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JPH048541B2 - - Google Patents
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JPH048541B2 - - Google Patents

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JPH048541B2
JPH048541B2 JP63022314A JP2231488A JPH048541B2 JP H048541 B2 JPH048541 B2 JP H048541B2 JP 63022314 A JP63022314 A JP 63022314A JP 2231488 A JP2231488 A JP 2231488A JP H048541 B2 JPH048541 B2 JP H048541B2
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treatment
swelling agent
polyester
monomer
graft polymerization
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ポリエステル系繊維構造物およびそ
の製造方法に関し、特に表面活性ポリエステル系
繊維構造物およびその製造方法に関する。
(従来の技術) ポリエステル系繊維は、今日衣料用素材並びに
産業用素材等として全盛を誇つている。また医療
用素材、例えば人工血管といつた特殊な分野にも
適合性があることが判つてきている。この理由
は、優れた機械的性質並びに化学的性質を有して
いるからである。反面、親水性が乏しい為、吸湿
性、吸水性がなく、帯電しやすい、汚れやすい等
の欠点があり、これを改善しようとする研究がポ
リエステル系繊維の発明以来続けられている。
親水性が乏しい理由は、ポリエステル高分子を
構成する分子構造が高結晶のために水の侵入を阻
止していること及び官能基が無いために水を吸着
させないことによるとされている。
これらの欠点を改良する為に、従来、次の各方
法がとられてきた。
(1) 高結晶性を乱す第二、第三の高分子成分を配
合したり、官能基を有する成分を添加したりす
ることが紡糸の段階においてなされている。
(2) これと全く原理を異にするが、繊維表面に凹
凸を付与したり、繊維に連続した穴を付与した
りして水の吸着浸入を容易にすること等も紡糸
の段階とその後の染色加工等の組合せ等でなさ
れている。
(3) 紡糸段階以後の処理手段として、官能基を持
つたモノマーをグラフト重合せしめて親水化し
ようとする事も出来る。
(4) 界面活性剤をベースとする親水化剤や、樹脂
成分をベースとする親水化剤の付与することも
できる。
(発明が解決しようとする課題) しかし、(1)、(2)の方法は紡糸の段階に施される
手段であり、小廻りのきく手段とは云い難い。
又、(3)の方法においては、通常のグラフト法の
みではグラフト重合量がある量以上にならなけれ
ば親水性能が発揮できない。この場合ポリエステ
ル本来の機械的性質の低下は余儀なくされる。
さらに、(4)の方法は耐久性の点で不合理である
ことは云うまでもない。
従つて、本発明は、上記課題を解消し、本来の
ポリエステルの性質を変化させずして耐久性に富
む親水性、帯電防止性能等を有するポリエステル
繊維を紡糸手段以外で作り出す方法及びこの方法
によつて製造された繊維構造物を抵抗することを
目的とする。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決するために、本発明において
は、ポリエステル系繊維を膨潤剤処理後モノマー
溶液又は膨潤剤共存下のモノマー溶液に浸漬し、
電離性放射線を照射してグラフト重合反応を施
し、次いで弱アルカリ溶液洗浄によつて表面ホモ
ポリマーを除去し、低温プラズマ放電処理にてエ
ツチングをなしてグラフト重合を高度に露出せし
め、同時に化学修飾された凹凸を造成せしめるこ
とによつて表面活性ポリエステル系繊維構造物を
製造するようになされている。
(作用) 本発明におけるポリエステル系繊維とは主たる
構成単位がエチレンテレフタレートであるポリマ
ーからなる繊維をいい、艶消剤、変色防止剤、色
素等必要ならば加えてもよい。
また、本発明でいう繊維構造物とは、ポリエス
テル系繊維素材でありさえすればよく、その形態
に制約を受けない。例えば、モノフイラメント、
トウ、ステープル、ワタ、糸、布帛(織編物、不
織布)などがあげられる。均一なる処理効果を本
発明に求めるならば、モノフイラメント、ステー
プル、ワタの様に、構成する単糸が分離した状態
時にほどこすことが、最も有効的である。糸状あ
るいは織物、編物状に至ると単糸が集合され、さ
らにこれらが交叉した状態になつて均一性の低下
がまぬがれない。一般にポリエステル系繊維は熔
融紡糸法で得られるが、紡糸工程はノズルからの
押出し固化、延伸、加熱熱セツトの3過程を経る
が、本発明の処理の何れの段階の後においてもな
すことが出来る。本発明の処理は、グラフト重合
処理とプラズマ処理の両者より構成されるが、前
者が必ず先行しなければならない。
まず、グラフト重合処理に就いて説明する。グ
ラフト重合とは「接木」という意味であり、主幹
にない性質を枝の部分に接木で補なおうとするも
のである。今回の場合、ポリエステル繊維が主幹
であり、モノマーより生じた重合物が枝となる訳
である。「接木」が意味する様に、主幹と枝は結
合した一体化物である。このように主幹にない性
質を接木で補なうことは紡糸手段以外の方法とし
て有用である。
さて、ポリエステル繊維はガラス転移温度を50
℃〜80℃の範囲内に有している。グラフト重合を
容易に且つ効率的に実施するにはこのガラス転移
温度以上の温度領域で成すことが良い。ただ単に
グラフト重合せしめる温度を当該温度領域内に設
定する場合もあるが、ポリエステルを膨潤せしめ
る薬品はガラス転移温度を低下せしめる効果を発
揮してさらに低温で実施できるメリツトがある。
この低温化はエネルギー消費、作業のしやすさ等
にも有利である。しかしガラス転移温度以上の温
度と膨潤剤の併用はその効果を相乗的に有効にす
ることは云うまでもない。膨潤剤としては、ジク
ロルメタン、1,1−ジクロルエタン、1,2−
ジクロルエタン、1,2−ジクロルエチレン、
1,1,2−トリクロルエタン、トリクロルエチ
レン、1,1,1,2−テトラクロルエタン、
1,1,2,2−テトラクロルエタン、1,1,
2,2−テトラクロルエチレン、モノクロルベン
ゼン、ジクロルベンゼン、トリクロルベンゼン等
の塩素化炭化水素が好ましい。モノマーとして
は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物
もしくは不飽和カルボン酸アミド類のいずれかを
成分として用いねばならない。例えば、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イ
タコン酸の様な不飽和カルボン酸、無水マレイン
酸、無水イタコン酸の様な不飽和カルボン酸無水
物、アクリルアミド、メタクリルアミドの様な不
飽和カルボン酸アミドがあり、これらは単独また
は2種以上の併用で用いられる。更にアクリロニ
トリル、ビニルピロリドン、ビニルクラロライド
等と共グラフト重合してもよい。膨潤剤単独によ
る浸漬処理についで、モノマー単独による浸漬処
理を施す方法と膨潤剤とモノマーの混合浴にして
浸漬処理する方法との何れでもその効果は変わら
ない。膨潤剤は水、界面活性剤等で希釈して用い
る事があるが、膨潤剤百パーセントの浴から処理
する事は付与装置や回収の点から有利である。膨
潤剤での処理は浸漬温度と浸漬時間によつて膨潤
度を調整する事が出来る。この膨潤作用な被処理
材であるポリエステルの結晶構造の状態によつて
異なる。ノズルからの押出し固化状態はもつとも
結晶構造が少ない領域しかなくもつとも容易に大
なる膨潤を示し、以下過程を経るに従つて結晶構
造の多い領域のものとなり、膨潤も難しくて小さ
い膨潤となる。本発明に於ては膨潤が大きくても
決して良い結果につながらない。グラフト重合物
を表皮層に高密度に分布させるためには、極端に
表現すれば、表皮層のみを膨潤させればよい訳で
ある。しかし、この様な膨潤の調節は不可能に近
く、これに近づく様に膨潤剤並びにその濃度、浸
漬温度、浸漬時間等で調整される。
膨潤剤での処理は膨潤剤百パーセントの時は0
℃〜80℃の温度範囲で30秒〜180分間の浸漬が成
され、次いで120℃以下の常圧もしくは真空乾燥
で膨潤剤の除去がなされる。これよりも高温を使
用すると熱処理効果によつて膨潤部分の減少につ
ながる。
膨潤剤とモノマーを混合浴にして用いる場合に
は、その相溶性を確認しなければならない。完全
な相溶性のある状態で用いないと均一な付与が難
かしいからである。この相溶性が許す限り、水、
有機酸等で希釈が可能である。場合によつてはホ
モポリメリゼーシヨンを阻止する薬品(例えば硫
酸銅、塩化銅の溶な金属塩)を添加してもよい。
この混合浴でのモノマーの濃度は希望するグラフ
ト重合量によつて左右されるが、10〜90容量パー
セント内で調整される。本発明に於いてはモノマ
ー浴のみからのモノマー付与も可能であるが、本
発明に示す様な特徴ある表皮層に高密度に分布す
るグラフト重合物を得るには、先に示す2つの方
法の何れかを用いる事が好ましい。
モノマー浴あるいは膨潤剤とモノマーの混合浴
への浸漬は、均一なモノマー付与をなすべく浴中
の溶液を撹拌したり、あるいは、被処理物に動揺
を与えたりしながら充分時間をかける。この場合
にも浸漬温度と浸漬時間が調整されることは申す
までもない。すでに膨潤剤処理がなされているも
のはモノマーの浸入が容易でモノマー浴への浸漬
は短時間で良い。ここでの適正な温度は10℃〜80
℃を云い、時間は5秒〜30分で設定可能である。
膨潤剤とモノマーの混合浴の浸漬は先の膨潤剤で
の処理に準じて行われる。
この様にして処理された被処理物は充分モノマ
ーを吸収しているが、次の工程である電離性放射
線照射中に蒸発散しない様にしなければならな
い。その方法として過剰量の上記処理液を与える
か、照射反応室を小さくする事等が良い。電離性
放射線としては、工業的に普及している加速器に
よつて得られる電子線照射が本発明を達成するに
は必要である。他のエネルギー源を用いた場合は
エネルギーが不足で本発明の目的に合つたグラフ
ト物は得られない。
照射は窒素ガス雰囲気下で0.1〜5MeVエネル
ギーの電子線(加速器)を用いる事が好ましく、
線量率1.0×104ラツド/秒1.0×107ラツド/秒が
用いられ、照射線量は0.1×10メガラツドが好ま
しい。照射によつて被処理物上にモノマー溶液は
完全に固化してグラフト反応は完了する。
この様なグラフト反応に於いて、ホモポリメリ
ゼーシヨンの同時進行は避ける事は出来ず、これ
による生成物であるホモポマーを溶解除去しなけ
ればならない。これには弱アルカリ溶液が用いら
れる。アルカリとは水酸化物MOHの形式をと
り、水に溶解する物質と定義できる。この場合の
Mはアルカリ金属やアンモニウム塩をさすが、広
義には炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸アンモニウム、リン酸ナトリウム等も含まれ
る。ここで弱アルカリ溶液は上記のホモポリマー
の溶解除去を目的にしており、この目的が達成さ
れる濃度の水溶液であれば特別の限定はない。そ
の一例として炭酸水素ナトリウム水溶液が用いら
れ、0.1〜1%の水溶液を浴比1:100〜200に調
整し、40℃〜80℃の温度で1〜20分の処理をなす
事によつて終える。次いで100〜200℃の雰囲気中
で乾燥、場合によつては熱処理を同時に施す。こ
こで重量を計測すればグラフト処理前重量より重
量増加が見られ、この増加分がグラフト重合物に
相当するものである。この重合物による増加分を
グラフト率として示すが、その率は0.2〜15重量
パーセント、好ましくは0.4〜7重量パーセント
である。
この様にして得られたポリエステルへのグラフ
ト重合物はポリエステル表面には顔を出しておら
ず、表皮層と云われる外皮より少し内部に最も高
密度でそして中心部に向かつて徐々に低密度なる
様に分布している事がアルカリ加水分解法と呈色
法の組合わせで確認する事が出来る。
これらを詳しく説明すれば次の様になる。
ポリエステル繊維を繊維軸に直角に切断すると
断面が現れる。この断面は円形もしくは特定の形
をしている。説明を解り易くするために断面を円
形と仮定する。この断面の外周すなわち外皮は外
気と触れている所であり、膨潤剤処理あるいはモ
ノマー処理でもつとも先に接触する所である。こ
れに対し断面の中心部はこれよりもつとも遠い部
分であり、これらに接触するのがもつとも遅い所
である。これよりモノマーが吸着し、それらのグ
ラフト重合が起こる確率は、断面の中心を中心と
する断面上の同心円でほぼ等しいとみなす事が出
来る。ポリエステル繊維はアルカリ加水分解によ
つて外皮が均一に溶解される特異な性質を有して
おり、原形を保ちながら細くする事が容易に出来
る。一方、グラフト重合物中には官能基として持
ち込まれた−COOHが存在している。これはア
ニオン基でありカチオン性色素と定量的に結合す
る反応を利用し、グラフト重合物の存在とその量
を測定する事が出来る。カチオン性色素による測
定を具体的に示せば、カラーインデツクスナンバ
ー、ベーシツクバイオレツト10を1重量%と酢酸
(80%)を0.5c.c./Lを含む浴で浴比1:200、90
℃で20分呈色後、酢酸(80%)0.5c.c./L水溶液
にて60℃×10分の洗滌を2回繰返し、次いで水洗
して乾燥をなす。もし、このポリエステルがバイ
オレツト色に呈色すればグラフト重合物の存在を
示し、分光光度計で濃度を測定し、グラフト率と
の相関関係よりグラフト重合物の量を推定する事
が出来る。本発明の実施例に示すデーターに基づ
くとポリエステル繊維の繊維軸と平行に繊維の中
心を通る用にカツトした面でその分布を示すと殆
んどU字型からV字型に近い事が確認されてい
る。
次に低温プラズマ放電処理について説明する。
低温プラズマとは、低圧下において気体に強い電
場をかけて放電を起こさせるものである。ここ
で、気体として空気、一酸化炭素、二酸化炭素、
酸素、窒素、水素、アルゴン、ヘリウム等の無機
ガス群が用いられる。中でも空気、酸素、アルゴ
ンの3種類がよく用いられる。放電処理はこの放
電された場に被処理物を置くことによつてなされ
る。これによつて表面の凹凸が造成される(これ
をエツチングという)。この凹凸の大きさ、深さ
は用いられる気体によつて差が生じる事は知られ
ている。低温プラズマ放電処理による凹凸の大き
さは微小である。この凹凸の大きさ、深さの表示
方法は次の様にする事にする。すなわち凹部から
次に隣接する凹部の最低点まで平均的平面距離、
もしくは凸部から次に隣接する凸部の最高点まで
の平均的平面距離と、凸部の最高点と凹部の最低
点間の平均的距離すなわち深さとの両者で表示す
る。そして、この凹凸がどれだけ存在するかを表
示する為に単位面積当りにある個数すなわち、密
度で表示する。本発明ではこの凹凸の大きさ、深
さは直接重要要素でないが、結果的に得られる数
値であるので記するが、これらはSEMから得ら
れる写真からカウントされる。
この凹凸の造成の外に、表面において化学的変
化も同時に進行する事も知られている(これを化
学修飾という)。これは用いる気体の原子と被処
理物の原子の新しい反応が、その表面上でプラズ
マ放電処理下で行われる説と、プラズマ放電処理
後空気中に取り出した時、活性ラジカルと空気中
の酸素、二酸化炭素、水素との反応が行われる説
とがいわれているが、本発明の場合には確かな証
明がなされていない。ともかく、これらの生成物
が官能基の一部分の様に働き、水分子の吸着を促
がす親水性向上や接着性向上等につながる。これ
を化学修飾効果と称することにする。
本発明の低温プラズマ放電処理をする条件は、
周波数として100KHz〜10MHzあるいは10MHz〜
100MHzで好ましくは110KHzの低周波放電プラズ
マ、13.56MHzの高周波放電プラズマが良い。そ
して出力10W〜100KW、圧力2トール以下、ガ
ス流量10〜300ml/minで処理時間5秒〜1800秒
である。圧力は低圧側ほど気体原子の運動量を高
めるから効果的であるが、ガス流量を高めると必
然的に圧力が高圧側になる為、一定ガス流量以上
になると圧力を希望する低圧にすることが出来な
くなる。具体的に示せば、0.05トール下ではガス
流量20ml/min以下、0.1トール下では同じく20
〜100ml/min、2トール下では40〜200ml/min
という具合である。ポリエステル繊維は、先述の
ように高結晶性高分子に属し、エツチングがされ
にくい。然しながら、化学的変化(化学修飾)を
付与することが出来る。これが低温プラズマ放電
処理の特徴である。
本発明ではエツチングすることを主眼において
おり、化学的変化(化学修飾)は副効果として必
然的に付与されるものと解釈されている。今、周
波数として13.56MHzを設定し、出力、圧力、ガ
ス流量等を変化せしめると、当然最適条件を見出
す事が出来る。この中で重要視されるのは出力で
ある。エツチング効果を出すには100W以上、好
ましくは300W以上が必要で、これ以下では凹凸
の造成が生じないか、生じても長時間をかけざる
を得ないであろう。
ところでポリエステル繊維はノズルからの流動
押出し固化、延伸、加熱熱セツトの過程を経て得
られる。この過程後、撚をかけたり、バルキー性
を与えたりする処理が付加される。こうして得ら
れる繊維は後になる程熱処理を受ける機会が増
え、繊維の性質が少しずつ変化する。ノズルから
の流動押出し固化状態では、繊維状を形成したば
かりの段階であり、結晶性も低比率で加工しやす
い。しかし、延伸することによつて一気に結晶性
は増大し、一般ポリエステル繊維性能を発揮する
ことは公知である。この様な事実より低温プラズ
マ放電処理は加工しやすい状態でする事が得策で
ある。この為、目的に応じたポリエステル繊維を
作る事も本発明は重要視される。ポリエステルの
化学的特性を利用目的にする時、必ずしも機械的
特性も同時に付加する必要はない訳である。
(実施例) 次に実施例を示す。
見掛ヤング率120Kg/mm2で径40ミクロン(強度
100g、伸度40%)のポリエステルモノフイラメ
ントを約2グラム用意し、非イオン界面活性剤を
含む温湯中でよく洗滌し、水洗乾燥して重量測定
した。このヤング率の値はポリエステル繊維一般
に云われる1100Kg/mm2に比較して非常に小さいも
のである。
以下、次の処理をなした。
() 膨潤剤百パーセント浴処理 1,2−ジクロロエタン(市販試薬一級)を
20℃、40℃に設定し、この中に先の被処理物を
1時間撹拌しながら浸漬する。次いで取出し室
温で一昼夜放置し、表面に付着するジクロルメ
タンを取除き、さらに80℃×600分の乾燥処理
し、繊維内部に吸着した1,2−ジクロロエタ
ンを取除く。各々の試料をA群試料、B群試料
とする。
() モノマー浴処理 ()で得られたA、B群試料をメタクリル
酸(市販試薬)40℃に設定し、この中で浸漬撹
拌を1時間なした。
() 膨潤剤/モノマー混合浴処理 容積比で6:4に配合した1,2−ジクロロ
エタン(市販試薬)とメタクリル酸(市販試
薬)の混合液を50℃に設定し、この中に先の被
処理物を2時間撹拌しながら浸漬した。これを
C群試料とする。
() ()で処理されたA、B群試料と()
で処理されたC群試料とを各々別個にステンレ
スパレツト上に移す。生地重量に対し5倍の処
理液で浸し、パレツトをビニルフイルムで覆
い、窒素ガスで空気を置換する。
() 照射はヴアン・デ・グラーフ電子線照射装
置を用い、1.5MeV、50mA、0.17Mrad/秒で
総線量6Mrad成した。
() 洗滌は炭酸水素ナトリウム10g/L水溶液
で80℃×20分を2回成した。
() 熱風乾燥機を用いて100℃×60分の乾燥後
重量を測定し、グラフト率を各々算出した。A
群;4.3% B群;4.7% C群;4.5%となつ
た。これらの試料を先に示したベーシツクバイ
レツト10水溶液に呈色させたが、極淡い呈色で
あり、グラフト重合物が表面に存在すると判断
しがたい程度のものであつた。又、これらの試
料を同じく先に示したアルカリ加水分解処理
(炭酸ナトリウム10g/L水溶液、浴比1:200
100℃×15、30、45、60分)後、これに伴う重
量減少量を測定し、ベーシツクバイレツト10水
溶液による呈色を施した。この呈色で何れの試
料もアルカリ加水分解処理時間15分と30分処理
試料で最も濃く呈色し、グラフト重合物が露出
存在すると判断出来た。即ち、この時の減量率
からこの場所が表面から何処にあるか計算して
みると、0.15〜0.2ミクロンだけ表面より繊維
軸中心に向かつた同心円状である事が判つた。
そして、この分布状態の模式図は、図−1に示
す様である。これより本発明において得られた
ポリエステルグラフト重合物を外気と接する表
面に露出せしめるには、0.15〜2ミクロンまで
低温プラズマ放電処理にてエツチングを施す必
要がある事が判つた。これは重量減量率からみ
ると1〜2.5%の数値となる。
() これら試料を周波数13.56MHz、出力700W、
圧力0.2トール、酸素ガスのガス流量190ml/
minの条件下で2分及び4分の照射処理を施し
た。こうして得られた試料は、先述のベーシツ
クバイオレツト10水溶液にて呈色させると明白
なグラフト重合物の露出を示す濃い呈色反応を
見る事が出来た。
() 又、これら試料のSEM撮影を繊維の側面、
先端部に於いてなし、両部に凹凸の造成を認め
た。その大きさは、0.08〜1.2ミクロンのもの
が90%以上でその他に1.8〜3.0ミクロンの巨大
なものが10%位カウントされた。深さは0.06〜
1.0ミクロンであつた。
() これらの試料は、水滴をその表面に落下せ
しめても直ちに拡散すなわち良い濡れ性を示し
た。また、摩擦帯電圧をロータリースタテイツ
クテスター(興亜商会)にて温度20℃相当湿度
40%中で綿布と摩擦2分後で測定したが各々
100V以下であつた。
(XI) 強伸度は未処理に比べて強度は3%の低
下、伸度は4%の向上であつた。
(発明の効果) 以上の様に実施例にみる結果から本発明の説明
文に記す如く、ポリエステル繊維の表皮層にモノ
マーを電子線照射によつてグラフト重合せしめ、
次いで低温プラズマ放電処理にて表皮層をエツチ
ング除去するとグラフト重合された部分を表皮層
上に露出せしめ、同時に表面に化学修飾された凹
凸を造成せしめたる表面活性なユニークなポリエ
ステル繊維を作ることが出来る事を知つた。そし
て本発明で得られた機械的特性の低下のない本来
のポリエステル性能を保持し且つその表面に高密
度に配置されたグラフト重合物により親水性を有
した上、化学修飾された微小凹凸が付加されたい
わゆる表面活性なポリエステル繊維構造物は、医
療分野、バイオテクノロジー分野、フイルター膜
素材等に有効に応用可能である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明で得られるポリエステル/グラ
フト共重合繊維構造物中の単糸を取出し、その繊
維軸を通る軸方向にカツトした断面上でのグラフ
ト重合物存在模式図である。 ここで、1……単糸の中心、2……単糸の外皮
表面、3……グラフト重合物分布層、4……グラ
フト重合物の最高密度層、5……エツチング除去
される層、6……エツチング後の新しい外皮表面
である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリエステル系繊維を膨潤剤処理後モノマー
    溶液に浸漬するか又は膨潤剤共存下のモノマー溶
    液に浸漬し、電離性放射線を照射してグラフト重
    合反応を施こし、次いで弱アルカリ溶液洗浄によ
    つて表面ホモポリマーを除去し、低温プラズマ放
    電処理にてエツチングをなしてグラフト重合部分
    を高度に露出せしめ、同時に化学修飾された凹凸
    を造成せしめることからなる表面活性ポリエステ
    ル/グラフト共重合繊維構造物の製造方法。 2 ポリエステル系繊維を膨潤剤処理後モノマー
    溶液に浸漬するか又は膨潤剤共存下のモノマー溶
    液に浸漬し、電離性放射線を照射してグラフト重
    合反応を施し、次いで弱アルカリ溶液洗浄によつ
    て表面ホモポリマーを除去し、低温プラズマ放電
    処理にてエツチングをなしてグラフト重合を高度
    に露出せしめ、同時に化学修飾された凹凸を造成
    せしめることよつて形成された表面活性ポリエス
    テル系繊維構造物。
JP63022314A 1988-02-02 1988-02-02 表面活性ポリエステル系繊維構造物とその製造方法 Granted JPH01201582A (ja)

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