JPH0470938B2 - - Google Patents
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- JPH0470938B2 JPH0470938B2 JP58244617A JP24461783A JPH0470938B2 JP H0470938 B2 JPH0470938 B2 JP H0470938B2 JP 58244617 A JP58244617 A JP 58244617A JP 24461783 A JP24461783 A JP 24461783A JP H0470938 B2 JPH0470938 B2 JP H0470938B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- membrane
- stretching
- film
- blood
- phb
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
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Landscapes
- External Artificial Organs (AREA)
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
- Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
Description
本発明は3−ヒドロキシ酪酸を主成分とする熱
可塑性ポリエステルからなる新規な微多孔質膜に
関する。 近年高分子膜に関する研究開発の進歩は目覚ま
しく、用途に応じて分画特性及び素材の選択等が
行われている。特に血液、血漿等の体液の透析、
過、ガス交換等に利用される膜は、人工腎臓、
人工肝臓、血漿交換療法、人工肺等の医療分野に
急速に利用されつつある。これらの用途に関して
要求される膜の性能としては、分画特性も重要な
因子であるが、さらに重要な因子として生体適合
性及び抗凝血性がある。生体適合性は例えば体内
植込み型の人工臓器を開発する場合に欠くべから
ず事項であり、また抗凝血性は体内植込み型のみ
ならず、体外で使用する人工臓器に対しても必要
な事項である。例えば従来の人工腎臓において
は、高分子膜で血液を透析する場合、一回の使用
時間は5〜6時間と比較的単い時間であるが、血
液と高分子膜が接触して凝血を起こすため、抗凝
血剤としてヘパリンを患者の血液に添加して透析
を行つている。ヘパリンの添加は血液を凝血しに
くくするため患者が出血した場合に出血が止まら
ず、危険な状態となるおそれがあつて好ましい方
法ではない。 本発明者らは、このような現状に鑑み、生体適
合性がありかつ抗凝血性の優れた素材を探索し、
かつその素材を微多孔質化する方法を発見して、
抗凝血性の優れた微多孔質膜を得ることに成功し
た。 本発明は、3−ヒドロキシ酪酸単位を80モル%
以上含む熱可塑性ポリエステルからなる膜であつ
て、その両表面並びに内部に互いに連結した微小
空孔が存在し、該膜のエチルアルコール中で測定
したバブルポイントが1.0〜20Kg/cm2である微多
孔質膜である。 本発明の膜の素材である3−ヒドロキシ酪酸を
主成分とするポリエステルは、主に微生物を利用
して製造される。ある種の微生物例えばアリカリ
ゲネス・ユートロフス、アゾトバクター・ビネラ
ンデイなどを、水性培地中で水溶性の資化性炭素
含有基質例えばグルコースにより培養すると、あ
る期間微生物内に3−ヒドロキシ酪酸単位
可塑性ポリエステルからなる新規な微多孔質膜に
関する。 近年高分子膜に関する研究開発の進歩は目覚ま
しく、用途に応じて分画特性及び素材の選択等が
行われている。特に血液、血漿等の体液の透析、
過、ガス交換等に利用される膜は、人工腎臓、
人工肝臓、血漿交換療法、人工肺等の医療分野に
急速に利用されつつある。これらの用途に関して
要求される膜の性能としては、分画特性も重要な
因子であるが、さらに重要な因子として生体適合
性及び抗凝血性がある。生体適合性は例えば体内
植込み型の人工臓器を開発する場合に欠くべから
ず事項であり、また抗凝血性は体内植込み型のみ
ならず、体外で使用する人工臓器に対しても必要
な事項である。例えば従来の人工腎臓において
は、高分子膜で血液を透析する場合、一回の使用
時間は5〜6時間と比較的単い時間であるが、血
液と高分子膜が接触して凝血を起こすため、抗凝
血剤としてヘパリンを患者の血液に添加して透析
を行つている。ヘパリンの添加は血液を凝血しに
くくするため患者が出血した場合に出血が止まら
ず、危険な状態となるおそれがあつて好ましい方
法ではない。 本発明者らは、このような現状に鑑み、生体適
合性がありかつ抗凝血性の優れた素材を探索し、
かつその素材を微多孔質化する方法を発見して、
抗凝血性の優れた微多孔質膜を得ることに成功し
た。 本発明は、3−ヒドロキシ酪酸単位を80モル%
以上含む熱可塑性ポリエステルからなる膜であつ
て、その両表面並びに内部に互いに連結した微小
空孔が存在し、該膜のエチルアルコール中で測定
したバブルポイントが1.0〜20Kg/cm2である微多
孔質膜である。 本発明の膜の素材である3−ヒドロキシ酪酸を
主成分とするポリエステルは、主に微生物を利用
して製造される。ある種の微生物例えばアリカリ
ゲネス・ユートロフス、アゾトバクター・ビネラ
ンデイなどを、水性培地中で水溶性の資化性炭素
含有基質例えばグルコースにより培養すると、あ
る期間微生物内に3−ヒドロキシ酪酸単位
【式】のみを繰返し単位とする
熱可塑性脂肪族ポリエステル、すなわちポリヒド
ロキシブチレート(以下PHBと略す)が得られ
る。次いて微生物を遠心分離等で培養液から分離
し、洗浄乾燥し、クロロホルムで抽出し、抽出液
をn−ヘキサン等の非溶剤中に注ぐことによつ
て、PHBが白色沈殿物として得られる。このよ
うにして得たPHBはアイソタクチツクな光学活
性を有する結晶性ポリマーで、178℃近辺に明確
な結晶の融点を示す。ポリマーの分子量は培養条
件によつて変化し、1〜200万のものを得ること
ができる。PHBはβ−ブチロラクトンの開環重
合によつても製造できるが、光学活性の結晶性に
優れたPHBを工業的規模で多量に入手すること
な現段階では困難である。 グルコースを基質とする培養法において、基質
としてグルコースと共にプロピオン酸、3−ヒド
ロキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン
酸、2−ヒドロキシ酪酸、イソ酪酸、アクリル酸
等を使用することによつて、繰返し単位()及
び()を含む熱可塑性脂肪酸ポリエステルを得
ることができる。 () −O・CH(CH3)・CH2CO− () −O・CR1R2・(CR3R4)o・CO− nは0又は1以上の整数、R1、R2R3、R4はそ
れぞれ水素、炭化水素基、ヒドロキシ置換炭化水
素基又はヒドロキシ基であつて、ただしn=1そ
してR2=R3=R4=Hであるときは、R1はメチル
基でないものとする。 こうして得られたポリエステルを用いて微多孔
質膜を製造する。多孔質膜の形態としては、フイ
ルム状、中空繊維状、チユーブ状等のいずれの形
態とするかはその用途によつて異なる。血液の
渦や透析を目的とした医療用途には、中空繊維状
のものが好ましい。高分子素材から多孔質膜を得
るには、高分子を溶剤に溶解させて製膜原液を調
整し、成形後、脱溶剤する方法(湿式法、乾式
法)があるが、溶融方法が好ましい。すなわりポ
リマーをその結晶の融点以上に加熱溶融し、適切
なダイスあるいはノズルより押出し、冷却固化さ
せる。PHBの場合は結晶化速度が遅いため、溶
融押出し温度は必ずしも結晶の融点以上で行う必
要はなく、一度融点以上で加熱溶融したのち、融
点以下の温度で押出すことも可能である。冷却固
化の段階でポリマーは結晶化を起こすが、この段
階で延伸することによつて配向結晶化を促進させ
ることが望ましい。このようにして配向結晶化さ
せた膜を、必要ならば熱処理を行つて、さらに結
晶化を進行させることができる。 結晶化温度としては、50℃以上融点以下の温度
が好ましい。次いでこの膜をその長さ方向に延伸
する。延伸は1段又はそれ以上の多段延伸で行わ
れるが、いずれの場合も1段目の延伸は90℃以下
好ましくは50℃以下で行われる。2段目以降の延
伸は高温で行うのが好ましく、その場合は100℃
以上融点以下の温度が好適である。延伸倍率は
1.3倍以上6倍以下が好ましい。大きな孔径を有
する微多孔質膜を得るためには、多段延伸を行う
ことが好ましく、その場合、1段目の延伸は2倍
以下にすることが好ましい。この延伸過程で膜中
に多数の微小空孔が形成される。最後に延伸膜を
熱処理することが、膜の形態安定性の面から好ま
しい。この最終熱処理温度は100℃以上融点以下
が好ましい。熱処理は定長状態あるいは緩和状態
のどちらの状態でも行うことができる。 本発明の微多孔質膜を得るためには、上記のご
とく結晶性の高いポリマーを延伸配向させた中空
繊維又はフイルムを形成させる必要がある。本発
明者らの検討によれば、3−ヒドロキシ酪酸単位
を80モル%以上含むポリエステルであれば、この
ような構造を形成させることができ、後工程の冷
延伸(第1段延伸)や熱延伸(第2段以降の延
伸)により膜中に微孔を形成させることが可能と
なる。溶融押出しにより配向結晶化させる場合
は、結晶化を促進させるため炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、タルク等の無機化合物又はステ
アリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等の有
機塩を、結晶の核形成剤又は結晶化速度促進剤と
して加えることもできる。本発明に用いる熱可塑
性脂肪族ポリエステルは、そのポリマー末端にカ
ルボン酸基が存在して、加熱溶融時に加水分解の
触媒として作用するため、分子量の低下を起こ
す。したがつて分子量の低下を望まない場合は、
カルボン酸基をエステル化して用いることが好ま
しい。 膜中の分画特性(以下バブルポイントを指標と
して用いる)並びに空孔率は、溶融賦形時の延伸
配孔の状態、後工程の延伸倍率、延伸温度等によ
つて変化する。高度に延伸配向させ、室温で第1
段延伸、高温で高倍率に第2以降の延伸をするこ
とによつて、バブルポイントが低くかつ空孔率の
高い膜が得られる。なおバブルポイントが高いと
より小さい粒径のものを阻止し、バブルポイント
が低いとより大きい粒径のものを透過する。バブ
ルポイントの測定法は後述する。このようにして
得られた膜は、膜の両表面並びに内部に微小空孔
を多数有している。 本発明では膜中に存在する空孔の大きさをバブ
ルリポイントで規定する。バブルポイントをP
(Kg/cm2)、膜中のバルブポイントに達した孔の孔
径をdとすると、下記の関係が成り立つ。 d=C×γ・cosφ/P (1) C:孔の形状因子 γ:液体の表面張力 φ:液体と膜素材の接触角 式(1)は、孔の形状が円筒と仮定し(C=1)、
液体が膜素材を完全に濡らす(θ=0)と仮定す
ると、次式のように簡略化される。 d=γ/P (2) しかし本発明の膜の場合は、電顕による空孔観
察では孔形状が円筒と仮定しがたく、式(2)でバブ
ルポイントから空孔を求めるのは実質上意味がな
い。したがつてバブルポイントそのものを空孔の
大きさの目安とした。また膜素材が液体に完全に
濡れるように液体としてエタノールを選んで、20
℃で膜面から泡が一様に出はじめる時の圧力を測
定した。このような測定によれば、本発明の膜は
バブルポイントとして1〜20(Kg/cm2)の範囲を
有する微多孔質膜であることが認められた。他
方、膜の空孔率は水銀圧入法によつて評価した。 膜の過膜としての性能を確認するためには、
実際に水や溶液を過してみる必要がある。空孔
の大きさや空孔率を求めただけでは、空孔が膜の
表面から裏面へ互いに連結して貫通しているかど
うかは不明だからである。本発明の膜は透水速度
が0.01〜10/m2・hr・mmHgの値を有するよう
に構成されることが好ましい。バブルポイントの
高いものは透水速度が低く、小さい分子の溶質を
限外過することが可能である。 本発明の膜は優れた抗凝血性を示す。凝血性の
試験には種々の方法が提案されているが、本発明
者はSahli−Fonio法によつて行つた。すなわち
フイルム状の膜の上に新鮮な血液を滴下し、注射
針の先で滴下血液を持ち上げ、血液が固まつて糸
を引き始めるまでの時間を計測することによつて
判定した。その結果によつて本発明の多孔質膜
は、市販の医療用チユーブとして用いられている
シリコンチユーブよりも凝血時間が長いことが証
明された。 参考例 1 アゾトバクター・ビネランデイー(IFO13581)
を、脱イオン水1当り次の組成を有する培地7
を入れた10容積の発酵槽で、PH7.7、30℃、
72時間の好気培養によつて増殖させた。 グルコース 3%(wt/vol) K2HPO4 0.1% CaCl2 0.11% MgSO4・7H2O 0.4% FeSO4・7H2O 0.012% (NH4)6Mo7O24・4H2O 0.01% NaCl 0.4% CaCO3 0.01% ZnO 0.002% MnCl・4H2O 0.01% CuCl2・4H2O 0.001% CaCl2・6H2O 0.001% 培養終了後、培養液から遠心分離(6000rpm)
によつて菌体を分離し、これを更に脱イオン水及
びアセトンで洗浄し、遠心分離を繰り返して80g
の菌体を得た。この菌体を3のクロロホルム中
に懸濁させ、4時間煮沸したのち、菌体を過
し、液を6のn−ヘキサン中に注ぎ、凝固物
を分離し、乾燥して32gの白色粉末を得た。この
物質は元素分析、NMR及びIRによる分析の結
果、純粋なPHBであることが確認された。 参考例 2 バチルス・セレウス(IFO3836)を、脱イオン
水1当り次の組成を有する培地7を入れた10
の容積の発酵槽で、PH7.2、30℃、48時間の好
気培養によつて増殖させた。 グルコース 3%(wt/vol) 肉エキス 0.1% (NH4)2SO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.4% FeSO4・7H2O 0.012% (NH4)6Mo7O24・4H2O 0.01% NaCl 0.4% CaCO3 0.01% ZnO 0.002% MnCl2・2H2O 0.01% CuCl2・2H2O 0.001% CaCl2・6H2O 0.001% 培養終了後、実施例1と同様の操作により20g
のPHBホモポリマーを得た。 参考例 3 バチルス・セレウス(IFO3836)を、脱水イオ
ン水1当り次の組成を有する培地7を入れた
10容積の発酵槽で、ピロピオン酸を7g/日の
割合で添加し、0.1M苛性ソーダ及び0.1M塩酸で
PHを7.2に調整しながら、30℃で48時間好気培養
によつて増殖させた。 グルコース 2%(wt/vol) 肉エキス 0.1% (NH4)2SO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.4% FeSO4・7H2O 0.012% (NH4)6Mo7O24・4H2O 0.01% NaCl 0.4% CaCO3 0.01% ZnO 0.002% MnCl2・2H2O 0.001% CuCl2・2H2O 0.001% CaCl2・6H2O 0.001% 培養終了後、実施例1と同様の操作により15g
の白色粉末を得た。これを硫酸酸性で加水分解
し、ガスクロマトグラフイ法で分析すると、3−
ヒドロキシ酪酸単位85%及び3−ヒドロキシバレ
リアン酸単位15%を含有していた。 実施例 1 参考例1で合成したPHBを用いて微多孔質膜
を以下の方法で調整した。PHBをクロロホルム
に溶解してPHBの3重量%溶液を作り、これを
ガラス板上に流延し、クロロホルムを蒸発させて
膜厚70μのフイルムを得た。このフイルムを延伸
機に固定し、熱板上でフイルムを加温した。フイ
ルムの溶融と同時に該フイルムを熱板から室温雰
囲気へ戻し、直ちに延伸機により所定の倍率まで
延伸し、その状態で(室温下)20分間放置し、延
伸したフイルムを延伸機から取りはずした。こう
して得られたフイルムは、延伸倍率と共に配向結
晶化している様子がX線回折像から確かめられ
た。このように配向結晶化させたフイルムを熱風
乾燥機中で、自由長下に熱風温度100℃で30分間
熱処理(第1段熱処理)を行つた。 次いでこの熱処理フイルムを延伸機に固定し、
室温で所定の倍率まで延伸し(第1段延伸)、延
伸状態のまま120℃の熱風乾燥機中で10分間熱処
理(第2段熱処理)を行つた。室温延伸時に透明
のフイルムが、延伸によつて白化することが観察
された。他方別のフイルムについて室温で延伸
し、続いて130℃の熱風乾燥機中でさらに延伸
(第2段延伸)を行い、同時にその温度で10分間
第2段熱処理を行つた。 こうして得られた膜のバブルポイント、空孔
率、透水速度の測定を行つた結果を第1表にまと
めて示す。
ロキシブチレート(以下PHBと略す)が得られ
る。次いて微生物を遠心分離等で培養液から分離
し、洗浄乾燥し、クロロホルムで抽出し、抽出液
をn−ヘキサン等の非溶剤中に注ぐことによつ
て、PHBが白色沈殿物として得られる。このよ
うにして得たPHBはアイソタクチツクな光学活
性を有する結晶性ポリマーで、178℃近辺に明確
な結晶の融点を示す。ポリマーの分子量は培養条
件によつて変化し、1〜200万のものを得ること
ができる。PHBはβ−ブチロラクトンの開環重
合によつても製造できるが、光学活性の結晶性に
優れたPHBを工業的規模で多量に入手すること
な現段階では困難である。 グルコースを基質とする培養法において、基質
としてグルコースと共にプロピオン酸、3−ヒド
ロキシプロピオン酸、3−エトキシプロピオン
酸、2−ヒドロキシ酪酸、イソ酪酸、アクリル酸
等を使用することによつて、繰返し単位()及
び()を含む熱可塑性脂肪酸ポリエステルを得
ることができる。 () −O・CH(CH3)・CH2CO− () −O・CR1R2・(CR3R4)o・CO− nは0又は1以上の整数、R1、R2R3、R4はそ
れぞれ水素、炭化水素基、ヒドロキシ置換炭化水
素基又はヒドロキシ基であつて、ただしn=1そ
してR2=R3=R4=Hであるときは、R1はメチル
基でないものとする。 こうして得られたポリエステルを用いて微多孔
質膜を製造する。多孔質膜の形態としては、フイ
ルム状、中空繊維状、チユーブ状等のいずれの形
態とするかはその用途によつて異なる。血液の
渦や透析を目的とした医療用途には、中空繊維状
のものが好ましい。高分子素材から多孔質膜を得
るには、高分子を溶剤に溶解させて製膜原液を調
整し、成形後、脱溶剤する方法(湿式法、乾式
法)があるが、溶融方法が好ましい。すなわりポ
リマーをその結晶の融点以上に加熱溶融し、適切
なダイスあるいはノズルより押出し、冷却固化さ
せる。PHBの場合は結晶化速度が遅いため、溶
融押出し温度は必ずしも結晶の融点以上で行う必
要はなく、一度融点以上で加熱溶融したのち、融
点以下の温度で押出すことも可能である。冷却固
化の段階でポリマーは結晶化を起こすが、この段
階で延伸することによつて配向結晶化を促進させ
ることが望ましい。このようにして配向結晶化さ
せた膜を、必要ならば熱処理を行つて、さらに結
晶化を進行させることができる。 結晶化温度としては、50℃以上融点以下の温度
が好ましい。次いでこの膜をその長さ方向に延伸
する。延伸は1段又はそれ以上の多段延伸で行わ
れるが、いずれの場合も1段目の延伸は90℃以下
好ましくは50℃以下で行われる。2段目以降の延
伸は高温で行うのが好ましく、その場合は100℃
以上融点以下の温度が好適である。延伸倍率は
1.3倍以上6倍以下が好ましい。大きな孔径を有
する微多孔質膜を得るためには、多段延伸を行う
ことが好ましく、その場合、1段目の延伸は2倍
以下にすることが好ましい。この延伸過程で膜中
に多数の微小空孔が形成される。最後に延伸膜を
熱処理することが、膜の形態安定性の面から好ま
しい。この最終熱処理温度は100℃以上融点以下
が好ましい。熱処理は定長状態あるいは緩和状態
のどちらの状態でも行うことができる。 本発明の微多孔質膜を得るためには、上記のご
とく結晶性の高いポリマーを延伸配向させた中空
繊維又はフイルムを形成させる必要がある。本発
明者らの検討によれば、3−ヒドロキシ酪酸単位
を80モル%以上含むポリエステルであれば、この
ような構造を形成させることができ、後工程の冷
延伸(第1段延伸)や熱延伸(第2段以降の延
伸)により膜中に微孔を形成させることが可能と
なる。溶融押出しにより配向結晶化させる場合
は、結晶化を促進させるため炭酸カルシウム、炭
酸マグネシウム、タルク等の無機化合物又はステ
アリン酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム等の有
機塩を、結晶の核形成剤又は結晶化速度促進剤と
して加えることもできる。本発明に用いる熱可塑
性脂肪族ポリエステルは、そのポリマー末端にカ
ルボン酸基が存在して、加熱溶融時に加水分解の
触媒として作用するため、分子量の低下を起こ
す。したがつて分子量の低下を望まない場合は、
カルボン酸基をエステル化して用いることが好ま
しい。 膜中の分画特性(以下バブルポイントを指標と
して用いる)並びに空孔率は、溶融賦形時の延伸
配孔の状態、後工程の延伸倍率、延伸温度等によ
つて変化する。高度に延伸配向させ、室温で第1
段延伸、高温で高倍率に第2以降の延伸をするこ
とによつて、バブルポイントが低くかつ空孔率の
高い膜が得られる。なおバブルポイントが高いと
より小さい粒径のものを阻止し、バブルポイント
が低いとより大きい粒径のものを透過する。バブ
ルポイントの測定法は後述する。このようにして
得られた膜は、膜の両表面並びに内部に微小空孔
を多数有している。 本発明では膜中に存在する空孔の大きさをバブ
ルリポイントで規定する。バブルポイントをP
(Kg/cm2)、膜中のバルブポイントに達した孔の孔
径をdとすると、下記の関係が成り立つ。 d=C×γ・cosφ/P (1) C:孔の形状因子 γ:液体の表面張力 φ:液体と膜素材の接触角 式(1)は、孔の形状が円筒と仮定し(C=1)、
液体が膜素材を完全に濡らす(θ=0)と仮定す
ると、次式のように簡略化される。 d=γ/P (2) しかし本発明の膜の場合は、電顕による空孔観
察では孔形状が円筒と仮定しがたく、式(2)でバブ
ルポイントから空孔を求めるのは実質上意味がな
い。したがつてバブルポイントそのものを空孔の
大きさの目安とした。また膜素材が液体に完全に
濡れるように液体としてエタノールを選んで、20
℃で膜面から泡が一様に出はじめる時の圧力を測
定した。このような測定によれば、本発明の膜は
バブルポイントとして1〜20(Kg/cm2)の範囲を
有する微多孔質膜であることが認められた。他
方、膜の空孔率は水銀圧入法によつて評価した。 膜の過膜としての性能を確認するためには、
実際に水や溶液を過してみる必要がある。空孔
の大きさや空孔率を求めただけでは、空孔が膜の
表面から裏面へ互いに連結して貫通しているかど
うかは不明だからである。本発明の膜は透水速度
が0.01〜10/m2・hr・mmHgの値を有するよう
に構成されることが好ましい。バブルポイントの
高いものは透水速度が低く、小さい分子の溶質を
限外過することが可能である。 本発明の膜は優れた抗凝血性を示す。凝血性の
試験には種々の方法が提案されているが、本発明
者はSahli−Fonio法によつて行つた。すなわち
フイルム状の膜の上に新鮮な血液を滴下し、注射
針の先で滴下血液を持ち上げ、血液が固まつて糸
を引き始めるまでの時間を計測することによつて
判定した。その結果によつて本発明の多孔質膜
は、市販の医療用チユーブとして用いられている
シリコンチユーブよりも凝血時間が長いことが証
明された。 参考例 1 アゾトバクター・ビネランデイー(IFO13581)
を、脱イオン水1当り次の組成を有する培地7
を入れた10容積の発酵槽で、PH7.7、30℃、
72時間の好気培養によつて増殖させた。 グルコース 3%(wt/vol) K2HPO4 0.1% CaCl2 0.11% MgSO4・7H2O 0.4% FeSO4・7H2O 0.012% (NH4)6Mo7O24・4H2O 0.01% NaCl 0.4% CaCO3 0.01% ZnO 0.002% MnCl・4H2O 0.01% CuCl2・4H2O 0.001% CaCl2・6H2O 0.001% 培養終了後、培養液から遠心分離(6000rpm)
によつて菌体を分離し、これを更に脱イオン水及
びアセトンで洗浄し、遠心分離を繰り返して80g
の菌体を得た。この菌体を3のクロロホルム中
に懸濁させ、4時間煮沸したのち、菌体を過
し、液を6のn−ヘキサン中に注ぎ、凝固物
を分離し、乾燥して32gの白色粉末を得た。この
物質は元素分析、NMR及びIRによる分析の結
果、純粋なPHBであることが確認された。 参考例 2 バチルス・セレウス(IFO3836)を、脱イオン
水1当り次の組成を有する培地7を入れた10
の容積の発酵槽で、PH7.2、30℃、48時間の好
気培養によつて増殖させた。 グルコース 3%(wt/vol) 肉エキス 0.1% (NH4)2SO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.4% FeSO4・7H2O 0.012% (NH4)6Mo7O24・4H2O 0.01% NaCl 0.4% CaCO3 0.01% ZnO 0.002% MnCl2・2H2O 0.01% CuCl2・2H2O 0.001% CaCl2・6H2O 0.001% 培養終了後、実施例1と同様の操作により20g
のPHBホモポリマーを得た。 参考例 3 バチルス・セレウス(IFO3836)を、脱水イオ
ン水1当り次の組成を有する培地7を入れた
10容積の発酵槽で、ピロピオン酸を7g/日の
割合で添加し、0.1M苛性ソーダ及び0.1M塩酸で
PHを7.2に調整しながら、30℃で48時間好気培養
によつて増殖させた。 グルコース 2%(wt/vol) 肉エキス 0.1% (NH4)2SO4 0.1% MgSO4・7H2O 0.4% FeSO4・7H2O 0.012% (NH4)6Mo7O24・4H2O 0.01% NaCl 0.4% CaCO3 0.01% ZnO 0.002% MnCl2・2H2O 0.001% CuCl2・2H2O 0.001% CaCl2・6H2O 0.001% 培養終了後、実施例1と同様の操作により15g
の白色粉末を得た。これを硫酸酸性で加水分解
し、ガスクロマトグラフイ法で分析すると、3−
ヒドロキシ酪酸単位85%及び3−ヒドロキシバレ
リアン酸単位15%を含有していた。 実施例 1 参考例1で合成したPHBを用いて微多孔質膜
を以下の方法で調整した。PHBをクロロホルム
に溶解してPHBの3重量%溶液を作り、これを
ガラス板上に流延し、クロロホルムを蒸発させて
膜厚70μのフイルムを得た。このフイルムを延伸
機に固定し、熱板上でフイルムを加温した。フイ
ルムの溶融と同時に該フイルムを熱板から室温雰
囲気へ戻し、直ちに延伸機により所定の倍率まで
延伸し、その状態で(室温下)20分間放置し、延
伸したフイルムを延伸機から取りはずした。こう
して得られたフイルムは、延伸倍率と共に配向結
晶化している様子がX線回折像から確かめられ
た。このように配向結晶化させたフイルムを熱風
乾燥機中で、自由長下に熱風温度100℃で30分間
熱処理(第1段熱処理)を行つた。 次いでこの熱処理フイルムを延伸機に固定し、
室温で所定の倍率まで延伸し(第1段延伸)、延
伸状態のまま120℃の熱風乾燥機中で10分間熱処
理(第2段熱処理)を行つた。室温延伸時に透明
のフイルムが、延伸によつて白化することが観察
された。他方別のフイルムについて室温で延伸
し、続いて130℃の熱風乾燥機中でさらに延伸
(第2段延伸)を行い、同時にその温度で10分間
第2段熱処理を行つた。 こうして得られた膜のバブルポイント、空孔
率、透水速度の測定を行つた結果を第1表にまと
めて示す。
【表】
【表】
実施例 2
参考例1の方法を拡大して合成したPHBを用
いて微多孔質中空糸を製造した。中心に空気吐出
孔を有する円環状オリフイスを用いてPHBを190
℃で溶融したのち、オリフイス吐出温度を160℃
として円環状オリフイスより、中空糸状に80℃の
空気雰囲気中に押出し、冷却させながらドラフト
比600で空中糸を巻取つた。得られた中空糸は外
径250μ、内径200μであつた。またX線回折写真
より繊維軸方向に配向結晶化していることが判明
した。 この中空糸を90℃の熱風乾燥機中で30分間第1
段熱処理を行つた。室温に冷却したのち、該中空
糸を延伸機に固定し、繊維の長さ方向に所定の倍
率と室温で1.2倍延伸し(第1段延伸)、次いで
120℃の熱風乾燥機中で所定の倍率に熱延伸し
(第2段延伸)、その状態で10分間熱処理を行つ
た。得られた中空糸は均一に白化しており、空孔
が中空糸壁に形成されていることが電子顕微鏡の
観察より判明した。得られた中空糸のバブルポイ
ント及び空孔率を水銀圧入法で測定した。また中
空糸をV字状に束ね、接着剤でV字端を固定して
中空糸膜過器を作成し、外圧法により透水速度
並びにγ−グロブリンを0.1重量%含む水溶液の
限外過実験を行い、透過液の濃度を280nmの
吸光度を測定して膜による阻止率を求めた。その
結果を第2表に示す。
いて微多孔質中空糸を製造した。中心に空気吐出
孔を有する円環状オリフイスを用いてPHBを190
℃で溶融したのち、オリフイス吐出温度を160℃
として円環状オリフイスより、中空糸状に80℃の
空気雰囲気中に押出し、冷却させながらドラフト
比600で空中糸を巻取つた。得られた中空糸は外
径250μ、内径200μであつた。またX線回折写真
より繊維軸方向に配向結晶化していることが判明
した。 この中空糸を90℃の熱風乾燥機中で30分間第1
段熱処理を行つた。室温に冷却したのち、該中空
糸を延伸機に固定し、繊維の長さ方向に所定の倍
率と室温で1.2倍延伸し(第1段延伸)、次いで
120℃の熱風乾燥機中で所定の倍率に熱延伸し
(第2段延伸)、その状態で10分間熱処理を行つ
た。得られた中空糸は均一に白化しており、空孔
が中空糸壁に形成されていることが電子顕微鏡の
観察より判明した。得られた中空糸のバブルポイ
ント及び空孔率を水銀圧入法で測定した。また中
空糸をV字状に束ね、接着剤でV字端を固定して
中空糸膜過器を作成し、外圧法により透水速度
並びにγ−グロブリンを0.1重量%含む水溶液の
限外過実験を行い、透過液の濃度を280nmの
吸光度を測定して膜による阻止率を求めた。その
結果を第2表に示す。
【表】
実施例 3
実施例1の実験番号8で得たフイルムを用い
て、Sahli−Fonio法で抗凝血性を調べた。即ち
フイルム上に成人男子により採血した血液を0.5
ml滴下し、注射針で滴下血液と接触するフイルム
面をこすりながら注射針を持ち上げ、血液が凝血
して糸状物を引き始める時間を計測した。なお計
測開始時間は注射器で採血を終了した時点とし
た。比較のためガラス板、シリコーン板(ダウ・
コーニング社製医療用チユーブSHNo.11を切開し、
平板状に固定したもの)についても同様に試験し
た。その結果を第3表に示す。この結果より
PHBの抗凝血性は市販医療用シリコーンチユー
ブよりも優れていることが判明した。
て、Sahli−Fonio法で抗凝血性を調べた。即ち
フイルム上に成人男子により採血した血液を0.5
ml滴下し、注射針で滴下血液と接触するフイルム
面をこすりながら注射針を持ち上げ、血液が凝血
して糸状物を引き始める時間を計測した。なお計
測開始時間は注射器で採血を終了した時点とし
た。比較のためガラス板、シリコーン板(ダウ・
コーニング社製医療用チユーブSHNo.11を切開し、
平板状に固定したもの)についても同様に試験し
た。その結果を第3表に示す。この結果より
PHBの抗凝血性は市販医療用シリコーンチユー
ブよりも優れていることが判明した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 3−ヒドロキシ酪酸単位を80モル%以上含む
熱可塑性ポリエステルからなる膜であつて、その
両表面並びに内部に互いに連結した微小空孔が存
在し、該膜のエチルアルコール中で測定したバブ
ルポイントが1.0〜20Kg/cm2であることを特徴と
する微多孔質膜。 2 膜を通しての透水速度が0.01〜10/m2・
hr・mmHgであるように構成された特許請求の範
囲第1項に記載の微多孔質膜。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58244617A JPS60137402A (ja) | 1983-12-27 | 1983-12-27 | 微多孔質膜 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58244617A JPS60137402A (ja) | 1983-12-27 | 1983-12-27 | 微多孔質膜 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60137402A JPS60137402A (ja) | 1985-07-22 |
| JPH0470938B2 true JPH0470938B2 (ja) | 1992-11-12 |
Family
ID=17121400
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58244617A Granted JPS60137402A (ja) | 1983-12-27 | 1983-12-27 | 微多孔質膜 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60137402A (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| SE8802414D0 (sv) * | 1988-06-27 | 1988-06-28 | Astra Meditec Ab | Nytt kirurgiskt material |
| ES2281147T3 (es) | 1997-12-22 | 2007-09-16 | Metabolix, Inc. | Composiciones de polihidroxialcanoato con tasas controladas de degradacion. |
| CA2365817A1 (en) | 2001-12-11 | 2003-06-11 | Pierre Cote | Methods of making stretched filtering membranes and membrane modules |
| KR101714103B1 (ko) | 2009-06-26 | 2017-03-09 | 비엘 테크놀러지스 인크. | 텍스타일-강화된 비-편조 중공사 막 |
| AU2011302393B2 (en) | 2010-09-15 | 2016-09-08 | Bl Technologies, Inc. | Method to make a yarn-reinforced hollow fibre membranes around a soluble core |
| US9643129B2 (en) | 2011-12-22 | 2017-05-09 | Bl Technologies, Inc. | Non-braided, textile-reinforced hollow fiber membrane |
| KR20250084968A (ko) * | 2022-10-19 | 2025-06-11 | 더블유. 엘. 고어 앤드 어소시에이트스, 인코포레이티드 | Pha 기반 미세다공성 물품 및 이의 형성 방법 |
-
1983
- 1983-12-27 JP JP58244617A patent/JPS60137402A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60137402A (ja) | 1985-07-22 |
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