JPH0355408B2 - - Google Patents
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- JPH0355408B2 JPH0355408B2 JP16089286A JP16089286A JPH0355408B2 JP H0355408 B2 JPH0355408 B2 JP H0355408B2 JP 16089286 A JP16089286 A JP 16089286A JP 16089286 A JP16089286 A JP 16089286A JP H0355408 B2 JPH0355408 B2 JP H0355408B2
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- catalyst
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- tetrachlorosilane
- silica
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- Silicon Compounds (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、テトラクロロシランの脱塩素水素化
反応によるトリクロロシランの製造方法に関す
る。 半導体工業においては高純度ケイ素が大量に用
いられており、それを製造するためには、一般に
粗シリコンを塩化水素と反応させてトリクロロシ
ランを作り、これを蒸溜精製し高純度トリクロロ
シランとした後、1000〜1300℃の高温下で水素還
元分解して半導体用高純度シリコンを製造してい
る。前記の粗シリコンを塩化水素と反応させる際
にはかなりの量のテトラクロロシランが副生す
る。このテトラクロロシランを水素還元しても高
純度シリコンを製造することはできるが、反応速
度が遅く、しかも反応率が低いことから、この方
法は工業的にはほとんど採用されていない。さら
に、トリクロロシランはシリコーン樹脂工業にお
ける原料物質として広く使用されているので、テ
トラクロロシランよりもトリクロロシランの形の
方が有用である。以上の背景から、テトラクロロ
シランよりトリクロロシランを製造する方法が各
種試みられている。 (従来技術とその問題点) 先行するテトラクロロシランよりトリクロロシ
ランを製造する技術としては、銅または塩化銅を
触媒として、水素存在下でテトラクロロシランを
トリクロロシランに水素化する技術(特開昭58−
161915、特開昭56−73617、特開昭59−45919な
ど)がある。また、白金族金属を含む触媒を用い
て、水素気流中、450℃〜1100℃の温度範囲にお
いて、水素とのモル比1〜1/40の範囲でテトラ
クロロシランを前記触媒との接触時間1〜300秒
の範囲で通過させてトリクロロシランを製造する
技術(特公昭55−10532)がある。しかしながら、
塩化銅を触媒に用いた場合はもちろん、銅を触媒
に用いた場合においても反応過程で塩化銅が生成
し、これらの塩化銅が反応条件下で揮発性である
ためにトリクロロシランに混入して製品純度を下
げ、しかも触媒を消耗することになるので、銅ま
たは塩化銅の触媒を使用する反応では長期の操業
を行うことができない。一方、白金族金属を含む
触媒を使用する技術においては、その触媒が白金
族金属を活性炭、アルミナ、シリカに担持したも
のとして使用されているが、そこで使用されてい
る担体は多孔質である活性炭を使用し、またアル
ミナとしてγ−アルミナを使用していて、シリカ
も通常用いられる多孔質のシリカゲルなどを使用
するものとみられる。ところで、この触媒の場
合、触媒成分の白金族金属は銅などのようには消
耗しないが、担体が消耗し、活性が低下するの
で、長期の操業を行うことができない。 (問題点を解決するための手段) 工業生産の場合、連続的にしかも長期間一定品
質の製品を取得することは極めて重要なポイント
である。本発明者らは白金族金属を触媒とするト
リクロロシランの製造技術の優秀性に着目し、工
業化の観点から長期使用に耐える触媒とそれを使
用する反応の条件についての研究開発を永年に亘
つて進めてきたが、非多孔質のシリカ担体に白金
族金属および白金族金属ケイ化物からなる群より
選ばれた少くとも一つを担持した触媒を用いて、
反応温度500〜1100℃、水素/テトラクロロシラ
ンのモル比0.5〜40で長期間しかも連続的にトリ
クロロシランを製造する方法を発明するに至つ
た。 (作用) 反応に使用する触媒においては、表面積が大き
いもの程触媒活性が大きいという関係にあるた
め、担体にも表面積の大きいものを使用するのが
技術常識であるところ、本発明はこの常識に反す
る手段を取るものであるが、これはテトラクロロ
シランの脱ハロゲン水素化反応においては担体に
高表面積のシリカを用いた場合シリカが反応性に
富み侵され易く、著しく消耗して触媒成分の担持
作用が十分でなくなり、短時間に触媒の活性を失
うことを見い出したことによるものである。例え
ば、表面積250m2/gのパラジウム担持シリカゲ
ルを触媒として用いて反応を行わせると、反応開
始後約100時間で触媒のほとんどがテトラクロロ
シランおよび水素と反応して消失してしまい、触
媒活性が失われる。この理由は、シリカ表面にお
いてパラジウムは微細な粒子状で均一に分散担持
されているので、その触媒による脱ハロゲン水素
化のさいに活性化された多量のシリカ表面が短時
間で反応するためであつて、そのような欠点をな
くし、長寿命の触媒をつくるためには担体である
シリカの表面積を減少させることが必要である。
例えば、シリカ担体として表面積が1〜10m2/g
のシリカレンガを用いた場合には反応後100時間
では触媒活性の低下はほとんどないが、レンガの
バインダーとして用いられるシリカが反応消失す
る為強度が低下し、ついには粉化するので使用に
耐えない。それに対し、本発明のごとく非多孔質
のシリカ担体を用いて反応を行う場合には、触媒
活性の低下はほとんどなく、またシリカの反応消
失も実質上無視しえる量になるから、担体強度の
低下も実質上ほとんどないので、長期間の操業を
行うことができる。 本発明に使用する触媒の担体に用いられる非多
孔質シリカは、担体のバルク構造に細孔構造がな
いのものであつて、この「非多孔質」とは、
BET表面積測定装置によつて測定したBET表面
積(N2)が1.0m2/g以下のものをいう。非多孔
質のシリカの具内例は、ガラス状の溶融シリカ固
化体であるが、前記した表面積の条件下であつて
も、その範囲内でも活性を増しておくという意味
で、また触媒成分の担持を容易にするという意味
で許容される範囲で表面積を大きくしておく方が
よく、そのために好ましくはガラス状の溶融シリ
カ固化体をフツ化水素酸で少くとも0.1μ以上エツ
チングしたシリカ担体、ガラス状の溶融シリカ固
化体表面をシリコンカーバイドなどの研摩材を用
いて少くとも0.1μ以上研摩したシリカ担体、又は
ガラス状の溶融シリカ固化体表面を高温の水素と
クロロシラン類とを接触させ処理したシリカ担体
が用いられる。また、表面積が150〜300m2/g、
好ましくは180〜250m2/gのシリカゲルを高温下
で結晶化させたシリカ担体を用いてよい。 フツ化水素酸による処理の方法は、エツチング
をすればよく、かならずしも0.1μ以上エツチング
しなくてもよいが、0.1μ以上にすることが好まし
く、0.1μ以上の程度については何ら限定するもの
ではなく、例えばガラス状の溶融シリカ固化体の
シリカ担体1重量部を、50%HFの水溶液0.5重量
部〜5重量部に常温で1〜10時間浸漬することに
より行うことができる。このときシリカ担体の重
量は5〜36wt%減少し、表面に凹凸を生じ色が
白くなる。 また、研摩による処理の方法は、研摩をすれば
よく、かならずしも0.1μ以上研摩しなくてもよい
が、0.1μ以上にすることが好ましく、0.1μ以上の
程度については何ら限定するものではなく、例え
ば通常のくもりガラスの製造に用いられるような
カーボランダムなどの研摩剤を常温で空気で吹き
つけることにより行える。この際表面は微細な凹
凸が生じ白くなる。 更に、高温の水素とクロロシラン類とを用いる
場合は、例えば600〜800℃で水素及びテトラクロ
ロシランの混合ガスをシリカ担体に少くとも100
時間以上接触させることで表面に微細な凹凸を生
じさせることができる。また、クロロシラン類の
水素化反応を行うさいに反応器に触媒とともに熱
媒体として溶融シリカ固化体を充填する場合は、
操業の1サイクルが終了したときに溶融シリカ固
化体を取出して使用すれば、この固化体は前記の
反応中に前述の表面処理が行われているので、シ
リカ担体として効率的である。 触媒成分としては白金族金属および白金族金属
の少くとも一種が用いられる。即ち白金、パラジ
ウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オス
ミウムおよびそれらのケイ化物が用いられるが、
触媒活性が高く、触媒価格が安いという点で好ま
しくはパラジウム、ルテニウムおよびそれらのケ
イ化物からなる群より選ばれる少くとも1つ、よ
り好ましくはパラジウムおよびパラジウムシリサ
イドからなる群より選ばれる少くとも1つが用い
られる。ここで、パラジウムシリサイドとしては
Pd2Siの結晶構造をもつものが好ましく用いられ
る。又これらの触媒成分は、二種以上の組合せで
用いてもよい。例えばパラジウムとルテニウムの
組合せである。 触媒成分としてパラジウムを用いる場合、その
担持量は触媒全重量に対して約0.01〜5.0wt%、
好ましくは約0.1〜1.5wt%であることが必要であ
る。パラジウム担持量が約0.01wt%以下の場合は
触媒活性が十分発揮されず大きな接触時間が必要
となるので好ましくなく、担持量が約5.0wt%を
越えるとコストが高くなるのみでなく、パラジウ
ムのシリカ担体との結合力が弱くなるので、反応
中に触媒成分の剥離を生ずる場合があり、好まし
くない。更に、パラジウムの好ましい担持量は前
述したように約0.1〜0.5wt%であるが、この量を
シリカ担体に担持するときにはパラジウム粒子の
大きさ、分散の程度が適度であり、触媒活性が十
分発揮され、しかもパラジウムとシリカ面の結合
が強固となり、安定な触媒が得られる。触媒成分
としてパラジウム以外のものを使用した場合、そ
の担持量はその成分により多少異なるが、大体パ
ラジウムと同程度の量を使用すればよい。又、二
以上の触媒成分を用いる場合には、全触媒成分と
して上記担持量を満足すればよい。その組合せ及
び担持量比は反応条件等に応じ適宜選択すればよ
い。 本発明で使用する触媒を製造するさいには、シ
リカ担体に触媒成分を均一に担持させるために以
下の方法によることが好ましい。即ち、所定濃度
の白金族金属の塩化物あるいは硝酸塩、またはそ
れらのアンモニア錯塩などの水溶液をシリカ担体
に含浸した後、担体表面上に保持されなかつた水
溶液を除去してそのまま乾燥し、その後還元する
方法によらなければならない。余分の水溶液の除
去は傾斜により除いてもよいが、より好ましくは
減圧濾過や遠心濾過などの方法が用いられる。 この方法を用いないで、過剰な溶液を表面に存
在させたまま触媒をドライアツプすると担持金属
などがむらになつて担持され、しかも金属などの
担体への結合力が弱い部分ができるので、反応中
にその部分が剥離し、好ましない。触媒成分担持
量は以上のような理由から、担持に用いる金属塩
の水溶液濃度によつて決り、所望する担持量によ
つて水溶液の金属塩濃度を選択使用する。触媒成
分担持量が約5wt%を越えた場合反応中の触媒成
分の剥離の原因になり、好ましくない。白金族金
属のケイ化物を担持した触媒は白金族金属が担持
された触媒を四塩化ケイ素などのハロゲン化ケイ
素と水素に400℃〜800℃で接触させることにより
製造することができる。 本発明の方法を実施する反応方式は、触媒形状
などを適当に選択することにより、固体床などの
通常の流通式反応方式で行うことが可能である。
触媒粒子の形状は特に限定されることはないが、
例えば3〜30mmの溶融シリカ、石英破砕体を用い
るのが経済的である。 本発明の反応条件に関しては、反応温度500〜
1100℃、好ましくは700〜900℃、水素圧1〜
20atm、好ましくは1〜10atm、接触時間0.01〜
20秒、好ましくは0.1〜3秒であり、1秒以下で
行うこともできる。また水素/テトラクロロシラ
ンのモル比は0.5〜40、好ましくは2.0〜10を用い
るとよい。 反応温度500℃以下ではトリクロロシランの生
成収率が非常に低く非効率的であり、一方1100℃
以上にするとトリクロロシラン及びテトラクロロ
シランが水素化分解してシリコンが析出し目的を
達成できない。水素圧を上げることによりトリク
ロロシラン生成収率は大きく向上しないので高圧
下での反応は不利である。ただし、加圧すること
により反応器をコンパクトにまとめることができ
るので1〜20atmとするのが好ましい。 接触時間は、0.01秒以下ではトリクロロシラン
への反応率は不十分であるが、反応は20秒以内に
ほとんど完結するので20秒以上の接触時間をとる
と工業的に不利になる。更に有利な接触時間は
0.1〜3秒であり、より好ましくは0.2〜1秒であ
る。水素とテトラクロロシランとのモル比は0.5
以上あることが反応収率向上のために必要である
が、これが40以上になるとテトラクロロシラン及
び生成するトリクロロシランの濃度が希薄になり
過ぎ、反応器当りの収量が低くなるばかりでな
く、冷却による水素とテトラクロロシラン、トリ
クロロシランの分解効率が低下して非効率的であ
る。 以上述べたように、本発明はテトラクロロシラ
ンよりトリクロロシランを長期間収率よく工業的
に得ることができる。本発明では反応途中で触媒
が消耗しないので反応を長期間に亘つて継続する
ことができ、また適切な反応条件の選定によつて
反応を効率よく行うことができる。 (実施例) 次に、本発明の内容をより明瞭に理解しうるよ
う実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら
の実施例によつて限定されるものでない。 なお、下記の実施例及び比較例において、表面
積は柴田科学器械工業(株)製「迅速表面測定装置
SA−100」で測定した。実施例1〜5及び実施例
9で用いた担体の表面積は、いずれも上記装置で
測定して測定限界以下を示した。この測定限界以
下とは0.2m2/g以下であることを意味する。 実施例 1 組成が表1に示される溶融シリカ破砕体をJIS
目開き4.76〜9.52mmメツシユの範囲となるようふ
るい分けた。塩化パラジウムを塩酸酸性下で加熱
溶解して塩化パラジウム濃度100g/の水溶液
の含浸液を調製した。この含浸液を上記のふるい
分けたシリカ担体に含浸させ、シリカ表面に保持
されない余分の含浸液はこう配をつけて除去し、
乾燥後常温の水素を通じ還元した。この時パラジ
ウムの担持量を分析で求めると0.31wt%であつ
た。 このようにして作られた触媒Aを石英反応管に
充填し、固定床流通式反応装置を構成して試験し
た。テトラクロロシランと水素とのモル比1:3
の混合ガスを反応温度800℃、接触時間0.3秒で通
じ、反応ガスをオンラインガスクロマトグラフイ
により分析した。反応開始初期におけるガス分析
値はテトラクロロシラン23.0%、トリクロロシラ
ン2.0%、塩化水素2.0%(この%は容量%であつ
て、以下同じ)で、テトラクロロシランよりトリ
クロロシランへの転化率は8%であつた。時間の
経過に伴つてトリクロロシランの収率は徐々に上
昇し、100時間後テトラクロロシラン21.87%、ト
リクロロシラン3.13%、塩化水素3.13%の分析値
が得られ、転化率は12.5%となつた。その後転化
率はほとんど一定であり、4000時間連続的に反応
を続けたが、触媒活性は低下せず、一定の転化率
が得られた。また、使用済の触媒を抜き出した
が、触媒強度の低下は実質的にみられなかつた。
反応によるトリクロロシランの製造方法に関す
る。 半導体工業においては高純度ケイ素が大量に用
いられており、それを製造するためには、一般に
粗シリコンを塩化水素と反応させてトリクロロシ
ランを作り、これを蒸溜精製し高純度トリクロロ
シランとした後、1000〜1300℃の高温下で水素還
元分解して半導体用高純度シリコンを製造してい
る。前記の粗シリコンを塩化水素と反応させる際
にはかなりの量のテトラクロロシランが副生す
る。このテトラクロロシランを水素還元しても高
純度シリコンを製造することはできるが、反応速
度が遅く、しかも反応率が低いことから、この方
法は工業的にはほとんど採用されていない。さら
に、トリクロロシランはシリコーン樹脂工業にお
ける原料物質として広く使用されているので、テ
トラクロロシランよりもトリクロロシランの形の
方が有用である。以上の背景から、テトラクロロ
シランよりトリクロロシランを製造する方法が各
種試みられている。 (従来技術とその問題点) 先行するテトラクロロシランよりトリクロロシ
ランを製造する技術としては、銅または塩化銅を
触媒として、水素存在下でテトラクロロシランを
トリクロロシランに水素化する技術(特開昭58−
161915、特開昭56−73617、特開昭59−45919な
ど)がある。また、白金族金属を含む触媒を用い
て、水素気流中、450℃〜1100℃の温度範囲にお
いて、水素とのモル比1〜1/40の範囲でテトラ
クロロシランを前記触媒との接触時間1〜300秒
の範囲で通過させてトリクロロシランを製造する
技術(特公昭55−10532)がある。しかしながら、
塩化銅を触媒に用いた場合はもちろん、銅を触媒
に用いた場合においても反応過程で塩化銅が生成
し、これらの塩化銅が反応条件下で揮発性である
ためにトリクロロシランに混入して製品純度を下
げ、しかも触媒を消耗することになるので、銅ま
たは塩化銅の触媒を使用する反応では長期の操業
を行うことができない。一方、白金族金属を含む
触媒を使用する技術においては、その触媒が白金
族金属を活性炭、アルミナ、シリカに担持したも
のとして使用されているが、そこで使用されてい
る担体は多孔質である活性炭を使用し、またアル
ミナとしてγ−アルミナを使用していて、シリカ
も通常用いられる多孔質のシリカゲルなどを使用
するものとみられる。ところで、この触媒の場
合、触媒成分の白金族金属は銅などのようには消
耗しないが、担体が消耗し、活性が低下するの
で、長期の操業を行うことができない。 (問題点を解決するための手段) 工業生産の場合、連続的にしかも長期間一定品
質の製品を取得することは極めて重要なポイント
である。本発明者らは白金族金属を触媒とするト
リクロロシランの製造技術の優秀性に着目し、工
業化の観点から長期使用に耐える触媒とそれを使
用する反応の条件についての研究開発を永年に亘
つて進めてきたが、非多孔質のシリカ担体に白金
族金属および白金族金属ケイ化物からなる群より
選ばれた少くとも一つを担持した触媒を用いて、
反応温度500〜1100℃、水素/テトラクロロシラ
ンのモル比0.5〜40で長期間しかも連続的にトリ
クロロシランを製造する方法を発明するに至つ
た。 (作用) 反応に使用する触媒においては、表面積が大き
いもの程触媒活性が大きいという関係にあるた
め、担体にも表面積の大きいものを使用するのが
技術常識であるところ、本発明はこの常識に反す
る手段を取るものであるが、これはテトラクロロ
シランの脱ハロゲン水素化反応においては担体に
高表面積のシリカを用いた場合シリカが反応性に
富み侵され易く、著しく消耗して触媒成分の担持
作用が十分でなくなり、短時間に触媒の活性を失
うことを見い出したことによるものである。例え
ば、表面積250m2/gのパラジウム担持シリカゲ
ルを触媒として用いて反応を行わせると、反応開
始後約100時間で触媒のほとんどがテトラクロロ
シランおよび水素と反応して消失してしまい、触
媒活性が失われる。この理由は、シリカ表面にお
いてパラジウムは微細な粒子状で均一に分散担持
されているので、その触媒による脱ハロゲン水素
化のさいに活性化された多量のシリカ表面が短時
間で反応するためであつて、そのような欠点をな
くし、長寿命の触媒をつくるためには担体である
シリカの表面積を減少させることが必要である。
例えば、シリカ担体として表面積が1〜10m2/g
のシリカレンガを用いた場合には反応後100時間
では触媒活性の低下はほとんどないが、レンガの
バインダーとして用いられるシリカが反応消失す
る為強度が低下し、ついには粉化するので使用に
耐えない。それに対し、本発明のごとく非多孔質
のシリカ担体を用いて反応を行う場合には、触媒
活性の低下はほとんどなく、またシリカの反応消
失も実質上無視しえる量になるから、担体強度の
低下も実質上ほとんどないので、長期間の操業を
行うことができる。 本発明に使用する触媒の担体に用いられる非多
孔質シリカは、担体のバルク構造に細孔構造がな
いのものであつて、この「非多孔質」とは、
BET表面積測定装置によつて測定したBET表面
積(N2)が1.0m2/g以下のものをいう。非多孔
質のシリカの具内例は、ガラス状の溶融シリカ固
化体であるが、前記した表面積の条件下であつて
も、その範囲内でも活性を増しておくという意味
で、また触媒成分の担持を容易にするという意味
で許容される範囲で表面積を大きくしておく方が
よく、そのために好ましくはガラス状の溶融シリ
カ固化体をフツ化水素酸で少くとも0.1μ以上エツ
チングしたシリカ担体、ガラス状の溶融シリカ固
化体表面をシリコンカーバイドなどの研摩材を用
いて少くとも0.1μ以上研摩したシリカ担体、又は
ガラス状の溶融シリカ固化体表面を高温の水素と
クロロシラン類とを接触させ処理したシリカ担体
が用いられる。また、表面積が150〜300m2/g、
好ましくは180〜250m2/gのシリカゲルを高温下
で結晶化させたシリカ担体を用いてよい。 フツ化水素酸による処理の方法は、エツチング
をすればよく、かならずしも0.1μ以上エツチング
しなくてもよいが、0.1μ以上にすることが好まし
く、0.1μ以上の程度については何ら限定するもの
ではなく、例えばガラス状の溶融シリカ固化体の
シリカ担体1重量部を、50%HFの水溶液0.5重量
部〜5重量部に常温で1〜10時間浸漬することに
より行うことができる。このときシリカ担体の重
量は5〜36wt%減少し、表面に凹凸を生じ色が
白くなる。 また、研摩による処理の方法は、研摩をすれば
よく、かならずしも0.1μ以上研摩しなくてもよい
が、0.1μ以上にすることが好ましく、0.1μ以上の
程度については何ら限定するものではなく、例え
ば通常のくもりガラスの製造に用いられるような
カーボランダムなどの研摩剤を常温で空気で吹き
つけることにより行える。この際表面は微細な凹
凸が生じ白くなる。 更に、高温の水素とクロロシラン類とを用いる
場合は、例えば600〜800℃で水素及びテトラクロ
ロシランの混合ガスをシリカ担体に少くとも100
時間以上接触させることで表面に微細な凹凸を生
じさせることができる。また、クロロシラン類の
水素化反応を行うさいに反応器に触媒とともに熱
媒体として溶融シリカ固化体を充填する場合は、
操業の1サイクルが終了したときに溶融シリカ固
化体を取出して使用すれば、この固化体は前記の
反応中に前述の表面処理が行われているので、シ
リカ担体として効率的である。 触媒成分としては白金族金属および白金族金属
の少くとも一種が用いられる。即ち白金、パラジ
ウム、ルテニウム、ロジウム、イリジウム、オス
ミウムおよびそれらのケイ化物が用いられるが、
触媒活性が高く、触媒価格が安いという点で好ま
しくはパラジウム、ルテニウムおよびそれらのケ
イ化物からなる群より選ばれる少くとも1つ、よ
り好ましくはパラジウムおよびパラジウムシリサ
イドからなる群より選ばれる少くとも1つが用い
られる。ここで、パラジウムシリサイドとしては
Pd2Siの結晶構造をもつものが好ましく用いられ
る。又これらの触媒成分は、二種以上の組合せで
用いてもよい。例えばパラジウムとルテニウムの
組合せである。 触媒成分としてパラジウムを用いる場合、その
担持量は触媒全重量に対して約0.01〜5.0wt%、
好ましくは約0.1〜1.5wt%であることが必要であ
る。パラジウム担持量が約0.01wt%以下の場合は
触媒活性が十分発揮されず大きな接触時間が必要
となるので好ましくなく、担持量が約5.0wt%を
越えるとコストが高くなるのみでなく、パラジウ
ムのシリカ担体との結合力が弱くなるので、反応
中に触媒成分の剥離を生ずる場合があり、好まし
くない。更に、パラジウムの好ましい担持量は前
述したように約0.1〜0.5wt%であるが、この量を
シリカ担体に担持するときにはパラジウム粒子の
大きさ、分散の程度が適度であり、触媒活性が十
分発揮され、しかもパラジウムとシリカ面の結合
が強固となり、安定な触媒が得られる。触媒成分
としてパラジウム以外のものを使用した場合、そ
の担持量はその成分により多少異なるが、大体パ
ラジウムと同程度の量を使用すればよい。又、二
以上の触媒成分を用いる場合には、全触媒成分と
して上記担持量を満足すればよい。その組合せ及
び担持量比は反応条件等に応じ適宜選択すればよ
い。 本発明で使用する触媒を製造するさいには、シ
リカ担体に触媒成分を均一に担持させるために以
下の方法によることが好ましい。即ち、所定濃度
の白金族金属の塩化物あるいは硝酸塩、またはそ
れらのアンモニア錯塩などの水溶液をシリカ担体
に含浸した後、担体表面上に保持されなかつた水
溶液を除去してそのまま乾燥し、その後還元する
方法によらなければならない。余分の水溶液の除
去は傾斜により除いてもよいが、より好ましくは
減圧濾過や遠心濾過などの方法が用いられる。 この方法を用いないで、過剰な溶液を表面に存
在させたまま触媒をドライアツプすると担持金属
などがむらになつて担持され、しかも金属などの
担体への結合力が弱い部分ができるので、反応中
にその部分が剥離し、好ましない。触媒成分担持
量は以上のような理由から、担持に用いる金属塩
の水溶液濃度によつて決り、所望する担持量によ
つて水溶液の金属塩濃度を選択使用する。触媒成
分担持量が約5wt%を越えた場合反応中の触媒成
分の剥離の原因になり、好ましくない。白金族金
属のケイ化物を担持した触媒は白金族金属が担持
された触媒を四塩化ケイ素などのハロゲン化ケイ
素と水素に400℃〜800℃で接触させることにより
製造することができる。 本発明の方法を実施する反応方式は、触媒形状
などを適当に選択することにより、固体床などの
通常の流通式反応方式で行うことが可能である。
触媒粒子の形状は特に限定されることはないが、
例えば3〜30mmの溶融シリカ、石英破砕体を用い
るのが経済的である。 本発明の反応条件に関しては、反応温度500〜
1100℃、好ましくは700〜900℃、水素圧1〜
20atm、好ましくは1〜10atm、接触時間0.01〜
20秒、好ましくは0.1〜3秒であり、1秒以下で
行うこともできる。また水素/テトラクロロシラ
ンのモル比は0.5〜40、好ましくは2.0〜10を用い
るとよい。 反応温度500℃以下ではトリクロロシランの生
成収率が非常に低く非効率的であり、一方1100℃
以上にするとトリクロロシラン及びテトラクロロ
シランが水素化分解してシリコンが析出し目的を
達成できない。水素圧を上げることによりトリク
ロロシラン生成収率は大きく向上しないので高圧
下での反応は不利である。ただし、加圧すること
により反応器をコンパクトにまとめることができ
るので1〜20atmとするのが好ましい。 接触時間は、0.01秒以下ではトリクロロシラン
への反応率は不十分であるが、反応は20秒以内に
ほとんど完結するので20秒以上の接触時間をとる
と工業的に不利になる。更に有利な接触時間は
0.1〜3秒であり、より好ましくは0.2〜1秒であ
る。水素とテトラクロロシランとのモル比は0.5
以上あることが反応収率向上のために必要である
が、これが40以上になるとテトラクロロシラン及
び生成するトリクロロシランの濃度が希薄になり
過ぎ、反応器当りの収量が低くなるばかりでな
く、冷却による水素とテトラクロロシラン、トリ
クロロシランの分解効率が低下して非効率的であ
る。 以上述べたように、本発明はテトラクロロシラ
ンよりトリクロロシランを長期間収率よく工業的
に得ることができる。本発明では反応途中で触媒
が消耗しないので反応を長期間に亘つて継続する
ことができ、また適切な反応条件の選定によつて
反応を効率よく行うことができる。 (実施例) 次に、本発明の内容をより明瞭に理解しうるよ
う実施例に基づいて説明するが、本発明はこれら
の実施例によつて限定されるものでない。 なお、下記の実施例及び比較例において、表面
積は柴田科学器械工業(株)製「迅速表面測定装置
SA−100」で測定した。実施例1〜5及び実施例
9で用いた担体の表面積は、いずれも上記装置で
測定して測定限界以下を示した。この測定限界以
下とは0.2m2/g以下であることを意味する。 実施例 1 組成が表1に示される溶融シリカ破砕体をJIS
目開き4.76〜9.52mmメツシユの範囲となるようふ
るい分けた。塩化パラジウムを塩酸酸性下で加熱
溶解して塩化パラジウム濃度100g/の水溶液
の含浸液を調製した。この含浸液を上記のふるい
分けたシリカ担体に含浸させ、シリカ表面に保持
されない余分の含浸液はこう配をつけて除去し、
乾燥後常温の水素を通じ還元した。この時パラジ
ウムの担持量を分析で求めると0.31wt%であつ
た。 このようにして作られた触媒Aを石英反応管に
充填し、固定床流通式反応装置を構成して試験し
た。テトラクロロシランと水素とのモル比1:3
の混合ガスを反応温度800℃、接触時間0.3秒で通
じ、反応ガスをオンラインガスクロマトグラフイ
により分析した。反応開始初期におけるガス分析
値はテトラクロロシラン23.0%、トリクロロシラ
ン2.0%、塩化水素2.0%(この%は容量%であつ
て、以下同じ)で、テトラクロロシランよりトリ
クロロシランへの転化率は8%であつた。時間の
経過に伴つてトリクロロシランの収率は徐々に上
昇し、100時間後テトラクロロシラン21.87%、ト
リクロロシラン3.13%、塩化水素3.13%の分析値
が得られ、転化率は12.5%となつた。その後転化
率はほとんど一定であり、4000時間連続的に反応
を続けたが、触媒活性は低下せず、一定の転化率
が得られた。また、使用済の触媒を抜き出した
が、触媒強度の低下は実質的にみられなかつた。
【表】
実施例 2
組成が表1に示される溶融シリカ破砕体をJIS
目開き4.76〜9.52mmメツシユの範囲となるようふ
るい分けた。このふるい分けた溶融シリカ破砕体
1重量部を常温で50%フツ化水素酸水溶液2重量
部に4時間浸漬してエツチングを行つた。この際
エツチングによる重量減は23%であつた。エツチ
ング終了後シリカ担体は多量の水で洗浄の後、乾
燥した。次に塩化パラジウムを塩酸酸性下で加熱
溶解して塩化パラジウム100g/の水溶液の含
浸液を調製した。この含浸液を上記のシリカ担体
に含浸させ、シリカ表面に保持されない余分の含
浸液はこう配をつけて除去し、乾燥後常温の水素
を通じ還元した。この時パラジウムの担持量を分
析で求めると、0.42wt%であつた。 このようにして作られた触媒Bを石英反応管に
充填し、固定床流通式反応装置を用いて試験し
た。テトラクロルシランと水素とのモル比1:3
の混合ガスを反応温度800℃、接触時間0.45秒に
通じ、反応ガスをオンラインガスクロマトグラフ
イーにより分析した。反応開始初期におけるガス
分析値は、テトラクロロシラン22.5%、トリクロ
ロシラン2.5%、塩化水素2.5%でテトラクロロシ
ランよりトリクロロシランへの転化率は10%であ
つた。時間経過に伴つてトリクロロシラン収率は
徐々に上昇し、100時間後にはテトラクロロシラ
ン21.2%、トリクロロシラン3.8%、塩化水素3.8
%の分析値が得られ、転化率は15%となつた。そ
の後転化率はほとんど一定であり、4000時間連続
的に反応を続けたが、触媒活性は低下せず一定の
転化率を示した。また、使用済の触媒を抜き出し
たが、触媒強度の低下は実質的にみられなかつ
た。 また、上記のシリカ担体100gを用い、塩化パ
ラジウム濃度100g/の含浸液の120c.c.を含浸
し、加熱ドライアツプすることにより6%パラジ
ウムが担持されている触媒を調製した。この触媒
を用いて上と同じ条件で反応テストを行つた。テ
トラクロロシランのトリクロロシランへの転化率
は15%であつたが、使用後の触媒を抜き出してみ
ると、触媒に担持したパラジウムの90%は剥離し
たので、この加熱ドライアツプの手段は触媒の製
造にはあまり適しない。 実施例 3 実施例2と全く同一の触媒Bを用いて反応試験
を行つた。ただし、反応に先立つてトリクロロシ
ランと水素との混合ガスを700℃で通じて、触媒
に担持されているパラジウムを予めパラジウムシ
リサイドに転換した後、実施例2と全く同一条件
で反応を行つたところ反応開始初期よりテトラク
ロロシランのトリクロロシランへの転化率は15%
であり、4000時間反応は一定の転化率を示した。
使用済触媒はX線回析により分析したところ、
Pd2Siの結晶構造をもつパラジウムシリサイドに
相当するピークが得られた。 実施例 4 4.76〜9.52mmの溶融シリカ破砕体をカーボラン
ダムを空気で吹きつけることにより研摩してシリ
カ担体を調製した。次に含浸液として塩化パラジ
ウム濃度65g/の塩酸酸性水溶液を調製した。
この含浸液を上記のシリカ担体に含浸させ、シリ
カ表面に保持されない余分の含浸液を容器を傾け
ることによつて除去し、乾燥後常温の水素を通じ
還元した。この時パラジウムの担持量を分析で求
めると0.33wt%であつた。 このようにして得た触媒Cを実施例2と同一反
応装置を用いてテストした。テトラクロロシラン
と水素のモル比1:5の混合ゴスを反応温度700
℃、接触時間0.2秒で通じた。定常活性となつた
後の反応ガスはテトラクロロシラン14.7%、トリ
クロロシラン2.3%、塩化水素2.3%であり、転化
率は13.8%であり、4000時間まで活性低下するこ
となく連続運転が可能であつた。 実施例 5 4.76〜9.52mmの溶融シリカ破砕体に800℃でテ
トラクロロシラン及び水素の混合ガスを連続的に
300時間通じて表面処理して、シリカ担体を調製
した。塩化パラジウム濃度100g/の塩酸酸性
含浸溶液をこのシリカ担体に含浸し、表面に保持
されない余剰液を除去し、乾燥後常温の水素を通
じ還元し、触媒Dを調製した。パラジウム担持量
は1.0wt%であつた。この触媒Dを実施例2と同
じ反応装置を用いてテストした。テトラクロロシ
ランと水素とのモル比1:7、反応温度600℃、
接触時間0.5秒で反応を行つたところ、定常活性
となつた後の反応ガスの組成はテトラクロロシラ
ン11.1%、トリクロロシラン1.4%、HCl1.4%で
あり、転化率は11.2%であつた。触媒Dを使用し
た場合も活性低下することなく4000時間の連続運
転が行えた。 比較例 1 表2に示す物性をもつ石英レンガの4.76〜9.52
mmの破砕体を担体に用いて塩化パラジウム濃度50
g/の含浸液を用いて、1%パラジウム担持石
英レンガ触媒(触媒E)を調製した。実施例2と
同じ条件で反応テストを行つた。テトラクロロシ
ランのトリクロロシランへの転化率は、初期には
15%であつたが、反応経過に従つて徐々に低下
し、50時間後に13%、100時間後には12%まで低
下した。100時間経過後の触媒強度は完全に失わ
れており、触媒をとり出そうとする際に粉化して
しまつた。
目開き4.76〜9.52mmメツシユの範囲となるようふ
るい分けた。このふるい分けた溶融シリカ破砕体
1重量部を常温で50%フツ化水素酸水溶液2重量
部に4時間浸漬してエツチングを行つた。この際
エツチングによる重量減は23%であつた。エツチ
ング終了後シリカ担体は多量の水で洗浄の後、乾
燥した。次に塩化パラジウムを塩酸酸性下で加熱
溶解して塩化パラジウム100g/の水溶液の含
浸液を調製した。この含浸液を上記のシリカ担体
に含浸させ、シリカ表面に保持されない余分の含
浸液はこう配をつけて除去し、乾燥後常温の水素
を通じ還元した。この時パラジウムの担持量を分
析で求めると、0.42wt%であつた。 このようにして作られた触媒Bを石英反応管に
充填し、固定床流通式反応装置を用いて試験し
た。テトラクロルシランと水素とのモル比1:3
の混合ガスを反応温度800℃、接触時間0.45秒に
通じ、反応ガスをオンラインガスクロマトグラフ
イーにより分析した。反応開始初期におけるガス
分析値は、テトラクロロシラン22.5%、トリクロ
ロシラン2.5%、塩化水素2.5%でテトラクロロシ
ランよりトリクロロシランへの転化率は10%であ
つた。時間経過に伴つてトリクロロシラン収率は
徐々に上昇し、100時間後にはテトラクロロシラ
ン21.2%、トリクロロシラン3.8%、塩化水素3.8
%の分析値が得られ、転化率は15%となつた。そ
の後転化率はほとんど一定であり、4000時間連続
的に反応を続けたが、触媒活性は低下せず一定の
転化率を示した。また、使用済の触媒を抜き出し
たが、触媒強度の低下は実質的にみられなかつ
た。 また、上記のシリカ担体100gを用い、塩化パ
ラジウム濃度100g/の含浸液の120c.c.を含浸
し、加熱ドライアツプすることにより6%パラジ
ウムが担持されている触媒を調製した。この触媒
を用いて上と同じ条件で反応テストを行つた。テ
トラクロロシランのトリクロロシランへの転化率
は15%であつたが、使用後の触媒を抜き出してみ
ると、触媒に担持したパラジウムの90%は剥離し
たので、この加熱ドライアツプの手段は触媒の製
造にはあまり適しない。 実施例 3 実施例2と全く同一の触媒Bを用いて反応試験
を行つた。ただし、反応に先立つてトリクロロシ
ランと水素との混合ガスを700℃で通じて、触媒
に担持されているパラジウムを予めパラジウムシ
リサイドに転換した後、実施例2と全く同一条件
で反応を行つたところ反応開始初期よりテトラク
ロロシランのトリクロロシランへの転化率は15%
であり、4000時間反応は一定の転化率を示した。
使用済触媒はX線回析により分析したところ、
Pd2Siの結晶構造をもつパラジウムシリサイドに
相当するピークが得られた。 実施例 4 4.76〜9.52mmの溶融シリカ破砕体をカーボラン
ダムを空気で吹きつけることにより研摩してシリ
カ担体を調製した。次に含浸液として塩化パラジ
ウム濃度65g/の塩酸酸性水溶液を調製した。
この含浸液を上記のシリカ担体に含浸させ、シリ
カ表面に保持されない余分の含浸液を容器を傾け
ることによつて除去し、乾燥後常温の水素を通じ
還元した。この時パラジウムの担持量を分析で求
めると0.33wt%であつた。 このようにして得た触媒Cを実施例2と同一反
応装置を用いてテストした。テトラクロロシラン
と水素のモル比1:5の混合ゴスを反応温度700
℃、接触時間0.2秒で通じた。定常活性となつた
後の反応ガスはテトラクロロシラン14.7%、トリ
クロロシラン2.3%、塩化水素2.3%であり、転化
率は13.8%であり、4000時間まで活性低下するこ
となく連続運転が可能であつた。 実施例 5 4.76〜9.52mmの溶融シリカ破砕体に800℃でテ
トラクロロシラン及び水素の混合ガスを連続的に
300時間通じて表面処理して、シリカ担体を調製
した。塩化パラジウム濃度100g/の塩酸酸性
含浸溶液をこのシリカ担体に含浸し、表面に保持
されない余剰液を除去し、乾燥後常温の水素を通
じ還元し、触媒Dを調製した。パラジウム担持量
は1.0wt%であつた。この触媒Dを実施例2と同
じ反応装置を用いてテストした。テトラクロロシ
ランと水素とのモル比1:7、反応温度600℃、
接触時間0.5秒で反応を行つたところ、定常活性
となつた後の反応ガスの組成はテトラクロロシラ
ン11.1%、トリクロロシラン1.4%、HCl1.4%で
あり、転化率は11.2%であつた。触媒Dを使用し
た場合も活性低下することなく4000時間の連続運
転が行えた。 比較例 1 表2に示す物性をもつ石英レンガの4.76〜9.52
mmの破砕体を担体に用いて塩化パラジウム濃度50
g/の含浸液を用いて、1%パラジウム担持石
英レンガ触媒(触媒E)を調製した。実施例2と
同じ条件で反応テストを行つた。テトラクロロシ
ランのトリクロロシランへの転化率は、初期には
15%であつたが、反応経過に従つて徐々に低下
し、50時間後に13%、100時間後には12%まで低
下した。100時間経過後の触媒強度は完全に失わ
れており、触媒をとり出そうとする際に粉化して
しまつた。
【表】
比較例 2
表3に示すシリカゲルにパラジウムを1%担持
した触媒Fを用いて実施例2と同じ条件で反応テ
ストを行つた。テトラクロロシランのトリクロロ
シランへの転化率は初期には15%であつたが、反
応経過に従つて低下し、30時間後には8%、50時
間後には6.5%、100時間後には4%まで低下し
た。100時間後触媒をとり出したところ、触媒は
形状をとどめずほとんど粉化しており、また触媒
重量の93.8wt%が減少消失していた。
した触媒Fを用いて実施例2と同じ条件で反応テ
ストを行つた。テトラクロロシランのトリクロロ
シランへの転化率は初期には15%であつたが、反
応経過に従つて低下し、30時間後には8%、50時
間後には6.5%、100時間後には4%まで低下し
た。100時間後触媒をとり出したところ、触媒は
形状をとどめずほとんど粉化しており、また触媒
重量の93.8wt%が減少消失していた。
【表】
実施例 6
表4に示すシリカゲルを950℃で3時間加熱処
理したところ表5に示す結晶化シリカゲルが得ら
れた。X線回析法で分析すると、アモルフアスの
シリカがクリスバライトとトリジマイトの混合物
になつたことが確認された。この結晶化シリカゲ
ルにパラジウムを1%担持した触媒Gを用いてテ
トラクロロシランの脱塩素水素化テストを実施例
2と同じ装置を用いて行つた。H2/テトラクロ
ロシランのモル比=7.0、反応温度800℃、接触時
間0.5秒で行つたところ、テトラクロロシランの
トリクロロシランへの転化率は20%であり、1000
時間連続テストを行つたが転化率の低下は全く見
られなかつた。
理したところ表5に示す結晶化シリカゲルが得ら
れた。X線回析法で分析すると、アモルフアスの
シリカがクリスバライトとトリジマイトの混合物
になつたことが確認された。この結晶化シリカゲ
ルにパラジウムを1%担持した触媒Gを用いてテ
トラクロロシランの脱塩素水素化テストを実施例
2と同じ装置を用いて行つた。H2/テトラクロ
ロシランのモル比=7.0、反応温度800℃、接触時
間0.5秒で行つたところ、テトラクロロシランの
トリクロロシランへの転化率は20%であり、1000
時間連続テストを行つたが転化率の低下は全く見
られなかつた。
【表】
【表】
比較例 3
表6に示すシリカゲルを用いて950℃で3時間
熱処理したところ結晶化は起らなかつた。表7に
示すシリカゲルを用いて950℃で3時間熱処理し
たところ結晶化は起らなかつた。
熱処理したところ結晶化は起らなかつた。表7に
示すシリカゲルを用いて950℃で3時間熱処理し
たところ結晶化は起らなかつた。
【表】
【表】
実施例 7
実施例2と同様にフツ化水素酸処理をしたシリ
カ担体を用いて0.4%ルテニウムを担持した触媒
Hを調製した。触媒Hを実施例2と全く同一条件
でテストしたところテトラクロロシランのトリク
ロロシランへの転化率は10%であり、1000時間連
続テストを行つたが、転化率の低下は見られなか
つた。 実施例 8 実施例2と同様にフツ化水素酸処理をしたシリ
カ担体を用いて0.4%白金を担持した触媒を調
製した。触媒を実施例2と全く同一条件でテス
トしたところ、テトラクロロシランのトリクロロ
シランへの転化率は4%であり、1000時間連続テ
ストを行つたが、転化率の低下は見られなかつ
た。 実施例 9 4.76〜9.52mmの溶融シリカ破砕体に塩化パラジ
ウム100g/及び塩化ルテニウム100g/の
1:1混合含浸液を用いて含浸し、シリカ表面に
保持されない余分の含浸液を除去したのちに乾燥
し、水素還元することにより0.3wt%パラジウム
−0.3wt%ルテニウムの担持触媒Jを調製した。
この触媒を用いてテトラクロロシランと水素との
モル比1:5の混合ガスを反応温度750℃、接触
時間0.25秒で通じた。定常活性となつた後の反応
ガスはテトラクロロシラン14.1%トリクロロシラ
ン2.6%、塩化水素2.6%となり、転化率15.6%で
あり、1000時間連続テストを行つたが、活性の低
下は見られなかつた。
カ担体を用いて0.4%ルテニウムを担持した触媒
Hを調製した。触媒Hを実施例2と全く同一条件
でテストしたところテトラクロロシランのトリク
ロロシランへの転化率は10%であり、1000時間連
続テストを行つたが、転化率の低下は見られなか
つた。 実施例 8 実施例2と同様にフツ化水素酸処理をしたシリ
カ担体を用いて0.4%白金を担持した触媒を調
製した。触媒を実施例2と全く同一条件でテス
トしたところ、テトラクロロシランのトリクロロ
シランへの転化率は4%であり、1000時間連続テ
ストを行つたが、転化率の低下は見られなかつ
た。 実施例 9 4.76〜9.52mmの溶融シリカ破砕体に塩化パラジ
ウム100g/及び塩化ルテニウム100g/の
1:1混合含浸液を用いて含浸し、シリカ表面に
保持されない余分の含浸液を除去したのちに乾燥
し、水素還元することにより0.3wt%パラジウム
−0.3wt%ルテニウムの担持触媒Jを調製した。
この触媒を用いてテトラクロロシランと水素との
モル比1:5の混合ガスを反応温度750℃、接触
時間0.25秒で通じた。定常活性となつた後の反応
ガスはテトラクロロシラン14.1%トリクロロシラ
ン2.6%、塩化水素2.6%となり、転化率15.6%で
あり、1000時間連続テストを行つたが、活性の低
下は見られなかつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 テトラクロロシラン及び水素を含むガスから
接触水素化によりトリクロロシランを製造する方
法において、 (a) 非多孔質シリカに白金族金属および白金族金
属のケイ化物からなる群より選ばれた少くとも
1つを担持した触媒の存在下、 (b) 反応温度 500〜1100℃ (c) 水素/テトラクロロシランのモル比 0.5〜
40 で反応を行うことを特徴とするトリクロロシラン
の製造方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16089286A JPS6325211A (ja) | 1986-07-10 | 1986-07-10 | トリクロロシランの製造方法 |
| DE8787109942T DE3782213T2 (de) | 1986-07-10 | 1987-07-09 | Verfahren zur enthalogenierung eines halogenids und katalysator hierfuer. |
| EP87109942A EP0255877B1 (en) | 1986-07-10 | 1987-07-09 | Method for dehalogenation of a halide and catalyst used therefor |
| US07/071,964 US4956326A (en) | 1986-07-10 | 1987-07-10 | Method for dehalogenation of a halide and catalyst used therefor |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP16089286A JPS6325211A (ja) | 1986-07-10 | 1986-07-10 | トリクロロシランの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6325211A JPS6325211A (ja) | 1988-02-02 |
| JPH0355408B2 true JPH0355408B2 (ja) | 1991-08-23 |
Family
ID=15724619
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP16089286A Granted JPS6325211A (ja) | 1986-07-10 | 1986-07-10 | トリクロロシランの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6325211A (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2667516B2 (ja) * | 1989-06-19 | 1997-10-27 | 日本トムソン株式会社 | 有限直動案内ユニット |
| JPH0312616U (ja) * | 1989-06-22 | 1991-02-08 | ||
| DE102005046703A1 (de) * | 2005-09-29 | 2007-04-05 | Wacker Chemie Ag | Verfahren und Vorrichtung zur Hydrierung von Chlorsilanen |
| WO2008062629A1 (fr) * | 2006-11-21 | 2008-05-29 | Mitsubishi Materials Corporation | Appareil pour la fabrication de trichlorosilane |
| WO2011080837A1 (ja) | 2009-12-28 | 2011-07-07 | 株式会社中田製作所 | タークスヘッドスタンド |
| DE102010000980A1 (de) * | 2010-01-18 | 2011-07-21 | Evonik Degussa GmbH, 45128 | Katalytische Systeme zur kontinuierlichen Umsetzung von Siliciumtetrachlorid zu Trichlorsilan |
| USRE46657E1 (en) * | 2010-12-17 | 2018-01-02 | Dow Corning Corporation | Method of making a trihalosilane |
-
1986
- 1986-07-10 JP JP16089286A patent/JPS6325211A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6325211A (ja) | 1988-02-02 |
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