JPH033339B2 - - Google Patents
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- JPH033339B2 JPH033339B2 JP59173745A JP17374584A JPH033339B2 JP H033339 B2 JPH033339 B2 JP H033339B2 JP 59173745 A JP59173745 A JP 59173745A JP 17374584 A JP17374584 A JP 17374584A JP H033339 B2 JPH033339 B2 JP H033339B2
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- Fuel Cell (AREA)
Description
〔発明の技術分野〕
本発明は、長期に亙つて安定した電池特性を得
るようにした溶融炭酸塩型燃料電池に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 周知の如く燃料電池は、例えば水素のように酸
化され易いガスと、酸素のように酸化力のあるガ
スとを適当な電解質の下で反応させ、電気化学的
プロセスによつて直流出力を得るようにしたもの
で、その使用する電解質によつてリン酸型、溶融
炭酸塩型、固体電解質型に大別される。 このような燃料電池のうち、溶融炭酸塩型のも
のは、600〜700℃の高温下で動作させるようにし
ているので、電極反応が起り易く、高価な貴金属
触媒を必要としない等の利点を有し、次世代のエ
ネルギ源として大いに期待されている。 このような溶融炭酸塩型燃料電池の要部をなす
部分は、第5図および第6図に示すように構成さ
れている。すなわち、図中1は、平板状に形成さ
れた電解質層であり、炭酸リチウムや炭酸カリウ
ムなどの炭酸塩電解質をリチウムアルミネートな
どのセラミツク系保持材によつて保持して構成さ
れている。この電解質層1の両面には、ニツケル
合金系からなる一対のガス拡散電極(燃料極と酸
化剤極)2a,2bが設けられ単位電池3が構成
される。そして、このような単位電池3が、以下
に説明する双極性隔離板4を介して複数積層さ
れ、燃料電池が構成される。 双極性隔離板4は、たとえばステンレス鋼性の
隔離板本体5の両面に、互いに直交する向きにガ
ス流路を形成するべく、ステンレス鋼性の側壁部
材6a,6b,7a,7bを各面の両辺部に平行
にろう付けしたものである。そして、これらの側
壁部材6a,6b,7a,7bと隔離板本体5の
面とによつて形成される溝部を上記ガス流路(燃
料ガス流路と酸化剤ガス流路)としている。ま
た、これら各ガス流路には、そこに流れるガスを
実質的に分流させるべくステンレス鋼性の波板8
a,8bが嵌込まれている。また、前記側壁部材
6a,6b,7a,7bの各端面には、ガス拡散
電極2a,2bをそれぞれ嵌合するための段部が
設けられている。そして、この段部にガス拡散電
極2a,2bを嵌合し、側壁部材6a,6b,7
a,7bの端部と電解質層1の端部とでウエツト
シール部を構成し、ガス流路に導かれたガスの漏
洩を防止する構造となつている。このウエツトシ
ールは、例えば電解質がLi2CO3/K2CO3、62/
38モル比からなる2元素共融組成からなる場合、
電解質層1が488℃で溶融することによつて行わ
れる。 ところが、上記のように双極性隔離板4の側壁
部材6a,6b,7a,7bの端面を溶融炭酸塩
と直接接触させてウエツトシール部を構成する
と、溶融炭酸塩の強力な腐蝕力によつて上記側壁
部材6a,6b,7a,7bが腐蝕するという問
題がある。このような腐蝕は、反応ガスの漏洩を
招くのみならず、構造上の劣化をもたらす。そこ
で、ウエツトシール部に石綿、雲母、銀、アルミ
ニウム等の箔からなるガスケツトを介在させて、
双極性隔離板4の腐蝕を防止することがなされて
いる。 しかし、石綿、雲母からなるガスケツトは機械
的強度に劣るため、長時間の使用には耐えないと
いう問題があつた。また、銀箔のガスケツトは高
価であり、実用に供し得ない。そして、アルミニ
ウム箔からなるガスケツトは、電池の動作温度で
ある650℃以上の温度で溶融凝集し易く、電解質
層1の外縁部、あるいは電解質層1の電解質が逸
散した部分から、溶融したアルミニウム金属が侵
入し、これによつてガス拡散電極2a,2b管の
短絡事故を引き起こすという問題があつた。さら
には、このようなガスケツトによる溶融炭酸塩と
側壁部材6a,6b,7a,7bとの分離では、
完全な分離を行なうことが困難であるうえ、燃料
電池の製造組立て工程の複雑化、繁雑化を招くと
いう問題もあつた。 一方、このような双極性隔離板4の腐蝕という
問題とは別個の問題として、ウエツトシール部で
の電解質の移動逸散という問題があつた。すなわ
ち、ウエツトシール部の内側に燃料ガスが、また
外側に酸化剤ガスが存在すると、電気化学的な反
応の結果、炭酸イオンが外側に蓄積される。とこ
ろが、炭酸イオンの移動度は、リチウムのカチオ
ンやカリウムのカチオンの移動度より小さいの
で、実質的にリチウム、カリウムカチオンが外側
に引張り出されてしまう。これが原因で、上述の
ような炭酸塩の移動逸散が生じる。そしてウエツ
トシール面に沿つて外部に移動した炭酸塩は、マ
ニホールドシールに使用されているアルミナある
いはジルコニアのマツトに吸収されてしまい、電
解質領域から逸散してしまうので、電池抵抗の増
大や燃料ガスと酸化剤ガスとの交差混合量の増大
をもたらし、電池性能の著しい低下をもたらすと
いう問題があつた。 〔発明の目的〕 本発明はこのような問題に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、双極性隔離板や
ガスマニホールドなど溶融炭酸塩が直接接触する
部分の腐蝕や、この部分での炭酸塩の移動逸散を
効果的に防止でき、もつて長期に亙つて安定した
電池性能を得ることができる溶融炭酸塩型燃料電
池を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明は、双極性隔離板またはガスマニホール
ドの一部で、かつ溶融炭酸塩電解質層に直接接触
してウエツトシール部を形成する部分に、ボロン
カーバイト、ボロンナイトライド、ハフニウムナ
イトライド、モリブデンボレート、アルミニウム
ナイトライドまたはシリコンナイトライドからな
る防食層を設けたことを特徴としている。 特に、上記防食層は、ニツケル、クロム、アル
ミニウム、コバルト、イツトリウムおよびモリブ
デンの中から選ばれた複数の物質を組成とする下
地層の上に形成されたものであることが望まし
い。 〔発明の効果〕 上述したボロンカーバイト、ボロンナイトライ
ド、ハフニウムナイトライド、モリブデンボレー
ト、アルミニウムナイトライドまたはシリコンナ
イトライドは、燃料電池の動作温度である650℃
以上でも溶融炭酸塩に対する腐食性が優れてお
り、しかも機械的強度も高い。したがつて、双極
性隔離板等の腐蝕に起因した供給ガスの漏洩や構
造上の弱体化という従来の不具合を解決すること
ができる。 また、これらの材料は、実質的に非電子伝導性
で、かつ炭酸塩との濡れ性が少ない。このため、
ウエツトシール部における電気化学的反応が起り
難く、結局、炭酸塩の移動逸散を防止することが
できる。従つて、炭酸塩の経時的な減少に起因し
た電池抵抗の増加や反応ガスの交差混合量の増加
を抑制することができる。 このような種々の効果を得る結果、本発明によ
る溶融炭酸塩型燃料電池は、長期に亙つて安定し
た電池性能を得ることができる。 〔発明の実施例〕 以下、図面を参照して本発明の実施例について
説明する。 実施例 1 第1図は本実施例に係る燃料電池の要部を示す
図で、第5図および第6図と同一部分には同一符
号を付してある。したがつて重複する部分の説明
は省略することにする。この燃料電池が従来のも
のと異なる点は、側壁部材6a,6b,7a,7
bの電解質層に対向する面に下地層11を介して
後述するところの防食層12を形成した点にあ
る。 本実施例では、片面をニツケルクラツドした厚
さ0.3mmのSUS316Lステンレス鋼を150mm×150mm
の大きさに切出し、これを隔離板本体5とした。
また、厚さ2.5mm、幅15mm、長さ150mmのSUS316L
ステンレス鋼を側壁部材6a,6b,7a,7b
として用い、これを上記隔離板本体5の縁部にろ
う付けによつて接合した。 次に、上記側壁部材6a,6b,7a,7bの
電解質層1と対向する面に、 Co−29Cr−6Al−1Y合金(重量比)からなる
下地層11を、プラズマ溶射によつて150μmの
厚さに形成した。さらに、この下地層11の上に
純度99.9%のボロンカーバイトを、CVD
(chemical vapor deposition)法によつて平均
300μmの厚さに形成し、これを防食層12とし
た。 このようにして得られた双極性隔離板4を用い
て単位電池を3層積層し、通常の手段によつて反
応ガスマニホールド、エンドプレート、締付けバ
ーなどを設けて燃料電池を組立てた。 実施例 2 上述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、ボロンナイトライド
を、CVDによつて平均320μmの厚さに形成し、
これを防食層12とした。この防食層12が形成
された双極性隔離板4を用いて上述と同様の方法
で燃料電池を組立てた。 実施例 3 前述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、ハフニウムナイトライ
ドを、CVDによつて平均320μmの厚さに形成し、
これを防食層12とした。この防食層12が形成
された双極性隔離板4を用いて前述と同様の方法
で燃料電池を組立てた。 実施例 4 前述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、モリブデンボレート
1:酸化クロム水溶液1の混合溶液を、平均
280μmの厚さに塗布して550℃で熱処理し、これ
を防食層12とした。この防食層12が形成され
た双極性隔離板4を用いて上述と同様の方法で燃
料電池を組立てた。 実施例 5 前述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、アルミニウムナイトラ
イドを、CVDによつて平均250μmの厚さに形成
し、これを防食層12とした。この防食層12が
形成された双極性隔離板4を用いて前述と同様の
方法で燃料電池を組立てた。 実施例 6 前述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、シリコンナイトライド
を、CVDによつて平均300μmの厚さに形成し、
これを防食層12とした。この防食層12が形成
された双極性隔離板4を用いて前述と同様の方法
で燃料電池を組立てた。 比較例 1 前述した実施例1における側壁部材6a,6
b,7a,7bに下地層11および防食層12を
形成することなしに燃料電池を組立てた。 比較例 2 (従来例) 前述した実施例1における側壁部材6a,6
b,7a,7bに、下地層11および防食層12
を形成せず、代わりに幅1.5mm、厚さ0.5mmのアル
ミニウム製ガスケツトを上記側壁部材6a,6
b,7a,7bと電解質層1との間に介在させて
燃料電池を組立てた。 このように構成された、実施例1〜6、比較例
1、2の各燃料電池に対し、次のような測定を行
なつた。すなわち、第2図に示すように、サンプ
ルである燃料電池積層体15の4つの側面にガス
マニホールド16a,16b,16c,16dを
当てがい、これを電気マツフル炉17に収容して
650℃に加熱した後、ガスマニホールド16aか
ら16bにかけて空気70:炭酸ガス30(体積比)
の混合ガスからなる酸化剤ガスPを1500(N・
ml/min)の流量で通流させ、かつガスマニホー
ルド16cから16dにかけて水素ガス80:炭酸
ガス20(体積比)の混合ガスからなる燃料ガスQ
を1000(N・ml/min)の流量で通流させた。 そして、ガスマニホールド16dのガス排出口
で、排出燃料ガス中の窒素濃度をガスクロマトグ
ラフ計18によつて測定し、この測定値からガスの
漏洩量を求めた。 この結果、比較例1、2の燃料電池積層体15
は、第3図A,Bにそれぞれ示すように、ガス漏
洩量の経時的な増加が著しかつたが、実施例1〜
6の燃料電池積層体15は、同C,D,E,F,
G,Hに示すように、ガス漏洩量の経時的な増加
が極めて少なかつた。 また、燃料電池積層体15の最下層の単セルの
1kHz交流抵抗をミリオームメータ19にて測定
した。 この結果、比較例1、2の燃料電池積層体15
は、第4図A,Bに示すように、交流抵抗値の経
時的な増加が著しかつたが、実施例1〜6の燃料
電池積層体15は、同C,D,E,F,G,Hに
示すように、交流抵抗値の経時的増加が極めて少
なかつた。また、アルミニウム製ガスケツトを用
いた比較例2では、850時間経過後にガスケツト
の凝縮によるガス拡散電極の短絡が発生した、 さらに、上記各サンプルを1000時間放置後、分
解して側壁部材6a,6b,7a,7bの端面の
腐蝕の程度を観察した。 この結果、各サンプルの腐蝕の程度は、次表に
示すようなものであつた。
るようにした溶融炭酸塩型燃料電池に関する。 〔発明の技術的背景とその問題点〕 周知の如く燃料電池は、例えば水素のように酸
化され易いガスと、酸素のように酸化力のあるガ
スとを適当な電解質の下で反応させ、電気化学的
プロセスによつて直流出力を得るようにしたもの
で、その使用する電解質によつてリン酸型、溶融
炭酸塩型、固体電解質型に大別される。 このような燃料電池のうち、溶融炭酸塩型のも
のは、600〜700℃の高温下で動作させるようにし
ているので、電極反応が起り易く、高価な貴金属
触媒を必要としない等の利点を有し、次世代のエ
ネルギ源として大いに期待されている。 このような溶融炭酸塩型燃料電池の要部をなす
部分は、第5図および第6図に示すように構成さ
れている。すなわち、図中1は、平板状に形成さ
れた電解質層であり、炭酸リチウムや炭酸カリウ
ムなどの炭酸塩電解質をリチウムアルミネートな
どのセラミツク系保持材によつて保持して構成さ
れている。この電解質層1の両面には、ニツケル
合金系からなる一対のガス拡散電極(燃料極と酸
化剤極)2a,2bが設けられ単位電池3が構成
される。そして、このような単位電池3が、以下
に説明する双極性隔離板4を介して複数積層さ
れ、燃料電池が構成される。 双極性隔離板4は、たとえばステンレス鋼性の
隔離板本体5の両面に、互いに直交する向きにガ
ス流路を形成するべく、ステンレス鋼性の側壁部
材6a,6b,7a,7bを各面の両辺部に平行
にろう付けしたものである。そして、これらの側
壁部材6a,6b,7a,7bと隔離板本体5の
面とによつて形成される溝部を上記ガス流路(燃
料ガス流路と酸化剤ガス流路)としている。ま
た、これら各ガス流路には、そこに流れるガスを
実質的に分流させるべくステンレス鋼性の波板8
a,8bが嵌込まれている。また、前記側壁部材
6a,6b,7a,7bの各端面には、ガス拡散
電極2a,2bをそれぞれ嵌合するための段部が
設けられている。そして、この段部にガス拡散電
極2a,2bを嵌合し、側壁部材6a,6b,7
a,7bの端部と電解質層1の端部とでウエツト
シール部を構成し、ガス流路に導かれたガスの漏
洩を防止する構造となつている。このウエツトシ
ールは、例えば電解質がLi2CO3/K2CO3、62/
38モル比からなる2元素共融組成からなる場合、
電解質層1が488℃で溶融することによつて行わ
れる。 ところが、上記のように双極性隔離板4の側壁
部材6a,6b,7a,7bの端面を溶融炭酸塩
と直接接触させてウエツトシール部を構成する
と、溶融炭酸塩の強力な腐蝕力によつて上記側壁
部材6a,6b,7a,7bが腐蝕するという問
題がある。このような腐蝕は、反応ガスの漏洩を
招くのみならず、構造上の劣化をもたらす。そこ
で、ウエツトシール部に石綿、雲母、銀、アルミ
ニウム等の箔からなるガスケツトを介在させて、
双極性隔離板4の腐蝕を防止することがなされて
いる。 しかし、石綿、雲母からなるガスケツトは機械
的強度に劣るため、長時間の使用には耐えないと
いう問題があつた。また、銀箔のガスケツトは高
価であり、実用に供し得ない。そして、アルミニ
ウム箔からなるガスケツトは、電池の動作温度で
ある650℃以上の温度で溶融凝集し易く、電解質
層1の外縁部、あるいは電解質層1の電解質が逸
散した部分から、溶融したアルミニウム金属が侵
入し、これによつてガス拡散電極2a,2b管の
短絡事故を引き起こすという問題があつた。さら
には、このようなガスケツトによる溶融炭酸塩と
側壁部材6a,6b,7a,7bとの分離では、
完全な分離を行なうことが困難であるうえ、燃料
電池の製造組立て工程の複雑化、繁雑化を招くと
いう問題もあつた。 一方、このような双極性隔離板4の腐蝕という
問題とは別個の問題として、ウエツトシール部で
の電解質の移動逸散という問題があつた。すなわ
ち、ウエツトシール部の内側に燃料ガスが、また
外側に酸化剤ガスが存在すると、電気化学的な反
応の結果、炭酸イオンが外側に蓄積される。とこ
ろが、炭酸イオンの移動度は、リチウムのカチオ
ンやカリウムのカチオンの移動度より小さいの
で、実質的にリチウム、カリウムカチオンが外側
に引張り出されてしまう。これが原因で、上述の
ような炭酸塩の移動逸散が生じる。そしてウエツ
トシール面に沿つて外部に移動した炭酸塩は、マ
ニホールドシールに使用されているアルミナある
いはジルコニアのマツトに吸収されてしまい、電
解質領域から逸散してしまうので、電池抵抗の増
大や燃料ガスと酸化剤ガスとの交差混合量の増大
をもたらし、電池性能の著しい低下をもたらすと
いう問題があつた。 〔発明の目的〕 本発明はこのような問題に鑑みなされたもので
あり、その目的とするところは、双極性隔離板や
ガスマニホールドなど溶融炭酸塩が直接接触する
部分の腐蝕や、この部分での炭酸塩の移動逸散を
効果的に防止でき、もつて長期に亙つて安定した
電池性能を得ることができる溶融炭酸塩型燃料電
池を提供することにある。 〔発明の概要〕 本発明は、双極性隔離板またはガスマニホール
ドの一部で、かつ溶融炭酸塩電解質層に直接接触
してウエツトシール部を形成する部分に、ボロン
カーバイト、ボロンナイトライド、ハフニウムナ
イトライド、モリブデンボレート、アルミニウム
ナイトライドまたはシリコンナイトライドからな
る防食層を設けたことを特徴としている。 特に、上記防食層は、ニツケル、クロム、アル
ミニウム、コバルト、イツトリウムおよびモリブ
デンの中から選ばれた複数の物質を組成とする下
地層の上に形成されたものであることが望まし
い。 〔発明の効果〕 上述したボロンカーバイト、ボロンナイトライ
ド、ハフニウムナイトライド、モリブデンボレー
ト、アルミニウムナイトライドまたはシリコンナ
イトライドは、燃料電池の動作温度である650℃
以上でも溶融炭酸塩に対する腐食性が優れてお
り、しかも機械的強度も高い。したがつて、双極
性隔離板等の腐蝕に起因した供給ガスの漏洩や構
造上の弱体化という従来の不具合を解決すること
ができる。 また、これらの材料は、実質的に非電子伝導性
で、かつ炭酸塩との濡れ性が少ない。このため、
ウエツトシール部における電気化学的反応が起り
難く、結局、炭酸塩の移動逸散を防止することが
できる。従つて、炭酸塩の経時的な減少に起因し
た電池抵抗の増加や反応ガスの交差混合量の増加
を抑制することができる。 このような種々の効果を得る結果、本発明によ
る溶融炭酸塩型燃料電池は、長期に亙つて安定し
た電池性能を得ることができる。 〔発明の実施例〕 以下、図面を参照して本発明の実施例について
説明する。 実施例 1 第1図は本実施例に係る燃料電池の要部を示す
図で、第5図および第6図と同一部分には同一符
号を付してある。したがつて重複する部分の説明
は省略することにする。この燃料電池が従来のも
のと異なる点は、側壁部材6a,6b,7a,7
bの電解質層に対向する面に下地層11を介して
後述するところの防食層12を形成した点にあ
る。 本実施例では、片面をニツケルクラツドした厚
さ0.3mmのSUS316Lステンレス鋼を150mm×150mm
の大きさに切出し、これを隔離板本体5とした。
また、厚さ2.5mm、幅15mm、長さ150mmのSUS316L
ステンレス鋼を側壁部材6a,6b,7a,7b
として用い、これを上記隔離板本体5の縁部にろ
う付けによつて接合した。 次に、上記側壁部材6a,6b,7a,7bの
電解質層1と対向する面に、 Co−29Cr−6Al−1Y合金(重量比)からなる
下地層11を、プラズマ溶射によつて150μmの
厚さに形成した。さらに、この下地層11の上に
純度99.9%のボロンカーバイトを、CVD
(chemical vapor deposition)法によつて平均
300μmの厚さに形成し、これを防食層12とし
た。 このようにして得られた双極性隔離板4を用い
て単位電池を3層積層し、通常の手段によつて反
応ガスマニホールド、エンドプレート、締付けバ
ーなどを設けて燃料電池を組立てた。 実施例 2 上述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、ボロンナイトライド
を、CVDによつて平均320μmの厚さに形成し、
これを防食層12とした。この防食層12が形成
された双極性隔離板4を用いて上述と同様の方法
で燃料電池を組立てた。 実施例 3 前述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、ハフニウムナイトライ
ドを、CVDによつて平均320μmの厚さに形成し、
これを防食層12とした。この防食層12が形成
された双極性隔離板4を用いて前述と同様の方法
で燃料電池を組立てた。 実施例 4 前述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、モリブデンボレート
1:酸化クロム水溶液1の混合溶液を、平均
280μmの厚さに塗布して550℃で熱処理し、これ
を防食層12とした。この防食層12が形成され
た双極性隔離板4を用いて上述と同様の方法で燃
料電池を組立てた。 実施例 5 前述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、アルミニウムナイトラ
イドを、CVDによつて平均250μmの厚さに形成
し、これを防食層12とした。この防食層12が
形成された双極性隔離板4を用いて前述と同様の
方法で燃料電池を組立てた。 実施例 6 前述した実施例1におけるボロンカーバイトか
らなる防食層12に代え、シリコンナイトライド
を、CVDによつて平均300μmの厚さに形成し、
これを防食層12とした。この防食層12が形成
された双極性隔離板4を用いて前述と同様の方法
で燃料電池を組立てた。 比較例 1 前述した実施例1における側壁部材6a,6
b,7a,7bに下地層11および防食層12を
形成することなしに燃料電池を組立てた。 比較例 2 (従来例) 前述した実施例1における側壁部材6a,6
b,7a,7bに、下地層11および防食層12
を形成せず、代わりに幅1.5mm、厚さ0.5mmのアル
ミニウム製ガスケツトを上記側壁部材6a,6
b,7a,7bと電解質層1との間に介在させて
燃料電池を組立てた。 このように構成された、実施例1〜6、比較例
1、2の各燃料電池に対し、次のような測定を行
なつた。すなわち、第2図に示すように、サンプ
ルである燃料電池積層体15の4つの側面にガス
マニホールド16a,16b,16c,16dを
当てがい、これを電気マツフル炉17に収容して
650℃に加熱した後、ガスマニホールド16aか
ら16bにかけて空気70:炭酸ガス30(体積比)
の混合ガスからなる酸化剤ガスPを1500(N・
ml/min)の流量で通流させ、かつガスマニホー
ルド16cから16dにかけて水素ガス80:炭酸
ガス20(体積比)の混合ガスからなる燃料ガスQ
を1000(N・ml/min)の流量で通流させた。 そして、ガスマニホールド16dのガス排出口
で、排出燃料ガス中の窒素濃度をガスクロマトグ
ラフ計18によつて測定し、この測定値からガスの
漏洩量を求めた。 この結果、比較例1、2の燃料電池積層体15
は、第3図A,Bにそれぞれ示すように、ガス漏
洩量の経時的な増加が著しかつたが、実施例1〜
6の燃料電池積層体15は、同C,D,E,F,
G,Hに示すように、ガス漏洩量の経時的な増加
が極めて少なかつた。 また、燃料電池積層体15の最下層の単セルの
1kHz交流抵抗をミリオームメータ19にて測定
した。 この結果、比較例1、2の燃料電池積層体15
は、第4図A,Bに示すように、交流抵抗値の経
時的な増加が著しかつたが、実施例1〜6の燃料
電池積層体15は、同C,D,E,F,G,Hに
示すように、交流抵抗値の経時的増加が極めて少
なかつた。また、アルミニウム製ガスケツトを用
いた比較例2では、850時間経過後にガスケツト
の凝縮によるガス拡散電極の短絡が発生した、 さらに、上記各サンプルを1000時間放置後、分
解して側壁部材6a,6b,7a,7bの端面の
腐蝕の程度を観察した。 この結果、各サンプルの腐蝕の程度は、次表に
示すようなものであつた。
【表】
以上の結果から、本発明の実施例1〜6に係る
燃料電池は、双極性隔離板4の腐蝕やウエツトシ
ール部での炭酸塩の移動逸散を効果的に防止で
き、長期に亙つて安定した電池性能が得られるこ
とが確認できた。 なお、本発明は上述した実施例に限定されるも
のではない。例えば双極性隔離板として、クロム
メツキを施したステンレス310鋼や、同じくクロ
ムメツキを施したステンレス446鋼等を用いるよ
うにしても良い。また、下地層も上述のものに限
定されず、ニツケル、クロム、アルミニウム、コ
バルト、イツトリウムおよびモリブデンの中から
選択された複数の物質を組成とする合金であれ
ば、他の合金を用いても良い。さらにはこのよう
な下地層を介さずに双極性隔離板の母材表面に防
食層を直接形成しても本発明の効果を得ることが
できることは勿論である。 また、本発明に係る防食層を、燃料電池積層体
の側面と接するマニホールドのフランジ部に形成
するようにしても良い。このようにマニホールド
に防食層を形成すれば、マニホールドと燃料電池
積層体との間の気密性を長期に亙つて維持させる
ことができる。 要するに本発明は、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更して実施することができる。
燃料電池は、双極性隔離板4の腐蝕やウエツトシ
ール部での炭酸塩の移動逸散を効果的に防止で
き、長期に亙つて安定した電池性能が得られるこ
とが確認できた。 なお、本発明は上述した実施例に限定されるも
のではない。例えば双極性隔離板として、クロム
メツキを施したステンレス310鋼や、同じくクロ
ムメツキを施したステンレス446鋼等を用いるよ
うにしても良い。また、下地層も上述のものに限
定されず、ニツケル、クロム、アルミニウム、コ
バルト、イツトリウムおよびモリブデンの中から
選択された複数の物質を組成とする合金であれ
ば、他の合金を用いても良い。さらにはこのよう
な下地層を介さずに双極性隔離板の母材表面に防
食層を直接形成しても本発明の効果を得ることが
できることは勿論である。 また、本発明に係る防食層を、燃料電池積層体
の側面と接するマニホールドのフランジ部に形成
するようにしても良い。このようにマニホールド
に防食層を形成すれば、マニホールドと燃料電池
積層体との間の気密性を長期に亙つて維持させる
ことができる。 要するに本発明は、その要旨を逸脱しない範囲
で種々変更して実施することができる。
第1図は本発明の実施例に係る溶融炭酸塩型燃
料電池の要部の縦断面図、第2図は上記燃料電池
の試験方法を説明するためのブロツク図、第3図
は上記燃料電池の経時的なガス漏洩量を比較例と
比較して示す特性図、第4図は上記燃料電池の経
時的な内部抵抗変化を比較例と比較して示す特性
図、第5図は従来の溶融炭酸塩型燃料電池の要部
を示す分解斜視図、第6図は同燃料電池の要部の
縦断面図である。 1……電解質層、2a,2b……ガス拡散電
極、3……単位電池、4……双極性隔離板、6
a,6b,7a,7b……側壁部材、11……下
地層、12……防食層、15……燃料電池積層
体、16a〜16d……ガスマニホールド、P…
…酸化剤ガス、Q……燃料ガス。
料電池の要部の縦断面図、第2図は上記燃料電池
の試験方法を説明するためのブロツク図、第3図
は上記燃料電池の経時的なガス漏洩量を比較例と
比較して示す特性図、第4図は上記燃料電池の経
時的な内部抵抗変化を比較例と比較して示す特性
図、第5図は従来の溶融炭酸塩型燃料電池の要部
を示す分解斜視図、第6図は同燃料電池の要部の
縦断面図である。 1……電解質層、2a,2b……ガス拡散電
極、3……単位電池、4……双極性隔離板、6
a,6b,7a,7b……側壁部材、11……下
地層、12……防食層、15……燃料電池積層
体、16a〜16d……ガスマニホールド、P…
…酸化剤ガス、Q……燃料ガス。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 平板状に形成された溶融炭酸塩電解質層の両
面に燃料極と酸化剤極とをそれぞれ設けてなる複
数の単位電池を、両面に燃料ガス流路と酸化剤ガ
ス流路とをそれぞれ形成した金属性の双極性隔離
板を介して複数積層して燃料電池積層体を構成
し、この燃料電池積層体の各端面にガスマニホー
ルドを設けてなる溶融炭酸塩型燃料電池におい
て、前記双極性隔離板または前記ガスマニホール
ドの一部でかつ前記溶融炭酸塩電解質層に直接接
触する部分にボロンカーバイト、ボロンナイトラ
イド、ハフニウムナイトライド、モリブデンボレ
ート、アルミニウムナイトライドまたはシリコン
ナイトライドからなる防食層を形成したことを特
徴とする溶融炭酸塩型燃料電池。 2 前記双極性隔離板または前記ガスマニホール
ドの一部でかつ前記溶融炭酸塩電解質層に直接接
触する部分は、予めニツケル、クロム、アルミニ
ウム、コバルト、イツトリウムおよびモリブデン
の中から選択された複数の物質を組成とする下地
層が形成されたものであることを特徴とする特許
請求の範囲第1項記載の溶融炭酸塩型燃料電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59173745A JPS6151770A (ja) | 1984-08-21 | 1984-08-21 | 溶融炭酸塩型燃料電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP59173745A JPS6151770A (ja) | 1984-08-21 | 1984-08-21 | 溶融炭酸塩型燃料電池 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6151770A JPS6151770A (ja) | 1986-03-14 |
| JPH033339B2 true JPH033339B2 (ja) | 1991-01-18 |
Family
ID=15966342
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP59173745A Granted JPS6151770A (ja) | 1984-08-21 | 1984-08-21 | 溶融炭酸塩型燃料電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6151770A (ja) |
Families Citing this family (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2547737B2 (ja) * | 1986-07-23 | 1996-10-23 | 株式会社東芝 | 内部改質型溶融炭酸塩型燃料電池 |
| JP2760982B2 (ja) * | 1986-11-29 | 1998-06-04 | 株式会社東芝 | 溶融炭酸塩燃料電池の構造部材の表面処理方法 |
| DE10017200A1 (de) * | 2000-04-06 | 2001-10-18 | Dornier Gmbh | Elektrisch leitende Mehrfachschichtung für bipolare Platten in Brennstoffzellen |
| JP2004014208A (ja) | 2002-06-05 | 2004-01-15 | Toyota Motor Corp | 燃料電池のセパレータとその製造方法 |
| WO2017122782A1 (ja) | 2016-01-13 | 2017-07-20 | 古河電気工業株式会社 | 半導体レーザ素子、チップオンサブマウント、および半導体レーザモジュール |
-
1984
- 1984-08-21 JP JP59173745A patent/JPS6151770A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6151770A (ja) | 1986-03-14 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |