JPH0513064B2 - - Google Patents
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- JPH0513064B2 JPH0513064B2 JP10596784A JP10596784A JPH0513064B2 JP H0513064 B2 JPH0513064 B2 JP H0513064B2 JP 10596784 A JP10596784 A JP 10596784A JP 10596784 A JP10596784 A JP 10596784A JP H0513064 B2 JPH0513064 B2 JP H0513064B2
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Description
【発明の詳細な説明】
〔技術分野〕
本発明は、液体を吐出させて、吐出液滴を形成
させ、これを紙等の被記録材に付着させて記録を
行なう液体噴射記録装置に関し、特に熱エネルギ
ーを液体に与えて、吐出液滴を形成する液体噴射
記録装置に関する。 〔従来技術〕 液体噴射記録法は、種々の方式により記録液の
吐出液滴を形成し、これを紙等の被記録材に付着
させて記録を行なう記録法である。 このような記録法を滴用した記録装置のなかで
も、記録ヘツドの高密度マルチオリフイス化に好
適な構造を有する装置として、吐出液滴形成のた
めのエネルギーとして熱を利用するタイプの液体
噴射記録装置を挙げることができる。 この液滴吐出エネルギーとして熱を利用する液
体噴射記録装置は、通常、記録液を加熱して記録
液に急激な体積増大を伴なう変位を与えて、オリ
フイス(液滴吐出孔)から吐出させ記録液の液滴
を形成するための液滴形成手段と、電気信号を印
加することにより発熱し、記録液を加熱すること
のできる電気熱エネルギー変換素子(以後ヒータ
ーと称する)を有する記録ヘツドを具備してい
る。 一方、液体噴射記録装置によつて記録を行なう
際に使用される記録液としては、記録特性、安全
性等の面から主に水性の記録液が用いられてい
る。この水性の記録液は、一般に顔料や染料等の
記録剤成分と、これを溶解または分散するための
主に水、または水と水溶性有機溶剤とからなる溶
媒成分とによつて形成されている。 上記の液滴吐出エネルギーとして熱を利用する
記録装置及びその他の液滴形成方式を適用した記
録装置に於いては、記録液が吐出されるノズル先
端に設けられたオリフイス(液滴吐出孔)は、装
置の駆動の有無にかかわらず絶えず装置外部の外
気に向けて開口されていることが多い。 そのために、記録が行なわれない状態が長時間
にわたる場合には、記録液として前述のような水
性のものを使用する関係から、オリフイス及びそ
の付近に滞留した記録液から、例えば水や揮発性
有機溶剤等の溶媒成分がオリフイスから外気中へ
蒸発し、記録剤成分や揮発しにくい溶媒成分が記
録液中に残存することにより、この部分に滞留し
た記録液の粘度が増加し、結果として記録液の吐
出に好適な範囲を越えてしまうために、記録再開
時直後に於いては、吐出用信号が印加されている
にもかかわらず、液滴が吐出されない液滴の吐出
不良が起き易く、記録画像の初期印字部等に欠陥
を生じるという問題があつた。 一方、低温時に於ける記録液の粘度の増加に対
して良好な液滴の吐出状態を得るために、記録液
の温度を常に所定の範囲内に維持できるように、
液滴吐出信号を印加しない時にも、記録液滴が吐
出されないレベルでの電気信号をヒーターに常時
印加して、記録液を加熱しておく記録方式が特開
昭58−187364によつて知られている。 ところが、このような方式を適用した記録装置
に於いても、比較的長い記録休止あるいは停止期
間中にも常に記録液が高温に保たれるように前記
ヒーターに電気信号が印加されているため、記録
液中の溶媒成分の蒸発がより容易に行なわれ、上
述したような記録再開時での液滴吐出不良が更に
起り易いという問題が生じる場合があつた。これ
に加えて、この方式に於いては、ヒーター周辺が
常時加熱下に於かれるために、ヒーター周辺部材
の耐久性が損なわれたり、あるいは記録休止期間
中にヒーター周辺に滞留している記録液自身の熱
による物性の変化が生じ、記録液が変色してしま
つたり記録液に沈澱物を発生してオリフイスを目
詰まりさせ液滴吐出不良を起すなどの問題の生じ
る場合もあつた。 〔発明の目的〕 本発明はこれらの問題に鑑みなされたものであ
り、液滴吐出時に於いて常に良好な液滴吐出状態
を得るために好適な範囲内に、主に記録液の粘度
が調節され、常に良好な液滴吐出状態が得られ、
特に長い記録休止あるいは停止期間を経た後の記
録再開時に於いても、常に良好で安定した液滴吐
出状態の得られる液体噴射記録装置を提供するこ
とにある。 本発明の他の目的は、記録装置のヒーター周辺
部材の耐久性を低下させることなく、更に記録休
止時にヒーター付近に滞留した記録液に熱の影響
による変質を起させることなく、常に良好で安定
した液滴吐出状態の得られる液体噴射記録装置を
提供することにある。 本発明の他の目的は、良好な吐出状態を得るた
めに記録液の粘度を調整するために設けられる記
録液加熱手段を特別に設けることなく、これを液
滴形成手段によつて兼用した、常に良好で安定し
た液滴吐出状態の得られる液滴形成に熱エネルギ
ーを利用する液体噴射記録装置を提供することに
ある。 〔発明の概要〕 上記の目的及び他の目的は以下の本発明により
達成することができる。 すなわち本発明の液体噴射記録装置は、供給さ
れる電気信号に応じて液体を加熱して飛翔的液滴
の形成が可能な電気熱エネルギー変換素子を有す
る記録ヘツドと、この記録ヘツドから液滴を吐出
させるための吐出用電気信号を前記電気熱エネル
ギー変換素子に出力する吐出信号発生手段と、前
記記録ヘツドから液滴が吐出されない範囲の条件
の加熱用電気信号を前記電気熱エネルギー変換素
子に出力する加熱信号発生手段と、前記記録ヘツ
ドに記録用電気信号が供給されない時間に応じ
て、前記加熱信号発生手段から複数の前記加熱用
電気信号を発生させて前記記録ヘツドを加熱する
制御と、前記吐出信号発生手段から複数の前記吐
出用電気信号を発生させて前記記録ヘツドから予
備的に液滴を吐出させる制御とを実行する制御手
段とを有することを特徴とする。 以下図面を用いて本発明の液体噴射記録装置を
詳細に説明する。 以下、熱を液滴形成のためのエネルギーとして
利用する液体噴射記録ヘツドを一例として本発明
の記録装置を説明する。 第1図は、本発明の液体噴射記録装置の一例の
記録ヘツド部の模式的概略図、第2図は第1図に
示した装置の記録ヘツド部のノズル付近の部分拡
大図である。 1は不図示の記録液貯蔵用メインタンクと記録
ヘツド内部の記録液を一時貯蔵するサブタンク2
とを連結し、メインタンクからサブタンクへ記録
液を供給するための供給チユーブ、3は不図示の
回復ポンプに接続された吸引チユーブ、4はサブ
タンク2から液室5へ記録液を供給するための供
給管ユニツト、6は供給管ユニツト4の押え、7
は第2図に示した記録液を吐出する部分であるオ
リフイス(液滴吐出孔)12が所定数縦方向に配
列されたノズル部、8は第2図に示した液流路1
4内の記録液に熱エネルギーを付与するためのヒ
ーター13に電気信号を印加するためのFPC(フ
レキシブルプリンテツドサーキツト)からなる電
気配線部、9は供給管ユニツト4、液室5、ノズ
ル部7供給管押え6及びFPC8が配置され、こ
れらを支持するためのベースプレート、10はノ
ズル部周辺を支持するためのブツシング、11は
前面プレートである。 この例に於いては、オリフイス12とこれに連
通し、ヒーターからの熱が記録液に付与される部
分を有する液流路14とから吐出液滴を形成する
ための液滴形成手段が構成され、またヒーター1
3とこれに必要に応じて電気信号を印加するため
のFPC8とから液体加熱手段が構成されている。
また、この装置には、具体的に図面には示されて
いないが、液滴を吐出させるために印加する電気
信号を発生するための吐出信号発生手段と、以後
の述べる記録液加熱用電気信号を発生するための
加熱用信号発生手段が設けられている。 この装置を用いて記録を行なうには、まずメイ
ンタンクから、供給チユーブ1及び供給管ユニツ
ト4を介して、サブタンク2、液室5及び液流路
14内に記録液を充填する。次に、FPCによつ
てヒーター13に記録用信号、すなわち液滴吐出
用信号発生手段から電気信号を印加してヒーター
13に通電する。これによつてヒーター13は発
熱し、熱エネルギーがヒーター13近傍の液流路
14内にある記録液に付与され、その部分に於い
て瞬間的な記録液の体積増大を伴なう記録液内で
の気泡の発生が起き、ヒーター13の下流部にあ
る記録液がオリフイス12より吐出されて、記録
液の液滴が形成される。この記録液の液滴は、ノ
ズル部7の前方に送られてきた紙等の被記録材に
付着させ記録が行なわれる。 本発明の液体噴射記録装置に於いては、上記の
ような操作により記録を行なう際に、すなわち記
録に用いる液滴を吐出させるための電気信号をヒ
ーター13に印加する直前に、記録液加熱用信号
が印加される。 本発明の装置に於いて印加される記録液加熱用
信号は、液滴が吐出されない程度に記録液を、良
好な記録吐出状態を得るために好適な記録液の粘
度が得られる温度までヒーター13によつて加熱
するための電気信号であり、加熱用信号発生手段
から発生される。 加熱用電気信号が印加されることにより発熱し
たヒーター13による記録液の加熱時間は、前期
所定温度まで記録液を加熱できる範囲内で、しか
もできるだけ短時間となるような条件で印加され
ることが好ましい。 これは短い加熱時間によつて記録液を加熱する
ことにより、ヒーター13及び該ヒーター周辺を
構成する部材が、劣化などの原因となる熱による
影響を受ける機会をより少なくし、これらの構成
部材の寿命を伸ばすことができ、またヒーターか
らヒーター周辺への熱の拡散が最小限に抑えら
れ、加熱されるべき記録液量が少なくてすみ、液
流路内にある、あるいは液室内にある記録液全体
に及ぼす熱の影響を排除することができ、更に、
長い加熱時間によつてオリフイスからの記録液の
溶媒成分の一部の蒸発が促進されることを防ぐこ
とができるためである。この記録液の加熱時間
は、記録液の熱容量等の温度特性や装置の構造あ
るいは、吐出される記録液に好適な温度等の諸条
件により適宜選択される。 これらの要件を考慮して、本発明の液体噴射記
録装置に於いて加熱用電気信号を印加する際に
は、その装置に於ける液滴吐出信号の印加条件、
使用される記録液の温度特性、特に記録液の粘度
の温度特性、記録休止あるいは停止中での記録液
の粘度変化等の諸条件に応じて、例えばその電
圧、周波数、パルス巾等を個々に所定の値に制御
してヒーターに印加すれば良い。 電気信号を制御し、加熱用電気信号とする方法
としては、種々の方法を適用することができる
が、なかでも記録装置に組込まれた電気信号用回
路を用いて簡易に行なえる方法として、例えば吐
出用信号発生手段に加熱用電気信号発生手段を兼
用させて吐出号発生手段からの電気信号を以下の
ように制御して加熱用電気信号とする方式を上げ
ることができる。 すなわち、印加される電気信号に於ける周波数
電圧、パルス巾と加熱温度の関係は、例えば、電
気信号として印加電圧23.5V、パルス巾5μsで各
種周波数(10kHz、5kHz、2kHz)のものをヒータ
ーに印加した場合の温度の経時変化は、第3図に
示すようになり、 a その装置に於いて用いられる液滴吐出用信号
のパルス巾を必要な程度まで短くし、周波数を
高くする、 b その装置に於いて用いられる液滴吐出用信号
の電圧を下げ、周波数を高くする、 c その装置に於いて用いられる液滴吐出用信号
のパルス巾及び電圧をともに下げ、周波数を高
くする 等の方式を上記の目的達成するためには適用する
ことができる。 このような方式を適用する場合の具体的な値
は、使用される記録液の物性や装置の特性等によ
つて個々に異なり一概には規定することはできな
いが、通常、方法aの場合には、加熱用電気信号
のパルス巾を、液滴吐出用信号のパルス巾の好ま
しくは1/1.25〜1/100程度、より好ましくは1/2
〜1/20程度とすることが望ましい。方法bの場合
には、加熱用電気信号の電圧を、液滴吐出用信号
の電圧の好ましくは1/1.25〜1/10程度、より好
ましくは1/1.4〜1/2.4程度とし、加熱用電気
信号の周波数を、液滴吐出用信号の周波数の好ま
しくは2〜100倍程度、より好ましくは5〜50倍
程度とすることが望ましい。また方法cの場合に
は、加熱用電気信号の電圧を、液滴吐出用信号の
電圧の好ましくは1/1.25〜1/10程度、より好ま
しくは1/1.4〜1/2.4程度とし、加熱用電気信
号のパルス巾を、液滴吐出用信号のパルス巾の好
ましくは1/1.25〜1/100程度、より好ましくは
1/2〜1/20程度とし、更に加熱用電気信号の周波
数を、液滴吐出用信号の周波数の好ましくは2〜
100倍程度、より好ましくは5〜50倍程度とする
ことが望ましい。 なお、吐出用信号発生手段と加熱用電気信号発
生手段とを個々に独立して設けられていても良
い。 本発明の装置に於いて印加される加熱用電気信
号は、液滴吐出用信号がヒーターに印加される直
前に常に印加しても良く、また一定期間の記録装
置の電源がONになつている状態での記録休止、
あるいは記録装置の電源がOFFになつている状
態での記録停止後の液滴吐出用信号印加直前に印
加しても良い。 すなわち、液流路内にある記録液の粘度が記録
装置の使用時の温度等の環境条件下に於いては、
必ずしも好適な範囲内にない恐れのあるときに
は、液滴吐出用信号がヒーターに印加される直前
はいつもこれを印加して、液滴吐出時に於ける記
録液の粘度を常に好適なものに調整することがで
きる。あるいは、記録装置の使用時の温度などの
環境条件下に於いては、記録液の粘度が好適な範
囲内に維持されてはいるが、ある一定期間の記録
休止または停止後には、先に述べたような溶媒成
分の外気への蒸発による記録液の粘度の増加が起
きてしまうう場合には、記録休止若しくは停止の
時間をカウントし、一定以上の時間が経過した後
の記録再開時に於いてのみ、加熱用電気信号をヒ
ーターに印加すれば良い。 なお、どの程度の記録休止期間後の記録再開時
に加熱用電気信号をヒーターに印加すべきかは、
との程度の記録休止若しくは停止時間で、液流路
内の特にオリフイス付近にある記録液の粘度が好
適な範囲からずれてしまうかは、使用する装置の
特性や記録液の物性、また装置が設置され、使用
されている場所の温度や湿度などの環境条件等に
より個々に異なるので、個々の装置とその使用状
態とに応じて適宜選択すれば良い。 本発明の記録装置に於いては、加熱用電気信号
がヒーターに印加された後に、記録に用いない液
滴吐出用電気信号をヒーターに印加し、その後に
記録用液滴を吐出させるための電気信号をヒータ
ーに印加しても良い。 本発明の装置に於いて、記録に用いない液滴を
吐出するための電気信号とは、ヒーターに液滴吐
出用電気信号を印加して液滴を吐出させ、該液滴
が装置内に回収されて被記録材への記録には用い
られないようにするために印加される信号であ
る。 このように、加熱用電気信号がヒーターに印加
された後に記録に用いない液滴吐出用電気信号を
ヒーターに印加すれば、記録休止若しくは停止期
間が非常に長くなり、溶媒成分の蒸発による記録
液の粘度の増加が著しい場合でも、まず加熱用電
気信号によつてヒーターが発熱し、記録液の高粘
度部分が加熱されて、その温度が上昇し、良好な
液滴を形成することはできないが、液滴を吐出す
ることはできる程度にまで記録液の粘度が低めら
れ、その状態で、次に液滴吐出用電気信号がヒー
ターに印加されることにより、この部分の記録液
は液流路外へ吐出されてしまい、ヒーター近傍に
は、その粘度が吐出に好適な範囲内にある記録液
が供給されることになり、以後良好な記録液の吐
出状態が得られる。 従つて、記録に用いない液滴を吐出するための
電気信号は、加熱用電気信号をヒーターに印加し
ただけでは、その粘度が記録の際の液滴吐出に好
適な範囲にない記録液を吐出し、液流路外へ除去
できるような条件で印加される。 本発明の装置に於ける記録を制御する機構に於
けるフローチヤートの一例を第4図及び第5図に
示す。図に於いて、tは予備加熱、すなわち加熱
用電気信号が印加され、記録液が吐出されない範
囲内で記録液が加熱される操作を必要としない範
囲の記録休止時間の上限を、またTは予備加熱を
必要とする休止時間の上限を示し、更にTを越え
た場合には、予備加熱及び予備吐出が必要がある
時間を示す。また予備吐出とは、前述した記録に
用いない液滴を吐出することを示す。 第4図に示した制御機構では、電源がONされ
た後に、印字信号、すなわち記録に用いる液滴を
吐出するための電気信号が印加された時に、記録
のための記録液が吐出される前に、予備加熱及び
予備吐出がこの順で行なわれ、その後に吐出信号
発生用手段から吐出用の電気信号が発生されてこ
れがヒーターに印加されて、記録液が吐出され印
字が行なわれる。また、記録休止時間がtを越え
た場合には、予備加熱が行なわれ、記録休止時間
が更にTを越えた場合には、予備加熱及び予備吐
出が行なわれるようになつている。 第5図に示した制御機構に於いては、電源が
ONされると予備加熱及び予備吐出が行なわれ、
電源がONされてから印字が行なわれない場合に
は、記録休止時間がカウントされ、記録休止時間
がtを越えた場合には、予備加熱が行なわれ、記
録休止時間が更にTを越えた場合には、予備加熱
及び予備吐出が行なわれるようになつている。印
字が行なわれた後の記録休止後の制御は、第4図
のものと同様である。 これまで説明した本発明の装置は、熱エネルギ
ーを液滴形成のために使用するタイプのものであ
り、吐出用のエネルギー発生素子(これまではヒ
ーターと称したもの)と記録液を吐出させない範
囲で加熱する手段が兼用されているものであつた
が、これらは個々に独立して設けられているもの
でも良く、更に液滴形成に熱を使用しない方式の
装置に於いては、別途ヒーター等の記録液加熱用
手段を配置して、これまで述べたような制御を行
なう本発明の液体噴射記録装置とすることができ
る。 以上説明した本発明の液体噴射記録装置に於い
ては、記録を行なう際に、すなわち液滴吐出用電
気信号をヒーター13に印加する直前に、記録液
加熱用信号及び必要に応じて記録に用いない液滴
吐出用電気信号が印加されて、液滴吐出時に於い
て常に良好な液滴吐出状態を得るために好適な範
囲内に、主に吐出される記録液の粘度が調節され
るので、特に長い記録休止あるいは停止期間を終
た後の記録再開時に於いても、常に良好で安定し
た液滴吐出状態が得られるようになつた。 更に、記録液加熱用信号による記録液の加熱
は、頻繁に行なわれず、また加熱時間は、極短時
間であるので、記録装置のヒーター周辺部材の耐
久性を熱の影響によつて低下させることなく、更
に記録休止時にヒーター付近に滞留した記録液に
熱の影響による変質を起させることなく、常に良
好で安定した液滴吐出状態が得られるようになつ
た。 また、液滴形成に熱エネルギーを利用する方式
が適用された本発明の装置は、良好な液滴吐出状
態を得るために、主に記録液の粘度を調整するた
めに設けられる記録液加熱手段が液滴形成手段に
よつて兼用させることができ、特に記録液加熱用
手段を設ける必要がなく、常に良好で安定した液
滴吐出状態の得られる液体噴射記録装置となつ
た。 実施例 1 24個のオリフイス(オリフイス径50×40μm)
が、0.141mmの間隔に上下方向に一列列に配列さ
れた第1図に示したような記録ヘツド部を有する
本発明の液体噴射記録装置を用い、以下の組成を
有する記録液を、この装置内に充填し、25℃30%
RHの環境下での1時間の記録休止期間後の記録
再開時に於いて、電圧23.5V、パルス巾5μs、周
波数10KHzの加熱用電気信号を電圧23.5V、パル
ス巾10μs、周波数2KHzの液滴吐出用電気信号を
ヒーターに印加する直前に印加して、記録を行な
い、24個のオリフイス全部から記録に用いる記録
液の液滴が吐出されるまでの記録信号に対する不
吐出液滴数を計測することにより、記録休止後の
吐出不良に関する記録装置の評価を行なつた。そ
の結果を表1に示す。 なお、記録に用いた記録液の組成は次の通りで
あつた。 〔記録液組成〕 C.I.ダイレクトブラツク19 2重量部 ジエチレングリコール 30重量部 水 70重量部 比較例 1 実施例1と同様な構成を有し、記録に際して
は、記録に用いる記録液滴を吐出するための電気
信号のみがヒーターに印加される記録装置を用
い、これに実施例1で使用した記録液を充填し、
25℃30%RHの環境下での1時間の記録休止期間
後の記録再開時に於いて、電圧23.5V、バルス巾
10μs、周波数2KHzの液滴吐出用電気信号のみを
ヒーターに印加して、記録を行ない、実施例1と
同様にして記録休止後のこの装置の吐出不良に関
する評価を行なつた。その結果を表1に示す。 実施例 2 実施例1で使用した装置を用い、記録休止時間
を12時間とし、加熱用電気信号を印加した後に、
100パルスの液滴吐出電気信号をヒーターに印加
して、記録に用いない液滴を吐出させ、その後記
録用の液滴吐出用電気信号をヒーターに印加する
以外は実施例1と同様にして記録を行なう本発明
の装置を用い、これに実施例1で使用した記録液
を充填し、記録を実施して、実施例1と同様にし
て記録休止後のこの装置の吐出不良に関する評価
を行なつた。その結果を表1に示す。 比較例 2 記録休止時間を12時間とする以外は、比較例1
と同様にして記録を実施し、実施例1と同様にし
て記録休止後のこの装置の吐出不良に関する評価
を行なつた。その結果を表1に示す。 【表】
させ、これを紙等の被記録材に付着させて記録を
行なう液体噴射記録装置に関し、特に熱エネルギ
ーを液体に与えて、吐出液滴を形成する液体噴射
記録装置に関する。 〔従来技術〕 液体噴射記録法は、種々の方式により記録液の
吐出液滴を形成し、これを紙等の被記録材に付着
させて記録を行なう記録法である。 このような記録法を滴用した記録装置のなかで
も、記録ヘツドの高密度マルチオリフイス化に好
適な構造を有する装置として、吐出液滴形成のた
めのエネルギーとして熱を利用するタイプの液体
噴射記録装置を挙げることができる。 この液滴吐出エネルギーとして熱を利用する液
体噴射記録装置は、通常、記録液を加熱して記録
液に急激な体積増大を伴なう変位を与えて、オリ
フイス(液滴吐出孔)から吐出させ記録液の液滴
を形成するための液滴形成手段と、電気信号を印
加することにより発熱し、記録液を加熱すること
のできる電気熱エネルギー変換素子(以後ヒータ
ーと称する)を有する記録ヘツドを具備してい
る。 一方、液体噴射記録装置によつて記録を行なう
際に使用される記録液としては、記録特性、安全
性等の面から主に水性の記録液が用いられてい
る。この水性の記録液は、一般に顔料や染料等の
記録剤成分と、これを溶解または分散するための
主に水、または水と水溶性有機溶剤とからなる溶
媒成分とによつて形成されている。 上記の液滴吐出エネルギーとして熱を利用する
記録装置及びその他の液滴形成方式を適用した記
録装置に於いては、記録液が吐出されるノズル先
端に設けられたオリフイス(液滴吐出孔)は、装
置の駆動の有無にかかわらず絶えず装置外部の外
気に向けて開口されていることが多い。 そのために、記録が行なわれない状態が長時間
にわたる場合には、記録液として前述のような水
性のものを使用する関係から、オリフイス及びそ
の付近に滞留した記録液から、例えば水や揮発性
有機溶剤等の溶媒成分がオリフイスから外気中へ
蒸発し、記録剤成分や揮発しにくい溶媒成分が記
録液中に残存することにより、この部分に滞留し
た記録液の粘度が増加し、結果として記録液の吐
出に好適な範囲を越えてしまうために、記録再開
時直後に於いては、吐出用信号が印加されている
にもかかわらず、液滴が吐出されない液滴の吐出
不良が起き易く、記録画像の初期印字部等に欠陥
を生じるという問題があつた。 一方、低温時に於ける記録液の粘度の増加に対
して良好な液滴の吐出状態を得るために、記録液
の温度を常に所定の範囲内に維持できるように、
液滴吐出信号を印加しない時にも、記録液滴が吐
出されないレベルでの電気信号をヒーターに常時
印加して、記録液を加熱しておく記録方式が特開
昭58−187364によつて知られている。 ところが、このような方式を適用した記録装置
に於いても、比較的長い記録休止あるいは停止期
間中にも常に記録液が高温に保たれるように前記
ヒーターに電気信号が印加されているため、記録
液中の溶媒成分の蒸発がより容易に行なわれ、上
述したような記録再開時での液滴吐出不良が更に
起り易いという問題が生じる場合があつた。これ
に加えて、この方式に於いては、ヒーター周辺が
常時加熱下に於かれるために、ヒーター周辺部材
の耐久性が損なわれたり、あるいは記録休止期間
中にヒーター周辺に滞留している記録液自身の熱
による物性の変化が生じ、記録液が変色してしま
つたり記録液に沈澱物を発生してオリフイスを目
詰まりさせ液滴吐出不良を起すなどの問題の生じ
る場合もあつた。 〔発明の目的〕 本発明はこれらの問題に鑑みなされたものであ
り、液滴吐出時に於いて常に良好な液滴吐出状態
を得るために好適な範囲内に、主に記録液の粘度
が調節され、常に良好な液滴吐出状態が得られ、
特に長い記録休止あるいは停止期間を経た後の記
録再開時に於いても、常に良好で安定した液滴吐
出状態の得られる液体噴射記録装置を提供するこ
とにある。 本発明の他の目的は、記録装置のヒーター周辺
部材の耐久性を低下させることなく、更に記録休
止時にヒーター付近に滞留した記録液に熱の影響
による変質を起させることなく、常に良好で安定
した液滴吐出状態の得られる液体噴射記録装置を
提供することにある。 本発明の他の目的は、良好な吐出状態を得るた
めに記録液の粘度を調整するために設けられる記
録液加熱手段を特別に設けることなく、これを液
滴形成手段によつて兼用した、常に良好で安定し
た液滴吐出状態の得られる液滴形成に熱エネルギ
ーを利用する液体噴射記録装置を提供することに
ある。 〔発明の概要〕 上記の目的及び他の目的は以下の本発明により
達成することができる。 すなわち本発明の液体噴射記録装置は、供給さ
れる電気信号に応じて液体を加熱して飛翔的液滴
の形成が可能な電気熱エネルギー変換素子を有す
る記録ヘツドと、この記録ヘツドから液滴を吐出
させるための吐出用電気信号を前記電気熱エネル
ギー変換素子に出力する吐出信号発生手段と、前
記記録ヘツドから液滴が吐出されない範囲の条件
の加熱用電気信号を前記電気熱エネルギー変換素
子に出力する加熱信号発生手段と、前記記録ヘツ
ドに記録用電気信号が供給されない時間に応じ
て、前記加熱信号発生手段から複数の前記加熱用
電気信号を発生させて前記記録ヘツドを加熱する
制御と、前記吐出信号発生手段から複数の前記吐
出用電気信号を発生させて前記記録ヘツドから予
備的に液滴を吐出させる制御とを実行する制御手
段とを有することを特徴とする。 以下図面を用いて本発明の液体噴射記録装置を
詳細に説明する。 以下、熱を液滴形成のためのエネルギーとして
利用する液体噴射記録ヘツドを一例として本発明
の記録装置を説明する。 第1図は、本発明の液体噴射記録装置の一例の
記録ヘツド部の模式的概略図、第2図は第1図に
示した装置の記録ヘツド部のノズル付近の部分拡
大図である。 1は不図示の記録液貯蔵用メインタンクと記録
ヘツド内部の記録液を一時貯蔵するサブタンク2
とを連結し、メインタンクからサブタンクへ記録
液を供給するための供給チユーブ、3は不図示の
回復ポンプに接続された吸引チユーブ、4はサブ
タンク2から液室5へ記録液を供給するための供
給管ユニツト、6は供給管ユニツト4の押え、7
は第2図に示した記録液を吐出する部分であるオ
リフイス(液滴吐出孔)12が所定数縦方向に配
列されたノズル部、8は第2図に示した液流路1
4内の記録液に熱エネルギーを付与するためのヒ
ーター13に電気信号を印加するためのFPC(フ
レキシブルプリンテツドサーキツト)からなる電
気配線部、9は供給管ユニツト4、液室5、ノズ
ル部7供給管押え6及びFPC8が配置され、こ
れらを支持するためのベースプレート、10はノ
ズル部周辺を支持するためのブツシング、11は
前面プレートである。 この例に於いては、オリフイス12とこれに連
通し、ヒーターからの熱が記録液に付与される部
分を有する液流路14とから吐出液滴を形成する
ための液滴形成手段が構成され、またヒーター1
3とこれに必要に応じて電気信号を印加するため
のFPC8とから液体加熱手段が構成されている。
また、この装置には、具体的に図面には示されて
いないが、液滴を吐出させるために印加する電気
信号を発生するための吐出信号発生手段と、以後
の述べる記録液加熱用電気信号を発生するための
加熱用信号発生手段が設けられている。 この装置を用いて記録を行なうには、まずメイ
ンタンクから、供給チユーブ1及び供給管ユニツ
ト4を介して、サブタンク2、液室5及び液流路
14内に記録液を充填する。次に、FPCによつ
てヒーター13に記録用信号、すなわち液滴吐出
用信号発生手段から電気信号を印加してヒーター
13に通電する。これによつてヒーター13は発
熱し、熱エネルギーがヒーター13近傍の液流路
14内にある記録液に付与され、その部分に於い
て瞬間的な記録液の体積増大を伴なう記録液内で
の気泡の発生が起き、ヒーター13の下流部にあ
る記録液がオリフイス12より吐出されて、記録
液の液滴が形成される。この記録液の液滴は、ノ
ズル部7の前方に送られてきた紙等の被記録材に
付着させ記録が行なわれる。 本発明の液体噴射記録装置に於いては、上記の
ような操作により記録を行なう際に、すなわち記
録に用いる液滴を吐出させるための電気信号をヒ
ーター13に印加する直前に、記録液加熱用信号
が印加される。 本発明の装置に於いて印加される記録液加熱用
信号は、液滴が吐出されない程度に記録液を、良
好な記録吐出状態を得るために好適な記録液の粘
度が得られる温度までヒーター13によつて加熱
するための電気信号であり、加熱用信号発生手段
から発生される。 加熱用電気信号が印加されることにより発熱し
たヒーター13による記録液の加熱時間は、前期
所定温度まで記録液を加熱できる範囲内で、しか
もできるだけ短時間となるような条件で印加され
ることが好ましい。 これは短い加熱時間によつて記録液を加熱する
ことにより、ヒーター13及び該ヒーター周辺を
構成する部材が、劣化などの原因となる熱による
影響を受ける機会をより少なくし、これらの構成
部材の寿命を伸ばすことができ、またヒーターか
らヒーター周辺への熱の拡散が最小限に抑えら
れ、加熱されるべき記録液量が少なくてすみ、液
流路内にある、あるいは液室内にある記録液全体
に及ぼす熱の影響を排除することができ、更に、
長い加熱時間によつてオリフイスからの記録液の
溶媒成分の一部の蒸発が促進されることを防ぐこ
とができるためである。この記録液の加熱時間
は、記録液の熱容量等の温度特性や装置の構造あ
るいは、吐出される記録液に好適な温度等の諸条
件により適宜選択される。 これらの要件を考慮して、本発明の液体噴射記
録装置に於いて加熱用電気信号を印加する際に
は、その装置に於ける液滴吐出信号の印加条件、
使用される記録液の温度特性、特に記録液の粘度
の温度特性、記録休止あるいは停止中での記録液
の粘度変化等の諸条件に応じて、例えばその電
圧、周波数、パルス巾等を個々に所定の値に制御
してヒーターに印加すれば良い。 電気信号を制御し、加熱用電気信号とする方法
としては、種々の方法を適用することができる
が、なかでも記録装置に組込まれた電気信号用回
路を用いて簡易に行なえる方法として、例えば吐
出用信号発生手段に加熱用電気信号発生手段を兼
用させて吐出号発生手段からの電気信号を以下の
ように制御して加熱用電気信号とする方式を上げ
ることができる。 すなわち、印加される電気信号に於ける周波数
電圧、パルス巾と加熱温度の関係は、例えば、電
気信号として印加電圧23.5V、パルス巾5μsで各
種周波数(10kHz、5kHz、2kHz)のものをヒータ
ーに印加した場合の温度の経時変化は、第3図に
示すようになり、 a その装置に於いて用いられる液滴吐出用信号
のパルス巾を必要な程度まで短くし、周波数を
高くする、 b その装置に於いて用いられる液滴吐出用信号
の電圧を下げ、周波数を高くする、 c その装置に於いて用いられる液滴吐出用信号
のパルス巾及び電圧をともに下げ、周波数を高
くする 等の方式を上記の目的達成するためには適用する
ことができる。 このような方式を適用する場合の具体的な値
は、使用される記録液の物性や装置の特性等によ
つて個々に異なり一概には規定することはできな
いが、通常、方法aの場合には、加熱用電気信号
のパルス巾を、液滴吐出用信号のパルス巾の好ま
しくは1/1.25〜1/100程度、より好ましくは1/2
〜1/20程度とすることが望ましい。方法bの場合
には、加熱用電気信号の電圧を、液滴吐出用信号
の電圧の好ましくは1/1.25〜1/10程度、より好
ましくは1/1.4〜1/2.4程度とし、加熱用電気
信号の周波数を、液滴吐出用信号の周波数の好ま
しくは2〜100倍程度、より好ましくは5〜50倍
程度とすることが望ましい。また方法cの場合に
は、加熱用電気信号の電圧を、液滴吐出用信号の
電圧の好ましくは1/1.25〜1/10程度、より好ま
しくは1/1.4〜1/2.4程度とし、加熱用電気信
号のパルス巾を、液滴吐出用信号のパルス巾の好
ましくは1/1.25〜1/100程度、より好ましくは
1/2〜1/20程度とし、更に加熱用電気信号の周波
数を、液滴吐出用信号の周波数の好ましくは2〜
100倍程度、より好ましくは5〜50倍程度とする
ことが望ましい。 なお、吐出用信号発生手段と加熱用電気信号発
生手段とを個々に独立して設けられていても良
い。 本発明の装置に於いて印加される加熱用電気信
号は、液滴吐出用信号がヒーターに印加される直
前に常に印加しても良く、また一定期間の記録装
置の電源がONになつている状態での記録休止、
あるいは記録装置の電源がOFFになつている状
態での記録停止後の液滴吐出用信号印加直前に印
加しても良い。 すなわち、液流路内にある記録液の粘度が記録
装置の使用時の温度等の環境条件下に於いては、
必ずしも好適な範囲内にない恐れのあるときに
は、液滴吐出用信号がヒーターに印加される直前
はいつもこれを印加して、液滴吐出時に於ける記
録液の粘度を常に好適なものに調整することがで
きる。あるいは、記録装置の使用時の温度などの
環境条件下に於いては、記録液の粘度が好適な範
囲内に維持されてはいるが、ある一定期間の記録
休止または停止後には、先に述べたような溶媒成
分の外気への蒸発による記録液の粘度の増加が起
きてしまうう場合には、記録休止若しくは停止の
時間をカウントし、一定以上の時間が経過した後
の記録再開時に於いてのみ、加熱用電気信号をヒ
ーターに印加すれば良い。 なお、どの程度の記録休止期間後の記録再開時
に加熱用電気信号をヒーターに印加すべきかは、
との程度の記録休止若しくは停止時間で、液流路
内の特にオリフイス付近にある記録液の粘度が好
適な範囲からずれてしまうかは、使用する装置の
特性や記録液の物性、また装置が設置され、使用
されている場所の温度や湿度などの環境条件等に
より個々に異なるので、個々の装置とその使用状
態とに応じて適宜選択すれば良い。 本発明の記録装置に於いては、加熱用電気信号
がヒーターに印加された後に、記録に用いない液
滴吐出用電気信号をヒーターに印加し、その後に
記録用液滴を吐出させるための電気信号をヒータ
ーに印加しても良い。 本発明の装置に於いて、記録に用いない液滴を
吐出するための電気信号とは、ヒーターに液滴吐
出用電気信号を印加して液滴を吐出させ、該液滴
が装置内に回収されて被記録材への記録には用い
られないようにするために印加される信号であ
る。 このように、加熱用電気信号がヒーターに印加
された後に記録に用いない液滴吐出用電気信号を
ヒーターに印加すれば、記録休止若しくは停止期
間が非常に長くなり、溶媒成分の蒸発による記録
液の粘度の増加が著しい場合でも、まず加熱用電
気信号によつてヒーターが発熱し、記録液の高粘
度部分が加熱されて、その温度が上昇し、良好な
液滴を形成することはできないが、液滴を吐出す
ることはできる程度にまで記録液の粘度が低めら
れ、その状態で、次に液滴吐出用電気信号がヒー
ターに印加されることにより、この部分の記録液
は液流路外へ吐出されてしまい、ヒーター近傍に
は、その粘度が吐出に好適な範囲内にある記録液
が供給されることになり、以後良好な記録液の吐
出状態が得られる。 従つて、記録に用いない液滴を吐出するための
電気信号は、加熱用電気信号をヒーターに印加し
ただけでは、その粘度が記録の際の液滴吐出に好
適な範囲にない記録液を吐出し、液流路外へ除去
できるような条件で印加される。 本発明の装置に於ける記録を制御する機構に於
けるフローチヤートの一例を第4図及び第5図に
示す。図に於いて、tは予備加熱、すなわち加熱
用電気信号が印加され、記録液が吐出されない範
囲内で記録液が加熱される操作を必要としない範
囲の記録休止時間の上限を、またTは予備加熱を
必要とする休止時間の上限を示し、更にTを越え
た場合には、予備加熱及び予備吐出が必要がある
時間を示す。また予備吐出とは、前述した記録に
用いない液滴を吐出することを示す。 第4図に示した制御機構では、電源がONされ
た後に、印字信号、すなわち記録に用いる液滴を
吐出するための電気信号が印加された時に、記録
のための記録液が吐出される前に、予備加熱及び
予備吐出がこの順で行なわれ、その後に吐出信号
発生用手段から吐出用の電気信号が発生されてこ
れがヒーターに印加されて、記録液が吐出され印
字が行なわれる。また、記録休止時間がtを越え
た場合には、予備加熱が行なわれ、記録休止時間
が更にTを越えた場合には、予備加熱及び予備吐
出が行なわれるようになつている。 第5図に示した制御機構に於いては、電源が
ONされると予備加熱及び予備吐出が行なわれ、
電源がONされてから印字が行なわれない場合に
は、記録休止時間がカウントされ、記録休止時間
がtを越えた場合には、予備加熱が行なわれ、記
録休止時間が更にTを越えた場合には、予備加熱
及び予備吐出が行なわれるようになつている。印
字が行なわれた後の記録休止後の制御は、第4図
のものと同様である。 これまで説明した本発明の装置は、熱エネルギ
ーを液滴形成のために使用するタイプのものであ
り、吐出用のエネルギー発生素子(これまではヒ
ーターと称したもの)と記録液を吐出させない範
囲で加熱する手段が兼用されているものであつた
が、これらは個々に独立して設けられているもの
でも良く、更に液滴形成に熱を使用しない方式の
装置に於いては、別途ヒーター等の記録液加熱用
手段を配置して、これまで述べたような制御を行
なう本発明の液体噴射記録装置とすることができ
る。 以上説明した本発明の液体噴射記録装置に於い
ては、記録を行なう際に、すなわち液滴吐出用電
気信号をヒーター13に印加する直前に、記録液
加熱用信号及び必要に応じて記録に用いない液滴
吐出用電気信号が印加されて、液滴吐出時に於い
て常に良好な液滴吐出状態を得るために好適な範
囲内に、主に吐出される記録液の粘度が調節され
るので、特に長い記録休止あるいは停止期間を終
た後の記録再開時に於いても、常に良好で安定し
た液滴吐出状態が得られるようになつた。 更に、記録液加熱用信号による記録液の加熱
は、頻繁に行なわれず、また加熱時間は、極短時
間であるので、記録装置のヒーター周辺部材の耐
久性を熱の影響によつて低下させることなく、更
に記録休止時にヒーター付近に滞留した記録液に
熱の影響による変質を起させることなく、常に良
好で安定した液滴吐出状態が得られるようになつ
た。 また、液滴形成に熱エネルギーを利用する方式
が適用された本発明の装置は、良好な液滴吐出状
態を得るために、主に記録液の粘度を調整するた
めに設けられる記録液加熱手段が液滴形成手段に
よつて兼用させることができ、特に記録液加熱用
手段を設ける必要がなく、常に良好で安定した液
滴吐出状態の得られる液体噴射記録装置となつ
た。 実施例 1 24個のオリフイス(オリフイス径50×40μm)
が、0.141mmの間隔に上下方向に一列列に配列さ
れた第1図に示したような記録ヘツド部を有する
本発明の液体噴射記録装置を用い、以下の組成を
有する記録液を、この装置内に充填し、25℃30%
RHの環境下での1時間の記録休止期間後の記録
再開時に於いて、電圧23.5V、パルス巾5μs、周
波数10KHzの加熱用電気信号を電圧23.5V、パル
ス巾10μs、周波数2KHzの液滴吐出用電気信号を
ヒーターに印加する直前に印加して、記録を行な
い、24個のオリフイス全部から記録に用いる記録
液の液滴が吐出されるまでの記録信号に対する不
吐出液滴数を計測することにより、記録休止後の
吐出不良に関する記録装置の評価を行なつた。そ
の結果を表1に示す。 なお、記録に用いた記録液の組成は次の通りで
あつた。 〔記録液組成〕 C.I.ダイレクトブラツク19 2重量部 ジエチレングリコール 30重量部 水 70重量部 比較例 1 実施例1と同様な構成を有し、記録に際して
は、記録に用いる記録液滴を吐出するための電気
信号のみがヒーターに印加される記録装置を用
い、これに実施例1で使用した記録液を充填し、
25℃30%RHの環境下での1時間の記録休止期間
後の記録再開時に於いて、電圧23.5V、バルス巾
10μs、周波数2KHzの液滴吐出用電気信号のみを
ヒーターに印加して、記録を行ない、実施例1と
同様にして記録休止後のこの装置の吐出不良に関
する評価を行なつた。その結果を表1に示す。 実施例 2 実施例1で使用した装置を用い、記録休止時間
を12時間とし、加熱用電気信号を印加した後に、
100パルスの液滴吐出電気信号をヒーターに印加
して、記録に用いない液滴を吐出させ、その後記
録用の液滴吐出用電気信号をヒーターに印加する
以外は実施例1と同様にして記録を行なう本発明
の装置を用い、これに実施例1で使用した記録液
を充填し、記録を実施して、実施例1と同様にし
て記録休止後のこの装置の吐出不良に関する評価
を行なつた。その結果を表1に示す。 比較例 2 記録休止時間を12時間とする以外は、比較例1
と同様にして記録を実施し、実施例1と同様にし
て記録休止後のこの装置の吐出不良に関する評価
を行なつた。その結果を表1に示す。 【表】
第1図は、本発明の液体噴射記録装置の記録ヘ
ツド部の模式的斜視図、第2図は第1図に示した
記録ヘツド部のノズル周辺の部分拡大図、第3図
は、電気熱エネルギー変換素子に3種の電気信号
を印加した場合の発熱温度の経時的変化を示す線
図、第4図及び第5図は本発明の装置の記録を制
御する機構に於けるフローチヤートである。 1……供給チユーブ、2……サブタンク、3…
…吸引チユーブ、4……供給管ユニツト、5……
液室、6……供給管ユニツト押え、7……ノズル
部、8……FPC、9……ベースプレート、10
……ブツシング、11……前面プレート、12…
…オリフイス、13……ヒーター、14……液流
路、t……予備加熱を必要としない記録休止時間
の上限、T……予備加熱を必要とする記録休止時
間の上限。
ツド部の模式的斜視図、第2図は第1図に示した
記録ヘツド部のノズル周辺の部分拡大図、第3図
は、電気熱エネルギー変換素子に3種の電気信号
を印加した場合の発熱温度の経時的変化を示す線
図、第4図及び第5図は本発明の装置の記録を制
御する機構に於けるフローチヤートである。 1……供給チユーブ、2……サブタンク、3…
…吸引チユーブ、4……供給管ユニツト、5……
液室、6……供給管ユニツト押え、7……ノズル
部、8……FPC、9……ベースプレート、10
……ブツシング、11……前面プレート、12…
…オリフイス、13……ヒーター、14……液流
路、t……予備加熱を必要としない記録休止時間
の上限、T……予備加熱を必要とする記録休止時
間の上限。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 供給される電気信号に応じて液体を加熱して
飛翔的液滴の形成が可能な電気熱エネルギー変換
素子を有する記録ヘツドと、 この記録ヘツドから液滴を吐出させるための吐
出用電気信号を前記電気熱エネルギー変換素子に
出力する吐出信号発生手段と、 前記記録ヘツドから液滴が吐出されない範囲の
条件の加熱用電気信号を前記電気熱エネルギー変
換素子に出力する加熱信号発生手段と、 前記記録ヘツドに記録用電気信号が供給されな
い時間に応じて、前記加熱信号発生手段から複数
の前記加熱用電気信号を発生させて前記記録ヘツ
ドを加熱する制御と、前記吐出信号発生手段から
複数の前記吐出用電気信号を発生させて前記記録
ヘツドから予備的に液滴を吐出させる制御とを実
行する制御手段と を有することを特徴とする液体噴射記録装置。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10596784A JPS60248357A (ja) | 1984-05-25 | 1984-05-25 | 液体噴射記録装置 |
| DE19853518823 DE3518823A1 (de) | 1984-05-25 | 1985-05-24 | Fluessigkeitsstrahl-aufzeichnungsgeraet und -verfahren |
| DE3546837A DE3546837C2 (de) | 1984-05-25 | 1985-05-24 | Flüssigkeitsstrahl-Aufzeichnungsgerät |
| GB08513187A GB2159465B (en) | 1984-05-25 | 1985-05-24 | Generating droplets by heating |
| HK25591A HK25591A (en) | 1984-05-25 | 1991-04-04 | Liquid jet recorder and recording method |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10596784A JPS60248357A (ja) | 1984-05-25 | 1984-05-25 | 液体噴射記録装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60248357A JPS60248357A (ja) | 1985-12-09 |
| JPH0513064B2 true JPH0513064B2 (ja) | 1993-02-19 |
Family
ID=14421550
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10596784A Granted JPS60248357A (ja) | 1984-05-25 | 1984-05-25 | 液体噴射記録装置 |
Country Status (4)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60248357A (ja) |
| DE (1) | DE3518823A1 (ja) |
| GB (1) | GB2159465B (ja) |
| HK (1) | HK25591A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
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| JPS61102255A (ja) * | 1984-10-25 | 1986-05-20 | Seiko Epson Corp | インクジエツトプリンタ |
| GB2169855B (en) * | 1984-12-21 | 1989-11-08 | Canon Kk | Liquid-discharge recording apparatus and method of operation thereof |
| GB2210586B (en) * | 1984-12-21 | 1990-04-04 | Canon Kk | Liquid-discharge recording apparatus |
| FR2589396B1 (fr) * | 1984-12-21 | 1996-08-23 | Canon Kk | Appareil d'enregistrement par decharge de liquide |
| US5302971A (en) * | 1984-12-28 | 1994-04-12 | Canon Kabushiki Kaisha | Liquid discharge recording apparatus and method for maintaining proper ink viscosity by deactivating heating during capping and for preventing overheating by having plural heating modes |
| DE3546138A1 (de) * | 1984-12-28 | 1986-07-03 | Canon K.K., Tokio/Tokyo | Fluessigkeitsausstoss-aufzeichnungsvorrichtung |
| GB2208829B (en) * | 1984-12-28 | 1989-10-18 | Canon Kk | Liquid-discharge recording apparatus |
| JP2741017B2 (ja) * | 1986-02-04 | 1998-04-15 | キヤノン株式会社 | 液体噴射記録装置 |
| JPS63120656A (ja) * | 1986-11-10 | 1988-05-25 | Canon Inc | 液体噴射記録方式 |
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