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JPH046738B2 - - Google Patents
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JPH046738B2 - - Google Patents

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JPH046738B2
JPH046738B2 JP21067086A JP21067086A JPH046738B2 JP H046738 B2 JPH046738 B2 JP H046738B2 JP 21067086 A JP21067086 A JP 21067086A JP 21067086 A JP21067086 A JP 21067086A JP H046738 B2 JPH046738 B2 JP H046738B2
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JP
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film
dope
present
ppta
stretching
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JP21067086A
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Inventor
Takashi Fujiwara
Shigemitsu Muraoka
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
(産業上の利用分野) 本発明は、ポリ(P−フエニレンテレフタルア
ミド)(以下、PPTAと称する)からなるフイル
ムおよびその製法に関し、さらに詳しくはフイル
ムの長尺方向(以下、MD方向と略す)および輻
方向(TD方向)共に優れた機械特性及び寸法安
定性を示し、カールしないPPTAフイルムおよび
それを得る製法に関するものである。 (従来の技術) PPTAは、特に優れた結晶性や高い融点を有
し、また剛直な分子構造の故に、耐熱性で高い機
械的強度を有しており、近年、特に注目されてい
る高分子素材である。またその光学異方性を示す
濃厚溶液から紡糸された繊維は高い強度およびモ
ジユラスを示すことが報告され、既に工業的に実
施されるに到つているが、フイルムへの応用例の
提案は少なく、実用化例も未だ知られていない。 PPTAの有する問題点としては、その有用な高
分子量のポリマーは有機溶媒に難溶であり、濃硫
酸等の無機の強酸が溶媒として用いられねばなら
ないということが挙げられ、これを回避するため
に、例えば特公昭56−45421号公報では、直線配
位性アラミドの芳香核にハロゲン基を導入した単
位と、PPTA以外の芳香核に置換基をもたないア
ミドを共重合することにより有機溶媒に可溶と
し、それからフイルムを得ようとする試みがなさ
れている。しかし、これはモノマー高価なため、
コストが高くなつたり、ハロゲン原子の金属腐食
性が懸念される上に、折角の直線配位性アラミド
のもつ耐熱性や結晶性を損なう欠点がある。 一方、特公昭59−14567号公報には光学異方性
を有するアラミド溶液をスリツトから短い空気層
を介して凝固浴中に押出す方法が開示されている
が、この方法では、MD方向の機械的強度のみ強
く、それと直交するTD方向の機械的強度は極端
に弱く、裂けやすいものしか得られなかつた。 このように単にアラミドの光学異方性ドープを
押出し、そのまま凝固させただけでは、吐出方向
に過度に配向するために、フイブリル化しやすく
TD方向に弱いものとなつてしまうため、これを
改良しようとするフイルム製造方法が種々検討さ
れた。 例えば特公昭57−35088号公報には、光学異方
性を有するアラミド溶液を、リングダイから押出
し、インフレーシヨン法を用いてドープの状態で
2軸方向に同時流延させた後、湿式凝固させるこ
とにより等方性のフイルムが得られるとしてい
る。しかし、この方法では均一な厚みの透明フイ
ルムを得るのは難しく、機械的強度殊に引裂強度
が低いという欠点がある。 また特公昭59−5407号公報、特開昭54−132674
号公報では、直線配位性アラミドの光学異方性ま
たは光学等方性のドープを、ダイ中で押出し方向
と直角の方向に機械的に剪断力を与えることによ
り、押出し時に押出し方向とその直角方向の2軸
方向に配向させる提案をしているが、ダイの構造
が複雑で、工業的実施上の難点がある。 さらにJ.Appl.Polym.Sci.vol.27、No.8、P.2965
〜2985(1982)には、PPTAの光学異方性ドープ
をリングダイより油塗布した円錐状のマンドレル
上に押出すことにより、2軸配向したフイルムを
得ることが提案されているが、このフイルムは、
機械的強度が等方的であるものの小さく、ドラフ
トをかけた場合、MD方向の機械的強度は高い
が、TD方向のそれは著しく低いという欠点があ
る。 特公昭57−17886号公報には、直線配位性アラ
ミドの光学異方性ドープを凝固直前に、光学等方
性となるまで加熱した後、凝固させることによつ
て、透明で機械的物性が等方的であるフイルムを
得ることが記載されている。この方法は、従来の
光学異方性ドープの活用により高性能を得んとす
る大方の概念に逆らつた独創的なものであり、こ
れにより光学異方性ドープの極端な1軸配向性の
緩和と同時に、光学異方性ドープの液晶ドメイン
構造がドープを押出した後も残り、そのまま凝固
して不透明なフイルムとなつてしまうことを回避
することに成功している。 しかし、高ヤング率をもちかつ吸湿寸法安定性
にすぐれたフイルム及びその製造法について具体
的には何も開示していない。またカールについて
は何も記載していない。 一方、特公昭55−51248号公報には、磁気テー
プ用に適したポリアミド又はポリアミドヒドラジ
ドフイルムが開示されている。そして、その中に
PPTAフイルムも記載されているが、光学異方性
液晶ドープからは縦方向には高ヤング率が得られ
るが横方向にはもろくなるとして、光学等方性溶
液から製膜した実施例を記載している。しかし、
このようにして得たPPTAフイルムはヤング率が
900Kg/mm2と小さい上に、凝固時の大きな収縮に
起因すると思われるボイドの発生が避け難くその
ため光線透過率の小さいフイルムしか得られずに
フイルムが引裂かれやすいという欠点があるこ
と、磁気テープとして使用するとき大切な表面の
平滑性の点で不満足なフイルムしか得られないこ
と、更には高温下ではカールしやすいという欠点
を有することが判明した。また、該公報には、ポ
リアミドヒドラジド共重合体からなり、高ヤング
率と吸湿寸法安定性の優れたフイルムを開示して
いる。しかしながら、このようなフイルムは、熱
収縮率が大きく熱による変形が180℃以上で顕著
になるため、例えば強磁性体をフイルムの上に蒸
着させて磁気テープとして用いるような用途には
不都合である。 また、特公昭53−44957号公報は、ポリアミド
又はポリアミドヒドラジドフイルムの熱処理によ
る機械的強度と寸法安定性の向上及び吸湿率を小
さくする改善方法を開示している。特に実施例4
ではPPTAフイルムを記載している。しかし、該
PPTAフイルムは、ヤング率が850Kg/mm2と不十
分な上に、ドープ調製において120℃という高温
で1.5時間もかけているため重合度の低下が著し
く強伸度が極めて小さく脆くなること、約17%の
光学異方性ドープからそのままつまり光学等方化
せずに凝固させているため光線透過率が小さく表
面性が悪いことなどの欠点をもつことが判明し
た。 (発明が解決しようとする問題点) 本発明の目的は、すでに工業的生産が開始され
ているPPTAを用いて、特に磁気記録媒体用のベ
ースフイルムとして有用な、機械的性能にすぐ
れ、熱及び湿気に対する寸法安定定性にすぐれ、
透明でかつカールの発生しないフイルムとその工
業的な製法を提供することにある。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、上記目的に沿つたPPTAフイル
ムを得るべく鋭意研究を重ねた結果、次の知見を
得た。 即ち、特公昭57−17886号公報に開示された技
術(PPTAの光学異方性ドープをまずつくりこれ
を光学等方化して凝固するという方法により、透
明性のある機械的性能にすぐれたPPTAフイルム
が得られること)において、洗浄後のフイルムを
湿潤状態で二軸延伸し、かつ乾燥工程において一
般に収縮おこるがこれを制限して行い、かつ350
℃以上の温度で熱処理することにより、機械的性
能例えば強度やヤング率にすぐれ、吸湿寸法安定
性にすぐれた透明度の高いフイルムが得られるこ
とに加えて、加熱寸法安定性にもすぐれており、
更に意外にもカールの発生が殆んど又は全くなく
なるという従来未知の驚ぐべき効果が見出され
た。 本発明者らはこれらの知見をもとに、更に研究
を重ねて本発明として完成さたものである。 即ち、本発明の第1は、対数粘度が3.5以上の
実質的にポリ(P−フエニレンテレフタルアミ
ド)よりなるフイルムであつて、フイルム面に平
行な全ての方向の伸度及びヤング率が各々少くと
も10%及び1000Kg/mm2であり、600nmの波長の光
線透過率が60%以上であり、主としてI型結晶か
らなり、密度が1.405〜1.425g/cm3であり、かつ
フイルム面に平行な方向の吸湿膨張係数が3.5×
10-5mm/mm/%RH以下であることを特徴とする
アラミドフイルム、であり、このようなフイルム
は、本発明の第2、即ち、対数粘度が3.5以上の
ポリ(P−フエニレンテレフタルアミド)と95重
量%以上の硫酸とから実質的になる光学異方性ド
ープを、光学異方性を保つたまま支持面上に流延
し、吸湿又は/及び加熱により該ドープを光学等
方性に転化したのち凝固させるフイルムの製法に
おいて、凝固・洗浄後、湿潤状態でフイルムを
1.1倍以上に2軸延伸したのち、フイルムの収縮
を制限した状態で乾燥及び350℃以上の温度での
熱処理を行うことを特徴とするアラミドフイルム
の製法、によつて製造することができる。 本発明に用いられるPPTAは実質的に で表されるポリマーであり、従来公知のパルフエ
ニレンジアミンとテレフタロイルクロライドか
ら、低温溶液重合法により製造するのが好都合で
ある。 なお、本発明のフイルムが実質的にPPTAから
なるという意味は、本発明の効果を阻害しない範
囲の少量でPPTA以外のポリマーがブレンドされ
たり、共重合されていてもよいという事である。 本発明のポリマー重合度は、あまり低いと機械
的性質の良好なフイルムが得られなくなるため、
3.5以上好ましくは4.5以上の対数粘度ηinh(硫酸
100mlにポリマー0.5gを溶解して30℃で測定した
値)を与える重合度のものが選ばれる。 本発明のフイルムは以下に述べる要件を備えて
いべきである。 本発明のフイルムは、フイルム面に平行な全て
の方向の伸度が少くとも10%であるべきで、好ま
しくは少くとも15%である。伸度が10%未満のフ
イルムは脆くて取扱性が悪い。伸度は、フイルム
の製造時における延伸倍率、熱処理温度、熱処理
時間やPPTAの重合度などに依存するが、一般
に、吸湿膨張係数を小さくするための延伸及び熱
処理の条件の設定が、伸度を大きく保持すること
と相反することが多い。このため、延伸及び熱処
理は、伸度と吸湿膨張係数の双方の要件を満足す
るように実施されるべきである。伸度の大きさ
は、また、引裂強力とも関連しており、フイルム
のスリツトやその他の加工の作業性を良くするた
めにも、全ての方向に10%以上の伸度をもつてい
ることが肝要である。 なお、特公昭55−14170号公報に記載された方
法でつくつたPPTAフイルムはMD方向の伸度が
高々4〜6%である上に、TD方向の伸度は1%
未満できわめて裂けやすい。本発明のフイルムの
もつ高伸度は、光学異方性のドープを支持面上に
流延したのち光学等方性化するというプロセスと
関連している。 本発明のフイルムは、フイルム面に平行な全て
の方向のヤング率が少くとも1000Kg/mm2であるべ
きで、好ましくは少くとも1200Kg/mm2である。こ
の要件は、フイルムの外力に対する変形抵抗性と
密接に関連している。そして、例えば、本発明の
フイルムを磁気テープのベースフイルムとして用
いたとき、長さ方向のヤング率が大きいため、薄
手化してもテープの走行性が良く、ジツター特性
にすぐれるという効果をもたらし、また幅方向の
ヤング率が大きいとテープにしわや折れが生じに
くいため、テープ製造時の作業性や使用時の取扱
い性が良くなる。本発明のフイルムのヤング率
は、光学異方性ドープを一旦光学等方化してから
凝固させた後二軸延伸して乾燥・熱処理するとい
う独特のプロセスのために高いレベルにあるが製
造時における延伸倍率や熱処理温度にも依存して
いる。 本発明のフイルムは、また、極めて高い透明性
を有しており、その高い透明性は600nmの波長の
光線透過率が60%以上であることで特徴づけら
れ、特公昭55−14170号公報や特公昭55−51248号
公報、特公昭53−44957号公報に記載された
PPTAフイルムとはつきり区別される。このよう
な高い透明性は、一旦光学異方性のドープを調製
したのち光学等方化して製膜すること、及び乾燥
熱処理時にフイルムの収縮を制限することからな
るプロセス上の特徴を反映している。光線透過率
は好ましくは70%以上である。本発明のフイルム
の高い透明性は、ボイドを実質的に含まないこ
と、シワやゴミなどの欠点がないこと、凝集構造
に不均一性がないことなどの証左であると考えら
れる。 本発明のフイルムは、更に、フイルム面に平行
な全ての方向の吸湿膨張係数が3.5×10-5mm/
mm/%RH以下であるべきで、好ましくは2.5×
10-5mm/mm/%RH以下である。吸湿膨張係数が
3.5×10-5mm/mm/%RHを超えるフイルムは、湿
度の変化に対する寸法安定性に欠けたフイルムで
あることを意味し、例えば、磁気テープのベース
フイルムとして使用したとき、湿度の変化によつ
て磁気テープの長さが変化し、これによつて再生
画像が謂ゆるスキユーをおこすという欠点とな
る。本発明のフイルムのもつ吸湿に対するすぐれ
た寸法安定性は、水洗が実質的に終了したのちの
膨潤ゲル状態での二軸延伸と、それにつづく制限
収縮乾燥及び350℃以上での制限収縮熱処理との
組み合せによつて基本的に達成される。 対数粘度、伸度、ヤング率、光線透過率及び吸
湿膨張係数の各要件を全て満足する本発明の
PPTAフイルムは、意外なことに、カールの発生
が殆んど又は全くないことが発見された。その詳
細な発現機構は未解明であるが、凝固時に形成さ
れたフイルムの両面の凝集構造の微妙な差異が、
膨潤ゲル状態での二軸延伸で解消され、次いで高
温熱処理によつてその構造が熱固定され、しかも
生成されるフイルムの特性が上記要件を全て満た
すときカールが最も発生しにくいと推定すること
ができる。なお、ここでいうカールとは、3cmの
正方形に切りとつたフイルムを平滑な面にのせた
とき、通常の温湿度雰囲気で、サンプルの中央又
は両端が2mm以上浮上る現象をいう。 本発明のフイルムは、上記要件に加えて、以下
に述べる態様を備えていることが好ましい。 本発明のフイルムは、好ましくは35Kg/mm2以上
の強度をもつており、より好ましくは45Kg/mm2
上の強度を有する。PPTAフイルムにおけること
ような高強度は、比較的高ポリマー濃度の光学異
方性ドープを光学等方化し、その後凝固させてフ
イルム化するという独特のプロセスに固有の性能
である。 また、本発明のフイルムは、好ましくはその少
くとも一表面の中心線平均粗さ(Ra)が0.05μm
以下という表面平滑性のすぐれたフイルムであ
る。そして、より好ましくは、Raが0.02μm以下
である。このような表面平滑性の故に、本発明の
フイルムは、特に、ビデオテープ等の磁気テープ
に好ましく用いることができる。本発明のフイル
ムのすぐれた表面平滑性は、流延後に、気体中で
光学等方化すること、水洗後の湿潤フイルムを2
軸延伸すること、及び乾燥・熱処理工程をフイル
ムの収縮を制限しつつ行うことの組合せに依存し
ていることが発見され、さらに特定の凝固浴を用
いて凝固速度を小さくするとRaをより小さくで
きることもわかつた。中心線平均粗さ(Ra)は、
JIS B−0601及びJIS B−0651に従つて測定でき
る。例えば、東京精密社製万能表面形状測定機サ
ーフコム3Bを使うことができる。 本発明のフイルムとしては、約10μm以下の薄
いフイルムが好ましい。特に好ましくは8μm以
下である。これは、例えばビデオテープとして使
つたとき同じ長さ当りのかさ高さが厚みに比例し
て大きくなるため、小型・軽量でかつ録画時間を
長く、というニーズに合致するからである。フイ
ルムの厚みの下限は特にないが、通常1μm以上
で用いられる。本発明のフイルムは著しく大きい
ヤング率をもつているため、特に薄手のフイルム
のときにその特徴が活用される。これは、例えば
ビデオテープとしての腰の強さが(ヤング率)×
(厚み)3できまり、従つてヤング率が大きいと厚
みを薄くしても、フイルムとしての各用途での特
性や取扱性が保持できるからである。本発明のフ
イルムはより好ましくは、2〜7μmの厚みをも
つている。なお、本発明にいう厚みは、当該フイ
ルムから任意に選んだ5点以上(好しくは10点)
の測定点における厚みの平均値で定義される。フ
イルムの厚みは、ドープ中のポリマー濃度、ダイ
のすき間、ドラフト率、延伸倍率などによつて変
更設定が可能である。 更に、本発明のフイルムは、通常、その密度が
1.405〜1.425g/cm3の範囲にある。この密度の値
は四塩化炭素−トルエンを使用した密度勾配管法
により30℃で測定されたものである。この密度の
範囲は、公知のPPTA繊維のそれが1.43g/cm3
ら1.46g/cm3の範囲にあるのに較べて小さい値で
ある。密度は、一般に、フイルム製造における熱
処理温度を高くして結晶性を増加させると増大す
る。 本発明のフイルムは、好ましくは、25℃,65%
RHにおけ吸湿率が2%以下であり、更に好まし
くは1.5%以下である。フイルムの吸湿率を小さ
くするためには、熱処理温度を高くすることが効
果的であるが、水洗後の膨潤ゲルの延伸倍率にも
少し依存している。特別な方法として、疎水性の
コモノマーや末端封鎖剤の使用されたPPTAを用
いて、吸湿率をさらに小さくすることも好ましい
実施態様である。 本発明のフイルムは、光沢に富んでいて艷があ
る。また、本発明のフイルムは、好ましくは、そ
の少くとも一面が0.4以下の動摩擦係数を有して
いる。摩擦係数の小さいフイルムはその加工性に
すぐれているだけでなく、例えば磁気テープとし
て使用するときテープの走行性が良くなる。 本発明のフイルムは、好ましくは250℃での加
熱収縮率が0.2%以下であり、より好ましくは
0.15%以下である。このような好ましい特徴は、
特公昭55−51248号公報や特公昭53−44957号公報
に開示されたコポリアミドヒドラジドフイルム
や、特開昭58−168655号公報のアラミド共重合体
フイルムの持ち合せないものである。加熱収縮率
の小さいフイルムは、例えば、蒸着タイプの磁気
テープ用ベースフイルムのほか、コンデンサー等
のハンダ浴浸漬工程を経る用途に有用であろう。
加熱収縮率が小さいという本発明フイルムのもつ
好ましい態様は、高結晶性及び高配向性かつ剛直
というPPTA分子のもつ本来の性質が、光学異方
性ドープから光学等方化して凝固すること、湿潤
状態で2軸延伸すること及び350℃以上で制限収
縮熱処理することの組合せにより、緻密にして高
配向・高結晶性の構造が歪みを残さず形成された
ために、十二分に発揮された結果であると信じら
れる。 本発明のフイルムは、結晶a軸がフイルム面と
ほぼ垂直の方向に配向した謂ゆる型PPTAの結
晶構造から主として成つていることが明らかにな
つた。PPTAには、型と型の2つの結晶形が
あることが、高柳ら(J.Appl.Polym.Sci.,第23
巻、第915頁(1979年)によつて明らかにされ、
その区別は、簡便には、X線回折法により2θ≒
21゜に回折ピークをもつものが型、2θ≒18゜に回
折ピークをもつものを型とすることができる。
両結晶形が混在していると2θ≒18゜と2θ≒21゜の両
方のピーク出現する。本発明のフイルムは主とし
て型の結晶構造をもつているので、2θ≒21゜に
回折ピークを有する。ただし、配向を有するフイ
ルムにおいては、X線の入射はフイルム表面に直
角に入射する場合(以下、TV方向と称する)と
表面に並行に入射する場合(以下、SV方向と称
する)とに分けて考える必要がある。つまり、X
線の入射方向によつては回折ピークの観測されな
いこともありうるのである。本発明のフイルムの
場合、結晶a軸がフイルム面とほぼ垂直の方向を
向いているので、TVのX線回折では、例えば
(200)ピーク(2θ≒23゜)は観測されない。一方、
結晶b軸及び結晶c軸は、フイルム面とほぼ平行
に存在するので、例えば、本発明のフイルムの好
ましい態様においては、(004)ピークは、TVの
X線回折図において、謂ゆるデバイ環として観測
される。本発明のフイルムの製造において乾燥温
度又は熱処理温度を高くすると、一般に、結晶性
の増大とともに結晶a軸がフイルム面に垂直に配
向した型結晶構造が増え、逆に結晶b軸がフイ
ルム面に垂直に配向した型結晶構造が減少する
ことを見出した。また、湿潤状態のフイルムの2
軸延伸により、結晶c軸のフイルム面内の配向が
増大することも見出された。これらの現象は、本
発明の方法によるフイルムのヤング率の増大及び
吸湿膨張係数の減少と密接に関連していると考え
られる。 次にこのようなPPTAフイルムを得る方法につ
いて述べる。 本発明の方法において、まずPPTAの光学異方
性ドープを調製する必要がある。 本発明のPPTAフイルムの成型に用いるドープ
を調製するのに適した溶媒は、95重量%以上の濃
度の硫酸である。95%未満の硫酸では溶解が因難
であつたり、溶解後のドープが異常に高粘度にな
る。 本発明のドープには、クロル硫酸、フルオロ硫
酸、五酸化リン、トリハロゲン化酢酸などが少し
混入されていてもよい。硫酸は100重量%以上の
ものも可能であるが、ポリマーの安定性や溶解性
などの点から98〜100重量%濃度が好ましく用い
られる。 本発明に用いられるドープ中のポリマー濃度
は、常温(約20℃〜30℃)またはそれ以上の温度
で光学異方性を示す濃度以上のものが好ましく用
いられ、具体的には約10重量%以上で用いられ
る。これ以下のポリマー濃度、すなわち常温また
はそれ以上の温度で光学異方性を示さない低いポ
リマー濃度では、成型されたPPTAフイルムがボ
イドを含みやすく、好ましい透明性や機械的性質
を持たなくなることが多い。ドープのポリマー濃
度の上限は特に限定されるものではないが、通常
は18重量%以下、特に高いηinhのPPTAに対して
は16重量%以下が好ましく用いられ更に好ましく
は14重量%以下である。 本発明のドープには普通の添加剤、例えば、増
量剤、除光沢剤、紫外線安定化剤、熱安定化剤、
抗酸化剤、顔料、溶解助剤、滑剤などを混入して
もよい。 ドープが光学異方性か光学等方性であるかは、
公知の方法、例えば特公昭50−8474号公報記載の
方法で調べることができるが、その臨界点は、溶
媒の種類、温度、ポリマー濃度、ポリマーの重合
度、非溶媒の含有量等に依存するので、これらの
関係を予め調べることによつて、光学異方性ドー
プを作り、光学等方性ドープとなる条件に変える
ことで、光学異方性から光学等方性に変えること
ができる。 本発明に用いられるドープは、成形・凝固に先
立つて可能な限り不溶性のゴミ、異物等を濾過等
によつて取除いておくこと、溶解中に発生又は巻
きこまれる空気等の気体を取除いておくことが好
ましい。脱気は、一旦ドープを調製したあとに行
うこともできるし、調製のための原料の仕込段階
から一貫して真空(減圧)下に行うことによつて
も達成しうる。ドープの調製は連続又は回分で行
うことができる。 このように調製されたドープは、光学異方性を
保つたまま、ダイ例えばスリツトダイから、支持
面上に流延される。また、実験室的には、ガラス
板上にドクターナイフで流延できる。本発明にお
いて、流延及びそれに続く光学等方性への転化、
凝固、洗浄、延伸、乾燥熱処理などの工程を連続
的に行つても、これらの全部又は一部を断続的
に、つまり回分式に行つてもよい。好ましくは流
延工程を連続的に、しかもドープを流延する支持
面の移動速度をダイからのドープの吐出線速度の
2倍以上で行う方法である。このようにすると、
薄手のフイルムが得られ易い他に、フイルムの厚
みムラを小さくできるからである。支持面の移動
速度はより好ましくは、ドープの吐出線速度の
2.5〜8倍である。 本発明の機械的性質に優れた透明フイルムを得
る方法は、ドープを支持面上に流延た後、凝固に
先立つてドープを光学異方性から光学等方性に転
化するものである。 光学異方性から光学等方性にするには、具体的
には支持面上に流延した光学異方性ドープを凝固
に先立ち、吸湿させてドープを形成する溶剤の濃
度を下げ、溶剤の溶解能力およびポリマーの濃度
の変化により光学等方性域に転移させるか、また
は加熱することによりドープを昇温し、ドープの
相を光学等方性に転移させる或いは、吸湿と加熱
とを同時又は逐次的に併用することにより達成で
きる。 特に、吸湿を利用する方法は、加熱を併用する
方法を含めて、光学異方性の光学等方化が効率よ
くかつPPTAの分解ををひきおこすことなく出来
るので、有用である。 ドープを吸湿させるには、通常の温度・湿度の
空気でもよいが、好ましくは、加湿又は加温加湿
された空気を用いる。加湿空気は飽和気圧をこえ
て霧状の水分を含んでいてもよく、いわゆる水蒸
気であつてもよい。ただし、約45℃以下の過飽和
水蒸気は、大きい粒状の凝縮水を含むことが多い
ので好ましくない。吸湿は通常、室温〜約180℃、
好ましくは50℃〜150℃の加湿空気によつて行わ
れる。 加熱による方法の場合、加熱の手段は特に限定
されず、上記の如き加熱された空気を流延ドープ
に当てる方法、赤外線ランプを照射する方法、誘
電加熱による方法などである。 支持面上で光学等方化された流延ドープは、次
に凝固をうける。本発明において、ドープの凝固
液として使用できるのは、例えば、水、約70重量
%以下の希硫酸、約20重量%以下の水酸化ナトリ
ウム水溶液およびアンモニア水、約10重量%以下
の硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム水溶液および
塩化カルシウムなどの水溶液などである、表面平
滑性のすぐれた、つまりRaの小さいフイルムを
得るためには、好ましくは10重量%以上の希硫酸
であり、更に好ましくは30重量%以上の希硫酸で
ある。 本発明において、凝固液の温度は10℃以下にす
るのが好ましい。これは、この温度が低い程、凝
固速度を小さくできることと、フイルムに包含さ
れるボイド少くなるという傾向とが見出され、従
つてフイルムの表面性が向上するからである。凝
固浴温度はより好ましくは5℃以下であり、更に
好ましくは0℃〜40℃である。 凝固されたフイルムはそのままでは酸が多量含
まれているので、加熱による機械的物性低下の少
ないフイルムを製造するためには酸分の洗浄、除
去をできるだけ行う必要がある。酸分の除去は、
具体的には約500ppm以下まで行うことが望まし
い。洗浄液としては水が通常用いれるが、必要に
応じて温水で行つたり、アルカリ水溶液で中和洗
浄した後、水などで洗浄してもよい。洗浄は、例
えば洗浄液中でフイルムを走行させたり、洗浄液
を噴霧する等の方法により行われる。 洗浄されたフイルムは、乾燥をうける前に、湿
潤状態で2軸延伸される必要がある。2軸延伸
は、同時2軸延伸であつても、逐次2軸延伸のど
ちらであつてもよいが、いずれの場合でもMD方
向及びそれと直角の方向(TD方向)に各々1.1倍
以上延伸する必要がある。同時2軸延伸は、例え
ばテンターで、逐次2軸延伸はMD延伸を例えば
ロールで、TD延伸を例えばテンターで行うこと
ができ、MD延伸とTD延伸の順のどちらかでも
よい。延伸を行うと、フイルム内に含有されてい
る水分が汗の如く出てくることがしばしば見受け
られる。 2軸延伸によつて、PPTA分子鎖の配向度の向
上、表面の平滑化及び構造の緻密化が行われるた
め、機械的性質(ヤング率や強度)の増大、寸法
安定性(対吸湿、対温度)の向上、光沢や光線透
過率の増加、Raの減少及びカールの減少などの
作用効果を有する。ここで延伸倍率が1.1倍未満
であると、これらの作用及び効果がいずれも不十
分になる。延伸倍率の上限は特に限定されるもの
ではないが、1.5倍以上の延伸はかなり困難であ
る。延伸倍率は、好ましくは、1.15〜1.35倍であ
る。延伸は2回以上に分割して行つてもよい。な
お、延伸は乾燥前の湿潤状態(ゲル状態)で行う
必要があり、溶媒では硫酸が多量に残つている状
態や乾燥後では機械的性質等の向上に有効な延伸
が施せない。湿潤状態における水の含有率は約50
〜300重量%であるのが好ましい。 本発明において2軸延伸におけるMDとTDの
延伸倍率は、ほぼ同じくらいにするのが好まし
い。ただし、水洗の終了した湿潤フイルムの状態
において僅かではあるがMDへの分子鎖の配向が
優先していることが多いこと、特に逐次2軸延伸
では延伸をうけていない方向に少し収縮が発生す
ること、乾燥によつて形状を固定するまでは配向
緩和とそれに伴なう収縮の発生があること、最終
製品(フイルム)の配向バランスの選択(例え
ば、MD又はTDに少し配向を優先させたテンシ
ライズドフイルムの設計など)等を勘案して、
MDとTDの延伸倍率を少し異なつた値にしても
よい。 乾燥は、2軸延伸を施したフイルムを緊張下、
定長下または僅かに延伸しつつ、フイルムの収縮
を制限して行う必要がある。ここで何らの収縮の
制限を行うことなく乾燥した場合には、ミクロに
不均一な構造形成(結晶化など)がおこるためか
得られるフイルムの光線透過率が小さくなつてし
まうだけでなく、折角2軸延伸した効果が減殺さ
れてしまう。収縮を制限しつつ乾燥するには、例
えばテンター乾燥機や金属枠に挾んでの乾燥など
を利用することができる。乾燥は通常50〜450℃
の温度で行なわれ、好ましくは100〜300℃であ
る。 本発明において、乾燥につづいて熱処理を行う
ことが非常に重要で、350℃以上の温度で行うべ
きである。熱処理温度の上限は、熱処理時間との
関係で決められて然るべきであるが、あまり高温
にするとポリマーの分解、伸度の極度の減少、熱
固定するに十分な時間の確保の困難性などの点か
ら、450℃以下が好ましい。350℃という下限温度
は、これ以下の温度では、吸湿膨張係数が3.5×
10-5mm/mm/%RH以下で、伸度が10%以上であ
るフイルムを得るのが難しいからである。熱処理
温度は好ましくは、350〜430℃である。熱処理時
間は通常5秒〜30分の間から選ばれる。熱処理に
おいてもフイルムの収縮を制限しつつ行うことは
重要で、例えばテンターや金属枠に挾んで実施す
ることができる。 本発明における乾燥及び熱処理は厳密に区分さ
れるものではない。特別の場合として、2軸延伸
された湿潤フイルムを350℃以上に保たれたゾー
ンに収縮を制限しつつ導入して乾燥と熱処理を同
時に或いは境界不明のまま相次いで行うこともで
きる。しかし、好ましい態様においては、2軸延
伸された湿潤フイルムを配向緩和させることなく
ひきつづいて、例えば、テンター中で100〜300℃
の比較的低い温度で乾燥し、ひきつづいて350℃
以上で処理するプロセスである。或いは、上記の
如く一旦乾燥したフイルムを捲取り、改めて熱処
理を施す方法も考えることができる。いずれにせ
よ、比較的低い温度で一旦乾燥を行うと、フイル
ム内部の構造や欠陥のムラが少ないフイルムを得
ることができるので好ましい。 本発明のフイルムの製法において、乾燥又は/
及び熱処理を低温で行うと、結晶b軸がフイルム
面にほぼ垂直に配向した型の結晶構造をもつた
PPTAフイルムが出来、乾燥又は/及び熱処理を
高くすると結晶a軸がフイルム面にほぼ垂直に配
向したI型結晶が多くなり、350℃以上の高温で
は大部分或いは全部が型結晶になつていること
がわかり、温湿度に対する寸法安定性もこのよう
な2つの結晶型間の変換及び配向の変換と関連し
ているものと推測される。 350℃以上で収縮を制限しつつ熱処理すること
によつて、型結晶構造に変換する以外に、結晶
c軸の配向のフイルム面との平行性がより完全に
なり、フイルムの表面がより滑らかになり、凝集
構造がより緻密になり(密度が1.405g/cm3以上)
かつ歪みなく熱固定されなどの現象が観察され、
これらの作用によつて、強度の増大(好ましくは
35Kg/mm2以上)、ヤング率の増大(フイルム面内
のあらゆる方向に1000Kg/mm2以上)吸湿膨張係数
の減少(フイルム面に平行なあらゆる方向に3.5
×10-5mm/mm/%RH以下)、表面平滑性の増大
(Raの減少)、加熱収縮率の減少、カール発生の
減少という効果を発現するのである。 乾燥又は熱処理における加熱の手段は特に限定
されるものではなく、加熱気体(空気、窒素、ア
ルゴンなど)や常温気体による方法、電気ヒータ
や赤外線ランプなどの輻射熱の利用法、誘電加熱
法などの手段から自由に選ぶことができる。 本発明の方法において、全工程を通して連続し
てフイルムを走行させつつ製造することが好まし
い実施態様の1つであるが、望むならば部分的に
回分式に行つてもよい。また任意の工程で油剤、
識別用の染料などをフイルムに付与してもさしつ
かえない。 なお、本発明において、透明性のすぐれた、即
ち光線透過率の極めて大きい、フイルムを得るた
めに、ドープは無論のこと、吸湿用気体、加熱用
気体、支持面体、凝固液、洗浄液、乾燥気体、熱
処理気体等のゴミやチリの含有量が可及的に少な
くなるようにすることが好ましく、この点、謂ゆ
るクリーンルームやクリーン水で本発明のフイル
ムを製造するのも好ましい実施態様の1つであ
る。 (実施例) 以下に実施例および参考例(PPTAの製造例)
を示すが、これらの参考例および実施例は本発明
を説明するものであつて、本発明を限定するもの
ではない。なお、実施例中特に規定しない場合は
重量部または重量%を示す。対数粘度ηinhは98%
硫酸100mlにポリマー0.5gを溶解し、30℃で常法
で測定した。ドープの粘度は、B型粘度計を用い
1rpmの回転速度で測定したものである。フイル
ムの厚さは、直径2mmの測定面を持つたダイヤル
ゲージで測定した。強伸度およびヤング率は、定
速伸長型強伸度測定機により、フイルム試料を
100mm×10mmの長方形に切り取り、最初のつかみ
長さ30mm、引張り速度30mm/分で荷重−伸長曲線
を5回描き、これより算出したものである。 光線透過率は、600nmの波長の光線を用いて、
紫外線可視吸光光度計を用いて測定した。吸湿膨
張係数は、熱機械分析装置に2mm幅のサンプルを
把握長8mm、荷重0.15Kg/mm2でセツトし、25℃で
湿度を0%から90%に変化させたときのサンプル
の初期長さに対する増分の比を相対湿度の変化に
対して求めたものである。カール中心線平均粗さ
(Ra)、密度は前記した方法で判定又は測定した。 吸湿率は、サンプルを絶乾状態から25℃,65%
RHの雰囲気に放置したときの、サンプルの初期
重量に対する増分の比を百分率表示したものであ
る。 加熱収縮率は、サンプルを約10cm長さにとり、
25℃,65%RHで長さを精密に測定したのち、
250℃のオーブン中に2時間入れ、取り出して25
℃,65%RHの雰囲気に2時間放置後の長さを測
定し、サンプルの初期長さに対する減分の比を百
分率表示したものである。 実施例1〜3及び比較例1〜2 小型のクリーンベンチを用意して、本実施例は
その中で行つた。 ηinhが5.8のPPTAを99.5%の硫酸にポリマー
濃度12.5%で溶解し、60℃で光学異方性をもつド
ープを得た。このドープは約30℃で9900ポイズを
示した。このドープを約65〜70℃で5時間にわた
り真空下に脱気した。 このドープを65℃以上に保つたまま、表面仕上
に入念に施したガラス板上にキヤストし、次いで
ドクターナイフでフイルム状に硫延した。流延し
た光学異方性ドープをガラス板ごと、120℃のホ
ツトプレート上において加熱するとともに、32℃
80%湿度の空気から吸湿させて、透明な光学等方
性ドープに転化した。 次いで、ドープを流延したガラス板を、−10℃
の25%硫酸水溶液中に浸漬して凝固させた。約10
分間浸漬したのち、形成されたフイルムを硫酸水
溶液からとり出し、約25℃の水中に2昼夜静置し
て(ただし、計7回水をとりかえた。)、洗浄し
た。 得られた湿潤フイルム(約230%の含水量)を
フイルムストレツチヤーを使つて、室温で同時2
軸延伸した。延伸倍率は表1に示した(延伸倍率
はタテ、ヨコ同率。)。次いでフイルムストレツチ
ヤーにフイルムを貼りつけたまま、高温に加熱さ
れた熱板をフイルムの両面から約1〜2mmの距離
に接近させ、約15分間その状態に保持して、乾燥
及び熱処理を行つた。熱板の温度を表1に示し
た。 なお、比較のため、湿潤フイルムを延伸せずに
定長で乾燥して得たフイルム(比較例1)と、熱
板温度の低い乾燥・熱処理で得たフイルム(比較
例2)を併せて、表1に記載する。なお、光線透
過率は全てのフイルムについて78〜91%の範囲に
あり、実施例のフイルムは比較例のフイルムに比
べて明らかに表面光沢に富んでいた。また、X線
回折の結果、比較例2のフイルムは型結晶と
型結晶が混在していたが、実施例2のフイルムは
実質的に全て型結晶であり、その他のフイルム
は型結晶がわずかに存在するのみで大部分は
型結晶からなつていた。更に、結晶c軸の面配向
性は、比較例のフイルムに比べ、実施例のフイル
ムが勝つていることが判明し、型結晶の場合結
晶a軸がフイルム面に垂直であるのに対し、型
結晶は結晶b軸がフイルム面に垂直であることも
判つた。また、全てのフイルムのηinhは5.0〜5.3
の範囲にあつた。
【表】
【表】 比較例 3 特公昭53−44957号公報の実施例4の追試を行
つた。 ηinh=5.8のPPTAを用意し、その10gを98%
濃硫酸50gに120℃で1.5時間かけて溶解した。ド
ープはかなり黒ずんでいた。この光学異方性ドー
プを約135℃に加熱されたガラス板上に流延して、
即座に約2℃の水中に入れた。PPTAの分解がす
すんでいたためか、水中から5分後にフイルムを
とり出そうとすると破れてとり出せなかつた。参
考のためにηinhをはかると1.4であつた。 そこで、改めてηinh=5.3のPPTA10gを98%
濃硫酸50gに75℃で2時間かけて溶解し、次いで
ドープを120℃に加熱して、135℃に加熱されたガ
ラス板上に流延し、即座に2℃の水中に入れた。
水中に浸漬する直前のドープは光学異方性を保つ
たままだつた。水中に5分浸漬したあと、ガラス
板からひきはがし、25℃の流水中で24時間洗浄し
た。このフイルムをステンレス製の枠にはさんで
300℃で5分間乾燥した。次いで、不透明のこの
フイルムを400℃で1.1倍に一軸延伸することを試
みたが、流延方向及びそれと直角の方向とも延伸
が困難で破れる個所が多かつた。流延方向にのみ
延伸したフイルムの破れていない部分をサンプリ
ングしたところ、ヤング率は830Kg/mm2あつたが、
強度は9Kg/mm2、伸度は1.8%と小さく、また光
線透過率は11%にしかすぎなかつた。 比較例 4 特公昭55−51248号公報の参考製造例4の追試
結果を示す。 ηinh=5.6のPPTAと99%の濃硫酸から、ポリ
マー濃度5%の光学等方性溶液をつくつた。これ
をガラス板に流延したのち、そのまま5℃の水中
に浸漬して凝固し、ステンレス枠に固定して100
℃で熱風乾燥した。 このフイルムは、強度11Kg/mm2、伸度14%、ヤ
ング率860Kg/mm2、光線透過率32%のほぼ等方的
な性質をもつていたが、小さなボイドが数多く見
られた。また、簡単に手で引裂けた。 次にこのフイルムを再び枠にはさみ、320℃で
30秒間定長熱処理した。光線透過率は37%と少し
増大したが、ボイドは消失しなかつた。また、熱
処理前及び後ともカールが著しかつた。 実施例4〜7、比較例5 ηinhが5.5のPPTAポリマーを99.7%の硫酸に
ポリマー濃度11.5%で溶解し、60℃で光学異方性
のあるドープを得た。このドープの粘度を常温で
測定したところ、10600ポイズだつた。製膜しや
すくするために、このドープを約70℃に保つたま
ま、真空下に脱気した。この場合も上記と同じく
光学異方性を有し、粘度は4400ポイズであつた。
タンクからフイルターを通し、ギアポンプをへて
ダイに到る1.5mの曲管を約70℃に保ち、0.15mm
×300mmのスリツトを有するダイから3.5m/分の
吐出線速度で、鏡面に磨いたタンタル製のベルト
(12m/分で移動)にキヤストし、相対湿度約85
%の約90℃の空気を吹きつけて、流延ドープを光
学等方化し、ベルトとともに、−5℃の15重量%
硫酸水溶液の中に導いて凝固させた。次いで凝固
フイルムをベルトからひきはがし、約40℃の温水
中、炭酸ソーダの1%水溶液中、次いで−25℃水
中を走行させて洗浄した。 洗浄の終了した含水率約280%のフイルムをま
ず室温でロールの周速差を利用して長尺方向
(MD)に一軸延伸を行い、次いでテンターに入
れて入口に近いところで幅方向(TD)に延伸し
テンターの中央付近は150℃に定長加熱して乾燥
し、更にテンターの出口付近には赤外線ランプを
とりつけて熱処理したのち、フイルムを捲取つ
た。 得られたフイルムは、いずれも4.5〜5.0μmの
厚みをもち、X線回折によると型結晶が大部分
で結晶a軸がフイルム面に垂直で、光線透過率83
〜92%、ηinh=4.7〜5.1、吸湿率1.2〜1.9%の範
囲に入つていた。 その他の性質は、延伸条件及び熱処理温度とと
もに表2に示した。 比較例5は湿潤延伸倍率が小さいために、フイ
ルムの諸特性の改善が不十分である。
【表】
【表】 (発明の効果) 本発明のフイルムは、PPTAフイルムがもつて
いた本来の性質、例えば優れた電気絶縁性、耐熱
性、耐油性、耐圧性、強酸以外の耐薬品性、構造
の緻密性に加えて次のような特徴をもつている。 ヤング率が非常に大きく、外力に対する変形
抵抗性にすぐれていること。 カールしないこと。 吸湿膨張係数が小さく、湿度の変化に伴なう
寸法変化が小さいこと。吸湿率も小さいこと。 透明性にすぐれていること。 加熱収縮率が小さく、加熱に対する寸法安定
性にすぐれていること。 強度が大きいこと。 適度な伸度を有しタフであること。 表面平滑性にすぐれていること。 本発明のフイルムの製法の特徴は、これらの特
色を兼ね備えたアラミドフイルムを工業的に実施
しうることにあるほか、特に薄手のフイルムを製
造し易いという特徴を有する。 本発明のフイルムは、このような諸特徴を兼ね
備えていることを活かして、特に磁気テープや磁
気デイスクなどの磁気記録媒体のベースフイルム
として有用であるが、その他にも、コンデンサー
用誘電体、熱転写プリンター用テープのベースフ
イルム、透明導電フイルム、フレキシブルプリン
ト配線基板、粘着テープ、電気機器の絶縁材など
にも有用である。 殊に、本発明の薄手フイルムをビデオテープレ
コーダ用の磁気テープとして、バインダー型又は
非バインダー型で使用したとき、軽量で長時間録
画が加能となり、画像の鮮明性や安定性にもすぐ
れた高品質のテープとなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 対数粘度が3.5以上の実質的にポリ(P−フ
    エニレンテレフタルアミド)よりなるフイルムで
    あつて、フイルム面に平行な全ての方向の伸度及
    びヤング率が各々少くとも10%及び1000Kg/mm2
    あり、600nmの波長の光線透過率が60%以上であ
    り、主として型結晶からなり、密度が1.405〜
    1.425g/cm3であり、かつフイルム面に平行な方
    向の吸湿膨張係数が3.5×10-5mm/mm/%RH以下
    であることを特徴とするアラミドフイルム。
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