JPH0333774B2 - - Google Patents
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- JPH0333774B2 JPH0333774B2 JP59137015A JP13701584A JPH0333774B2 JP H0333774 B2 JPH0333774 B2 JP H0333774B2 JP 59137015 A JP59137015 A JP 59137015A JP 13701584 A JP13701584 A JP 13701584A JP H0333774 B2 JPH0333774 B2 JP H0333774B2
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Description
この発明は、自動車のパネルなどに適した、優
れたプレス加工性を有しかつ引張強さ35Kg/mm2以
上の高強度を有する深絞り用高張力冷延鋼板に関
し、また亜鉛めつき等の表面処理を施した表面処
理鋼板の原板としても使用される冷延鋼板に関す
るものである。 近年、自動車の車体の軽量化および安全性向上
を目的として、自動車のパネル材には高強度化の
要求が強まり、引張強さ35〜45Kg/mm2級の高張力
冷延鋼板を使用することが要求されるようになつ
ている。また最近ではこの種の用途の鋼板は、耐
食性を一層向上させるために亜鉛めつき等の表面
処理を施した表面処理鋼板として使用される割合
が高まつている。 ところで一般に鋼板における強度の向上は、プ
レス成形性を損なうことが知られているが、プレ
ス加工を施して使用される深絞り用冷延鋼板のう
ちでも特に自動車のパネル材は、極めて優れたプ
レス加工性が要求される。したがつてこの種の用
途には、高強度と、優れたプレス成形性とを如何
にして兼ね備えさせるかが重要な課題となつてい
る。 従来上述のような要求をある程度満たした冷延
鋼板としては次のようなものが知られている。 すなわち先ず第1には、低炭素アルミキルド鋼
にPを添加した所謂リフオス鋼が知られている。
このリフオス鋼は、優れた深絞り性を有するもの
の、箱焼鈍によらなければ優れた材質を得ること
ができず、生産性の高い連続焼鈍法、連続溶融亜
鉛めつき法では充分な材質が得られない欠点があ
つた。 また第2には、低炭素鋼にMn、Crなどの含有
させて2相域焼鈍法により得た、フエライト−マ
ルテンサイトの2相組織鋼板が知られている。こ
の鋼板は、張出し成形性には優れているものの、
深絞り性、あるいは亜鉛めつき性などに劣る欠点
がある。 さらに第3には、Cを0.01%以下とした極低炭
素鋼に、Ti、Nbのような強力な炭化物形成元素
を添加して超深絞り性を得、さらにP、Siの如き
固溶強化元素を添加して高強度を得た冷延鋼板が
知られており、この種の鋼板のうち、炭化物形成
元素としてTiを用いた例は、特公昭57−57945号
公報や特開昭57−63660号公報等に開示されてお
り、またNbを用いた例は、特公昭57−58427号公
報、特開昭56−139654号公報等に開示されてい
る。この種の鋼板は、優れた深絞り性を有すると
ともに強度も高く、しかも連続焼鈍法、連続溶融
亜鉛めつき法で製造できるなど、各種の長所を有
する。しかしながら最近の自動車のパネル材にお
いてはより一層プレス成形性が優れていることが
要求されており、特に張出し成形性の向上が要求
されるようになつているが、その点においてはこ
の種の鋼板は未だ充分に要求を満たすには至つて
いなかつた。すなわち、最近は自動車製造工程に
おける能率向上、素材コスト低減を目的としてパ
ネルの一体化、ブランク面積の縮小が進んでお
り、このため鋼板のプレス成形性のより一層の向
上が要求されるようになつており、特に張出し成
形性の向上が強く要求され、そのためには機械的
性質としては伸び特性の改善が要求されるが、上
述の鋼では伸び特性の点で未だ不充分であつた。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、従来の深絞り用冷延鋼板よりもさらに伸び特
性に優れ、しかも強度も充分な深絞り用高張力冷
延鋼板を提供することを目的とするものである。 本発明者は上述の目的を達成するべく、種々実
験検討を重ねた結果、Ti入りのアルミキルド鋼
においてPとCuを複合添加し、かつそのP、Cu
の含有量を相互に関連を持たせた特定の範囲内と
することによつて、強度−延性バランスに優れた
冷延鋼板、すなわち充分な強度を持ちしかも伸び
特性も良好な冷延鋼板が得られることを見出し、
この発明をなすに至つたのである。 具体的には、本願と第1発明の深絞り用高張力
冷延鋼板は、C0.015%以下、Si0.10%以下、
Mn0.20%以下、Al0.005〜0.10%を含有し、かつ
0.03〜0.150%のPおよび0.21%以上のCuを、Cu
(%)+13×P(%)の値が0.55〜2.50の範囲内と
なるように含有し、さらに0.002〜0.10%のTiを
Ti(%)/C(%)の値が4以上となるように含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる
ことを特徴とするものであり、このようにCuお
よびPを複合添加しかつそれらを特定の関係で含
有させることによつて、強度−延性バランスに優
れた冷延鋼板を得ることができたのである。 また第2発明の深絞り用冷延鋼板は、前記第1
発明の成分のほか、さらに0.0050%以下のBと、
0.002%以上で3×C(%)未満の範囲内のNbと
のうち、1種もしくは2種を含有するものであ
り、このようにBおよび/またはNbを添加する
ことによつて、強度−延性バランスを保ちつつ、
r値(ランクフオード値)であらわされる深絞り
性をさらに向上させることができたものである。 以下この発明についてさらに詳細に説明する。 先ずこの発明の基礎となつた実験結果について
説明すると、本発明者等は、基本組成を0.004%
C−0.01%Si−0.15%Mn−0.008%S−0.03%Al
−0.05%TiとするTi入りアルミキルド鋼におい
て、Cu、Pを種々の量添加し、常法により熱延
−冷延−連続焼鈍したときの機械的性質をJIS5号
試験片により調べた。なお鋼板の板厚は0.80mmで
ある。これらの各種のP量、Cu量の冷延鋼板に
ついて、引張強さ(TS)と全伸び(El)との関
係を整理したところ、第1図に示すようにTSと
Elの関係はCu(%)+13×P(%)の量に相関し、
Cu(%)+13×P(%)の値を0.55〜2.50の範囲内
とすることによつて、強度−延性バランスの極め
て優れた冷延鋼板が得られることが判明した。す
なわち、全般的にはTSが大きくなればElが小さ
くなる傾向を有するが、Cu(%)+13×P(%)の
値が特に0.55〜2.50の範囲内の場合には、それ以
外の場合と比較して同じTS値でもElが大きいこ
と、すなわち同強度でも延性が優れていることが
判明した。そしてさらに研究を重ねた結果、前述
のような鋼組成とすることによつて、強度−延性
バランスに特に優れた深絞り用高張力冷延鋼板を
得ることができたのである。 次にこの発明における成分範囲の限定理由を説
明する。 C:Cは深絞り性に好ましい結晶方位である
{111}集合組織の発達を阻害する元素であり、深
絞り性の優れた鋼板とするためには0.015%以下
とする必要がある。 Si:Siは固溶強化元素であつて、鋼板の強度を
上昇させるには有効であるが、鋼板の化成処理性
および亜鉛めつき性を著しく阻害する元素であ
り、表面処理鋼板用の原板としても使用されるこ
の発明の冷延鋼板では0.10%以下とする必要があ
る。 Mn:Mnも固溶強化元素であつて鋼板の強度
向上には有効であるが、0.20%を超えれば深絞り
性に対する悪影響が大きくなるから、0.20%以下
とする必要がある。 Al:Alは鋼の脱酸のために0.005%以上必要で
あるが、0.10%を越えれば非金属介在物の急増を
招いて表面性状等の劣化をもたらすから、0.005
〜0.10%の範囲内とする必要がある。 Ti:Tiは鋼中のCをTiCとして固定し、深絞
り性を向上させるに必要な元素であり、重量比で
Ti/Cが4以上とならなければその効果が発揮
されないが、0.10%を越えて添加すれば非金属介
在物の急増を招いて表面性状を劣化させる。また
Tiの絶対量が0.002%未満でも上述のTi添加効果
が得られない。したがつてTiは0.002〜0.10%の
範囲内でしかもTi/Cが4以上であることが必
要である。 P、Cu:P、Cuの複合添加はこの発明におい
て最も重要な点である。これらの元素はいずれか
一方の単独添加しただけでは、目的とする強度−
延性バランスの向上の効果が得られない。ここで
Pが0.03%未満では、P、Cuの複合添加による効
果が得られず、一方Pが0.150%を越えれば点溶
接性を著しく劣化させるから、P量は0.03〜
0.150%の範囲内とする必要がある。またCuは
0.21%未満でもP、Cuの複合添加による効果が得
られないから、Cu量は0.21%以上とする必要があ
る。そしてこのようなP量、Cu量の範囲内にお
いて、特にCu(%)+13×P(%)の値が0.55〜
2.50の範囲内となるように調整することによつ
て、第1図に示したように強度−延性バランスに
優れた高張力深絞り用冷延鋼板が得られるのであ
る。Cu(%)+13×P(%)の値が0.55未満の場合、
および2.50を越える場合には、強度−延性バラン
スが悪く、特に同じ強度でも延性が低くなる。な
おこのようなP、Cuの複合添加効果がもたらさ
れる機構については未だ明確とはなつていない
が、P、Cuの複合添加によつて特に均一伸びの
向上がもたらされているところから、塑性変形時
の歪の局在化を阻止する何らかの効果を有するも
のと考えられる。なおまた、従来P単独添加鋼あ
るいはCu単独添加鋼ではそれぞれ脆性および表
面性状の劣化等をもたらす問題があるとされてい
たが、P、Cuを上述のような特定範囲内で複合
添加したこの発明の鋼では、何ら支障がないこと
が確認されている。 上述のような成分組成とすることによつて強度
−延性バランスに優れた目的とする特性の深絞り
用冷延鋼板が得られるが、さらに第2発明におい
てはBおよび/またはNbを添加しても良い。そ
の理由は次の通りである。 すなわち、B、Nbを適量添加することによつ
て、優れた強度−延性バランスを維持しつつ、ラ
ンクフオード値(r値)で表わされる深絞り性を
さらに向上させることができる。但しBは0.0050
%を越えればB添加の効果が飽和するのみなら
ず、逆に深絞り性の劣化をもたらすから、B量は
0.0050%を上限とする。またNbは0.002%未満で
はその効果が認められず、一方3×C(%)以上
Nbを添加すれば、その添加効果が飽和するのみ
ならず、いたずらにコスト上昇を招くから、
0.002%以上3×C(%)未満の範囲内とする。な
おB、Nbは、いずれか一方を単独添加しても、
また複合添加しても、上記組成範囲内であればそ
の効果が得られる。 以上のような組成を有する鋼は、通常の工程に
より冷延鋼板として製造することができるが、以
下にその好適な製造条件を述べる。 先ず製鋼工程においてCの低減には、転炉製鋼
−脱ガス処理の組合せが望ましい。次に鋼片を製
造する鋳造工程は、連続鋳造法がコスト面および
均質法の点から望ましい。熱間圧延工程において
は、鋼片を再加熱する方法を採用しても良く、ま
た直送熱延でも良い。また100mm以下の厚みの薄
鋼片を直接溶製し、直接熱延する方法でも良い。
熱間圧延における均熱温度は、1200〜800℃が好
適であり、特に1050〜850℃が最適である。熱延
仕上温度は950〜600℃が好ましく、巻取温度は
750〜200℃が好適である。 得られた熱延鋼帯に対しては酸洗後50%以上の
圧下率で冷間圧延し、再結晶温度以上で焼なまし
を施すが、その焼なまし法としては生産法の観点
から連続焼なましを適用することが好ましい。焼
なまし後は、形状矯正等を目的として2%以下の
圧下率の調質圧延を施すことが可能である。 以上がこの発明の冷延鋼板を通常の冷延鋼板と
して製造する場合の好適な条件であるが、この発
明の鋼は、ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めつ
き法による溶融亜鉛めつき鋼板、あるいは電気亜
鉛めつき鋼板、アルミめつき鋼板など、各種表面
処理鋼板の原板にも適用できることは勿論であ
る。 以下にこの発明の実施例を比較例とともに記
す。 第1表の試料番号1〜10に示す組成の鋼を、連
炉−RH脱ガス法で溶製し、連続鋳造法によつて
鋼片を得た。各鋼片を950〜1050℃で加熱均熱し、
常法に従つて熱間圧延して、板厚2.8〜3.2mmの熱
延鋼帯を得た。その鋼帯を酸洗した後、冷間圧延
して板厚0.8mmの冷延鋼帯とし、その冷延鋼帯に
対し均熱温度790〜830℃で連続焼鈍を施した後、
圧下率0.3〜0.7%で調質圧延した。得られた鋼板
について機械的性質(降伏強さ:YS、引張強
さ:TS、全伸び:El、平均ランクフオード値:
r)を調べた結果を第2表に示す。
れたプレス加工性を有しかつ引張強さ35Kg/mm2以
上の高強度を有する深絞り用高張力冷延鋼板に関
し、また亜鉛めつき等の表面処理を施した表面処
理鋼板の原板としても使用される冷延鋼板に関す
るものである。 近年、自動車の車体の軽量化および安全性向上
を目的として、自動車のパネル材には高強度化の
要求が強まり、引張強さ35〜45Kg/mm2級の高張力
冷延鋼板を使用することが要求されるようになつ
ている。また最近ではこの種の用途の鋼板は、耐
食性を一層向上させるために亜鉛めつき等の表面
処理を施した表面処理鋼板として使用される割合
が高まつている。 ところで一般に鋼板における強度の向上は、プ
レス成形性を損なうことが知られているが、プレ
ス加工を施して使用される深絞り用冷延鋼板のう
ちでも特に自動車のパネル材は、極めて優れたプ
レス加工性が要求される。したがつてこの種の用
途には、高強度と、優れたプレス成形性とを如何
にして兼ね備えさせるかが重要な課題となつてい
る。 従来上述のような要求をある程度満たした冷延
鋼板としては次のようなものが知られている。 すなわち先ず第1には、低炭素アルミキルド鋼
にPを添加した所謂リフオス鋼が知られている。
このリフオス鋼は、優れた深絞り性を有するもの
の、箱焼鈍によらなければ優れた材質を得ること
ができず、生産性の高い連続焼鈍法、連続溶融亜
鉛めつき法では充分な材質が得られない欠点があ
つた。 また第2には、低炭素鋼にMn、Crなどの含有
させて2相域焼鈍法により得た、フエライト−マ
ルテンサイトの2相組織鋼板が知られている。こ
の鋼板は、張出し成形性には優れているものの、
深絞り性、あるいは亜鉛めつき性などに劣る欠点
がある。 さらに第3には、Cを0.01%以下とした極低炭
素鋼に、Ti、Nbのような強力な炭化物形成元素
を添加して超深絞り性を得、さらにP、Siの如き
固溶強化元素を添加して高強度を得た冷延鋼板が
知られており、この種の鋼板のうち、炭化物形成
元素としてTiを用いた例は、特公昭57−57945号
公報や特開昭57−63660号公報等に開示されてお
り、またNbを用いた例は、特公昭57−58427号公
報、特開昭56−139654号公報等に開示されてい
る。この種の鋼板は、優れた深絞り性を有すると
ともに強度も高く、しかも連続焼鈍法、連続溶融
亜鉛めつき法で製造できるなど、各種の長所を有
する。しかしながら最近の自動車のパネル材にお
いてはより一層プレス成形性が優れていることが
要求されており、特に張出し成形性の向上が要求
されるようになつているが、その点においてはこ
の種の鋼板は未だ充分に要求を満たすには至つて
いなかつた。すなわち、最近は自動車製造工程に
おける能率向上、素材コスト低減を目的としてパ
ネルの一体化、ブランク面積の縮小が進んでお
り、このため鋼板のプレス成形性のより一層の向
上が要求されるようになつており、特に張出し成
形性の向上が強く要求され、そのためには機械的
性質としては伸び特性の改善が要求されるが、上
述の鋼では伸び特性の点で未だ不充分であつた。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、従来の深絞り用冷延鋼板よりもさらに伸び特
性に優れ、しかも強度も充分な深絞り用高張力冷
延鋼板を提供することを目的とするものである。 本発明者は上述の目的を達成するべく、種々実
験検討を重ねた結果、Ti入りのアルミキルド鋼
においてPとCuを複合添加し、かつそのP、Cu
の含有量を相互に関連を持たせた特定の範囲内と
することによつて、強度−延性バランスに優れた
冷延鋼板、すなわち充分な強度を持ちしかも伸び
特性も良好な冷延鋼板が得られることを見出し、
この発明をなすに至つたのである。 具体的には、本願と第1発明の深絞り用高張力
冷延鋼板は、C0.015%以下、Si0.10%以下、
Mn0.20%以下、Al0.005〜0.10%を含有し、かつ
0.03〜0.150%のPおよび0.21%以上のCuを、Cu
(%)+13×P(%)の値が0.55〜2.50の範囲内と
なるように含有し、さらに0.002〜0.10%のTiを
Ti(%)/C(%)の値が4以上となるように含
有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりなる
ことを特徴とするものであり、このようにCuお
よびPを複合添加しかつそれらを特定の関係で含
有させることによつて、強度−延性バランスに優
れた冷延鋼板を得ることができたのである。 また第2発明の深絞り用冷延鋼板は、前記第1
発明の成分のほか、さらに0.0050%以下のBと、
0.002%以上で3×C(%)未満の範囲内のNbと
のうち、1種もしくは2種を含有するものであ
り、このようにBおよび/またはNbを添加する
ことによつて、強度−延性バランスを保ちつつ、
r値(ランクフオード値)であらわされる深絞り
性をさらに向上させることができたものである。 以下この発明についてさらに詳細に説明する。 先ずこの発明の基礎となつた実験結果について
説明すると、本発明者等は、基本組成を0.004%
C−0.01%Si−0.15%Mn−0.008%S−0.03%Al
−0.05%TiとするTi入りアルミキルド鋼におい
て、Cu、Pを種々の量添加し、常法により熱延
−冷延−連続焼鈍したときの機械的性質をJIS5号
試験片により調べた。なお鋼板の板厚は0.80mmで
ある。これらの各種のP量、Cu量の冷延鋼板に
ついて、引張強さ(TS)と全伸び(El)との関
係を整理したところ、第1図に示すようにTSと
Elの関係はCu(%)+13×P(%)の量に相関し、
Cu(%)+13×P(%)の値を0.55〜2.50の範囲内
とすることによつて、強度−延性バランスの極め
て優れた冷延鋼板が得られることが判明した。す
なわち、全般的にはTSが大きくなればElが小さ
くなる傾向を有するが、Cu(%)+13×P(%)の
値が特に0.55〜2.50の範囲内の場合には、それ以
外の場合と比較して同じTS値でもElが大きいこ
と、すなわち同強度でも延性が優れていることが
判明した。そしてさらに研究を重ねた結果、前述
のような鋼組成とすることによつて、強度−延性
バランスに特に優れた深絞り用高張力冷延鋼板を
得ることができたのである。 次にこの発明における成分範囲の限定理由を説
明する。 C:Cは深絞り性に好ましい結晶方位である
{111}集合組織の発達を阻害する元素であり、深
絞り性の優れた鋼板とするためには0.015%以下
とする必要がある。 Si:Siは固溶強化元素であつて、鋼板の強度を
上昇させるには有効であるが、鋼板の化成処理性
および亜鉛めつき性を著しく阻害する元素であ
り、表面処理鋼板用の原板としても使用されるこ
の発明の冷延鋼板では0.10%以下とする必要があ
る。 Mn:Mnも固溶強化元素であつて鋼板の強度
向上には有効であるが、0.20%を超えれば深絞り
性に対する悪影響が大きくなるから、0.20%以下
とする必要がある。 Al:Alは鋼の脱酸のために0.005%以上必要で
あるが、0.10%を越えれば非金属介在物の急増を
招いて表面性状等の劣化をもたらすから、0.005
〜0.10%の範囲内とする必要がある。 Ti:Tiは鋼中のCをTiCとして固定し、深絞
り性を向上させるに必要な元素であり、重量比で
Ti/Cが4以上とならなければその効果が発揮
されないが、0.10%を越えて添加すれば非金属介
在物の急増を招いて表面性状を劣化させる。また
Tiの絶対量が0.002%未満でも上述のTi添加効果
が得られない。したがつてTiは0.002〜0.10%の
範囲内でしかもTi/Cが4以上であることが必
要である。 P、Cu:P、Cuの複合添加はこの発明におい
て最も重要な点である。これらの元素はいずれか
一方の単独添加しただけでは、目的とする強度−
延性バランスの向上の効果が得られない。ここで
Pが0.03%未満では、P、Cuの複合添加による効
果が得られず、一方Pが0.150%を越えれば点溶
接性を著しく劣化させるから、P量は0.03〜
0.150%の範囲内とする必要がある。またCuは
0.21%未満でもP、Cuの複合添加による効果が得
られないから、Cu量は0.21%以上とする必要があ
る。そしてこのようなP量、Cu量の範囲内にお
いて、特にCu(%)+13×P(%)の値が0.55〜
2.50の範囲内となるように調整することによつ
て、第1図に示したように強度−延性バランスに
優れた高張力深絞り用冷延鋼板が得られるのであ
る。Cu(%)+13×P(%)の値が0.55未満の場合、
および2.50を越える場合には、強度−延性バラン
スが悪く、特に同じ強度でも延性が低くなる。な
おこのようなP、Cuの複合添加効果がもたらさ
れる機構については未だ明確とはなつていない
が、P、Cuの複合添加によつて特に均一伸びの
向上がもたらされているところから、塑性変形時
の歪の局在化を阻止する何らかの効果を有するも
のと考えられる。なおまた、従来P単独添加鋼あ
るいはCu単独添加鋼ではそれぞれ脆性および表
面性状の劣化等をもたらす問題があるとされてい
たが、P、Cuを上述のような特定範囲内で複合
添加したこの発明の鋼では、何ら支障がないこと
が確認されている。 上述のような成分組成とすることによつて強度
−延性バランスに優れた目的とする特性の深絞り
用冷延鋼板が得られるが、さらに第2発明におい
てはBおよび/またはNbを添加しても良い。そ
の理由は次の通りである。 すなわち、B、Nbを適量添加することによつ
て、優れた強度−延性バランスを維持しつつ、ラ
ンクフオード値(r値)で表わされる深絞り性を
さらに向上させることができる。但しBは0.0050
%を越えればB添加の効果が飽和するのみなら
ず、逆に深絞り性の劣化をもたらすから、B量は
0.0050%を上限とする。またNbは0.002%未満で
はその効果が認められず、一方3×C(%)以上
Nbを添加すれば、その添加効果が飽和するのみ
ならず、いたずらにコスト上昇を招くから、
0.002%以上3×C(%)未満の範囲内とする。な
おB、Nbは、いずれか一方を単独添加しても、
また複合添加しても、上記組成範囲内であればそ
の効果が得られる。 以上のような組成を有する鋼は、通常の工程に
より冷延鋼板として製造することができるが、以
下にその好適な製造条件を述べる。 先ず製鋼工程においてCの低減には、転炉製鋼
−脱ガス処理の組合せが望ましい。次に鋼片を製
造する鋳造工程は、連続鋳造法がコスト面および
均質法の点から望ましい。熱間圧延工程において
は、鋼片を再加熱する方法を採用しても良く、ま
た直送熱延でも良い。また100mm以下の厚みの薄
鋼片を直接溶製し、直接熱延する方法でも良い。
熱間圧延における均熱温度は、1200〜800℃が好
適であり、特に1050〜850℃が最適である。熱延
仕上温度は950〜600℃が好ましく、巻取温度は
750〜200℃が好適である。 得られた熱延鋼帯に対しては酸洗後50%以上の
圧下率で冷間圧延し、再結晶温度以上で焼なまし
を施すが、その焼なまし法としては生産法の観点
から連続焼なましを適用することが好ましい。焼
なまし後は、形状矯正等を目的として2%以下の
圧下率の調質圧延を施すことが可能である。 以上がこの発明の冷延鋼板を通常の冷延鋼板と
して製造する場合の好適な条件であるが、この発
明の鋼は、ライン内焼鈍方式の連続溶融亜鉛めつ
き法による溶融亜鉛めつき鋼板、あるいは電気亜
鉛めつき鋼板、アルミめつき鋼板など、各種表面
処理鋼板の原板にも適用できることは勿論であ
る。 以下にこの発明の実施例を比較例とともに記
す。 第1表の試料番号1〜10に示す組成の鋼を、連
炉−RH脱ガス法で溶製し、連続鋳造法によつて
鋼片を得た。各鋼片を950〜1050℃で加熱均熱し、
常法に従つて熱間圧延して、板厚2.8〜3.2mmの熱
延鋼帯を得た。その鋼帯を酸洗した後、冷間圧延
して板厚0.8mmの冷延鋼帯とし、その冷延鋼帯に
対し均熱温度790〜830℃で連続焼鈍を施した後、
圧下率0.3〜0.7%で調質圧延した。得られた鋼板
について機械的性質(降伏強さ:YS、引張強
さ:TS、全伸び:El、平均ランクフオード値:
r)を調べた結果を第2表に示す。
【表】
【表】
【表】
【表】
第2表から明らかなように、この発明の成分範
囲内の試料番号2、3、4の鋼は、いずれも強度
−延性バランスに優れかつr値も高い引張り強さ
35〜45Kg/mm2級の高強度鋼となつていることが明
らかである。また試料番号8、9、10の鋼はBま
たは/およびNbを添加したものであるが、これ
らの鋼ではさらに材質の向上、特にr値の向上が
認められる。なお試料番号1の比較鋼1は、C含
有量が高いものであるが、この場合には深絞り性
(r値)が劣る。また試料番号5〜7の鋼はいず
れもP、Cuの添加量がこの発明の範囲を外れた
ものであつて、強度が高いものは延性が低く、延
性の高いものは強度が低く、強度−延性バランス
が悪い鋼板となつている。 以上の説明で明らかなように、この発明の深絞
り用高張力冷延鋼板は、強度−延性バランスに優
れたものであつて、35〜45Kg/mm2級の高強度を有
すると同時に、伸び特性が良好で張出し成形性に
も優れており、したがつて自動車用パネル材等に
最適である。
囲内の試料番号2、3、4の鋼は、いずれも強度
−延性バランスに優れかつr値も高い引張り強さ
35〜45Kg/mm2級の高強度鋼となつていることが明
らかである。また試料番号8、9、10の鋼はBま
たは/およびNbを添加したものであるが、これ
らの鋼ではさらに材質の向上、特にr値の向上が
認められる。なお試料番号1の比較鋼1は、C含
有量が高いものであるが、この場合には深絞り性
(r値)が劣る。また試料番号5〜7の鋼はいず
れもP、Cuの添加量がこの発明の範囲を外れた
ものであつて、強度が高いものは延性が低く、延
性の高いものは強度が低く、強度−延性バランス
が悪い鋼板となつている。 以上の説明で明らかなように、この発明の深絞
り用高張力冷延鋼板は、強度−延性バランスに優
れたものであつて、35〜45Kg/mm2級の高強度を有
すると同時に、伸び特性が良好で張出し成形性に
も優れており、したがつて自動車用パネル材等に
最適である。
第1図は引張強さ(TS)と全伸び(El)との
関係を、Cu(%)+13×P(%)の値に対応して示
す相関図である。
関係を、Cu(%)+13×P(%)の値に対応して示
す相関図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C0.015%(重量%、以下同じ)以下、Si0.10
%以下、Mn0.20%以下、Al0.005〜0.10%を含有
し、かつ0.03〜0.150%のPおよび0.21%以上の
Cuを、Cu(%)+13×P(%)の値が0.55〜2.50と
なる範囲内で含有し、さらに 0.002〜0.10%のTiをTi(%)/C(%)の値が
4以上となる範囲内で含有し、残部がFeおよび
不可避的不純物よりなることを特徴とする深絞り
用高張力冷延鋼板。 2 C0.015%以下、Si0.10%以下、Mn0.20%以
下、Al0.005〜0.10%を含有し、かつ0.03〜0.150
%のPおよび0.21%以上のCuを、Cu(%)+13×
P(%)の値が0.55〜2.50となる範囲内で含有し、
さらに0.002〜0.10%のTiをTi(%)/C(%)の
値が4以上となる範囲内で含有し、かつまた
0.0050%以下のBと、0.002%以上で3×C(%)
未満の範囲内のNbとのうち、1種または2種を
含有し、残部がFeおよび不可避的不純物よりな
ることを特徴とする深絞り用高張力冷延鋼板。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13701584A JPS6115948A (ja) | 1984-07-02 | 1984-07-02 | 深絞り用高張力冷延鋼板 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13701584A JPS6115948A (ja) | 1984-07-02 | 1984-07-02 | 深絞り用高張力冷延鋼板 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6115948A JPS6115948A (ja) | 1986-01-24 |
| JPH0333774B2 true JPH0333774B2 (ja) | 1991-05-20 |
Family
ID=15188826
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13701584A Granted JPS6115948A (ja) | 1984-07-02 | 1984-07-02 | 深絞り用高張力冷延鋼板 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6115948A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0768634B2 (ja) * | 1985-07-03 | 1995-07-26 | 新日本製鐵株式会社 | 耐食性,塗装性能及び加工性に優れた亜鉛系メツキ鋼板 |
| JPS644429A (en) * | 1987-06-26 | 1989-01-09 | Nippon Steel Corp | Manufacture of high-strength cold-rolled steel sheet with high (r) value |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS55104429A (en) * | 1979-01-29 | 1980-08-09 | Kawasaki Steel Corp | Production of extra low yield point high tensile strength steel plate |
| JPS59143047A (ja) * | 1983-02-04 | 1984-08-16 | Sumitomo Metal Ind Ltd | 表面性状の良好な高強度冷延鋼板 |
-
1984
- 1984-07-02 JP JP13701584A patent/JPS6115948A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6115948A (ja) | 1986-01-24 |
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| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
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