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JPH0332738B2 - - Google Patents
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JPH0332738B2 - - Google Patents

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JPH0332738B2
JPH0332738B2 JP57140939A JP14093982A JPH0332738B2 JP H0332738 B2 JPH0332738 B2 JP H0332738B2 JP 57140939 A JP57140939 A JP 57140939A JP 14093982 A JP14093982 A JP 14093982A JP H0332738 B2 JPH0332738 B2 JP H0332738B2
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sample
vacuum furnace
torr
furnace
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Hiroshi Kimura
Kenji Abiko
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Olympus Corp
Nihon Shinku Gijutsu KK
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Publication date
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    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N33/00Investigating or analysing materials by specific methods not covered by groups G01N1/00 - G01N31/00
    • G01N33/20Metals
    • G01N33/204Structure thereof, e.g. crystal structure

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  • General Health & Medical Sciences (AREA)
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  • Medicinal Chemistry (AREA)
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  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
  • Investigating And Analyzing Materials By Characteristic Methods (AREA)
  • Microscoopes, Condenser (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、高温顕微鏡による金属組織の観察方
法に係り、特に高温金属顕微鏡による超高真空下
での長時間にわたる金属組織の観察方法に関す
る。 〔従来の技術〕 温度変化に伴う金属組織の変化などを調べる
際、一般に、高温金属顕微鏡が使用される。この
装置は、真空炉、高温顕微鏡、真空手段、測温手
段、温度制御手段などから構成されている。 従来、前記高温金属顕微鏡による金属組織の観
察に当たつては、試料が装入される真空炉を排気
する真空手段として、油回転ポンプと油拡散ポン
プを組合わせて用いており、また真空炉のシーリ
ング材としてネオプレン製O−リングを使用して
いる。このような真空手段を介して得られる真空
炉内の到達真空度は、液体窒素トラツプ無しで、
10-6Torr程度であり、液体窒素トラツプ使用の
場合でも、最高10-7Torr程度である。なお、真
空計としては1〜10-3Torr用のピラニー真空計、
10-3〜10-7用電離真空計を装備している。 すなわち、従来は、10-7Torrを限度とする真
空度を有する真空炉にて、試料を加熱しながら該
試料表面の組織を観察する方法であつた。 〔発明が解決しようとする課題〕 ところで、上述したような低い真空度での金属
組織の観察方法によれば、観察中に試料表面の酸
化が不可避に起こり、そのために試料の真の表面
組織を、とくに長時間にわたつて継続観察するこ
とが不可能であるという欠点があつた。 この10-7Torr程度の真空度で金属試料が酸化
される原因について、本発明者らが調べたところ
では、真空炉中に圧倒的に多量のH2Oが残存し
ているためであるということがわかつた。この
H2Oを取り除くには、真空炉内をより高度の真
空度にすればよいと考えられるが、このことは以
下に述べる3つの理由により、未だ実施されてい
ないのが実情である。 その第1の理由は、より高度の真空にすること
が極めて困難であつたということである。例え
ば、従来、真空ポンプとしては、油拡散ポンプと
油回転ポンプを組合わせて使用していたが、この
ような組合わせでは到達可能な真空度はせいぜい
10-7Torrであることや、 また、真空炉内壁および治具類の表面の徹底的
洗浄化が必要であつた。しかし、このような清浄
化を達成することは簡単ではないということであ
る。 第2の理由は、真空炉のシーリング材や容器
を、それぞれ真空炉内温度並びに目標真空度に応
じて選択することが必要であるにも拘わらず、そ
のことが困難であつたことである。 第1図は、各材料の放出ガス量の経時変化を示
す。シーリング材および容器用材料は、真空中で
は高温においてもガスを放出することは従来知ら
れているところである。第1図より、例えば容器
用材料として18−8ステンレス鋼を使用しても、
表面を徹底的に清浄にした超高真空標準表面処理
材は、一般の18−8ステンレス鋼に比べてガス放
出量が少ないことが判る。また、ネオプレン、バ
イトン、テフロン、鋼などのシーリング材の材質
によつてガス放出量が大きく異なることも第1図
から判る。このように、シーリング材および容器
用材料を選択する必要が生じ、このことも高真空
達成自体をさまたげる原因となつている。 また、真空炉内の高真空化が実施されなかつた
第3の理由は、真空炉内をどの程度の高真空にす
れば、該真空炉内のH2O(g)の分圧がどの程度
になり、その結果金属表面の酸化が阻止あるいは
抑制されるかについての学問上の解明が全くなさ
れていなかつたということである。従つて、仮り
に高真空自体が実現可能であつたとしても、効果
的に酸化を抑制することは不可能であつたのであ
る。 さらに、既知技術水準の下で高温顕微鏡による
組織観察方法によれば、例えば、試料が金属の場
合、試料金属を高温に加熱して試料表面組織を観
察する間に、真空炉の覗き窓のガラスに、金属が
蒸着し、検鏡観察を困難にするという問題もあつ
た。この問題に関しては、密着スライド式透明石
英板を用いて外部から操作できるシヤツターを少
量スライドさせ、覗き窓のガラスの透明面を出し
て観察を続行できるようにした方法も提案されて
いる。また、高温において試料が蒸発しやすい状
態の場合には、Ar等の不活性ガスを真空炉内に
封入して試料の蒸発を起こりにくくする方法など
も知られている。しかし、この場合も、炉内が高
温になるにつれて、金属蒸着に伴う観察用覗き窓
ガラスが不透明になつてしまう弊害があつた。 そこで、本発明は、上述したような、観察中に
試料の表面が酸化され表面観察ができなくなると
いう課題、真空炉の覗き窓のガラスに金属が蒸着
して観察ができなくなるというような課題を解決
し、高温顕微鏡による長時間にわたる金属組織の
継続的観察を可能にする新規な方法を提供すこと
を目的とし、以下の技術に想到したのである。 〔課題を解決するための手段〕 上掲の目的を実現すべく研究した結果、本発明
は次の如きを要旨構成とする有利な方法を開発し
た。すなわち、本発明は、 金属試料を真空炉に装入した後、前記真空炉内
を所定の真空度とし、次いで前記試料を加熱しな
がら光学式金属顕微鏡を用いて試料表面組織を観
察する高温顕微鏡による金属組織の観察方法にお
いて、 まず、前記真空炉内を、1×10-3〜1×
10-8Torrの真空度とし、ついで60〜250℃の温度
に加熱することにより、該真空炉内に存在する水
をH2O(g)(水蒸気)として、あるいは該真空
炉内に存在するH2Oの解離により生ずる酸素を
O2として排出させ、さらに前記真空炉内を、圧
力1×10-8Torr以下の高真空にして、炉内部に
残存するガス中のH2分圧をH2O(g)分圧より高
く保持して観察することを特徴とする高温顕微鏡
による金属組織の観察方法、である。 そして、より好ましくは、上記真空炉内の残存
ガス、すなわちH2O、O2、CO、CO2のそれぞれ
の分圧を、常温下で1×10-9Torr以下にして観
察し、 また、炉外より上記真空炉内に高純度H2を導
入して観察し、 そして、真空炉内に試料を装入した後、該真空
炉内を、圧力1×10-8Torr以下の高真空にし、
次いで不活性ガスとスパツター用電子銃を用いて
試料表面の厚い酸化皮膜を剥離除去して観察する
方法である。 〔作用〕 本発明者らの研究によると、従来の観察方法に
よれば、最高の真空度である10-7Torrであつて
も、真空炉内のH2O分圧を充分低くすることが
できないことが判つた。その結果、例えば、試料
が鉄合金の場合には、試料表面がH2Oと反応し
て鉄酸化物を生成し、時間と共にこの鉄酸化物の
厚さが急速に増加して、ひいては試料の真の組織
を直接観察することが不可能となつた。 そこで、本発明者らは、金属の酸化過程と真空
炉内の真空度並びに真空雰囲気の質との関係を基
本的に調べた。すなわち、Pを1.0%含有し残部
実質的にFeよりなる合金(以下この合金をFe−
1.0%P合金と記す)の真空下における表面酸化
過程を研究し、その酸化量をオージエ電子分光分
析方法により測定した結果、以下の如き現象を新
規に知見した。 第2図は、Fe−1.0%P合金のオージエ電子分
光分析方法によるオージエ電子のもつエネルギー
Evと単位エネルギー当りのオージエ電子数の変
化量DN/DEとの関係を示す図である。測定の
条件は7×10-11Torrの真空容器内で試料片を破
断した後、15℃での飽和水蒸気を含むArを1×
10-7Torrになるように導入し、10分間保持後、
真空容器内を10-10Torrに排気した後に、加速電
圧2KV、モジユレーシヨン電圧6Vで太さ5μmの
電子線により結晶粒内破断面上の点を測定したも
のである。 同図によれば、前記操作および測定によつて、
Fe−1.0%P合金の結晶粒内破断面上には、酸素
が存在していることが判る。すなわち、7×
10-11Torrの真空下で試料を破断した後、15℃で
の飽和水蒸気を含むArを1×10-7Torr導入し、
試料破断面に10分間接触させた後、10-10Torrに
再び真空容器の圧力を低下させた後にあつても、
破断した鉄表面には多くの酸素が存在しているこ
とが判明した。 よつて、本発明者らは、上記実験において破断
された試料表面に存在する酸素はどの過程で破断
面に吸着し、また破断面上で試料と反応したかを
確認するため、さらに下記の実験を行つた。 この実験は、Fe−1.0%P合金を、7×
10-11Torrの真空容器内で破断し、その粒内破断
面上に存在する酸素の量的経時変化の測定をオー
ジエ電子分光分析方法によつて行つたものであ
る。その結果を第3図に示す。なお、この測定
は、一次電子線の加速電圧3KV、モジユレーシ
ヨン電圧3Vで太さ5μmの電子線で結晶粒内破断
面上の同一点について、1、10、20、30Hr経過
後それぞれ行つた結果である。 同図によれば、結晶粒内破断後のFe−1.0%P
合金の表面上に存在する酸素量は、時間の経過と
共に増加するが、第2図に示した実験による酸素
量よりはるかに少ないことが判つた。従つて、第
2図に示した実験における試料の結晶粒内破断面
上に存在する酸素は、第3図に示した実験におけ
る試料破断時に吸着もしくは反応した結果存在す
る酸素ではなくて、15℃での飽和水蒸気量を含ん
だArを1×10-7Torr導入したことによつて吸着、
または反応したH2O中の酸素であることが確認
できた。また、前述のように、一旦結晶粒内破断
面に吸着あるいは反応して存在している酸素は、
試料が装入されている真空容器内を10-10Torrの
如き高度の真空としても、離脱しないことが判
る。このような状態で試料の高温組織を観察する
ため、試料を加熱すれば、鉄酸化物が容易に生成
することが推考される。 すなわち、7×10-11Torrの真空容器内の残留
ガスの質量分析結果、H2およびH2O(g)の分圧
はそれぞれPH2=6.0×10-11TorrおよびPH2O(g)=1
×10-12Torrであり、O2の分圧PO2は測定可能な
限界である10-13Torr以下であつた。次いで、15
℃での飽和水蒸気量を含んだArを1×10-7Torr
になるように導入したときの、真空容器内の
H2O(g)分圧PH2(g)は、1.6×10-9Torrであり、
10分後に真空容器を10-10Torrに排気したときの
O2分圧は測定限界以下であつた。つまり、試料
を7×10-11Torr、PH2/PH2O(g)=60という還元製
雰囲気で破断後、試料粒内破断面を1.6×
10-9TorrのH2O(g)を含んだArによつて1×
10-7Torr、PH2/PH2O(g)=0.04という酸化性雰囲気
にさらすことによつて、試料すなわちFe−1.0%
P合金の粒界破断面はH2O中の酸素と結合する
ことによつて、第2図に示した大きな酸素ピーク
として現われたのである。 以上のことから従来の高温顕微鏡用真空炉内の
試料表面の酸化は、真空炉内に残存しているO2
によるよりもH2Oによる反応の方が主をなして
いると推考された。従つて、高温顕微鏡用真空炉
内の鉄合金試料の酸化を防止もしくは抑制するた
めには、真空炉内のH2Oを除去することが最も
重要であることが判つた。 すなわち本発明によれば、金属試料を真空炉に
装入した後、主として真空炉内を1×10-8Torr
以上の高度の真空とすることにより、試料の真の
表面組織を、長時間にわたつて観察することので
きることを新規に知見した。 この点、従来の方法によれば、真空炉内の真空
度はたかだか10-7Torrであり、前記真空度より
さらに高度の真空度における金属表面組織の酸化
の程度と温度との関係についての解明は、前述の
如く真空度そのものをより高度にすることの技術
が加速度的に困難になることから、従来全然なさ
れたことはなかつた。 しかも単純に10-7Torrでより高度の真空にす
れば、金属表面の酸化は高温において遅くなるこ
とは当業者は推考することはできようが、本発明
者らは単により高度の真空となることによつて金
属表面の酸化が抑止あるいは抑制される傾向が強
化されるのではなく、真空の質をも規定して初め
て金属の酸化が抑止あるいは抑制されることを新
規に知見するに至つたのである。 〔実施例〕 本発明によれば、鉄合金の如き酸化が比較的容
易に進行する合金にあつては、真空炉内に残留す
るH2O、O2、CO、CO2を常温下のそれぞれの分
圧で10-9Torr以下となすことにより、試料表面
を長時間にわたつて観察することができる。 金属鉄は、O2およびH2O、CO、CO2中の酸素
と反応し、ウスタイト(FeO)、マグネタイト
(Fe3O4)、へマタイト(Fe2O3)などの鉄酸化物
になる。これらの反応速度はO2分圧PO2と温度と
に依存する。 第4図は、平衡状態において金属鉄がPO2、温
度とともに如何なる酸化物に遷移するかを示した
図である。例えば、1000℃、PO21気圧
(760Torr)では、鉄はヘマタイトとして平衡安
定に存在する。ところが、1000℃、PO21×10-10
気圧(7.6×10-8Torr)では、マグネタイトが平
衡安定相である。また、1000℃、PO21×10-15
圧(7.6×10-13Torr)以下のO2分圧PO2において
は、金属状態のγ鉄が平衡安定相となる。換言す
れば、1000℃においては1×10-15気圧(7.6×
10-13Torr)以下のO2分圧中で鉄酸化物(ヘマタ
イト、マグネタイト、ウスタイト)は下記式(1)、
(2)、(3)の如く反応し、最終的には金属鉄Feと酸
素ガスO2として安定に存在することが同図より
判つた。 6Fe2O34Fe3O4+O2 ……(1) 2Fe3O46FeO+O2 ……(2) 2FeO2Fe+O2 ……(3) ところで、真空炉内のO2分圧PO2は、従来の排
気装置により排気した場合には一般式にH2O
(g)分圧PO2(g)よりはるかに少なくすることが知
られており、特に試料が高温に加熱される場合に
は金属試料の酸化反応はH2Oによつて規定され
る。 ある一定の温度T(K)においては、 H2+1/2O2H2O(g) ……(4) で平衡状態にあり、この反応の標準自由エネルギ
ー変化ΔG°H2O(g)(cal/mol)はO.
Kubaschewskiらによれば、 ΔG°H2O(g)=−57250+4.48TlogT−2.21T ……(5) T=298〜2500K で与えられる。上記式(4)の平衡状態においてPO2
(気圧)は logPO2=2ΔG°H2(g)/2.303RT−2logPH2/PH2O(g)……
(6) で示される。 上記式(5)、(6)に基づいてT(K)とlogPO2の関
係を計算し、第5図の如くPH2/PH2O(g)の値を
100、50、10、1、0.1、0.01に変化させたときの
logPO2と温度T(K)との関係を調べた。この結
果から、与えられたPH2/PH2O(g)の値の各曲線よ
り下方ではH2O(g)が安定相として反応が進行
するが、その曲線の上方ではH2とO2が安定相で
あるため、H2O(g)の解離が起こる。曲線上は
H2、O2およびH2O(g)が平衡に存在する。 また、同図からH2O(g)の解離したO2と金属
鉄Feとの反応は下記式(7)に示す如くである。 Fe+1/2O2FeO ……(7) この反応における標準自由エネルギー変化
ΔG°FeO(cal/mol)はO.Kubaschewskiらによれ
ば、 ΔG°FeO=−62050+14.95T ……(8) T=298〜1642K 上記式(8)で与えられる。いまFeおよびFeOの
活量は等しいとすると、上記反応式(7)において平
衡するPO2(気圧)は logPO2=2ΔG°FeO/2.303RT……(9) 上記式(9)で計算される。この計算結果を、第5
図中×印で示した。同図中×印線よりも大きな
PO2の値の領域、すなわち×印線より下方の領域
では、FeOが生成する方向に反応が進行し、FeO
が安定相となつて存在する。一方、×印線よりも
上方の領域ではFeOが分解する方向に反応が進行
し、FeとO2が安定相となる。 ここで、ターボ分子ポンプ、スパツターイオン
ポンプ、クライオポンプ、コールドトラツプ付油
拡散ポンプなどの排気ポンプによつて得られた真
空炉内の残留ガスH2とH2O(g)の分圧比PH2
PH2O(g)の値は50以上であることから、平衡論的に
は、上記状態の真空にあつてはFeOが還元される
方向に対応が進行し、第5図によつて1000〜
1650KでFeとO2が安定に存在することが判る一
方、第2図の説明のところで述べたような場合の
真空炉内の残留ガス雰囲気においては、PH2
PH2O(g)の値は0.004であり、また油回転ポンプおよ
び油拡散ポンプでなした場合の真空炉内の残留ガ
ス雰囲気においてはPH2/PH2O(g)の値は0.01である
から、平衡論的には、鉄は1000〜1650Kの温度範
囲でいずれもFeOとして安定に存在することが第
5図から判る。 次に、金属鉄が如何なるPH2/PH2O(g)の値によ
つて酸化するかを平衡論的に詳しく調べた。 FeOとH2との反応は上記式(4)および上記式(7)
より FeO+H2Fe+H2O(g) ……(10) 上記式(10)のようになるが、標準自由エネルギー
変化ΔG°Fe(cal/mol)は、上記式(5)および上記
式(8)とによつて、FeとFeOの活量が等しいとす
ると、 ΔG°Fe=ΔG°H2O(g)−ΔG°FeO=O2=2.303R
T logPH2/PH2O(g)……(11) 上記式(11)より求めることができる。その計算
結果を第6図に示す。 上記式(10)の反応が平衡状態においてPH2
PH2O(g)の値は温度とともに曲線上を変化する。 PH2/PH2O(g)の値が曲線より小さい値の場合
(図中で下方)、上記式(10)の反応はFeOが生成する
方向に進む。一方、PH2/PH2O(g)の値が曲線より
も大きい値の場合(図中で上方)、上記式(10)の反
応はFeOが分解しFeが生成する方向に進行する
ことが判る。 以上本発明者らが新規に知見した本発明におい
て、金属鉄を酸化させずに高温(1000〜1600K)
で保つためにはPH2/PH2O(g)を約2以上の雰囲気
に保たなければならないことが平衡論的にも裏付
けされた。 しかしながら、平衡論で安定であるからといつ
てもFeOが全く生成しないわけではない。つま
り、平衡面的にはFeOの方がFeよりも不安定で
あるということを示しているただけであつて、ど
れだけ不安定かと言うことを論ずるには反応の速
度論的考察を行わなければならない。 第7図は、金属鉄H2O(g)−H2−Ar計の雰囲
気で800°〜1100°に加熱した時間(h)と試料の
重量増加量Δm/A(mg・cm-2)との関係を示し
たH.J.Kockによる速度論的実験結果である。こ
の鉄の酸化実験は全圧は1気圧、Arは70%、H2
とH2O(g)との合計が30%で、図中に示した
PH2/PH2O(g)の値の下で行われた。各温における
上記実験はすべてH2分圧PH2とH2O(g)分圧
PH2O(g)の比が PH2/PH2O(g)<1.00 となる第6図の曲線の下方領域、すなわち酸化性
雰囲気における反応であることが判る。 第7図において各実験温度における試料の重量
増加量は時間とともにほぼ直線的に増加してい
る。従つて、酸化層が極めて薄い状態では酸化反
応による重量増加量(Δm/A)は一定の雰囲気
および温度において時間(t)の一次式(12)で示
される。 Δm/A=kt ……(12) いま、Feの酸化反応は上記式(7)でみられるよ
うに1モルのFeと1/2モルのO2より1モルのFeO
が生成する。上記式(12)に示した反応速度定数k
を第7図から求め、2×10-7g/cm2の酸化重量増
加量になる時間toを計算すると第1表のようにな
る。ただし、2×10-7g/cm2はFeOがFeの表面に
0.1μm生成する量である。次に、反応速度定数k
は雰囲気のH2、H2O(g)の分圧と酸化層の厚さ
約10μm以下の場合には、 1/k=α(PH2/PH2O(g)2.6 ……(13) α:定数 という関係が明らかにされているから、PH2
PH2O(g)の値が50、0.04、0.01の場合について、鉄
表面においてFeOが0.1μmの厚さを形成するまで
の時間t50、t0.04、t0.01を計算して第1表に示し
た。
〔発明の効果〕
以上説明したように、従来は、酸化され易い金
属材料を高温加熱しながら組織観察を長時間にわ
たつてなすことができなかつたが、本発明によれ
ば、従来の上記欠点を完全に解消でき、長時間に
わたつて試料の真の高温組織を詳細に観察するこ
とができる。また、本発明は、金属材料の組織の
温度依存性の研究に大きく寄与し、工業的材料の
開発および製造に大きく貢献できる産業上有用な
発明である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、真空用シーリング材および真空容器
材の室温における放出ガス量と時間との関係を示
す図、第2図は、オージエ電子分光分析法による
Fe−1.0%P合金の粒内破断面に反応した酸素の
量を測定した結果を示す図、第3図は、Fe−1.0
%P合金の粒内破断面に反応した酸素の量を経時
的に測定したオージエ電子分光分析法による結果
を示す図、第4図は、鉄と鉄酸化物が安定に存在
するための酸素分圧と温度との関係を示す図、第
5図は、平衡状態におけるH2、O2、H2O(g)な
らびにFe、O2、FeOの温度(K)とPO2との関係
を示す図、第6図は、平衡状態におけるFe、
H2O(g)、FeO、H2の温度(K)とPH2/PH2O(g)
との関係を示す図、第7図は、各温度における
H2O−H2−Ar中の鉄の酸化による重量増加量と
時間との関係を示す図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 金属試料を真空炉に装入した後、前記真空炉
    内を所定の真空度とし、次いで前記試料を加熱し
    ながら光学式金属顕微鏡を用いて試料表面組織を
    観察する高温顕微鏡による金属組織の観察方法に
    おいて、 まず、前記真空炉内を、1×10-3〜1×
    10-8Torrの真空度とし、次いで60〜250℃の温度
    に加熱することにより、該真空炉内に存在する水
    をH2O(g)(水蒸気)として、あるいは、該真
    空炉内に存在するH2Oの解離により生ずる酸素
    をO2として排出させ、さらに前記真空炉内を、
    圧力1×10-8Torr以下の高真空にして、炉内部
    に残存するガス中のH2分圧をH2O(g)分圧より
    高く保持して観察することを特徴とする高温顕微
    鏡による金属組織の観察方法。 2 上記真空炉内の残存ガス、すなわちH2O、
    O2、CO、CO2のそれぞれの分圧を、常温下で1
    ×10-9Torr以下にして観察することを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項に記載の方法。 3 炉外より上記真空炉内に高純度H2を導入し
    て観察することを特徴とする特許請求の範囲第1
    〜2項のいずれか1つに記載の方法。 4 真空炉内に試料を装入した後、該真空炉内
    を、圧力1×10-8Torr以下の高真空にし、次い
    で不活性ガスとスパツター用電子銃を用いて試料
    表面の厚い酸化皮膜を剥離除去して金属組織を観
    察することを特徴とする特許請求の範囲第1〜3
    項のいずれか1つに記載の方法。 5 真空炉内に試料を装入した後、該真空炉内
    を、圧力1×10-8Torr以下の高真空にし、次い
    で試料を加熱しつつ、微量の高純度O2を導入し
    て、試料表面に厚さ1.0μm以下の酸化皮膜を形成
    させ保持することによつて、前記酸化皮膜下の金
    属組織を前記酸化皮膜を透して長時間にわたり観
    察可能とすることを特徴とする特許請求の範囲第
    1〜4項のいずれか1つに記載の方法。
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