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JPH0473104B2 - - Google Patents
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JPH0473104B2 - - Google Patents

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JPH0473104B2
JPH0473104B2 JP58025525A JP2552583A JPH0473104B2 JP H0473104 B2 JPH0473104 B2 JP H0473104B2 JP 58025525 A JP58025525 A JP 58025525A JP 2552583 A JP2552583 A JP 2552583A JP H0473104 B2 JPH0473104 B2 JP H0473104B2
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dyes
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は種々の発育段階にある好中球性顆粒状
細胞及び他の白血球細胞を識別固定するための血
液試料の異色染着及び螢光発光による生体分析法
に関する。
本出願人の出願に係る特願昭56−34026号(特
開昭56−140253号公報)及び特願昭57−36709号
(特開昭57−161550号公報)明細書においては、
広範囲の染料が記載されており、これらの染料は
血液の超生体分析に用いた際には可視光線領域の
光の吸収により血液の細胞学的研究上に格別の利
点を与えるものである。
本発明は前記の特願昭56−34026号の出願の発
明と同様な趣旨を有し、前記特許出願は或る温度
範囲内で白血球細胞の各々を超生体分析的に染色
することが見出された或る範囲の塩基性第4級異
染性(異色染色性)染料を用いて5種の個々の白
血球細胞を光学的に識別する改良法を提供するも
のである。
前記の特願昭57−36709号の発明は基本的には、
同様な範囲の白血球細胞識別に関するが、人血細
胞の白血球の識別、同定及び算定(計数)に広く
有用な或る特定の範囲の染料が、種々の発育段階
の好中球性顆粒状細胞及び他の白血球細胞を識別
同定するのに格別に有用であるという発見に基づ
くものである。前記の特許出願の発明では、時と
して白色光スペクトルとも呼ばれる通常日光に存
在するのと同じ波長の光波を用いて実施されてい
る。
前記特許出願の発明の実施以来、超生体染色分
野での鏡検(顕微鏡分析)が利用されており、こ
れによつて観察者は白色光(約4000〜7700Åの波
長を有する輻射線の電磁エネルギーの形)を用い
て当初記載の如く人血の一般的な超生体分析法を
実施し得るが、今回の本発明では、螢光発光をも
用いて実施するものである。前記の2つの特許出
願においては、超生体染色試料の視野を通過する
白色光スペクトルを吸収する。本発明で用いる螢
光は発生に基づき、或る形の励起エネルギーを発
光体中に流入させることにより生起し得る。螢光
の発光スペクトルは吸収されるエネルギー流及び
特有の周波数で発光される光線から生ずる。
螢光鏡検に本発明の方法の目的で用いる螢光発
光は紫外線、紫色線及び時には青色線であり得
る。水銀蒸気灯を普通用いる。しかしながら初期
の実験によれば、若干の場合に用いられているレ
ーザー技術からの如き単一のコーヒーレント
(coherent)光線を用いることに有用性があると
指摘している。流れ式血球計算(計数)装置にお
いてレーザー光線を用いて細胞分類検査員がアク
リジンオレンジ染料を作用させた単一の細胞を励
起させるのは知られている。血球計算機器は単一
の細胞を検査でき、その特異なパターン(形状)
を測定できしかも異染色による螢光色の強度を測
定できるが、アクリジンオレンジはPHと温度との
両方に影響されるという重大な訟限を受ける。ア
クリジンオレンジは白色光を吸収する方式では有
用な異染性を示さない。更には、アクリジンオレ
ンジ染料は拡散する傾向があり(生)細胞の超生
体分析検査には有用ではなく、例えば濃度依存性
であるからである。本法においては、例えば塩基
性オレンジNo.21で染色して製造した鏡検用細胞を
レーザー光線で励起すると、血球及び血球の製
造、運搬又は貯蔵を可能とする他の細胞組織を同
定、識別及び算定(計数)する独特な手段を与え
る。レーザー光線は新たな特質の色錯誤を励起又
は生起するかあるいは染色変性を妨害するとは思
われず、この事実は本発明の染料を用いる際に重
要な因子となる。レーザー光線は1つの細胞内に
強力な濃度で集中することができかくして細胞の
輪郭をより明白とさせ測定をより精確とさせる。
発光した色は本発明の収着染料を螢光発光させる
エネルギー源の形によつては変化しないと思われ
る。
本明細書に開示した螢光発光手段で特異的な塩
基性オレンジNo.21であつて前記の2つの特許出願
に開示される如く白色光の吸収で特異的な塩基性
オレンジNo.21を用いると、細胞学部門に大きな進
歩をもたらす。
特願昭56−34026号に最初から記載された染料
はメチン、ポリメチン及びジアニン染料として広
く分類されており、この広い範囲内の染料にはカ
ルボシアニン、メロシアニン、アザシアニン、オ
キサノール等があるが、この広い範囲のうちのき
わめて少数のみの染料が異染性でありしかも特に
該染料が螢光発光条件下並びに白色光の吸収によ
り異染性でなければならないことを要件とする本
発明の方法の分野で有用であると見出された。
エールリツヒ(Ehrlich)はある種の白血球を
同定するのに染色液(アニリン染料)を用いて鏡
検及び写真観察により生体要素をより簡潔に識別
することを可能にした。エールリツヒはある種の
染料が異染性(異色染色性、mehachromatic)
であつて、細胞又は白血球の顆粒の如き細胞要素
の染色により細胞は溶解染料の色又は染料から予
期される色とは異なる色を呈することをはじめて
認めた人である。例えば、好塩基球は染料とは異
なる色を呈することが認められており、血球以外
の他の組織試料が2種以上の識別可能な夫々異な
る色で染色されることも報告されている。
当分野の従来法では、染色(通常複数種の化学
的に異なる染料を混合して用いる染色)の前に、
30分までの処理を必要とする固定剤処理を行なつ
てから生物試料に染色を施すことが最も普通にな
されている。一般に固定剤は、しばしば染着感度
を妨げる防腐剤又は変性剤である。例えば固定剤
としては液状又は気体状のホルムアルデヒド、無
水アルコール(メチルアルコール)、ピクロホル
マール等がある。生きた細胞は生体染料により染
色されないことがよくあり、固定剤はかかる試料
の染色には不可欠であつた。細胞化学の分野には
血球の再現性ある染色を確保するのに開発された
技術に関する情報が多いが、多くの必須添加剤は
通常不安定でかつ急速に劣化するために、細胞の
同定処理が困難となり、ある場合には信頼性に欠
けることになる。Thomas E.Nechelesは白血球
の分析について“この分野は50年来ほとんど又は
全く変化がみられない”と述べている。
しかしながら、染料染色法へ実際に、他の手段
では詳細に識別し得ない際に細胞及び細胞の染色
性要素に関する呈色反応についての代謝的、機能
的又は病理学的識別手段として役立つものであ
る。
米国の病院では1900年代の初期に、例えば救急
外科の必要性についての目安として計算器を用い
て白血球数の計算を始めており、米国だけでも毎
日50万回以上の鑑別血球計算が行われておりその
計算のほとんどが人為的方法でなされている。鑑
別血球計算では、白血球の総数計数と識別された
細胞の計数を遅帯なく行なつて報告するのが肝要
であるから、時間が重大な要素であり、また所要
の分析をより迅速に行うことが必要である。
白血球計算の価値が確立されてから、迅速血液
分析の要求が起り、1950年頃にはMellorsや
Papincolaouの研究(1952年)に始まつて自動鑑
別白血球計算器の開発により1980年までに多くの
機器が開発されるに至つた。当初は、血球分類の
可能性を調べるのに“CYDAK”ユニツトが用い
られ、これは専門化された染色法の重要性を示
し、各血球像の光学密度ヒストグラムから特長が
導き出された。この方法により、血球は5種の白
血球のうちの4種、即ち好中球、好酸球、リンパ
球及び単球に分別できることが確認された。1969
年にYoungは5種の白血球の自動分類について
の結果を発表し、1971年にBacusはその分別法を
更に発展させた。
しかしながら、現在自動分別システムは多種染
料の使用及び染料分解システム又は螢光染料を用
いる間接的螢光測定に依存していると解される。
従来の血液染色法では、2種以上の染色液を組
合めて用いる(例えばロマノフスキー液、ギーム
ザ液及びライト液)のが通例であるが、かかる方
法は実際上品質管理が難かしく、また各染料成分
の調製及び試料染色法に標定を必要とする。欠陥
のない自動白血球カウンターの開発においては検
証可能な分析にとつて染色再現性がよりいつそう
重要視される。
“LARC”染色剤(商業別自動白血球カウンタ
ーで使用されている)は約十種のチアジン染料、
エオジンY及び21,41,51−トリブロモフルオレ
セイン(P.N.Marshall)の混合物であると報告
されている(Mogler1973)。現在使用されている
染色剤はほとんどの場合固定用アルコール溶液中
のものであり、2種以上の染料を組合せて用いて
いる。生体血液振色の精確な分析は最も特困難と
されている。例えば、ロマノフスキー染色液に必
須のメチレンブルーの制御酸化においてみられる
困難性の場合、組合せて使用される添加した10種
の別個の染料の品質管理が面倒な問題になる。
かくして、限られた数の染料の使用及び普及し
た標定により細胞学的研究においてより高い精度
及び再現性が確保されると認識されている。固定
剤の使用により合成品の導入がかなりなされ、そ
のため白血球の分別及び算定における理解と誤解
に困難をもたらしている。例えばPH調節剤や重金
属陽イオンは細胞化学的試験を予期された方法で
実施するのを妨げることが報告されている。ある
種の染料、特にアゾ染料は細胞周囲の非特異的枕
降現象を明示するものであり、固定された血液試
料における他の変性現象には空胞、核のクローバ
ー型切裂(clover−leafing)、細胞変形、細胞脱
落(smudge)、理想的染色の妨害等がある。最も
有用かつ貴重な血球分析を得るために、生細胞に
近い細胞について鑑別血球計算をできるだけ短か
い時間で実施する重要性が認識されてきた。アル
コール性染料溶液は超生体染色を妨げるが、本発
明者の知る限りでは、調製したばかりの水溶性染
料は試験中に超生体血液試料に最小限の変性作用
を与えるにすぎない。すべての染料色素は血球に
対して程度の差はあれ多少とも毒性である。試験
下の血球はできるだけ長時間生存状態にあること
が重要である。染色の迅速さは血球の暴露時間を
明らかに短縮するため、白血球細胞を完全に死ぬ
前に検査する機会がより高められる。従つて、よ
り迅速な自動鑑別白血球計算が探究されている。
血液鏡検分析及び病気の診断を行なう従来法の
研究及び検討により、病理学の分野では染料と血
液試料とを接触前に体温(約37℃)に加温するこ
とはめずらしくないことが認められた。Sabinは
温度制御に“加温箱(warm box)”なるものを
用いている。
更に、従来用いられているある種の染料はきわ
めて感温性であることが指摘される。公知文献に
よれば、クレシレヒト・バイオレツトは30℃以上
では効果的に染色しない。本発明に関する方法の
目的には、染料が37゜程度の高い温度でも白血球
の染色に有用であることが重要と考えられるが、
本発明で選択された染料は約40℃までの温度で用
いても障害はみられなかつた。
本出願人の出願に係る特願昭56−34026号にお
いては比較的少数の異色染色(異染性)染料が1
種以上の白血球細胞の同定に有用であると開示さ
れており、同定及び識別は多形核白血球(好中
球)、好酸球、好塩基球、一般的なリンパ球及び
単球に特異的に関連している。前記特許出願の目
的に有用であると見出された染料は全て単球を異
色染色して単球が前記白血球群中の他成分から識
別することが一般に観察される。
塩基性オレンジNo.21染料(カラーインデツクス
CINo.48035、スペクトル曲線7)の特異性は好酸
球、好塩基球及び単球に関して観察されていた
が、B−細胞はその個数がごく少数であるので最
初は看過されていた。成熟好中球と未成熟好中球
との間の光学的分別によると、成熟顆粒の色がよ
り赤色及び橙色である未成熟顆粒とは比較によつ
て異なつている点で分別可能であるように思われ
るのは最初から前記特許出願で観察された。骨髄
芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球及びバンド細
胞(bands)を含めてこの白血球群は、全ての血
液試料中に常に存在するとは限らずあるいはT−
リンパ球(即ちT−細胞)及びB−リンパ球(即
ちB−細胞)の場合に多いようにかなりの数で存
在するとは限らないので、これらの白血球種が塩
基性オレンジNo.21により異色染色且つ分別染色さ
れて全て特異的に同定されるものではない。
前記特許出願の研究完了に続いて、同様な供血
者の研究にこの特異な染料を用いる継続調査を行
なうことにより、メチン、ポリメチン及びキノリ
ン種のこの選択された塩基性陽イオン型染料を用
いると異色染色(染色変性)応答により或る種の
リンパ球を分別再現できることを確認した。また
健康科学に重要な有用性をもつと確立されている
少くとも10種の認知した顆粒球及びリンパ球細胞
をも同定し得る。
しかもこの識別は瞬時に行われ、複雑な生化学
処理や血液試料の厄介な予備処理を必要としな
い。更には前記染料は毒性が最低限であることも
指摘される。
微小分光光度計による測定では、染色された超
生体白血球の顆粒球の顆粒色を測定するのに十分
な程小さい開孔を有する分光光度計により行な
う。何れの程度まで測定を行なう白血球細胞の他
の部分は、50ナノメーター(nm)の程度の色合
い、明暗又は色度の差異の程度を有することが多
い完全に異なる種々の白血球種の色の吸光係数を
与えることは見出されなかつた。多数の細胞に亘
つて一致する認識可能な吸光ピークがある。色差
が一致して再現可能ならば、5nmの程度の色差
は微小分光光度計による測定では感知できるもの
であると解される。
未成熟顆粒細胞のうちで他の細胞から瞬時に同
定、分別し得る細胞は骨髄芽球及び骨髄系列の細
胞即ち前骨髄球、骨髄球及び後骨髄球である。こ
れらの細胞は多形核白血球即ち好中球の前駆体で
あると一般に考えられており、しかも異色染色さ
れて本発明の方法によつて可能となつた超生体血
液分析により容易に分別、同定及び算定される。
本出願人の出願に係る前記特許出願に開示され
る如く、好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球及
び単球を互いに分別し且つ前記の前駆体から分別
するのも同時に実施されており、但しこれらの細
胞が全て微小分光光度計による分析下で特定の血
液試料に存在するものとする。
更には、この特異な染料は光学的に異なる色模
様とバンド細胞−白血球顆粒の各々異なる色濃度
とを与えることが見出された。即ちこの特性の白
血球細胞は光学的分別で前記した他の未成熟細胞
から特異に区別し得る。色の識別、色の配列及び
色の濃度は、前記の個々に挙げた細胞全ての人為
的計数が白色光スペクトル(吸収)と螢光(発
光)との両方の作用下に成し得るような程度の大
きさの差異を有する。
螢光発光させるエネルギー源には例えば水銀蒸
気光線、タングステン−ハロゲン源、レーザー光
線、ジユーテリウム源、ゼノン等がある。入手し
得る文献が示す所によれば自動鑑別計数装置は色
の有無による差異、細胞核に確立された物理的パ
ターン及び細胞質中の顆粒の相対的な個数、大き
さ、配置又はパターン及び色合い、明暗及び色度
(色)及び顆粒の個数による色濃度に基づいて開
発される。白血球細胞を白色光と螢光との2つの
様式の光に暴露させて得られる色が二元的である
ことは細胞構造の特異形態を観察し見出すのに2
重の点検を与える。
殆んど信じられぬ程だが、完了した基本研究で
明示される如くB−リンパ球即ちB−細胞をT−
リンパ球即ちT−細胞から分別し得ることであ
る。また固定剤の不存在下での同じ超生体分析で
同じ染料を用いてこれらの肝要なリンパ球の各々
を互いに定性的且つ定量的に鏡検により同定する
ことができ並びにバンドを含めて前記の個々の未
成熟及び成熟細胞の各々からT−細胞及びB−細
胞を分別及び算定することができる。T−リンパ
球は螢光発光による観察形態によりリンパ腺組織
及び白血球の代謝に関連する他の組織で観察且つ
同定されている。
前記の特許出願に開示された白血球細胞に加え
て、骨髄芽球及び骨髄系列の血球並びにバンド細
胞及びT−リンパ球及びB−リンパ球を更に塩基
性オレンジNo.21が分別し得るという初期の発見に
より、前記の特許出願の認識された能力を越えて
予期せぬ程に染料の元の潜在的分野の有用性が拡
大された。異色染色後に前記細胞の1つ又はそれ
以上を含む血漿、リンパ液、血清等の如き流体で
あつて健康な組織又は特異物質と思われる組織に
伴なう流体の超生体血液試料フラクシヨンを、本
明細書に記載した白色光と螢光との2つの様式の
エネルギーシステムの作用下に又は何らかの光源
のみの使用により鏡検することができかくして前
記した細胞の各種を分別算定及び比較研究するこ
とができる。
前記の特許出願の記載に組合わされた本発明の
技術的進歩は血液学、細胞学及び免疫学に無比の
進歩を確立し、無限領域の人間の健康について研
究を行うことができる。高価な反応剤の必要性、
無用な研究時間及びより正確な資料の集合はこれ
によつて適度に前進される。
現在の病気の診断技術は、本発明の特異な染料
として適する塩基性第4級陽イオン型染料の塩基
性オレンジNo.21を用いると螢光発光して血液試料
が応答する現象を発見したことに基いて、現状の
限界を超えて新らたに長足な進歩を向える。
ツアイスの螢光顕微鏡を用いて前記の特許出願
で先ず観察した所によると、メチン−ポリメチン
系の染料であるカルボシアニンK−5は、白色光
の吸収と発光した螢光との両方の作用下で異染性
であることを示した。レツド及びバイオレツト
(以下に挙げた)及び塩基性オレンジNo.21染料を
含めて前記の発色団分類内に入る広範囲の群の染
料をその後に検査すると、全て単球を超生体分析
的に染色する場合にツアイスの螢光顕微鏡下でこ
の2重の意味での異染性を示するという応答、即
ち白色光と螢光との2つの様式の光に対して両方
とも応答を示すことが見出された。
塩基性オレンジNo.21が白色光スペクトル下に異
染性を示すのみならず、励起した螢光発光条件下
でもまた異染性を示したという知見に基づいて研
究を進め、塩基性オレンジNo.21は螢光の光源下で
有効に働いて前記の特許出願に記載されるのと同
じ細胞中で同じ細胞幾何学的模様(形状)及び配
置を実質的に画き出し得ることが確認される。し
かしながら、螢光発光による色は、白色光の光源
の場合に出た色と同じ色の応答を有するものでは
ないが、幾何学的模様(形状)は完全に確証され
る。正常な白血球と、種々の段階の病状を示す患
者の白血球との両方の多数の試料について作成し
た血液試料スライドを作り、そして同一のスライ
ドを普通の白色光波長下と螢光発光下とで平行的
に検査すると、白色光の波長下と螢光波長下との
両方で行う白血球の同定及び確認の反復的試験の
一つの顕著な事例になり、そしてその際には、白
色光と螢光との2様式の光を夫々用いる相異なる
観察手段を採つた際に認められる色について、色
合い、明暗及び色度を観察し、且つ可視光線の強
度を変化させた時の色についても同様に観察して
識別するのである。
白血球細胞の同定にメチン及びポリメチン系染
料を用いて先に行つた研究を更に続けることによ
り、この種類に属する或る染料、特に塩基性オレ
ンジNo.21、塩基性レツトNo.13、塩基性レツドNo.
36、塩基性レツドNo.49、塩基性バイオレツトNo.
7、塩基性バイオレツトNo.15、塩基性バイオレツ
トNo.16、塩基性バイオレツトNo.36、塩基性バイオ
レツトNo.39、塩基性バイオレツトNo.40及びカルボ
シアニンK−5染料が特異的な特性をもつことが
確認された。前記した染料の全ては白色光の波長
下でも、また螢光の発光下でも異色染色性である
ことが見出され、しかも白色光と螢光との2つの
様式の光を用いて調べた際にも、単球を特徴的に
且つ異染性的に瞬時に染色した。更に試験を行う
と、前記染料の全ては、それらが螢光発光下に或
る生体試料に関しては異染性でもあり、また超生
体分析に際して単球を染色するのに用いた時には
異染性的に螢光性でもあるという全く特異なもの
であると認められた。
世界中調べると、染料の試料は全部で約2000種
にのぼり、これらについてすべて試験した。これ
らの染料のうちの多数は、既知の染料製造業者か
らはもはや入手できなくなつている。
塩基性オレンジNo.21を詳細に研究すると、これ
は前記した染料のうちでも特異的であることが認
められる。塩基性オレンジNo.21は、以下に挙げる
全て種類の血液細胞の同定に際して、白色光と螢
光との2つの様式の光を用いて検査する両方の場
合とも有効に利用できる唯一の公知染料である。
すなわち、この特異な染料、オレンジNo.21は、発
育段階の好中球細胞、顆粒球細胞を含めて下記の
種類の白血球の各個の種類の細胞を、白色光と螢
光発光を作用させる何れの場合にも、異染性的に
染色してこれらを識別して同定するのに有効であ
る。塩基性オレンジNo.21の水溶液で迅速に超生体
染色すると、次の細胞の各々について螢光スペク
トル下での細胞の光学識別、同定及び計数を可能
とする。即ち顕微鏡視野に置く一つの血液試料を
調製し、手動式に取代えて継続的な検査又は同時
検査を行い得る立体的光学装置を用いて、試料か
ら白色光スペクトルと螢光スペクトルとを発生さ
せながら前記試料の観察を行つて検査を行い得
る。白色光の場合と螢光発光の場合とで夫々相異
なる且つ特徴的に明瞭に区別できる2つの色模様
(パターン)が細胞によつて発現され、各々の色
模様を他の色模様と区別して点検でき、好中球、
好酸球、好塩基球、単球、リンパ球、前骨ズイ
球、骨ズイ球、後骨ズイ球、バンド細胞及びB−
細胞並びにT−細胞の識別、確認を行い得る。時
間的な制約により徹底的な研究ができないので、
一つの顕微鏡視野に置かれた試料から同時に出る
白色と螢光とを2つのスクリーンに写し出して2
つのスクリーン写像を接眼レンズで同時に読みと
ることを可能にする高度のコンピユーター付検査
装置は未だ利用できない。
白色光の吸収と螢光発光とを同時に測定するの
に使用でき且つ2様式の分析を同時的又は継続的
切換え方式で実施できる光学装置は知られている
(例えばJ.Membrane Biologyy33、141〜183特に
144頁(1977)を参照)。従つて、白色光と螢光と
の2つの模式の光源の使用下に生体染色試料を観
察することが知られてないわけではない。
更に、顕微鏡による細胞識別を行う際の光源と
して、螢光発光を単独に用いることは簡易で手早
い汎用的な手段であるが、この螢光発光という光
源を用いると、人工物の脆弱性に原因して測定値
の補正(カリブレーシヨン)及び測定精度の維持
が困難になることも知られている。しかしなが
ら、本発明におけるように、白色光下で異染性で
且つ螢光下でも異染性である本発明の特異な染料
で染色された単一の血液試験試料を、白色光と螢
光との両方の順次用いて比較して観察できるよう
にすることにより白血球の核内一次顆粒、二次顆
粒等について、白血球の特有な既知の細胞内要素
中に存在する類似点と差異点との両方を観察、識
別できる。本発明によると、好酸球の細胞構造に
特異的な特徴があることが発見され、これによつ
て、好酸球の識別、同定及び計数が更に容易にな
つた。
好酸球の顆粒は、この顆粒の周縁の囲りにのみ
強い螢光発光をケース又は外被状の形で示す特異
性がある。現在知る限りでは、この顆粒周縁にケ
ース又は外被状に発光する螢光パターンは好酸球
を特徴的に同定する標識になる。このように螢光
で認められる血液細胞の構造上の標識は従来記載
されず、知られていない。上記のような観察成果
があつたことによつて、螢光と白色光との両方を
用いながら、特異染料で異染的に染色された細胞
を更に比較研究するならば、白血球及びその類縁
組織が従来未知の構造をもつことを発見する端緒
となり、新らたな発見を介して新規な研究を促進
すると予想される。
更に将来予測される研究について述べれば、各
種のT−細胞(T−リンパ球)同志の間でも細胞
核の出す螢光の強度の度合が互に異なつているこ
とに注目される。これらの観察された螢光発光の
差異は、T−細胞の下級種の細胞例えばサプレツ
サー及びキーラー細胞の識別同定の手掛りを与え
ると予期される。白色光と螢光との2つの様式の
光照射により、T−細胞群の細胞同志の間に有意
な差異が観察できると認められるけれども、その
観察上の差異の意味は現在判らない。
免疫の研究が現在盛んに行われていることにか
らみ、本発明で血液の超生体分析法で成果を見た
白色光と螢光の2様式の光を用いて観察する手法
を免疫学に応用することが示唆される。白血球及
びその種々の発育段階における白血球を白色光と
螢光とで観察し、更にこれら2つの様式の光で観
察した時の白血球細胞の生化学及び生物物理学的
の細胞構造上の差異を発見、認識すれば、白血球
疾病のうちに潜む異常性と正常性を深く理解する
ことになる。
本明細書で用いた用語「超生体分析
(supervital analysis)」とは1種又はそれ以上の
染料で細胞を超生体的に染色した後に該細胞を分
析することを表わし、“超生体染色”とは生体か
ら取出した生活組織に染料を加える方法であり、
生体内に染色液を加える生体染色(vatal
staining)とは区別されるものであり、本発明で
は液体媒質中の血液及び骨髄の生細胞に染料を添
加し、これによつて染色及び/又は細胞による染
料の吸収の結果として生細胞が着色されることで
あると定義される。
塩基性オレンジNo.21染料が本発明の目的に最も
特異的に有用であり、塩基性オレンジNo.22染料が
本発明の目的には無効であることを見出したの
で、塩基性オレンジNo.21及び塩基性オレンジNo.22
の化学構造の研究を進めた。
これらの化学構造を研究して判つた両者の染料
No.21とNo.22との間の唯一の差異は、これらの塩基
性オレンジ染料のインドリル基の位置が塩基性オ
レンジNo.21では2位にあり、塩基性オレンジNo.22
では1位にあり、メチル基1つ分だけ移動してい
ることである。前記のメチル基は、塩基性オレン
ジNo.21では一つの炭素原子上に置換され存在し、
塩基性オレンジNo.22では窒素原子上に置換されて
存在する。塩基性オレンジNo.22の2位は、塩基性
オレンジNo.21構造の2位のメチル基の代りにフエ
ニル基を有する構造である。
従来技術文献の記載が示す所によれば、分析結
果を必らず再チエツクすることを要する超生体分
析の場合には、3つの試験スライド板を作り、そ
れらに用いる染料の濃度を夫々違えることは普通
である。塩基性オレンジNo.21染料を用いると、白
色光でも螢光でも、発色の差異は、1種の染料を
用いて染色された1枚のスライド板の上でも、一
次顆粒と2次顆粒を瞬時に容易に区別し得る程に
異色染色されて識別され、しかも発色は格別に鮮
明である。
本発明によると、1つ又はそれ以上の末梢血球
の白血球により選択的に異染性的に吸着されるメ
チン及びポリメチン系の単一な塩基性第4級陽イ
オン型有機染料を用いるものであり、このことに
より細胞学の技術を進歩させる。上記の染料によ
つて、白色光吸収又は螢光発光の下で観察した場
合に、骨髄系列の種々の種類の細胞の未成熟細胞
及び成熟細胞と成熟した白血球との間の同定及び
識別が格別に良く行い得るからである。従来、白
血球の分別には、細胞化学的手段及び複合した染
色剤を使用せねばならず、さらに複合した染色剤
の面倒な調製を行うのにも、また既知の白血球の
単一種の細胞を顕微鏡分析で識別、計数するのに
も1時間以上を要することが多い。
実務上は、単一の純粋染料(特定の研究には他
の染料と併用し得るが)を簡単な水性媒質中で末
梢静脈血液試料又はその白血球富化試料の如き血
液試料フラクシヨンに染料を接触させて次の種類
の前駆体細胞、白血球、血小板血球と密に組合つ
た組織等の各々を異色染色し且つ同定することが
実用的である。これによつて、これらの細胞の各
種、例えば骨髄芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄
球、バンド細胞、好中球、好酸球、好塩基球、B
−リンパ球、T−リンパ球及び単球の夫々を精
確、容易に識別同定できる。血小板も確認、計数
し得るが、これらの顆粒も異染性を示す。
塩基性オレンジNo.21で処理後に超生体分析にか
けた時の白血球の前記細胞の各種は、白色光と螢
光発光とで見ると、染料に対して細胞が特異的に
異染性的に染色するという応答をすることによつ
て、また調製した血液試料を顕微鏡の視野に置い
て、照射した光源に対しても特異的に異染性的に
染色されるという応答を示すことにより、識別同
定される。
白色光の光源を用いても、螢光発光を用いて
も、何れの場合にも、前記の個々の細胞種の各々
1つをその隣接する細胞から識別でき、各々の螢
光種を計数でき、何れかの細胞の総数を測定で
き、その細胞の形態学的状態について研究でき、
しかも医学的にきわめて貴重な多くの測定資料が
得られる。
根本的には、前記白血球の各種の細胞は染料の
特性、白血球の種類及び分析される血液試料フラ
クシヨンに存在する特定細胞の内部要素による染
料受容量に応じて同一純粋な異染性色素から白色
光又は螢光の何れでも、光を有差で吸収する。
固定剤の不在下においては、本発明の塩基性染
料は異色染色的に収着されるので各種の白血球、
リンパ球又は顆粒球は試料中に存在する他の各種
の芽球、骨髄細胞、白血球又は顆粒球とは異なる
特有の光スペクトル又は色を反射する。本発明で
使用される単一オレンジ染料は白色光と螢光との
両方の作用下で鮮明に異染性を示すもので、この
性質は極めて特異的である。骨髄芽球、前骨髄
球、骨髄球、後骨髄球、バンド細胞、好中球、好
酸球、好塩基球、B−リンパ球、T−リンパ球及
び単球を含めて細胞系列の各種はこうして単一異
色染料を収着して可視光線範囲での分別し得る光
スペクトル又は色を呈しまた螢光範囲にさらした
時には別の相異なつて分別し得る光スペクトル又
は色を呈する。本発明で用いる染料を、白色光と
螢光との2つの様式の光源下で同様な異染性挙動
を示す同じ化学範囲の他の染料と組合せて用いる
ことは本発明から除外されるものではない。
本出願人の出願に係る前記の特許出願は一群の
特異な異色染料を単独で(但し組合せて用いるこ
とが多い)用いて人血試料中に存在する5種の白
血球即ち好中球、好酸球、好塩基球、リンパ球及
び単球を互いに同定及び分別し得るという発見に
基づくものである。
本発明は、固定剤を含まない血液試料又はフラ
クシヨンに血液超生体分析技術で塩基性オレンジ
No.21として知られる染料を水性系で単独で用いて
格別の且つ明瞭な異色染色要領で前記に同定した
一連の人血球及び血小板を螢光の作用下に染色す
るという塩基性オレンジNo.21染料の能力を発見し
て更に進展させたものである。
この個々の細胞種を螢光の作用下に互いに同定
することにより顕著な程度の識別が反映される。
塩基性オレンジNo.21はカラーインデツクス
(CI)No.48035によつてその化学構造及びスペク
トル曲線が同定され、これらのスペクトル曲線は
前記特許出願の一部である。
理論的に拘束する意図ではないが、ほとんどす
べての外部添加剤は蛋白質物質を変性させる傾向
を有することは周知である。従来染色用の血液試
料の調製時には固定剤が広く一般的に使用されて
いた。経験上、固定剤は血液細胞の異色染色性と
本発明における染料の異染特性との共働関係を妨
げることが認められた。超生体技術を用いて固定
剤を含まない超生体試料使用の簡単な手段により
やつかいな添加剤の使用は回避される。本明細書
において白色光と螢光との2つの様式の光源技術
を用いると、前記の個々の白血球細胞の同定は添
加剤使用による混乱を全く解消して確認し得る。
本発明を実施するに際して、染色は、普通の血
液温度(約37℃)において細胞学者が細胞発色の
起る前に精密な細胞化学的分析を行なう必要や鏡
検の開始前に先に算定したメンバーの白血球、リ
ンパ球及び顆粒球細胞間のスペクトル的識別を人
為的又は自動鑑別白血球計算システムにより行な
う必要がない程充分迅速に起る。
本発明で使用し得る固定剤無含有の血液試料の
例を下記に示す: 1 凝固防止剤(EDTA、クエン酸、ヘパリン
等)を含む血液全体、 2 凝固防止剤含有全血液のデキストラン沈降及
び1又は重力沈降により得られた白血球の懸濁
物、 3 赤血球を溶解する低張液で血球を処理して主
として白血球及び血小板を残した全血試料、 4 髄液、胸膜液又は腹水液の如き他の体液の試
料及び白血球が関与する関節液の試料。
本発明は特に、白色光スペクトル又は螢光スペ
クトルの何れかにより自動鑑別白血球計算システ
ム用に提供されるものではない。かかる分析手段
については深く研究されており殆んど商業化され
ている。
米国病理学者協会(College American
Pathologists Conference、コロラド州Aspen)
は1975年8月に“鑑別白血球計算”と題する一連
の論文を発表配布した。これらの論文には自動鑑
別白血球計算機に関する先行技術及び技術的進展
が示されている。更に、米国特許第3916205号及
び同第4146604号明細書では、ある種の螢光染料
の組合せが螢光反応に基づくある種の白血球及び
他の血球の自動鑑別に用いられていることに注目
されたい。これらの文献は本発明の要旨及び目的
に関連あるものとみなされるが、上記米国特許の
発明は、白血球の鏡検に慣用的な細胞の固定処理
に依存しておりしかも白血球細胞の存在下では異
染性並びに螢光活性である螢光染料に依存してい
ると思われることに注目すべきであり、かゝる螢
光染料は本発明では必要とされない。
先行技術は鑑別白血球計算の実施に幾つかの識
別レベルを示しているが、基本的なものは多形核
細胞と単核細胞との分別である。中間レベルで
は、多形核球を好中球、好酸球及び好塩基球に分
別しかつ単球とリンパ球との単核球分離を行なう
ことが原則として可能であるといわれている。
最も難かしいといわれているレベルは、好中球
を成熟形態と未成熟形態とに分別すること及びリ
ンパ球を普通の型と反応性型のものに分割するこ
とであり、このレベルは最初から認識されており
本出願人の前記特許出願に記載されている。現在
知られている限りでは、本発明は単一純色素を用
いて芽球、骨髄系列、バンド細胞、多形核白血球
(好中球)、好酸球、好塩基球、B−細胞及びT−
細胞並びに単球を単一染料及び単一試料フラクシ
ヨンの使用及び白色光又は螢光での励起の何れか
又はこれら両方の作用による光源の選定と共に簡
単に識別し且つ観察により確認する唯一の方法を
提供するものである。
自動鑑別白血球カウンターの技術の現状は白色
光及び/又は螢光及び簡単な水性染料を用いる限
りにおいて、開発段階にあると解され、現状では
主として準備の複雑な手動鑑別手段に依存してい
るようである。自動鑑別カウンターは、一般に1
パターン識別システムと2細胞化学的分別システ
ムとの2つの群を有すると解される。従来の染色
法は多少とも成功を収めているが、機器オペレー
ターは細胞基準で操作を監視できると解される。
現在の細胞化学的システムは正確ながらなお満
足できる測定機器の開発及び熟練したオペレータ
ーを必要とせねばならない。白色光と螢光との2
つの様式の光の制御下に単一の鏡検視野を観察し
えるという利点は有利であると思われる。
従来の螢光染料及び従来の螢光光源法を簡単に
概説すると次の点が指滴される: 1 紫可視光線及び紫外線を含めた少くとも2
種の光源が必須であること;2 3番目の光源も
必要であると考えられること;3 白血球種の同
定及び分別に複数種の螢光染料を必要とするこ
と;4 アルコールで固定された血液塗抹を必要
とすること;5 所要染色時間が10分台であり、
1分間の洗浄後に乾燥処理を行なうこと;6 螢
光強度が(a)好酸球から(b)好中球、(c)単球、(d)リン
パ球(好塩基球の同定は示されていない)へと次
第に低下する傾向があること;7 流管血球計算
器システムでは血球はホルムアルデヒドで固定さ
されて3種の異なる染料で染色されること;8
検出白血球の螢光は螢光比によつて鑑別計算され
分類されること;9 前記米国特許明細書には5
種の白血球細胞のうち4種のみの同定が示されて
いること;10 特定の3種の螢光染料を組合せて
単一染料組成物を調製せねばならず、この組合せ
は単に有利というだけではなく、当該方法に必須
であると考えられる。
前記の特許出願においては、普通の白色光を用
いて顕微鏡視野領域を照射し、この白色光は約
4000〜7700Åの波長を有する光輻射線の可視感覚
を生起する能力のある電磁波エネルギー状の輻射
線である。前記の特許出願においては視野領域の
染料−白血球媒質を通過する可視光線スペクトル
の選定部分を吸収する。用語「螢光」は輻射率に
関すると解される。螢光は選択した染料−白血球
の発光により電磁波輻射線が放射されて生起する
と考えられ、電磁波エネルギーの供給が停止した
時には発光は停止する。現在の経験が示す処によ
れば異染性発光を生起し且つ塩基性オレンジNo.21
で染色した白血球細胞を識別する電磁波エネルギ
ーの供給源は制限されない。このエネルギー源は
螢光顕微鏡で普通用いる如き水銀蒸気ランプの形
を有しても良く、あるいは電磁波エネルギーの形
がレーザー光線からの如ききわめて選択的な光束
である時に満足に機能するのが見出された。用語
「吸収」は白色光スペクトルに適用されるのは明
らかであり、用語「螢光」は螢光発光の場合に適
用されるのは明らかである。
更に、本発明は超生体法に基づくものであるか
ら、患者への直接的、連続的かつ臨界的な白血球
観測を2つの様式の光の作用方法で可能な所望目
的とする病院での診断及び治療の際に連続監視シ
ステムが可能となる。
超生体染料及び超生体染色という用語は、生体
の血液容器から分岐回路に連続潅流し、白血球の
全種をそれらが観測及び計算用の特殊側管に通送
されるにつれて連続的に監視する可能性を排除す
るものではなく、前記の観測及び計算は各々個々
の血液細胞を螢光発光させるエネルギー源として
合体したレーザー光線を用いて行うものとし、そ
の際個々の血液細胞は細胞血球計算により観測さ
れしかも顕微鏡により拡大された視野領域の中心
個所を通送するにつれて個々に照明される(即ち
螢光を発光させる)ものとする。
汎視性染色された試料に固有の制限に基づい
て、過去数10年にわたつて、ある型の血液細胞を
他の型のものからより精確に区別するための多数
の細胞化学的試験法が開発されてきた。一般に、
これらの試験は特定の細胞中で他の型の物質と比
較してより多量に存在するある型の物質を検出す
るかあるいは他の細胞に比して一細胞中の特徴的
な細胞状機能質内におけるある物質を検出するよ
うに考案される。たとえば、非特異エステラーゼ
の活性は単球中においては異常に高く、この活性
は弗化ナトリウムによる阻害に対して特に感受性
であるように思われる。同様に、顆粒球状細胞の
同定は大部分リゾソームの性質を明示することに
より依存する。これらの目的のためには、ミエロ
ペルオキシダーゼ及び特異エステラーゼ活性の測
定が細胞化学的試験として有用であつた。好酸球
のリゾソーム顆粒はシアン化ナトリウムによる阻
害に対して耐性であるミエロペルオキシダーゼを
含み、好塩基球の顆粒は、一部はこれらの中にヘ
パリンのような陽イオン性物質が多量に含まれて
いるという理由で、種々の染料で異色染色され
る。
本明細書で認められる如く、白色光と螢光との
両方の作用下でも異染性である少数の別の特異な
染料を用いると、単球は非染色核反応を示すが、
細胞質及び顆粒の色識別により同定される。
生血液細胞を用いかつ固定剤を含まない希釈水
性染料による超生体染色に対するこれらの細胞の
親和力の差を利用する前述した超生体染色技術は
慣用の固定剤を用いる場合に屡々生ずる添加剤
(artifact)の使用を回避する。白色光と螢光と
の両方を用いることにより添加剤の使用で生起さ
れる混乱を実質的に解消する。本発明によつて提
供される生体染色法及び2つの様式の光源は一方
の光特性のみを利用する慣用の染色法よりも染料
の細胞的局在(たとえばリゾソーム、フイブリル
状構造体、核染色質)をより正確に映し出す。塩
基性オレンジNo.21を用いて連続的に行つた分析の
経験からまた固定剤を含有しない末梢血液白血球
の超生体染色と組合せて白色光と螢光との2つの
様式の光源を作用させることにより鑑別血球計算
の自動化技術を向上させたことから、細胞化学の
分野になお一層重要な資料を与えるものである。
本明細書で与えられる白血球の同定及び識別を
理解する手助けとしてこの時点で第1図を参照す
るのが都合良い。
全ての血液細胞は、間葉細胞とも呼ばれる未分
別の幹細胞から生ずるように思われる。幹細胞の
直後の成分は芽球と呼ばれ、特定の骨髄芽球は白
血球の先租(前駆体)であると理解され、白血球
は固定剤が不存在下の水性系で塩基性オレンジ21
に暴露した時と同時に又はその後に白色光の吸収
又は螢光の発光の何れか又は両方を作用させてそ
れらの超生体分析により識別、同定及び算定され
る。骨髄芽球はリゾソーム顆粒の不在によりこゝ
では同定され、リゾソームは異色染着又は螢光に
より骨髄系列の以後の下行細胞3種を特性的に同
定する。3種の下行細胞即ち前骨髄球、骨髄球及
び後骨髄球は異色染色及び色差及び以下に記載さ
れる色の分布により各々別個に同定される。
前骨髄球は次の手動又は自動観測により容易に
同定される。前骨髄球は一般に前述した骨髄系列
のうちでは卵形の核N−1は白色光の吸収を受け
ても螢光発光を励起させても塩基性オレンジNo.21
によつては染色されず、全顆粒球細胞の比較的大
きな部分を占める。白色光の吸収下では前骨髄球
の細胞質Cは橙赤色(深紅色)の比較的小さな一
次顆粒1の多数と橙赤色顆粒の大きな塊状物間に
分布した少数の分散された紫色の顆粒2とで密に
充填されている。螢光の発光により一次顆粒又は
リゾソーム1は明るい黄色の螢光を発するが細胞
質を鈍い緑色の螢光を発する。
骨髄球はまた領域(体積)がわずかに減少した
非染色卵形核N−2を有する。目立つて識別し得
る事実は、未成熟骨髄球細胞の一般に厚い半円形
部分に、より大きな黄色二次顆粒4が骨髄球中に
はつきりと発達していることである。2本の仮想
線a−a′は個数の増大している骨髄球のより大き
な黄色二次顆粒4を個数の減少しているより小さ
な橙赤色又は深紅色一次顆粒6から一括しており
しかも輪郭を描いている。発達中のより大きな黄
色二次顆粒4の単離成分が認められることにより
骨髄球は前骨髄球とは区別されることが観察され
る。これらの白色光吸収した深紅色顆粒はまた螢
光の発光を励起させると明るい黄色の螢光を発
し、発育中のより大きな二次顆粒は淡緑色の螢光
を発する。
前記の2つの細胞(N1及びN2)と同様に後骨
髄球は、骨髄系列中の最初の細胞の前記した卵形
とは異なつて発育中の小裂片模様を示し始める非
染色核N−3を有する。減少しつつある塊状体の
より小さな橙赤色又は深紅色一次顆粒6は今や後
骨髄球細胞の細胞質C−2の総面積のうちで比例
した小面積となる。より大きな黄色二次顆粒8は
以前卵形の未染色核N−3のかなりの中心部分に
取つて代わると思われ、これは卵形から小裂片形
へという言葉上の表現により意図した変化を表わ
す。螢光の応答パターンは一致して同様であり認
識し得る。二次顆粒は今や骨髄球におけるよりも
大きな寸法を有する。
バンド細胞は徐々に独特となり、顆粒の異色染
色を示す最初に挙げた3種の細胞とは別個に置か
れるが、骨髄系列の構成成分である。
現在知られている限りでは、バンド細胞は何れ
の染料の異染性によつて他の全ての白血球からは
従来区別されなかつた。
バンド細胞は骨髄系列の先の白血球細胞と比較
すると、全体のバンド寸法と共に面積(体積)が
明らかに減少した未染色小裂片形核N−5によつ
て他の全ての白血球から区別される。更には小裂
片形の未染色核N−5は細胞質C−6の内方成長
によつて更に二又に分かれるようになる。細胞質
中に黄色二次顆粒12が数により生長増大するこ
とにより極めて小さな一群の残留するより小さい
橙赤色一次顆粒10以外は全て二次顆粒12によ
つて取つて代る。一群の赤色顆粒10は内方突起
物に特異的に局在され、細胞質C−6の移動によ
り核N−5を分裂させる傾向があることに注目さ
れたい。より大きな黄色二次顆粒12はバンド細
胞のこの特徴ある対照色群以外は細胞質C−6を
首尾良く接収した。バンド細胞を分別する重要な
物質は10で細胞質C−6中に小さな一群の赤色
顆粒10が存在することである。
バンドを他の全ての白血球から識別するこの目
立つ特質は、大部分のより大きな黄色二次顆粒1
2によつて包囲された小さな橙赤色一次顆粒10
を知覚するのに適した自動鑑別装置の開発に極め
て有用であると示唆される。
白色光の吸収作用におけるのと同様に、螢光発
光を作用させたバンド細胞は、淡緑色の螢光を発
する二次顆粒をまた主要部分に存在させながら前
記の特徴的な細胞パターンとして細胞質C−6中
に黄色の螢光を発する小さな一群の顆粒10が存
在することを示す。
前記の如く2つの様式の電磁波エネルギーによ
る励起を作用させながら単一染料を用いてバンド
細胞を他の全ての白血球から容異に、迅速に且つ
確実に識別し、同定し、算定する能力は予期しえ
ぬものであり且つバンド細胞機能の既知理論には
及ばないものである。
好中球は成熟白血球であり、本出願人の前記特
許出願に関与する主要な5種の白血球から認識し
得ることは知られている。有用性の詳細について
は今や確立されている。
好中球、好酸球及び好塩基球は全て相対的に同
様な物理形状を有する。固定剤を含有しない環境
中で単独の超生体染料として塩基性オレンジNo.21
を用いて染色すると、好中球は細胞質C−8中の
二次顆粒16(主として黄色)によつて同定され
る。細胞核N−8は染色されず、一般に分裂す
る。大きな黄色二次顆粒16は細胞質C−8の大
部分を構成する。螢光発光による励起作用下では
好中球は前記の如く特徴的な3裂片(分裂した)
細胞核N−8と螢光発光により鈍い緑色を呈する
細胞質C−8とにより主として同定される。
好酸球は吸収された白色光スペクトル下では分
裂した未染色核N−10も有するが、大きな二次
顆粒18は細胞質C−10の主要な特徴である顆
粒の橙色によつて好中球及び好塩基球から識別さ
れる。
螢光の励起は好酸球についてもつとも顕著なか
つ特徴的な発展をもたらした。二分された核N−
10を有する一般的構造は二つの様式の光による
試験について共通である。しかしながら、二次顆
粒はこれまで認識されなかつた鮮黄色の輪郭又は
“殻”状螢光を二次顆粒18の周縁部に示す。発
光(螢光)による励起下で好酸球について認めら
れる独特な“標識”により、以前の白色光吸収試
験の下でなされた観察結果を検定する方法が提供
されかつそれ自体従来知られていなかつた二次顆
粒の構造に関しての興味ある現象が示唆される。
2種の光源からエネルギーを供給して観察する場
合には、好酸球の一般的構造が異つた方法で確認
される。
好塩基球の分裂した核N−12も白色光スペク
トルを吸収した際に塩基性オレンジ21により色を
呈しないが二次顆粒20は、僅かに青味または底
色(ubdertone)を有する深紅色に異色的に呈色
することにより。好中球の顆粒と区別される。
好塩基球を螢光により励起することにより白色
光を吸収させた場合と構造的に類似のパターンが
実質的に得られる。しかしながら、二次顆粒20
の螢光の発光により、該顆粒から鮮明なレモンイ
エローの螢光が特異的に生ずる。
前記した細胞系列においては、図示した白血球
の各々、好中球、好酸球及び好塩基球は実際には
それらの特異な前駆体バンドから誘導されるもの
である。図面はこの進行を詳細には示していな
い。前骨髄球は単球の前駆体として示してある。
B−リンパ球及びT−リンパ球はそれぞれ必須
の卵形核N−14及びN−16を有する。核N−
14及びN−16の各々は光を吸収した際に同様
な黄色を呈する。細胞質C−14及びC−16は
いずれも呈さない。またT−リンパ球の細胞質C
−16の1つの特性によりT−リンパ球はB−リ
ンパ球から明らかに識別される。この特性とは細
胞質C−16中に赤色顆粒22の小さなクラスタ
ーが存在することである。
上記と同一の試料を例えば水銀蒸気灯からの光
の作用下で観察した場合、T−細胞の細胞質C−
16中の顆粒22の小さいクラスターは明黄色の
螢光を発し、そして核N−16は殆んどの場合、
実質的に呈色しないが、同一の試験下で暗緑色の
螢光を発することが認められた。2種の光を使用
した場合の観察の形式は比較を行いかつ確認する
ためのものである。B−細胞においては核は同様
に暗緑色の螢光を示す。
白色光と螢光とによる励起下で観察した場合、
B−細胞の核は白色光を吸収した場合黄色を呈
し、螢光の下では暗緑色の螢光を発する。二形式
の光エネルギーを用いる試験において、B−細胞
の細胞質中には二次顆粒のクラスターは認められ
ない。この型は決定的なものである。
本出願人の前記特許出願において認められたご
とく、単球は白色光下で観察した場合、異色染色
的に活性であると認められた塩基性第4級染料の
全てにより影響を受けるという点で特異的であ
り、そして螢光発生エネルギーを利用するより最
近の研究によれば、単球は塩基性オレンジ21を用
いた場合ばかりでなく、他の塩基性赤色染料およ
び塩基性紫色シアニン染料を用いた場合にも単球
は異色染色性を示しかつ螢光を発生する。
塩基性オレンジ21を用いると単球はそれらの一
般に卵形の核N−18については呈色しないが、
細胞質C−18は桃色気味の色を呈し、この細胞
質中には拡散した比較的少数の深紅色及び桃色の
顆粒24が識別され、該顆粒24は色合い、濃度
及び色度において桃色気味の細胞質C−18とは
十分な程に異なつており細胞質C−18とは明ら
かに光学的に識別される。
螢光電磁波エネルギーにより励起させた場合に
は、前記した種類のシアニンまたはメチンおよび
ポリメチン染色の全てにより、染色された単球か
ら螢光が発生する。塩基性オレンジ21を使用した
場合には、細胞質C−18中の少数の顆粒24が
鮮明な黄色の螢光を発する。白色光の吸収により
単球の核が異色的に呈色する塩基性バイオレツト
および塩基性レツドも螢光エネルギーにより異色
染色的に螢光を発生させる。
単球の同定及び算定は本出願人の前記特許出願
において記載された如き発見により簡素化され
た。単球の同定に細胞化学で用いられている標準
的な弗化物感応性非特異エステラーゼ反応はその
完了にしばしば1時間以上を要しかつ良好な結果
を得るのに正確な細胞化学的処理を必要とする。
これに対し、前記した染色の何らか1つを用いた
場合には軟層浮遊物、血液全体又は分離したフラ
クシヨンの染色及び検査を化学的調整なしに何分
台の時間で簡単に実施できる。塩基性オレンジ21
のみを用いる本発明による単球の染色はその細胞
質及び細胞質中の顆粒について瞬時的になされ
る。
異染性染料は最終的には二形式の同定をなし得
ない時点まで細胞を染色してしまうことも認めら
れる。即ち分析を迅速に行わないと、本明細書に
報告した色差が失われるか又は大きな程度に減少
してしまう。しかしながら、実際の染色は迅速に
起るので最大の識別を得るのに長い待ち時間は必
要ではない。
従来法では単球の同定及び分別は、非特異エス
テラーゼ反応、同定された細胞調製、
Hexazotization、PH調節及び前記特許出願によ
る染色の何れか1つを用いかつ白色光スペクトル
または螢光スペクトルを用いる場合には簡単な染
料と血液試料との水性系における接触によつて所
望ならば1分以内でなし得ることを行なうのに約
60分をも要する複数の染料による染色を伴なう時
間のかかる複雑な細胞化学的処理によつて実施さ
れていた。本発明の方法による特定の染料を用い
ると単球の細胞質の瞬時的な選択的染色がなされ
る。
提案した最終用途及び本発明の目的に使用され
る特異的なシアニン染料は蒸留水に溶かした約1
%の純塩基性オレンジ21濃度での過ずみ水溶液
として調製される。この染料濃度は特に限定的で
はなく、変化し得る。水溶液は調製したばかりの
ものを用いるのが好ましく、また有毒な添加剤を
含まないことが好ましい。染料と特定種の白血球
との染色変性反応の妨害は従来の固定剤の使用に
より総じて阻止され得る。
本明細書で用いられる“超生体”という用語の
適用範囲は重要であり、これは原血液試料にもま
た生体から新しく取出した生細胞もしくは殺した
ばかりの細胞又は均等物にも適用される。この用
語を用いる場合、それはすべての固定剤を排除せ
んとするものであるが、凝固防止剤(ヘパリン、
EDTA等)の使用は許容される。血球は骨髄、
尿及び例としてリンパ組織及び脾を含めて他の血
球含有生物試料からも採取され得る。
本発明の一般的実施態様を以下に説明する。
選択された塩基性第4級陽イオン型染料の蒸留
水中の1%溶液を調製する。不溶性固体の全てを
別する。最も有用なものは塩基性オレンジ21で
ある。実施上必要ならば、かかる染料を2種以上
互いに溶液として組合せて使用することもでき
る。
選択され、予じめ同定された単一純染料(又は
前記特許出願の第表〜第表に示される如き純
染料の2種以上を組合せて用い得る)の水溶液を
可溶化して簡単な染料水溶液を作る(この際染料
水溶液の容量割合及び染料濃度は個々特定の細胞
学的分析に最適条件を与えるように考察される)。
個々の利点を有する染料の特定の組合せは本発明
の範囲内で若干の実験により生起され得る。
血液試料は、赤血球を遠心分離、低張溶解、重
力沈降、密度勾配沈降等により除去した新しい静
脈血液試料又はかかる物理化学的方法により得ら
れた白血球に富む血漿試料等の種々の原体からの
ものを利用できる。前記したごとき細胞を有する
組織を染色し、研究のために二種の形式の光線に
より励起させることもできる。
得られた染料水溶液と血液試料は共に調製した
ばかりのものを普通の血液又は体温(約36〜40
℃)の温度において一緒にすることが好ましい。
一般に比較的高い温度の方がより迅速且つ鮮明な
染色が得られる。塩基性オレンジ21は感温性であ
るとは思われない。
染料溶液と血液試料とは約1:4の容量比で合
する場合に良好な結果が得られる。得られた混合
物を数秒間弱く撹拌し、その直後にこの混合物の
一滴を、覆いガラスを用いる湿スライド板として
光顕微鏡又は自動鑑別白血球計算装置により検査
する。染料と血球とを接触させる他の方法には、
約1%濃度で染料を含浸させた既知の媒体、例え
ばゼラチン、エマルジヨン等を用いる方法があ
る。血液試料を固定すると、本発明による染料の
白血球との特異的な染色変性作用が著しく妨害さ
ねる。
塩基性オレンジ21染料を用いると、入手し得る
装置に応じて白色光を単独で使用するか、あるい
は螢光を単独で使用するかあるいはこれらの両者
を同時的にかつ個別的に、あるいは連続的に使用
して次の細胞を互いに同定及び識別し得る;骨髄
芽球、前骨髄球、後骨髄球、骨髄球、バンド、好
中球、好酸球、好塩基球、B−リンパ球、T−リ
ンパ球及び単球。算定及び他の研究用の識別手段
の外観は図面で先に展開させた。前記の方法によ
り同定が助長される。
後記の実施例は本発明による新規方法の理解を
助けるためのものである。本発明方法の利点とし
ては白血球総数及び各種白血球の計算、病気(特
に白血病)の診断及び種々の臨界的治療、例えば
化学療法、放射線療法、ACTH等を受けている
患者の監視に利用できる。
全ての白血球種の同定及び算定は病気の診断及
び治療にきわめて重要であることは知られてい
る。
次に本発明を実施例により更に説明する。
実施例 1 (塩基性オレンジNo.21) 〔塩基性オレンジNo.21は白血球細胞の識別染色
に関して特異的な染色変性を示すという最初の知
見に基づいて、広範囲のメチン、ポリメチン、キ
ノイドおよび(または)カルボシアニン系染料料
について検討した。その結果、2000種以上の染料
の内、塩基性オレンジ21だけが以下に例示するご
とく、白色光および螢光の下で特異的な染色度性
を示すことが認められた。〕 正常な個体から50mlの末梢血液を採取して一連
のヘパリン含有試験管中に注入した。
約37℃の蒸留水中に塩基性オレンジ21を溶解さ
せた1%染料溶液10mlを2本の試験管中の上記試
料と混合した。この染料を使用した場合には温度
は臨界的であるとは認められなかつた。
顕微鏡試験下においては、当初、褐色顆粒を有
すると記載されていた好酸球は、今般、より正確
には、白色光の吸収下では細胞質中に大きな橙色
の顆粒を有しており、白色光と螢光の照射下では
非染色分裂核と共にシエル型に明黄色の螢光を発
することが認められた。好塩基球は二様式の試験
(すなわち、白色光と螢光照射)において同様の
幾何学的形状を有することが観察されたが、顆粒
は白色光下では全体の色調として僅かに青味を帯
びた明るい深紅色を示し、かつ明黄色の螢光を発
した。核も分裂しており、二様式の試験において
染色されていないことが認められた。単球は非染
色卵形核、および、深紅色と桃色の顆粒を少量含
有する桃色細胞質により明らかに区別される。螢
光の下では顆粒は明黄色であつた。非染色部はあ
る程度、スライド板を読む前の時間に応じて変色
するが、非常に淡い色相の部分を有し得る。
成熟好中球および未成熟好中球の両者の識別染
色の結果、本発明者らの従来の研究および従来の
研究で報告されている染料を使用した場合より特
異的であることが極めて顕著に認められる。白色
光の吸収下では成熟好中球は細胞質中に存在する
小数の主として黄色の大きな顆粒と非染色分裂核
とによりスペクトル的に同定し得る。螢光の下で
は、細胞質は暗い緑色の螢光を発し、顆粒は認め
られない。
実施例 2 正常な個体からヘパリン含有バキユテーナー中
に採血した末梢血液試料50mlから、Ficoll−
Hypatue富化部分をナイロンガーゼのマイクロカ
ラム中を通過させることにより、T−細胞とB−
細胞に富む人血懸濁液を調製した。T−細胞およ
びB−細胞富化懸濁液は従来公知の方法における
ごとく、制御された温度条件下でかつ選択された
種々の緩衝液を使用してカラムから溶離した。
回収された懸濁液の画分について、T−細胞に
ついてはT−細胞ロゼツト形成法(rosetting)
を使用し、B−細胞については表面免疫グロブリ
ン検出法を使用することにより免疫学的分析を行
つた。別々の試験管中の5滴の前記回収懸濁液
に、塩基性オレンジ21の1%水溶液1滴を添加し
た。各試験管は約2×106個のリンパ球を含有し
ていた。T−細胞ロゼツトの形成によりT−細胞
であると同定されたリンパ球を白色光スペクトル
の下で顕微鏡により観察した結果、5〜10個また
はそれ以上の赤色顆粒からなる小グループまたは
クラスターを含有することが認められた。螢光の
下では、核はある場合は染色されておらず、ある
いは暗い緑色の螢光を発し、また、前記顆粒のク
ラスターは明黄色の螢光を発した。免疫学的方法
によりB−細胞であると同定されたリンパ球の場
合には細胞質中に赤色に染色された顆粒が僅かし
か認められず、B−リンパ球の大部分においては
細胞質中に赤色顆粒が存在しなかつた。核は卵形
であり白色光の下ではT−細胞とB−細胞のいず
れも黄色に染色されていることが認められた。螢
光の下ではB−リンパ球の核は暗緑色の螢光を発
し、細胞質では変化は認められなかつた。
塩基性オレンジ21の使用により、二つの様式に
よりあるいは螢光だけで励起させる方法により、
T−リンパ球およびB−リンパ球を同定し、識別
しかつ算定するための新規でかつ迅速な方法が提
供される。現在行われている方法では不安定な生
物学的薬剤(羊の細胞)が使用されており;高価
なかつ時間を要するラジオアイソトープ技術を必
要とし;そして培養媒体の温度、PH等を包含する
多くの条件を制御することを必要とするが、本発
明によればこれらのことはもはや不要である。
実施例 3 末期に乳ガンにかかつた48才の女性患者は死亡
直前に敗血症と高熱とを併発した。その決定的時
期にこの患者の白血球数は45000個/mm2に増大し
た。標準ライト染料を用いることにより、末梢血
液の白血球の60%は特徴的な未分裂核を有するバ
ンドであることが確認された。
固定剤の不存在下で超生体染料として塩基性オ
レンジ21の1%水溶液で患者の血液試料を染色し
た。
赤色に染色された顆粒(一次顆粒)の小さいク
ラスターが、黄色に異色染色された、より多量の
より大きな顆粒(二次顆粒)中に存在し、また、
典型的な未分裂核が存在することにより、バンド
が同定された。更に、螢光の照射により、前記一
次顆粒の小クラスターが黄色の螢光を発した。
かくして、バンドの細胞質成熟および白色光の
吸収下での1次顆粒対二次顆粒の識別色に基づい
て、また、一次顆粒のクラスターの黄色の螢光の
発光に基づいて、バンドの形を積極的に同定、識
別および算定することができる。
実施例 4 24才の男子患者は疲労を感じ、身体検査の結
果、脾腫を有することが判明した。検査値は白血
球細胞の数が15000個/mm3であることを示し、こ
の細胞の約75%は異形性リンパ球であつた。更に
免疫的的検査を行つた結果、これらの細胞はT−
細胞であることが判明した。この患者に陽性の単
一点滴試験(mono spot test)を行つた結果、
伝染性単核症と診断された。塩基性オレンジ21を
使用することにより、リンパ球の大部分が非染色
核の非常に近くの細胞核中に異色染色された赤色
顆粒のクラスターを含有していることが認められ
た。螢光を使用した場合には、これらの顆粒は明
黄色の螢光を発し、核は暗い緑色の螢光を発し
た。
実施例 5 75才の男子患者は首と鼠径部にリンパ腺肥大が
ありまた脾腫を有していた。検査の結果、貧血症
であることが判明して、そして白血球細胞数は
80000個/mm3であつた。これらの細胞の約90%は
リンパ球であり、骨髄の検査の結果からこれらの
骨髄の大部分が類似の外観を有するリンパ球によ
り置換されていること判明した。これらのことか
ら、慢性リンパ球性白血病であると診断された。
免疫学的試験の結果からリンパ球はB−細胞であ
ることが判明した。超生体染料として塩基性オレ
ンジ21を使用して染色した場合、白色光の下では
顆粒は認められなかつた。螢光を使用した場合の
み、リンパ球の細胞質中に顆粒は認められなかつ
た。
実施例 6 33才の男子患者は衰弱しておりかつ疲労を感
じ、そして顕著な脾腫を有していた。検査の結
果、白血球細胞の数が800000個/mm3であり、軽
い貧血症であることが判明したが、血小板の数は
正常であつた。末梢血液を標準ライト染料で染色
した結果、白血球の全ての成熟段階が認められ、
その主体は前骨髄球、骨髄球および後骨髄球であ
つた。多数の好酸球、好塩基球および有核赤血球
が認められた。骨髄検査および細胞遺伝学的検査
に基づいて、患者は慢性顆粒球性白血病と診断さ
れた。
超生体染料として塩基性オレンジ21を使用した
場合、白色光の下で、予期した白血球の異色染色
が認められた。螢光を使用した場合には赤色に異
色染色された一次顆粒は明黄色〜黄緑色の螢光を
発した。主として二次顆粒を含有する細胞(例え
ば好中球)は白色光を使用した場合、明黄色を示
したが、螢光を使用した場合には暗緑色の螢光を
発した。好塩基球はその顆粒が明黄色の螢光を発
したが、白色光を使用した場合には同じ顆粒が明
るい赤色を示した。好酸球においては顆粒は肌色
光を使用した場合には明るい橙色を示したが、螢
光を使用した場合には顆粒はその周辺においてだ
け、“シエル”型の螢光を発した。
実施例 7 気管支喘息に罹病している25才の女子患者につ
いて身体検査の一部として慣習的な血球計算を行
つた。白血球鑑別試験の結果、約40%の好酸球が
認められた。超生体染料として塩基性オレンジ21
を使用した場合、白色光の下では好酸球の顆粒は
橙色を示した。螢光の下では同一の顆粒が“シエ
ル”型の螢光を発した。
実施例 8 真性糖尿病と末期的な結腸癌に罹病している62
才の女子患者が死亡直前に貧血症と白血病を併発
した。この患者の白血球細胞数は35000個/mm3
あり、ライト染料を使用した場合、多数の骨髄球
と前骨髄球の存在が認められた。超生体染料とし
て塩基性オレンジ21を使用した場合、白色光の下
では赤色またはマゼンタ色に異色染色された前骨
髄球と骨髄球の顆粒は明黄色の螢光を示した。予
期したごとく、これらの顆粒は骨髄球中よりも前
骨髄球中により多量存在していた。
実施例 9 急性リンパ芽球症性白血病の47才の男子患者に
おいては白血球細胞数は10000個/mm3であり、そ
の80%は白血病性リンパ芽球(PASに陽性、デ
オキシヌクレアチジルトランスフエラーゼに受動
性)であつた。超生体染料として塩基性オレンジ
21を使用した場合、上記の白血病性リンパ芽球は
白色光下では核が僅かに黄色を示し、螢光を使用
した場合には核は全くあるいは僅かしか螢光を示
さなかつた。
急性白血病の多数の患者から採取した白血病性
芽球は正常な白血球と比較して、実質的に減少し
た螢光を示した。従つて、正常な細胞と白血病性
の細胞が識別される。
前記のように、本発明は自動識別式の白血球計
数装置に応用した場合にその技術的進歩性が一層
明白になる。しかし、現在のところ、白色光と螢
光の2様式の光を用いる利点を生かす応用にせ
よ、あるいは螢光のみを用いる応用にせよ、本発
明方法をそのまま直ちに実施し得る好便な自動計
数装置は市場で知られていない。
しかし、螢光発光を利用する分析機器の少くと
も3種が、例えば、黄色染色的螢光性でない普通
の染料を用いる場合について、利用されているこ
とが知られている。これらの分析機器は、光を照
射された細胞のパターンを測定でき、また螢光色
の差によつて画定される特定な細胞パターンの大
きさを測定できるものであると考えられており、
さらにそのように識別された細胞を同定、計数す
るのに種々なコーヒーレント(coherent)なレー
ザー光が少くとも一部使用されることが知られて
いる。これら3種の公知の機器は、Epic V
(Coulter社製)、FACS(Becton−Dickinson社
製)及びCytofluorograph(Ortho社製)である。
医学分野の当業者には、種々の目的のために種々
な白血球を識別して計数する作業を迅速かつ正確
に行なう重要性は良く認識されている。米国では
毎日50万回もの白血球の識別計数が行なわれてい
ると推定され、そのほとんどが手動方式でなされ
ており、それに要するコストは毎年7億5千万ド
ル以上にも及ぶと思われる。
かような白血球計数は、手動又は自動式の何れ
でも、医療業務において白血球の同定、スペクト
ル的識別、計数及び診断補助にとつて基本的に必
要である。これらの基本作業が改善されることは
明らかにその作業用の補助自動装置の進歩をもた
らすであろう。
血球計数は手動又は自動式の何れの場合にも、
病気の検査及びその種類の決定に重要な参考資料
を与える。原因不明の発熱;生体感染又は化膿性
細菌感染、化膿に伴う併発病、胆のう炎、卵管
(フアロピオ管)炎;種々の段階の種々の病気に
かかつた患者の予後;ホジキン病等の悪性腫瘍;
肺病;副腎皮質ステロイドによる患者治療の監
視;種々の急性及び慢性白血病;骨の無菌性硬塞
と骨髄炎との鑑別診断;細菌感染及び多くの医療
を要する病気の診断、予後及び治療については、
正確な白血球計数、分析及び細胞学的考察が助け
になる。
前記のように、異染性又は異色染色性(meta
−chromatic)という用語は、用いられる染料の
特異性ばかりでなく、各種白血球の種々の構成要
素(例えば細胞核及び細胞質)の特質にも関連す
るものであり、両者の相乗作用用で異色染色反応
を起して発色スペクトルに差を生じ、それによつ
て細胞学的研究に前述した改良が得られる。本質
的には、各種ごとに白血球は、一つの異染性染料
を用いた時でもこの染料を独自な仕方で吸着する
(又は吸着しない)ので、その染着された各細胞
が個々に異なる独自の光スペクトルを呈するよう
になり、白色光を照射、吸収さた場合も、また螢
光発光させた場合も、夫々の光スペクトルは夫々
独自のものである。本発明で挙げた夫々の染料は
白色光でも、螢光発光でも、異色染色的に染着さ
れる特異性がある。
或る顆粒状白血球類が染料の種類に応じて相異
なる親和力(染着力)を有することは周知であ
り、即ち好塩基球は塩基性染料に対して親和力を
有し、好酸球は酸性染料に対して親和力を有する
が、好中球は酸性染料及び塩基性染料の何れによ
つても強くは染色されないことが良く知られてい
る。しかし、本発明で明らかにしたように、塩基
性オレンジNo.21染料は、白色光の照射の下でも、
また螢光発光させる場合にも、T−リンパ球とB
−リンパ球との間の鮮明な識別を可能にし、且つ
バンド細胞同志の間でも特異な識別を可能にする
という特別な性質を有するけれども、この性質を
示す理由は細胞の形態的特色又は化学的挙動から
は説明できない。
この事実は、塩基性オレンジNo.21染料の化学構
造に比べて前述した如く2個の第2級基の位置が
僅かに移動変化しているにすぎない塩基性オレン
ジNo.22染料が前記の本発明用途には全く有効に働
かないことを考えれば不思議さが増す。
単球の同定、識別及び計数は診断上重要であ
る。血液中に単球の個数が増大していると、急性
結核、敗血症又は血液被毒、ホジキン病の如きリ
ンパ腫の疑いがあると診断される。不全発育性貧
血又は無形成性貧血から回復中の人の血液中に単
球の個数が増大すると患者の予後が良好であるこ
とを示すものである。本発明で二つの相異なる種
類の光すなわち白色光、螢光を用いて単球の迅速
且つ正確な鏡検分析を行うことは、貴重な診断法
の応用範囲を拡げるに益する。
多形核白血球(好中球)の検出、同定及び計数
は全ての血液検査に重要なパラメーターとなる。
これらの操作は好中球の個数が増大する肺炎又は
腹膜炎のような急性感染症の診断に特に重要であ
り、また化学療法及び放射線療法を受ける患者の
監視に重要である。好中球数の減少は薬物の毒性
の発現としての不可抗力的細菌感染、脾臓の機能
亢進及び急性白血病において起り得る。
好中球の絶対個数が1000/mm3以下に下がると
細菌感染の危険が急に高くなる。本発明で用いる
特定染料は、白色光又は螢光発光の下で多形核白
血球又は好中球を同定する上の特徴的な構造体で
ある種粒又はリゾソームを瞬間的に染色する。
好酸球は好塩基球と同様にアレルギー反応に関
与する。リンパ球は炎症に関与し、また免疫反応
及び抗原応答に大きく関与する。好酸球は、細胞
質中に大きな橙色顆粒が存在し且つ未染色の核が
裂片形状を示すことが白色光を吸収した場合に観
察され、また螢光発光させた時には周囲が特異的
に螢光を出すことによつて直ちに同定される。
好酸球の計数は臨床患者の治療で向副腎皮質性
ホルモン(ACTH)の投与を追跡するのに用い
られる。従来法では、好酸球と紛らわしい人工的
産物(artifacts)及び不定形の物までが誤つて算
入された。従来法による血球計数の正確さは、血
液試料の調製から計数完了までの時間が長いほど
低下し、また複数の染料の使用が必須であつた。
更に、酸及び塩基性条件下での染色がしばしば要
求され、従来用いた染料は放置すると溶液から晶
出する傾向の欠点がある。
リンパ球群はブルーボレル(blue borrel)剤
を用いて一つのクラスとして特異的に同定し得る
ものであり、これらリンパ球は炎症及び免疫に関
係があることは知られており、慢性リンパ性白血
病及び百日咳患者の血液中ではその数が増加す
る。一方、リンパ球の数は化学療法及び放射線療
法中の患者、例えばリンパ腫及び遺伝性免疫不全
症候群の患者の血液中では減少することがある。
好塩基球は、その細胞質中にヘパリン、セロト
ニン及びヒスタミンの如き陽イオン性物質に富む
大きい顆粒を含む。好塩基球は例えばアレルギー
反応に関与する。
本発明の技術的進歩の基本点は、リンパ球類を
細分類して、分別的に識別可能に染色する1つの
特異な染料を発見し、これを利用するという知見
にある。従来では、これらリンパ球類は低温での
ブルーボレル剤によつて染色されると、ただ1つ
のクラスとして分類されたにすぎない。本発明で
は、リンパ球各種を分別的に識別可能に異色染色
し、それらを白色光吸収と螢光発光との両方式で
調べることによつてリンパ球の個々の種類につい
て顕微鏡下に調べて検査を精密化できる利点があ
る。
T−細胞及びB−細胞についての従来の研究で
は、それらを相互に区別して識別するには、複雑
な生化学的試薬と操作を必要とする。それには、
従来、例えば、1 酸性ホスフアターゼ(酵
素);2 非特異性エステラーゼ;3 人間のイ
ムノグロブリン(IgG)の断片;4 非異色染色
性の螢光染料及び5 SRBC(羊赤血球)(これは
約14日の有効寿命しかもたない羊赤血球製剤であ
り、T−細胞を同定するのにロゼツト形成剤であ
る)が必要とされた。
T−リンパ球は末梢血液中に60〜80%が存在
し、胸管中に85〜90%が存在する。これらのリン
パ細胞は異物移植拒否性に関与すると知られてお
り、T−細胞とB−細胞との両方は免疫学及び病
理学に重要な要素である。B−細胞の数はごく少
なく胚中枢及び髄索中で10〜30%である。
薬物中毒(嗜好)はT−細胞をかなり減少させ
る。
先天的免疫学的疾病の大部分はT−細胞とB−
細胞のシステムに関連する。腫瘍性の病気は免疫
遺伝系に関連することも知られており、その患者
はT−リンパ球とB−リンパ球のシステムに異常
を示すことが認められている。成人のリンパ腫は
大部分がB−細胞起源であり、幼年期初期に活発
な胸腺に関連すると思われるT−細胞マーカーを
有する。
慢性リンパ球白血病はB−細胞に関連してお
り、白血病細胞はB−細胞であり、これらは何れ
もT−細胞のクラスターをもたないことが知られ
ている。上記の簡単な概要が明らかなように、T
−及びB−細胞の容易な同定、比較及び計数を行
うことの重要性は無限に大きい。
“異色染色又は異染性(methachromatic)”
という用語は、エーリツヒが初めて用いた1987当
時の意味では、ある種の細胞によつて染着された
時に外見上の色を変える染料を指した。このよう
な染料は異染性(methachromasia)を示すとい
われ、細胞の種々の組織要素を相異なる色で染色
する性質をもつ比較的少数の純品染料主としてメ
チン、ポリメチン及びカルボシアニン基を含む主
として塩基性陽イオン型染料)の特性をもつもの
として考えられていた。異染性は、同一の染料に
より染色された場合に相異なる物質が相異なる色
スペクトルを呈するものとも定義される。細胞学
では、異染性の顆粒又は他の細胞要素とは、これ
らの染色に用いた染料それ自体の色とは異なる色
を呈するものである。
“異染性”という用語には、本来二つの要素げ
関与してくる。その一つの要素は、異染性又は染
着性と言われた生体細胞(及びその特殊部分)乃
至は生体細胞試料の特質又は性状であり、他の要
素は、染料の特性である。白色光の吸収下でも且
つ螢光発光でも異染性を示すように細胞内の構造
を刺激するのに必須な何らかの特性を有する染料
は非常に数が少ない。Conn(第9版)には、この
ような反応を示す純粋染料は数少ない”と報告さ
れており、異染性の現象が3以上の相異なる色ス
ペクトル発現を伴なつた事実を報告する文献はほ
とんどない。ある文献には「軟骨に紫色の異染性
を示して核が淡緑青色に染色する例”が報告され
ている。細胞組織を固定剤で固定する時には、染
色前予備処理法により組織の化学的及び物理的性
状が多少とも変質されるが、その固定された組織
に通常使用される染料の場合には、細胞試料内に
ある天然の生物学的構造体(これは予備処理によ
り変質されて何らかの反応剤に対して非感受性に
されることがある)と染料との間に相互作用があ
り、その結果、染着が起らなくなる。
螢光染料は周知のものである。螢光発光におい
ては、使用した狭い光振動数で吸収された光エネ
ルギーよりも多い光エネルギーが上記使用の狭い
光振動数で放出されるが、反射光の場合には、反
射される光の全量は入射、吸収される光の全量以
下である。螢光異染性は知られている(例えばア
クリジン クロモフオア系中の或る染料は異染性
的に螢光を出す)。本発明による前記の「螢光異
染性」の用語はConn(第9版)に見出される用語
の意味と一致しているが、Gurrの「Synthetic
Dyes in Biology、Medicine and Chemistry」
及び「Rational Use of Dyes in Biology」の文
献には「螢光異染性」の記載は認められない。し
かして、先に挙げた日本出願明細書に示した少数
の特殊な染料は二重の意味で異染性であり、本発
明でも使用できる。
本発明の目的に有用な染料として興味があり将
来性がある染料の一群は、メチン系、ポリメチン
系、キノリン系及びカルボシアニン系染料であ
り、これらの染料では、上記の発色団が陽イオン
型の他の発色団の間で架橋している。例えばメチ
ン又はポリメチン基が1つ又はそれ以上のキノリ
リン含有発色団同志の間で架橋している構造をと
る例が多い。
本出願人の前記特許出願においては、ポリメチ
レン系染料としての塩基性オレンジNo.21染料が白
血球の染色による分類の目的に有効に使用できる
と最初に見出されたが、これに引続いて、カラー
インデツクスに構造かつ記載された他の塩基性オ
レンジ染料の試料、即ち塩基性オレンジNo.22、
27、42、44及び46染料を異染性について調べた。
これらはすべてポリメチレン系染料であると報告
された試料である。塩基性オレンジNo.24、25、26
及び28染料も試験した。これら後者の染料の何れ
もポリメチレン系ではない。ポリメチレン及びメ
チン系の塩基性オレンジ染料を含めて、全て試験
した塩基性オレンジのうちで、塩基性オレンジNo.
21染料のみが本発明の前記したすべての目的の何
れにも有用性を有する。
メチン系及びポリメチン系染料のうちの塩基性
レツドNo.13及び塩基性バイオレツトNo.16染料は前
記特許出願における白血球同定に際して異色染色
に有用であると記載されたものであり、これら2
つの染料は血液細胞の単球を同定するに際し白色
光吸収及び螢光発光との2様式で異染性を示して
本発明に有用であることが今回確認された。カラ
ーインデツクスに化学構造が示され入手可能であ
るメチン系、ポリメチン系のレツド染料、バイオ
レツト染料まで有用であるか調べる探索を拡大さ
せた。試験した塩基性レツドNo.14、15、27、37、
68及び102染料は単球及び/又は他の白血球を
(吸収により)染色するのに必須な異染性の特性
を欠くことを見出した。他方、塩基性レツドNo.36
及び49染料(何れもポリメチン系染料)は前記特
願昭57−36709号で白血球の識別的異色染色に使
用可能と記載されたものであるが、これら2つの
染料は今回、本発明にも使用できることが確認さ
れた。塩基性バイオレツトNo.7、15、16、39及び
40染料(これら全てもポリメチン系染料)は本発
明に有効に使用できると見出された。しかしなが
らカラーインデツクスでポリメチン系染料と分類
されてない塩基性バイオレツトNo.14は白色光の下
でも、螢光発光エネルギーを作用させても、白血
球を染色する際に異染性を発現しなかつた。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の方法により塩基性オレンジ21染
料を用いて種々の発育段階の白血球細胞を異色染
色した際に得られる種々細胞の形状及び染色状況
を示す図解図である。 図面中でN−1,N−2,N−3,N−5,N
−8,N−10,N−12,N−14,N−16
及びN−18はそれぞれ各細胞の核であり、C,
C−1,C−2,C−6,C−8,C−10,C
−12,C−14,C−16及C−18は各細胞
の細胞質である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 固定剤を含まない水性媒質中に置かれた供血
    者血液試料中に存在する人間の血液細胞を、蛍光
    発生エネルギー源の作用下に、分析する方法にお
    いて、塩基性オレンジNo.21染料の水溶液で血液試
    料を染色し、この染料で染色された血液試料に、
    蛍光を発光させる電磁波エネルギーを作用させ
    て、染料にさらされた血液細胞の蛍光発光を励起
    させて、これによつて、試料中のすべての個々の
    細胞を、相互に区別、固定できる細胞種類に分け
    て識別するための標識を作り出し、こうして試料
    中の夫々の細胞種類の各々を、認知可能で計数で
    きる細胞種類に分けて識別することを特徴する血
    液試料の分析方法。 2 種々な血液細胞を含む血液試料中に存在する
    血液細胞とは、下記の種類のもの、すなわち骨髄
    芽球、前骨髄球、骨髄球、後骨髄球、血小板、バ
    ンド細胞、好中球、好酸球、リンパ球、好塩基
    球、単球、B−リンパ球及びT−リンパ球の1つ
    又はそれ以上であり、存在する細胞の各個がその
    発光した蛍光で識別することにより、相互に別々
    に確認同定され得るものとなつている特許請求の
    範囲第1項に記載の方法。 3 蛍光発光させるエネルギー源の少くとも一部
    はレーザー光線のコーヒーレント光に由来する特
    許請求の範囲第1項に記載の方法。 4 血液細胞の必要な識別を行うに当つて、生体
    分析すべき細胞群を含み且つ染料で染色を行つて
    いる顕微鏡視野領域に対して、電磁波エネルギー
    を2様式に転換可能に作用させ得る白血球自動計
    数装置を用い、また各々一つの様式で電磁波エネ
    ルギーを作用させた時にも上記同一の顕微鏡視野
    領域を観察できる装置を用いる特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
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