JPH0334821B2 - - Google Patents
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- JPH0334821B2 JPH0334821B2 JP5203685A JP5203685A JPH0334821B2 JP H0334821 B2 JPH0334821 B2 JP H0334821B2 JP 5203685 A JP5203685 A JP 5203685A JP 5203685 A JP5203685 A JP 5203685A JP H0334821 B2 JPH0334821 B2 JP H0334821B2
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- G01—MEASURING; TESTING
- G01R—MEASURING ELECTRIC VARIABLES; MEASURING MAGNETIC VARIABLES
- G01R33/00—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables
- G01R33/20—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance
- G01R33/44—Arrangements or instruments for measuring magnetic variables involving magnetic resonance using nuclear magnetic resonance [NMR]
- G01R33/46—NMR spectroscopy
- G01R33/4625—Processing of acquired signals, e.g. elimination of phase errors, baseline fitting, chemometric analysis
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Description
[産業上の利用分野]
本発明は核磁気共鳴(NMR)測定方法、特に
2次元(2D)NMR法に関するものである。 [従来技術] 近時、新しいNMR測定方法として2DNMR法
が注目されている。この2DNMR法は、NMR信
号を2次元スペクトルとして表示することによ
り、従来の方法に比べ分解能が向上しスペクトル
の解析が容易になり、核スピン間の相互作用を解
明できる等の優れた点をもつており、今後ますま
す発展するものと考えられている。 第3図にこのような2DNMR法を行うための
NMR装置の一例を示す。図において磁石1が発
生する静磁場内には試料コイル2が配置され、そ
の試料コイル2内部の空間に測定試料が挿入され
る。高周波発振器3から発生する観測核の共鳴周
波数を持つ高周波信号は、0°から360°まで任意の
位相を選択できる可変移相回路4によつて所定の
位相が与えられた後、増幅器5及びゲート6を介
して高周波パルスとして前記コイル2へ供給さ
れ、試料に照射される。その高周波パルス照射後
コイル2に誘起された共鳴信号は、ゲート7及び
受信回路8を介して復調回路9,10へ送られ
る。この復調回路9,10には前記高周波発振器
からの高周波信号が参照信号として送られるが、
その内の一方は90°移相回路11を介して送られ
るため、2つの復調回路は90°位相の異なる2チ
ヤンネルの検出系CH1、CH2を構成している。
この2チヤンネルの検出系から得られた自由誘導
減衰信号は、A−D変換器12,13によつてデ
ジタル信号に変換されてコンピユータ14へ送ら
れ、付属するメモリ15へ格納される。16は、
移送回路、ゲード6,7及びA−D変換器12,
13を制御するパルスプログラマで、試料に照射
するパルス列の順序、パルス幅、各パルスに含ま
れる高周波の位相、A−D変換器12,13によ
るサンプリングのタイミングが予めプログラムさ
れており、そのプログラムに従つて一連の測定が
行われる。 このような装置による2DNMR測定を、例えば
第4図aに示すような90°x−t1−90°x−t2のパル
スシーケンスを用いて説明する。 2DNMR法における一般的測定プロセスは第4
図aに示すように、最初の90°パルス以前の準備
期間と、展開期間t1と、検出期間t2の3つの時間
領域から成る。準備期間は核の磁化を適当な初期
状態に保つために必要であり、準備パルス(最初
の90°パルス)によつて磁化は非平衡の状態にさ
れ、この状態は展開期間t1において展開され、そ
のt1における磁化の挙動は、検出パルス(2番目
の90°パルス)印加後の検出期間t2において検出
される自由誘導減衰信号(FID信号)に位相及び
振幅情報として手渡されることになる。従つて、
t2の期間に検出されたFDI信号中にはt2における
磁化の挙動ばかりでなく、t1における磁化の挙動
も含まれることになる。そこで、t1を変数として
段階的に例えばn段階に変化させ、各段階におけ
る測定で2つの検出系CH1、CH2から得られた
n個ずつのFID信号(FID11〜FID1n及びFID21
〜FID2n)から成る集合データS1(t1、t2)、S2
(t1、t2)を加算し、加算したデータについてt2、
t1について二重フーリエ変換することにより2次
元スペクトルを得ている。 この過程を式を用いて説明する。上記シーケン
スにおける観測核の磁化をM(t1、t2)とし、こ
の磁化を検出系CH1でとらえた検出出力Mx(t1、
t2)(=集合データS1(t1、t2))は(1)式で表わさ
れ、それと90°位相の異なる検出系CH2でとらえ
た検出出力My(t1、t2)(=集合データS2(t1、
t2))は(2)式で表わされる。 Mx(t1、t2)=S1(t1、t2)=M0e-i(〓1t1+〓
1)e-t1/T2e-i(〓2t2+〓2)e−-t2/T2(1) My(t1、t2)=S2(t1、t2)=M0e-i(〓1t1+〓
1)e-t1/T2e-i(〓2t2+90℃+〓2)e-t2/T2(2) ここで、M0は熱平衡時の磁化、Δ1、Δ2は磁化
のt1、t2軸に関する共鳴周波数、φ1、φ2は磁化の
t1、t2軸に関する位相、T2は横緩和時間である。 (1)、(2)式は複素数のかたちをとつているが、検
出は実時間に行われるため実際は(1)、(2)式の実数
部のみ(あるいは虚数部のみ)に着目すれば良い
ことを考慮し、併せてt1に関する項M0e-i(〓1t1+〓1)
e-t1/T2を定数Aとおけば、(1)、(2)式は下式のよう
に書き改められる。 S1(t1、t2)=Acos(Δ2t2+φ2)et2/T2 (1′) S2(t1、t2)Acos(Δ2t2+90°+φ2)et2/T2 (2′) 次にS1(t1、t2)とS2(t1、t2)を加算し、得ら
れた加算データについてt2に関して複素フーリエ
変換を行いS(t1、F2)を求めれば、S(t1、F2)
は下式で表わされる。 S(t1、F2)=∫∞ 0{Acos(Δ2t2+φ2)e-t2/T2+
Acos(Δ2t2+90°+φ2)e-t2/T2}e-i〓t2dt2 =∫∞ 0Acos(Δ2t2+φ2)e-t2/T2e-i〓t2dt2+∫
∝0 Acos(Δ2t2+90°+φ2)e-t2/T2e-i〓t2dt2 =A〔−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ
2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2 +i{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2}〕(3) ここで、F2はt2のフーリエ成分、ωは基準の共
鳴周波数である。 次に、t1に関しても全く同様に複素フーリエ変
換することによりS(F1、F2)を求めれば、下式
が得られる。尚、F1はt1のフーリエ成分である。 S(F1、F2)=M0〔−T2cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)
2+T2 2(Δ1+ω)sinφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2 +i{T2sinφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ
1+ω)cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2}〕×〔−T2cos
φ2/1+T2 2(Δ2+ω)2 +T2 2(Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2
+i{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω
)cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2}〕(4) この(4)式において、 T2/{1+T2 2(Δ1+ω)}=a1、 T2/{1+T2 2(Δ2+ω)}=a2、 T2 2/(Δ1+ω)/{1+T2 2(Δ1+ω)}=b1、 T2 2(Δ2+ω)/{1+T2 2(Δ2+ω)}=b2 とおけば(4)式は下式のように表わされる。 S(F1、F2)=M0〔(a1a2−b1b2)cos(φ1+φ2
)−(a1b2+a2b1)sin(φ1+φ2) +i{a1a2−b1b2)sin(φ1+φ2)+(a1b2+a
2b1)cos(φ1+φ2)}〕(5) このようにして2DNMRスペクトルのデータS
(F1、F2)が得られるが、(5)式から分るように、
このデータにはF1、F2軸に関する位相ずれφ1、
φ2の項が存在しており、そのまま2DNMRスペク
トルとして表示したのではスペクトルピークが純
粋な吸収ピークにならず、解析が困難なスペクト
ルとなつてしまう。 そこで従来は、(5′)式に示すように、(5)式の
整数部と虚数部の2乗和の平方根(又は2乗和)
をとることにより絶対値データ|S(F1、F2)|
を求め、所謂パワースペクトルとして表示してい
た。 |S(F1、F2)|=√0 2〔{1 2−1 2)
(1+2)−(1 2+2 1)(1+
2)}2※ ※√+{(1 2−1 2)(1+2)+
(1 2+2 1)(1+2)}2 =M0√(1 2−1 2)2+(1 2+2 1)2
(5′) 絶対値データにおいては、(5′)式から分るよ
うにF1、F2軸に関する位相ずれφ1、φ2項が消え
るため、表示されるスペクトルピークは吸収型の
ピークとなり、解析が容易なスペクトルとなる。 このようなデータの処理の流れをまとめると、
第5図のようになる。 [発明が解決しようとする問題点] ところが、このようなパワースペクトル表示に
は、スペクトルピークの裾が広がる(データ処理
の段階でウインド関数をかけることによりピーク
の裾を狭くすることが可能であるが、そうすると
今度はT2の短い核のピークが消滅してしまう)、
結合定数Jの相対符号やNOE(核オーバーハウザ
ー効果)の符号が不明になるなどの大きな欠点が
ある。 本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、
位相補正が可能でパワースペクトルのかたちでス
ペクトルを求める必要がない2次元核磁気共鳴測
定方法を提供し、パワースペクトルに伴う上記欠
点を除くことを目的としている。 [問題点を解決するための手法] この目的を達成するため、本発明にかかる2次
元核磁気共鳴測定方法は、 (a) 準備パルス又はパルス列の照射後展開期間t1
をおいて検出パルス又はパルス列を照射し、こ
の検出パルス又はパルス列照射後検出期間t2に
わたつて試料からの自由誘導減衰信号を90°位
相の異なる2つの検出チヤンネルで検出すると
いうシーケンスを用い、異なつた複数のt1の値
について測定した複数のFID信号から成る集合
データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)を得ること、 (b) 前記(a)におけるシーケンスと同一のシーケン
スで且つ準備パルス又はパルス列と検出パルス
又はパルス列との間の位相が、前記(a)における
シーケンスに対し選択する量子数をnとした時
90°/n異なるシーケンスを用い、(a)と同一の
複数のt1について測定した複数のFID信号から
成る集合データS1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)を得
ること、 (c) 前記集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)、
S1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)の夫々についてt2に関
して複素フーリエ変換を行い、実数部と虚数部
を有する集合データS1(t1、F2)、S2(t1、F2)、
S1′(t1、F2)、S2′(t1、F2)を得ること、 (d) S(t1、F2)=S1(t1、F2)+iS2(t1、F2)及び
S′(t1、F2)=S1′(t1、F2)+iS2′(t1、F2)、又
は
S(t1、F2)=S1(t1、F2)−iS2(t1、F2)及び
S′(t1、F2)=S1′(t1、F2)−iS2′(t1、F2)なる
結
合を行うことにより結合データS(t1、F2)、
S′(t1、F2)を得ること、 (e) 上記結合データS(t1、F2)、S′(t1、F2)の
夫々について位相補正を行うこと、 (f) 位相補正後の2つの結合データS(t1、F2)、
S′(t1、F2)の内一方の実数部データ又は虚数
部データを新たな実数部データとし、他方の実
数部データ又は虚数部データを新たな虚数部デ
ータとして結合した後t1に関して複素フーリエ
変換するか、又は位相補正後の2つの結合デー
タS(t1、F2)、S′(t1、F2)の夫々の実数部デ
ータ又は虚数部データをt1に関して複素フーリ
エ変換して得られたデータの一方を実数部デー
タ、他方を虚数部データとして結合することに
より結合データS(F1、F2)を得ること、 (g) 結合データ(F1、F2)に関して位相補正を
行うこと、 より成ることを特徴としている。 [本発明の基本思想] 本発明にかかる2DNMR測定方法は、第3図に
示した構成を持つNMR装置で基本的に実施する
ことができる。 以下、第1図に示す流れ図に従い本発明の基本
思想を説明する。 (1) 測定 本発明は第4図(a)のパルスシーケンスによる
従来と全く同様な測定に加え、このシーケンス
の中の検出パルス90°xを例えば位相が90°違う
90°yパルスに置き換えた第4図bのシーケンス
を用いた測定を行う点及びその後のデータ処理
に特徴がある。尚、新たに加えられた測定にお
ける検出パルスの移相量は、一般的には90°/
nであり、第4図のパルスシーケンスでは量子
数n=1の情報を取り扱うため90°となつてい
る。 この付加した測定によつて、CH1、CH2か
らは集合データS1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)が
夫々得られ、このデータは第4図aのシーケン
スによる測定によつて得られた集合データS1
(t1、t2)、S2(t1、t2)と共にメモリ15内に格
納される。尚、この2つのシーケンスによる測
定は、測定条件が異ならないようにできるだけ
接近した時刻に行う必要があり、できれば2つ
のシーケンスによる測定が時分割的に並行して
行われることが好ましい。 (2) t2に関してフーリエ変換 得られた集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)、
S1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)を夫々t2に関して複素
フーリエ変換する。このフーリエ変換により、
S1(t1、F2)、S2(t1、F2)、S1′(t1、F2)、S2′(
t1、
F2)が下式のように得られる。 S1(t1、F2)=∫∞ 0Acos(Δ2t2+φ2)e-t2/T2e-i
〓t2dt2 =A/2{−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2
(Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2cosφ2/
1+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2(Δ2−ω)sinφ2/1+T2 2
(Δ2−ω)2} +iA/2{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2
(Δ2−ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2−ω)2−T2sinφ2/
1+T2 2(Δ2+ω)2−T2 2(Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2
(Δ+ω)2}
(6) S2=(t1、F2)=∫∞ 0Acos(Δ2t2+90°+φ2)e-t
2/T2e-i〓t2dt2 =A/2{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ
2+ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2sinφ2/1+
T2 2(Δ2−ω)2−T2 2(Δ2−ω)cosφ2/1+T2 2(Δ
2−ω)2 +iA/2{T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2 2(
Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2cosφ2/1
+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2(Δ2−ω)sinφ2/1+T2 2(
Δ2−ω)2}(7) S1′(t1、F2)=∫∞ 0A′cos(Δ2t2+φ2)e-t2/T2
e-i〓t2dt2 A′/2{−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(
Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2cosφ2/1
+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(
Δ2+ω)2} +iA′/2{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2
(Δ2−ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2−ω)2−T2sinφ2/
1+T2 2(Δ2−ω)2−T2(Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2
(Δ2+ω)2}(8) S2′(t1、F2)=∫∞ 0A′cos(Δ2t2+90°+φ2)e
-t2/T2e-i〓t2dt2 =A′/2{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(
Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2sinφ2/1
+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2(Δ2−ω)cosφ2/1+T2 2(
Δ2−ω)2} +iA/2{T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2 2(
Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2cosφ2/1
+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2(Δ2−ω)sinφ2/1+T2 2(
Δ2−ω)2}(9) 尚、A′は第4図bのシーケンスによる側定
で得られるデータにおけるt1に関する項で、下
式で表わされる。 A′=Moe-i(〓1t1+90℃+〓1)e-t1/T2 (3) フーリエ変換後のデータ結合 S1(t1、F2)+iS2(t1、F2)及びS1′(t1、F2)+
iS2′(t1、F2)というかたちでフーリエ変換後の
データを結合する。結合によつて、下式で表わ
される結合データS(t1、F2)、S′(t1、F2)が
得られる。 S(t1、F2)=S1(t1、F2)+iS2(t1、F2) =A{−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+iA{T2sinφ2/
1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2
(Δ2+ω)2}
(10) S′(t1、F2)=S1′(t1、F2)+iS2′(t1、F2) A′{−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+iA′{T2sinφ2
/1T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2
(Δ2+ω)2}
(11) (4) φ2に関して位相補正 (10)、(11)式で表わされる結合データS(t1、
F2)、S′(t1、F2)についてφ2=0となるよう位
相補正を行う。 位相補正は例えば以下のようにして行うこと
ができる。即ち、結合データの実数部をR、虚
数部をIとした時、−Rcosφ+Isinφの値を求め
る。その計算値はφがφ2に一致すると、 −Rcosφ2+Isinφ2=T2cos2φ2/1+T2 2(Δ2
+ω)2−T2 2(Δ2+ω)sinφ2cosφ2/1+T2 2(Δ2
+ω)2 +T2sin2φ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)cosφ2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2=T2/1+T
2 2(Δ2+ω)2(12) となって最大値を示す。従って、φをいろいろ
変えて−Rcosφ+Itinφの値が最大になるよう
に設定すれば、その値が位相補正された実数部
であり、その時のφの値がφ2に等しいことに
なる。そのCOSφ2、sinφ2の値を用いてRsinφ2
+Icosφ2を求めれば、 Rsinφ2+Icosφ2=−T2cosφ2sinφ2/1+T2 2
(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω)sin2φ2/1+T2 2(Δ2
+ω)2 +T2cosφ2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2
(Δ2+ω)cos2φ2/1+T2 2(Δ2+ω)2=T2 2(Δ2
+ω)/1+T2 2(Δ2+ω)2(13) となって位相補正された虚数部が求められる。 このような位相補正の結果、下式で示す結合
データが得られる。 S(t1、F2)=A{T2/1+T2 2(Δ2
+ω)2}+iA{T2 2(Δ2+ω)/1+T2 2(Δ2+ω)2
}(14) S′(t1、F2)=A′{T2/1+T2 2(
Δ2+ω)2}+iA′{T2 2(Δ2+ω)/1+T2 2(Δ2+
ω)2}(15) (5) 結合データの実数部データについてt1に関
してフーリエ変換 (14)、(15)式で表わされる結合データS
(t1,F2)、S′(t1,F2)の夫々の実数部データ
A{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}、 A′{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}のみ取出し、夫々をt1 に関してフーリエ変換し、S(F1、F2)、
S′(F1、F2)を得る。 S(F1、F2)=M0{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}∫∞ 0
cos(Δ1t1+φ1)e-t1/T2e-i〓t1dt1 =M0/2{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}[{−T2cosφ
1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ1+ω)sinφ1/1+
T2 2(Δ1+ω)2+T2cosφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2 +T2 2(Δ1−ω)sinφ1/1+T2 2}(Δ1−ω)2}
+i{T2sinφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ1+ω
)cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2 −T2sinφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2+T2 2(Δ1−ω)c
osφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2}](16) S′(F1、F2)=M0{t2/1+T2 2(Δ2+ω)2}∫∞
0cos(Δ1t1+90°+φ1)e-t1/T2e-i〓t1dt1 =M0/2{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}[{T2sinφ1
/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ1+ω)cosφ1/1+T
2 2(Δ1+ω)2−T2sinφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2 −T2 2(Δ1−ω)cosφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2}+
i{T2cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2−T2 2(Δ1+ω)s
inφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2 −T2cosφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2+T2 2(Δ1+ω)s
inφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2}](17) (6) フーリエ変換後のデータ結合 t1に関するフーリエ変換によって得られたS
(F1、F2)、S′(F1、F2)を、S(F1、F2)+
iS′(F1、F2)のかたちで結合し、下式で示され
る結合データS(F1、F2)を得る。 S(F1、F2)=S(F1、F2)+iS′(F1、F2) =M0{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}×[{−T2cosφ
1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ1+ω)sinφ1/1+
T2 2(Δ1+ω)2} +i{T2sinφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2}](18) (7) φ1に関して位相補正 (18)式で表わされる係合データについて、
前述した(4)におけるφ1に関する補正と全く同
様の方法で位相補正を行う。 この補正によりφ1が零となるため、補正後
の結合データは S(F1、F2)=M0{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}{T2
/1+T2 2(Δ2+ω)2} +iM0{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}{T2 2(Δ1+ω)
/1+T2 2(Δ1+ω)2}(19) となる。(19)式にはφ1及びφ2に関する項が存
在せず、従ってこの内の実数部データを取出し
てスペクトルとして表示すれば、φ1、φ2に基
づく位相ずれのない吸収ピークによる2DNMR
スペクトルが得られることになる。言い換えれ
ば、従来のようにパワースペクトルのかたちで
2DNMRスペクトルを表示する必要がなく、パ
ワースペクトルに起因する前述した不都合を除
くことができる。 尚、上記説明では(3)において、S1(t1、F2)+
iS2(t1、F2)及びS1′(t1、F2)+iS2′(t1、F2)と
いうかたちでフーリエ変換後のデータを結合し
たが、S1(t1、F2)−iS2(t1、F2)及びS1′(t1、
F2)−iS2′(t1、F2)というかたちでデータの結
合を行っても全く同様の結果が得られる。 又、上記説明では(5)において2つの結合デー
タの実数部について夫々t1に関してフーリエ変
換を行ったが、実数部ではなく虚数部の方につ
いて夫々t1に関してフーリエ変換するようにし
ても全く同様の結果が得られるし、一方の結合
データの実数部と他方の結合データの虚数部に
ついてフーリエ変換するようにしても全く同様
の結果が得られる。 又、上記の説明では(5)においてt1に関してフ
ーリエ変換した後に(6)においてデータ結合を行
ったが、この順序は逆でも良い。即ち、(14)、
(15)式で表わされる結合データの実数部のみ
を結合して(20)式に示すように先に結合デー
タS(t1、F2)を作成し、この結果データS
(t1、F2)を(21)式に示すようにt1に関して
フーリエ変換を結合データS(F1、F2)を求
めるようにしても全く同一の結果が得られる。 S(t1、F2)=A{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}+iA
′{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}(20) S(F1、F2)=Mo{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2} ×∫∞ 0{cosΔ1t1+φ1)e-t1/T2+cos(Δ1t1+90
°+φ1)e-t1/T2}e-i〓t1dt1(21) 実施例 1 上述した本発明にかかる2DNMR測定法を用
い、MQNMR(Multiple Quantum NMR:多重
量子遷移に関する情報を抽出するMNR測定方法
であり、一量子のみ(n=1)を選択する多量子
フイルタ(Multiple Quantum Filter)と呼ばれ
るものと、n=1、2、3、4…の各量子数を選
択する多量子コヒーレンスと呼ばれるものがあ
る。)の一つである三量子フイルタ(Triple
Quantum Filter))実験を行う場合を例にとり本
発明を説明する。 第2図は、Piantini等によって報告された三量
子フイルタ実験(Journal of American
Chemical Society Vol.104、P.6800−)に用い
られたパルス列を示す。このパルス列は3つの
90°パルスP1、P2、P3から成り、期間τは固定で、
パルスP3に含まれる高周波の位相を0°とすればパ
ルスP1に含まれる高周波の位相はθ、パルスP2
に含まれる高周波の位相はθ+90°になっている。
自由誘導減衰信号FIDはt2の期間に検出し記憶さ
れる。前記準備パルスP1の照射により、試料に
含まれる磁気回転共鳴子の集合の非平衡の統計的
状態が予め作られ、その後検出パルスP2及びP3
が印加される。そして、t1を段階的に変えながら
測定を繰返し、更にその測定がθの値を変化させ
て繰返し行われる。このようにして得られるt1の
値と前記位相変移の種々の値に対応して記憶され
た自由誘導減衰信号の線形結合を作り、それを周
波数領域へ二重フーリエ変換することにより二次
元スペクトルが得られる。 表Aは、第2図のパルス列を用いた測定におい
て、P1、P2、P3に与えられる位相の組合わせを
示す。
2次元(2D)NMR法に関するものである。 [従来技術] 近時、新しいNMR測定方法として2DNMR法
が注目されている。この2DNMR法は、NMR信
号を2次元スペクトルとして表示することによ
り、従来の方法に比べ分解能が向上しスペクトル
の解析が容易になり、核スピン間の相互作用を解
明できる等の優れた点をもつており、今後ますま
す発展するものと考えられている。 第3図にこのような2DNMR法を行うための
NMR装置の一例を示す。図において磁石1が発
生する静磁場内には試料コイル2が配置され、そ
の試料コイル2内部の空間に測定試料が挿入され
る。高周波発振器3から発生する観測核の共鳴周
波数を持つ高周波信号は、0°から360°まで任意の
位相を選択できる可変移相回路4によつて所定の
位相が与えられた後、増幅器5及びゲート6を介
して高周波パルスとして前記コイル2へ供給さ
れ、試料に照射される。その高周波パルス照射後
コイル2に誘起された共鳴信号は、ゲート7及び
受信回路8を介して復調回路9,10へ送られ
る。この復調回路9,10には前記高周波発振器
からの高周波信号が参照信号として送られるが、
その内の一方は90°移相回路11を介して送られ
るため、2つの復調回路は90°位相の異なる2チ
ヤンネルの検出系CH1、CH2を構成している。
この2チヤンネルの検出系から得られた自由誘導
減衰信号は、A−D変換器12,13によつてデ
ジタル信号に変換されてコンピユータ14へ送ら
れ、付属するメモリ15へ格納される。16は、
移送回路、ゲード6,7及びA−D変換器12,
13を制御するパルスプログラマで、試料に照射
するパルス列の順序、パルス幅、各パルスに含ま
れる高周波の位相、A−D変換器12,13によ
るサンプリングのタイミングが予めプログラムさ
れており、そのプログラムに従つて一連の測定が
行われる。 このような装置による2DNMR測定を、例えば
第4図aに示すような90°x−t1−90°x−t2のパル
スシーケンスを用いて説明する。 2DNMR法における一般的測定プロセスは第4
図aに示すように、最初の90°パルス以前の準備
期間と、展開期間t1と、検出期間t2の3つの時間
領域から成る。準備期間は核の磁化を適当な初期
状態に保つために必要であり、準備パルス(最初
の90°パルス)によつて磁化は非平衡の状態にさ
れ、この状態は展開期間t1において展開され、そ
のt1における磁化の挙動は、検出パルス(2番目
の90°パルス)印加後の検出期間t2において検出
される自由誘導減衰信号(FID信号)に位相及び
振幅情報として手渡されることになる。従つて、
t2の期間に検出されたFDI信号中にはt2における
磁化の挙動ばかりでなく、t1における磁化の挙動
も含まれることになる。そこで、t1を変数として
段階的に例えばn段階に変化させ、各段階におけ
る測定で2つの検出系CH1、CH2から得られた
n個ずつのFID信号(FID11〜FID1n及びFID21
〜FID2n)から成る集合データS1(t1、t2)、S2
(t1、t2)を加算し、加算したデータについてt2、
t1について二重フーリエ変換することにより2次
元スペクトルを得ている。 この過程を式を用いて説明する。上記シーケン
スにおける観測核の磁化をM(t1、t2)とし、こ
の磁化を検出系CH1でとらえた検出出力Mx(t1、
t2)(=集合データS1(t1、t2))は(1)式で表わさ
れ、それと90°位相の異なる検出系CH2でとらえ
た検出出力My(t1、t2)(=集合データS2(t1、
t2))は(2)式で表わされる。 Mx(t1、t2)=S1(t1、t2)=M0e-i(〓1t1+〓
1)e-t1/T2e-i(〓2t2+〓2)e−-t2/T2(1) My(t1、t2)=S2(t1、t2)=M0e-i(〓1t1+〓
1)e-t1/T2e-i(〓2t2+90℃+〓2)e-t2/T2(2) ここで、M0は熱平衡時の磁化、Δ1、Δ2は磁化
のt1、t2軸に関する共鳴周波数、φ1、φ2は磁化の
t1、t2軸に関する位相、T2は横緩和時間である。 (1)、(2)式は複素数のかたちをとつているが、検
出は実時間に行われるため実際は(1)、(2)式の実数
部のみ(あるいは虚数部のみ)に着目すれば良い
ことを考慮し、併せてt1に関する項M0e-i(〓1t1+〓1)
e-t1/T2を定数Aとおけば、(1)、(2)式は下式のよう
に書き改められる。 S1(t1、t2)=Acos(Δ2t2+φ2)et2/T2 (1′) S2(t1、t2)Acos(Δ2t2+90°+φ2)et2/T2 (2′) 次にS1(t1、t2)とS2(t1、t2)を加算し、得ら
れた加算データについてt2に関して複素フーリエ
変換を行いS(t1、F2)を求めれば、S(t1、F2)
は下式で表わされる。 S(t1、F2)=∫∞ 0{Acos(Δ2t2+φ2)e-t2/T2+
Acos(Δ2t2+90°+φ2)e-t2/T2}e-i〓t2dt2 =∫∞ 0Acos(Δ2t2+φ2)e-t2/T2e-i〓t2dt2+∫
∝0 Acos(Δ2t2+90°+φ2)e-t2/T2e-i〓t2dt2 =A〔−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ
2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2 +i{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2}〕(3) ここで、F2はt2のフーリエ成分、ωは基準の共
鳴周波数である。 次に、t1に関しても全く同様に複素フーリエ変
換することによりS(F1、F2)を求めれば、下式
が得られる。尚、F1はt1のフーリエ成分である。 S(F1、F2)=M0〔−T2cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)
2+T2 2(Δ1+ω)sinφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2 +i{T2sinφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ
1+ω)cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2}〕×〔−T2cos
φ2/1+T2 2(Δ2+ω)2 +T2 2(Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2
+i{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω
)cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2}〕(4) この(4)式において、 T2/{1+T2 2(Δ1+ω)}=a1、 T2/{1+T2 2(Δ2+ω)}=a2、 T2 2/(Δ1+ω)/{1+T2 2(Δ1+ω)}=b1、 T2 2(Δ2+ω)/{1+T2 2(Δ2+ω)}=b2 とおけば(4)式は下式のように表わされる。 S(F1、F2)=M0〔(a1a2−b1b2)cos(φ1+φ2
)−(a1b2+a2b1)sin(φ1+φ2) +i{a1a2−b1b2)sin(φ1+φ2)+(a1b2+a
2b1)cos(φ1+φ2)}〕(5) このようにして2DNMRスペクトルのデータS
(F1、F2)が得られるが、(5)式から分るように、
このデータにはF1、F2軸に関する位相ずれφ1、
φ2の項が存在しており、そのまま2DNMRスペク
トルとして表示したのではスペクトルピークが純
粋な吸収ピークにならず、解析が困難なスペクト
ルとなつてしまう。 そこで従来は、(5′)式に示すように、(5)式の
整数部と虚数部の2乗和の平方根(又は2乗和)
をとることにより絶対値データ|S(F1、F2)|
を求め、所謂パワースペクトルとして表示してい
た。 |S(F1、F2)|=√0 2〔{1 2−1 2)
(1+2)−(1 2+2 1)(1+
2)}2※ ※√+{(1 2−1 2)(1+2)+
(1 2+2 1)(1+2)}2 =M0√(1 2−1 2)2+(1 2+2 1)2
(5′) 絶対値データにおいては、(5′)式から分るよ
うにF1、F2軸に関する位相ずれφ1、φ2項が消え
るため、表示されるスペクトルピークは吸収型の
ピークとなり、解析が容易なスペクトルとなる。 このようなデータの処理の流れをまとめると、
第5図のようになる。 [発明が解決しようとする問題点] ところが、このようなパワースペクトル表示に
は、スペクトルピークの裾が広がる(データ処理
の段階でウインド関数をかけることによりピーク
の裾を狭くすることが可能であるが、そうすると
今度はT2の短い核のピークが消滅してしまう)、
結合定数Jの相対符号やNOE(核オーバーハウザ
ー効果)の符号が不明になるなどの大きな欠点が
ある。 本発明はこの点に鑑みてなされたものであり、
位相補正が可能でパワースペクトルのかたちでス
ペクトルを求める必要がない2次元核磁気共鳴測
定方法を提供し、パワースペクトルに伴う上記欠
点を除くことを目的としている。 [問題点を解決するための手法] この目的を達成するため、本発明にかかる2次
元核磁気共鳴測定方法は、 (a) 準備パルス又はパルス列の照射後展開期間t1
をおいて検出パルス又はパルス列を照射し、こ
の検出パルス又はパルス列照射後検出期間t2に
わたつて試料からの自由誘導減衰信号を90°位
相の異なる2つの検出チヤンネルで検出すると
いうシーケンスを用い、異なつた複数のt1の値
について測定した複数のFID信号から成る集合
データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)を得ること、 (b) 前記(a)におけるシーケンスと同一のシーケン
スで且つ準備パルス又はパルス列と検出パルス
又はパルス列との間の位相が、前記(a)における
シーケンスに対し選択する量子数をnとした時
90°/n異なるシーケンスを用い、(a)と同一の
複数のt1について測定した複数のFID信号から
成る集合データS1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)を得
ること、 (c) 前記集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)、
S1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)の夫々についてt2に関
して複素フーリエ変換を行い、実数部と虚数部
を有する集合データS1(t1、F2)、S2(t1、F2)、
S1′(t1、F2)、S2′(t1、F2)を得ること、 (d) S(t1、F2)=S1(t1、F2)+iS2(t1、F2)及び
S′(t1、F2)=S1′(t1、F2)+iS2′(t1、F2)、又
は
S(t1、F2)=S1(t1、F2)−iS2(t1、F2)及び
S′(t1、F2)=S1′(t1、F2)−iS2′(t1、F2)なる
結
合を行うことにより結合データS(t1、F2)、
S′(t1、F2)を得ること、 (e) 上記結合データS(t1、F2)、S′(t1、F2)の
夫々について位相補正を行うこと、 (f) 位相補正後の2つの結合データS(t1、F2)、
S′(t1、F2)の内一方の実数部データ又は虚数
部データを新たな実数部データとし、他方の実
数部データ又は虚数部データを新たな虚数部デ
ータとして結合した後t1に関して複素フーリエ
変換するか、又は位相補正後の2つの結合デー
タS(t1、F2)、S′(t1、F2)の夫々の実数部デ
ータ又は虚数部データをt1に関して複素フーリ
エ変換して得られたデータの一方を実数部デー
タ、他方を虚数部データとして結合することに
より結合データS(F1、F2)を得ること、 (g) 結合データ(F1、F2)に関して位相補正を
行うこと、 より成ることを特徴としている。 [本発明の基本思想] 本発明にかかる2DNMR測定方法は、第3図に
示した構成を持つNMR装置で基本的に実施する
ことができる。 以下、第1図に示す流れ図に従い本発明の基本
思想を説明する。 (1) 測定 本発明は第4図(a)のパルスシーケンスによる
従来と全く同様な測定に加え、このシーケンス
の中の検出パルス90°xを例えば位相が90°違う
90°yパルスに置き換えた第4図bのシーケンス
を用いた測定を行う点及びその後のデータ処理
に特徴がある。尚、新たに加えられた測定にお
ける検出パルスの移相量は、一般的には90°/
nであり、第4図のパルスシーケンスでは量子
数n=1の情報を取り扱うため90°となつてい
る。 この付加した測定によつて、CH1、CH2か
らは集合データS1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)が
夫々得られ、このデータは第4図aのシーケン
スによる測定によつて得られた集合データS1
(t1、t2)、S2(t1、t2)と共にメモリ15内に格
納される。尚、この2つのシーケンスによる測
定は、測定条件が異ならないようにできるだけ
接近した時刻に行う必要があり、できれば2つ
のシーケンスによる測定が時分割的に並行して
行われることが好ましい。 (2) t2に関してフーリエ変換 得られた集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)、
S1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)を夫々t2に関して複素
フーリエ変換する。このフーリエ変換により、
S1(t1、F2)、S2(t1、F2)、S1′(t1、F2)、S2′(
t1、
F2)が下式のように得られる。 S1(t1、F2)=∫∞ 0Acos(Δ2t2+φ2)e-t2/T2e-i
〓t2dt2 =A/2{−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2
(Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2cosφ2/
1+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2(Δ2−ω)sinφ2/1+T2 2
(Δ2−ω)2} +iA/2{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2
(Δ2−ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2−ω)2−T2sinφ2/
1+T2 2(Δ2+ω)2−T2 2(Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2
(Δ+ω)2}
(6) S2=(t1、F2)=∫∞ 0Acos(Δ2t2+90°+φ2)e-t
2/T2e-i〓t2dt2 =A/2{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ
2+ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2sinφ2/1+
T2 2(Δ2−ω)2−T2 2(Δ2−ω)cosφ2/1+T2 2(Δ
2−ω)2 +iA/2{T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2 2(
Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2cosφ2/1
+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2(Δ2−ω)sinφ2/1+T2 2(
Δ2−ω)2}(7) S1′(t1、F2)=∫∞ 0A′cos(Δ2t2+φ2)e-t2/T2
e-i〓t2dt2 A′/2{−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(
Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2cosφ2/1
+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(
Δ2+ω)2} +iA′/2{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2
(Δ2−ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2−ω)2−T2sinφ2/
1+T2 2(Δ2−ω)2−T2(Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2
(Δ2+ω)2}(8) S2′(t1、F2)=∫∞ 0A′cos(Δ2t2+90°+φ2)e
-t2/T2e-i〓t2dt2 =A′/2{T2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(
Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2sinφ2/1
+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2(Δ2−ω)cosφ2/1+T2 2(
Δ2−ω)2} +iA/2{T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2 2(
Δ2+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2−T2cosφ2/1
+T2 2(Δ2−ω)2+T2 2(Δ2−ω)sinφ2/1+T2 2(
Δ2−ω)2}(9) 尚、A′は第4図bのシーケンスによる側定
で得られるデータにおけるt1に関する項で、下
式で表わされる。 A′=Moe-i(〓1t1+90℃+〓1)e-t1/T2 (3) フーリエ変換後のデータ結合 S1(t1、F2)+iS2(t1、F2)及びS1′(t1、F2)+
iS2′(t1、F2)というかたちでフーリエ変換後の
データを結合する。結合によつて、下式で表わ
される結合データS(t1、F2)、S′(t1、F2)が
得られる。 S(t1、F2)=S1(t1、F2)+iS2(t1、F2) =A{−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+iA{T2sinφ2/
1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2
(Δ2+ω)2}
(10) S′(t1、F2)=S1′(t1、F2)+iS2′(t1、F2) A′{−T2cosφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+iA′{T2sinφ2
/1T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω)cosφ2/1+T2 2
(Δ2+ω)2}
(11) (4) φ2に関して位相補正 (10)、(11)式で表わされる結合データS(t1、
F2)、S′(t1、F2)についてφ2=0となるよう位
相補正を行う。 位相補正は例えば以下のようにして行うこと
ができる。即ち、結合データの実数部をR、虚
数部をIとした時、−Rcosφ+Isinφの値を求め
る。その計算値はφがφ2に一致すると、 −Rcosφ2+Isinφ2=T2cos2φ2/1+T2 2(Δ2
+ω)2−T2 2(Δ2+ω)sinφ2cosφ2/1+T2 2(Δ2
+ω)2 +T2sin2φ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)cosφ2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2=T2/1+T
2 2(Δ2+ω)2(12) となって最大値を示す。従って、φをいろいろ
変えて−Rcosφ+Itinφの値が最大になるよう
に設定すれば、その値が位相補正された実数部
であり、その時のφの値がφ2に等しいことに
なる。そのCOSφ2、sinφ2の値を用いてRsinφ2
+Icosφ2を求めれば、 Rsinφ2+Icosφ2=−T2cosφ2sinφ2/1+T2 2
(Δ2+ω)2+T2 2(Δ2+ω)sin2φ2/1+T2 2(Δ2
+ω)2 +T2cosφ2sinφ2/1+T2 2(Δ2+ω)2+T2 2
(Δ2+ω)cos2φ2/1+T2 2(Δ2+ω)2=T2 2(Δ2
+ω)/1+T2 2(Δ2+ω)2(13) となって位相補正された虚数部が求められる。 このような位相補正の結果、下式で示す結合
データが得られる。 S(t1、F2)=A{T2/1+T2 2(Δ2
+ω)2}+iA{T2 2(Δ2+ω)/1+T2 2(Δ2+ω)2
}(14) S′(t1、F2)=A′{T2/1+T2 2(
Δ2+ω)2}+iA′{T2 2(Δ2+ω)/1+T2 2(Δ2+
ω)2}(15) (5) 結合データの実数部データについてt1に関
してフーリエ変換 (14)、(15)式で表わされる結合データS
(t1,F2)、S′(t1,F2)の夫々の実数部データ
A{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}、 A′{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}のみ取出し、夫々をt1 に関してフーリエ変換し、S(F1、F2)、
S′(F1、F2)を得る。 S(F1、F2)=M0{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}∫∞ 0
cos(Δ1t1+φ1)e-t1/T2e-i〓t1dt1 =M0/2{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}[{−T2cosφ
1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ1+ω)sinφ1/1+
T2 2(Δ1+ω)2+T2cosφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2 +T2 2(Δ1−ω)sinφ1/1+T2 2}(Δ1−ω)2}
+i{T2sinφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ1+ω
)cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2 −T2sinφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2+T2 2(Δ1−ω)c
osφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2}](16) S′(F1、F2)=M0{t2/1+T2 2(Δ2+ω)2}∫∞
0cos(Δ1t1+90°+φ1)e-t1/T2e-i〓t1dt1 =M0/2{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}[{T2sinφ1
/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ1+ω)cosφ1/1+T
2 2(Δ1+ω)2−T2sinφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2 −T2 2(Δ1−ω)cosφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2}+
i{T2cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2−T2 2(Δ1+ω)s
inφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2 −T2cosφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2+T2 2(Δ1+ω)s
inφ1/1+T2 2(Δ1−ω)2}](17) (6) フーリエ変換後のデータ結合 t1に関するフーリエ変換によって得られたS
(F1、F2)、S′(F1、F2)を、S(F1、F2)+
iS′(F1、F2)のかたちで結合し、下式で示され
る結合データS(F1、F2)を得る。 S(F1、F2)=S(F1、F2)+iS′(F1、F2) =M0{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}×[{−T2cosφ
1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ1+ω)sinφ1/1+
T2 2(Δ1+ω)2} +i{T2sinφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2+T2 2(Δ2
+ω)cosφ1/1+T2 2(Δ1+ω)2}](18) (7) φ1に関して位相補正 (18)式で表わされる係合データについて、
前述した(4)におけるφ1に関する補正と全く同
様の方法で位相補正を行う。 この補正によりφ1が零となるため、補正後
の結合データは S(F1、F2)=M0{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}{T2
/1+T2 2(Δ2+ω)2} +iM0{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}{T2 2(Δ1+ω)
/1+T2 2(Δ1+ω)2}(19) となる。(19)式にはφ1及びφ2に関する項が存
在せず、従ってこの内の実数部データを取出し
てスペクトルとして表示すれば、φ1、φ2に基
づく位相ずれのない吸収ピークによる2DNMR
スペクトルが得られることになる。言い換えれ
ば、従来のようにパワースペクトルのかたちで
2DNMRスペクトルを表示する必要がなく、パ
ワースペクトルに起因する前述した不都合を除
くことができる。 尚、上記説明では(3)において、S1(t1、F2)+
iS2(t1、F2)及びS1′(t1、F2)+iS2′(t1、F2)と
いうかたちでフーリエ変換後のデータを結合し
たが、S1(t1、F2)−iS2(t1、F2)及びS1′(t1、
F2)−iS2′(t1、F2)というかたちでデータの結
合を行っても全く同様の結果が得られる。 又、上記説明では(5)において2つの結合デー
タの実数部について夫々t1に関してフーリエ変
換を行ったが、実数部ではなく虚数部の方につ
いて夫々t1に関してフーリエ変換するようにし
ても全く同様の結果が得られるし、一方の結合
データの実数部と他方の結合データの虚数部に
ついてフーリエ変換するようにしても全く同様
の結果が得られる。 又、上記の説明では(5)においてt1に関してフ
ーリエ変換した後に(6)においてデータ結合を行
ったが、この順序は逆でも良い。即ち、(14)、
(15)式で表わされる結合データの実数部のみ
を結合して(20)式に示すように先に結合デー
タS(t1、F2)を作成し、この結果データS
(t1、F2)を(21)式に示すようにt1に関して
フーリエ変換を結合データS(F1、F2)を求
めるようにしても全く同一の結果が得られる。 S(t1、F2)=A{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}+iA
′{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2}(20) S(F1、F2)=Mo{T2/1+T2 2(Δ2+ω)2} ×∫∞ 0{cosΔ1t1+φ1)e-t1/T2+cos(Δ1t1+90
°+φ1)e-t1/T2}e-i〓t1dt1(21) 実施例 1 上述した本発明にかかる2DNMR測定法を用
い、MQNMR(Multiple Quantum NMR:多重
量子遷移に関する情報を抽出するMNR測定方法
であり、一量子のみ(n=1)を選択する多量子
フイルタ(Multiple Quantum Filter)と呼ばれ
るものと、n=1、2、3、4…の各量子数を選
択する多量子コヒーレンスと呼ばれるものがあ
る。)の一つである三量子フイルタ(Triple
Quantum Filter))実験を行う場合を例にとり本
発明を説明する。 第2図は、Piantini等によって報告された三量
子フイルタ実験(Journal of American
Chemical Society Vol.104、P.6800−)に用い
られたパルス列を示す。このパルス列は3つの
90°パルスP1、P2、P3から成り、期間τは固定で、
パルスP3に含まれる高周波の位相を0°とすればパ
ルスP1に含まれる高周波の位相はθ、パルスP2
に含まれる高周波の位相はθ+90°になっている。
自由誘導減衰信号FIDはt2の期間に検出し記憶さ
れる。前記準備パルスP1の照射により、試料に
含まれる磁気回転共鳴子の集合の非平衡の統計的
状態が予め作られ、その後検出パルスP2及びP3
が印加される。そして、t1を段階的に変えながら
測定を繰返し、更にその測定がθの値を変化させ
て繰返し行われる。このようにして得られるt1の
値と前記位相変移の種々の値に対応して記憶され
た自由誘導減衰信号の線形結合を作り、それを周
波数領域へ二重フーリエ変換することにより二次
元スペクトルが得られる。 表Aは、第2図のパルス列を用いた測定におい
て、P1、P2、P3に与えられる位相の組合わせを
示す。
【表】
【表】
表Aにおいて測定1はθ=0°に設定された測定
であり、パルスP1、P2、P3の位相を0°、90°、0°
に夫々設定した状態で、t1を例えば0secから
2msecの等しいステツプで512段階に順次変えな
がら測定を繰返すことにより、CH1、CH2から
夫々512個のFID信号FID11〜FID1512、FID21〜
FID2412を取得し記憶する。 次の測定2はθ=60゜に設定された測定であり、
パルスP1、P2、P3の位相を60゜、50゜、0゜に夫々設
定した状態で、測定1と全く同様にt1を0sinから
2msecステツプで512段階に順次変えながら測定
を繰返すことにより、CH1、CH2から夫々512個
のFID信号を取得し、このFID信号は先に測定1
で得られ記憶されているFID11〜1512、FID21〜
FID2512に符号を反転して夫々加算(減算)され
て線形結合される。 以下全く同様の手順で測定3〜測定6が行わ
れ、各測定でCH1、CH2から得られた512個の
FID信号は表Aに記載されている±の符号に従つ
て加算又は減算され、線形結合されたFID信号の
集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)が得られる。 上記表Aの測定が、先に説明した第4図aのシ
ーケンスによる測定に相当する。次に、表Aの測
定におけるP2とP3の位相を90°変移させた、以下
に示すような表Bの測定を表Aと全く同様に行
う。この測定が、先に説明した第4図bのシーケ
ンスによる測定に相当する。
であり、パルスP1、P2、P3の位相を0°、90°、0°
に夫々設定した状態で、t1を例えば0secから
2msecの等しいステツプで512段階に順次変えな
がら測定を繰返すことにより、CH1、CH2から
夫々512個のFID信号FID11〜FID1512、FID21〜
FID2412を取得し記憶する。 次の測定2はθ=60゜に設定された測定であり、
パルスP1、P2、P3の位相を60゜、50゜、0゜に夫々設
定した状態で、測定1と全く同様にt1を0sinから
2msecステツプで512段階に順次変えながら測定
を繰返すことにより、CH1、CH2から夫々512個
のFID信号を取得し、このFID信号は先に測定1
で得られ記憶されているFID11〜1512、FID21〜
FID2512に符号を反転して夫々加算(減算)され
て線形結合される。 以下全く同様の手順で測定3〜測定6が行わ
れ、各測定でCH1、CH2から得られた512個の
FID信号は表Aに記載されている±の符号に従つ
て加算又は減算され、線形結合されたFID信号の
集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)が得られる。 上記表Aの測定が、先に説明した第4図aのシ
ーケンスによる測定に相当する。次に、表Aの測
定におけるP2とP3の位相を90°変移させた、以下
に示すような表Bの測定を表Aと全く同様に行
う。この測定が、先に説明した第4図bのシーケ
ンスによる測定に相当する。
【表】
この表Bの測定により、線形結合されたFID信
号の集合データS1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)が得ら
れる。 得られた集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)、
S1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)は、先に説明した第1
図の流れ図に従てた2から7までのデータ処理を
受け、それによりφ1やφ2に基づく位相ずれのな
い2DNMRスペクトルデータS(F1、F2)が得
られる。 上記説明は三量子フイルタについて行つたが、
二量子フイルタや四量子フイルタについても全く
同様に応用できる。 上述した説明では、1つの位相θのもとでt1を
例えば512段階に変えた測定を行い、この測定を
θを変えて繰返すという手順を採用したが、逆に
1つのt1の値のもとでθを何段階かに変えた測定
を行い、この測定をt1を512段階に変えて繰返す
という手順で行つても、得られるデータの数は全
く同じであり、等価である。 又、上述した説明では表Aの測定におけるP2
とP3の位相を90°変移させたものを表Bの測定と
したが、P2とP3の位相は変えずにP1の位相の方
を90°変移させたものを表Bの測定としても等価
である。 実施例 2 上述した三量子フイルタ実験では検出パルスが
複数個で表Aの測定と表Bの測定の位相変移量は
一量子(n=1)を選択するので90°/n=90°で
あるが、多量子の遷移そのものを選択する(n=
1、2、3、…)多量子コヒーレンスでは、位相
変移量は選択する量子数nによつて決まり、例え
ば準備パルスが複数で位相変移量が30°の三量子
コヒーレンス実験(Triple Quantum
Coherence)実験についても以下に述べるように
本発明を適用することができる。第6図は、
Wokaun等によつて報告された三量子コヒーレン
ス実験(Chemical Physics Letters Vo1.52、
p.407、1977)に用いられたパルスシーケンスを
示す。このパルスシーケンスは3つの90°パルス
(P1、P3、P4)及び1つの180゜パルスから成り、
期間τは固定である。このシーケンスにおいて
P1、P2、P3が準備パルスに相当し、P4が検出パ
ルスに相当する。 表A′、表B′は、このパルス列を用いた測定に
おいてP1、P2、P3、P4に与えられる位相の組合
わせを示す。
号の集合データS1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)が得ら
れる。 得られた集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)、
S1′(t1、t2)、S2′(t1、t2)は、先に説明した第1
図の流れ図に従てた2から7までのデータ処理を
受け、それによりφ1やφ2に基づく位相ずれのな
い2DNMRスペクトルデータS(F1、F2)が得
られる。 上記説明は三量子フイルタについて行つたが、
二量子フイルタや四量子フイルタについても全く
同様に応用できる。 上述した説明では、1つの位相θのもとでt1を
例えば512段階に変えた測定を行い、この測定を
θを変えて繰返すという手順を採用したが、逆に
1つのt1の値のもとでθを何段階かに変えた測定
を行い、この測定をt1を512段階に変えて繰返す
という手順で行つても、得られるデータの数は全
く同じであり、等価である。 又、上述した説明では表Aの測定におけるP2
とP3の位相を90°変移させたものを表Bの測定と
したが、P2とP3の位相は変えずにP1の位相の方
を90°変移させたものを表Bの測定としても等価
である。 実施例 2 上述した三量子フイルタ実験では検出パルスが
複数個で表Aの測定と表Bの測定の位相変移量は
一量子(n=1)を選択するので90°/n=90°で
あるが、多量子の遷移そのものを選択する(n=
1、2、3、…)多量子コヒーレンスでは、位相
変移量は選択する量子数nによつて決まり、例え
ば準備パルスが複数で位相変移量が30°の三量子
コヒーレンス実験(Triple Quantum
Coherence)実験についても以下に述べるように
本発明を適用することができる。第6図は、
Wokaun等によつて報告された三量子コヒーレン
ス実験(Chemical Physics Letters Vo1.52、
p.407、1977)に用いられたパルスシーケンスを
示す。このパルスシーケンスは3つの90°パルス
(P1、P3、P4)及び1つの180゜パルスから成り、
期間τは固定である。このシーケンスにおいて
P1、P2、P3が準備パルスに相当し、P4が検出パ
ルスに相当する。 表A′、表B′は、このパルス列を用いた測定に
おいてP1、P2、P3、P4に与えられる位相の組合
わせを示す。
【表】
【表】
表B′の測定は表A′の測定における準備パルス
P1、P2、P3の位相を30°変移させたものであり、
この点が実施例1の三量子フイルタ実験の場合と
異なる点である。P1、P2、P3の位相は変えずP4
の位相を30°変移させるようにしても等価である。 尚、この位相変移量を30°ではなく45°に設定す
れば二量子コヒーレンス実験、22.5°に設定すれ
ば四量子コヒーレンス実験となる。 表A′、表B′の測定により得られたデータの処
理については実施例1と全く同じであるので省略
する。 以上、MQNMRを例にとつて本発明を説明し
たが、本発明は異種核2DNMR法をはじめ各種
2DNMR法に全く同様に適用することができる。 [発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば位相補正を
行うことのできる2次元核磁気共鳴測定方法が実
現される。そのため、従来のようにパワースペク
トルのかたちで2DNMRスペクトルを表示する必
要がなく、従来避けられなかつたスペクトルピー
クの裾の広がり、T2が短いピークの消滅及び結
合定数J、NOEの符号が不明になるといつたパ
ワースペクトルに起因する問題を除くことが可能
となる。
P1、P2、P3の位相を30°変移させたものであり、
この点が実施例1の三量子フイルタ実験の場合と
異なる点である。P1、P2、P3の位相は変えずP4
の位相を30°変移させるようにしても等価である。 尚、この位相変移量を30°ではなく45°に設定す
れば二量子コヒーレンス実験、22.5°に設定すれ
ば四量子コヒーレンス実験となる。 表A′、表B′の測定により得られたデータの処
理については実施例1と全く同じであるので省略
する。 以上、MQNMRを例にとつて本発明を説明し
たが、本発明は異種核2DNMR法をはじめ各種
2DNMR法に全く同様に適用することができる。 [発明の効果] 以上詳述した如く、本発明によれば位相補正を
行うことのできる2次元核磁気共鳴測定方法が実
現される。そのため、従来のようにパワースペク
トルのかたちで2DNMRスペクトルを表示する必
要がなく、従来避けられなかつたスペクトルピー
クの裾の広がり、T2が短いピークの消滅及び結
合定数J、NOEの符号が不明になるといつたパ
ワースペクトルに起因する問題を除くことが可能
となる。
第1図は本発明の基本思想を説明するための流
れ図、第2図は三量子フイルタ実験に用いられる
パルスシーケンスを示す図、第3図は2DNMR法
を行うためのNMR装置の一例を示す図、第4図
は従来の測定で用いられるパルスシーケンス及び
本発明で付加された測定に用いられるパルスシー
ケンスを示す図、第5図は従来のデータ処理を説
明するための流れ図、第6図は三量子コヒーレン
ス実験に用いられるパルスシーケンスを示す図で
ある。 1:磁石、2:試料コイル、3:高周波発振
器、4:可変移相回路、6,7:ゲート、9,1
0:復調回路、11:90°位相回路、12,1
3:A−D変換器、14:コンピユータ、15:
メモリ、16:パルスプログラマ。
れ図、第2図は三量子フイルタ実験に用いられる
パルスシーケンスを示す図、第3図は2DNMR法
を行うためのNMR装置の一例を示す図、第4図
は従来の測定で用いられるパルスシーケンス及び
本発明で付加された測定に用いられるパルスシー
ケンスを示す図、第5図は従来のデータ処理を説
明するための流れ図、第6図は三量子コヒーレン
ス実験に用いられるパルスシーケンスを示す図で
ある。 1:磁石、2:試料コイル、3:高周波発振
器、4:可変移相回路、6,7:ゲート、9,1
0:復調回路、11:90°位相回路、12,1
3:A−D変換器、14:コンピユータ、15:
メモリ、16:パルスプログラマ。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 (a) 準備パルス又はパルス列の照射後展開期
間t1をおいて検出パルス又はパルス列を照射
し、この検出パルス又はパルス列照射後検出期
間t2にわたつて試料からの自由誘導減衰信号を
90°位相の異なる2つの検出チヤンネルで検出
するというシーケンスを用い、異なつた複数の
t1の値について測定した複数の自由誘導減衰信
号から成る集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)
を得ること、 (b) 前記(a)におけるシーケンスと同一のシーケン
スで且つ準備パルス又はパルス列と検出パルス
又はパルス列との間の位相が、前記(a)における
シーケンスに対し選択する量子数をnとした時
90°/n異なるシーケンスを用い、(a)と同一の
複数のt1について測定した複数の自由誘導減衰
信号から成る集合データS1′(t1、t2)、S2′(t1、
t2)を得ること、 (c) 前記集合データS1(t1、t2)、S2(t1、t2)、
S1′(t1、t2、S2′(t1、t2)の夫々についてt2に関
して複素フーリエ変換を行い、実数部と虚数部
を有する集合データS1(t1、F2)、S2(t1、F2)、
S1′(t1、F2)、S2′(t1、F2)を得ること、 (d) S(t1、F2)=S1(t1、F2)+iS2(t1、F2)及び
S′(t1、F2)=S1′(t1、F2)+iS2′(t1、F2)、又
は、
S(t1、F2)=S1(t1、F2)−iS2(t1、F2)及び
S′(t1、F2)=S1′(t1、F2)−iS2′(t1、F2)なる
結
合を行うことにより結合データS(t1、F2)、
S′(t1、F2)を得ること、 (e) 上記結合データS(t1、F2)、S′(t1、F2)の
夫々について位相補正を行うこと、 (f) 位相補正後の2つの結合データS(t1、F2)、
S′(t1、F2)の内一方の実数部データ又は虚数
部データを新たな実数部データとし、他方の実
数部データ又は虚数部データを新たな虚数部デ
ータとして結合した後にt1に関して複素フーリ
エ変換するか、又は位相補正後の2つの結合デ
ータS(t1、F2)、S′(t1、F2)の夫々の実数部
データ又は虚数部データをt1に関して複素フー
リエ変換して得られたデータの一方を実数部デ
ータ、他方を虚数部データとして結合すること
により結合データS(F1、F2)を得ること、 (g) 結合データS(F1、F2)に関して位相補正を
行うこと、 より成る2次元核磁気共鳴測定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5203685A JPS61210933A (ja) | 1985-03-15 | 1985-03-15 | 2次元核磁気共鳴測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5203685A JPS61210933A (ja) | 1985-03-15 | 1985-03-15 | 2次元核磁気共鳴測定方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61210933A JPS61210933A (ja) | 1986-09-19 |
| JPH0334821B2 true JPH0334821B2 (ja) | 1991-05-24 |
Family
ID=12903589
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5203685A Granted JPS61210933A (ja) | 1985-03-15 | 1985-03-15 | 2次元核磁気共鳴測定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61210933A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4498947B2 (ja) * | 2004-04-15 | 2010-07-07 | 日本電子株式会社 | 磁気共鳴スペクトルの定量方法 |
| CN112683940B (zh) * | 2020-12-24 | 2022-07-19 | 潍坊欣龙生物材料有限公司 | 一种无机阻燃纤维素纤维中阻燃剂含量的快速测定方法 |
-
1985
- 1985-03-15 JP JP5203685A patent/JPS61210933A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61210933A (ja) | 1986-09-19 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| EXPY | Cancellation because of completion of term |