JPH032859B2 - - Google Patents
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- JPH032859B2 JPH032859B2 JP56118896A JP11889681A JPH032859B2 JP H032859 B2 JPH032859 B2 JP H032859B2 JP 56118896 A JP56118896 A JP 56118896A JP 11889681 A JP11889681 A JP 11889681A JP H032859 B2 JPH032859 B2 JP H032859B2
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- reaction
- sulfur
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02P—CLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
- Y02P20/00—Technologies relating to chemical industry
- Y02P20/50—Improvements relating to the production of bulk chemicals
- Y02P20/52—Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts
Landscapes
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
- Catalysts (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
〔〕 発明の背景
技術分野
本発明は、3,3′−チオジプロピオン酸の製造
法に関する。さらに具体的には、本発明は、アク
リロニトリルと水硫化ソーダまたは硫化ソーダと
の反応および生成するニトリル中間体の加水分解
による3,3′−チオジプロピオン酸の製造法の改
良に関する。 3,3′−チオジプロピオン酸およびその誘導体
は合成樹脂、ゴム、油脂などの安定剤として効果
があり、特にそのジアルキルエスチル類はポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などの
熱及び光に対する安定化剤として用られている。 先行技術 従来より3,3′−チオジプロピオン酸の製造は
アクリル酸と硫化水素または硫化ソーダとを原料
とする方法が知られている。例えば、特公昭40−
15170号公報にはアクリル酸と硫化水素とをトリ
トンBまたは苛性ソーダを触媒として反応させる
方法が記載され、また英国特許第571628号明細書
にはアクリル酸と硫化ソーダ9水塩との反応から
の方法が記載されており、これらはいずれも簡便
な製造法であるということができる。 しかし、アクリル酸を原料とする製造方法は、
その方法が簡便であるにもかかわらず、本邦では
アクリル酸が工業用原料として高価格であること
から経済的に有利な方法でない。上記の方法に代
る方法としてアクリル繊維原料として多量に製造
されていて、アクリル酸より安価なアクリルニト
リルを原料とする方法が最も適した方法といえ
る。 アクリロニトリルを原料とする方法において
は、硫化水素または硫化ソーダとの反応、すなわ
ちシアノエチル化反応によつて、ニトリル中間
体、すなわち3,3′−チオジプロピオニトリル、
が製造されることが知られており、例えば米国特
許2163176号明細書、独国特許2104911号明細書、
Org.React、5、111(1952)等多数の報告があ
る。 アクリロニトリルを原料として得られた3,
3′−チオジプロピオニトリルの苛性ソーダを用い
る加水分解法については、例えば松田ら、石油学
会誌、9巻、38(1966)の報告がある。この方法
は、アクリロニトリルと硫化ソーダとを原料とし
て3,3′−チオジプロピオニトリルを製造し、そ
のニトリル化合物を単離しないでそのまま加熱し
て加水分解を行なつて、3,3′−チオジプロピオ
ン酸を得ることからなるものである。加水分解反
応に必要な苛性ソーダは硫化ソーダから由来した
ものをそのまま用いるため、反応が簡便でかつ経
済的であり、この方法は優れた製造方法である。
しかし、この方法は、3,3′−チオジプロピオン
酸の収率(アクリロニトリル基準)が70.1〜76.1
%と低収率であるので、工業的方法としては経済
的な面で問題を残している。 〔〕 発明の概要 このような実情に鑑み、本発明者等は3,3′−
チオジプロピオン酸を工業的に有利に製造する方
法を開発するため鋭意研究した結果、3,3′−チ
オジプロピオニトリルまたは3,3′−チオジプロ
ピオン酸は、苛性ソーダ水溶液中で加熱によつて
その一部が逆マイケル反応を起して、次の式に示
すように3−メルカプトプロピオン酸とアクリル
酸およびポリアクリル酸とを生成すること、その
結果として3,3′−チオジプロピオン酸の収率が
低下すること、を明らかにした。 そして、発発明者らは、上記の逆マイケル反応
を防ぐ対策として、加水分解反応系に触媒量の硫
黄ないし含硫黄化合物類またはキノン化合物類を
添加することによつて、逆マイケル反応を大巾に
低下させて3,3′−チオジプロピオン酸を高収率
で取得できることを見い出した。 本発明はこれらの知見に基づいてなされたもの
であり、従つて本発明によ3,3′−チオジプロピ
オン酸の製造法は、アクリロニトリルと水硫化ソ
ーダまたは硫化ソーダとの反応によつて得られた
3,3′−チオジプロピオニトリルを、これをこの
反応生成物から単離することなく実質的に化学量
論量の苛性ソーダと触媒量の硫黄ないし含硫黄化
合物類またはキノン化合物類との存在下に加熱し
て加水分解させることからなり、該硫黄ないし硫
黄含有化合物類が硫黄、二硫化ソーダ、四硫化ソ
ーダ、多硫化ソーダ、チオフエノール、テトラメ
チルチウラムジスルフイド、2−ベンゾチアゾリ
ルジスルフイド、2−(4−モルホリニルジチオ)
ベンゾチアゾール、テトラエチルチウラムジスル
フイド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフ
イド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾ
ールスルフエンアミド、N−シクロヘキシル−2
−ベンゾチアゾールスルフエンアミドおよび4,
4′−ジチオモルホリンからなる群から選ばれた少
なくとも一種であり、該キノン化合物類がベンゾ
キノンオキシム、p,p′−ジベンゾイルベンゾキ
ノンオキシム、ハイドロキノンおよびハイドロキ
ノンモノメチルエーテルからなる群から選ばれた
少なくとも一種であること、を特徴とするもので
ある。 〔〕 発明の具体的説明 1 アクリロニトリルと水硫化ソーダまたは硫化
ソーダとの反応 この反応自体は前記の松田らの文献によつて公
知であり、本発明ではその目的に反しない限りこ
の公知の方法に従つてこのシアノエチル化反応を
実施すればよい。なお、本発明での実施の詳細に
関しては後記したところである。 本発明では、この公知のシアノエチル化反応物
からニトリル中間体を単離することなく本発明に
よる接触加水分解を実施する。ここで「反応生成
物から単離することなく」ということは、このニ
トリルを蒸留、抽出その他の手段で反応生成物か
ら回収しないことを意味する。従つて、このニト
リル中間体以外の成分の一部を除去ないし分離す
ることは本発明の範囲内である。 この反応によつて生成するニトリル中間体は硫
化ソーダから由来する苛性ソーダによつて加水分
解されて対応する3,3′−チオジプロピオン酸と
なるのであるが、本発明ではこの苛性ソーダが実
質的に化学量論量で存在するように配慮する。こ
こで化学量論量とはNa/ANモル比が1:1で
あることを意味する(ANはアクリロニトリル)
とともに、この場合のNaは水硫化ソーダまたは
硫化ソーダのNaをも包含するものである。従つ
て、硫化ソーダを原料とする場合には苛性ソーダ
の添加は理論上は不要であり、水硫化ソーダを原
料とする場合に理論上それと等モルの苛性ソーダ
が必要ということになる。なお、水硫化ソーダを
原料とする場合は、追加分の苛性ソーダはシアノ
エチル化工程終了後に添加してもよい。 2 触媒 逆マイケル反応阻害剤として使用する化合物
は、硫黄または含硫黄化合物あるいはキノン化合
物である。 これらの化合物がどのような操作でニトリル中
間体の加水分解時に逆マイケル反応を阻害するの
かは必ずしも明らかではないが、本発明ではこれ
らの化合物を触媒と呼ぶことにする。また、従つ
て、その使用量をもそれが後記のように比較的多
量の場合であつても触媒量と呼ぶことにする。 これらの化合物のうち、含硫黄化合物類は無機
化合物系と有機化合物系に分けられ、無機系とし
ては二硫化ソーダ、四硫化ソーダ、多硫化ソーダ
等が挙られ、有機系としてはチオフエノール、テ
トラメチルチウラムジスルフイド、2−ベンゾチ
アゾリルジスルフイド、2−(4−モルホリニル
ジチオ)ベンゾチアゾール、テトラエチルチウラ
ムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムテト
ラスルフイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾ
チアゾールスルフエンアミド、4,4′−ジチオジ
モルホリン等が、またキノン化合物類としては例
えばベンゾキノンオキシム、p,p′−ジベンゾイ
ルベンゾキノンオキシム、ハイドロキノン、ハイ
ドロキノンモノメルエーテル等が挙られる。本発
明はこれらの化合物類種類を適宜混合して用いる
こともできる。 これらの化合物の使用量には特に制限はない
が、原料のアクリロニトリルに対し重量比で約1
〜5%程度、好ましくは2〜4%程度、とするの
がよい。 3 反応の具体的内容 本発明方法を実施するに当り、3,3′−チオジ
プロピオン酸の収率を高めるには、まず前反応の
3,3′−チオジプロピオニトリルの製造方法にお
いて最適条件での安定した収率を得ることが大切
である。 1 シアノエチル化反応−ニトリル中間体の合成 3,3′−チオジプロピオニトリル製造反応に用
られるアクリロニトリルと水硫化ソーダ+苛性ソ
ーダまたは硫化ソーダと水との割合は、モル比で
Na/S/H2O/AN=1.1〜1.3/0.53〜0.57/5
〜10/1の範囲、好ましくは1.2/0.56/7〜
8/1の範囲がよい。反応温度は、20〜50℃の範
囲、好ましくは30〜40℃の範囲、がよい。反応温
度が20℃より低い場合は生成した3,3′−チオジ
プロピオニトリルが結晶化する場合があり、また
硫化ソーダ九水塩が析出して反応を阻害するため
好ましくない。一方、50℃超過では生成した3,
3′−チオジプロピオニトリルの加水分解が起り易
く、発熱するため好ましくない。反応は硫化ソー
ダまたは水硫化ソーダ+苛性ソーダの水溶液にア
クリロニトリルを添加するのが好ましい。反応時
間は、アクリロニトリルの添加時間をも含めて3
〜5時間とするのがよい。 上記の反応条件で得られた3,3′−チオジプロ
ピオニトリルは淡黄色の油状を呈し、アルカリ水
溶液の上部に分液する。生成した3,3′−チオジ
プロピオニトリルの一部は加水分解されてアミド
体およびカルボン酸体に変るが、それらを3,
3′−チオジプロピオニトリルに換算した収率は97
〜98%(ANベース)である。 2 加水分解反応 次の加水分解反応は、生成した3,3′−チオジ
プロピオニトリルを単離することなく逆マイケル
阻害剤を添加して加熱することからなる。加水分
解温度は112〜115℃(還流)で、反応時間は2〜
6時間程度である。このような条件で加熱する
と、アンモニアと少量の硫化水素とが系内から放
出されて、加水分解が完了する。反応終了後は、
反応液が70〜80℃の温度になつた時点で塩酸また
は稀硫酸を加えて生成した3,3′−チオジプロピ
オン酸−Na塩を酸性化する。その際、反応液中
に生じた白濁の物質をセラミツクフイルターまた
はケイソウ土を用いて熱時過して除去する。 得られた母液を5℃に十分冷却し、析出した
3,3′−チオジプロピオン酸を遠心分離器で別
すれば、粗製の湿結晶が得られる。この湿結晶に
は4〜6重量%の塩が混入しているから、湿結晶
に1〜3倍重量の水を加えて80℃に加温して溶解
し、再度5℃に冷却して再結晶化させ、遠心分離
器で白色結晶を別すれば精製された3,3′−チ
オジプロピオン酸を得ることができる。なお、再
結晶過液は次回の3,3′−チオジプロピオニト
リルの反応溶媒として再使用することができる。
得られた3,3′−チオジプロピオン酸の湿結晶を
60〜80℃で2〜3時間熱風乾燥すれば、水分含有
量0.1重量%以下の3,3′−チオジプロピオン酸
(融点130〜131℃)を高収率で得ることができる。 このようにして製造した3,3′−チオジプロピ
オン酸は、色相、融点、中和価、硫酸根、硫化物
等の規格値をすべて満足するものである。 なお、加水分解によつて生成する3,3′−チオ
ジプロピオン酸−Na塩は、上記のように酸性化
して遊離の酸にして回収する代りに、塩の形で回
収することもでき、そのような実施態様も本発明
の範囲内である。 4 実施例 以下の実験例において、「部」とあるのは「重
量部」を意味する。 実施例 1 撹拌器、温度計、滴下槽、および冷却器を装備
した1リツトルの反応槽に、純度73.0重量%(残
りは水)の水硫化ソーダ84.4部と水172.9部と48
重量%苛性ソーダ108.3部とを仕込み、撹拌して
溶解し、液温を35℃に保つた。滴下槽にアクリロ
ニトリル106.5部を仕込み、反応槽内をよく撹拌
しながらアクリロニトリルを3時間で滴下した。
アクリロニトリルの滴下中は、このシアノエチル
化反応は若干の発熱反応のため、時々反応槽を冷
却しながら反応温度を35℃に保ち、滴下終了後は
同温度で2時間熟成反応を行なつた。 熟成反応後、反応液に硫黄粉末を0.4部添加し
て徐々に加熱すると、70℃を越えた時点で急速に
加水分解が始まり、反応温度が90〜100℃に達し、
アンモニアガスの激しい放出が見られた。急激な
加水分解をコントロールするため、反応槽を僅か
に冷却して反応温度が100℃を越えないように管
理した。約30分程度で急激な加水分解がおさまる
と、反応液を加熱して115〜117℃(還流)で4時
間反応を行なつた。放出されたアンモニアガス
は、稀硫酸中に捕集した。 反応槽を冷却して反応液が70〜80℃になつたと
き、26重量%硫酸を滴下槽から加えて酸析を行な
い、反応液のPH=1.8を終点とした。この酸析で
放出された硫化水素ガスは、苛性ソーダ水溶液で
捕集した。酸析後の反応液は僅かに白濁し、この
白濁物を80℃に保温した状態でセラミツクフイル
ターを通して別して除去した(通常は脱色の処
理は不用であるが、必要ならば母液を活性炭槽を
通して脱色する)。このようにして得た酸析母液
をよく撹拌しながら5℃に冷却すると、多量の白
色結晶が析出した。この結晶を遠心分離機で十分
振り切つて、湿結晶215.5gを得た。得られた湿
結晶に165部の水を加え、撹拌しながら80℃に加
温して結晶を完全に溶解し、そののち5℃に冷却
して再結晶を行ない、晶析した結晶を遠心分離器
で別すると、湿結晶184.2部と液196.0部
(3,3′−チオジプロピオン酸7.2部、芒硝15.0部
を含有)とを得た。得られた湿結晶を80℃の熱風
乾燥室中で3時間乾燥すると、精製3,3′−チオ
ジプロピオン酸(融点129〜131℃)が156.6部
(収率88.0%(AN基準))得られた。 再結晶液は、次の実施例2の原料仕込水とし
て用いた。 実施例 2 実施例1と同様の装置を用い、反応槽に実施例
1の再結晶液180部と73重量%水硫化ソーダ
84.4部と48重量%苛性ソーダ108.3部とを仕込み、
撹拌しながら35℃に保つた。滴下槽にアクリロニ
トリル106.5部を仕込み、反応槽内部をよく撹拌
しながらアクリロニトリルを3時間で滴下した。
アクリロニトリル滴下中は若干の発熱を伴なうた
め時々反応槽を冷却しながら反応温度を35℃に保
ち、滴下終了後、同温度で2時間熟成反応を行な
つた。熟成反応後撹拌を止めて、二層分離した上
層の3,3′−チオジプロピオニトリルを分液し、
滴下槽に仕込んだ。下層部のアルカリ水層部に四
硫化ソーダ0.4部を添加し、撹拌しながら加熱し、
90℃に達した時点で滴下槽から3,3′−チオジプ
ロピオニトリルを約1時間かけて滴下した。反応
液は発熱するが激しいものでなく、NH3ガスの
放出も徐々に進んだ。反応温度を約100℃に保つ
た。3,3′−チオジプロピオニトリルの滴下後、
更に加熱して115〜117℃(還流)下に4時間加水
分解反応を行なつた。 硫酸酸析法および3,3′−チオジプロピオン酸
再結晶取得方法等は実施例1の方法に準じて行な
つた。精製3,3′−チオジプロピオン酸(融点
129.5〜131℃)が163.8部(収率92.0%(AN基
準))得られた。 実施例3〜7および比較例1〜2 実施例3以後の実施例および比較例を次の表1
にまとめた。 【表】
法に関する。さらに具体的には、本発明は、アク
リロニトリルと水硫化ソーダまたは硫化ソーダと
の反応および生成するニトリル中間体の加水分解
による3,3′−チオジプロピオン酸の製造法の改
良に関する。 3,3′−チオジプロピオン酸およびその誘導体
は合成樹脂、ゴム、油脂などの安定剤として効果
があり、特にそのジアルキルエスチル類はポリプ
ロピレン、エチレン−プロピレン共重合体などの
熱及び光に対する安定化剤として用られている。 先行技術 従来より3,3′−チオジプロピオン酸の製造は
アクリル酸と硫化水素または硫化ソーダとを原料
とする方法が知られている。例えば、特公昭40−
15170号公報にはアクリル酸と硫化水素とをトリ
トンBまたは苛性ソーダを触媒として反応させる
方法が記載され、また英国特許第571628号明細書
にはアクリル酸と硫化ソーダ9水塩との反応から
の方法が記載されており、これらはいずれも簡便
な製造法であるということができる。 しかし、アクリル酸を原料とする製造方法は、
その方法が簡便であるにもかかわらず、本邦では
アクリル酸が工業用原料として高価格であること
から経済的に有利な方法でない。上記の方法に代
る方法としてアクリル繊維原料として多量に製造
されていて、アクリル酸より安価なアクリルニト
リルを原料とする方法が最も適した方法といえ
る。 アクリロニトリルを原料とする方法において
は、硫化水素または硫化ソーダとの反応、すなわ
ちシアノエチル化反応によつて、ニトリル中間
体、すなわち3,3′−チオジプロピオニトリル、
が製造されることが知られており、例えば米国特
許2163176号明細書、独国特許2104911号明細書、
Org.React、5、111(1952)等多数の報告があ
る。 アクリロニトリルを原料として得られた3,
3′−チオジプロピオニトリルの苛性ソーダを用い
る加水分解法については、例えば松田ら、石油学
会誌、9巻、38(1966)の報告がある。この方法
は、アクリロニトリルと硫化ソーダとを原料とし
て3,3′−チオジプロピオニトリルを製造し、そ
のニトリル化合物を単離しないでそのまま加熱し
て加水分解を行なつて、3,3′−チオジプロピオ
ン酸を得ることからなるものである。加水分解反
応に必要な苛性ソーダは硫化ソーダから由来した
ものをそのまま用いるため、反応が簡便でかつ経
済的であり、この方法は優れた製造方法である。
しかし、この方法は、3,3′−チオジプロピオン
酸の収率(アクリロニトリル基準)が70.1〜76.1
%と低収率であるので、工業的方法としては経済
的な面で問題を残している。 〔〕 発明の概要 このような実情に鑑み、本発明者等は3,3′−
チオジプロピオン酸を工業的に有利に製造する方
法を開発するため鋭意研究した結果、3,3′−チ
オジプロピオニトリルまたは3,3′−チオジプロ
ピオン酸は、苛性ソーダ水溶液中で加熱によつて
その一部が逆マイケル反応を起して、次の式に示
すように3−メルカプトプロピオン酸とアクリル
酸およびポリアクリル酸とを生成すること、その
結果として3,3′−チオジプロピオン酸の収率が
低下すること、を明らかにした。 そして、発発明者らは、上記の逆マイケル反応
を防ぐ対策として、加水分解反応系に触媒量の硫
黄ないし含硫黄化合物類またはキノン化合物類を
添加することによつて、逆マイケル反応を大巾に
低下させて3,3′−チオジプロピオン酸を高収率
で取得できることを見い出した。 本発明はこれらの知見に基づいてなされたもの
であり、従つて本発明によ3,3′−チオジプロピ
オン酸の製造法は、アクリロニトリルと水硫化ソ
ーダまたは硫化ソーダとの反応によつて得られた
3,3′−チオジプロピオニトリルを、これをこの
反応生成物から単離することなく実質的に化学量
論量の苛性ソーダと触媒量の硫黄ないし含硫黄化
合物類またはキノン化合物類との存在下に加熱し
て加水分解させることからなり、該硫黄ないし硫
黄含有化合物類が硫黄、二硫化ソーダ、四硫化ソ
ーダ、多硫化ソーダ、チオフエノール、テトラメ
チルチウラムジスルフイド、2−ベンゾチアゾリ
ルジスルフイド、2−(4−モルホリニルジチオ)
ベンゾチアゾール、テトラエチルチウラムジスル
フイド、ジペンタメチレンチウラムテトラスルフ
イド、N−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾ
ールスルフエンアミド、N−シクロヘキシル−2
−ベンゾチアゾールスルフエンアミドおよび4,
4′−ジチオモルホリンからなる群から選ばれた少
なくとも一種であり、該キノン化合物類がベンゾ
キノンオキシム、p,p′−ジベンゾイルベンゾキ
ノンオキシム、ハイドロキノンおよびハイドロキ
ノンモノメチルエーテルからなる群から選ばれた
少なくとも一種であること、を特徴とするもので
ある。 〔〕 発明の具体的説明 1 アクリロニトリルと水硫化ソーダまたは硫化
ソーダとの反応 この反応自体は前記の松田らの文献によつて公
知であり、本発明ではその目的に反しない限りこ
の公知の方法に従つてこのシアノエチル化反応を
実施すればよい。なお、本発明での実施の詳細に
関しては後記したところである。 本発明では、この公知のシアノエチル化反応物
からニトリル中間体を単離することなく本発明に
よる接触加水分解を実施する。ここで「反応生成
物から単離することなく」ということは、このニ
トリルを蒸留、抽出その他の手段で反応生成物か
ら回収しないことを意味する。従つて、このニト
リル中間体以外の成分の一部を除去ないし分離す
ることは本発明の範囲内である。 この反応によつて生成するニトリル中間体は硫
化ソーダから由来する苛性ソーダによつて加水分
解されて対応する3,3′−チオジプロピオン酸と
なるのであるが、本発明ではこの苛性ソーダが実
質的に化学量論量で存在するように配慮する。こ
こで化学量論量とはNa/ANモル比が1:1で
あることを意味する(ANはアクリロニトリル)
とともに、この場合のNaは水硫化ソーダまたは
硫化ソーダのNaをも包含するものである。従つ
て、硫化ソーダを原料とする場合には苛性ソーダ
の添加は理論上は不要であり、水硫化ソーダを原
料とする場合に理論上それと等モルの苛性ソーダ
が必要ということになる。なお、水硫化ソーダを
原料とする場合は、追加分の苛性ソーダはシアノ
エチル化工程終了後に添加してもよい。 2 触媒 逆マイケル反応阻害剤として使用する化合物
は、硫黄または含硫黄化合物あるいはキノン化合
物である。 これらの化合物がどのような操作でニトリル中
間体の加水分解時に逆マイケル反応を阻害するの
かは必ずしも明らかではないが、本発明ではこれ
らの化合物を触媒と呼ぶことにする。また、従つ
て、その使用量をもそれが後記のように比較的多
量の場合であつても触媒量と呼ぶことにする。 これらの化合物のうち、含硫黄化合物類は無機
化合物系と有機化合物系に分けられ、無機系とし
ては二硫化ソーダ、四硫化ソーダ、多硫化ソーダ
等が挙られ、有機系としてはチオフエノール、テ
トラメチルチウラムジスルフイド、2−ベンゾチ
アゾリルジスルフイド、2−(4−モルホリニル
ジチオ)ベンゾチアゾール、テトラエチルチウラ
ムジスルフイド、ジペンタメチレンチウラムテト
ラスルフイド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾ
チアゾールスルフエンアミド、4,4′−ジチオジ
モルホリン等が、またキノン化合物類としては例
えばベンゾキノンオキシム、p,p′−ジベンゾイ
ルベンゾキノンオキシム、ハイドロキノン、ハイ
ドロキノンモノメルエーテル等が挙られる。本発
明はこれらの化合物類種類を適宜混合して用いる
こともできる。 これらの化合物の使用量には特に制限はない
が、原料のアクリロニトリルに対し重量比で約1
〜5%程度、好ましくは2〜4%程度、とするの
がよい。 3 反応の具体的内容 本発明方法を実施するに当り、3,3′−チオジ
プロピオン酸の収率を高めるには、まず前反応の
3,3′−チオジプロピオニトリルの製造方法にお
いて最適条件での安定した収率を得ることが大切
である。 1 シアノエチル化反応−ニトリル中間体の合成 3,3′−チオジプロピオニトリル製造反応に用
られるアクリロニトリルと水硫化ソーダ+苛性ソ
ーダまたは硫化ソーダと水との割合は、モル比で
Na/S/H2O/AN=1.1〜1.3/0.53〜0.57/5
〜10/1の範囲、好ましくは1.2/0.56/7〜
8/1の範囲がよい。反応温度は、20〜50℃の範
囲、好ましくは30〜40℃の範囲、がよい。反応温
度が20℃より低い場合は生成した3,3′−チオジ
プロピオニトリルが結晶化する場合があり、また
硫化ソーダ九水塩が析出して反応を阻害するため
好ましくない。一方、50℃超過では生成した3,
3′−チオジプロピオニトリルの加水分解が起り易
く、発熱するため好ましくない。反応は硫化ソー
ダまたは水硫化ソーダ+苛性ソーダの水溶液にア
クリロニトリルを添加するのが好ましい。反応時
間は、アクリロニトリルの添加時間をも含めて3
〜5時間とするのがよい。 上記の反応条件で得られた3,3′−チオジプロ
ピオニトリルは淡黄色の油状を呈し、アルカリ水
溶液の上部に分液する。生成した3,3′−チオジ
プロピオニトリルの一部は加水分解されてアミド
体およびカルボン酸体に変るが、それらを3,
3′−チオジプロピオニトリルに換算した収率は97
〜98%(ANベース)である。 2 加水分解反応 次の加水分解反応は、生成した3,3′−チオジ
プロピオニトリルを単離することなく逆マイケル
阻害剤を添加して加熱することからなる。加水分
解温度は112〜115℃(還流)で、反応時間は2〜
6時間程度である。このような条件で加熱する
と、アンモニアと少量の硫化水素とが系内から放
出されて、加水分解が完了する。反応終了後は、
反応液が70〜80℃の温度になつた時点で塩酸また
は稀硫酸を加えて生成した3,3′−チオジプロピ
オン酸−Na塩を酸性化する。その際、反応液中
に生じた白濁の物質をセラミツクフイルターまた
はケイソウ土を用いて熱時過して除去する。 得られた母液を5℃に十分冷却し、析出した
3,3′−チオジプロピオン酸を遠心分離器で別
すれば、粗製の湿結晶が得られる。この湿結晶に
は4〜6重量%の塩が混入しているから、湿結晶
に1〜3倍重量の水を加えて80℃に加温して溶解
し、再度5℃に冷却して再結晶化させ、遠心分離
器で白色結晶を別すれば精製された3,3′−チ
オジプロピオン酸を得ることができる。なお、再
結晶過液は次回の3,3′−チオジプロピオニト
リルの反応溶媒として再使用することができる。
得られた3,3′−チオジプロピオン酸の湿結晶を
60〜80℃で2〜3時間熱風乾燥すれば、水分含有
量0.1重量%以下の3,3′−チオジプロピオン酸
(融点130〜131℃)を高収率で得ることができる。 このようにして製造した3,3′−チオジプロピ
オン酸は、色相、融点、中和価、硫酸根、硫化物
等の規格値をすべて満足するものである。 なお、加水分解によつて生成する3,3′−チオ
ジプロピオン酸−Na塩は、上記のように酸性化
して遊離の酸にして回収する代りに、塩の形で回
収することもでき、そのような実施態様も本発明
の範囲内である。 4 実施例 以下の実験例において、「部」とあるのは「重
量部」を意味する。 実施例 1 撹拌器、温度計、滴下槽、および冷却器を装備
した1リツトルの反応槽に、純度73.0重量%(残
りは水)の水硫化ソーダ84.4部と水172.9部と48
重量%苛性ソーダ108.3部とを仕込み、撹拌して
溶解し、液温を35℃に保つた。滴下槽にアクリロ
ニトリル106.5部を仕込み、反応槽内をよく撹拌
しながらアクリロニトリルを3時間で滴下した。
アクリロニトリルの滴下中は、このシアノエチル
化反応は若干の発熱反応のため、時々反応槽を冷
却しながら反応温度を35℃に保ち、滴下終了後は
同温度で2時間熟成反応を行なつた。 熟成反応後、反応液に硫黄粉末を0.4部添加し
て徐々に加熱すると、70℃を越えた時点で急速に
加水分解が始まり、反応温度が90〜100℃に達し、
アンモニアガスの激しい放出が見られた。急激な
加水分解をコントロールするため、反応槽を僅か
に冷却して反応温度が100℃を越えないように管
理した。約30分程度で急激な加水分解がおさまる
と、反応液を加熱して115〜117℃(還流)で4時
間反応を行なつた。放出されたアンモニアガス
は、稀硫酸中に捕集した。 反応槽を冷却して反応液が70〜80℃になつたと
き、26重量%硫酸を滴下槽から加えて酸析を行な
い、反応液のPH=1.8を終点とした。この酸析で
放出された硫化水素ガスは、苛性ソーダ水溶液で
捕集した。酸析後の反応液は僅かに白濁し、この
白濁物を80℃に保温した状態でセラミツクフイル
ターを通して別して除去した(通常は脱色の処
理は不用であるが、必要ならば母液を活性炭槽を
通して脱色する)。このようにして得た酸析母液
をよく撹拌しながら5℃に冷却すると、多量の白
色結晶が析出した。この結晶を遠心分離機で十分
振り切つて、湿結晶215.5gを得た。得られた湿
結晶に165部の水を加え、撹拌しながら80℃に加
温して結晶を完全に溶解し、そののち5℃に冷却
して再結晶を行ない、晶析した結晶を遠心分離器
で別すると、湿結晶184.2部と液196.0部
(3,3′−チオジプロピオン酸7.2部、芒硝15.0部
を含有)とを得た。得られた湿結晶を80℃の熱風
乾燥室中で3時間乾燥すると、精製3,3′−チオ
ジプロピオン酸(融点129〜131℃)が156.6部
(収率88.0%(AN基準))得られた。 再結晶液は、次の実施例2の原料仕込水とし
て用いた。 実施例 2 実施例1と同様の装置を用い、反応槽に実施例
1の再結晶液180部と73重量%水硫化ソーダ
84.4部と48重量%苛性ソーダ108.3部とを仕込み、
撹拌しながら35℃に保つた。滴下槽にアクリロニ
トリル106.5部を仕込み、反応槽内部をよく撹拌
しながらアクリロニトリルを3時間で滴下した。
アクリロニトリル滴下中は若干の発熱を伴なうた
め時々反応槽を冷却しながら反応温度を35℃に保
ち、滴下終了後、同温度で2時間熟成反応を行な
つた。熟成反応後撹拌を止めて、二層分離した上
層の3,3′−チオジプロピオニトリルを分液し、
滴下槽に仕込んだ。下層部のアルカリ水層部に四
硫化ソーダ0.4部を添加し、撹拌しながら加熱し、
90℃に達した時点で滴下槽から3,3′−チオジプ
ロピオニトリルを約1時間かけて滴下した。反応
液は発熱するが激しいものでなく、NH3ガスの
放出も徐々に進んだ。反応温度を約100℃に保つ
た。3,3′−チオジプロピオニトリルの滴下後、
更に加熱して115〜117℃(還流)下に4時間加水
分解反応を行なつた。 硫酸酸析法および3,3′−チオジプロピオン酸
再結晶取得方法等は実施例1の方法に準じて行な
つた。精製3,3′−チオジプロピオン酸(融点
129.5〜131℃)が163.8部(収率92.0%(AN基
準))得られた。 実施例3〜7および比較例1〜2 実施例3以後の実施例および比較例を次の表1
にまとめた。 【表】
Claims (1)
- 1 アクリルニトリルと水硫化ソーダまたは硫化
ソーダとの反応によつて得られた3,3′−チオジ
プロピオニトリルを、これをこの反応生成物から
単離することなく実質的に化学量論量の苛性ソー
ダと触媒量の硫黄ないし含硫黄化合物類またはキ
ノン化合物類との存在下に加熱して加水分解する
ことからなり、該硫黄ないし硫黄含有化合物類が
硫黄、二硫化ソーダ、四硫化ソーダ、多硫化ソー
ダ、チオフエノール、テトラメチルチウラムジス
ルフイド、2−ベンゾチアゾリルジスルフイド、
2−(4−モルホリニルジチオ)ベンゾチアゾー
ル、テトラエチルチウラムジスルフイド、ジペン
タメチレンチウラムテトラスルフイド、N−オキ
シジエチレン−2−ベンゾチアゾールスルフエン
アミド、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾ
ールスルフエンアミドおよび4,4′−ジチオモル
ホリンからなる群から選ばれた少なくとも一種で
あり、該キノン化合物類がベンゾキノンオキシ
ム、p,p′−ジベンゾイルベンゾキノンオキシ
ム、ハイドロキノンおよびハイドロキノンモノメ
チルエーテルからなる群から選ばれた少なくとも
一種であることを特徴とする、3,3′−チオジプ
ロピオン酸の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56118896A JPS5821662A (ja) | 1981-07-29 | 1981-07-29 | 3,3′−チオジプロピオン酸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56118896A JPS5821662A (ja) | 1981-07-29 | 1981-07-29 | 3,3′−チオジプロピオン酸の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5821662A JPS5821662A (ja) | 1983-02-08 |
| JPH032859B2 true JPH032859B2 (ja) | 1991-01-17 |
Family
ID=14747836
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56118896A Granted JPS5821662A (ja) | 1981-07-29 | 1981-07-29 | 3,3′−チオジプロピオン酸の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5821662A (ja) |
-
1981
- 1981-07-29 JP JP56118896A patent/JPS5821662A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5821662A (ja) | 1983-02-08 |
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