JPH0516366B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0516366B2 JPH0516366B2 JP63113632A JP11363288A JPH0516366B2 JP H0516366 B2 JPH0516366 B2 JP H0516366B2 JP 63113632 A JP63113632 A JP 63113632A JP 11363288 A JP11363288 A JP 11363288A JP H0516366 B2 JPH0516366 B2 JP H0516366B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- red phosphorus
- titanium
- cobalt
- organic resin
- particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Description
[産業上の利用分野]
本発明は、赤リンの粒子表面にチタン−コバル
ト化合物および有機樹脂の沈積被覆を施した安定
化赤リンおよびその製造法に関する。 本発明にかかる安定化赤リンは、特に合成樹脂
の難然剤として有用であり、樹脂、塗料あるいは
接着剤の分野に利用することができる。 [従来の技術] 従来、赤リンが合成樹脂に対しすぐれた難燃効
果を付与することは周知のことであり、実際にも
難燃剤として使用されている。 しかしながら、赤リンはそのまま使用する場
合、水分と反応してホスフインガスの発生を伴う
加水分解反応を生ぜしめるので、従来より赤リン
を有機又は無機の材料により被覆して改質赤リン
として使用しており、数多くの赤リン改質が提案
されている。 例えば、硫酸アルミニウムと炭酸水素ナトリウ
ムを用いて赤リン表面上に水酸化アルミニウムを
沈積させる方法[グメリン著「ハンドブツク デ
ル アノルガニシエン ケミエ」8版(1964年)
“ホスホラス”B部、83頁(Gmelin.「Handbuch
der anorganischen Chemic」8th Edtion
(1964)、vol Phosphorus、Parts B.Page 83)]
が報告されている。 しかしながら、この赤リンの改質方法は、赤リ
ンの完全な安定化のためには大量の水酸化アルミ
ニウムを被覆しなければならないため、赤リン難
燃剤としての効果を低めるばかりか、用途によつ
ては悪影響を与えることがある。 また、赤リンの改質方法の他の例として、水酸
化アルミニウムと亜鉛又はマグネシウムの水酸化
物を複合して被覆する方法(米国特許第2635953
号明細書)、熱硬化性樹脂で被覆した改質赤リン
(特開昭51−105996号公報)、赤リン表面を金属リ
ン化物化した後に熱硬化性樹脂で被覆した改質赤
リン(特開昭52−125489号公報)、赤リン表面を
チタンの水和酸化物により被覆した改質赤リン
(米国特許第4421782号明細書)、あるいは赤リン
表面をチタンの水和酸化物により被覆した上、更
に熱硬化性樹脂で被覆した改質赤リン(特開昭60
−141609号公報)等が提案されている。 [発明が解決しようとする課題] 前述のとおり、赤リンの改質による安定化は数
多くの提案がなされているが、いずれも一長一短
があり、尚いくつかの重要な問題がある。特に赤
リンは、水分の存在で加水分解され易くホスフイ
ンガスの発生を伴い、極く少量であつても有臭有
毒であるため、このガスの発生を完全に抑制する
ことは極めて困難であつた。 このため発生したホスフインガスをホスフイン
ガスと親和性の高い金属、例えば銅、ニツケル等
の重金属を共存させる事により抑制しようとする
提案がなされているが、重金属の多くは赤リンの
加水分解を促進させる欠点があるため、耐湿性を
低下させてホスフインガスの発生を促す結果とな
る。 また、前記特開昭52−125489号公報による改質
赤リンは、いわゆるガルバニツク法によるめつき
皮膜の一種と考えることができるが、極く薄くし
かも不完全な金属リン化物皮膜である。 本発明は、赤リンの分解に伴うホスフインガス
の発生を実質的に完全に抑制すべく、種々の安定
化方法を探索して鋭意研究を行つてきたところ、
赤リン粒子にチタン−コバルト系複合水和酸化物
および有機樹脂の皮膜を施したところ、驚くべき
ことに安定な赤リン粉末が得られることを知見し
本発明を完成した。 [課題を解決するための手段]および[作用] すなわち、本発明は、赤リンの粒子表面にチタ
ン−コバルト系複合水和酸化物および有機樹脂を
沈積被覆してなることを特徴とする安定化赤リ
ン、およびチタニウム塩とコバルト塩との混合塩
水溶融中に分散させた赤リンの水性懸濁体にアル
カリ剤を添加し中和して生成するチタン−コバル
ト系複合水和酸化物の微細な沈殿を赤リンの粒子
表面に沈積処理すると同時に又は次いで有機樹脂
を被覆処理することを特徴とする安定化赤リンの
製造法に係るものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明における赤リンの粒子は、大きくとも
100μm以下、好ましくは44μm以下にあり、かつ
平均粒子径としては5〜30μm、好ましくは10〜
20μmの範囲のものが好適である。また、微粉末
は、粒子の表面積を大きくし、又不安定になり易
いので約1μm以下の粒径のものは出来るだけカ
ツトしたものがよい。 したがつて、本発明における赤リンの粒子は、
実質的に粒径1〜100μmの範囲にあるものが好
ましく、また前記範囲以外の粒径の粒子が含有さ
れていても、粒径1μm以下および100μm以上の
ものの含有量が5重量%以下のものが望ましい。 尚、粒径および平均粒子径は篩分法またはコー
ルターカウンター法により測定された値を示す。 本発明に係る安定化赤リンは、前記赤リン粒子
の表面にチタンとコバルトの可溶性塩の加水分解
生成物であるチタン−コバルト系複合水和酸化物
および有機樹脂を沈積被覆してなるものである。 この安定化赤リンの具体的な形態としては、赤
リンの粒子表面にチタン−コバルト系複合水和酸
化物の沈積被覆層を形成し、その上に有機樹脂層
を形成してなる二層構造からなる被覆層を形成し
たもの、または赤リンの粒子表面にチタン−コバ
ルト系複合水和酸化物と有機樹脂との配合物を沈
積被覆してなる単一層からなる被覆層を形成した
ものが挙げられる。 前記チタン−コバルト系複合水和酸化物の沈積
物はTiO2・nH2O、Co・nH2Oと思われるが、共
沈物であることから、これらの単なる混合物では
ないものと推定される。 また、チタン−コバルト系複合水和酸化物の赤
リン粒子への沈積被覆量は、安定化赤リンの用途
等により異なるけれども、多くの場合赤リン粒子
に対し全重量当りTi+Coとして0.5〜15重量%、
かつCoが0.05重量%以上、好ましくは1〜6重量
%、かつCoが0.2重量%以上の範囲にあることが
望ましい。この理由は、0.5重量%%では、ホス
フインガスの抑制が不完全であり、15重量%をこ
えると実用的に見地からみて不適当である。 また、チタン−コバルト系複合水和酸化物中に
おけるコバルトの含有量は、赤リン粒子に対し
Coとして0.05重量%以上であることが好ましい。
この理由は、0.05重量%未満では、ホスフインガ
スの抑制が不完全となるためである。 次に、有機樹脂は熱硬化性樹脂が用いられ、そ
の具体例を示すと、フエノール樹脂、尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。 また、有機樹脂の赤リンの粒子表面への沈積被
覆量は、有機樹脂の種類および用途により異なる
が、多くの場合赤リン粒子に対し全重量当り、
0.1〜15重量%、好ましくは1〜5重量%が望ま
しい。この理由は、0.1重量%未満では、有機樹
脂の被覆量が少ないために赤リンの粒子表面を十
分に被覆することができず、15重量%をこえると
作用効果が飽和した経済的見地より実用的でなく
不適当である。 前記有機樹脂の沈積被覆量は、被覆して得られ
る安定化赤リンが赤リンの粒子表面にチタン−コ
バルト系複合水和酸化物の沈積被覆層と有機樹脂
層とからなる二層構造からなる場合には有機樹脂
層の形成に用いられるものを、或いは単一層から
なる被覆層の場合にはチタン−コバルト系複合水
和酸化物と有機樹脂との配合物に含有されるもの
を示す。 本発明にかかる安定化赤リンは、顕微鏡観察に
より、沈積被覆が粒子表面に形成されていること
を確認でき、原体の赤リンと比較して容易に識別
することができる。 本発明にかかる安定化赤リンは、ほぼ完全にホ
スフインガスの発生を抑制した改質、安定化され
赤リンであるが、その抑制機構の詳細については
不明である。 また、本発明にかかる安定化赤リンは、主とし
てチタン−コバルトの組み合わせによりホスフイ
ンガスの発生が抑制され、有機樹脂はその皮膚の
機械的強度を増加させるなど補足的作用を行なう
ものと推定されるが、チタン−コバルトの組み合
わせが何故に良好な結果を示すのかについては明
らかではない。この組み合わせは数多くの実験の
結果見出されたものであり、他の元素と組み合わ
せた場合では到達できない特異な効果が、チタン
−コバルトの組み合わせにおいては得ることがで
きる。 次に、本発明に係る安定化赤リンを製造する方
法を説明する。 まず、第一の方法として、チタニウム塩とコバ
ルト塩との混合塩水溶液に赤リンを分散させ、得
られた赤リンの水性懸濁体に撹拌しながらアルカ
リ剤を添加して中和し、PH6.5〜8.5に調整する。
中和後、さらに撹拌しながら加熱し、生成するチ
タン−コバルト系複合水和酸化物の微細な沈殿を
赤リンの粒子表面に沈積処理した後、分離、洗浄
を行ないチタン−コバルト被覆赤リンスラリーを
得る。このチタン−コバルト被覆赤リンスラリー
に液状の有機樹脂を添加し、必要に応じPHを調整
した後、撹拌下で加熱して有機樹脂に硬化せしめ
て赤リン粒子表面に有機樹脂層を形成した後、分
離、回収することにより工業的に有利に均質で安
定な安定化赤リンを製造することができる。 本発明において、赤リンの水性懸濁体は、重量
比で、赤リンの少なくとも2倍量以上、好ましく
は5〜10倍量の水に所定量のチタニウム塩および
コバルト塩を溶解した混合塩水溶液に、撹拌下で
赤リン粒子を添加して調製することにより得るこ
とができる。この場合、混合塩水溶液の水量が赤
リンの2倍量未満では、赤リン濃度が高くなり過
ぎるために撹拌が不可能となる。 また、赤リンの水性懸濁体の他の調製方法とし
て、前記とは反対に、あらかじめ赤リンを水に分
散して調製した赤リンスラリーに、チタニウム塩
およびコバルト塩の混合塩水溶液を添加するか、
或いは所定のチタニウム塩およびコバルト塩の結
晶を添加して溶解することにより水性懸濁体を得
ることができる。但し、赤リンのアルカリスラリ
ーにチタニウム塩およびコバルト塩の混合塩の水
溶液または結晶を添加すると赤リンの加水分解が
行なわれる危険性があるので避けた方がよい。 また、混合塩水溶液の調製に用いられるチタニ
ウム塩およびコバルト塩は、水溶性のチタニウム
およびコバルト塩であれば特に限定することなく
使用することができるが、それ等の中で特に硫酸
塩、塩酸塩又は硝酸塩から選ばれた少なくとも1
種以上が好ましい。 チタニウム塩およびコバルト塩の混合塩水溶液
の濃度は、特に限定することはないが、各塩の室
温における溶解度以下であればよい。 赤リンの水性懸濁体の調製に使用する装置とし
ては、赤リン粒子を均質に分散させるものであれ
ば如何なるものでも用いることができるが、具体
的には適宜所望の手段、例えば、通常撹拌から高
速撹拌、あるいはコロイドミルまたはホモジナイ
ザーの如きセン断分散装置を用い、赤リンの粒子
のアグロメレートをできるだけ除去した一次粒子
に近い分散状態の懸濁体を調製することが望まし
い。 また、赤リン粒子を分散させるに際し、例えば
界面活性剤やヘキサメタリン酸ソーダ等の分散剤
を、必要に応じて、被覆条件を損なわない程度に
少量用いることができる。 赤リンの水性懸濁体中の赤リンの濃度は、特に
限定する理由はないが、多くの場合50g/〜
500g/、好ましくは70g/〜300g/の範
囲が望ましく、50g/未満ではスラリー濃度が
低く沈積被覆濃度が低下するので処理容量が大と
なるために経済的でなく、また500g/をこえ
ると粒子の分散性が悪くなるので好ましくない。 また、この水性懸濁体中の赤リンの粒子を沈積
被覆するに当り、沈積処理を効果的に実施するた
めに昇温するが、水性懸濁体の温度を沈積処理前
に予め調節しておき、その後にアルカリ剤を添加
して沈積処理を行つても差し支えはない。 アルカリ剤としてはアンモニアガス、アンモニ
ア水、苛性ソーダ、苛性カリ、NaHCO3、
Na2CO3、K2CO3、KHCO3、Ca(OH)2等の無機
アルカリ剤、またはエタノールアミン等の有機ア
ルカリ剤から選ばれた少なくとも1種以上のもの
が用いられるが、副生物の洗浄除去が容易なアン
モニアガス、アンモニア水が好ましい。 中和の終点PHとしては、沈積処理終了時に液中
にコバルト及びチタンイオンの残存の少ないPHを
設定する必要がある。このPHは使用するチタン
塩、コバルト塩の組み合わせにより異なるが、沈
積処理終了後の液性として、6〜8、好ましくは
7.0±0.5の範囲に入ることが被覆を完全に行うた
めに望ましい。また、加熱によりPHは1〜1.5下
がるので、加熱前にPHを調整する場合には、6.5
〜8.5、好ましくは8.0±0.5の液性とする。 この際、赤リンはアルカリ性において加水分解
しやすいためにPH9をこえない方がよい。 赤リンの水性懸濁体にアルカリ剤を添加する
と、速やかに沈積反応が始まるが、その際液濃度
と共に添加速度が反応に直接的に影響し、また、
これらの要素は赤リンの物性、特に評面特性にも
著しく関係するのでこれらの要素を十分に考慮し
た上で、沈積皮膚のむらの生じないようにアルカ
リ剤の添加速度を設定して、制御して添加するこ
とが必要である。多くの場合徐々に定量的に添加
する方がよい。 この様な撹拌下における中和にともなつて常温
或いは加熱のいずれの場合でも、チタン−コバル
ト系複合水和酸化物の微細な沈殿が赤リンの粒子
表面に沈積し、均一かつ強固な沈積皮膚が形成さ
れてゆく。この際、液中のチタニウム塩とコバル
ト塩の存在量に応じて沈積皮膜の膜厚が変わるの
で、これを前記の被覆量になるような範囲におい
て調節することにより各種の用途に適応した被覆
を設定することができる。 なお、沈積する際のスラリー濃度は、好ましく
は60℃以上で、さらに好ましくは80〜90℃の範囲
が望ましい。 沈積処理の終了後は、常法により母液を分離し
て、チタン−コバルト系複合水和酸化物を沈積被
覆した赤リンを過し、更に要すれば水洗した
後、水に分散してチタン−コバルト被覆赤リンス
ラリーを得る。 次いで、得られたチタン−コバルト被覆赤リン
スラリーに液状の有機樹脂、主として熱硬化性樹
脂を前記の被覆量の範囲になるような量をもつて
添加し、必要に応じPHを調整した後、撹拌下で加
熱して有機樹脂を硬化せしめて赤リン粒子表面に
有機樹脂層を形成する。 この様にして、有機樹脂の皮膜を赤リン粒子表
面に被覆した後、常法により過し、更に要すれ
ば水洗した後、分離及び加熱処理して回収する。 なお、有機被覆に際し適量のカツプリング剤や
界面活性剤などの補助剤を使用する事は差支えな
く、多くの場合好ましい結果を与える。 次に、第二の方法として、赤リンの粒子表面に
チタン−コバルト系複合水和酸化物と有機樹脂と
の配合物を沈積被覆してなる単一層からなる沈積
被覆層を形成した安定化赤リンの製造法について
説明する。 この方法は、チタニウム塩とコバルト塩との混
合塩水溶液に液状の有機樹脂を添加し均一に混合
した後、赤リンを均一に分散させ、得られた赤リ
ンの水性懸濁体に撹拌しながらアルカリ剤を添加
して中和し、PH6.5〜8.5に調整する。中和後、さ
らに撹拌しながら加熱し、生成するチタン−コバ
ルト系複合水和酸化物の微細な沈殿と有機樹脂と
を同時に赤リンの粒子表面に沈積処理した後、分
離、回収することにより工業的に有利に均質で安
定な安定化赤リンを製造することができる。 しかし、この製造法は、前記と第一の方法と同
様の赤リン被覆物を得る事が出来るが、副生する
塩化アンモニウムなどの不純物が皮膜内に残る事
があるので用途が限定される。 [実施例] 以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説
明する。 実施例 1 四塩化チタン溶液(昭和電工(株)製、Tiとして
8.5wt%)、2.94g(赤リンに対しTiとして5wt
%)と、硫酸コバルト(試薬、関東化学社製、
CoSO4・7H2O)0.073g(赤リンに対しCoとし
て0.3wt%)を水50gに溶解した。 これに予め水洗した赤リン(粒径3〜44μm、
平均粒子径15μm)5gを添加し、撹拌しながら
3wt%NH4OH溶液を添加しPHを7.0に調整した。 次いで、加熱して温度を90℃とし2時間、加熱
撹拌をつづけた後、過して滓を脱イオン水で
洗浄後、水50gに投入しチタン−コバルト被覆赤
リンスラリーとした。 このスラリーにフエノール樹脂(群栄化学製、
レヂトツプPL−2771)0.5gを加え、95℃で1時
間加熱撹拌後、過、水洗し、減圧乾燥(130℃、
5時間)し安定化赤リン5.6gを得た。得られた
安定化赤リンの試験結果は第1表に示す通りであ
つた。 実施例 2 実施例1と同様に操作してチタン−コバルト被
覆赤リンスラリーを得た。 このスラリーにエポキシ樹脂(シエル油化エポ
キシ製、エピコート801)0.6g、硬化剤(ヘンケ
ル白水製、バーサミド−150)0.01g及び界面活
性剤(三洋化成製、イオネツトS−20)0.6gを
加え5wt%リン酸でPH5とした。 60℃に加熱して、2時間経過後別し、水洗
後、110℃の減圧乾燥を16時間行ない安定化赤リ
ン5.5gを得た。得られた安定化赤リンの試験結
果は第1表に示す通りであつた。 実施例 3 実施例1と同様に操作してチタン−コバルト被
覆赤リンスラリーを得た。 このスラリーに5wt%リン酸を加えPH3とした
後、メラミン樹脂エマルジヨン(大日本インキ化
学製、ウオータ・ゾルS−695)0.15gを加え、
撹拌しながら95℃に加熱し1時間反応させた。反
応中、液性は5wt%リン酸を添加しPH3に保つ
た。 反応終了後、別し、水洗後、100℃の減圧乾
燥を16時間行ない安定化赤リン5.5gを得た。得
られた安定化赤リンの試験結果は第1表に示す通
りであつた。 実施例 4 実施例1と同様に操作してチタン−コバルト被
覆赤リンスラリーを得た。 このスラリーに5wt%リン酸を加えPH3に調節
した後、尿素−ホルムアルデヒド樹脂エマルジヨ
ン(昭和高分子製、ポリフイツクスUC−30M)
0.15gを加え、撹拌しながら95℃に加熱し1時間
反応させた。反応中、液性は5wt%リン酸を添加
しPH3を保つた。 反応終了後、別し、水洗後、100℃の減圧乾
燥を16時間行ない安定化赤リン5.5gを得た。得
られた安定化赤リンの試験結果は第1表に示す通
りであつた。 実施例 5 硫酸第二チタン溶液(試薬Ti(SO4)、として
24.0wt%のもの、関東化学社製)5.2g(赤リン
に対しTiとして5wt%)と硫酸コバルト(試薬、
関東化学社製)0.073g(赤リンに対しCoとして
0.3wt%)及びフエノール樹脂(群栄化学製、レ
ヂトツプPL−2771)0.5gを50gの水に溶解し
た。これに、予め水洗し真空乾燥(100℃)した
粒径3〜44μmで、平均粒子径20μmの赤リン粉
末を5g添加し、撹拌しながら5wt%のアンモニ
ア水溶液を添加し、PHを7.5に調整した。 次いで、撹拌しながら加熱し、温度を95℃と
し、2時間加熱撹拌をつづけた。この時の最終PH
は6.8であつた。冷却後、別した。滓を脱イ
オン水で液の電気伝導度が10μs/cm以下を示す
まで洗浄した後、過、水洗し、130℃の減圧乾
燥器中で5時間乾燥して安定化赤リン6.2gを得
た。得られた安定化赤リンの試験結果は第1表に
示す通りであつた。 比較例 1 実施例1と同様に操作してチタン−コバルト被
覆赤リンスラリーを得た。 このスラリーを別し、減圧乾燥(130℃、5
時間)し安定化赤リン5.5gを得た。得られた安
定化赤リンの試験結果は第1表に示す通りであつ
た。 比較例 2 予め水洗した赤リン(粒径3〜44μm、平均粒
子径15μm)5gを水50gに懸濁させ赤リンスラ
リーを調整した。これに、フエノール樹脂(群栄
化学製、レヂトツプPL−2771)1gを加え、95
℃で1時間加熱撹拌後、過、水洗し、減圧乾燥
(130℃、5時間)し安定化赤リン5.5gを得た。
得られた安定化赤リンの試験結果は第1表に示す
通りであつた。
ト化合物および有機樹脂の沈積被覆を施した安定
化赤リンおよびその製造法に関する。 本発明にかかる安定化赤リンは、特に合成樹脂
の難然剤として有用であり、樹脂、塗料あるいは
接着剤の分野に利用することができる。 [従来の技術] 従来、赤リンが合成樹脂に対しすぐれた難燃効
果を付与することは周知のことであり、実際にも
難燃剤として使用されている。 しかしながら、赤リンはそのまま使用する場
合、水分と反応してホスフインガスの発生を伴う
加水分解反応を生ぜしめるので、従来より赤リン
を有機又は無機の材料により被覆して改質赤リン
として使用しており、数多くの赤リン改質が提案
されている。 例えば、硫酸アルミニウムと炭酸水素ナトリウ
ムを用いて赤リン表面上に水酸化アルミニウムを
沈積させる方法[グメリン著「ハンドブツク デ
ル アノルガニシエン ケミエ」8版(1964年)
“ホスホラス”B部、83頁(Gmelin.「Handbuch
der anorganischen Chemic」8th Edtion
(1964)、vol Phosphorus、Parts B.Page 83)]
が報告されている。 しかしながら、この赤リンの改質方法は、赤リ
ンの完全な安定化のためには大量の水酸化アルミ
ニウムを被覆しなければならないため、赤リン難
燃剤としての効果を低めるばかりか、用途によつ
ては悪影響を与えることがある。 また、赤リンの改質方法の他の例として、水酸
化アルミニウムと亜鉛又はマグネシウムの水酸化
物を複合して被覆する方法(米国特許第2635953
号明細書)、熱硬化性樹脂で被覆した改質赤リン
(特開昭51−105996号公報)、赤リン表面を金属リ
ン化物化した後に熱硬化性樹脂で被覆した改質赤
リン(特開昭52−125489号公報)、赤リン表面を
チタンの水和酸化物により被覆した改質赤リン
(米国特許第4421782号明細書)、あるいは赤リン
表面をチタンの水和酸化物により被覆した上、更
に熱硬化性樹脂で被覆した改質赤リン(特開昭60
−141609号公報)等が提案されている。 [発明が解決しようとする課題] 前述のとおり、赤リンの改質による安定化は数
多くの提案がなされているが、いずれも一長一短
があり、尚いくつかの重要な問題がある。特に赤
リンは、水分の存在で加水分解され易くホスフイ
ンガスの発生を伴い、極く少量であつても有臭有
毒であるため、このガスの発生を完全に抑制する
ことは極めて困難であつた。 このため発生したホスフインガスをホスフイン
ガスと親和性の高い金属、例えば銅、ニツケル等
の重金属を共存させる事により抑制しようとする
提案がなされているが、重金属の多くは赤リンの
加水分解を促進させる欠点があるため、耐湿性を
低下させてホスフインガスの発生を促す結果とな
る。 また、前記特開昭52−125489号公報による改質
赤リンは、いわゆるガルバニツク法によるめつき
皮膜の一種と考えることができるが、極く薄くし
かも不完全な金属リン化物皮膜である。 本発明は、赤リンの分解に伴うホスフインガス
の発生を実質的に完全に抑制すべく、種々の安定
化方法を探索して鋭意研究を行つてきたところ、
赤リン粒子にチタン−コバルト系複合水和酸化物
および有機樹脂の皮膜を施したところ、驚くべき
ことに安定な赤リン粉末が得られることを知見し
本発明を完成した。 [課題を解決するための手段]および[作用] すなわち、本発明は、赤リンの粒子表面にチタ
ン−コバルト系複合水和酸化物および有機樹脂を
沈積被覆してなることを特徴とする安定化赤リ
ン、およびチタニウム塩とコバルト塩との混合塩
水溶融中に分散させた赤リンの水性懸濁体にアル
カリ剤を添加し中和して生成するチタン−コバル
ト系複合水和酸化物の微細な沈殿を赤リンの粒子
表面に沈積処理すると同時に又は次いで有機樹脂
を被覆処理することを特徴とする安定化赤リンの
製造法に係るものである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明における赤リンの粒子は、大きくとも
100μm以下、好ましくは44μm以下にあり、かつ
平均粒子径としては5〜30μm、好ましくは10〜
20μmの範囲のものが好適である。また、微粉末
は、粒子の表面積を大きくし、又不安定になり易
いので約1μm以下の粒径のものは出来るだけカ
ツトしたものがよい。 したがつて、本発明における赤リンの粒子は、
実質的に粒径1〜100μmの範囲にあるものが好
ましく、また前記範囲以外の粒径の粒子が含有さ
れていても、粒径1μm以下および100μm以上の
ものの含有量が5重量%以下のものが望ましい。 尚、粒径および平均粒子径は篩分法またはコー
ルターカウンター法により測定された値を示す。 本発明に係る安定化赤リンは、前記赤リン粒子
の表面にチタンとコバルトの可溶性塩の加水分解
生成物であるチタン−コバルト系複合水和酸化物
および有機樹脂を沈積被覆してなるものである。 この安定化赤リンの具体的な形態としては、赤
リンの粒子表面にチタン−コバルト系複合水和酸
化物の沈積被覆層を形成し、その上に有機樹脂層
を形成してなる二層構造からなる被覆層を形成し
たもの、または赤リンの粒子表面にチタン−コバ
ルト系複合水和酸化物と有機樹脂との配合物を沈
積被覆してなる単一層からなる被覆層を形成した
ものが挙げられる。 前記チタン−コバルト系複合水和酸化物の沈積
物はTiO2・nH2O、Co・nH2Oと思われるが、共
沈物であることから、これらの単なる混合物では
ないものと推定される。 また、チタン−コバルト系複合水和酸化物の赤
リン粒子への沈積被覆量は、安定化赤リンの用途
等により異なるけれども、多くの場合赤リン粒子
に対し全重量当りTi+Coとして0.5〜15重量%、
かつCoが0.05重量%以上、好ましくは1〜6重量
%、かつCoが0.2重量%以上の範囲にあることが
望ましい。この理由は、0.5重量%%では、ホス
フインガスの抑制が不完全であり、15重量%をこ
えると実用的に見地からみて不適当である。 また、チタン−コバルト系複合水和酸化物中に
おけるコバルトの含有量は、赤リン粒子に対し
Coとして0.05重量%以上であることが好ましい。
この理由は、0.05重量%未満では、ホスフインガ
スの抑制が不完全となるためである。 次に、有機樹脂は熱硬化性樹脂が用いられ、そ
の具体例を示すと、フエノール樹脂、尿素−ホル
ムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル
樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミ
ド樹脂、アクリル樹脂等が挙げられる。 また、有機樹脂の赤リンの粒子表面への沈積被
覆量は、有機樹脂の種類および用途により異なる
が、多くの場合赤リン粒子に対し全重量当り、
0.1〜15重量%、好ましくは1〜5重量%が望ま
しい。この理由は、0.1重量%未満では、有機樹
脂の被覆量が少ないために赤リンの粒子表面を十
分に被覆することができず、15重量%をこえると
作用効果が飽和した経済的見地より実用的でなく
不適当である。 前記有機樹脂の沈積被覆量は、被覆して得られ
る安定化赤リンが赤リンの粒子表面にチタン−コ
バルト系複合水和酸化物の沈積被覆層と有機樹脂
層とからなる二層構造からなる場合には有機樹脂
層の形成に用いられるものを、或いは単一層から
なる被覆層の場合にはチタン−コバルト系複合水
和酸化物と有機樹脂との配合物に含有されるもの
を示す。 本発明にかかる安定化赤リンは、顕微鏡観察に
より、沈積被覆が粒子表面に形成されていること
を確認でき、原体の赤リンと比較して容易に識別
することができる。 本発明にかかる安定化赤リンは、ほぼ完全にホ
スフインガスの発生を抑制した改質、安定化され
赤リンであるが、その抑制機構の詳細については
不明である。 また、本発明にかかる安定化赤リンは、主とし
てチタン−コバルトの組み合わせによりホスフイ
ンガスの発生が抑制され、有機樹脂はその皮膚の
機械的強度を増加させるなど補足的作用を行なう
ものと推定されるが、チタン−コバルトの組み合
わせが何故に良好な結果を示すのかについては明
らかではない。この組み合わせは数多くの実験の
結果見出されたものであり、他の元素と組み合わ
せた場合では到達できない特異な効果が、チタン
−コバルトの組み合わせにおいては得ることがで
きる。 次に、本発明に係る安定化赤リンを製造する方
法を説明する。 まず、第一の方法として、チタニウム塩とコバ
ルト塩との混合塩水溶液に赤リンを分散させ、得
られた赤リンの水性懸濁体に撹拌しながらアルカ
リ剤を添加して中和し、PH6.5〜8.5に調整する。
中和後、さらに撹拌しながら加熱し、生成するチ
タン−コバルト系複合水和酸化物の微細な沈殿を
赤リンの粒子表面に沈積処理した後、分離、洗浄
を行ないチタン−コバルト被覆赤リンスラリーを
得る。このチタン−コバルト被覆赤リンスラリー
に液状の有機樹脂を添加し、必要に応じPHを調整
した後、撹拌下で加熱して有機樹脂に硬化せしめ
て赤リン粒子表面に有機樹脂層を形成した後、分
離、回収することにより工業的に有利に均質で安
定な安定化赤リンを製造することができる。 本発明において、赤リンの水性懸濁体は、重量
比で、赤リンの少なくとも2倍量以上、好ましく
は5〜10倍量の水に所定量のチタニウム塩および
コバルト塩を溶解した混合塩水溶液に、撹拌下で
赤リン粒子を添加して調製することにより得るこ
とができる。この場合、混合塩水溶液の水量が赤
リンの2倍量未満では、赤リン濃度が高くなり過
ぎるために撹拌が不可能となる。 また、赤リンの水性懸濁体の他の調製方法とし
て、前記とは反対に、あらかじめ赤リンを水に分
散して調製した赤リンスラリーに、チタニウム塩
およびコバルト塩の混合塩水溶液を添加するか、
或いは所定のチタニウム塩およびコバルト塩の結
晶を添加して溶解することにより水性懸濁体を得
ることができる。但し、赤リンのアルカリスラリ
ーにチタニウム塩およびコバルト塩の混合塩の水
溶液または結晶を添加すると赤リンの加水分解が
行なわれる危険性があるので避けた方がよい。 また、混合塩水溶液の調製に用いられるチタニ
ウム塩およびコバルト塩は、水溶性のチタニウム
およびコバルト塩であれば特に限定することなく
使用することができるが、それ等の中で特に硫酸
塩、塩酸塩又は硝酸塩から選ばれた少なくとも1
種以上が好ましい。 チタニウム塩およびコバルト塩の混合塩水溶液
の濃度は、特に限定することはないが、各塩の室
温における溶解度以下であればよい。 赤リンの水性懸濁体の調製に使用する装置とし
ては、赤リン粒子を均質に分散させるものであれ
ば如何なるものでも用いることができるが、具体
的には適宜所望の手段、例えば、通常撹拌から高
速撹拌、あるいはコロイドミルまたはホモジナイ
ザーの如きセン断分散装置を用い、赤リンの粒子
のアグロメレートをできるだけ除去した一次粒子
に近い分散状態の懸濁体を調製することが望まし
い。 また、赤リン粒子を分散させるに際し、例えば
界面活性剤やヘキサメタリン酸ソーダ等の分散剤
を、必要に応じて、被覆条件を損なわない程度に
少量用いることができる。 赤リンの水性懸濁体中の赤リンの濃度は、特に
限定する理由はないが、多くの場合50g/〜
500g/、好ましくは70g/〜300g/の範
囲が望ましく、50g/未満ではスラリー濃度が
低く沈積被覆濃度が低下するので処理容量が大と
なるために経済的でなく、また500g/をこえ
ると粒子の分散性が悪くなるので好ましくない。 また、この水性懸濁体中の赤リンの粒子を沈積
被覆するに当り、沈積処理を効果的に実施するた
めに昇温するが、水性懸濁体の温度を沈積処理前
に予め調節しておき、その後にアルカリ剤を添加
して沈積処理を行つても差し支えはない。 アルカリ剤としてはアンモニアガス、アンモニ
ア水、苛性ソーダ、苛性カリ、NaHCO3、
Na2CO3、K2CO3、KHCO3、Ca(OH)2等の無機
アルカリ剤、またはエタノールアミン等の有機ア
ルカリ剤から選ばれた少なくとも1種以上のもの
が用いられるが、副生物の洗浄除去が容易なアン
モニアガス、アンモニア水が好ましい。 中和の終点PHとしては、沈積処理終了時に液中
にコバルト及びチタンイオンの残存の少ないPHを
設定する必要がある。このPHは使用するチタン
塩、コバルト塩の組み合わせにより異なるが、沈
積処理終了後の液性として、6〜8、好ましくは
7.0±0.5の範囲に入ることが被覆を完全に行うた
めに望ましい。また、加熱によりPHは1〜1.5下
がるので、加熱前にPHを調整する場合には、6.5
〜8.5、好ましくは8.0±0.5の液性とする。 この際、赤リンはアルカリ性において加水分解
しやすいためにPH9をこえない方がよい。 赤リンの水性懸濁体にアルカリ剤を添加する
と、速やかに沈積反応が始まるが、その際液濃度
と共に添加速度が反応に直接的に影響し、また、
これらの要素は赤リンの物性、特に評面特性にも
著しく関係するのでこれらの要素を十分に考慮し
た上で、沈積皮膚のむらの生じないようにアルカ
リ剤の添加速度を設定して、制御して添加するこ
とが必要である。多くの場合徐々に定量的に添加
する方がよい。 この様な撹拌下における中和にともなつて常温
或いは加熱のいずれの場合でも、チタン−コバル
ト系複合水和酸化物の微細な沈殿が赤リンの粒子
表面に沈積し、均一かつ強固な沈積皮膚が形成さ
れてゆく。この際、液中のチタニウム塩とコバル
ト塩の存在量に応じて沈積皮膜の膜厚が変わるの
で、これを前記の被覆量になるような範囲におい
て調節することにより各種の用途に適応した被覆
を設定することができる。 なお、沈積する際のスラリー濃度は、好ましく
は60℃以上で、さらに好ましくは80〜90℃の範囲
が望ましい。 沈積処理の終了後は、常法により母液を分離し
て、チタン−コバルト系複合水和酸化物を沈積被
覆した赤リンを過し、更に要すれば水洗した
後、水に分散してチタン−コバルト被覆赤リンス
ラリーを得る。 次いで、得られたチタン−コバルト被覆赤リン
スラリーに液状の有機樹脂、主として熱硬化性樹
脂を前記の被覆量の範囲になるような量をもつて
添加し、必要に応じPHを調整した後、撹拌下で加
熱して有機樹脂を硬化せしめて赤リン粒子表面に
有機樹脂層を形成する。 この様にして、有機樹脂の皮膜を赤リン粒子表
面に被覆した後、常法により過し、更に要すれ
ば水洗した後、分離及び加熱処理して回収する。 なお、有機被覆に際し適量のカツプリング剤や
界面活性剤などの補助剤を使用する事は差支えな
く、多くの場合好ましい結果を与える。 次に、第二の方法として、赤リンの粒子表面に
チタン−コバルト系複合水和酸化物と有機樹脂と
の配合物を沈積被覆してなる単一層からなる沈積
被覆層を形成した安定化赤リンの製造法について
説明する。 この方法は、チタニウム塩とコバルト塩との混
合塩水溶液に液状の有機樹脂を添加し均一に混合
した後、赤リンを均一に分散させ、得られた赤リ
ンの水性懸濁体に撹拌しながらアルカリ剤を添加
して中和し、PH6.5〜8.5に調整する。中和後、さ
らに撹拌しながら加熱し、生成するチタン−コバ
ルト系複合水和酸化物の微細な沈殿と有機樹脂と
を同時に赤リンの粒子表面に沈積処理した後、分
離、回収することにより工業的に有利に均質で安
定な安定化赤リンを製造することができる。 しかし、この製造法は、前記と第一の方法と同
様の赤リン被覆物を得る事が出来るが、副生する
塩化アンモニウムなどの不純物が皮膜内に残る事
があるので用途が限定される。 [実施例] 以下、実施例を示し本発明をさらに具体的に説
明する。 実施例 1 四塩化チタン溶液(昭和電工(株)製、Tiとして
8.5wt%)、2.94g(赤リンに対しTiとして5wt
%)と、硫酸コバルト(試薬、関東化学社製、
CoSO4・7H2O)0.073g(赤リンに対しCoとし
て0.3wt%)を水50gに溶解した。 これに予め水洗した赤リン(粒径3〜44μm、
平均粒子径15μm)5gを添加し、撹拌しながら
3wt%NH4OH溶液を添加しPHを7.0に調整した。 次いで、加熱して温度を90℃とし2時間、加熱
撹拌をつづけた後、過して滓を脱イオン水で
洗浄後、水50gに投入しチタン−コバルト被覆赤
リンスラリーとした。 このスラリーにフエノール樹脂(群栄化学製、
レヂトツプPL−2771)0.5gを加え、95℃で1時
間加熱撹拌後、過、水洗し、減圧乾燥(130℃、
5時間)し安定化赤リン5.6gを得た。得られた
安定化赤リンの試験結果は第1表に示す通りであ
つた。 実施例 2 実施例1と同様に操作してチタン−コバルト被
覆赤リンスラリーを得た。 このスラリーにエポキシ樹脂(シエル油化エポ
キシ製、エピコート801)0.6g、硬化剤(ヘンケ
ル白水製、バーサミド−150)0.01g及び界面活
性剤(三洋化成製、イオネツトS−20)0.6gを
加え5wt%リン酸でPH5とした。 60℃に加熱して、2時間経過後別し、水洗
後、110℃の減圧乾燥を16時間行ない安定化赤リ
ン5.5gを得た。得られた安定化赤リンの試験結
果は第1表に示す通りであつた。 実施例 3 実施例1と同様に操作してチタン−コバルト被
覆赤リンスラリーを得た。 このスラリーに5wt%リン酸を加えPH3とした
後、メラミン樹脂エマルジヨン(大日本インキ化
学製、ウオータ・ゾルS−695)0.15gを加え、
撹拌しながら95℃に加熱し1時間反応させた。反
応中、液性は5wt%リン酸を添加しPH3に保つ
た。 反応終了後、別し、水洗後、100℃の減圧乾
燥を16時間行ない安定化赤リン5.5gを得た。得
られた安定化赤リンの試験結果は第1表に示す通
りであつた。 実施例 4 実施例1と同様に操作してチタン−コバルト被
覆赤リンスラリーを得た。 このスラリーに5wt%リン酸を加えPH3に調節
した後、尿素−ホルムアルデヒド樹脂エマルジヨ
ン(昭和高分子製、ポリフイツクスUC−30M)
0.15gを加え、撹拌しながら95℃に加熱し1時間
反応させた。反応中、液性は5wt%リン酸を添加
しPH3を保つた。 反応終了後、別し、水洗後、100℃の減圧乾
燥を16時間行ない安定化赤リン5.5gを得た。得
られた安定化赤リンの試験結果は第1表に示す通
りであつた。 実施例 5 硫酸第二チタン溶液(試薬Ti(SO4)、として
24.0wt%のもの、関東化学社製)5.2g(赤リン
に対しTiとして5wt%)と硫酸コバルト(試薬、
関東化学社製)0.073g(赤リンに対しCoとして
0.3wt%)及びフエノール樹脂(群栄化学製、レ
ヂトツプPL−2771)0.5gを50gの水に溶解し
た。これに、予め水洗し真空乾燥(100℃)した
粒径3〜44μmで、平均粒子径20μmの赤リン粉
末を5g添加し、撹拌しながら5wt%のアンモニ
ア水溶液を添加し、PHを7.5に調整した。 次いで、撹拌しながら加熱し、温度を95℃と
し、2時間加熱撹拌をつづけた。この時の最終PH
は6.8であつた。冷却後、別した。滓を脱イ
オン水で液の電気伝導度が10μs/cm以下を示す
まで洗浄した後、過、水洗し、130℃の減圧乾
燥器中で5時間乾燥して安定化赤リン6.2gを得
た。得られた安定化赤リンの試験結果は第1表に
示す通りであつた。 比較例 1 実施例1と同様に操作してチタン−コバルト被
覆赤リンスラリーを得た。 このスラリーを別し、減圧乾燥(130℃、5
時間)し安定化赤リン5.5gを得た。得られた安
定化赤リンの試験結果は第1表に示す通りであつ
た。 比較例 2 予め水洗した赤リン(粒径3〜44μm、平均粒
子径15μm)5gを水50gに懸濁させ赤リンスラ
リーを調整した。これに、フエノール樹脂(群栄
化学製、レヂトツプPL−2771)1gを加え、95
℃で1時間加熱撹拌後、過、水洗し、減圧乾燥
(130℃、5時間)し安定化赤リン5.5gを得た。
得られた安定化赤リンの試験結果は第1表に示す
通りであつた。
【表】
Γホスフイン発生量の測定
温度30℃、相対湿度83%の恒温恒湿器中に48
時間保存した試料を0.5g採取し、N2ガス中で
加熱(150℃、3時間)する。 発生したPH3量をガスクロマトグラフにより
測定し、サンプル1g当り発生PH3量(μg)
換算した。 Γ安定化赤リンの被覆の耐熱水試験 還流冷却器付の三角フラスコに、上記の第1
表に示す各実施例および比較例で得られた安定
化赤リンのサンプル1gと水180mlを入れ、煮
沸状態で8時間加熱した。その上澄液の加熱
前、および加熱後のPHおよび電気伝導度を測定
する。 [発明の効果] 以上説明した様に、本発明の安定化赤リンは従
来考えられなかつた耐熱分解性、耐加水分解性を
示すことが見出された。このチタン−コバルト複
合被覆および有機樹脂の被覆により赤リンの水分
の存在下及び高温下での加水分解反応はほぼ完全
に抑制されるので、各種合成樹脂の難燃剤として
極めて有用なものとすることができる。
時間保存した試料を0.5g採取し、N2ガス中で
加熱(150℃、3時間)する。 発生したPH3量をガスクロマトグラフにより
測定し、サンプル1g当り発生PH3量(μg)
換算した。 Γ安定化赤リンの被覆の耐熱水試験 還流冷却器付の三角フラスコに、上記の第1
表に示す各実施例および比較例で得られた安定
化赤リンのサンプル1gと水180mlを入れ、煮
沸状態で8時間加熱した。その上澄液の加熱
前、および加熱後のPHおよび電気伝導度を測定
する。 [発明の効果] 以上説明した様に、本発明の安定化赤リンは従
来考えられなかつた耐熱分解性、耐加水分解性を
示すことが見出された。このチタン−コバルト複
合被覆および有機樹脂の被覆により赤リンの水分
の存在下及び高温下での加水分解反応はほぼ完全
に抑制されるので、各種合成樹脂の難燃剤として
極めて有用なものとすることができる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 赤リンの粒子表面にチタン−コバルト系複合
水和酸化物および有機樹脂を沈積被覆してなるこ
とを特徴とする安定化赤リン。 2 赤リンの粒子表面にチタン−コバルト系複合
水和酸化物の沈積被覆層を形成し、その上に有機
樹脂層を形成してなる請求項1記載の安定化赤リ
ン。 3 赤リンの粒子表面にチタン−コバルト系複合
水和酸化物と有機樹脂からなる沈積被覆層を形成
してなる請求項1記載の安定化赤リン。 4 赤リンの粒子表面への沈積被覆量が、赤リン
粒子に対し全重量当り、チタン−コバルト系複合
水和酸化物量がTi+Coとして0.5〜15重量%、か
つCoが0.05重量%以上および有機樹脂量が0.1〜
15重量%である請求項1、2または3記載の安定
化赤リン。 5 チタニウム塩とコバルト塩との混合塩水溶液
中に分散させた赤リンの水性懸濁体にアルカリ剤
を添加し中和して生成するチタン−コバルト系複
合水和酸化物の微細な沈殿を赤リンの粒子表面に
沈積処理すると同時に又は次いで有機樹脂を被覆
処理することを特徴とする安定化赤リンの製造
法。 6 赤リンの粒子表面へのチタン−コバルト系複
合水和酸化物の沈積処理は、反応系の最終PHが6
〜8で、かつ温度60℃以上で行なう請求項5記載
の安定化赤リンの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63113632A JPH01286909A (ja) | 1988-05-12 | 1988-05-12 | 安定化赤リンおよびその製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63113632A JPH01286909A (ja) | 1988-05-12 | 1988-05-12 | 安定化赤リンおよびその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01286909A JPH01286909A (ja) | 1989-11-17 |
| JPH0516366B2 true JPH0516366B2 (ja) | 1993-03-04 |
Family
ID=14617155
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63113632A Granted JPH01286909A (ja) | 1988-05-12 | 1988-05-12 | 安定化赤リンおよびその製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH01286909A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE69736026T2 (de) * | 1996-03-08 | 2006-12-07 | Tosoh Corp., Shinnanyo | Flamnmhemmende kunststoffzusammensetzung |
| JP4155448B2 (ja) * | 2002-09-30 | 2008-09-24 | 日本化学工業株式会社 | 赤燐粒子を含有するスラリーの製造方法及び安定化赤燐の製造方法 |
-
1988
- 1988-05-12 JP JP63113632A patent/JPH01286909A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01286909A (ja) | 1989-11-17 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US6120576A (en) | Method for preparing nickel fine powder | |
| JPH09256007A (ja) | 銅粉末の製造方法 | |
| US5850047A (en) | Production of copper powder | |
| JPH02294414A (ja) | 微粒子銅粉末の製造方法 | |
| JP2023011705A (ja) | タンタル酸分散液及びタンタル酸化合物 | |
| JPWO2006082962A1 (ja) | 複合粒子の製造方法 | |
| JP3073732B1 (ja) | ニッケル微粉末及びその製造方法 | |
| JP3674009B2 (ja) | 無定形酸化チタンゾルの製造方法 | |
| JP2855331B2 (ja) | 安定化赤リンおよびその製造方法 | |
| JPH0516366B2 (ja) | ||
| JP2991700B2 (ja) | ニッケル微粉末の製造方法 | |
| JP2696232B2 (ja) | 安定化赤リンおよびその製造方法 | |
| JPS63125605A (ja) | 金属微粉末の製造方法 | |
| JP2835955B2 (ja) | 安定化赤リンおよびその製造方法 | |
| JPH058125B2 (ja) | ||
| KR100495698B1 (ko) | 항균력이 우수한 나노 크기의 은 담지 인산지르코늄분말의 제조방법 | |
| JP2514027B2 (ja) | 安定化赤リンおよびその製造法 | |
| JP2877821B2 (ja) | 安定化赤リンおよびその製造法 | |
| JPH0647449B2 (ja) | 安定化赤リンの製造法 | |
| CN113845397A (zh) | 多孔空心结构铝热剂及其制备方法 | |
| JP3245965B2 (ja) | 銅粉末の製造方法 | |
| JP3444608B2 (ja) | 銅微粉末の製造方法 | |
| JP3254693B2 (ja) | 水和ジルコニアゾルおよびジルコニア粉末の製法 | |
| JP2001043734A (ja) | ニッケル粉およびその製造法 | |
| CN115417436A (zh) | 一种二维氢氧化镁纳米片的制备方法 |