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JPH0347101B2 - - Google Patents
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JPH0347101B2 - - Google Patents

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JPH0347101B2
JPH0347101B2 JP61163293A JP16329386A JPH0347101B2 JP H0347101 B2 JPH0347101 B2 JP H0347101B2 JP 61163293 A JP61163293 A JP 61163293A JP 16329386 A JP16329386 A JP 16329386A JP H0347101 B2 JPH0347101 B2 JP H0347101B2
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Haruhiko Nomura
Takeshi Sato
Akinori Mori
Seiji Shigematsu
Masahiro Yamada
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、神経あるいは被刺激性組織の刺激装
置に関する。
[従来の技術] 人類を始め、ほとんどの動物は、行動によつて
生存している。このため、生きるのに必要な行動
は、長い進化の過程の中で学習し獲得してきた。
その行動を制御するものの中心に神経が位置して
いる。
神経系の構造と機能に関しては、動物の進化の
程度によつて異なり、実際の行動の上にもそれが
反映する。複雑な神経系の動物は行動も複雑であ
る。しかしながら、神経の興奮のしくみそのもの
は、基本的に同じであることは現在、生理学上の
周知のこととなつている。進化の度合の如何を問
わず、神経系の構成単位は基本的には共通であ
り、神経細胞体と軸索と樹状突起とからなる。こ
のような共通性があるから、下等動物における神
経興奮の研究で得られた成果は、より高度な動物
さらに人間に対しても有効であることが、基本的
に認められている。
これまでは、神経系に直接刺激を与える従来の
方法としては、電流、電場、電磁波、放射線、
熱、薬物、接触、打針などがあつた。
[発明が解決しようとする問題点] 電気刺激法(電流・電場)にあつては、神経系
に直接接触させねばならない必要から、体表面か
ら直接神経系に接触させる場合や、さらに直接接
触が不可能な場合は、手術等によつて組織を切開
して接触させる必要があつた。
これらは、生体系への電極の装着法、電流の設
定、電極の種類、電極の移動、離脱および破損等
に少なからぬ困難性が存在し、極めて高度な熟練
度を有するのみならず、危険性も存在した。
電磁場による刺激は、組織体において大きな減
衰を生じるので、目的の神経系に到達でき難いと
いう欠点があつた。また、到達を確かなものにす
るには、過度のエネルギー密度の電磁場を必要と
し、そのため、組織を破壊する危険性があつた。
それのみならず、この場合、組織体を広範囲に刺
激することにより、目標とする局部のみへの神経
刺激は、不可能であつた。
磁場による刺激は、透過性はあるが、局部収束
性は磁場のもつ本質から不可能であつた。
熱的刺激においては、熱エネルギーは、物体表
面からのみ拡散するので、刺激部位を選択的に刺
激することは、困難であつた。
放射線等による刺激は可能ではあるが、遺伝子
等に放射線障害を及ぼす大きな危険性を有してい
た。
薬物による刺激は、一般に服用、注射等で行う
が、刺激目的部位以外にも、悪影響を及ぼすと
か、習慣性が生じるとかの副作用あるいは、生体
反応を誘発するなどの危険性があつた。
以上、神経系を直接刺激する従来の方法の欠陥
や不充分さを述べた。
近年の医療技術、神経科学、脳生理学、知覚心
理学、動物行動科学やこれらの相互に関連する応
用分野の発展に伴ない、新たに、安全かつ効果的
な直接局部指摘の方法およびその装置の開発が切
望されていた。
本発明者は、かかる重要性を認識しつつ、鋭意
研究した結果、音波照射による安全かつ効果的な
直接局部刺激法が可能であることを、生理的・物
理的両観点から見出すに到つた。
なお、音波の生体への適応例は、種々存在して
はいる。通常、この種の音波は、エネルギー密度
が要求されるので、超音波帯域となる。乳線腺瘍
や脳内の限局性病巣らに対して、超音波照射が有
効であることは、公知とされている。すなわち、
これらの参考例として超音波技術便覧、日刊工業
新聞社編等の中に、乳腺腫瘍破壊術、左右前頭葉
白質破壊術等の記述が見られる。これらの文献に
は、文字通り、生体内の組織を破壊すること、す
なわち組織の疎鬆化、細胞を壊死させることによ
つて、治療目的を上げることが記されている。こ
れらの超音波方法によると超音波による破壊が所
望通りの進行するように、集束超音波を生体内組
織に照与している。特に頭部に適応する時には、
頭蓋骨を通して超音波を照与することは不可能に
近かつた。何んとなれば、脳内組織中の患部等に
超音波を照与して破壊しようとすると、音響学的
原理から、頭蓋骨部の音波吸収能の方が、脳内組
織のそれより約1ケタ大であるため、熱等により
頭蓋骨を損傷させることになるからである。
そのため、頭部を切開して照与する必要があつ
た。ただこの場合でも脳硬膜は切開しなくても良
いので、破壊治療効果と治癒効果があつた。一般
に、かかる治療の効果を得るためには、1MHz級
で、数W/cm2以上のエネルギー密度を必要とされ
ている。
次に現在最も多く使用されている超音波を生体
に適応する技術としては超音波パルス診断法があ
る。この診断法は従来からある超音波探傷法の一
分野を成すものであり、何らかの方法で指向性の
ある超音波を発振し、生体内組織の音波吸収度、
減衰率が生体内組織の個々の種類によつて異なる
ことを利用するものであつて、組織からの音波を
透過あるいは反射を造影(撮像)せしむることに
よつて生体組織分布の状態を診断するものであ
る。だがこの方法の場合は、生体組織への刺激は
全く目的としていない。
以上述べたように、従来行われていた超音波の
生体への応用技術は大別して、異常組織の破壊と
診断技術に関するものであり、本発明の如き、適
正な音波を均一あるいは集束、あるいは所望する
形状や時定数の波形を有する状態にせしめて、照
与して所望する神経刺激を与える刺激方法あるい
はその刺激装置に関する技術とは全くその趣旨を
異にしている。
さらに、本発明は、超音波照与によつて神経あ
るいは被刺激性組織への刺激効果は、全くないと
言つてよいとする従来の常識(例えば、日刊工業
新聞社編、超音波技術便覧、21・5・4)を破つ
て成し得たことからみて本発明に該当する従来技
術は全く存在していない。
本発明の目的は、音波を神経あるいは被刺激性
組織に当てることによつて、神経あるいは被刺激
性組織に当てることによつて、神経あるいは被刺
激性組織の発火を昴進または抑制し、安全かつ効
果的に神経あるいは被刺激性組織の興奮の伝導を
求心性神経単位あるいは遠心性神経単位に生じさ
せ、所望する作動効果を器官に発動せしめるため
の刺激装置を提供することにある。
[問題点を解決するための手段] 本発明は生体の神経あるいは被刺激性組織に直
接接触することなく、生体の外部から刺激する音
波を発生する音波発振体と、音波発振体から発せ
られる音波の強度、照与時間、または位相、振
幅、周波数を指定の値に調整する調整手段と、神
経あるいは被刺激性組織が音波により発火を昴進
または抑制しているか否かを検知する検知手段と
を具備したことを特徴とする。
[作用] 本発明では、生体と直接接触することなく、外
部から神経あるいは被刺激性組織の一部あるいは
全部に対して音波によつて発火を昴進または抑制
するようにしたので、従来の直接接触による欠点
を解消され、局部刺激が容易となり、高度が熟練
が不要となり、組織破壊等の危険性が回避され
る。
[実施例] 以下、本発明に関する具体的実験例および実施
例について詳細に説明する。
本発明は、従来技術の改良の観点から成された
ものでなく、音波(超音波または可聴領域の音
波)による神経あるいは被刺激性組織への刺激の
可能性および有効性を鋭意研究した結果、発見す
るに到り、その知見を創意応用した発明である。
すなわち、超音波エネルギーあるいは可聴音エ
ネルギーが、神経系あるいは被刺激性組織に対し
て、確実に興奮を発生させることが可能である実
験的根拠は、従来なされていない。さらに超音波
利用者では、むしろ、神経系に対して興奮を発生
する肯定事実は、ほとんどないとまで明言されて
きたことからもこのことは理解されよう(例え
ば、超音波技術便覧,日刊工業新聞社編、21−5
−4頁)。
本発明者は、適正強度のあるいは可聴領域の音
波によつて、神経系あるには、被刺激性組織の発
火が昴進あるいは抑制されるか否かを、探究し、
単一細胞内電位計測技術、神経細胞学的知識およ
び超音波工学の進歩した効果を結合させることに
よつて、細微な実験を行つた。その結果、適正な
強度範囲内の超音波エネルギーあるいは可聴音エ
ネルギーを、神経系あるいは被刺激性組織に与え
ることによつて、興奮が発生する事実を実験によ
り知得するに到つた。本発明の開示に、この事実
は重要な礎となるので、この実験の内容を次に説
明する。
一般に、一部の下等動物(主に腔腸類)を除
き、通常の動物の神経系は神経細胞体と神経線維
の一部が集合を成す中枢神経と、神経線維の束が
中枢神経から分かれて、生体の各部に達している
末梢神経から成立している。
上述した如く、神経系の構造と機能に関して
は、動物の進化の程度によつて異なりはするが、
神経の興奮の態様そのものは、基本的に同じであ
ることは生理学上認められている所である。その
ため、神経の興奮の態様の研究は、下等動物で行
われている。本発明者が実験遂行上、アメフラシ
(学名:Aplysia Kurodai,軟体動物・腹足類)
を用いた主な理由は、個々の神経細胞が通常動物
より約1桁大きく、ガラス電極等によつて細胞内
電位を計測しやすいという理由からであり、超音
波刺激による興奮の発生(以下、発火という)と
いう点は他の動物の神経系と基本的には変りな
い。
本実験で用いたアメフラシの神経系を主にした
解剖概観図を第1図に示す。本図中、1〜11ま
でが神経系を、12〜15までが感覚器官を、お
よび16〜21までが消化器官を、22は生殖器
官を示している。すなわち、1は視神経、2は嗅
角神経、3は口球神経節、4は傍神経節、5は足
神経節、6は腹部神経節(右)、7は腹部神経節
(左)、8はえら神経、9は神経節、10は生殖器
神経節、11は紫汁腺神経、12は触角、13は
嗅角、14は口球、15は眼、16は食道、17
は素袋、18は砂袋、19は中腸腺、20はこう
門、21は直腸、22は貯精袋である。
神経系の中枢部にあたる所は、腹部神経節
(右)6、腹部神経節(左)7の腹部神経節と、
口球神経節3、傍神経節4、足神経節5の頭部神
経節群とである。本発明者らは、これら4対の神
経節とそれらの神経節とを結ぶ神経線維部をアメ
フラシ本体から切り離した上で本実験に供した。
第2図は、第1図のアメフラシの腹部神経節
6,7を拡大して示したものである。ここで、3
1は傍・腹部結合神経(右)、32は傍・腹部結
合神経(左)、33は結合組織皮膜、34は水管
神経、35は生殖器心臓神経、36はえら神経、
37は神経細胞である。
アメフラシの神経細胞は比較的大きく、その役
割も近年、徐々に発見され、区分されつつある。
第2図に描かれている神経細胞群の興奮の仕方は
大別すると、本図に示すように無放電型R1,R
2,L1,規則放電型R3〜R8、不規則放電型
R15,R16,L6〜L8,L11および群発
放電型L2〜L4と、その発火(すなわち、スパ
イク状の電位変化が、何らかの刺激によつて発生
すること)の形態とによつて区別されている。
本実験では、この細胞に特殊な顕微鏡で監視し
つつ極細ガラス電極(直径500Å〜1000Å)を刺
し込む。電極が細胞内に入ると、電位が−60mV
位になると同時に、上述したように細胞の種類に
よつて決まるスパイクが発生する。従来は、この
針に微小電流を流す電流刺激によつて神経を興奮
させてきた。本実験は適正強度の超音波が神経系
に興奮を引き起こす有効な刺激方法となり得るか
否かを知ることにあつた。
この実験装置の概念図を第3図に示す。ここ
で、41は神経節、42は海水、43はサブスト
レート、44は超音波発振子、45は極細ガラス
電極、46は水、47は励振器である。超音波
は、励振器47から出た3MHzの振動電流を超音
波発振子44に給電することによつて発せられ
る。神経節41の一部に超音波を集束し易いよう
に、この場合の発振子44として球面の一部を円
形に切除した形状のものを特に設計した。
なお、励振器47としては超低周波帯から超高
周波の音波全域に及び使用帯域の幅の広いものが
好ましく、パワー調整器によりそのパワーを可変
にきる。また発振子44としては、圧電、電歪お
よび磁歪による振動子を用いたもの、あるいは動
電形変換器、コンデンサ形変換器、電磁誘導形変
換器、放電・衝撃式発振器、サイレン型発振器、
ハルトマン噴気発音器、渦発生発音機、ノズル噴
射発生機、キヤビテイシヨン発生器、光弾性によ
る発振体光音響機構、熱音響機構、弾性体振動機
構等によつて発振せしめる構造を有するもの等が
本発明に適用できる。また、発振子44は指向性
を鋭くして被刺激性の神経系等に直接接触するこ
となく、外部より神経系の一部あるいは全部に対
して目的部位だけに音波を投射できるようにする
ため適切な周波数帯を適正寸法をそなえ、上述の
ような球面の一部あるいは円筒面の一部あるいは
全部からなる形状を有するものが使用される。ま
た、この発振子44から発せられる音波の強度、
照与時間を制御あるいは位相を整えるため音波発
振子44あるいはその周辺に設けた音波集中収束
機構(図示せず)も備える。この音波集中・収束
機構としては、発振子44を光学的焦点に一致す
るように配設し、この発振子44から発する音波
を反射あるいは透過により他の焦点に集中あるい
は収束せしめるような幾何学的曲面からなるもの
であればよい。
また、発振子44から発せられる音波による刺
激に連続刺激の他の間欠刺激および単発刺激があ
る。さらにこれらの刺激は振幅、周波数、位相に
おいて変調される。さらに、神経が興奮している
か否かを知るためのオシログラフ等の装置(図示
せず)は外部に設けられる。この興奮は、微小電
位、微小音波、微小磁束光、微小圧力、微小電気
量、微小熱量、微小変位、神経伝達物質、分泌
物、排出物によつて、捕捉される。この捕捉は視
覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚その他、体性感覚、
意識、行動の変化を感知することによつても行わ
れる。
第3図の実施例では超音波は±0.2mmの精度で
神経節41の該当部に焦点を結んだ、この場合の
ターゲツトの神経細胞としては一例として第2図
のR3(規則放電型)を選択した。その実験結果
を第4図に示す。
第4図に示すように、R3の如き、ニユーロン
Aでは音波刺激を与えて、少し間を於いて、スパ
イクの数が一定時間増加することが計測された。
この現象は再現性よく繰返された、このことから
見て、適正強度内での超音波照与は、明らかに神
経系をして、一定期間、発火を昴進させるという
事実が判明した。なお、別のR5の神経細胞(ニ
ユーロンB)では、発火を一定期間抑制させるこ
とも判つた。
次に、超音波パルス刺激を無放電型(無刺激の
場合、発火せず、ほぼ細胞内電位約−60mVに定
留しているR2細胞体)に対して加えた所、第5
図に示すような単発の発火が再現性よく計測され
た。超音波パルス刺激はこのサイレント細胞と呼
ばれる神経細胞R2に入力してからほぼ240ミリ
秒後に発火している。
さらに、第2図に示す一群の神経細胞群に対し
て種々上述と同様な実験を繰返した。群発放電型
L2〜L4,不規則放電型R15,R16,L6
〜L8,L11の各神経細胞群に対して適正強度
の超音波刺激あるいは可聴音刺激が再現性のある
興奮を所与していることも判明した(図示せず)。
次に、本発明者は本発明に対する万善を期する
ため、次なる実験を行つた。その実験は、現在の
所、発火を観測する確実な方法であるのでやむを
得ないとされている極細ガラス電極45の使用に
関してである。すなわち、超音波の照与が何らか
の理由で、極細ガラス電極45に作用し、その結
果、興奮が細胞内に励起されるのではなかろうか
とする疑問に対しての実験である。
それ故、超音波刺激単独のみで神経細胞を発火
できうるという確証を得るために、第6図に示す
実験を行つた。すなわち、傍神経節の一部にのみ
に超音波を照与し、はるか離れて照与の効果が無
視される位置において、神経線維束を介して、腹
部神経節に伝播してくる興奮の電位を調べるべ
く、極細ガラス電極45を腹部神経節に打設し
た。
この実験結果は、第7図に示すようになり、超
音波を照与した傍神経節の一部から発生した興奮
スパイクの増加が、神経線維束を介して、離れた
位置にある腹部神経節に伝達され、極細ガラス電
極45を介してその興奮電位の変化が、本図の如
く観察された。これは、明らかに適正超音波刺激
のみで神経系を興奮させていることを実証するも
のである。
以上述べたように適正強度の超音波を被刺激性
組織、なかんずく神経系に照与することは、従来
の電極を介した電流刺激法に対して卓越する刺激
方法と成り得るとの理論的および実験的根拠を得
た。なお、ここまでに「適正強度」と述べたきた
のは、上述の実施例に採用したように、発火が確
認されない極めて低レベルの超音波パワーから
徐々に増加して発火に到る強度に達し得るように
強度を調整すれば、特定のパワー強度値に限定す
る必要がないからである。また、この超音波強度
の限度は、一般には従来の乳腺腫瘍破壊術や左右
前頭葉白質破壊術、結石破壊手術等に見られた超
音波強度(通常20W/cm2以上)とで採用されてい
る超音波強度と比較して、極めて小さい強度であ
る(約0.1W/cm2以下)。そのような極めて小さい
強度の超音波を使用して再現性をもつて発火でき
ることから、本発明は従来の技術とは全く異なる
ことは明らかである。
ところで、従来では脳機能を始めとする諸神経
機能を調べるために、生体内組織に近接して、電
極などを侵入させる必要があつたことは既に述べ
た。また、このような生体内組織に接触するため
に、最小限度組織の一部破壊を伴つてきた。その
ため、電極棘入は特殊な能力や資格をもつた人に
のみ、また特殊な部位にのみに限られていた。
だが、本発明によれば、発熱や組織の破壊を伴
わないで高次の脳機能を始めとする諸神経機能を
比較的容易に調べることができる。従つて、本発
明によれば、現在の医学でもつても難しいとされ
る精神上や神経上の病気の解明や治療の手段を提
供することができる。さらに、本発明によれば他
の被刺激性組織にも上述と同様な理由により、無
侵襲かつ有効な刺激を入力することが可能となる
ので、従来困難とされた各種医療分野における診
断や治療等において優れた手段を提供することが
できる。
次に、本発明者において行つた実施例の一部を
説明する。
本発明者自身において、後頭葉の第一次視覚野
に、超音波の局所的照射を上述の本発明による方
法と第3図または第4図に示すような励振器等を
用いて試みたところ、視野周辺部に明るい光を感
じた。
次に、被刺激性組織の代表たる筋組織に関し
て、上腕二頭筋(力こぶ)に上述と同様の方法と
装置を用いて超音波照与したところ、筋肉の収縮
を見た。
さらに、もう一つの被刺激性組織である感覚器
への刺激として、膝蓋腱中の張力を感じる感覚器
であるゴルジ器官を上述と同様の方法と、装置を
用いて超音波照与したところ、よく知られた膝蓋
腱反射が発生した。
[発明の効果] 以上述べたように、本発明によれば、生体と直
接接触することなく、媒質を介して外部から神経
あるいは被刺激性組織の一部あるいは全部に対し
て音波によつて刺激するようにしたので、従来の
直接接触による欠点が解消され、局部刺激が容易
となり、高度な熟練が不要となり、発熱や組織破
壊等の危険性が回避される等の効果が得られる。
また、上述の実施例の項において本発明に係る実
施効果について概略的に述べたが、より専門的知
識をもつてすれば、より効果的な診断や治療が可
能となるであろうと考えられる。
さらにまた、近年、生体の神経機構等を模した
高度情報処理技術が望まれている。このために
は、脳機能等の解明が必須なこととされている
が、これまで有効な無侵襲的局所刺激法は皆無で
あつた。本発明では、これまでに述べたように、
無侵襲かつ局所的に神経系を始めとする被刺激性
組織に有効な刺激を得る方法と手段を与えること
ができるので、本発明の適用によつて、脳機能等
の解明が飛躍的に進展し、その結果、従来にない
高度な情報処理技術や新機能体、新エネルギー技
術を実現するために大いなる寄与が可能となる等
の顕著な効果が得られる。
なお、本発明は超音波に限定されず、超低周波
帯から超高周波の音波全域に及ぶ。
【図面の簡単な説明】
第1図はアメフラシの神経系の分布図、第2図
はアメフラシの腹部神経節内の概念図、第3図は
アメフラシの腹部神経中枢部に集束超音波刺激を
与える実験の概念図、第4図はアメフラシの腹部
神経節に超音波を照与する前と後の発火状態の変
化を示す図、第5図はサイレント細胞の超音波刺
激による発火状態の変化を示す図、第6図はアメ
フラシの傍神経節の一部に超音波を照与して興奮
を発火させ、神経線維を介して、腹部神経部の一
細胞に刺入したガラス電極に発生する活動電位
(Actin Potential)によつて興奮が伝播されてい
ることを知る本発明実施例の実験装置を示す概念
図、第7図はアメフラシの傍神経節から神経線維
を介して腹部神経節の神経細胞に興奮が伝播する
ことを、超音波照射前と後の発火状態の変化で示
す図である。 1……視神経、2……嗅角神経、3……口球神
経節、4……傍神経節、5……足神経節、6……
腹部神経節(右)、7……腹部神経節(左)、8…
…えら神経、9……えら神経節、10……生殖器
神経節、11……紫汁腺神経、31……傍・腹部
結合神経(右)、32……傍・腹部結合神経
(左)、33……結合組織被膜、34……水管神
経、35……生殖器心臓神経、36……えら神
経、37……神経細胞、41……神経節、42…
…海水、43……サブストレート、44……超音
波発振子、45……極細ガラス電極、46……
水、47……励振器、R1,R2,L1……無放
電型、R3〜R8……規則放電型、R15,R1
6,L6〜L8,L11………不規則放電型、L
2〜L4……群発放電型。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 生体の神経あるいは被刺激性組織に直接接触
    することなく媒質を介して、前記生体の外部から
    刺激する音波を発生する音波発振体と、 該音波発振体から発せられる音波の強度、照与
    時間、または位相、振幅、周波数を指定の値に調
    整する調整手段と、 前記神経あるいは被刺激性組織が前記音波によ
    り発火を昴進または抑制しているか否かを検知す
    る検知手段と を具備したことを特徴とする神経あるいは被刺激
    性組織の刺激装置。 2 特許請求の範囲第1項記載の装置において、 前記音波発振体は前記音波の指向性を鋭くし
    て、前記生体の目的部位だけに投射できるような
    球面の一部、あるいは円筒面の一部または全部か
    らなる形状を有することを特徴とする神経あるい
    は被刺激性組織の刺激装置。 3 特許請求の範囲第1項記載の装置において、 光学的焦点に配置した前記音波発振体から発す
    る音波を反射あるいは透過により他の焦点に集中
    あるいは収束せしめるような幾何学的曲面を有す
    る音波集中収束手段を前記音波発振体の周辺に具
    備したことを特徴とする神経あるいは被刺激性組
    織の刺激装置。 4 特許請求の範囲第1項ないし第3項のいずれ
    かの項に記載の装置において、 前記音波発振体は、圧電、電歪または磁歪によ
    る振動子を用いたもの、あるいは動電形変換器、
    コンデンサ変形換器、電磁誘導形変換器、放電衝
    撃式発振器、サイレン型発振器、ハルトマン噴気
    発音器、渦発生発音機、ノズル噴射発生機、キヤ
    ビテーシヨン発生機、光弾性による発振体光音響
    機構、熱音響機構、弾性体振動機構のいずれかに
    より音波を発振せしめる構造を有することを特徴
    とする神経あるいは被刺激性組織の刺激装置。 5 特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれ
    かの項に記載の装置において、 前記検知手段は微小電位、微小音波、微小磁
    束、微小光、微小圧力、微小電気量、微小熱量、
    微小変位、神経伝達物質、分泌物、排出物のいず
    れかによつて捕捉される興奮を検知することを特
    徴とする神経あるいは被刺激性組織の刺激装置。 6 特許請求の範囲第1項ないし第4項のいずれ
    かの項に記載の装置において、 前記検知手段は前記生体の視覚、聴覚、触覚、
    味覚、嗅覚、その他の体性感覚、意識および行動
    のいずれかの変化を感知することにより前記興奮
    を検知することを特徴とする神経あるいは被刺激
    性組織の刺激装置。
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