JPH0443096B2 - - Google Patents
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- JPH0443096B2 JPH0443096B2 JP14697184A JP14697184A JPH0443096B2 JP H0443096 B2 JPH0443096 B2 JP H0443096B2 JP 14697184 A JP14697184 A JP 14697184A JP 14697184 A JP14697184 A JP 14697184A JP H0443096 B2 JPH0443096 B2 JP H0443096B2
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
- Graft Or Block Polymers (AREA)
Description
本発明は、陰イオン交換基が導入可能な高分子
polyAと芳香族環をもつ高分子polyBとを成分の
一部または全体とする原ブロツク共重合体から両
性イオン交換体を製造する新しい方法に関する。 近年、多相構造を有する材料は、均質材料には
ない特異的な機能を発現しうるが故に医用材料や
分離膜用の材料として注目されている。これらの
中で陽イオン交換基をもつミクロ領域と陰イオン
交換基をもつミクロ領域とが同時に存在してなる
両性イオン交換体は、両方の固定荷電の効果によ
り医用材料としては抗血栓性や細胞親和性、分離
膜としては高いイオンの透過性が期待でき、これ
らの分野で様々な用途が見込まれる。 こうしたミクロな多相構造をもつ両性イオン交
換体の製造は、ブロツク共重合体におけるミクロ
相分離現象を利用すれば可能となる。(例えば、
公開特許公報昭56−76408)この場合、陰イオン
交換基の導入可能な高分子と陽イオン交換基の導
入可能な高分子を成分ブロツクとする原ブロツク
共重合体を成型後、ミクロ相分離したそれぞれの
ドメインに陰、陽のイオン交換置を導入して行わ
れる。これらのうち、陽イオン交換基の導入は、
芳香族環をもつ高分子(例えばポリスチレン)の
スルホン化あるいはエステル基をもつ高分子(例
えば、ポリメタクリル酸メチル)を加水分解して
行われるが、濃硫酸やクロルスルホン酸や発煙硫
酸を用いる通常のスルホン化は反応が過激で、反
応時に材料を変形させたりミクロ構造を乱す恐れ
があり、一方、エステル基のような極性基をもつ
モノマーを用いた場合、分子量分布の狭いブロツ
ク共重合体を得ることが難しくなる。 本発明は、かかる問題を解決し性能の優れた両
性イオン交換体を得る目的でなされた。すなわ
ち、本発明者らは、鋭意研究の末、陰イオン交換
基が導入可能な高分子polyAと芳香族環をもつ高
分子polyBとを成分の一部または全体とする原ブ
ロツク共重合体から、両性イオン交換体を得るに
際して、polyA部分に陰イオン交換基を導入する
工程とフリーデル・クラフツ触媒の存在下、酸ハ
ロゲン化物基を2個以上あるいは酸無水物基を1
個以上あるいは、これに両者を1個以上有する多
官能性化合物または、ホスゲンを作用させる工程
とを行うことにより、初期のミクロ構造が保たれ
た両性イオン交換体が得られることを見い出し
た。 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明で用いる原ブロツク共重合体を構成する
高分子のうち陰イオン交換膜が導入可能な高分子
polyAとは、含窒素複素環あるいは3級アミノ基
をもつ高分子であり、例えば、次のモノマー群A
から選ばれるモノマーの重合体である。 モノマー群A:2−ビニルピリジン、4−ビニ
ルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン等
のビニルピリジン類、ビニルピリミジン類、ビニ
ルキノリン類、ビニルカルバゾール類、ビニルイ
ミダゾール類、 で表わされるo,m,p−ビニルフエニルアルキ
レンジアルキルアミン類、 で表わされるジアルキルアミノアルキルアクリレ
ート類、 で表わされるジアルキルアクリルアミド類 (ただし、R1とR2は各々酸素数が1から12の
アルキル基、R3は水素原子あるいは炭素数1か
ら12のアルキル基、aは1から3の整数、bは2
または3である。) また、polyAは、ポリスチレンあるいはポリ
(α−メチルスチレン)等芳香族環をもつ高分子
のハロメチル化物であつてもよい。 また、本発明で用いる原ブロツク共重合体を構
成する高分子のうち芳香族環をもつ高分子polyB
とは、例えば次のモノマー群Bの重合体である。 モノマー群B:一般式〔1〕から〔3〕であら
わされるモノマー (ただし、R4は水素、メチル基あるいはビニ
ル基、R5は水素あるいは炭素数1から12のアル
キル基、xはハロゲン、Arは芳香環を表わす。) 本発明で用いる原ブロツク共重合体は、上記の
polyAとpolyBの他にイオン交換性の官能基をも
たない高分子polyCをその成分ブロツクに含んで
もよい。このpolyCを構成するモノマーは、例え
ば、ブタジエン、イソブレン、ペンタジエン、シ
クロヘキサジエン等のジエン系モノマーであれば
よい。このようなジエン系モノマーからなる高分
子は、公知の方法で容易に架橋できるため、これ
らをブロツク共重合体の成分ブロツクに含めれ
ば、得られる両性イオン交換体の機械的強度を高
めたり、ミクロ相構造を安定化させることができ
る。 本発明で用いるフリーデル・クラフツ触媒と
は、AlCl3,SbCl5,FeCl3,TeCl2,SnCl4、
TiCl4,BiCl3,ZnCl2,BF3,HF,H2SO4,P2
O5,H3PO4等の化学式で表わされる化合物であ
り、これらはルイス酸として知られているもので
ある。 本発明で用いる多官能性化合物は、炭素原子数
が3から20の芳香族系、飽和脂肪族系、不飽和脂
肪族系、複素環族系のいずれかの構造のもので、
酸ハロゲン化物基を2個以上あるいは酸ハロゲン
化物基と酸無水物基とをそれぞれ1個以上有する
必要がある。ここで言う酸ハロゲン化物基とは、
例えば、カルボニルハライド基(−COX)やス
ルホニルハライド基(SO2X)であり、酸無水物
基とは、カルボン酸無水物基
polyAと芳香族環をもつ高分子polyBとを成分の
一部または全体とする原ブロツク共重合体から両
性イオン交換体を製造する新しい方法に関する。 近年、多相構造を有する材料は、均質材料には
ない特異的な機能を発現しうるが故に医用材料や
分離膜用の材料として注目されている。これらの
中で陽イオン交換基をもつミクロ領域と陰イオン
交換基をもつミクロ領域とが同時に存在してなる
両性イオン交換体は、両方の固定荷電の効果によ
り医用材料としては抗血栓性や細胞親和性、分離
膜としては高いイオンの透過性が期待でき、これ
らの分野で様々な用途が見込まれる。 こうしたミクロな多相構造をもつ両性イオン交
換体の製造は、ブロツク共重合体におけるミクロ
相分離現象を利用すれば可能となる。(例えば、
公開特許公報昭56−76408)この場合、陰イオン
交換基の導入可能な高分子と陽イオン交換基の導
入可能な高分子を成分ブロツクとする原ブロツク
共重合体を成型後、ミクロ相分離したそれぞれの
ドメインに陰、陽のイオン交換置を導入して行わ
れる。これらのうち、陽イオン交換基の導入は、
芳香族環をもつ高分子(例えばポリスチレン)の
スルホン化あるいはエステル基をもつ高分子(例
えば、ポリメタクリル酸メチル)を加水分解して
行われるが、濃硫酸やクロルスルホン酸や発煙硫
酸を用いる通常のスルホン化は反応が過激で、反
応時に材料を変形させたりミクロ構造を乱す恐れ
があり、一方、エステル基のような極性基をもつ
モノマーを用いた場合、分子量分布の狭いブロツ
ク共重合体を得ることが難しくなる。 本発明は、かかる問題を解決し性能の優れた両
性イオン交換体を得る目的でなされた。すなわ
ち、本発明者らは、鋭意研究の末、陰イオン交換
基が導入可能な高分子polyAと芳香族環をもつ高
分子polyBとを成分の一部または全体とする原ブ
ロツク共重合体から、両性イオン交換体を得るに
際して、polyA部分に陰イオン交換基を導入する
工程とフリーデル・クラフツ触媒の存在下、酸ハ
ロゲン化物基を2個以上あるいは酸無水物基を1
個以上あるいは、これに両者を1個以上有する多
官能性化合物または、ホスゲンを作用させる工程
とを行うことにより、初期のミクロ構造が保たれ
た両性イオン交換体が得られることを見い出し
た。 以下に本発明を詳細に説明する。 本発明で用いる原ブロツク共重合体を構成する
高分子のうち陰イオン交換膜が導入可能な高分子
polyAとは、含窒素複素環あるいは3級アミノ基
をもつ高分子であり、例えば、次のモノマー群A
から選ばれるモノマーの重合体である。 モノマー群A:2−ビニルピリジン、4−ビニ
ルピリジン、2−メチル−5−ビニルピリジン等
のビニルピリジン類、ビニルピリミジン類、ビニ
ルキノリン類、ビニルカルバゾール類、ビニルイ
ミダゾール類、 で表わされるo,m,p−ビニルフエニルアルキ
レンジアルキルアミン類、 で表わされるジアルキルアミノアルキルアクリレ
ート類、 で表わされるジアルキルアクリルアミド類 (ただし、R1とR2は各々酸素数が1から12の
アルキル基、R3は水素原子あるいは炭素数1か
ら12のアルキル基、aは1から3の整数、bは2
または3である。) また、polyAは、ポリスチレンあるいはポリ
(α−メチルスチレン)等芳香族環をもつ高分子
のハロメチル化物であつてもよい。 また、本発明で用いる原ブロツク共重合体を構
成する高分子のうち芳香族環をもつ高分子polyB
とは、例えば次のモノマー群Bの重合体である。 モノマー群B:一般式〔1〕から〔3〕であら
わされるモノマー (ただし、R4は水素、メチル基あるいはビニ
ル基、R5は水素あるいは炭素数1から12のアル
キル基、xはハロゲン、Arは芳香環を表わす。) 本発明で用いる原ブロツク共重合体は、上記の
polyAとpolyBの他にイオン交換性の官能基をも
たない高分子polyCをその成分ブロツクに含んで
もよい。このpolyCを構成するモノマーは、例え
ば、ブタジエン、イソブレン、ペンタジエン、シ
クロヘキサジエン等のジエン系モノマーであれば
よい。このようなジエン系モノマーからなる高分
子は、公知の方法で容易に架橋できるため、これ
らをブロツク共重合体の成分ブロツクに含めれ
ば、得られる両性イオン交換体の機械的強度を高
めたり、ミクロ相構造を安定化させることができ
る。 本発明で用いるフリーデル・クラフツ触媒と
は、AlCl3,SbCl5,FeCl3,TeCl2,SnCl4、
TiCl4,BiCl3,ZnCl2,BF3,HF,H2SO4,P2
O5,H3PO4等の化学式で表わされる化合物であ
り、これらはルイス酸として知られているもので
ある。 本発明で用いる多官能性化合物は、炭素原子数
が3から20の芳香族系、飽和脂肪族系、不飽和脂
肪族系、複素環族系のいずれかの構造のもので、
酸ハロゲン化物基を2個以上あるいは酸ハロゲン
化物基と酸無水物基とをそれぞれ1個以上有する
必要がある。ここで言う酸ハロゲン化物基とは、
例えば、カルボニルハライド基(−COX)やス
ルホニルハライド基(SO2X)であり、酸無水物
基とは、カルボン酸無水物基
【式】や
スルホン酸無水物基
【式】である。た
だし、Xはハロゲン原子を意味し、特に塩素ある
いは臭素であることが好ましい。高密度の陽イオ
ン交換基を膜中に導入するためには、上記の官能
基を数多くもつ多官能性化合物が有効である。 以上述べた多官能性化合物のうち酸無水物基を
もたないものの代表例を次に挙げる。
いは臭素であることが好ましい。高密度の陽イオ
ン交換基を膜中に導入するためには、上記の官能
基を数多くもつ多官能性化合物が有効である。 以上述べた多官能性化合物のうち酸無水物基を
もたないものの代表例を次に挙げる。
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
(ただし、R6は−CH2−,−O−,−SO2−,
【式】で表わされる結合単位である。)
さらに本発明で用いる酸無水物基をもつ多官能
性化合物の代表例を次に挙げる。
性化合物の代表例を次に挙げる。
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
【式】
本発明では、陰イオン交換基が導入可能な高分
子polyAと芳香族環をもつ高分子polyBとを成分
の一部または全体とする原ブロツク共重合体を用
い、その成型工程、polyA部分に陰イオン交換基
を導入してこの部分を陰イオン交換基をもつ高分
子polyA〜+とする工程、必要な場合成型物を架橋
する工程、フリーデル・クラフツ触媒の存在下、
上記の多官能性化合物を作用させてpolyB部分を
陽イオン交換基をもつ高分子polyB〜-とする工程
とを行えば、目的とする両性イオン交換体を得る
ことができる。ただし、成型工程は、架橋工程お
よび少なくとも片方のイオン交換基の導入工程の
前に行う必要がある。 ブロツク共重合体は、よく知られているように
それぞれの成分ブロツクから構成され、ブロツク
の長さによつて規定されるサイズのドメインから
なるミクロ相分離構造を形成する。このとき形成
される相の代表的な形態は、ラメラ状、球状、棒
状であるが、これはブロツク共重合体の組成、成
型に用いる溶媒の種類、成型時の温度等によつて
決定される。従つて、上記の方法により、陽イオ
ン交換基をもつ領域と陰イオン交換基をもつ領域
とを同時に有する材料を製造することが可能とな
る。この方法では濃硫酸、クロルスルホン酸、発
煙流酸を用いる激しいスルホン化反応を行わない
ので、材料を変形させたり、はじめのミクロ相分
離構造を乱す恐れが少ない。 本発明で用いるブロツク共重合体の例として、
陰イオン交換基を導入可能な高分子polyAと陽イ
オン交換基を導入可能な高分子polyBとが、
(polyA−polyB)o,(polyA−polyB))−opolyA,
polyB(−polyA−polyB)o(いずれもnは1以上
の整数)のように結合されたもの、あるいは、こ
れら両方の高分子とイオン交換基を導入しない高
分子polyCが、polyA−polyB−polyC,polyB−
polyA−polyC,polyA−polyC−polyB,polyA
−polyB−polyC−polyB,polyB−polyA−
polyC−polyA,polyA−polyB−polyC−
polyA,polyB−polyA−polyC−polyB,polyC
−polyA−polyB−polyC,polyC−polyA−
polyC−polyB,polyC−polyB−polyC−polyA,
polyA−polyB−polyC−polyB−polyA,polyA
−polyC−polyB−polyC−polyA,polyB−
polyA−polyC−polyA−polyB,polyB−polyC
−polyA−polyC−polyB,polyC−polyA−
polyC−polyB−polyC,(polyA−polyC−
polyB)l,(polyA−polyB−polyC)l,(polyB−
polyA−polyC)l,(polyA−polyC−polyB−
polyC)l(polyB−polyC−polyA−polyC)l(いず
れもlは2以上の整数)のように結合されたもの
を挙げることができる。 また、polyA−polyC型2元ブロツク共重合体
をグラフトした、polyB,polyB−polyC型2元
ブロツク共重合体とグラフトしたpolyA,polyC
−polyA−polyC型3元ブロツク共重合体をグラ
フトしたpolyB,polyC−polyB−polyC型3元ブ
ロツク共重合体をグラフトしたpolyA等も本発明
における原ブロツク共重合体として使用可能であ
る。 本発明で用いる原ブロツク共重合体は、陽イオ
ン交換基を導入可能な高分子polyBと陰イオン交
換基を導入可能な高分子polyAとをそれぞれ重量
比で5%以上含有する必要がある。それぞれの含
有率がこれより少ない場合、最終的に得られる膜
において、両方のイオン交換領域が存在すること
による効果が著しく減少してしまう。さらに望ま
しくは、polyAとpolyBとをそれぞれ重量比で20
%以上含有する原ブロツク共重合体を用いるのが
良い。さらに、イオン交換基導入後の膜の強度を
大きくするためには、イオン交換基を導入しない
高分子polyCを重量比で10%から90%含有すれば
よく、さらに望ましくは25%以上含有するのがよ
い。 本発明で用いられるブロツク共重合体を構成す
る成分高分子polyA,polyBおよびpolyCの分子
量は、103〜106g/molであることが望ましい。
さらに望ましくは、104〜5×105g/molであ
る。一般によく知られているように、ブロツク共
重合体では、分子量が低くなるに従いミクロ相分
離により形成された隣り合う2つのドメインの境
界に生じる相溶界面領域の体積分率は増加する。
このため、分子量の低い試料では、ポリイオンコ
ンプレツクスが形成され易く、ミクロ相分離によ
つてカチオンドメインとアニオンドメインを同時
に存在させる効果が薄れる。これまで公表されて
いる実験事実によれば、各々のブロツクの分子量
が103g/mol以下では明確な相分離構造はほと
んど形成されないことが明らかである。一方、分
子量が106g/molを越えると、その固体または
溶液状態における粘性が大きく、成型が困難にな
る。 このようなブロツク共重合体は、例えば、リビ
ングアニオン重合法によつて製造することができ
る。この場合開始剤としては、公知のブチルリチ
ウム(n,sec,tert等がある)や2−メチルブ
チルリチウム、あるいはナトリウムナフタレン、
ナトリウムアントラセン、α−メチルスチレンテ
トラマ−ナトリウム、α−メチルスチレンテトラ
マ−ナトリウム、ナトリウムビフエニル等の金属
有機化合物が用いられ、芳香族炭化水素、環状エ
ーテル、脂肪族炭化水素(一般には、ベンゼン、
トルエン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、
シクロヘキサン等が用いられる)中、真空もしく
は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気
下で重合が行われる。また、カルバニオン生長末
端をもつ高分子の溶液中に、ハロメチルスチレン
を投入すれば上記のグラフトブロツク共重合体を
得ることができる。 ブロツク共重合体を構成する成分ブロツクのう
ち含窒素複素環あるいは3級アミノ基をもつ高分
子ブロツクに陰イオン交換基を導入するには、ブ
ロツク共重合体をアルキルハロゲン化合物の蒸気
または容器で処理して、その窒素原子を4級化す
ればよい。この4級化反応は、原ブロツク共重合
体の成型後、polyB部分への陽イオン交換基の導
入およびpolyC部分の架橋反応の前に行うことが
望ましい。ここで用いられるアルキルハロゲン化
合物は、CPH2p+1XあるいはX(CH2)qX(pは1
から12の整数、qは2から12の整数、Xは臭素ま
たは沃素原子)で表わされる化合物であればよ
い。 ハロメチル基をもつ高分子ブロツクに陰イオン
交換基を導入するには、それにジアルキルアミン
あるいはトリアルキルアミンを作用させればよ
い。 ポリジエン部分(polyC部分)の架橋は過酸化
物、硫黄、一塩化硫黄、紫外線あるいはAlCl3,
SbCl5,FeCl3,TeCl2,SnCl4、TiCl4,BF3,H2
SO4等のフリーデル・クラフツ触媒を用いれば容
易に行うことができる。 本発明で用いる陽イオン交換基の導入反応にお
いては、架橋反応がそれと並行して起こる。導入
されるイオン交換基の密度と架橋密度には、用い
るフリーデル・クラフツ触媒の種類と濃度、多官
能性化合物の種類と濃度、溶媒の種類、反応温
度、反応時間が密接に関係する。架橋反応を抑え
て導入される陽イオン交換基の密度を高めるに
は、活性な芳香環に対して十分過剰量の多官能性
化合物を用いればよい。特に、フイルム等の成型
物に高密度の陽イオン交換基を導入するには、反
応溶液中の多官能性化合物の濃度は高くするのが
よく、通常1〜30g/dl、さらに望ましくは5〜
20g/dlである。また、用いる多官能性化合物の
官能基の数が多い程、高密度の陽イオン交換基が
入り易い。 以上の方法で得られる両性イオン交換体は、前
述の様に、イオンに対して高い選択性を有する分
離膜や医用材料の分野への応用が期待される。例
えば、分離膜として用いれば酸と塩の分離の他、
PHの調節によるイオン透過性の制御等が可能とな
る。また、医用材料としては、表面を弱電解質型
の陽イオン交換領域と強電解質型の陰イオン交換
領域からなるミクロ構造とすることで、材料と細
胞との接着性が改善されうることから、細胞培養
やバイオリアクターへの応用が期待される。 以下、本発明を実施例によつて説明する。 なお、実施例において膜に導入された陽イオン
交換基の定量は、1N塩酸で処理し水洗したフイ
ルムを1mol/の酢酸ナトリウム水溶液に浸漬
し、水酸化ナトリウムでPHを約8.0に調節して24
時間放置した後、水洗し、続けて1Nの塩酸に24
時間浸漬して膜から遊離したナトリムイオンを原
子吸光法で定量することにより行つた。また、陰
イオン交換基の測定は、フイルムを1mol/の
塩化カリウム水溶液に24時間浸漬することにより
陰イオン交換基の対イオンをCl-とした後、水洗
し、続けて1mol/の硝酸ナトリウムに24時間
フイルムを浸漬して膜から遊離した塩素イオンを
公知のホルハルト法により定量することによつて
行つた。 実施例 1 ナトリウム鏡を通して精製したベンゼン1中
で、sec−ブチルリチウム3.5×10-4molを開始剤
として、スチレンと4−ビニルベンジルジメチル
アミン(以下、4−VBDMAと略記)とイソプ
レンをイソプレン8g、スチレン15g、イソプレ
ン8g、4−VBDM25g、イソプレン8gの順
に、20時間毎に5段階でモノマーを投入すること
により重合を行い、polyC−polyA−polyC−
polyB−polyC型の原ブロツク共重合体を得た。 得られた原ブロツク共重合体の5重量%のベン
ゼン溶液を用いて水銀面上で溶媒蒸発法により作
製した厚さ約60μmのフイルムをオスミウム酸水
溶液で染色し、透過型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、ポリスチレン層(S)、ポリ(4−
VBDMA)層(A)、およびポリイソプレン層(I)
が、−I−S−I−A−の繰り返し単位で規制正
しく並んだ3相ラメラ構造が確認された。 原ブロツク共重合体から同様に作製されたフイ
ルムをヨウ化メチルの蒸気中で室温で10時間処理
することによりA部分を4級化した後、20体積パ
ーセントの一塩化硫黄のニトロメタン溶液中に室
温で3時間浸漬することによりI部分を架橋し、
さらに、このフイルムをベンゼントリカルボン酸
クロライドを10g、それと等モル量の塩化アルミ
ニウム、および二硫化炭素100mlとからなる混合
物を用いて還流下10時間処理を行いS部にカルボ
ン酸基を導入した。得られたフイルムをメタノー
ル、稀水酸化ナトリウム水溶液、稀塩酸で順次洗
浄した後、フイルム中に導入されたカルボン酸基
のモル数を滴定法により測定したところ乾燥膜1
gあたり0.75ミリ当量のカルボン酸基が存在して
いることが確められた。また、陰イオン交換容量
は乾燥膜1gあたり0.77ミリ当量であつた。ま
た、以上の化学処理を施したフイルムを4酸化オ
スミウムで染色して透過型電子顕微鏡で観察した
ところ、始めのラメラ構造は基本的に保たれてい
ることがわかつた。 実施例 2 実施例1で得られた原ブロツク共重合体のベン
ゼン溶液からキヤストして得た厚さ60μmのフイ
ルムを実施例1と同様にA部分の4級化とI部部
の架橋を行つた後、無水トリメリト酸クロライド
4g、それの1.5倍モル量の無水塩化アルミニウ
ム、および二硫化炭素100mlとからなる混合物を
用いて還流下5時間処理を行つた。さらに、メタ
ノールで洗浄後、稀水酸化ナトリウム水溶液と稀
塩酸で処理し、フイルム中のカルボン酸基の定量
を行つたところ乾燥膜1gあたり1.1ミリ当量存
在することがわかつた。また、陰イオン交換容量
は、乾燥膜1gあたり0.76ミリ当量であつた。 実施例 3 実施例1で得られた原ブロツク共重合体のベン
ゼン溶液からキヤストして得た厚さ60μmのフイ
ルムを実施例1と同様にA部分の4級化とI部分
の架橋を行つた。得られたフイルムを100mlの二
硫化炭素に浸漬し、これに無水塩化アルミニウム
を13g投入し、温度を4℃に保ち、約20gのホス
ゲンを3時間に渡つて徐々に導入し4日間放置し
た。フイルムを二硫化炭素とアセトンで洗浄後、
稀水酸化ナトリウム水溶液で処理し、フイルム中
に導入されたカルボン酸基の定量を行つたとこ
ろ、乾燥膜1gあたり0.26ミリ当量存在すること
がわかつた。また、この膜の陰イオン交換容量は
乾燥膜1gあたり0.81ミリ当量であつた。 実施例 4 実施例1においてベンゼントリカルボン酸クロ
ライドを5−スルホニルイソフタル酸クロライド
に変えた他に、実施例1と同様にして両性イオン
交換膜を作製したところ、得られた膜の陽イオン
交換容量と陰イオン交換容量は、それぞれ乾燥膜
1gあたり0.76ミリ当量と0.73ミリ当量であつ
た。 実施例 5 ナトリウム鏡を通して精製したベンゼン1
中、n−ブチルリチウム4.5×10-4molを投入した
後、p−tertブトキシスチレン30g、ブタジエン
42g、4−VBDMA28gをこの順に20時間毎に
投入することにより、polyA−polyC−polyB型
の原ブロツク共重合体を得た。得られた原ブロツ
ク共重合体の5重量%のベンゼン溶液から水銀面
上で溶媒蒸発法により作製した厚さ約60μmのフ
イルムをオスミウム酸水溶液で染色し、透過型電
子顕微鏡で観察したところ、ポリプタジエン層
(B)、ポリ(4−VBDMA)層(A)、およびポリ
(パラ−tertブトキシスチレン)層(S′)が−
BS′BA−の繰り返し単位で並んだ3相ラメラ構
造が確認された。 得られた原ブロツク共重合体の5重量%のベン
ゼナ溶液から水銀面上で溶媒蒸発法により作製し
た厚さ約70μmのフイルムを1,4ジヨードブタ
ンの蒸気中で室温4日間処理することによりポリ
(4−VBDMA)部分を4級化した後、1重量%
の塩化第2スズのn−ヘキサン溶液中に室温で4
時間浸漬することにより、ポリブタジエン部分を
架橋し、続いてポリ(p−tertブトキシスチレ
ン)部のtert−ブチル基を脱離する為、フイルム
をアセトンに浸漬し、濃臭化水素酸を滴下して20
時間還流を行つた。さらにこのヒドロキシスチレ
ン部分にカルボン酸基を導入するためのフイルム
を無水塩化アルミニウム13gと二硫化炭素100ml
の混合物中に浸漬し、温度を4℃に保ち、これに
約20gのホスゲンを3時間に渡て徐々に導入し、
その温度で20時間放置した。このフイルムを稀水
酸化ナトリウム水溶液に数時間浸した後、アセト
ンと水で洗浄し、フイルム中に導入されたカルボ
ン酸基を定量したところ、カルボン酸基は乾燥膜
1gあたり0.85ミリ当量存在することがわかつ
た。また、陰イオン交換容量は乾燥膜1gあたり
1.3ミリ当量であつた。 実施例 6 実施例5で得られた原ブロツク共重合体のベン
ゼン溶液からキヤストして得た厚さ60μmのフイ
ルム0.3gを実施例5と同様にポリ(4−
VBDMA)部分の4級化とポリブタジエン部分
の架橋およびtert−ブチル基の脱離を行つた。続
いて、フイルムを150mlの二硫化炭素、クエン酸
クロライド5g、およびクエン酸クロライドの
1.2倍モル量の無水塩化アルミニウムとからなる
混合物に浸漬し、30℃で3時間反応を行い、ポリ
(p−ヒドロキシスチレン)部分にカルボン酸基
を導入した。フイルムを稀水酸化ナトリウム水溶
液に数時間浸した後、アセトンと水で洗浄し、フ
イルム中に導入されたカルボン酸基を定量したと
ころ、カルボン酸基は乾燥膜1gあたり、1.5ミ
リ当量存在することがわかつた。また、陰イオン
交換容量は乾燥膜1gあたり1.1ミリ当量であつ
た。 実施例 7 実施例5で得られた原ブロツク共重合体のベン
ゼン溶液からキヤストして得た厚さ60μmのフイ
ルム0.3gを実施例5と同様にポリ(4−
VBDMA)部分の4級化とポリブタジエン部分
の架橋およびtert−ブチル基の脱離を行つた。続
いて、フイルムを150mlの二硫化炭素、無水コハ
ク酸10g、および無水塩化アルミニウム25gから
なる混合物中に浸漬し、30℃で12時間反応を行
い、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)部分にカル
ボン酸基を導入した。フイルムを稀水酸化ナトリ
ウム水溶液とアセトンで洗浄した後、アセトンと
水で洗浄し、フイルム中に導入されたカルボン酸
基を定量したところ、カルボン酸基は乾燥膜1g
あたり0.65ミリ当量存在することがわかつた。ま
た、陰イオン交換容量は乾燥膜1gあたり1.3ミ
リ当量であつた。
子polyAと芳香族環をもつ高分子polyBとを成分
の一部または全体とする原ブロツク共重合体を用
い、その成型工程、polyA部分に陰イオン交換基
を導入してこの部分を陰イオン交換基をもつ高分
子polyA〜+とする工程、必要な場合成型物を架橋
する工程、フリーデル・クラフツ触媒の存在下、
上記の多官能性化合物を作用させてpolyB部分を
陽イオン交換基をもつ高分子polyB〜-とする工程
とを行えば、目的とする両性イオン交換体を得る
ことができる。ただし、成型工程は、架橋工程お
よび少なくとも片方のイオン交換基の導入工程の
前に行う必要がある。 ブロツク共重合体は、よく知られているように
それぞれの成分ブロツクから構成され、ブロツク
の長さによつて規定されるサイズのドメインから
なるミクロ相分離構造を形成する。このとき形成
される相の代表的な形態は、ラメラ状、球状、棒
状であるが、これはブロツク共重合体の組成、成
型に用いる溶媒の種類、成型時の温度等によつて
決定される。従つて、上記の方法により、陽イオ
ン交換基をもつ領域と陰イオン交換基をもつ領域
とを同時に有する材料を製造することが可能とな
る。この方法では濃硫酸、クロルスルホン酸、発
煙流酸を用いる激しいスルホン化反応を行わない
ので、材料を変形させたり、はじめのミクロ相分
離構造を乱す恐れが少ない。 本発明で用いるブロツク共重合体の例として、
陰イオン交換基を導入可能な高分子polyAと陽イ
オン交換基を導入可能な高分子polyBとが、
(polyA−polyB)o,(polyA−polyB))−opolyA,
polyB(−polyA−polyB)o(いずれもnは1以上
の整数)のように結合されたもの、あるいは、こ
れら両方の高分子とイオン交換基を導入しない高
分子polyCが、polyA−polyB−polyC,polyB−
polyA−polyC,polyA−polyC−polyB,polyA
−polyB−polyC−polyB,polyB−polyA−
polyC−polyA,polyA−polyB−polyC−
polyA,polyB−polyA−polyC−polyB,polyC
−polyA−polyB−polyC,polyC−polyA−
polyC−polyB,polyC−polyB−polyC−polyA,
polyA−polyB−polyC−polyB−polyA,polyA
−polyC−polyB−polyC−polyA,polyB−
polyA−polyC−polyA−polyB,polyB−polyC
−polyA−polyC−polyB,polyC−polyA−
polyC−polyB−polyC,(polyA−polyC−
polyB)l,(polyA−polyB−polyC)l,(polyB−
polyA−polyC)l,(polyA−polyC−polyB−
polyC)l(polyB−polyC−polyA−polyC)l(いず
れもlは2以上の整数)のように結合されたもの
を挙げることができる。 また、polyA−polyC型2元ブロツク共重合体
をグラフトした、polyB,polyB−polyC型2元
ブロツク共重合体とグラフトしたpolyA,polyC
−polyA−polyC型3元ブロツク共重合体をグラ
フトしたpolyB,polyC−polyB−polyC型3元ブ
ロツク共重合体をグラフトしたpolyA等も本発明
における原ブロツク共重合体として使用可能であ
る。 本発明で用いる原ブロツク共重合体は、陽イオ
ン交換基を導入可能な高分子polyBと陰イオン交
換基を導入可能な高分子polyAとをそれぞれ重量
比で5%以上含有する必要がある。それぞれの含
有率がこれより少ない場合、最終的に得られる膜
において、両方のイオン交換領域が存在すること
による効果が著しく減少してしまう。さらに望ま
しくは、polyAとpolyBとをそれぞれ重量比で20
%以上含有する原ブロツク共重合体を用いるのが
良い。さらに、イオン交換基導入後の膜の強度を
大きくするためには、イオン交換基を導入しない
高分子polyCを重量比で10%から90%含有すれば
よく、さらに望ましくは25%以上含有するのがよ
い。 本発明で用いられるブロツク共重合体を構成す
る成分高分子polyA,polyBおよびpolyCの分子
量は、103〜106g/molであることが望ましい。
さらに望ましくは、104〜5×105g/molであ
る。一般によく知られているように、ブロツク共
重合体では、分子量が低くなるに従いミクロ相分
離により形成された隣り合う2つのドメインの境
界に生じる相溶界面領域の体積分率は増加する。
このため、分子量の低い試料では、ポリイオンコ
ンプレツクスが形成され易く、ミクロ相分離によ
つてカチオンドメインとアニオンドメインを同時
に存在させる効果が薄れる。これまで公表されて
いる実験事実によれば、各々のブロツクの分子量
が103g/mol以下では明確な相分離構造はほと
んど形成されないことが明らかである。一方、分
子量が106g/molを越えると、その固体または
溶液状態における粘性が大きく、成型が困難にな
る。 このようなブロツク共重合体は、例えば、リビ
ングアニオン重合法によつて製造することができ
る。この場合開始剤としては、公知のブチルリチ
ウム(n,sec,tert等がある)や2−メチルブ
チルリチウム、あるいはナトリウムナフタレン、
ナトリウムアントラセン、α−メチルスチレンテ
トラマ−ナトリウム、α−メチルスチレンテトラ
マ−ナトリウム、ナトリウムビフエニル等の金属
有機化合物が用いられ、芳香族炭化水素、環状エ
ーテル、脂肪族炭化水素(一般には、ベンゼン、
トルエン、テトラヒドロフラン、n−ヘキサン、
シクロヘキサン等が用いられる)中、真空もしく
は窒素ガス、アルゴンガス等の不活性ガス雰囲気
下で重合が行われる。また、カルバニオン生長末
端をもつ高分子の溶液中に、ハロメチルスチレン
を投入すれば上記のグラフトブロツク共重合体を
得ることができる。 ブロツク共重合体を構成する成分ブロツクのう
ち含窒素複素環あるいは3級アミノ基をもつ高分
子ブロツクに陰イオン交換基を導入するには、ブ
ロツク共重合体をアルキルハロゲン化合物の蒸気
または容器で処理して、その窒素原子を4級化す
ればよい。この4級化反応は、原ブロツク共重合
体の成型後、polyB部分への陽イオン交換基の導
入およびpolyC部分の架橋反応の前に行うことが
望ましい。ここで用いられるアルキルハロゲン化
合物は、CPH2p+1XあるいはX(CH2)qX(pは1
から12の整数、qは2から12の整数、Xは臭素ま
たは沃素原子)で表わされる化合物であればよ
い。 ハロメチル基をもつ高分子ブロツクに陰イオン
交換基を導入するには、それにジアルキルアミン
あるいはトリアルキルアミンを作用させればよ
い。 ポリジエン部分(polyC部分)の架橋は過酸化
物、硫黄、一塩化硫黄、紫外線あるいはAlCl3,
SbCl5,FeCl3,TeCl2,SnCl4、TiCl4,BF3,H2
SO4等のフリーデル・クラフツ触媒を用いれば容
易に行うことができる。 本発明で用いる陽イオン交換基の導入反応にお
いては、架橋反応がそれと並行して起こる。導入
されるイオン交換基の密度と架橋密度には、用い
るフリーデル・クラフツ触媒の種類と濃度、多官
能性化合物の種類と濃度、溶媒の種類、反応温
度、反応時間が密接に関係する。架橋反応を抑え
て導入される陽イオン交換基の密度を高めるに
は、活性な芳香環に対して十分過剰量の多官能性
化合物を用いればよい。特に、フイルム等の成型
物に高密度の陽イオン交換基を導入するには、反
応溶液中の多官能性化合物の濃度は高くするのが
よく、通常1〜30g/dl、さらに望ましくは5〜
20g/dlである。また、用いる多官能性化合物の
官能基の数が多い程、高密度の陽イオン交換基が
入り易い。 以上の方法で得られる両性イオン交換体は、前
述の様に、イオンに対して高い選択性を有する分
離膜や医用材料の分野への応用が期待される。例
えば、分離膜として用いれば酸と塩の分離の他、
PHの調節によるイオン透過性の制御等が可能とな
る。また、医用材料としては、表面を弱電解質型
の陽イオン交換領域と強電解質型の陰イオン交換
領域からなるミクロ構造とすることで、材料と細
胞との接着性が改善されうることから、細胞培養
やバイオリアクターへの応用が期待される。 以下、本発明を実施例によつて説明する。 なお、実施例において膜に導入された陽イオン
交換基の定量は、1N塩酸で処理し水洗したフイ
ルムを1mol/の酢酸ナトリウム水溶液に浸漬
し、水酸化ナトリウムでPHを約8.0に調節して24
時間放置した後、水洗し、続けて1Nの塩酸に24
時間浸漬して膜から遊離したナトリムイオンを原
子吸光法で定量することにより行つた。また、陰
イオン交換基の測定は、フイルムを1mol/の
塩化カリウム水溶液に24時間浸漬することにより
陰イオン交換基の対イオンをCl-とした後、水洗
し、続けて1mol/の硝酸ナトリウムに24時間
フイルムを浸漬して膜から遊離した塩素イオンを
公知のホルハルト法により定量することによつて
行つた。 実施例 1 ナトリウム鏡を通して精製したベンゼン1中
で、sec−ブチルリチウム3.5×10-4molを開始剤
として、スチレンと4−ビニルベンジルジメチル
アミン(以下、4−VBDMAと略記)とイソプ
レンをイソプレン8g、スチレン15g、イソプレ
ン8g、4−VBDM25g、イソプレン8gの順
に、20時間毎に5段階でモノマーを投入すること
により重合を行い、polyC−polyA−polyC−
polyB−polyC型の原ブロツク共重合体を得た。 得られた原ブロツク共重合体の5重量%のベン
ゼン溶液を用いて水銀面上で溶媒蒸発法により作
製した厚さ約60μmのフイルムをオスミウム酸水
溶液で染色し、透過型電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、ポリスチレン層(S)、ポリ(4−
VBDMA)層(A)、およびポリイソプレン層(I)
が、−I−S−I−A−の繰り返し単位で規制正
しく並んだ3相ラメラ構造が確認された。 原ブロツク共重合体から同様に作製されたフイ
ルムをヨウ化メチルの蒸気中で室温で10時間処理
することによりA部分を4級化した後、20体積パ
ーセントの一塩化硫黄のニトロメタン溶液中に室
温で3時間浸漬することによりI部分を架橋し、
さらに、このフイルムをベンゼントリカルボン酸
クロライドを10g、それと等モル量の塩化アルミ
ニウム、および二硫化炭素100mlとからなる混合
物を用いて還流下10時間処理を行いS部にカルボ
ン酸基を導入した。得られたフイルムをメタノー
ル、稀水酸化ナトリウム水溶液、稀塩酸で順次洗
浄した後、フイルム中に導入されたカルボン酸基
のモル数を滴定法により測定したところ乾燥膜1
gあたり0.75ミリ当量のカルボン酸基が存在して
いることが確められた。また、陰イオン交換容量
は乾燥膜1gあたり0.77ミリ当量であつた。ま
た、以上の化学処理を施したフイルムを4酸化オ
スミウムで染色して透過型電子顕微鏡で観察した
ところ、始めのラメラ構造は基本的に保たれてい
ることがわかつた。 実施例 2 実施例1で得られた原ブロツク共重合体のベン
ゼン溶液からキヤストして得た厚さ60μmのフイ
ルムを実施例1と同様にA部分の4級化とI部部
の架橋を行つた後、無水トリメリト酸クロライド
4g、それの1.5倍モル量の無水塩化アルミニウ
ム、および二硫化炭素100mlとからなる混合物を
用いて還流下5時間処理を行つた。さらに、メタ
ノールで洗浄後、稀水酸化ナトリウム水溶液と稀
塩酸で処理し、フイルム中のカルボン酸基の定量
を行つたところ乾燥膜1gあたり1.1ミリ当量存
在することがわかつた。また、陰イオン交換容量
は、乾燥膜1gあたり0.76ミリ当量であつた。 実施例 3 実施例1で得られた原ブロツク共重合体のベン
ゼン溶液からキヤストして得た厚さ60μmのフイ
ルムを実施例1と同様にA部分の4級化とI部分
の架橋を行つた。得られたフイルムを100mlの二
硫化炭素に浸漬し、これに無水塩化アルミニウム
を13g投入し、温度を4℃に保ち、約20gのホス
ゲンを3時間に渡つて徐々に導入し4日間放置し
た。フイルムを二硫化炭素とアセトンで洗浄後、
稀水酸化ナトリウム水溶液で処理し、フイルム中
に導入されたカルボン酸基の定量を行つたとこ
ろ、乾燥膜1gあたり0.26ミリ当量存在すること
がわかつた。また、この膜の陰イオン交換容量は
乾燥膜1gあたり0.81ミリ当量であつた。 実施例 4 実施例1においてベンゼントリカルボン酸クロ
ライドを5−スルホニルイソフタル酸クロライド
に変えた他に、実施例1と同様にして両性イオン
交換膜を作製したところ、得られた膜の陽イオン
交換容量と陰イオン交換容量は、それぞれ乾燥膜
1gあたり0.76ミリ当量と0.73ミリ当量であつ
た。 実施例 5 ナトリウム鏡を通して精製したベンゼン1
中、n−ブチルリチウム4.5×10-4molを投入した
後、p−tertブトキシスチレン30g、ブタジエン
42g、4−VBDMA28gをこの順に20時間毎に
投入することにより、polyA−polyC−polyB型
の原ブロツク共重合体を得た。得られた原ブロツ
ク共重合体の5重量%のベンゼン溶液から水銀面
上で溶媒蒸発法により作製した厚さ約60μmのフ
イルムをオスミウム酸水溶液で染色し、透過型電
子顕微鏡で観察したところ、ポリプタジエン層
(B)、ポリ(4−VBDMA)層(A)、およびポリ
(パラ−tertブトキシスチレン)層(S′)が−
BS′BA−の繰り返し単位で並んだ3相ラメラ構
造が確認された。 得られた原ブロツク共重合体の5重量%のベン
ゼナ溶液から水銀面上で溶媒蒸発法により作製し
た厚さ約70μmのフイルムを1,4ジヨードブタ
ンの蒸気中で室温4日間処理することによりポリ
(4−VBDMA)部分を4級化した後、1重量%
の塩化第2スズのn−ヘキサン溶液中に室温で4
時間浸漬することにより、ポリブタジエン部分を
架橋し、続いてポリ(p−tertブトキシスチレ
ン)部のtert−ブチル基を脱離する為、フイルム
をアセトンに浸漬し、濃臭化水素酸を滴下して20
時間還流を行つた。さらにこのヒドロキシスチレ
ン部分にカルボン酸基を導入するためのフイルム
を無水塩化アルミニウム13gと二硫化炭素100ml
の混合物中に浸漬し、温度を4℃に保ち、これに
約20gのホスゲンを3時間に渡て徐々に導入し、
その温度で20時間放置した。このフイルムを稀水
酸化ナトリウム水溶液に数時間浸した後、アセト
ンと水で洗浄し、フイルム中に導入されたカルボ
ン酸基を定量したところ、カルボン酸基は乾燥膜
1gあたり0.85ミリ当量存在することがわかつ
た。また、陰イオン交換容量は乾燥膜1gあたり
1.3ミリ当量であつた。 実施例 6 実施例5で得られた原ブロツク共重合体のベン
ゼン溶液からキヤストして得た厚さ60μmのフイ
ルム0.3gを実施例5と同様にポリ(4−
VBDMA)部分の4級化とポリブタジエン部分
の架橋およびtert−ブチル基の脱離を行つた。続
いて、フイルムを150mlの二硫化炭素、クエン酸
クロライド5g、およびクエン酸クロライドの
1.2倍モル量の無水塩化アルミニウムとからなる
混合物に浸漬し、30℃で3時間反応を行い、ポリ
(p−ヒドロキシスチレン)部分にカルボン酸基
を導入した。フイルムを稀水酸化ナトリウム水溶
液に数時間浸した後、アセトンと水で洗浄し、フ
イルム中に導入されたカルボン酸基を定量したと
ころ、カルボン酸基は乾燥膜1gあたり、1.5ミ
リ当量存在することがわかつた。また、陰イオン
交換容量は乾燥膜1gあたり1.1ミリ当量であつ
た。 実施例 7 実施例5で得られた原ブロツク共重合体のベン
ゼン溶液からキヤストして得た厚さ60μmのフイ
ルム0.3gを実施例5と同様にポリ(4−
VBDMA)部分の4級化とポリブタジエン部分
の架橋およびtert−ブチル基の脱離を行つた。続
いて、フイルムを150mlの二硫化炭素、無水コハ
ク酸10g、および無水塩化アルミニウム25gから
なる混合物中に浸漬し、30℃で12時間反応を行
い、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)部分にカル
ボン酸基を導入した。フイルムを稀水酸化ナトリ
ウム水溶液とアセトンで洗浄した後、アセトンと
水で洗浄し、フイルム中に導入されたカルボン酸
基を定量したところ、カルボン酸基は乾燥膜1g
あたり0.65ミリ当量存在することがわかつた。ま
た、陰イオン交換容量は乾燥膜1gあたり1.3ミ
リ当量であつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 陰イオン交換基が導入可能な高分子polyAと
芳香族環をもつ高分子polyBとを成分の一部また
は全体とする原ブロツク共重合体に、陰イオン交
換基の導入反応と、フリーデル・クラフツ触媒の
存在下、酸ハロゲン化物基を2個以上あるいは酸
無水物基を1個以上あるいはこれら両者を1個以
上有する多官能性化合物またはホスゲンを作用さ
せて陽イオン交換基の導入反応を行うことを特徴
とする両性イオン交換体の製造方法。 2 ジエン系のモノマーからなる高分子polyCを
当該原ブロツク共重合体に重量比で30%以上含有
とする特許請求の範囲第1項に記載の両性イオン
交換体の製造方法。 3 陽イオン交換基を導入する前に、ジエン系モ
ノマーからなる高分子polyC部分を架橋する特許
請求の範囲第1項または第2項に記載の両性イオ
ン交換体の製造方法。 4 フリーデル・クラフツ触媒がルイス酸から選
ばれる特許請求の範囲第1項または第2項に記載
の両性イオン交換体の製造方法。 5 ルイス酸がAlCl3,SbCl5,FeCl3,TeCl2,
SnCl4、TiCl4,BiCl3,ZnCl2,BF3,HF,H2
SO4,P2O5,H3PO4である特許請求の範囲第4
項に記載の両性イオン交換体の製造方法。 6 酸ハロゲン化物基がカルボニルハライド基で
ある特許請求の範囲第1項または2項記載の両性
イオン交換体の製造方法。 7 酸ハロゲン化物基がスルホニルハライド基で
ある特許請求の範囲第1項または2項に記載の両
性イオン交換体の製造方法。 8 酸無水物基がカルボン酸無水物基である特許
請求の範囲第1項または2項に記載の両性イオン
交換体の製造方法。 9 酸無水物基がスルホン酸無水物基である特許
請求の範囲第1項または2項に記載の両性イオン
交換体の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14697184A JPS6126635A (ja) | 1984-07-17 | 1984-07-17 | 両性イオン交換体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14697184A JPS6126635A (ja) | 1984-07-17 | 1984-07-17 | 両性イオン交換体の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6126635A JPS6126635A (ja) | 1986-02-05 |
| JPH0443096B2 true JPH0443096B2 (ja) | 1992-07-15 |
Family
ID=15419710
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14697184A Granted JPS6126635A (ja) | 1984-07-17 | 1984-07-17 | 両性イオン交換体の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6126635A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4433007B2 (ja) | 2007-07-10 | 2010-03-17 | 株式会社デンソー | 回転角検出装置 |
-
1984
- 1984-07-17 JP JP14697184A patent/JPS6126635A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6126635A (ja) | 1986-02-05 |
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