコール、1,5−ペンタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグ
リコール、水素化ビスフエノールAなどがあげら
れ、これらは単独で用いてもよく、2種以上併用
してもよい。これらジオール化合物のなかでは、
縫合糸に優れた力学的性質を与えうるという点か
らすると、エチレングリコールや1,4−ブタン
ジオールが好ましく、重縮合や成形に必要な温度
が低く、かつ結晶化速度が速いという点を考えあ
わせると、とくに1,4−ブタンジオールが好ま
しい。 前記のごとき原料を使用して通常の方法によ
り、本発明に用いるポリエステル系樹脂が製造さ
れる。 本発明に用いるポリエステル系樹脂の還元比粘
度(ηSP/C)は0.5〜3.0(フエノール/テトラク
ロルエタン=1/1(容量比)の混合溶剤を用い、
ポリマー濃度C=0.5g/dl、25℃で測定)が好
ましく、さらに0.7〜2.5であるのが好ましい。 前記還元比粘度が0.5未満になると抗張力がお
とり、3.0をこえると成形性におとる傾向にある。 本発明の縫合糸は該ポリエステル系樹脂を通常
の合成繊維の溶融紡糸などの方法により紡糸した
のち、延伸して製造される。最適な延伸倍率はポ
リエステル系樹脂の性質、とくにソフトセグメン
ト比率によつて変化するので一概に決定できない
が、3〜15倍であるのが好ましく、さらに5〜12
倍、とくに6〜10倍であるのが好ましい。この延
伸によつてフイラメントを形成するポリエステル
系樹脂分子は強く配向し、血管璧に近似した柔軟
性と縫合糸として充分に強い抗張力とをうること
ができる。したがつて、延伸倍率が3倍未満にな
ると縫合糸が柔軟になり過ぎたり、抗張力が不足
したりし、15倍をこえると柔軟性が不足したりす
る傾向が生じる。 本明細書にいう血管壁に近似した柔軟性とは、
歪が10〜50%の範囲のある歪までは小さな弾性率
を示し、その歪をこえると急激に高い弾性率を示
す応力−歪曲線を有することを意味する。 つぎに本発明の縫合糸の製法について説明す
る。 まず、本発明の縫合糸に用いるポリエステル系
樹脂の製法であるが、通常のポリエステルの製造
方法と同様の方法によつて製造することができ
る。前記方法の具体例としては、たとえばグリコ
ールと多塩基酸とを用いる直接エステル化反応、
グリコールと酸無水物とを用いる直接エステル化
反応、ジカルボン酸エステルとグリコールとのエ
ステル交換反応、ジカルボン酸エステルの多縮
合、ジカルボン酸クロリドとジオールとの複分解
反応などの反応を利用した種々の方法があげられ
る。これらのなかで最も一般的なのがジカルボン
酸エステルとグリコールとのエステル交換反応を
用いた方法であるので、この方法について具体的
に説明する。 この方法では原料のジカルボン酸エステルとグ
リコールとのエステル交換反応を行ない、ついで
えられたエステル交換物を重縮合させる。 エステル交換反応はジカルボン酸ジアルキルエ
ステルとグリコールとを触媒の存在下、窒素ガス
などの不活性ガス雰囲気中、約150〜250℃の高温
で行なわれる。 該触媒としては、たとえば有機チタン化合物や
アンチモン、鉛、亜鉛、マグネシウム、ゲルマニ
ウム、カルシウムまたはマンガンなどの化合物の
ような公知のエステル交換触媒を用いることがで
きる。 重縮合反応は約1mmHg以下の減圧下、生成共
重合体の融点〜300℃の範囲で通常行なわれるが、
ビスフエノールAのポリアルキレンオキシド付加
物の熱分解を考えると生成共重合体の融点〜270
℃の範囲が好ましい。この重縮合反応工程でも、
必要に応じて鉛、チタニウム、アンチモン、ニオ
ビウム、ゲルマニウムなどの化合物を触媒として
添加してもよい。 重合に用いる原料は一括して仕込んでもよい
し、ジカルボン酸化合物と分子量300以下のジオ
ール化合物とでエステル交換反応を行なわせたの
ち、重縮合の前にビスフエノールAのポリアルキ
レンオキシド付加物を添加して反応させてもよ
い。 このようにして製造されたポリエステル系樹脂
は溶融して押出され、急冷後延伸せしめられるな
どの方法により、本発明の縫合糸がえられる。 ポリエステル系樹脂の紡糸は、通常の合成繊維
の溶融紡糸法と同様の方法で行なえばよい。紡糸
して水やグリセリンで急冷したのち、前記のよう
に3〜15倍、さらに5〜12倍、とくに6〜10倍に
延伸するのが好ましい。延伸方法にもとくに限定
はないが、通常は2段階に延伸するのが好まし
い。 次に実施例に基づき本発明の縫合糸を説明す
る。なお、実施例における「部」は重量部を意味
し、還元比粘度(ηSP/C)はフエノール/テト
ラクロルエタン=1/1(容量比)の混合溶剤を
用い、ポリマー濃度C=0.5g/dl、25℃で測定
した値である。 実施例 1 ジメチルテレフタレート768部、1,4−ブタ
ンジオール648部、分子量1000のビスフエノール
Aのポリエチレンオキシド付加物 360部、テトラ−n−ブチルチタネート1.2部、
イルガノツクス1330(酸化防止剤、チバガイギー
社製)3部をジヤケツト温度200℃、窒素ガス雰
囲気下のオートクレーブに入れて攪拌した。常圧
で120分間を要して内温を250℃に昇温し、メタノ
ールと過剰の1,4−ブタジオールとを留出除去
した。250℃に到達したのち10分間で0.5mmHg以
下の減圧にして重縮合を行なつた。100分間重縮
合反応を行ない、ポリエステル系樹脂をえた。 えられたポリエステル系樹脂の還元比粘度は
1.2であつた。 このポリエステル系樹脂を230〜250℃の温度条
件で15m/分の押出速度で紡糸した。押出された
糸は60℃の水を通つたのち、90℃の水中で4.7倍
に延伸せしめられ、ついで120℃のグリセリン中
で1.5倍に延伸せしめられた。最後に充分に水洗
を行ない、乾燥したのち巻取つた。 製造した糸の直径は0.115mmのモノフイラメン
トで、この糸を用いて島津オートグラフIS−2000
を用いて引張試験を行なつた。えられた直線時お
よび結節時の抗張力と伸びの結果を第1表に、ま
た応力−歪曲線を第1図に示す。
本発明に用いるポリエステル系樹脂はソフトセ
グメントがビスフエノールAのポリアルキレンオ
キシド付加物部分であるため、耐熱性に優れてい
る。従つて、ポリエステル系樹脂の重縮合時や紡
糸時などの熱履歴に対して安定であり、分子量の
低下などが生じにくいため、力学的性質の安定性
に優れている。それゆえ、該樹脂を用いて製造し
た本発明の縫合糸の力学的性質も安定して優れた
ものとなる。また該縫合糸は延伸されており、生
体軟組織の応力−歪曲線に近似した柔軟性を有
し、かつ優れた抗張力を有するようにされている
ため、該縫合糸を用いて血管などの生体軟組織の
縫合を行なうと、生体軟組織に無理な応力を加え
たり、生体軟組織を切つたりすることなく、作業
性よく縫合しうる。とくに血管の縫合では、血流
再開直後の縫合部からの血液の漏れが少ないとい
う効果がえられる。
グメントがビスフエノールAのポリアルキレンオ
キシド付加物部分であるため、耐熱性に優れてい
る。従つて、ポリエステル系樹脂の重縮合時や紡
糸時などの熱履歴に対して安定であり、分子量の
低下などが生じにくいため、力学的性質の安定性
に優れている。それゆえ、該樹脂を用いて製造し
た本発明の縫合糸の力学的性質も安定して優れた
ものとなる。また該縫合糸は延伸されており、生
体軟組織の応力−歪曲線に近似した柔軟性を有
し、かつ優れた抗張力を有するようにされている
ため、該縫合糸を用いて血管などの生体軟組織の
縫合を行なうと、生体軟組織に無理な応力を加え
たり、生体軟組織を切つたりすることなく、作業
性よく縫合しうる。とくに血管の縫合では、血流
再開直後の縫合部からの血液の漏れが少ないとい
う効果がえられる。
第1図は実施例1でえられた本発明の外科縫合
糸の応力−歪曲線を示すグラフである。
糸の応力−歪曲線を示すグラフである。
Claims (1)
- 1 ソフトセグメンとトしてビスフエノールAの
ポリアルキレンオキシド付加物部分を10〜70重量
%含有するポリエステル系樹脂からなる外科縫合
糸。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61182999A JPS6338462A (ja) | 1986-08-04 | 1986-08-04 | 外科縫合糸 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61182999A JPS6338462A (ja) | 1986-08-04 | 1986-08-04 | 外科縫合糸 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6338462A JPS6338462A (ja) | 1988-02-19 |
| JPH031983B2 true JPH031983B2 (ja) | 1991-01-11 |
Family
ID=16127983
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61182999A Granted JPS6338462A (ja) | 1986-08-04 | 1986-08-04 | 外科縫合糸 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6338462A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US5901278A (en) * | 1994-08-18 | 1999-05-04 | Konica Corporation | Image recording apparatus with a memory means to store image data |
-
1986
- 1986-08-04 JP JP61182999A patent/JPS6338462A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6338462A (ja) | 1988-02-19 |
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