JPH0510979B2 - - Google Patents
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Description
〔産業上の利用分野〕
本発明は、白金−銅合金電極触媒およびそれを
使用した酸電解質燃料電池用電極に関する。 〔従来の技術〕 燃料電池は、水素または炭化水素等の燃料と酸
素等の酸化剤とを、低電圧直流に直接変換する電
気化学的装置であり、一般に、燃料電極(アノー
ド)、酸化剤電極(カソード)、電極間の電解質お
よび燃料流と酸化剤流をそれぞれアノードおよび
カソードへ別々に導入するための手段などから構
成されている。アノードおよびカソードの電極に
は電極触媒が用いられ、燃料電池の作動時には、
アノードに供給された燃料は電極触媒と接触し、
電解質の存在下で酸化されて電子を放出する。一
方、カソードに供給された酸化剤は、電極触媒と
接触し、同じく電解質の存在下で還元されるが、
その際アノードから外部回路を通じて供給される
電子を消費する。このように、燃料電池において
は、アノードおよびカソードの電極に用いられる
電極触媒が極めて重要な役割を演じており、燃料
電池の出力および寿命は、電極触媒の活性度に大
きく依存している。 従来、かかる電極触媒としては、周期律表第
8、9および10族(1983年11月勧告のIUPACの
命名法による。以下、同じ)の元素のうち白金族
金属と称される白金(Pt)、パラジウム(Pd)、
ロジウム(Ph)、ルテニウム(Ru)、イリジウム
(Ir)およびオスミウム(Os)から選ばれる1種
または2種以上を組合わせたものを、例えば導電
性カーボンブラツクのような導電性担体に分散担
持せしめたものが知られており、電極はかかる担
持白金族金属触媒を、例えばタンタル、ニツケル
等の金属スクリーン、防湿性グラフアイト紙等の
支持部材に固定することにより構成されたものが
実用化されている。 ところで、特に、酸素/水素型リン酸燃料電池
においては、カソードにおける酸素還元反応の活
性化分極がアノードにおける水素酸化反応の活性
化分極に比べて桁違いに大きいことが知られてい
るが、上記の担持白金族金属触媒をカソードに使
用すると、該触媒の活性度が漸次低下し、電池の
出力および総合効率の経時的低下をもたらすとい
う問題がある。この触媒の活性度の低下は、主に
電池が作動状態にあるとき、触媒中の担持白金族
金属の微結晶粒子が、約200℃の高温にある電解
質と酸素の存在のために電解質中へ溶出したり、
凝集−粒子成長を起したりする結果、触媒活性を
示す金属の比表面積が次第に減少するためと考え
られる。 さて、最近活発な研究が行なわれているリン酸
燃料電池が発電システムとして広範に普及するた
めには、一定レベル以上の出力で4万時間以上の
運転寿命を有することが必要であるとされている
が、上記の担持白金族金属触媒を使用した電極を
利用したのでは、到底この要求に応えることは困
難である。 そこで、触媒に高い活性度と長期安定性が求め
られるが、それには担持金属の比活性度(担持金
属の単位表面積当りの活性度)を高めるととも
に、比表面積の保持性を高めることが重要であ
る。 従来、主に触媒中の担持金属の比活性度を向上
させるべく担持させる金属に関して種々の研究が
なされてきた。例えば白金族金属と、バナジウ
ム、タングステン、アルミニウム、チタン、ケイ
素、セリウム、ストロンチウム、クロム等の主に
周期律表の第2〜6族の卑金属との合金(米国特
許第4186110号、4202934号、4316944号参照)、こ
れらのうち白金−バナジウムあるいは白金−クロ
ムにコバルトを加えた三成分金属合金(米国特許
第4447506号)、および白金族金属とガリウムとの
合金、あるいは白金族金属と鉄との超格子合金
(特開昭60−7941号、特開昭60−156551号参照)
さらに白金にコバルト−ニツケルを加えた三成分
金属合金(特開昭61−8851号参照)など、白金族
金属の合金を担体に担持した触媒が提案されてい
る。しかし、これらの合金からなる担持金属は白
金族金属を単独で担持させた場合に比べて比活性
度は向上しているが、その比表面積の保持性はほ
とんど改善されていない。 一方、触媒中の担持金属の比表面積の減少は、
前述のように電解質中における担持金属粒子の溶
出および凝集に起因するが、これを防止する方法
として、担持金属を一酸化炭素、炭化水素ガス等
の含炭素化合物で処理した後、不活性ガス中で焼
成することにより担持金属粒子およびその近傍の
担体の表面にカーボン被膜を形成する方法(米国
特許第4137372号参照)、担持金属の凝集が担体の
導電性による電気化学的腐蝕に起因するとして、
担持金属を非導電性物質からなる担体に担持させ
た後これを導電性炭素粉末と混合して触媒を構成
し電極を製造する方法(特開昭60−212961号参
照)、また、電極上の触媒層にガス拡散性を付与
するため添加する撥水性ポリマーの添加割合を高
くし、活性な担持金属を腐蝕性の電解質に対し濡
れにくくする方法などが報告されている。しか
し、これらの方法において、担持金属の表面積の
保持性はある程度向上することはあつても、その
比活性度は十分ではなかつた。 〔発明の解決しようとする問題点〕 上記のように、従来の燃料電池用電極触媒は、
要するに、担持金属の比活性度および比表面積の
保持性の一方または双方が不十分であるため触媒
の活性度の長期安定性が低く、したがつて該触媒
を用いた燃料電池は満足できる出力、寿命を有す
るものでないという問題を有していた。 そこで、本発明の目的は、触媒中の担持金属の
比活性度およびその比表面積の保持性を同時に向
上させた、高くかつ安定な活性を有する電極触媒
およびその触媒を使用した燃料電池用電極を提供
することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述した従来技術の問題点を解決す
るものとして、15〜50原子%の銅(Cu)と残部
白金(Pt)とからなる白金−銅(Pt−Cu)合金
が導電性担体に分散担持されてなる白金合金電極
触媒、および該電極触媒と該触媒を支持する導電
性で耐酸性の支持部材とからなる酸電解質燃料電
池用電極を提供するものである。 まず、本発明のPt−Cu合金電極触媒はPt−Cu
二成分合金からなる活性な金属と、これを担持す
る担体とから構成されるが、担持金属の組成は
Cuが15〜50原子%で、残部Ptであることが必要
である。Cuが15原子%未満の場合は、担持金属
としての比活性度および比表面積の保持性の点で
その添加効果が顕著に現われず、Ptを単独で担
持した触媒と同程度の性能しか示さない。また、
Cuが、50原子%を超える場合も、せいぜい従来
の二成分合金または三成分合金を担持させた触媒
と同程度の性能しか示さない。 触媒の活性度は、担体に担持される金属量が同
一であれば、主に、担持金属の比活性度とその比
表面積(担持金属単位重量当りの表面積)に依存
するので、一般に金属の比表面積がより大きくな
るように高分散状態で担体上に担持されることが
望ましい。本発明の電極触媒においては、Pt−
Cuの合金の比表面積が30m2/g以上、さらには、
60m2/g以上となる高分散状態で担体上に担持さ
れることが好ましい。担持金属の比表面積が30
m2/g未満では、Pt−Cu合金単位重量当りの活
性が不十分であり、経済的でない。 また、本発明の電極触媒に用いられる導電性担
体の材料は特に限定されないが、導電性の炭素材
料が好適であり、例えば、導電性カーボンブラツ
ク、アセチレンブラツク、グラフアイトなど、あ
るいは金属カーバイド、例えばタングステンカー
バイドなどを挙げることができる。具体的には、
Cabot社の商品名Vulcan XC−72R、XC−72ま
たはColumbian Chemicals社の商品名
Conductex975として市販されている導電性カー
ボンブラツク、あるいは、Gulf Oil社の商品名
Shawinigan Blackとして市販されているアセチ
レンブラツクなどである。Vulcan XC−72や
Conductex975等は、不活性ガス雰囲気下または
真空中で高温加熱処理を施すことにより部分的に
グラフアイト化させ、高温の電解質と酸化剤が共
存する条件下における電極触媒担体としての耐蝕
性を向上させることが望ましい。これらの担体材
料は、一般に約60〜250m2/gの比表面積(BET
比表面積)、および約0.1〜50ミクロンの粒度を有
している。また、担体材料は、電極触媒の担体と
して集電体の機能を果たす必要があるため導電性
でなくてはならない。導電性担体の電気抵抗率
は、好ましくは100Ωcm以下、特に好ましくは
0.3Ωcm以下である。 本発明のPt−Cu合金電極触媒において、Pt−
Cu合金の担持量は通常、担体と合金の総重量に
対し、0.1〜30重量%が好ましく、特に5〜15重
量%が好ましい。担持量が30重量%を超えると、
担持合金の分散状態が悪くなつて担持金属の比表
面積が減少する結果、合金の使用量が増す割には
触媒活性の向上がなく、担体を用いる経済上の利
点も失なわれてくる。また、逆に担持量を極端に
低くしても、合金の分散度には上限があり、この
上限を超えると単位触媒重量当りの活性度は低下
するため、多量の触媒が必要となり、いずれにし
ても好ましくない。 本発明のPt−Cu合金電極触媒は、例えば次の
ようにして製造される。 まず、導電性カーボンブラツクのような粉末状
の担体材料を前記Pt−Cu合金を構成するPtおよ
び/またはCuの化合物を含む水溶液もしくは水
性懸濁液(スラリー)と接触させ、両金属化合物
を担体に含浸もしくは吸着させる。ついで、適当
な還元剤の存在下で加熱処理することにより、金
属化合物を金属に還元させる。Pt化合物として
は、例えば2価あるいは4価の塩化白金酸、塩化
白金酸塩、可溶化されたH2Pt(OH)6などの酸も
しくは塩を使用することができる。また、Cu化
合物としては、例えば塩化第一銅、塩化第二銅、
硝酸第一銅、硫酸第二銅などが挙げられる。 これらの金属化合物を担体に担持させる方法と
しては、PtおよびCuの2種の化合物を含む溶液
からPtとCuを同時に還元し、金属または化合物
状態で担持させる二成分同時担持法、あるいは例
えば、まずPt化合物溶液からPtのみを担持させ
た後、Cu化合物溶液からCuを担持させる段階的
担持法を利用することができるが、CuとPtの担
持率を制御する上で、後者の方法がより有利であ
る。 次に、PtおよびCuを金属またはそれらの化合
物状態で担体に担持させた触媒前駆体を還元性雰
囲気中において加熱処理して担持されているPt
とCuを合金化し、目的とする担持Pt−Cu合金触
媒を得る。このとき、合金化に必要な温度および
時間は、主に、前記のような成分金属またはそれ
らの化合物を担持させた触媒前駆体上の両金属ま
たはそれらの化合物の粒子の粒径と分散度に依存
し、合金化は粒径が小さいほど、高分散であるほ
ど低温で進行し、大体600〜900℃の範囲である
が、一般に十分な合金化には900℃程度の温度が
好ましい。 一般に、Ptが他の金属元素と合金化すると、
金属としての格子定数が変化する。格子定数の変
化は、X線回折法により回折ピークの位置のシフ
トとして検知することができる。上記の担持Pt
−Cu合金触媒の製造において、PtがCuと合金化
すると、合金の格子定数は、Ptの面心立方格子
の格子定数d=3.923Åから、Cuの面心立方格子
の格子定数d=3.615Åへ向けて組成に応じてシ
フトする。本発明の組成範囲のPt−Cu合金は、
その望ましい合金状態において、およそd=3.77
〜3.89Åの範囲の格子定数を有する。 次に、このようなPt−Cu合金が導電性担体に
分散担持されてなる電極触媒を使用する本発明の
酸電解質燃料電池用電極について述べる。 この燃料電池用電極は、Pt−Cu合金触媒が、
防湿性グラフアイト紙やタンタル、ニツケル等の
金属スクリーンなどの導電性でかつ耐酸性の支持
部材上に、好ましくは耐酸性および防湿性のバイ
ンダー、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポ
リフルオロエチレンプロピレン、トリフルオロア
ルコキシポリエチレン等のポリマーにより結合さ
れているものであり、酸電解質燃料電池、特にリ
ン酸燃料電池のカソードとして有用なものであ
る。 前記のバインダーは、触媒層を導電性支持部材
に結合させるとともに、電解質中において電極に
水素や酸素のような反応物ガスに対する透過性を
与え、気・液・固の三相界面を形成させるために
必要である。 本発明の電極は、例えば、次のようにして製造
することができる。 まず、上述した本発明のPt−Cu合金触媒をポ
リテトラフルオロエチレン懸濁液(例えばDu
Pont社の商標TEFLONとして市販されているも
の)またはその他の耐酸性ポリマー材料よりなる
バインダーと混合して均一な懸濁液とする。一方
で、同様の耐酸性ポリマー材料で支持部材を予め
防湿化処理しておき、この上に、前記の触媒−バ
インダー−懸濁液を、例えば濾過−吸引法または
スプレー法などにより堆積させ、プレスし、空気
中で焼成することにより製造することができる。 Pt−Cu合金は、支持部材上に、触媒的に有効
な量だけ存在することが好ましく、これは一般に
支持部材の幾何学的表面積1cm2当りPt−Cu合金
約0.1〜2mgの範囲であり、好ましくは約0.2〜1
mg/cm2、特に好ましくは約0.4〜0.8mg/cm2であ
る。 本発明の上記電極は、酸電解質燃料電池用とし
て好適であり、かかる燃料電池に用いられる電解
質としては、リン酸の他、例えば硫酸、塩酸やト
リフルオロメタンスルフオン酸、ジフルオロメタ
ンジスルフオン酸等の超強酸もしくはこれらの混
合物等が挙げられる。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、以下において触媒の担持金属の比表面
積は、サイクリツクボルタメトリーのカソーデイ
ツクスイープにおける金属表面への水素吸着過程
の電気量を測定して得られる電気化学的金属表面
積(EC.MSA)を表わす。 製造例 1 担持Pt触媒の製造 比表面積110m2/gの熱処理済導電性カーボン
ブラツク(Cabot、Vulcan XC−72R)81gを、
氷酢酸4.0gを含有する脱イオン水1500ml中でス
ラリー化した。一方、Pt9.0gをH2Pt(OH)6とし
て全量600mlの水溶液中にアミンと共に溶解させ
た。前記のカーボンブラツクスラリーを撹拌しな
がらそれに前記Pt溶液を添加した後、濃度5重
量%のギ酸水溶液50gを還元剤として徐々に添加
しながらスラリーの温度を約95℃まで上昇させ、
次いで95℃に30分間保持した。その後、混合液を
室温まで放冷し、濾過し、脱イオン水で洗浄した
後濾過して得られた固形物を窒素気流中95℃で16
時間乾燥させた。このようにして製造された10重
量%のPtを含有するカーボンブラツク担持Pt触
媒(C−1*とする。(*印は比較例であること
を示す。以下、同じ。))は、担持金属の比表面積
が120m2/g金属であつた。 製造例 2 担持Pt−Cu合金触媒の製造 製造例1の担持Pt触媒(C−1*)50gを脱
イオン水1000ml中に分散させスラリーとし、該ス
ラリーを十分に撹拌しながら、Cu0.80gを硝酸銅
()として含有する水溶液150mlを添加した後、
ヒドラジン水溶液を徐々に滴下しながらスラリー
のPHを8.0に調節した。さらに1時間撹拌しなが
ら保持し、還元されたCの化学種を担持Pt触媒
上に吸着、担持させた後、スラリーを濾過し、固
形物を窒素気流中、95℃で乾燥した。次いで7容
量%の水素を含む水素−窒素混合ガス気流中、
900℃で1時間熱処理することにより、カーボン
ブラツク担持Pt−Cu合金(原子比2:1)触媒
(C−2)を得た。 得られた触媒(C−2)をX線回折法の測定に
供したところ、Pt単独の触媒(C−1*)にお
ける白金の面心立方格子定数d=3.923Åが、触
媒(C−2)ではd=3.836Åへシフトしたこと
が測定され、Pt−Cu合金の生成が確認された。
また、該X線回折により担持されているPt−Cu
合金の結晶粒子の粒径は35Åと測定された。ま
た、透過顕微鏡とエネルギー分散微少部分析計を
組み合わせた分析透過電顕観察により、該合金粒
子の組成が、Pt:Cuの原子比2:1であること
を確認した。 製造例 3 担持Pt−Cu合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅()の仕込重量を
種々変えた以外は製造例2と同様にしてPt:Cu
(原子比)が1:1、3:2および4:1である
担持Pt−Cu合金触媒(それぞれC−3、C−4、
C−5とする)を製造した。これらの担持合金の
格子定数はそれぞれd=3.794、3.817および3.876
Åであつた。 製造例 4 担持Pt−Cu合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅()の仕込み重量
を種々変えた以外は製造例2と同様にしてPt:
Cu(原子比)が1:3、2:3および10:1であ
る担持Pt−Cu合金触媒(それぞれC−6*、C
−7*、C−8*とする)を製造した。これらの
担持合金の格子定数は、それぞれd=3.729、
3.756および3.912Åであつた。 製造例 5 担持Pt−Fe合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅水溶液の代りに鉄
(Fe)0.72gを硝酸鉄()として含む水溶液150
mlを使用してFeを担持させた以外は、製造例2
と同様にして、担持Pt−Fe合金触媒(C−9*)
を製造した。X線回折により、担持合金の結晶粒
子の粒径33Å、格子定数d=3.866ÅのPt3Fe超格
子構造の合金の生成を確認した。 製造例 6 担持Pt−Cr合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅水溶液の代りにクロ
ム(Cr)0.73gを硝酸クロム()として含む水
溶液を使用して、Crを担持させた以外は、製造
例2と同様にして担持Pt−Cr合金触媒(C−10
*)を製造した。X線回折により、担持合金の結
晶粒子の粒径が35Å、格子定数d=3.866ÅのPt
−Cr合金の生成が確認された。 製造例 7 担持Pt−Cr−Co合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅水溶液の代りに
Cr0.73gを硝酸クロム()として、およびコバ
ルト(Co)0.79gを硝酸コバルト()として含
む水溶液を使用してCrおよびCoを同時に担持さ
せた以外は、製造例2と同様にして担持Pt−Cr
−Co合金触媒(C−11*)を製造した。X線回
折により担持金属結晶粒子の粒径が36Å、格子定
数d=3.827ÅのPt−Cr−Co合金の生成が確認さ
れた。 製造例 8 担持Pt−Co−Ni合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅水溶液の代りに、
Co0.79gを硝酸コバルト()として及びニツケ
ル(Ni)0.79gを硝酸ニツケル()として含む
水溶液を用いてCoおよびNiを同時に担持させた
以外は製造例2と同様にして担持Pt−Co−Ni合
金触媒(C−12*)を製造した。X線回折により
担持合金結晶粒子の粒径が32Å、格子定数d=
3.789ÅのPt−Co−Ni合金の生成が確認された。 実施例1〜4、比較例1〜8 (電極の製造) 上記の製造例1〜8によつて得られた触媒C−
1*、C−2〜C−5、C−6*〜C−12*をそ
れぞれポリテトラフルオロエチレンの水性懸濁液
(Dupont社、TEFLON TFE−30)中に超音
波で分散させた。この混合懸濁液に三塩化アルミ
ニウムを添加することにより綿状の塊を凝集、析
出させた。触媒とポリテトラフルオロエチレンを
乾燥重量百分率50%:50%で含む綿状の塊を予め
ポリテトラフルオロエチレンで防湿化したグラフ
アイト紙からなる支持部材上に堆積させ、プレス
した後乾燥させ、空気中、350℃で15分間焼成し、
電極を得た。得られた電極(C−1*、C−2〜
C−5、C〜6*〜C−12*を支持させたものを
それぞれE−1*、E−2〜E−5、E−6*〜
E−12*とする)は電極1cm2当り0.50mgの担持金
属(即ち、PtまたはPt合金)を含むように製造
した。 以上において製造した実施例および比較例に係
る触媒および電極を以下の性能試験に供した。 空気極半電池試験 105%リン酸を電解質として、200℃にて、空
気を600ml/minの流量で通じながら空気極半
電池特性をE−1*、E−2〜E〜5、および
E−6*〜E〜12*の各電極について測定し
た。電流密度200mA/cm2における内部抵抗無
し(以下、「IR−フリー」という)の半電池電
圧(対水素基準電極)を第1表に示す。表か
ら、15〜50原子%のCuと残部PtのPt−Cu合金
を用いた本発明の実施例である担持Pt−Cu合
金触媒からつくられた電極E−2、E−3、E
−4およびE−5は、Ptを単独で担持させた
触媒からつくられた電極E−1*に比べて少な
くとも42mV高い電位を示し、担持Pt−Fe合
金触媒の電極E−9*、担持Pt−Cr合金触媒
の電極E−10*さらには、Pt−Cr−Coおよび
Pt−Co−Niの三成分合金を担持した触媒の電
極E−11*、E−12*に比べて少なくとも8m
V高い電位を示し、酸素還元に対し高い活性度
を示す触媒であることが確認された。Cuの割
合が50原子%を超える担持pt−Cu合金触媒の
電極(E−6*およびE−7*)およびCuの
割合が15原子%未満と低い担持Pt−Cu合金触
媒の電極(E−8*)では、従来の二成分系や
三成分系の合金触媒の電極に比べても半電池電
位に有意差は認められなかつた。
使用した酸電解質燃料電池用電極に関する。 〔従来の技術〕 燃料電池は、水素または炭化水素等の燃料と酸
素等の酸化剤とを、低電圧直流に直接変換する電
気化学的装置であり、一般に、燃料電極(アノー
ド)、酸化剤電極(カソード)、電極間の電解質お
よび燃料流と酸化剤流をそれぞれアノードおよび
カソードへ別々に導入するための手段などから構
成されている。アノードおよびカソードの電極に
は電極触媒が用いられ、燃料電池の作動時には、
アノードに供給された燃料は電極触媒と接触し、
電解質の存在下で酸化されて電子を放出する。一
方、カソードに供給された酸化剤は、電極触媒と
接触し、同じく電解質の存在下で還元されるが、
その際アノードから外部回路を通じて供給される
電子を消費する。このように、燃料電池において
は、アノードおよびカソードの電極に用いられる
電極触媒が極めて重要な役割を演じており、燃料
電池の出力および寿命は、電極触媒の活性度に大
きく依存している。 従来、かかる電極触媒としては、周期律表第
8、9および10族(1983年11月勧告のIUPACの
命名法による。以下、同じ)の元素のうち白金族
金属と称される白金(Pt)、パラジウム(Pd)、
ロジウム(Ph)、ルテニウム(Ru)、イリジウム
(Ir)およびオスミウム(Os)から選ばれる1種
または2種以上を組合わせたものを、例えば導電
性カーボンブラツクのような導電性担体に分散担
持せしめたものが知られており、電極はかかる担
持白金族金属触媒を、例えばタンタル、ニツケル
等の金属スクリーン、防湿性グラフアイト紙等の
支持部材に固定することにより構成されたものが
実用化されている。 ところで、特に、酸素/水素型リン酸燃料電池
においては、カソードにおける酸素還元反応の活
性化分極がアノードにおける水素酸化反応の活性
化分極に比べて桁違いに大きいことが知られてい
るが、上記の担持白金族金属触媒をカソードに使
用すると、該触媒の活性度が漸次低下し、電池の
出力および総合効率の経時的低下をもたらすとい
う問題がある。この触媒の活性度の低下は、主に
電池が作動状態にあるとき、触媒中の担持白金族
金属の微結晶粒子が、約200℃の高温にある電解
質と酸素の存在のために電解質中へ溶出したり、
凝集−粒子成長を起したりする結果、触媒活性を
示す金属の比表面積が次第に減少するためと考え
られる。 さて、最近活発な研究が行なわれているリン酸
燃料電池が発電システムとして広範に普及するた
めには、一定レベル以上の出力で4万時間以上の
運転寿命を有することが必要であるとされている
が、上記の担持白金族金属触媒を使用した電極を
利用したのでは、到底この要求に応えることは困
難である。 そこで、触媒に高い活性度と長期安定性が求め
られるが、それには担持金属の比活性度(担持金
属の単位表面積当りの活性度)を高めるととも
に、比表面積の保持性を高めることが重要であ
る。 従来、主に触媒中の担持金属の比活性度を向上
させるべく担持させる金属に関して種々の研究が
なされてきた。例えば白金族金属と、バナジウ
ム、タングステン、アルミニウム、チタン、ケイ
素、セリウム、ストロンチウム、クロム等の主に
周期律表の第2〜6族の卑金属との合金(米国特
許第4186110号、4202934号、4316944号参照)、こ
れらのうち白金−バナジウムあるいは白金−クロ
ムにコバルトを加えた三成分金属合金(米国特許
第4447506号)、および白金族金属とガリウムとの
合金、あるいは白金族金属と鉄との超格子合金
(特開昭60−7941号、特開昭60−156551号参照)
さらに白金にコバルト−ニツケルを加えた三成分
金属合金(特開昭61−8851号参照)など、白金族
金属の合金を担体に担持した触媒が提案されてい
る。しかし、これらの合金からなる担持金属は白
金族金属を単独で担持させた場合に比べて比活性
度は向上しているが、その比表面積の保持性はほ
とんど改善されていない。 一方、触媒中の担持金属の比表面積の減少は、
前述のように電解質中における担持金属粒子の溶
出および凝集に起因するが、これを防止する方法
として、担持金属を一酸化炭素、炭化水素ガス等
の含炭素化合物で処理した後、不活性ガス中で焼
成することにより担持金属粒子およびその近傍の
担体の表面にカーボン被膜を形成する方法(米国
特許第4137372号参照)、担持金属の凝集が担体の
導電性による電気化学的腐蝕に起因するとして、
担持金属を非導電性物質からなる担体に担持させ
た後これを導電性炭素粉末と混合して触媒を構成
し電極を製造する方法(特開昭60−212961号参
照)、また、電極上の触媒層にガス拡散性を付与
するため添加する撥水性ポリマーの添加割合を高
くし、活性な担持金属を腐蝕性の電解質に対し濡
れにくくする方法などが報告されている。しか
し、これらの方法において、担持金属の表面積の
保持性はある程度向上することはあつても、その
比活性度は十分ではなかつた。 〔発明の解決しようとする問題点〕 上記のように、従来の燃料電池用電極触媒は、
要するに、担持金属の比活性度および比表面積の
保持性の一方または双方が不十分であるため触媒
の活性度の長期安定性が低く、したがつて該触媒
を用いた燃料電池は満足できる出力、寿命を有す
るものでないという問題を有していた。 そこで、本発明の目的は、触媒中の担持金属の
比活性度およびその比表面積の保持性を同時に向
上させた、高くかつ安定な活性を有する電極触媒
およびその触媒を使用した燃料電池用電極を提供
することにある。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は、前述した従来技術の問題点を解決す
るものとして、15〜50原子%の銅(Cu)と残部
白金(Pt)とからなる白金−銅(Pt−Cu)合金
が導電性担体に分散担持されてなる白金合金電極
触媒、および該電極触媒と該触媒を支持する導電
性で耐酸性の支持部材とからなる酸電解質燃料電
池用電極を提供するものである。 まず、本発明のPt−Cu合金電極触媒はPt−Cu
二成分合金からなる活性な金属と、これを担持す
る担体とから構成されるが、担持金属の組成は
Cuが15〜50原子%で、残部Ptであることが必要
である。Cuが15原子%未満の場合は、担持金属
としての比活性度および比表面積の保持性の点で
その添加効果が顕著に現われず、Ptを単独で担
持した触媒と同程度の性能しか示さない。また、
Cuが、50原子%を超える場合も、せいぜい従来
の二成分合金または三成分合金を担持させた触媒
と同程度の性能しか示さない。 触媒の活性度は、担体に担持される金属量が同
一であれば、主に、担持金属の比活性度とその比
表面積(担持金属単位重量当りの表面積)に依存
するので、一般に金属の比表面積がより大きくな
るように高分散状態で担体上に担持されることが
望ましい。本発明の電極触媒においては、Pt−
Cuの合金の比表面積が30m2/g以上、さらには、
60m2/g以上となる高分散状態で担体上に担持さ
れることが好ましい。担持金属の比表面積が30
m2/g未満では、Pt−Cu合金単位重量当りの活
性が不十分であり、経済的でない。 また、本発明の電極触媒に用いられる導電性担
体の材料は特に限定されないが、導電性の炭素材
料が好適であり、例えば、導電性カーボンブラツ
ク、アセチレンブラツク、グラフアイトなど、あ
るいは金属カーバイド、例えばタングステンカー
バイドなどを挙げることができる。具体的には、
Cabot社の商品名Vulcan XC−72R、XC−72ま
たはColumbian Chemicals社の商品名
Conductex975として市販されている導電性カー
ボンブラツク、あるいは、Gulf Oil社の商品名
Shawinigan Blackとして市販されているアセチ
レンブラツクなどである。Vulcan XC−72や
Conductex975等は、不活性ガス雰囲気下または
真空中で高温加熱処理を施すことにより部分的に
グラフアイト化させ、高温の電解質と酸化剤が共
存する条件下における電極触媒担体としての耐蝕
性を向上させることが望ましい。これらの担体材
料は、一般に約60〜250m2/gの比表面積(BET
比表面積)、および約0.1〜50ミクロンの粒度を有
している。また、担体材料は、電極触媒の担体と
して集電体の機能を果たす必要があるため導電性
でなくてはならない。導電性担体の電気抵抗率
は、好ましくは100Ωcm以下、特に好ましくは
0.3Ωcm以下である。 本発明のPt−Cu合金電極触媒において、Pt−
Cu合金の担持量は通常、担体と合金の総重量に
対し、0.1〜30重量%が好ましく、特に5〜15重
量%が好ましい。担持量が30重量%を超えると、
担持合金の分散状態が悪くなつて担持金属の比表
面積が減少する結果、合金の使用量が増す割には
触媒活性の向上がなく、担体を用いる経済上の利
点も失なわれてくる。また、逆に担持量を極端に
低くしても、合金の分散度には上限があり、この
上限を超えると単位触媒重量当りの活性度は低下
するため、多量の触媒が必要となり、いずれにし
ても好ましくない。 本発明のPt−Cu合金電極触媒は、例えば次の
ようにして製造される。 まず、導電性カーボンブラツクのような粉末状
の担体材料を前記Pt−Cu合金を構成するPtおよ
び/またはCuの化合物を含む水溶液もしくは水
性懸濁液(スラリー)と接触させ、両金属化合物
を担体に含浸もしくは吸着させる。ついで、適当
な還元剤の存在下で加熱処理することにより、金
属化合物を金属に還元させる。Pt化合物として
は、例えば2価あるいは4価の塩化白金酸、塩化
白金酸塩、可溶化されたH2Pt(OH)6などの酸も
しくは塩を使用することができる。また、Cu化
合物としては、例えば塩化第一銅、塩化第二銅、
硝酸第一銅、硫酸第二銅などが挙げられる。 これらの金属化合物を担体に担持させる方法と
しては、PtおよびCuの2種の化合物を含む溶液
からPtとCuを同時に還元し、金属または化合物
状態で担持させる二成分同時担持法、あるいは例
えば、まずPt化合物溶液からPtのみを担持させ
た後、Cu化合物溶液からCuを担持させる段階的
担持法を利用することができるが、CuとPtの担
持率を制御する上で、後者の方法がより有利であ
る。 次に、PtおよびCuを金属またはそれらの化合
物状態で担体に担持させた触媒前駆体を還元性雰
囲気中において加熱処理して担持されているPt
とCuを合金化し、目的とする担持Pt−Cu合金触
媒を得る。このとき、合金化に必要な温度および
時間は、主に、前記のような成分金属またはそれ
らの化合物を担持させた触媒前駆体上の両金属ま
たはそれらの化合物の粒子の粒径と分散度に依存
し、合金化は粒径が小さいほど、高分散であるほ
ど低温で進行し、大体600〜900℃の範囲である
が、一般に十分な合金化には900℃程度の温度が
好ましい。 一般に、Ptが他の金属元素と合金化すると、
金属としての格子定数が変化する。格子定数の変
化は、X線回折法により回折ピークの位置のシフ
トとして検知することができる。上記の担持Pt
−Cu合金触媒の製造において、PtがCuと合金化
すると、合金の格子定数は、Ptの面心立方格子
の格子定数d=3.923Åから、Cuの面心立方格子
の格子定数d=3.615Åへ向けて組成に応じてシ
フトする。本発明の組成範囲のPt−Cu合金は、
その望ましい合金状態において、およそd=3.77
〜3.89Åの範囲の格子定数を有する。 次に、このようなPt−Cu合金が導電性担体に
分散担持されてなる電極触媒を使用する本発明の
酸電解質燃料電池用電極について述べる。 この燃料電池用電極は、Pt−Cu合金触媒が、
防湿性グラフアイト紙やタンタル、ニツケル等の
金属スクリーンなどの導電性でかつ耐酸性の支持
部材上に、好ましくは耐酸性および防湿性のバイ
ンダー、例えばポリテトラフルオロエチレン、ポ
リフルオロエチレンプロピレン、トリフルオロア
ルコキシポリエチレン等のポリマーにより結合さ
れているものであり、酸電解質燃料電池、特にリ
ン酸燃料電池のカソードとして有用なものであ
る。 前記のバインダーは、触媒層を導電性支持部材
に結合させるとともに、電解質中において電極に
水素や酸素のような反応物ガスに対する透過性を
与え、気・液・固の三相界面を形成させるために
必要である。 本発明の電極は、例えば、次のようにして製造
することができる。 まず、上述した本発明のPt−Cu合金触媒をポ
リテトラフルオロエチレン懸濁液(例えばDu
Pont社の商標TEFLONとして市販されているも
の)またはその他の耐酸性ポリマー材料よりなる
バインダーと混合して均一な懸濁液とする。一方
で、同様の耐酸性ポリマー材料で支持部材を予め
防湿化処理しておき、この上に、前記の触媒−バ
インダー−懸濁液を、例えば濾過−吸引法または
スプレー法などにより堆積させ、プレスし、空気
中で焼成することにより製造することができる。 Pt−Cu合金は、支持部材上に、触媒的に有効
な量だけ存在することが好ましく、これは一般に
支持部材の幾何学的表面積1cm2当りPt−Cu合金
約0.1〜2mgの範囲であり、好ましくは約0.2〜1
mg/cm2、特に好ましくは約0.4〜0.8mg/cm2であ
る。 本発明の上記電極は、酸電解質燃料電池用とし
て好適であり、かかる燃料電池に用いられる電解
質としては、リン酸の他、例えば硫酸、塩酸やト
リフルオロメタンスルフオン酸、ジフルオロメタ
ンジスルフオン酸等の超強酸もしくはこれらの混
合物等が挙げられる。 〔実施例〕 以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、以下において触媒の担持金属の比表面
積は、サイクリツクボルタメトリーのカソーデイ
ツクスイープにおける金属表面への水素吸着過程
の電気量を測定して得られる電気化学的金属表面
積(EC.MSA)を表わす。 製造例 1 担持Pt触媒の製造 比表面積110m2/gの熱処理済導電性カーボン
ブラツク(Cabot、Vulcan XC−72R)81gを、
氷酢酸4.0gを含有する脱イオン水1500ml中でス
ラリー化した。一方、Pt9.0gをH2Pt(OH)6とし
て全量600mlの水溶液中にアミンと共に溶解させ
た。前記のカーボンブラツクスラリーを撹拌しな
がらそれに前記Pt溶液を添加した後、濃度5重
量%のギ酸水溶液50gを還元剤として徐々に添加
しながらスラリーの温度を約95℃まで上昇させ、
次いで95℃に30分間保持した。その後、混合液を
室温まで放冷し、濾過し、脱イオン水で洗浄した
後濾過して得られた固形物を窒素気流中95℃で16
時間乾燥させた。このようにして製造された10重
量%のPtを含有するカーボンブラツク担持Pt触
媒(C−1*とする。(*印は比較例であること
を示す。以下、同じ。))は、担持金属の比表面積
が120m2/g金属であつた。 製造例 2 担持Pt−Cu合金触媒の製造 製造例1の担持Pt触媒(C−1*)50gを脱
イオン水1000ml中に分散させスラリーとし、該ス
ラリーを十分に撹拌しながら、Cu0.80gを硝酸銅
()として含有する水溶液150mlを添加した後、
ヒドラジン水溶液を徐々に滴下しながらスラリー
のPHを8.0に調節した。さらに1時間撹拌しなが
ら保持し、還元されたCの化学種を担持Pt触媒
上に吸着、担持させた後、スラリーを濾過し、固
形物を窒素気流中、95℃で乾燥した。次いで7容
量%の水素を含む水素−窒素混合ガス気流中、
900℃で1時間熱処理することにより、カーボン
ブラツク担持Pt−Cu合金(原子比2:1)触媒
(C−2)を得た。 得られた触媒(C−2)をX線回折法の測定に
供したところ、Pt単独の触媒(C−1*)にお
ける白金の面心立方格子定数d=3.923Åが、触
媒(C−2)ではd=3.836Åへシフトしたこと
が測定され、Pt−Cu合金の生成が確認された。
また、該X線回折により担持されているPt−Cu
合金の結晶粒子の粒径は35Åと測定された。ま
た、透過顕微鏡とエネルギー分散微少部分析計を
組み合わせた分析透過電顕観察により、該合金粒
子の組成が、Pt:Cuの原子比2:1であること
を確認した。 製造例 3 担持Pt−Cu合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅()の仕込重量を
種々変えた以外は製造例2と同様にしてPt:Cu
(原子比)が1:1、3:2および4:1である
担持Pt−Cu合金触媒(それぞれC−3、C−4、
C−5とする)を製造した。これらの担持合金の
格子定数はそれぞれd=3.794、3.817および3.876
Åであつた。 製造例 4 担持Pt−Cu合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅()の仕込み重量
を種々変えた以外は製造例2と同様にしてPt:
Cu(原子比)が1:3、2:3および10:1であ
る担持Pt−Cu合金触媒(それぞれC−6*、C
−7*、C−8*とする)を製造した。これらの
担持合金の格子定数は、それぞれd=3.729、
3.756および3.912Åであつた。 製造例 5 担持Pt−Fe合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅水溶液の代りに鉄
(Fe)0.72gを硝酸鉄()として含む水溶液150
mlを使用してFeを担持させた以外は、製造例2
と同様にして、担持Pt−Fe合金触媒(C−9*)
を製造した。X線回折により、担持合金の結晶粒
子の粒径33Å、格子定数d=3.866ÅのPt3Fe超格
子構造の合金の生成を確認した。 製造例 6 担持Pt−Cr合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅水溶液の代りにクロ
ム(Cr)0.73gを硝酸クロム()として含む水
溶液を使用して、Crを担持させた以外は、製造
例2と同様にして担持Pt−Cr合金触媒(C−10
*)を製造した。X線回折により、担持合金の結
晶粒子の粒径が35Å、格子定数d=3.866ÅのPt
−Cr合金の生成が確認された。 製造例 7 担持Pt−Cr−Co合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅水溶液の代りに
Cr0.73gを硝酸クロム()として、およびコバ
ルト(Co)0.79gを硝酸コバルト()として含
む水溶液を使用してCrおよびCoを同時に担持さ
せた以外は、製造例2と同様にして担持Pt−Cr
−Co合金触媒(C−11*)を製造した。X線回
折により担持金属結晶粒子の粒径が36Å、格子定
数d=3.827ÅのPt−Cr−Co合金の生成が確認さ
れた。 製造例 8 担持Pt−Co−Ni合金触媒の製造 製造例2において、硝酸銅水溶液の代りに、
Co0.79gを硝酸コバルト()として及びニツケ
ル(Ni)0.79gを硝酸ニツケル()として含む
水溶液を用いてCoおよびNiを同時に担持させた
以外は製造例2と同様にして担持Pt−Co−Ni合
金触媒(C−12*)を製造した。X線回折により
担持合金結晶粒子の粒径が32Å、格子定数d=
3.789ÅのPt−Co−Ni合金の生成が確認された。 実施例1〜4、比較例1〜8 (電極の製造) 上記の製造例1〜8によつて得られた触媒C−
1*、C−2〜C−5、C−6*〜C−12*をそ
れぞれポリテトラフルオロエチレンの水性懸濁液
(Dupont社、TEFLON TFE−30)中に超音
波で分散させた。この混合懸濁液に三塩化アルミ
ニウムを添加することにより綿状の塊を凝集、析
出させた。触媒とポリテトラフルオロエチレンを
乾燥重量百分率50%:50%で含む綿状の塊を予め
ポリテトラフルオロエチレンで防湿化したグラフ
アイト紙からなる支持部材上に堆積させ、プレス
した後乾燥させ、空気中、350℃で15分間焼成し、
電極を得た。得られた電極(C−1*、C−2〜
C−5、C〜6*〜C−12*を支持させたものを
それぞれE−1*、E−2〜E−5、E−6*〜
E−12*とする)は電極1cm2当り0.50mgの担持金
属(即ち、PtまたはPt合金)を含むように製造
した。 以上において製造した実施例および比較例に係
る触媒および電極を以下の性能試験に供した。 空気極半電池試験 105%リン酸を電解質として、200℃にて、空
気を600ml/minの流量で通じながら空気極半
電池特性をE−1*、E−2〜E〜5、および
E−6*〜E〜12*の各電極について測定し
た。電流密度200mA/cm2における内部抵抗無
し(以下、「IR−フリー」という)の半電池電
圧(対水素基準電極)を第1表に示す。表か
ら、15〜50原子%のCuと残部PtのPt−Cu合金
を用いた本発明の実施例である担持Pt−Cu合
金触媒からつくられた電極E−2、E−3、E
−4およびE−5は、Ptを単独で担持させた
触媒からつくられた電極E−1*に比べて少な
くとも42mV高い電位を示し、担持Pt−Fe合
金触媒の電極E−9*、担持Pt−Cr合金触媒
の電極E−10*さらには、Pt−Cr−Coおよび
Pt−Co−Niの三成分合金を担持した触媒の電
極E−11*、E−12*に比べて少なくとも8m
V高い電位を示し、酸素還元に対し高い活性度
を示す触媒であることが確認された。Cuの割
合が50原子%を超える担持pt−Cu合金触媒の
電極(E−6*およびE−7*)およびCuの
割合が15原子%未満と低い担持Pt−Cu合金触
媒の電極(E−8*)では、従来の二成分系や
三成分系の合金触媒の電極に比べても半電池電
位に有意差は認められなかつた。
【表】
(注) 担体は、すべてカーボンブラツクである。
酸素還元に対する触媒中の担持金属の比活性
度試験 105%リン酸を電解質として、200℃にて酸素
ガスを600ml/minの流量で通じながら酸素極
半電池特性をE−1*、E−2、E−9*〜E
−12*の各電極について測定することにより、
各触媒中の担持金属の比活性度を求めた。即
ち、IR−フリーの分極曲線を使用し、900mV
における酸素還元に対する触媒中の担持金属の
比活性度(μA/cm2金属)を求めた。その結果
を第2表に示す。本発明の担持Pt−Cu合金触
媒の電極E−2では、Pt単独を担持させた触
媒の電極E−1*に比べて約3倍の比活性度が
示され、その他の二成分合金触媒の電極E−9
*、E−10*および三成分合金触媒の電極E−
11*、E−12*に比べても少なくとも20%以上
高い比活性度を有していることが確認された。
なお、第2表には、使用した各電極における担
持金属の比表面積も参考のために示す。
酸素還元に対する触媒中の担持金属の比活性
度試験 105%リン酸を電解質として、200℃にて酸素
ガスを600ml/minの流量で通じながら酸素極
半電池特性をE−1*、E−2、E−9*〜E
−12*の各電極について測定することにより、
各触媒中の担持金属の比活性度を求めた。即
ち、IR−フリーの分極曲線を使用し、900mV
における酸素還元に対する触媒中の担持金属の
比活性度(μA/cm2金属)を求めた。その結果
を第2表に示す。本発明の担持Pt−Cu合金触
媒の電極E−2では、Pt単独を担持させた触
媒の電極E−1*に比べて約3倍の比活性度が
示され、その他の二成分合金触媒の電極E−9
*、E−10*および三成分合金触媒の電極E−
11*、E−12*に比べても少なくとも20%以上
高い比活性度を有していることが確認された。
なお、第2表には、使用した各電極における担
持金属の比表面積も参考のために示す。
【表】
(注) 担体は、すべてカーボンブラ
ツクである。
電極加速エージング試験 電極E−1*、E2〜E5、E−6*〜E−12
*のそれぞれを105%リン酸100mlを収容する加
速エージングセルの中に浸漬し、雰囲気を純窒
素ガス流で置換した状態で水素基準電極に対し
プラス700mVの一定電位を負荷しながら200
℃、50時間保持した。このエージング前後にお
ける触媒中の担持金属の比表面積を測定し、そ
の保持率を求めた。結果を第3表に示す。第3
表から明らかなように、カソードとしての加速
エージング試験において、本発明の実施例の担
持Pt−Cu合金触媒の電極E−2〜E−5は、
Pt単独を担持させた触媒の電極E−1*に比
べてはもちろんのこと、他の二成分系および三
成分系合金を担持した触媒の電極E−9*〜E
−12*に比べても明らかに高い比表面積保持率
を示すことが確認された。Pt−Cu合金のCuの
割合が50原子%を超える場合(E−6*、E−
7*)および15原子%未満と少ない場合(E−
8*)は、該保持率は他の従来の合金系触媒と
同等程度であり特に優れたものではない。
ツクである。
電極加速エージング試験 電極E−1*、E2〜E5、E−6*〜E−12
*のそれぞれを105%リン酸100mlを収容する加
速エージングセルの中に浸漬し、雰囲気を純窒
素ガス流で置換した状態で水素基準電極に対し
プラス700mVの一定電位を負荷しながら200
℃、50時間保持した。このエージング前後にお
ける触媒中の担持金属の比表面積を測定し、そ
の保持率を求めた。結果を第3表に示す。第3
表から明らかなように、カソードとしての加速
エージング試験において、本発明の実施例の担
持Pt−Cu合金触媒の電極E−2〜E−5は、
Pt単独を担持させた触媒の電極E−1*に比
べてはもちろんのこと、他の二成分系および三
成分系合金を担持した触媒の電極E−9*〜E
−12*に比べても明らかに高い比表面積保持率
を示すことが確認された。Pt−Cu合金のCuの
割合が50原子%を超える場合(E−6*、E−
7*)および15原子%未満と少ない場合(E−
8*)は、該保持率は他の従来の合金系触媒と
同等程度であり特に優れたものではない。
【表】
(注) 担体は、すべてカーボンブラツ
クである。
単電池試験 電極E−1*をアノードとして、電極E−1
*、E−2およびE−9*をそれぞれカソード
として3種の実験用燃料電池単電池を組み立
て、190℃において水素および空気をそれぞれ
アノードおよびカソードに供給しながら、85%
リン酸を電解質として、160mA/cm2の電流密
度で3000時間運転し、端子電圧(IR−フリー)
の経時変化を追跡した。結果を第1図に示す。
第1図から明らかなように、本発明の実施例で
ある電極E−2を使用した場合は、比較例の電
極E−1*およびE−9*をそれぞれ使用した
場合に比較して、端子電圧の初期値が高いだけ
でなく、その経時的な低下速度が約5mV/
1000hrと、E−1*の約15mV/1000hrおよび
E−9*の約10mV/1000hrよりかなり小さ
い。これは電極E−2を用いた電池が出力性能
およびその長期安定性が優れていることを示し
ている。 V 触媒安定度試験 105%リン酸160ml中に触媒(C−2)2.0g
を分散させたスラリーを、空気流通下、200±
0.5℃で毎分200回転の撹拌機で十分に撹拌、混
合しながら5時間保持した。室温まで放冷後、
脱イオン水で希釈し、濾過洗浄した。濾液へ
の、Pt溶出量を分析し、Pt溶出率を求めた。
また残渣として分離された触媒に担持されてい
る金属粒子の粒径をX線回折法で測定した。
Pt溶出率および上記処理の前後における担持
金属粒子の粒径を第4表に示す。 同様の試験を触媒C−1*、C−3、C−9
*、C−10*、C−11*およびC−12*につい
て行つた。結果を第4表に示す。 上記の、空気で飽和された加熱リン酸スラリ
ー中での触媒安定度試験の条件は、触媒が水素
基準電極に対し、プラス約0.95Vの電気化学的
電位下にあることと等価にみなすことができ
る。本発明の実施例である担持Pt−Cu合金触
媒(C−2、C−3)は、pt単独を担持させた
触媒(C−1*)に比べてはもちろんのこと、
担持Pt−Cr−Co合金触媒(C−11*)および
担持Pt−Co−Ni合金触媒(C−12*)に比べ
てもPtの溶出および担持金属粒子の凝集が極
めて少なく、酸素と熱リン酸の共存下における
安定性に優れた触媒であることが確認された。
クである。
単電池試験 電極E−1*をアノードとして、電極E−1
*、E−2およびE−9*をそれぞれカソード
として3種の実験用燃料電池単電池を組み立
て、190℃において水素および空気をそれぞれ
アノードおよびカソードに供給しながら、85%
リン酸を電解質として、160mA/cm2の電流密
度で3000時間運転し、端子電圧(IR−フリー)
の経時変化を追跡した。結果を第1図に示す。
第1図から明らかなように、本発明の実施例で
ある電極E−2を使用した場合は、比較例の電
極E−1*およびE−9*をそれぞれ使用した
場合に比較して、端子電圧の初期値が高いだけ
でなく、その経時的な低下速度が約5mV/
1000hrと、E−1*の約15mV/1000hrおよび
E−9*の約10mV/1000hrよりかなり小さ
い。これは電極E−2を用いた電池が出力性能
およびその長期安定性が優れていることを示し
ている。 V 触媒安定度試験 105%リン酸160ml中に触媒(C−2)2.0g
を分散させたスラリーを、空気流通下、200±
0.5℃で毎分200回転の撹拌機で十分に撹拌、混
合しながら5時間保持した。室温まで放冷後、
脱イオン水で希釈し、濾過洗浄した。濾液へ
の、Pt溶出量を分析し、Pt溶出率を求めた。
また残渣として分離された触媒に担持されてい
る金属粒子の粒径をX線回折法で測定した。
Pt溶出率および上記処理の前後における担持
金属粒子の粒径を第4表に示す。 同様の試験を触媒C−1*、C−3、C−9
*、C−10*、C−11*およびC−12*につい
て行つた。結果を第4表に示す。 上記の、空気で飽和された加熱リン酸スラリ
ー中での触媒安定度試験の条件は、触媒が水素
基準電極に対し、プラス約0.95Vの電気化学的
電位下にあることと等価にみなすことができ
る。本発明の実施例である担持Pt−Cu合金触
媒(C−2、C−3)は、pt単独を担持させた
触媒(C−1*)に比べてはもちろんのこと、
担持Pt−Cr−Co合金触媒(C−11*)および
担持Pt−Co−Ni合金触媒(C−12*)に比べ
てもPtの溶出および担持金属粒子の凝集が極
めて少なく、酸素と熱リン酸の共存下における
安定性に優れた触媒であることが確認された。
以上の説明から明らかなように、本発明の担持
Pt−Cu合金電極触媒は、担持金属の比活性度が
高いとともに、その比表面積の保持性も高いた
め、活性度およびその長期安定性に優れている。
この電極触媒と支持部材からなる本発明の電極を
用いて構成された酸電解質燃料電池は優れた出力
性能と長い運転寿命を有している。
Pt−Cu合金電極触媒は、担持金属の比活性度が
高いとともに、その比表面積の保持性も高いた
め、活性度およびその長期安定性に優れている。
この電極触媒と支持部材からなる本発明の電極を
用いて構成された酸電解質燃料電池は優れた出力
性能と長い運転寿命を有している。
第1図は、本発明の実施例である電極又は従来
の電極をカソードに用いて構成した単電池につい
て、端子電圧の経時変化を測定した結果を示す。
の電極をカソードに用いて構成した単電池につい
て、端子電圧の経時変化を測定した結果を示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 15〜50原子%の銅と残部白金とからなる白金
−銅合金が導電性担体に分散担持されてなる白金
−銅合金電極触媒。 2 15〜50原子%の銅と残部白金とからなる白金
−銅合金が導電性担体に分散担持されてなる白金
−銅合金電極触媒と、該触媒を支持する導電性で
耐酸性の支持部材とからなる酸電解質燃料電池用
電極。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61110911A JPS62269751A (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 白金−銅合金電極触媒およびそれを使用した酸電解質燃料電池用電極 |
| US06/940,246 US4716087A (en) | 1986-05-16 | 1986-12-10 | Platinum-copper alloy electrocatalyst and acid-electrolyte fuel cell electrode using the same |
| GB8629939A GB2190537B (en) | 1986-05-16 | 1986-12-15 | Platinum-copper alloy electrocatalyst and acid-electrolyte fuel cell electrode using the same |
| DE19863643332 DE3643332A1 (de) | 1986-05-16 | 1986-12-18 | Elektrokatalysator mit einer platin-kupfer-legierung und eine saeure-elektrolyt-brennstoffzellen-elektrode, die einen solchen katalysator enthaelt |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61110911A JPS62269751A (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 白金−銅合金電極触媒およびそれを使用した酸電解質燃料電池用電極 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62269751A JPS62269751A (ja) | 1987-11-24 |
| JPH0510979B2 true JPH0510979B2 (ja) | 1993-02-12 |
Family
ID=14547764
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61110911A Granted JPS62269751A (ja) | 1986-05-16 | 1986-05-16 | 白金−銅合金電極触媒およびそれを使用した酸電解質燃料電池用電極 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4716087A (ja) |
| JP (1) | JPS62269751A (ja) |
| DE (1) | DE3643332A1 (ja) |
| GB (1) | GB2190537B (ja) |
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