JPH0473419B2 - - Google Patents
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- JPH0473419B2 JPH0473419B2 JP7627785A JP7627785A JPH0473419B2 JP H0473419 B2 JPH0473419 B2 JP H0473419B2 JP 7627785 A JP7627785 A JP 7627785A JP 7627785 A JP7627785 A JP 7627785A JP H0473419 B2 JPH0473419 B2 JP H0473419B2
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Description
(産業上の利用分野)
本発明は、二塩化エタンを主成分とする液体反
応媒質中でエチレンと塩素を反応させて二塩化エ
タンを製造する方法に関するもので、特に高温反
応における1,1,2−トリクロルエタン生成副
反応を抑制して工業的に有利に二塩化エタンを製
造するように改良を加えたものである。 (従来の技術と問題点) 二塩化エタンは塩化ビニルの原料として工業的
に重要であり、エチレンと塩素を液相で反応させ
て大量生産されている。この反応を工業的に行な
う方法としては40℃〜60℃で反応させる低温法と
常圧における二塩化エタンの沸点以上で反応させ
る高温法とがある。これらのうち高温法では、こ
の反応によつて発生する50Kcal/mol程度の大量
の反応熱を有効に利用できることをはじめ、反応
媒質の蒸発潜熱によつて反応熱を除去すれば特別
な冷却手段を必要としないこと及び通常この反応
に用いられる塩化第二鉄等の触媒を分離すること
が容易である等多くの利点が得られ、米国特許
2929852号等によつて、その実施方法が示されて
いる。このような利点をもつ高温法のひとつの欠
点は、低温法に比べて1,1,2−トリクロルエ
タンをはじめとする副反応生成物量が増大して目
的とする二塩化エタンの選択性及び収率が低下す
るということであつた。 従来、高温法における1,1,2−トリクロル
エタン生成副反応を抑制するために提案されてい
る方法としては、たとえば特開昭48−57906号で
はエチレン大過剰にした高温反応と過剰エチレン
を転化する低温反応を組み合せた二段反応の方法
がある他、副反応を化学的に抑制する為に添加物
を加える方法があり、特開昭56−40620号ではク
レゾール類を用いる方法、また特公昭58−50203
号ではベンゼン類を用いる方法が示されている。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、エチレンと塩素との液相反応に
おける1,1,2−トリクロルエタン生成副反応
を化学的に抑制することをめざして鋭意検討した
結果、以下に示す脂肪族不飽和炭化水素の塩素化
物を液体反応媒質中に特定量以上存在させると副
反応抑制効果が得られることをみい出し本発明を
完成した。 すなわち本発明は、二塩化エタンを主成分とす
る液体反応媒質中でエチレンと塩素を反応させて
二塩化エタンを製造するにあたり、一般式
応媒質中でエチレンと塩素を反応させて二塩化エ
タンを製造する方法に関するもので、特に高温反
応における1,1,2−トリクロルエタン生成副
反応を抑制して工業的に有利に二塩化エタンを製
造するように改良を加えたものである。 (従来の技術と問題点) 二塩化エタンは塩化ビニルの原料として工業的
に重要であり、エチレンと塩素を液相で反応させ
て大量生産されている。この反応を工業的に行な
う方法としては40℃〜60℃で反応させる低温法と
常圧における二塩化エタンの沸点以上で反応させ
る高温法とがある。これらのうち高温法では、こ
の反応によつて発生する50Kcal/mol程度の大量
の反応熱を有効に利用できることをはじめ、反応
媒質の蒸発潜熱によつて反応熱を除去すれば特別
な冷却手段を必要としないこと及び通常この反応
に用いられる塩化第二鉄等の触媒を分離すること
が容易である等多くの利点が得られ、米国特許
2929852号等によつて、その実施方法が示されて
いる。このような利点をもつ高温法のひとつの欠
点は、低温法に比べて1,1,2−トリクロルエ
タンをはじめとする副反応生成物量が増大して目
的とする二塩化エタンの選択性及び収率が低下す
るということであつた。 従来、高温法における1,1,2−トリクロル
エタン生成副反応を抑制するために提案されてい
る方法としては、たとえば特開昭48−57906号で
はエチレン大過剰にした高温反応と過剰エチレン
を転化する低温反応を組み合せた二段反応の方法
がある他、副反応を化学的に抑制する為に添加物
を加える方法があり、特開昭56−40620号ではク
レゾール類を用いる方法、また特公昭58−50203
号ではベンゼン類を用いる方法が示されている。 (問題点を解決するための手段) 本発明者らは、エチレンと塩素との液相反応に
おける1,1,2−トリクロルエタン生成副反応
を化学的に抑制することをめざして鋭意検討した
結果、以下に示す脂肪族不飽和炭化水素の塩素化
物を液体反応媒質中に特定量以上存在させると副
反応抑制効果が得られることをみい出し本発明を
完成した。 すなわち本発明は、二塩化エタンを主成分とす
る液体反応媒質中でエチレンと塩素を反応させて
二塩化エタンを製造するにあたり、一般式
【式】で表わされる脂肪
族不飽和炭化水素の塩素化物を液体反応媒質中に
少なくとも0.003wt%(30ppm)以上存在させる
ことを特徴とする二塩化エタンの製造方法であ
る。 以下に詳細説明する。 本発明は、通常塩化第二鉄をはじめとする金属
塩素化物を触媒とし一般式
少なくとも0.003wt%(30ppm)以上存在させる
ことを特徴とする二塩化エタンの製造方法であ
る。 以下に詳細説明する。 本発明は、通常塩化第二鉄をはじめとする金属
塩素化物を触媒とし一般式
【式】で表わされる脂肪
族不飽和炭化水素の塩素化物の存在下で二塩化エ
タン液中でエチレンと塩素とを反応させる。脂肪
族不飽和炭化水素の塩素化物としては上記一般式
においてn=1の物質としてテトラクロルエチレ
ンあるいはn=2の物質としてヘキサクロル1,
3−ブタジエン等を用いることができ、反応媒質
中に0.001wt%以上、好ましくは0.005wt%−
0.1wt%の範囲で存在させる。0.001wt%以下で
は、本発明の効果が達成されず0.05wt%以上で
は、濃度が増えてもその効果に変りがないので、
実質的には0.1wt%程度までで使用するのが好ま
しい。 テトラクロルエチレンあるいはヘキサクロル−
1,3−ブタジエンはガスクロマトグラフイー等
を使つて濃度を測定することができるので、必要
に応じて反応媒質中の濃度を分析し、不足してい
れば外部から添加することによつて好ましい濃度
に保つことができる。これらの添加物質が生成し
た二塩化エタンと供に系外に排出される等の場合
には連続的に添加することもできる。あるいは、
これら脂肪族不飽和炭化水素の塩素化物が、反応
生成物として少量生成する場合には、この生成を
濃縮して所望の濃度に到達せしめ当該目的を達成
することができる。さらに、濃縮と添加の双方を
併用することもできる。 反応温度は40℃〜180℃の範囲にすることがで
きるが、二塩化エタンの沸騰条件下で反応を行な
えば、反応媒質の気化によつて反応熱を除去する
とともに、反応熱の有効利用が可能であることま
た反応温度が高すぎる場合には副生成物が増大す
ること及び反応器圧力が大きくなることなどの理
由により、通常は90℃〜160℃の範囲で選定する
ことが好ましい。 エチレンと塩素の供給量は、通常、化学量論的
にほぼ等しい量とするが、エチレン過剰あるいは
少量の塩素過剰でもよく高温反応の場合はエチレ
ン:塩素=1.001〜1.20とすることが好ましい。
供給塩素は、通常、食塩電気分解によつて得られ
るものを使うことができ酸素等の不純物を含んだ
ものを使うことができる。塩素中に含まれる酸素
量としては、通常0.1〜5.0mol%程度にすること
ができる。反応器は槽型、塔型、循環型等のもの
を用いることができ、材質として鉄を用いること
もできるが、特に高温では鉄の腐蝕が著しくなる
のでステンレス系のものを用いることが好まし
い。 反応によつて生成した二塩化エタンは反応器か
らとり出して、必要であれば、塩化第二鉄を除去
する工程、蒸留工程に導びいて精製する。生成し
た二塩化エタンを蒸気としてとり出す方法を用い
れば、塩化第二鉄を分離除去する工程を省略する
ことができる。反応器の上部に蒸留塔を接続して
反応熱によつて発生した二塩化エタンで蒸留すれ
ば、精製された二塩化エタンを得ることができ
る。 所望の塩化物を反応媒質中に濃縮するには、例
えば反応器の上部に気液接触塔を設けて、反応熱
によつて発生する反応媒質蒸気とその凝縮液とを
接触させることにより液体反応媒質中に副反応抑
制効果を有する脂肪族炭化水素の塩素化物を濃縮
して維持する方法を用いることがでる。気液接触
塔としては通常の多段塔や充填塔等を用いること
ができる。気液接触塔を用いない場合には、反応
媒質とともに副反応抑制物質が排出されるが量が
多くなる。また、反応器の上部に接続した気液接
触塔において二塩化エタンを蒸留精製する場合に
は、塔底付近から高沸点不純物が濃縮された液を
抜き出すにともない、副反応抑制物質も排出され
るので好ましくない。 本発明に用いる副反応抑制物質のうちで、ヘキ
サクロル−1,3−ブタジエンは反応器において
微小量生成していることが本発明者らによつて見
出された。従つて、本発明の好ましい実施様態に
従つて反応器の上部に気液接触塔を接続しヘキサ
クロル−1,3−ブタジエンを反応液中に濃縮す
る方法を用いれば、特別に副反応抑制物質を添加
しなくても反応液中のヘキサクロル−1,3−ブ
タジエン濃度を好ましく保つことができる。 反応によつて生成した二塩化エタンを精製する
場合は通常これをまず低沸点不純物除去を行なう
蒸留塔に供給し、つづいて高沸点不純物除去を行
なう蒸留塔に供給することにより純度の高い二塩
化エタンを得ることができる。反応熱を有効利用
するためには、反応媒質蒸気を凝縮液化する際の
潜熱を熱交換器等によつて回収する方法を用いる
ことができる。 (発明の効果) 以上のようにして、本発明に従つて副反応抑制
剤として、ヘキサクロル−1,3−ブタジエンあ
るいはテトラクロルエチレンをはじめとする脂肪
族不飽和炭化水素の塩素化物の有効量存在下に二
塩化エタンを主成分とする液体反応媒質中でエチ
レンと塩素を反応させることにより、1,1,2
−トリクロルエタンをはじめとする副反応生成物
量を著しく抑制することができて高温反応におい
ても高い収率で二塩化エタンを製造することがで
き、ひいては反応熱の除去・有効利用、二塩化エ
タンの精製等の面で多くの利点を有する高温反応
の工業的実施を可能にするという効果が得られ
る。 (実施例) 以下に実施例及び比較例をあげて詳細に説明す
る。 実施例 1 添付図面(図1)に示した塔径20cmのステンレ
ス製反応器Aに、液面高さ6mまで二塩化エタン
液を仕込み、無水塩化第2鉄を添加して溶存濃度
が約500wtppmとなるようにした。ヘキサクロル
−1,3−ブタジエンを添加して溶存濃度が
200wtppmになるようにした。反応器塔底付近か
らエチレン(1)と塩素(2)とを各々40Nm3/hrの流量
で供給した。塩素中には約1.5mol%の酸素が含
まれていた。反応器塔頂の圧力を約29Kg/cm2Gに
保つと反応温度は約135℃となり、反応媒質沸騰
下で運転することができた。反応熱によつて気化
した二塩化エタン蒸気は反応器塔頂から抜き出し
たあと熱交換器Bで凝縮液化して受器Cへ導びき
反応器液面を維持するように還流(3)し、残りは製
品(4)としてとり出した。反応開始から約50時間後
充分定常状態となつた後、製品としてとり出され
た二塩化エタンを採収しガスクロマトグラフイー
で分析したところ、次のような副反応生成物であ
つた。 1,1,2−トリクロルエタン 0.36wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.04 〃 その他 0.06 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.61%であつた。 比較例 1 ヘキサクロル−1,3−ブタジエンを全く添加
しないで、その他は実施例1と同様に行なつた。
反応開始から約50時間後に反応器内の液を採収し
てガスクロマトグラフイーで分析したところヘキ
サクロル−1,3−ブタジエンは検出されなかつ
た。この時の製品二塩化エタンを採収してガスク
ロマトグラフイーで分析したところ次のような副
反応生成物であつた。 1,1,2−トリクロルエタン 0.96wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.01 〃 その他 0.10 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.11%であつた。 実施例 2 ヘキサクロル−1,3−ブタジエンを全く添加
しないで、テトラクロルエチレンを添加して溶存
濃度が300wtppmになるようにした。反応器塔頂
圧力は約2.7Kg/cm2Gとして反応温度は約130℃で
あつた。その他は実施例1と同様に行なつた。 反応開始から約50時間後に製品二塩化エタンを
分析したところ、次のような副反応生成物であつ
た。 1,1,2−トリクロルエタン 0.25wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.02 〃 その他 0.03 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.74%であつた。 比較例 2 テトラクロルエチレンを全く添加しないで、そ
の他は実施例2と同様に行つた。 反応開始から約50時間後に二塩化エタン製品を
分析したところ次のような副反応生成物であつ
た。 1,1,2−トリクロルエタン 0.87wt% エチレンクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.09 〃 その他 0.11 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.16%であつた。 実施例 3 ヘキサクロル−1,3−ブタジエンを添加して
溶存濃度が60wtppmになるようにし、反応器塔
頂圧力を1.8Kg/cm2Gとして温度を120℃としてそ
の他は実施例1と同様に行つた。 反応開始から約50時間後に製品二塩化エタンを
分析したところ副反応生成物は次のようであつ
た。 1,1,2−トリクロルエタン 0.19wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.02 〃 その他 0.03 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.79%であつた。 比較例 3 ヘキサクロル−1,3−ブタジエンを全く添加
しないで、その他は実施例3と同様に行つた。 反応開始から約50時間後に製品二塩化エタン製
品を分析したところ副反応生成物は次のようであ
つた。 1,1,2−トリクロルエタン 0.68wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.08 〃 その他 0.10 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.31%であつた。 実施例 4 添付図2に示したような循環胴を有するステン
レス製反応器に二塩化エタン液を仕込み無水塩化
第二鉄を溶存濃度60wtppmとなるように添加し
た。反応器塔底付近からエチレンと塩素とを各々
50Nm3/hr供給して反応させた。塩素中には約
1.0mol%の酸素が含まれていた。反応温度は135
℃として反応熱によつて発生した反応媒質蒸気を
反応器上部に接続した気液接触塔に導入しその塔
頂蒸気を凝縮した還流液と連続的に向流接触させ
た。気液接触塔頂の凝縮器において非凝縮な成分
は排ガスとして放出した。反応によつて生成した
二塩化エタンは気液接触塔の中間付近から連続的
に抜き出した。反応液の抜出しは行なわなかつ
た。 反応を開始して10日間連続的に運転すると、反
応器内および生成二塩化エタンに含まれる不純物
組成は一定となり反応液を採取してガスクロマト
グラフイーで分析したところ溶存濃度約
250wtppmのヘキサクロル−1,3−ブタジエン
が検出された。この時生成二塩化エタンとして抜
き出された液中の副生成物は 1,1,2−トリクロルエタン 0.39wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.05 〃 ヘキサクロル−1,3−ブタジエン0.0002 〃 その他 0.05 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.60%であつた。 比較例 4 実施例4と同様に反応を行ない、生成二塩化エ
タンを蒸留精製して純度の高い二塩化エタンを得
るために、反応液を連続的に抜き出す点のみを変
更した。 反応液抜出量は、生成二塩化エタン量の10%程
度として約20Kg/hrとした。蒸留精製して得られ
る生成二塩化エタンは約200Kg/hrであつた。尚、
反応液抜出しによつて溶存塩化第二鉄が運び出さ
れるので、それに相当する無水塩化第二鉄を追加
して一定濃度を保つようにした。 このようにして反応を開始してから10日間連続
的に運転を行ない反応器から抜出される液中に濃
縮された副生成物濃度を分析したところ次のよう
であつた。 1,1,2−トリクロルエタン 8.29wt% エチルクロライド 0.005 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン2.31 〃 ヘキサクロル−1,3−ブタジエン 0.002 〃 その他 1.56 〃 蒸留精製されて得られる生成二塩化エタン中の
不純物濃度は次のようであつた。 1,1,2−トリクロルエタン 0.01wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン
0.001 〃 ヘキサクロル−1,3−ブタジエン 検出されず その他 0.04wt% 従つて副生成物量の合計によつて二塩化エタン
への反応選択率を求めるとエチレン基準で約
99.10%である。
タン液中でエチレンと塩素とを反応させる。脂肪
族不飽和炭化水素の塩素化物としては上記一般式
においてn=1の物質としてテトラクロルエチレ
ンあるいはn=2の物質としてヘキサクロル1,
3−ブタジエン等を用いることができ、反応媒質
中に0.001wt%以上、好ましくは0.005wt%−
0.1wt%の範囲で存在させる。0.001wt%以下で
は、本発明の効果が達成されず0.05wt%以上で
は、濃度が増えてもその効果に変りがないので、
実質的には0.1wt%程度までで使用するのが好ま
しい。 テトラクロルエチレンあるいはヘキサクロル−
1,3−ブタジエンはガスクロマトグラフイー等
を使つて濃度を測定することができるので、必要
に応じて反応媒質中の濃度を分析し、不足してい
れば外部から添加することによつて好ましい濃度
に保つことができる。これらの添加物質が生成し
た二塩化エタンと供に系外に排出される等の場合
には連続的に添加することもできる。あるいは、
これら脂肪族不飽和炭化水素の塩素化物が、反応
生成物として少量生成する場合には、この生成を
濃縮して所望の濃度に到達せしめ当該目的を達成
することができる。さらに、濃縮と添加の双方を
併用することもできる。 反応温度は40℃〜180℃の範囲にすることがで
きるが、二塩化エタンの沸騰条件下で反応を行な
えば、反応媒質の気化によつて反応熱を除去する
とともに、反応熱の有効利用が可能であることま
た反応温度が高すぎる場合には副生成物が増大す
ること及び反応器圧力が大きくなることなどの理
由により、通常は90℃〜160℃の範囲で選定する
ことが好ましい。 エチレンと塩素の供給量は、通常、化学量論的
にほぼ等しい量とするが、エチレン過剰あるいは
少量の塩素過剰でもよく高温反応の場合はエチレ
ン:塩素=1.001〜1.20とすることが好ましい。
供給塩素は、通常、食塩電気分解によつて得られ
るものを使うことができ酸素等の不純物を含んだ
ものを使うことができる。塩素中に含まれる酸素
量としては、通常0.1〜5.0mol%程度にすること
ができる。反応器は槽型、塔型、循環型等のもの
を用いることができ、材質として鉄を用いること
もできるが、特に高温では鉄の腐蝕が著しくなる
のでステンレス系のものを用いることが好まし
い。 反応によつて生成した二塩化エタンは反応器か
らとり出して、必要であれば、塩化第二鉄を除去
する工程、蒸留工程に導びいて精製する。生成し
た二塩化エタンを蒸気としてとり出す方法を用い
れば、塩化第二鉄を分離除去する工程を省略する
ことができる。反応器の上部に蒸留塔を接続して
反応熱によつて発生した二塩化エタンで蒸留すれ
ば、精製された二塩化エタンを得ることができ
る。 所望の塩化物を反応媒質中に濃縮するには、例
えば反応器の上部に気液接触塔を設けて、反応熱
によつて発生する反応媒質蒸気とその凝縮液とを
接触させることにより液体反応媒質中に副反応抑
制効果を有する脂肪族炭化水素の塩素化物を濃縮
して維持する方法を用いることがでる。気液接触
塔としては通常の多段塔や充填塔等を用いること
ができる。気液接触塔を用いない場合には、反応
媒質とともに副反応抑制物質が排出されるが量が
多くなる。また、反応器の上部に接続した気液接
触塔において二塩化エタンを蒸留精製する場合に
は、塔底付近から高沸点不純物が濃縮された液を
抜き出すにともない、副反応抑制物質も排出され
るので好ましくない。 本発明に用いる副反応抑制物質のうちで、ヘキ
サクロル−1,3−ブタジエンは反応器において
微小量生成していることが本発明者らによつて見
出された。従つて、本発明の好ましい実施様態に
従つて反応器の上部に気液接触塔を接続しヘキサ
クロル−1,3−ブタジエンを反応液中に濃縮す
る方法を用いれば、特別に副反応抑制物質を添加
しなくても反応液中のヘキサクロル−1,3−ブ
タジエン濃度を好ましく保つことができる。 反応によつて生成した二塩化エタンを精製する
場合は通常これをまず低沸点不純物除去を行なう
蒸留塔に供給し、つづいて高沸点不純物除去を行
なう蒸留塔に供給することにより純度の高い二塩
化エタンを得ることができる。反応熱を有効利用
するためには、反応媒質蒸気を凝縮液化する際の
潜熱を熱交換器等によつて回収する方法を用いる
ことができる。 (発明の効果) 以上のようにして、本発明に従つて副反応抑制
剤として、ヘキサクロル−1,3−ブタジエンあ
るいはテトラクロルエチレンをはじめとする脂肪
族不飽和炭化水素の塩素化物の有効量存在下に二
塩化エタンを主成分とする液体反応媒質中でエチ
レンと塩素を反応させることにより、1,1,2
−トリクロルエタンをはじめとする副反応生成物
量を著しく抑制することができて高温反応におい
ても高い収率で二塩化エタンを製造することがで
き、ひいては反応熱の除去・有効利用、二塩化エ
タンの精製等の面で多くの利点を有する高温反応
の工業的実施を可能にするという効果が得られ
る。 (実施例) 以下に実施例及び比較例をあげて詳細に説明す
る。 実施例 1 添付図面(図1)に示した塔径20cmのステンレ
ス製反応器Aに、液面高さ6mまで二塩化エタン
液を仕込み、無水塩化第2鉄を添加して溶存濃度
が約500wtppmとなるようにした。ヘキサクロル
−1,3−ブタジエンを添加して溶存濃度が
200wtppmになるようにした。反応器塔底付近か
らエチレン(1)と塩素(2)とを各々40Nm3/hrの流量
で供給した。塩素中には約1.5mol%の酸素が含
まれていた。反応器塔頂の圧力を約29Kg/cm2Gに
保つと反応温度は約135℃となり、反応媒質沸騰
下で運転することができた。反応熱によつて気化
した二塩化エタン蒸気は反応器塔頂から抜き出し
たあと熱交換器Bで凝縮液化して受器Cへ導びき
反応器液面を維持するように還流(3)し、残りは製
品(4)としてとり出した。反応開始から約50時間後
充分定常状態となつた後、製品としてとり出され
た二塩化エタンを採収しガスクロマトグラフイー
で分析したところ、次のような副反応生成物であ
つた。 1,1,2−トリクロルエタン 0.36wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.04 〃 その他 0.06 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.61%であつた。 比較例 1 ヘキサクロル−1,3−ブタジエンを全く添加
しないで、その他は実施例1と同様に行なつた。
反応開始から約50時間後に反応器内の液を採収し
てガスクロマトグラフイーで分析したところヘキ
サクロル−1,3−ブタジエンは検出されなかつ
た。この時の製品二塩化エタンを採収してガスク
ロマトグラフイーで分析したところ次のような副
反応生成物であつた。 1,1,2−トリクロルエタン 0.96wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.01 〃 その他 0.10 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.11%であつた。 実施例 2 ヘキサクロル−1,3−ブタジエンを全く添加
しないで、テトラクロルエチレンを添加して溶存
濃度が300wtppmになるようにした。反応器塔頂
圧力は約2.7Kg/cm2Gとして反応温度は約130℃で
あつた。その他は実施例1と同様に行なつた。 反応開始から約50時間後に製品二塩化エタンを
分析したところ、次のような副反応生成物であつ
た。 1,1,2−トリクロルエタン 0.25wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.02 〃 その他 0.03 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.74%であつた。 比較例 2 テトラクロルエチレンを全く添加しないで、そ
の他は実施例2と同様に行つた。 反応開始から約50時間後に二塩化エタン製品を
分析したところ次のような副反応生成物であつ
た。 1,1,2−トリクロルエタン 0.87wt% エチレンクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.09 〃 その他 0.11 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.16%であつた。 実施例 3 ヘキサクロル−1,3−ブタジエンを添加して
溶存濃度が60wtppmになるようにし、反応器塔
頂圧力を1.8Kg/cm2Gとして温度を120℃としてそ
の他は実施例1と同様に行つた。 反応開始から約50時間後に製品二塩化エタンを
分析したところ副反応生成物は次のようであつ
た。 1,1,2−トリクロルエタン 0.19wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.02 〃 その他 0.03 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.79%であつた。 比較例 3 ヘキサクロル−1,3−ブタジエンを全く添加
しないで、その他は実施例3と同様に行つた。 反応開始から約50時間後に製品二塩化エタン製
品を分析したところ副反応生成物は次のようであ
つた。 1,1,2−トリクロルエタン 0.68wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.08 〃 その他 0.10 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.31%であつた。 実施例 4 添付図2に示したような循環胴を有するステン
レス製反応器に二塩化エタン液を仕込み無水塩化
第二鉄を溶存濃度60wtppmとなるように添加し
た。反応器塔底付近からエチレンと塩素とを各々
50Nm3/hr供給して反応させた。塩素中には約
1.0mol%の酸素が含まれていた。反応温度は135
℃として反応熱によつて発生した反応媒質蒸気を
反応器上部に接続した気液接触塔に導入しその塔
頂蒸気を凝縮した還流液と連続的に向流接触させ
た。気液接触塔頂の凝縮器において非凝縮な成分
は排ガスとして放出した。反応によつて生成した
二塩化エタンは気液接触塔の中間付近から連続的
に抜き出した。反応液の抜出しは行なわなかつ
た。 反応を開始して10日間連続的に運転すると、反
応器内および生成二塩化エタンに含まれる不純物
組成は一定となり反応液を採取してガスクロマト
グラフイーで分析したところ溶存濃度約
250wtppmのヘキサクロル−1,3−ブタジエン
が検出された。この時生成二塩化エタンとして抜
き出された液中の副生成物は 1,1,2−トリクロルエタン 0.39wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン0.05 〃 ヘキサクロル−1,3−ブタジエン0.0002 〃 その他 0.05 〃 この時の二塩化エタンへの反応選択率はエチレ
ン基準で約99.60%であつた。 比較例 4 実施例4と同様に反応を行ない、生成二塩化エ
タンを蒸留精製して純度の高い二塩化エタンを得
るために、反応液を連続的に抜き出す点のみを変
更した。 反応液抜出量は、生成二塩化エタン量の10%程
度として約20Kg/hrとした。蒸留精製して得られ
る生成二塩化エタンは約200Kg/hrであつた。尚、
反応液抜出しによつて溶存塩化第二鉄が運び出さ
れるので、それに相当する無水塩化第二鉄を追加
して一定濃度を保つようにした。 このようにして反応を開始してから10日間連続
的に運転を行ない反応器から抜出される液中に濃
縮された副生成物濃度を分析したところ次のよう
であつた。 1,1,2−トリクロルエタン 8.29wt% エチルクロライド 0.005 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン2.31 〃 ヘキサクロル−1,3−ブタジエン 0.002 〃 その他 1.56 〃 蒸留精製されて得られる生成二塩化エタン中の
不純物濃度は次のようであつた。 1,1,2−トリクロルエタン 0.01wt% エチルクロライド 0.02 〃 1,1,2,2−テトラクロルエタン
0.001 〃 ヘキサクロル−1,3−ブタジエン 検出されず その他 0.04wt% 従つて副生成物量の合計によつて二塩化エタン
への反応選択率を求めるとエチレン基準で約
99.10%である。
第1図および第2図は実施例において使用した
装置を説明するための概略図を示したものであ
る。 A……反応器、B……凝縮器、C……タンク、
D……気液接触塔、1〜14……導管。
装置を説明するための概略図を示したものであ
る。 A……反応器、B……凝縮器、C……タンク、
D……気液接触塔、1〜14……導管。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 二塩化エタンを主成分とする液体反応媒質中
でエチレンと塩素を反応させて二塩化エタンを製
造するにあたり、一般式 【式】で表わされる脂肪 族不飽和炭化水素の塩素化物を液体反応媒質中に
少なくとも0.003wt%(30ppm)以上存在させる
ことを特徴とする二塩化エタンの製造方法。 2 不飽和脂肪族炭化水素の塩素化物としてテト
ラクロルエチレンあるいは、ヘキサクロル−1,
3−ブタジエンあるいはその混合物を用いる特許
請求の範囲第1項に記載の方法。 3 該脂肪族不飽和炭化水素の塩素化物を、液体
反応媒質中に外部より添加する特許請求の範囲第
1項もしくは第2項記載の方法。 4 反応副生物中の該脂肪族飽和炭化水素の塩素
化物を、液体反応媒質中に濃縮することにより
0.003wt%以上に到達せしめる特許請求の範囲第
1項もしくは第3項記載の方法。 5 当該濃縮を反応器上部に接続した気液接触塔
を使用して行う特許請求の範囲第4項記載の方
法。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7627785A JPS61233638A (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | 二塩化エタンの製造方法 |
| DE19863604968 DE3604968A1 (de) | 1985-02-19 | 1986-02-17 | Verfahren zur herstellung von dichlorethan |
| US07/338,538 US4873384A (en) | 1985-02-19 | 1989-04-14 | Method for producing dichloroethane |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP7627785A JPS61233638A (ja) | 1985-04-09 | 1985-04-09 | 二塩化エタンの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS61233638A JPS61233638A (ja) | 1986-10-17 |
| JPH0473419B2 true JPH0473419B2 (ja) | 1992-11-20 |
Family
ID=13600774
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP7627785A Granted JPS61233638A (ja) | 1985-02-19 | 1985-04-09 | 二塩化エタンの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS61233638A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1057992C (zh) * | 1995-03-30 | 2000-11-01 | 株式会社德山 | 多氯甲烷的制造方法 |
-
1985
- 1985-04-09 JP JP7627785A patent/JPS61233638A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS61233638A (ja) | 1986-10-17 |
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