JPH0331166B2 - - Google Patents
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- JPH0331166B2 JPH0331166B2 JP58175581A JP17558183A JPH0331166B2 JP H0331166 B2 JPH0331166 B2 JP H0331166B2 JP 58175581 A JP58175581 A JP 58175581A JP 17558183 A JP17558183 A JP 17558183A JP H0331166 B2 JPH0331166 B2 JP H0331166B2
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- dops
- erythro
- administered
- locomotor activity
- mania
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- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61K—PREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
- A61K31/00—Medicinal preparations containing organic active ingredients
- A61K31/185—Acids; Anhydrides, halides or salts thereof, e.g. sulfur acids, imidic, hydrazonic or hydroximic acids
- A61K31/19—Carboxylic acids, e.g. valproic acid
- A61K31/195—Carboxylic acids, e.g. valproic acid having an amino group
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
- A61P25/18—Antipsychotics, i.e. neuroleptics; Drugs for mania or schizophrenia
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61P—SPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
- A61P25/00—Drugs for disorders of the nervous system
- A61P25/20—Hypnotics; Sedatives
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- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Pharmacology & Pharmacy (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
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- General Chemical & Material Sciences (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
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- Epidemiology (AREA)
- Psychiatry (AREA)
- Anesthesiology (AREA)
- Acyclic And Carbocyclic Compounds In Medicinal Compositions (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
本発明はLまたはDL−エリスロ−3−(3,4
−ジヒドロキシフエニル)−セリン(以下、エリ
スロ−DOPSという)またはその塩を有効成分と
する精神運動興奮抑制剤に関する。 精神運動の過度な興奮は、いくつかの精神神経
疾患の特徴的症状として現れるものであり、例え
ば躁(うつ)病の躁病相における場合や、精神分
裂病とくにその緊張型における場合などその代表
的例示と言える。 従つて、本発明は精神運動興奮を主症候とする
躁病や精神分裂病の緊張型に対する症状の改善、
治療剤としてのエリスロ−DOPSの用途に係るも
のである。 躁病では爽快気分、刺戟性気分が持続したり、
高揚した気分あるいは観念奔逸、自我感情の亢進
が認められるが、これらの精神高揚は先の精神運
動興奮と、深く関連しているものといわれ、発現
様式が異るのみで、原因は同一である可能性が高
い。 かかる躁病または躁状態の薬物療法としては、
これまで種々の強力精神安定剤が適用されてき
た。また最近では炭酸リチウム等のリチウム剤が
躁病の治療剤として開発されるところとなつた。
またカルバマゼピンも抗躁作用を有することが見
いだされた。 一方、精神分裂症の緊張型に対しては、強力精
神安定剤が適用されることが多い。 しかし、これらの薬剤もしくはこれらの薬剤を
用いる薬物療法も各々問題点を有し、必ずしも満
足のいくものではない。即ち、強力精神安定剤と
しては鎮静作用の強いクロールプロマジン、レボ
メプロマジン等(以上、フエノチアジン系薬剤)
やハロペリドール(ブチロフエノン系薬剤)等が
好んで用いられるが、これらの薬剤の治療では、
不自然ないし過度の鎮静効果が現れたり、またこ
れらの薬剤による各種の副作用(例えば、錐体外
路症状)が認められる場合がある。 一方、躁病の治療を主効能とするリチウム剤で
は極く自然な形での鎮静効果がもたらされると言
う利点がある。 しかしリチウム剤の投薬にあたつては、患者の
一般血液検査、尿検査、心臓検査を行い、とくに
腎疾患と心臓疾患を有する患者を除外しなければ
ならない。また催奇型作用があるので妊娠初期お
よび授乳中の患者を対象より除外する必要があ
る。 また、炭酸リチウムの投薬に際して、注意しな
ければならないものに、リチウム中毒がある。リ
チウム中毒は血中リチウム濃度が2.0mEq/1以
上に続けてさらされると発生するといわれるが、
それ以下の濃度であつてもリチウム中毒に陥るこ
とがある。 したがつて、常にリチウム血中濃度測定や臨床
症状の観察が必要とされている。 炭酸リチウムによる治療では効果発現までに3
〜8日間を要し、また作用も強力精神安定剤に比
し緩和であるので治療の初期や重症の場合には、
単独投与では効果が期待できない場合があり、強
力精神安定剤との併用が必となることもある。更
に躁病の治療においては、他の精神疾患の場合よ
り面倒なことが多い。即ち、躁病患者には一般に
病識がみられず、自我感情が高まつていて、他人
のいうことを容易に聞かず、治療の場への導入が
困難なこと、治療上の取扱い接し方の難しさがあ
る。 以上のような事情から、躁病に対して特異的な
効果をもたらす治療薬、治療方法の確立が望まれ
てきた。 また精神分裂症の緊張型に対しても躁病と同様
な事情からより好ましい治療薬の出現が望まれて
きた。 本発明者等は前記のような背景のもとに、躁病
にみられるような精神運動興奮や精神の異常な興
奮、あるいは精神分裂症の緊張型にみられる精神
運動興奮に対して抑制効果をもたらす新しいタイ
プの薬物を鋭意検討してきたところ、エリスロ−
DOPSにその目的にそう作用のあることを見い出
し、本発明に至つたものである。 3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)−セリン
はDOPSと略称される芳香族アミノ酸であるが、
立体配置の差違により、スレオ体(スレオ−
DOPS)とエリスロ体(エリスロ−DOPS)の二
種があり、また各々に光学異性体が存在する。 即ち、DOPSには、L−スレオ−DOPSとD−
スレオ−DOPSおよびL−エリスオ−DOPSとD
−エリスロ−DOPSの4種の立体異性体があり、
更にスレオ−DOPSとエリスロ−DOPSには
各々、D体とL体の等量混合物であるラセミ体
(DL体)が存在する。 L−DOPSは生体内で芳香族L−アミノ酸脱炭
酸酵素の働きにより、脱炭酸反応を受け、ノルア
ドレナリン(以下、NAという)に変換されるこ
とが既に知られている。また生成されるNAもL
−スレオ−DOPSからは天然型のl−NA(脳内
にもともと存在する)が、L−エリスロ−DOPS
からは非天然型のd−NAが生成することが報告
されている。 一方、DOPSの持つ薬理作用についても、いく
つかの報告がある。即ち、動物を用いる薬理学的
試験より、DOPSが抗うつ作用、抗振せん作用、
抗高血圧作用を示すことが報告されている。また
臨床試験の結果に基づきDL乃至L−スレオ−
DOPSの起立性低血圧症やパーキンソン氏病にお
けるすくみ症状に対する有効性が報告されてい
る。 ところで、本発明者等はエリスロ−DOPSを動
物に投与し、その薬理作用を検討した結果、実験
例1〜3に示す如く本剤が精神運動興奮を抑制す
ることを見い出して本発明を完成した。 精神運動興奮は躁病や緊張病を特徴づける主症
状であることを考えると、ここにエリスロ−
DOPSの躁病ないし緊張病の改善、治療の用途が
見出されたことになる。本発明の精神運動興奮抑
制作用は次の作用に基づくと解釈される。 本発明者等は、エリスロ−DOPSを動物に投与
した時の脳内アミン(NA、ドーパミン、セロト
ニン)の含量の変化についても生化学的に検討し
た。その結果、実験例4〜5に示す如くNAのみ
が顕著に上昇していることが見い出された。この
NAの上昇は、生体内の芳香族L−アミノ酸脱酸
酵素の働きを受けて生じるL−エリスロ−DOPS
からのd−NA(非天然型)によるものと考えら
れる。 一方、躁病ないし躁状態と脳内アミンとの関係
についてはこれまで、かなりの研究がなされてい
るが、躁状態ではNA(天然型)の代謝回転の亢
進があるとする報告もあり、NA作働性神経の高
まりと相関ありとする考えが一般的である。 従つて、本発明者が、とくに得たLまたはDL
のエリスロ−DOPS投与による精神運動興奮抑制
作用は投与されたL−エリスロ−DOPSから生じ
る脳内でのd−NAの上昇が、NA作働性神経系
の興奮を抑制する方向で作用しているものと解釈
することができる。 本発明で言うエリスロ−DOPSは、芳香族L−
アミノ酸脱炭酸酵素の基質になり得るものである
ことより、L−エリスロ−DOPSまたはDLエリ
スロ−DOPSを意味し、それ等は既に公知の方法
で得ることが出来る。 以下に本発明について更に詳しく説明する。 エリスロ−DOPSの精神運動興奮抑制作用は実験
例1,2および3に示すマウスを用いる実験によ
り見出したものであり、一方、エリスロ−DOPS
の投与による脳内NA量の増加は実験例4および
5により見出したものである。 (実験例 1) マウス3匹を一群としてアニメツクス
(Animex)の運動測定箱に入れて、経時的にマ
ウスの自発運動量を測定した。 マウスは運動測定箱に入れたことにより、探索
行動等を行い、高い自発運動量を示すが、次第に
落着き、約30−40分で蹲るようになり、自発運動
量は極少となる。モノアミンオキシダーゼ、阻害
剤(MAOI)であるβ−フエニルイソプロピルヒ
ドラジン塩酸塩(カトロン)(以下、PIHという)
50mg/Kgを腹腔内に投与し、16時間経過したマウ
スを用いて上記の実験を行なうと、自発運動量の
増加と、落ち着くまでの時間が長くなる傾向が認
められる。 このような実験系に対し、DL−エリスロ−
DOPS、200mg/Kgを腹腔内注射した時の影響に
ついて検討した。 その結果、第1図に示すように、自発運動量の
著明な減少が認められた。 (実験例 2) 実験例1と同じ、マウスの自発運動量測定実験
系を用いる。覚醒アミンであるメタンフエタミン
(1.4mg/Kg)を腹腔内に投与すると、自発運動量
は急激に増加し、注射後50分で減少傾向が始ま
り、2時間後にはほぼ元の状態にかえる。 これに対し、DL−エリスロ−DOPS(200mg/
Kg)を同時に腹腔内に投与すると、運動量の増加
は著明でなく、メタンフエタミンによる自発運動
増加作用が抑制された(第2図) (実験例 3) 実験例1と同じ、マウスの自発運動量測定実験
系を用いる。 MAOIであるトラニールシプロン、50mg/Kgを
腹腔内に投与すると、マウスの自発運動は漸次増
加し、投与後120分で最高に対し、この運動量を
維持するようになる。 これに対し、180分後にDL−エリスロ−DOPS
を投与すると約20分で運動量の減少が始まり、30
〜90分間続き、ついで漸次増加し始め元の増加し
た状態にかえつた(第3図)。 (実験例 4) マウスに生理的食塩水ないしPIH、50mg/Kgを
腹腔内注射し17時間後に脳内アミン含量を測定し
た。 測定法はOgasawara等の方法(J.Chromatogr.
180,119)にほぼ準じた。値はng/g湿重量で
表わし、3匹の平均値±SDで示した。※:P<
0.005※※:P<0.05 【表】 (実験例 5) マウスにPIH、50mg/Kgを前処置し、17時間後
に生理的食塩水ないしDL−エリスロ−DOPS、
200mg/Kgを腹腔内注射した。ついで注射後30分
後の脳内アミン含量を測定した。値はng/g湿
重量で表わし、3匹の平均値±SDで示した。 ※:P<0.005 【表】 また、当該エリスロ−DOPSは薬学的に許容し
うる酸附加塩の型でも用いることができる。即ち
塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸、フマール
酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸が附
加塩形成用酸としてあげられる。 本発明の活性化合物であるエリスロ−DOPS
は、個々の必要性に適応した投与量で経口的また
は非経口的に投与することができる。即ちその治
療投与量を普通の投与形態、例えば錠剤、カプセ
ル錠、シロツプ剤、懸濁液等の型で経口的に投与
することができ、あるいは、またその溶液、乳
剤、懸濁液等の液剤の型にしたものを注射の型で
非潔口投与することもできる。 また、前記の適当な投与剤型は許容される通常
の担体、賦型剤、結合剤、安定剤などに活性化合
物を配合することにより製造することもできる。
また注射剤型で用いる場合には許容される緩衝
剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもでき
る。 本願に用いるエリスロ−DOPSの投与量、投与
回数は、投与形態あるいは治療を要する精神運動
興奮の症状の程度によつて異なるが、例えば経口
投与の場合は成人1日当り0.1〜4gを1回また
は数回に分けてすることができる。 また静脈注射の場合は、成人1日当り0.1〜2
gを1回または数回に分けて投与することができ
る。 なお、エリスロ−DOPSの脳内への移行をより
よくする為にエコノマイザー(economizer)の
役目をする末梢性脱炭酸酵素阻害剤(以下、DCI
という)を併用することもできる。 DCIとしては例えばカルビドパ(carbidopa)
やベンセラジド(benserazide)を挙げることが
出来る。 一方、DCIの投与量は、エリスロ−DOPSに対
して、ある幅をもつて用いることが出来るが、一
般的にはエリスロ−DOPSに対して0.025〜0.5モ
ル比の範囲で用いることが出来る。 次に、ここに用いるエリスロ−DOPSの毒性は
極めて弱く、マウスにおけるLD50値は経口投与
で5g/Kg以上である。
−ジヒドロキシフエニル)−セリン(以下、エリ
スロ−DOPSという)またはその塩を有効成分と
する精神運動興奮抑制剤に関する。 精神運動の過度な興奮は、いくつかの精神神経
疾患の特徴的症状として現れるものであり、例え
ば躁(うつ)病の躁病相における場合や、精神分
裂病とくにその緊張型における場合などその代表
的例示と言える。 従つて、本発明は精神運動興奮を主症候とする
躁病や精神分裂病の緊張型に対する症状の改善、
治療剤としてのエリスロ−DOPSの用途に係るも
のである。 躁病では爽快気分、刺戟性気分が持続したり、
高揚した気分あるいは観念奔逸、自我感情の亢進
が認められるが、これらの精神高揚は先の精神運
動興奮と、深く関連しているものといわれ、発現
様式が異るのみで、原因は同一である可能性が高
い。 かかる躁病または躁状態の薬物療法としては、
これまで種々の強力精神安定剤が適用されてき
た。また最近では炭酸リチウム等のリチウム剤が
躁病の治療剤として開発されるところとなつた。
またカルバマゼピンも抗躁作用を有することが見
いだされた。 一方、精神分裂症の緊張型に対しては、強力精
神安定剤が適用されることが多い。 しかし、これらの薬剤もしくはこれらの薬剤を
用いる薬物療法も各々問題点を有し、必ずしも満
足のいくものではない。即ち、強力精神安定剤と
しては鎮静作用の強いクロールプロマジン、レボ
メプロマジン等(以上、フエノチアジン系薬剤)
やハロペリドール(ブチロフエノン系薬剤)等が
好んで用いられるが、これらの薬剤の治療では、
不自然ないし過度の鎮静効果が現れたり、またこ
れらの薬剤による各種の副作用(例えば、錐体外
路症状)が認められる場合がある。 一方、躁病の治療を主効能とするリチウム剤で
は極く自然な形での鎮静効果がもたらされると言
う利点がある。 しかしリチウム剤の投薬にあたつては、患者の
一般血液検査、尿検査、心臓検査を行い、とくに
腎疾患と心臓疾患を有する患者を除外しなければ
ならない。また催奇型作用があるので妊娠初期お
よび授乳中の患者を対象より除外する必要があ
る。 また、炭酸リチウムの投薬に際して、注意しな
ければならないものに、リチウム中毒がある。リ
チウム中毒は血中リチウム濃度が2.0mEq/1以
上に続けてさらされると発生するといわれるが、
それ以下の濃度であつてもリチウム中毒に陥るこ
とがある。 したがつて、常にリチウム血中濃度測定や臨床
症状の観察が必要とされている。 炭酸リチウムによる治療では効果発現までに3
〜8日間を要し、また作用も強力精神安定剤に比
し緩和であるので治療の初期や重症の場合には、
単独投与では効果が期待できない場合があり、強
力精神安定剤との併用が必となることもある。更
に躁病の治療においては、他の精神疾患の場合よ
り面倒なことが多い。即ち、躁病患者には一般に
病識がみられず、自我感情が高まつていて、他人
のいうことを容易に聞かず、治療の場への導入が
困難なこと、治療上の取扱い接し方の難しさがあ
る。 以上のような事情から、躁病に対して特異的な
効果をもたらす治療薬、治療方法の確立が望まれ
てきた。 また精神分裂症の緊張型に対しても躁病と同様
な事情からより好ましい治療薬の出現が望まれて
きた。 本発明者等は前記のような背景のもとに、躁病
にみられるような精神運動興奮や精神の異常な興
奮、あるいは精神分裂症の緊張型にみられる精神
運動興奮に対して抑制効果をもたらす新しいタイ
プの薬物を鋭意検討してきたところ、エリスロ−
DOPSにその目的にそう作用のあることを見い出
し、本発明に至つたものである。 3−(3,4−ジヒドロキシフエニル)−セリン
はDOPSと略称される芳香族アミノ酸であるが、
立体配置の差違により、スレオ体(スレオ−
DOPS)とエリスロ体(エリスロ−DOPS)の二
種があり、また各々に光学異性体が存在する。 即ち、DOPSには、L−スレオ−DOPSとD−
スレオ−DOPSおよびL−エリスオ−DOPSとD
−エリスロ−DOPSの4種の立体異性体があり、
更にスレオ−DOPSとエリスロ−DOPSには
各々、D体とL体の等量混合物であるラセミ体
(DL体)が存在する。 L−DOPSは生体内で芳香族L−アミノ酸脱炭
酸酵素の働きにより、脱炭酸反応を受け、ノルア
ドレナリン(以下、NAという)に変換されるこ
とが既に知られている。また生成されるNAもL
−スレオ−DOPSからは天然型のl−NA(脳内
にもともと存在する)が、L−エリスロ−DOPS
からは非天然型のd−NAが生成することが報告
されている。 一方、DOPSの持つ薬理作用についても、いく
つかの報告がある。即ち、動物を用いる薬理学的
試験より、DOPSが抗うつ作用、抗振せん作用、
抗高血圧作用を示すことが報告されている。また
臨床試験の結果に基づきDL乃至L−スレオ−
DOPSの起立性低血圧症やパーキンソン氏病にお
けるすくみ症状に対する有効性が報告されてい
る。 ところで、本発明者等はエリスロ−DOPSを動
物に投与し、その薬理作用を検討した結果、実験
例1〜3に示す如く本剤が精神運動興奮を抑制す
ることを見い出して本発明を完成した。 精神運動興奮は躁病や緊張病を特徴づける主症
状であることを考えると、ここにエリスロ−
DOPSの躁病ないし緊張病の改善、治療の用途が
見出されたことになる。本発明の精神運動興奮抑
制作用は次の作用に基づくと解釈される。 本発明者等は、エリスロ−DOPSを動物に投与
した時の脳内アミン(NA、ドーパミン、セロト
ニン)の含量の変化についても生化学的に検討し
た。その結果、実験例4〜5に示す如くNAのみ
が顕著に上昇していることが見い出された。この
NAの上昇は、生体内の芳香族L−アミノ酸脱酸
酵素の働きを受けて生じるL−エリスロ−DOPS
からのd−NA(非天然型)によるものと考えら
れる。 一方、躁病ないし躁状態と脳内アミンとの関係
についてはこれまで、かなりの研究がなされてい
るが、躁状態ではNA(天然型)の代謝回転の亢
進があるとする報告もあり、NA作働性神経の高
まりと相関ありとする考えが一般的である。 従つて、本発明者が、とくに得たLまたはDL
のエリスロ−DOPS投与による精神運動興奮抑制
作用は投与されたL−エリスロ−DOPSから生じ
る脳内でのd−NAの上昇が、NA作働性神経系
の興奮を抑制する方向で作用しているものと解釈
することができる。 本発明で言うエリスロ−DOPSは、芳香族L−
アミノ酸脱炭酸酵素の基質になり得るものである
ことより、L−エリスロ−DOPSまたはDLエリ
スロ−DOPSを意味し、それ等は既に公知の方法
で得ることが出来る。 以下に本発明について更に詳しく説明する。 エリスロ−DOPSの精神運動興奮抑制作用は実験
例1,2および3に示すマウスを用いる実験によ
り見出したものであり、一方、エリスロ−DOPS
の投与による脳内NA量の増加は実験例4および
5により見出したものである。 (実験例 1) マウス3匹を一群としてアニメツクス
(Animex)の運動測定箱に入れて、経時的にマ
ウスの自発運動量を測定した。 マウスは運動測定箱に入れたことにより、探索
行動等を行い、高い自発運動量を示すが、次第に
落着き、約30−40分で蹲るようになり、自発運動
量は極少となる。モノアミンオキシダーゼ、阻害
剤(MAOI)であるβ−フエニルイソプロピルヒ
ドラジン塩酸塩(カトロン)(以下、PIHという)
50mg/Kgを腹腔内に投与し、16時間経過したマウ
スを用いて上記の実験を行なうと、自発運動量の
増加と、落ち着くまでの時間が長くなる傾向が認
められる。 このような実験系に対し、DL−エリスロ−
DOPS、200mg/Kgを腹腔内注射した時の影響に
ついて検討した。 その結果、第1図に示すように、自発運動量の
著明な減少が認められた。 (実験例 2) 実験例1と同じ、マウスの自発運動量測定実験
系を用いる。覚醒アミンであるメタンフエタミン
(1.4mg/Kg)を腹腔内に投与すると、自発運動量
は急激に増加し、注射後50分で減少傾向が始ま
り、2時間後にはほぼ元の状態にかえる。 これに対し、DL−エリスロ−DOPS(200mg/
Kg)を同時に腹腔内に投与すると、運動量の増加
は著明でなく、メタンフエタミンによる自発運動
増加作用が抑制された(第2図) (実験例 3) 実験例1と同じ、マウスの自発運動量測定実験
系を用いる。 MAOIであるトラニールシプロン、50mg/Kgを
腹腔内に投与すると、マウスの自発運動は漸次増
加し、投与後120分で最高に対し、この運動量を
維持するようになる。 これに対し、180分後にDL−エリスロ−DOPS
を投与すると約20分で運動量の減少が始まり、30
〜90分間続き、ついで漸次増加し始め元の増加し
た状態にかえつた(第3図)。 (実験例 4) マウスに生理的食塩水ないしPIH、50mg/Kgを
腹腔内注射し17時間後に脳内アミン含量を測定し
た。 測定法はOgasawara等の方法(J.Chromatogr.
180,119)にほぼ準じた。値はng/g湿重量で
表わし、3匹の平均値±SDで示した。※:P<
0.005※※:P<0.05 【表】 (実験例 5) マウスにPIH、50mg/Kgを前処置し、17時間後
に生理的食塩水ないしDL−エリスロ−DOPS、
200mg/Kgを腹腔内注射した。ついで注射後30分
後の脳内アミン含量を測定した。値はng/g湿
重量で表わし、3匹の平均値±SDで示した。 ※:P<0.005 【表】 また、当該エリスロ−DOPSは薬学的に許容し
うる酸附加塩の型でも用いることができる。即ち
塩酸、臭化水素酸、硫酸等の無機酸、フマール
酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸等の有機酸が附
加塩形成用酸としてあげられる。 本発明の活性化合物であるエリスロ−DOPS
は、個々の必要性に適応した投与量で経口的また
は非経口的に投与することができる。即ちその治
療投与量を普通の投与形態、例えば錠剤、カプセ
ル錠、シロツプ剤、懸濁液等の型で経口的に投与
することができ、あるいは、またその溶液、乳
剤、懸濁液等の液剤の型にしたものを注射の型で
非潔口投与することもできる。 また、前記の適当な投与剤型は許容される通常
の担体、賦型剤、結合剤、安定剤などに活性化合
物を配合することにより製造することもできる。
また注射剤型で用いる場合には許容される緩衝
剤、溶解補助剤、等張剤等を添加することもでき
る。 本願に用いるエリスロ−DOPSの投与量、投与
回数は、投与形態あるいは治療を要する精神運動
興奮の症状の程度によつて異なるが、例えば経口
投与の場合は成人1日当り0.1〜4gを1回また
は数回に分けてすることができる。 また静脈注射の場合は、成人1日当り0.1〜2
gを1回または数回に分けて投与することができ
る。 なお、エリスロ−DOPSの脳内への移行をより
よくする為にエコノマイザー(economizer)の
役目をする末梢性脱炭酸酵素阻害剤(以下、DCI
という)を併用することもできる。 DCIとしては例えばカルビドパ(carbidopa)
やベンセラジド(benserazide)を挙げることが
出来る。 一方、DCIの投与量は、エリスロ−DOPSに対
して、ある幅をもつて用いることが出来るが、一
般的にはエリスロ−DOPSに対して0.025〜0.5モ
ル比の範囲で用いることが出来る。 次に、ここに用いるエリスロ−DOPSの毒性は
極めて弱く、マウスにおけるLD50値は経口投与
で5g/Kg以上である。
第1図はマウスの自発運動量におよぼすDL−
エリスロ−DOPSの影響をみたものである。縦軸
は運動量counts/5minを、横軸はDL−エリスロ
−DOPS投与後、30分後より自発運動量を測定し
はじめてからの時間(分)を表わす。 〓〓はPIH50mg/Kg腹腔内投与のみの場合、□
はPIHと共にDL−エリスロ−DOPSを200mg/Kg
腹腔内投与した場合を表わす。第2図はメタンフ
エタミンによるマウスの自発運動量増加に対する
DL−エリスロ−DOPSの影響をみたものである。
縦軸は自発運動量、横軸はメタンフエタミン
(1、4mg/Kg)単独またはメタンフエタミンと
DL−エリスロ−DOPS(200mg/Kg)を同時投与
した時を0点とする時間経過(分)を表わす。□
はメタンフエタミン単独投与の場合、〓〓はメタ
ンフエタミンとDL−エリスロ−DOPSを同時投
与した場合を表わす。第3図はトラニールプロミ
ン投与マウスの自発運動量におよぼすDL−エリ
スロ−DOPSの影響をみたものである。縦軸は自
発運動量を表わし、横軸は時間経過(分)を表わ
す。矢印は投薬時間を表わす。
エリスロ−DOPSの影響をみたものである。縦軸
は運動量counts/5minを、横軸はDL−エリスロ
−DOPS投与後、30分後より自発運動量を測定し
はじめてからの時間(分)を表わす。 〓〓はPIH50mg/Kg腹腔内投与のみの場合、□
はPIHと共にDL−エリスロ−DOPSを200mg/Kg
腹腔内投与した場合を表わす。第2図はメタンフ
エタミンによるマウスの自発運動量増加に対する
DL−エリスロ−DOPSの影響をみたものである。
縦軸は自発運動量、横軸はメタンフエタミン
(1、4mg/Kg)単独またはメタンフエタミンと
DL−エリスロ−DOPS(200mg/Kg)を同時投与
した時を0点とする時間経過(分)を表わす。□
はメタンフエタミン単独投与の場合、〓〓はメタ
ンフエタミンとDL−エリスロ−DOPSを同時投
与した場合を表わす。第3図はトラニールプロミ
ン投与マウスの自発運動量におよぼすDL−エリ
スロ−DOPSの影響をみたものである。縦軸は自
発運動量を表わし、横軸は時間経過(分)を表わ
す。矢印は投薬時間を表わす。
Claims (1)
- 1 LまたはDL−エリスロ−3−(3,4−ジヒ
ドロキシフエニル)−セリンまたはその塩を有効
成分とする精神運動興奮抑制剤。
Priority Applications (14)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58175581A JPS6067420A (ja) | 1983-09-22 | 1983-09-22 | 精神運動興奮抑制剤 |
| CA000452844A CA1225598A (en) | 1983-09-22 | 1984-04-26 | Pharmaceutical composition and method for treatment of psychomotor excitement |
| US06/604,965 US4529603A (en) | 1983-09-22 | 1984-04-27 | Pharmaceutical composition and method for treatment of psychomotor excitement |
| NZ209514A NZ209514A (en) | 1983-09-22 | 1984-09-12 | Pharmaceutical compositions containing erythro-3,4-dihydroxyphenylserine and a decarboxylase inhibitor |
| FR8414040A FR2552327B1 (fr) | 1983-09-22 | 1984-09-13 | Composition pharmaceutique a base de (dihydroxyphenyl)-serine et d'un inhibiteur de decarboxylase |
| DE19843433675 DE3433675A1 (de) | 1983-09-22 | 1984-09-13 | Mittel zur behandlung von psychomotorischen erregungszustaenden |
| IT8422685A IT8422685A0 (it) | 1983-09-22 | 1984-09-17 | Composizione farmaceutica eprocedimento per il trattamento di eccetazione psicomotoria. |
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| IT22685/84A IT1175863B (it) | 1983-09-22 | 1984-09-17 | Composizione farmaceutica di ecctazione psicomotoria |
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58175581A JPS6067420A (ja) | 1983-09-22 | 1983-09-22 | 精神運動興奮抑制剤 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6067420A JPS6067420A (ja) | 1985-04-17 |
| JPH0331166B2 true JPH0331166B2 (ja) | 1991-05-02 |
Family
ID=15998583
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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| JP58175581A Granted JPS6067420A (ja) | 1983-09-22 | 1983-09-22 | 精神運動興奮抑制剤 |
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| ES2500053T3 (es) * | 2007-03-09 | 2014-09-29 | Chelsea Therapeutics, Inc. | Composición farmacéutica que comprende droxidopa para el tratamiento de la fibromialgia |
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-
1983
- 1983-09-22 JP JP58175581A patent/JPS6067420A/ja active Granted
-
1984
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- 1984-04-27 US US06/604,965 patent/US4529603A/en not_active Expired - Fee Related
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|---|---|
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