JPH0518272B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPH0518272B2 JPH0518272B2 JP58187310A JP18731083A JPH0518272B2 JP H0518272 B2 JPH0518272 B2 JP H0518272B2 JP 58187310 A JP58187310 A JP 58187310A JP 18731083 A JP18731083 A JP 18731083A JP H0518272 B2 JPH0518272 B2 JP H0518272B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- substrate
- amorphous silicon
- thin film
- fabric
- silicon thin
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- H—ELECTRICITY
- H10—SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- H10F—INORGANIC SEMICONDUCTOR DEVICES SENSITIVE TO INFRARED RADIATION, LIGHT, ELECTROMAGNETIC RADIATION OF SHORTER WAVELENGTH OR CORPUSCULAR RADIATION
- H10F77/00—Constructional details of devices covered by this subclass
- H10F77/10—Semiconductor bodies
- H10F77/16—Material structures, e.g. crystalline structures, film structures or crystal plane orientations
- H10F77/169—Thin semiconductor films on metallic or insulating substrates
- H10F77/1692—Thin semiconductor films on metallic or insulating substrates the films including only Group IV materials
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E10/00—Energy generation through renewable energy sources
- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
Landscapes
- Photovoltaic Devices (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
この発明は、可撓性を有し、かつ導電性を著し
く高め得た非晶質シリコン太陽電池に関するもの
である。 一般に非晶質薄膜を、ステンレス板、ガラス板
などの非可撓性基板に設けた太陽電池や、ポリイ
ミドなどの樹脂薄膜のような比較的可撓性を有す
る基板に設けた太陽電池はよく知られている。非
晶質太陽電池を製造するに際して、可撓性基板を
用いることにより達成される特徴は、基板上に必
要な非晶質シリコンを連続的に設けることがで
き、かつ製造コストおよび製造の容易性の面で非
可撓性基板に比べて極めて優位に立てることであ
る。さらに、可撓性基板上に形成された非晶質太
陽電池は、従来の非可撓性基板上に形成された太
陽電池と違い、シート状であるので製品形状に任
意性をもたせることができ、今後の用途開発によ
り、その応用が広がることが期待される。 しかるに、このような非晶質太陽電池を可撓性
基板上に形成させる場合、現在一般に用いれてい
るグロー放電法によれば、良質の非晶質シリコン
薄膜を得ようとするとき、250℃〜350℃の高温を
必要とし、高分子フイルムを用いる場合には耐熱
性の優れたポリイミドフイルムしか適用できな
い。しかながら、ポリイミドフイルムは、このよ
うな高温時における初期ヤング率があまり大きく
なく、非晶質シリコン製造時の熱応力に耐えるに
十分な膜の強さを有していないという問題点があ
る。すなわち、十分な膜の強さを有していない基
板の場合には、非晶質シリコン薄膜を基板上に設
ける際、非晶質シリコン薄膜と基板双方の熱膨張
係数の差異に基づく熱応力が基板の機械的強度を
越え基板がカールしてしまうことになる。このカ
ールの程度が大きくなると、太陽電池としての効
率が大幅に低下してしまうという重大の欠陥を招
来させることが確認されている。 従来、可撓性基板を用いて非晶質シリコン太陽
電池を実現するには、少なくとも250℃程度の耐
熱性に加えて、このような高温時において製膜の
際の熱応力に耐えることのできる腰の強い基板を
供しなければならない。さらに基板表面に適宜な
表面粗さないし凹凸を付与することも光電変換効
率を向上させるに有効であるが、表面粗さないし
凹凸に関しては、従来のポリイミドフイルムは表
面が平滑すぎるため、一旦表面で反射した光は再
び利用されることなく太陽電池外へ放出され、高
い光電変換効率を得ることが難しい状況にあつ
た。 したがつて、この発明の主な目的は、可撓性基
板として繊維布帛を用い、その上に導電性ペース
ト層を形成することにより、基板のカール変形を
起こさせず、しかも適当な表面粗さまたは凹凸を
実現し、入射光の表面における多重反射を可能に
し、それらによつて光吸収率を向上させると同時
に通電面積を大ならしめる太陽電池を提供するこ
とである。すなわち、布帛を基板に用いる太陽電
池では上述のごとくメリツトが奏されはするが、
下部電極(裏面電極ともいう)の形成にあたり布
帛の上に単に金属を蒸着させる方法では、繊維間
に隙間があるため布帛表面のみしか金属が蒸着せ
ず通電面積に限界があつたし、布帛方面で金属と
金属とがつながらない場合が惹起し通電効率が低
減する不都合も内在していた。かかる通電性が高
められないと最終的には変換効率の高い太陽電池
が作成できないことになる。 この発明者等は、非晶質シリコン薄膜の製膜に
要する基板温度を下げ、可撓性基板の選択範囲を
広げ、かつ製膜時のカールを防止し、適宜な表面
粗さないし凹凸を有する基板上に非晶質シリコン
太陽電池を作製することに関し鋭意検討した結
果、布帛を非晶質シリコン太陽電池の基板として
用い、この布帛表面に導電性ペーストを塗布し繊
維間の隙間をこれで埋め、さらにこの導電性ペー
スト状物上に好ましくはクラスタイオンビーム法
により非晶質シリコン薄膜を形成させることで、
この発明の目的を有利に達成することができた。 この発明は、可撓性基板として繊維布帛を使用
し、この布帛に導電性ペーストを塗布し、さらに
この上に光電変換要素としての非晶質シリコン薄
膜を、好ましくはクラスタイオンビーム法によ
り、形成させることを特徴とするものであるが、
ここに布帛とは織布、ニツト、不織布などの繊維
布帛状物を含むものであり、目付としては10〜
400g/m2の範囲のものである。布帛としての構
成、組織、外観を左右する大きな因子としては、
糸の選択および織布、ニツト方式の選択がある
が、目的とする布帛構造から糸の太さ、断面形
状、モノフイラメント、マルチフイラメントなど
の選択をし、適宜な織布、ニツト方式を選択し、
非晶質太陽電池として好適な基板を形成する。布
帛を構成する繊維素材は特に制限を設けるもので
ないが、たとえば耐熱性のある芳香族ポリアミド
(ノーメツクス)からなる不織布、織布等も用い
られる。 このような繊維布帛を太陽電池用基板として用
いる特徴の1つは、その良好なフレキシビリテイ
の性質にある。従来、ポリイミドフイルムが可撓
性基板として用いられているが、フイルムのフレ
キシビリテイは、言わば、一方向的であり、二次
曲面、たとえば球面、に沿わせようとすれば、硬
い折れしわが発生して好ましくない。すなわち、
電気的に断線したり、人体に違和感を与えたりす
る。このように、たとえばポリイミドフイルムを
基板とした太陽電池は、フレキシビリテイが大幅
に不足している。一方、布帛を基板として作製し
た太陽電池は、十分なフレキシビリテイの性質を
有する。また布帛を用いるメリツトは、シリコン
薄膜形成太陽電池をロール状に巻き上げる際シリ
コン面を保護する点にもある。 またこの発明に係る非晶質シリコン薄膜を有す
る太陽電池とは、シリコン系の非晶質薄膜を用い
てシヨツト型、pin型、またはタンデム型の素子
構造を形成した太陽電池である。なお、シリコン
系の非晶質薄膜としては、Si、Si−Ge、Si−C、
Si−N等の単体または化合物からなる水素化アモ
ルフアス膜またはフツ素化アモルフアス膜が含ま
れる。 次に、この発明に従つて、布帛を基板として用
いその上に上述した非晶質シリコン薄膜を形成す
る好ましい方法である、クラスタイオンビーム法
について述べる。クラスタイオンビーム法は、少
なくとも1個の噴射ノズルを有する密閉型のるつ
ぼ内に、形成しようとする物質の成分元素を収納
して加熱、蒸気化し、この蒸気をこの蒸気の圧力
よりも十分低い圧力の高真空中、たとえば前記る
つぼ内の蒸気圧力よりも100分の1以下の圧力の
高真空中に、噴射ノズルから噴射させ、噴射時の
断熱膨張に基づく過冷却現象により、通常100〜
2000個程度の原子がフアンデルワールス力により
緩く結合した塊状の原子集団、いわゆるクラスタ
を形成し、さらにこのクラスタの少なくとも一部
をイオン化し、ノズル噴出時に付与された運動エ
ネルギにより、または必要に応じて与えられる電
界により、加速して基板表お面に到達させ、基板
状に前記成分元素の薄膜を形成しようとするもの
である。 この場合、基板温度、るつぼ周囲空間の真空
度、クラスタのイオン化率、またはクラスタイオ
ンを加速する場合はその加速電圧などを種々設定
することにより、基板に成長させる物質をアモル
フアス状態、多結晶状態、単結晶状態と任意に制
御することができる特徴を有し、かつクラスタ形
成空間に反応性のガスを導入することによつて、
化合物の薄膜も容易に形成することができる。 この発明の好ましい実施例では、このクラスタ
イオンビーム蒸着法を用いて、光電変換要素とし
ての非晶質シリコン薄膜を形成する。このクラス
タイオンビーム蒸着法を用いて光電変換要素とし
ての非晶質シリコン薄膜を製造する方法につい
て、この発明者等は種々の検討を行なつたが、条
件を適切に選択すれば、200℃以下の基板温度に
おいても極めて良質な非晶質シリコン薄膜を得る
ことができることを確認した。従来のグロー放電
法では、良質な非晶質シリコン薄膜を得ようとす
れば、少なくとも250℃以上の基板温度を必要と
するため、可撓性基板材質の選択の範囲が極めて
狭かつた。これに対して、クラスタイオンビーム
蒸着法を用いると、基板温度が200℃以下でよく、
具体的には180℃程度でも良質な非晶質シリコン
薄膜を得ることができることを確認した。したが
つて、ポリエステル、レーヨン、ポリノジツク繊
維などの極めて一般的に繊維素材から作つた布帛
も非晶質シリコン太陽電池用の基板として供し得
ることがわかつた。この発明の布帛形成に供し得
る繊維素材としては、上記のような有機物素材に
限定されず、前述した芳香族ポリアミド繊維のほ
か、ガラス繊維、スチール繊維のような無機物の
ものであつてもよく、要するに、布帛を形成する
ことができる繊維素材であればよい。さらに加え
て、クラスタイオンビーム法は、ステツプカバー
リング性に優れており、この発明に使用する布帛
基板のように段差のあるものに対しても均一性に
優れた薄膜を形成することができる。さらにステ
ツプカバーリング性は複数個のるつぼを適切に配
置し、それらを同時に用いて膜形成を行なうこと
により向上させることもできる。 基板の耐熱性については、前述のようにクラス
タイオンビーム法によれば、180℃程度でも良質
な非晶質シリコン薄膜を得ることができることを
確認したが、基板の強度、剛性、表面粗さないし
凹凸に関しては、布帛の構成、糸の構成などを適
宜選ぶことで任意に設定できるため、非晶質シリ
コン薄膜の製膜時のカール防止が可能でかつ太陽
電池用基板として適宜な表面粗さないし凹凸を付
与することも可能である。 この発明では布帛を太陽電池の基板として用い
るため、布帛基板表面に電極を形成する必要があ
る。この発明においては、かかる電極の形成が重
要である。すなわち、繊維布帛に導電性ペースト
状物を塗布することにより低電気抵抗である下部
電極が形成される。かかる導電性ペースト状物と
は、非晶質シリコン薄膜作製時に必要とする温度
に耐え得る樹脂に金属粉を混入せしめ、可塑化せ
しめたものである。該樹脂としては、ポリエステ
ルイミド、ポリイミドアミド等が、また該当金属
粉としては、Ag、Cu、Al、Sn等が使用できる。
この際の導電性ペースト層は、0.1〜10μ程度であ
る。このように繊維布帛に導電性ペースト状物を
塗布することにより繊維間の隙間を埋め、かつ裏
面電極の導電性ペースト側には使用には織布の表
面起伏がそのまま現われるようにし、もつて通電
面積を著しく高め得ることができ、変換効率の良
い太陽電池が作製できる。 電極を形成した布帛基板の上に光電変換要素と
しての非晶質シリコン薄膜を形成するために、好
ましくはクラスタイオンビーム法を用いることは
既に述べた。図面はこの発明に従つて非晶質シリ
コン薄膜を製膜するために用いる装置の一例を示
す図である。図面を参照して、0.5〜2.0mm程度の
孔径のノズル5を有するるつぼ4が設けられる。
このるつぼ4には、適度な大きさに粉砕されたシ
リコンを充填する。ノズル5の前方に基板9とし
ての布帛(導電性ペースト状物が塗布されてい
る)が置かれ、その途中に加速電極8が配置さ
れ、ノズル5と加速電極8の間にイオン化電極7
が配置される。イオン化電極の側部に、イオン化
電極7に向けてガス導入管6が設けられる。図面
のこれらの各部材が、図示しない真空容器内に、
適宜な支持部材により支持されて配置され、この
真空容器が少なくとも10-5Torr以下の高真空雰
囲気に排気される。 次いで、ガス導入パイプ6を介して真空容器内
に水素ガス(H2)、ホスフインガス(PH8)、ジ
ボランガス(B2H6)を供給し、真空容器内の圧
力を10-6ないし10-3Torrに維持する。基板9も
適当な温度に加熱する。 次いで、るつぼ4を加熱し、るつぼ4内に充填
されているシリコンを加熱溶融させて、シリコン
の蒸気を発生させる。この場合、シリコンの加熱
温度は、るつぼ4の周囲空間、すなわち真空容器
内の圧力に応じて設定されるものであり、るつぼ
4内の圧力をP、真空容器内の圧力をP0とした
場合、P/P0≧102、好ましくはP/P0≧104と
なるように設定する。実際は、加熱温度として
は、1400〜2300℃程度の範囲で設定する。しか
し、この圧力差により、シリコンの蒸気がノズル
5よりるつぼ4の外に噴出し、この際断熱膨張に
基づく過冷却現象により蒸気状のシリコン原子や
分子がフアンデルワールス力で緩く結合したクラ
スタが形成される。 ところで、るつぼ4の外への噴出によつて運動
エネルギを得た蒸気流はイオン化室に入り、ここ
で少なくとも一部がイオン化され、いわゆるクラ
スタイオンが形成される。 加速電極8に適当な加速電圧を印加し、クラス
タイオンを加速して基板9に射突させる。その
際、真空層内での射突の際の衝撃でクラスタは
個々の原子に分離し、原子状態で基板9の表面を
移動する、いわゆる表面マイグレーシヨン効果お
よび一部イオン化されているシリコンイオンの作
るイオン化効果により、シリコン同士の結合が促
進される。一方、真空容器内に導入された水素ガ
ス(H2)はその一部が電子の射突によつてイオ
ン化されたりまたは単体原子となつて前記シリコ
ン蒸気流とともに基板9に射突し、裏面を移動す
る。基板9を移動しつつ結合していくシリコンの
未結合部分にHが結合し、ダングリングボンドが
Hにより閉じられた構造の非晶質シリコン薄膜が
形成されたことになる。 さらに詳しく述べると、i型非晶質シリコン薄
膜を作るためには、導入ガスとして水素ガスのみ
を用い、またp型シリコン薄膜を作るためには導
入ガスとして水素ガスおよびジボランガス
(B2H6)を用い、またn型シリコン薄膜を作るた
めには導入ガスとして水素ガスおよびホスフイン
ガス(PH8)を用いる。したがつて、光電変換要
素としての非晶質シリコン層としては、導電性ペ
ースト状物から作製した裏面電極を形成させた布
帛基板9にまずn層、次いでi層、最後にp層を
順次形成させることになる。次に、この非晶質シ
リコン薄膜を太陽電池デバイスとするために、n
層、i層、およびp層を積層させた布帛基板を真
空層内に装着し、たとえばシヨツトキ接合セルの
場合には、シヨツトキ障壁金属としては白金、
金、パラジウムなどをスパツタ法、真空蒸着法、
イオンプレーテイング法(クラスタイオンビーム
法を含む)などで100Å程度の膜厚で堆積させる。
また、ヘテロフエイス接合セルの場合は、酸化イ
ンジウム、酸化錫、酸化錫−酸化インジウムなど
の膜を200〜5000Å程度の膜厚になるようにスパ
ツタ法、真空蒸着法、イオンプレーテイング法
(クラスタイオンビーム法を含む)などで堆積さ
せて表面電極を形成させる。次に、収集電極をシ
ヨツトキ障壁金属、ヘテロフエイス電極の表面上
に設けて非晶質シリコン太陽電池デバイスを完成
する。この発明により非晶質シリコン太陽電池
は、布帛基板上に導電性ペースト状物よりなる裏
面電極を形成させ、この電極上にクラスタイオン
ビーム法により、n層、i層、p層の非晶質シリ
コン膜を順次設け、その上にシヨツトキ障壁金属
またはヘテロ(フエイス)電極を設け、その上に
さらに収集電極を設けた基本構造を有する。 以上述べたように、この発明の太陽電池は、布
帛を基板として用いその布帛に導電性ペーストを
塗布し、その上に非晶質シリコン薄膜を形成した
ことを特徴とする。その結果、通電面積が大とな
り、通電性能の高められた変換効率の高い太陽電
池が作製できた。さらにペースト状物側に適当な
表面粗さないし凹凸が実現されるため、太陽電池
に入射する入射光は多重反射され、光吸収率が向
上することも一因してより変換効率の高い太陽電
池が得られる。また、基板として布帛を用いるこ
とで良好なフレキシビリテイが達成され、その結
果この発明の太陽電池の用途が広がり、たとえ
ば、テント、ヨツトの帆などへの商品展開も容易
に考えられ、また電気的断線が減じ、この発明の
太陽電池を衣服などに用いたとき人体に対する違
和感が減じられる。 なお、この発明の好ましい実施例では、非晶質
シリコン薄膜の形成法としてクラスタイオンビー
ム法が用いられる。このクラスタイオンビーム法
を用いることで、基板温度として200℃以下で、
具体的には180℃でも、極めて良質な非晶質シリ
コン薄膜を得ることができる。このように、必要
とする基板温度が大幅に下がるため、基板の選択
範囲が広がり、芳香族ポリアミド繊維
(Nomex)、ガラス繊維はもちろん使用可能であ
るが、ポリエステル、レーヨン、ポリノジツクな
どの一般的な繊維素材も使える。また糸の太さ、
素材、断面形状、マルチフイラメント、モノフイ
ラメントなどの選択および布帛としての組織、目
付などを適宜に選択することで、任意の表面粗さ
ないし凹凸および強度、剛性を設定するすること
ができる。その結果として、製膜時のカール防止
も可能であり、また上述のように適宜な表面粗さ
ないし凹凸を実現することができるので、後述の
実施例に示すごとく、優れた光電変換効率を達成
することができる。また、クラスタイオンビーム
法を非晶質シリコン薄膜形成法に採用し、布帛を
基板として用いることから、製膜中の熱応力に耐
え得る剛性を有した太陽電池を実現することが可
能となる。 以下に、この発明の実施例について説明する。 実施例 1 経糸75デニール、緯糸75デニール、目付60g/
m2のポリエステル平織り織布にポリイミドアミド
樹脂に銀粉を混入せしめた導電性ペーストを塗布
し100℃で5分間乾燥せしめ裏面電極を形成させ
た。この裏面電極のペースト側には、使用した織
布の表面起伏がそのまま現われた。この裏面電極
を形成させた織布基板を1×102Torrの真空下で
150℃×2Hrの乾燥を行なつた。この乾燥した基
板をクラスタイオンビーム法の基板支持台に緊張
下でセツトし、5×10-7Torrに排気しながら180
℃にこの基板を加熱した。5×10-7Torrの真空
まで達したとき、真空層内に水素ガスと水素ガス
で1%に希釈したホスフインガス(PH8)を5対
1の流量比で導入し、真空層内を1×10-4Torr
に維持した。るつぼ加熱温度2000〜2200℃、イオ
ン化電流200mA(300V)、基板温度180℃の条件
で、n型の非晶質シリコン薄膜を200Åの厚みで
形成させた。 次いで、水素ガスのみの導入ガスで、前記と同
様にして、n型の非晶質シリコン薄膜上にi型の
非晶質シリコン薄膜を3000Åの厚みで形成させ
た。次いで、水素ガスと水素ガスで10%に希釈し
たジボランガス(B2H6)を真空容器内に導入し、
p型の非晶質シリコン薄膜を100Åの厚みで形成
させ、布帛基板上にpin型の非晶質シリコン薄膜
を設けた。このようにして得られたpin型非晶質
シリコン薄膜をスパツタ装置に装着し、酸化錫−
酸化インジウム薄膜を100Å堆積させ、ヘテロフ
エイス層とした。 最後に、このヘテロフエイス層上に収集電極と
してパラジウムを1000Åの厚みでくし形に堆積さ
せ、布帛基板上にpinヘテロフエイス型太陽電池
デバイスを実現した。この太陽電池デバイスの性
能を第1表に示す。 実施例 2 実施例1で得た布帛基板(裏面電極形成後)を
スパツタリング装置に装着し、タングステンをタ
ーゲツとして厚さ1.5μのタングステン薄膜をさら
に上記裏面電極の上に形成させた。このタングス
テン薄膜にも依然織布の表面凹凸が現われてい
た。pinヘテロフエイス型太陽電池デバイスは実
施例1と同様の条件で作製した。その性能を第1
表に示す。 比較例 基板として125μの厚みのポリイミドフイルム
を選び、このフイルムを×10-2Torrの真空下で
150℃、2Hrの乾燥を行なつた。この乾燥したポ
リイミドフイルムをスパツタリング装置に装着
し、タングステンをターゲツトとして厚さ1.5μの
タングステン薄膜を裏面電極として形成させた。
非晶質シリコン薄膜は容量結合方式の高周波
(13.56MHz)グロー放電装置を用いて、前記裏面
電極を形成させた基板をグロー放電装置のアノー
ド側の電極上に緊張下で装着し、8×10-6Torr
に配置しながら250℃にこの基板を加熱した。そ
の後、窒素ガス(N2)を500ml/min導入し
1.0Torr窒素ガス雰囲気で200Wの高周波電力を
印加し基板のイオンボンバードを20分行ない、基
板をクリーニングした。次に、水素ガスで10%に
希釈したシランガスと水素ガスで0.1%に希釈し
たホスフインガスをグロー放電装置内に導入し、
6×10-1Torrのこのガス雰囲気で100Wの高周波
電力を印加し、200Åのn型の非晶質シリコン薄
膜を形成した。次いで水素ガスとシランガスで前
記と同様にして、n型の非晶質シリコン薄膜上に
i型の非晶質薄膜を3000Åの厚みで形成させた。
次いで、水素ガスで10%のシランガスと水素ガス
で0.1%に希釈したジボランガスをグロー放電装
置内に導入し、i型非晶質シリコン薄膜上に300
Åのp型非晶質シリコン薄膜を形成させ、布帛基
板上にpin型の非晶質シリコン薄膜を設けた。こ
のようにして得たpin型非晶質シリコン薄膜をス
パツタ装置に装着し、酸化錫−酸化インジウム薄
膜を1000Å堆積させ、ヘテロフエイス層とした。
最後にこのヘテロフエイス層上に収集電極として
パラジウムを1000Åくし形に堆積させ、可撓性ポ
リイミドフイルム基板上にpinヘテロフエイス型
太陽電池デバイスを得た。このデバイスの性能も
第1表に併記した。 【表】
く高め得た非晶質シリコン太陽電池に関するもの
である。 一般に非晶質薄膜を、ステンレス板、ガラス板
などの非可撓性基板に設けた太陽電池や、ポリイ
ミドなどの樹脂薄膜のような比較的可撓性を有す
る基板に設けた太陽電池はよく知られている。非
晶質太陽電池を製造するに際して、可撓性基板を
用いることにより達成される特徴は、基板上に必
要な非晶質シリコンを連続的に設けることがで
き、かつ製造コストおよび製造の容易性の面で非
可撓性基板に比べて極めて優位に立てることであ
る。さらに、可撓性基板上に形成された非晶質太
陽電池は、従来の非可撓性基板上に形成された太
陽電池と違い、シート状であるので製品形状に任
意性をもたせることができ、今後の用途開発によ
り、その応用が広がることが期待される。 しかるに、このような非晶質太陽電池を可撓性
基板上に形成させる場合、現在一般に用いれてい
るグロー放電法によれば、良質の非晶質シリコン
薄膜を得ようとするとき、250℃〜350℃の高温を
必要とし、高分子フイルムを用いる場合には耐熱
性の優れたポリイミドフイルムしか適用できな
い。しかながら、ポリイミドフイルムは、このよ
うな高温時における初期ヤング率があまり大きく
なく、非晶質シリコン製造時の熱応力に耐えるに
十分な膜の強さを有していないという問題点があ
る。すなわち、十分な膜の強さを有していない基
板の場合には、非晶質シリコン薄膜を基板上に設
ける際、非晶質シリコン薄膜と基板双方の熱膨張
係数の差異に基づく熱応力が基板の機械的強度を
越え基板がカールしてしまうことになる。このカ
ールの程度が大きくなると、太陽電池としての効
率が大幅に低下してしまうという重大の欠陥を招
来させることが確認されている。 従来、可撓性基板を用いて非晶質シリコン太陽
電池を実現するには、少なくとも250℃程度の耐
熱性に加えて、このような高温時において製膜の
際の熱応力に耐えることのできる腰の強い基板を
供しなければならない。さらに基板表面に適宜な
表面粗さないし凹凸を付与することも光電変換効
率を向上させるに有効であるが、表面粗さないし
凹凸に関しては、従来のポリイミドフイルムは表
面が平滑すぎるため、一旦表面で反射した光は再
び利用されることなく太陽電池外へ放出され、高
い光電変換効率を得ることが難しい状況にあつ
た。 したがつて、この発明の主な目的は、可撓性基
板として繊維布帛を用い、その上に導電性ペース
ト層を形成することにより、基板のカール変形を
起こさせず、しかも適当な表面粗さまたは凹凸を
実現し、入射光の表面における多重反射を可能に
し、それらによつて光吸収率を向上させると同時
に通電面積を大ならしめる太陽電池を提供するこ
とである。すなわち、布帛を基板に用いる太陽電
池では上述のごとくメリツトが奏されはするが、
下部電極(裏面電極ともいう)の形成にあたり布
帛の上に単に金属を蒸着させる方法では、繊維間
に隙間があるため布帛表面のみしか金属が蒸着せ
ず通電面積に限界があつたし、布帛方面で金属と
金属とがつながらない場合が惹起し通電効率が低
減する不都合も内在していた。かかる通電性が高
められないと最終的には変換効率の高い太陽電池
が作成できないことになる。 この発明者等は、非晶質シリコン薄膜の製膜に
要する基板温度を下げ、可撓性基板の選択範囲を
広げ、かつ製膜時のカールを防止し、適宜な表面
粗さないし凹凸を有する基板上に非晶質シリコン
太陽電池を作製することに関し鋭意検討した結
果、布帛を非晶質シリコン太陽電池の基板として
用い、この布帛表面に導電性ペーストを塗布し繊
維間の隙間をこれで埋め、さらにこの導電性ペー
スト状物上に好ましくはクラスタイオンビーム法
により非晶質シリコン薄膜を形成させることで、
この発明の目的を有利に達成することができた。 この発明は、可撓性基板として繊維布帛を使用
し、この布帛に導電性ペーストを塗布し、さらに
この上に光電変換要素としての非晶質シリコン薄
膜を、好ましくはクラスタイオンビーム法によ
り、形成させることを特徴とするものであるが、
ここに布帛とは織布、ニツト、不織布などの繊維
布帛状物を含むものであり、目付としては10〜
400g/m2の範囲のものである。布帛としての構
成、組織、外観を左右する大きな因子としては、
糸の選択および織布、ニツト方式の選択がある
が、目的とする布帛構造から糸の太さ、断面形
状、モノフイラメント、マルチフイラメントなど
の選択をし、適宜な織布、ニツト方式を選択し、
非晶質太陽電池として好適な基板を形成する。布
帛を構成する繊維素材は特に制限を設けるもので
ないが、たとえば耐熱性のある芳香族ポリアミド
(ノーメツクス)からなる不織布、織布等も用い
られる。 このような繊維布帛を太陽電池用基板として用
いる特徴の1つは、その良好なフレキシビリテイ
の性質にある。従来、ポリイミドフイルムが可撓
性基板として用いられているが、フイルムのフレ
キシビリテイは、言わば、一方向的であり、二次
曲面、たとえば球面、に沿わせようとすれば、硬
い折れしわが発生して好ましくない。すなわち、
電気的に断線したり、人体に違和感を与えたりす
る。このように、たとえばポリイミドフイルムを
基板とした太陽電池は、フレキシビリテイが大幅
に不足している。一方、布帛を基板として作製し
た太陽電池は、十分なフレキシビリテイの性質を
有する。また布帛を用いるメリツトは、シリコン
薄膜形成太陽電池をロール状に巻き上げる際シリ
コン面を保護する点にもある。 またこの発明に係る非晶質シリコン薄膜を有す
る太陽電池とは、シリコン系の非晶質薄膜を用い
てシヨツト型、pin型、またはタンデム型の素子
構造を形成した太陽電池である。なお、シリコン
系の非晶質薄膜としては、Si、Si−Ge、Si−C、
Si−N等の単体または化合物からなる水素化アモ
ルフアス膜またはフツ素化アモルフアス膜が含ま
れる。 次に、この発明に従つて、布帛を基板として用
いその上に上述した非晶質シリコン薄膜を形成す
る好ましい方法である、クラスタイオンビーム法
について述べる。クラスタイオンビーム法は、少
なくとも1個の噴射ノズルを有する密閉型のるつ
ぼ内に、形成しようとする物質の成分元素を収納
して加熱、蒸気化し、この蒸気をこの蒸気の圧力
よりも十分低い圧力の高真空中、たとえば前記る
つぼ内の蒸気圧力よりも100分の1以下の圧力の
高真空中に、噴射ノズルから噴射させ、噴射時の
断熱膨張に基づく過冷却現象により、通常100〜
2000個程度の原子がフアンデルワールス力により
緩く結合した塊状の原子集団、いわゆるクラスタ
を形成し、さらにこのクラスタの少なくとも一部
をイオン化し、ノズル噴出時に付与された運動エ
ネルギにより、または必要に応じて与えられる電
界により、加速して基板表お面に到達させ、基板
状に前記成分元素の薄膜を形成しようとするもの
である。 この場合、基板温度、るつぼ周囲空間の真空
度、クラスタのイオン化率、またはクラスタイオ
ンを加速する場合はその加速電圧などを種々設定
することにより、基板に成長させる物質をアモル
フアス状態、多結晶状態、単結晶状態と任意に制
御することができる特徴を有し、かつクラスタ形
成空間に反応性のガスを導入することによつて、
化合物の薄膜も容易に形成することができる。 この発明の好ましい実施例では、このクラスタ
イオンビーム蒸着法を用いて、光電変換要素とし
ての非晶質シリコン薄膜を形成する。このクラス
タイオンビーム蒸着法を用いて光電変換要素とし
ての非晶質シリコン薄膜を製造する方法につい
て、この発明者等は種々の検討を行なつたが、条
件を適切に選択すれば、200℃以下の基板温度に
おいても極めて良質な非晶質シリコン薄膜を得る
ことができることを確認した。従来のグロー放電
法では、良質な非晶質シリコン薄膜を得ようとす
れば、少なくとも250℃以上の基板温度を必要と
するため、可撓性基板材質の選択の範囲が極めて
狭かつた。これに対して、クラスタイオンビーム
蒸着法を用いると、基板温度が200℃以下でよく、
具体的には180℃程度でも良質な非晶質シリコン
薄膜を得ることができることを確認した。したが
つて、ポリエステル、レーヨン、ポリノジツク繊
維などの極めて一般的に繊維素材から作つた布帛
も非晶質シリコン太陽電池用の基板として供し得
ることがわかつた。この発明の布帛形成に供し得
る繊維素材としては、上記のような有機物素材に
限定されず、前述した芳香族ポリアミド繊維のほ
か、ガラス繊維、スチール繊維のような無機物の
ものであつてもよく、要するに、布帛を形成する
ことができる繊維素材であればよい。さらに加え
て、クラスタイオンビーム法は、ステツプカバー
リング性に優れており、この発明に使用する布帛
基板のように段差のあるものに対しても均一性に
優れた薄膜を形成することができる。さらにステ
ツプカバーリング性は複数個のるつぼを適切に配
置し、それらを同時に用いて膜形成を行なうこと
により向上させることもできる。 基板の耐熱性については、前述のようにクラス
タイオンビーム法によれば、180℃程度でも良質
な非晶質シリコン薄膜を得ることができることを
確認したが、基板の強度、剛性、表面粗さないし
凹凸に関しては、布帛の構成、糸の構成などを適
宜選ぶことで任意に設定できるため、非晶質シリ
コン薄膜の製膜時のカール防止が可能でかつ太陽
電池用基板として適宜な表面粗さないし凹凸を付
与することも可能である。 この発明では布帛を太陽電池の基板として用い
るため、布帛基板表面に電極を形成する必要があ
る。この発明においては、かかる電極の形成が重
要である。すなわち、繊維布帛に導電性ペースト
状物を塗布することにより低電気抵抗である下部
電極が形成される。かかる導電性ペースト状物と
は、非晶質シリコン薄膜作製時に必要とする温度
に耐え得る樹脂に金属粉を混入せしめ、可塑化せ
しめたものである。該樹脂としては、ポリエステ
ルイミド、ポリイミドアミド等が、また該当金属
粉としては、Ag、Cu、Al、Sn等が使用できる。
この際の導電性ペースト層は、0.1〜10μ程度であ
る。このように繊維布帛に導電性ペースト状物を
塗布することにより繊維間の隙間を埋め、かつ裏
面電極の導電性ペースト側には使用には織布の表
面起伏がそのまま現われるようにし、もつて通電
面積を著しく高め得ることができ、変換効率の良
い太陽電池が作製できる。 電極を形成した布帛基板の上に光電変換要素と
しての非晶質シリコン薄膜を形成するために、好
ましくはクラスタイオンビーム法を用いることは
既に述べた。図面はこの発明に従つて非晶質シリ
コン薄膜を製膜するために用いる装置の一例を示
す図である。図面を参照して、0.5〜2.0mm程度の
孔径のノズル5を有するるつぼ4が設けられる。
このるつぼ4には、適度な大きさに粉砕されたシ
リコンを充填する。ノズル5の前方に基板9とし
ての布帛(導電性ペースト状物が塗布されてい
る)が置かれ、その途中に加速電極8が配置さ
れ、ノズル5と加速電極8の間にイオン化電極7
が配置される。イオン化電極の側部に、イオン化
電極7に向けてガス導入管6が設けられる。図面
のこれらの各部材が、図示しない真空容器内に、
適宜な支持部材により支持されて配置され、この
真空容器が少なくとも10-5Torr以下の高真空雰
囲気に排気される。 次いで、ガス導入パイプ6を介して真空容器内
に水素ガス(H2)、ホスフインガス(PH8)、ジ
ボランガス(B2H6)を供給し、真空容器内の圧
力を10-6ないし10-3Torrに維持する。基板9も
適当な温度に加熱する。 次いで、るつぼ4を加熱し、るつぼ4内に充填
されているシリコンを加熱溶融させて、シリコン
の蒸気を発生させる。この場合、シリコンの加熱
温度は、るつぼ4の周囲空間、すなわち真空容器
内の圧力に応じて設定されるものであり、るつぼ
4内の圧力をP、真空容器内の圧力をP0とした
場合、P/P0≧102、好ましくはP/P0≧104と
なるように設定する。実際は、加熱温度として
は、1400〜2300℃程度の範囲で設定する。しか
し、この圧力差により、シリコンの蒸気がノズル
5よりるつぼ4の外に噴出し、この際断熱膨張に
基づく過冷却現象により蒸気状のシリコン原子や
分子がフアンデルワールス力で緩く結合したクラ
スタが形成される。 ところで、るつぼ4の外への噴出によつて運動
エネルギを得た蒸気流はイオン化室に入り、ここ
で少なくとも一部がイオン化され、いわゆるクラ
スタイオンが形成される。 加速電極8に適当な加速電圧を印加し、クラス
タイオンを加速して基板9に射突させる。その
際、真空層内での射突の際の衝撃でクラスタは
個々の原子に分離し、原子状態で基板9の表面を
移動する、いわゆる表面マイグレーシヨン効果お
よび一部イオン化されているシリコンイオンの作
るイオン化効果により、シリコン同士の結合が促
進される。一方、真空容器内に導入された水素ガ
ス(H2)はその一部が電子の射突によつてイオ
ン化されたりまたは単体原子となつて前記シリコ
ン蒸気流とともに基板9に射突し、裏面を移動す
る。基板9を移動しつつ結合していくシリコンの
未結合部分にHが結合し、ダングリングボンドが
Hにより閉じられた構造の非晶質シリコン薄膜が
形成されたことになる。 さらに詳しく述べると、i型非晶質シリコン薄
膜を作るためには、導入ガスとして水素ガスのみ
を用い、またp型シリコン薄膜を作るためには導
入ガスとして水素ガスおよびジボランガス
(B2H6)を用い、またn型シリコン薄膜を作るた
めには導入ガスとして水素ガスおよびホスフイン
ガス(PH8)を用いる。したがつて、光電変換要
素としての非晶質シリコン層としては、導電性ペ
ースト状物から作製した裏面電極を形成させた布
帛基板9にまずn層、次いでi層、最後にp層を
順次形成させることになる。次に、この非晶質シ
リコン薄膜を太陽電池デバイスとするために、n
層、i層、およびp層を積層させた布帛基板を真
空層内に装着し、たとえばシヨツトキ接合セルの
場合には、シヨツトキ障壁金属としては白金、
金、パラジウムなどをスパツタ法、真空蒸着法、
イオンプレーテイング法(クラスタイオンビーム
法を含む)などで100Å程度の膜厚で堆積させる。
また、ヘテロフエイス接合セルの場合は、酸化イ
ンジウム、酸化錫、酸化錫−酸化インジウムなど
の膜を200〜5000Å程度の膜厚になるようにスパ
ツタ法、真空蒸着法、イオンプレーテイング法
(クラスタイオンビーム法を含む)などで堆積さ
せて表面電極を形成させる。次に、収集電極をシ
ヨツトキ障壁金属、ヘテロフエイス電極の表面上
に設けて非晶質シリコン太陽電池デバイスを完成
する。この発明により非晶質シリコン太陽電池
は、布帛基板上に導電性ペースト状物よりなる裏
面電極を形成させ、この電極上にクラスタイオン
ビーム法により、n層、i層、p層の非晶質シリ
コン膜を順次設け、その上にシヨツトキ障壁金属
またはヘテロ(フエイス)電極を設け、その上に
さらに収集電極を設けた基本構造を有する。 以上述べたように、この発明の太陽電池は、布
帛を基板として用いその布帛に導電性ペーストを
塗布し、その上に非晶質シリコン薄膜を形成した
ことを特徴とする。その結果、通電面積が大とな
り、通電性能の高められた変換効率の高い太陽電
池が作製できた。さらにペースト状物側に適当な
表面粗さないし凹凸が実現されるため、太陽電池
に入射する入射光は多重反射され、光吸収率が向
上することも一因してより変換効率の高い太陽電
池が得られる。また、基板として布帛を用いるこ
とで良好なフレキシビリテイが達成され、その結
果この発明の太陽電池の用途が広がり、たとえ
ば、テント、ヨツトの帆などへの商品展開も容易
に考えられ、また電気的断線が減じ、この発明の
太陽電池を衣服などに用いたとき人体に対する違
和感が減じられる。 なお、この発明の好ましい実施例では、非晶質
シリコン薄膜の形成法としてクラスタイオンビー
ム法が用いられる。このクラスタイオンビーム法
を用いることで、基板温度として200℃以下で、
具体的には180℃でも、極めて良質な非晶質シリ
コン薄膜を得ることができる。このように、必要
とする基板温度が大幅に下がるため、基板の選択
範囲が広がり、芳香族ポリアミド繊維
(Nomex)、ガラス繊維はもちろん使用可能であ
るが、ポリエステル、レーヨン、ポリノジツクな
どの一般的な繊維素材も使える。また糸の太さ、
素材、断面形状、マルチフイラメント、モノフイ
ラメントなどの選択および布帛としての組織、目
付などを適宜に選択することで、任意の表面粗さ
ないし凹凸および強度、剛性を設定するすること
ができる。その結果として、製膜時のカール防止
も可能であり、また上述のように適宜な表面粗さ
ないし凹凸を実現することができるので、後述の
実施例に示すごとく、優れた光電変換効率を達成
することができる。また、クラスタイオンビーム
法を非晶質シリコン薄膜形成法に採用し、布帛を
基板として用いることから、製膜中の熱応力に耐
え得る剛性を有した太陽電池を実現することが可
能となる。 以下に、この発明の実施例について説明する。 実施例 1 経糸75デニール、緯糸75デニール、目付60g/
m2のポリエステル平織り織布にポリイミドアミド
樹脂に銀粉を混入せしめた導電性ペーストを塗布
し100℃で5分間乾燥せしめ裏面電極を形成させ
た。この裏面電極のペースト側には、使用した織
布の表面起伏がそのまま現われた。この裏面電極
を形成させた織布基板を1×102Torrの真空下で
150℃×2Hrの乾燥を行なつた。この乾燥した基
板をクラスタイオンビーム法の基板支持台に緊張
下でセツトし、5×10-7Torrに排気しながら180
℃にこの基板を加熱した。5×10-7Torrの真空
まで達したとき、真空層内に水素ガスと水素ガス
で1%に希釈したホスフインガス(PH8)を5対
1の流量比で導入し、真空層内を1×10-4Torr
に維持した。るつぼ加熱温度2000〜2200℃、イオ
ン化電流200mA(300V)、基板温度180℃の条件
で、n型の非晶質シリコン薄膜を200Åの厚みで
形成させた。 次いで、水素ガスのみの導入ガスで、前記と同
様にして、n型の非晶質シリコン薄膜上にi型の
非晶質シリコン薄膜を3000Åの厚みで形成させ
た。次いで、水素ガスと水素ガスで10%に希釈し
たジボランガス(B2H6)を真空容器内に導入し、
p型の非晶質シリコン薄膜を100Åの厚みで形成
させ、布帛基板上にpin型の非晶質シリコン薄膜
を設けた。このようにして得られたpin型非晶質
シリコン薄膜をスパツタ装置に装着し、酸化錫−
酸化インジウム薄膜を100Å堆積させ、ヘテロフ
エイス層とした。 最後に、このヘテロフエイス層上に収集電極と
してパラジウムを1000Åの厚みでくし形に堆積さ
せ、布帛基板上にpinヘテロフエイス型太陽電池
デバイスを実現した。この太陽電池デバイスの性
能を第1表に示す。 実施例 2 実施例1で得た布帛基板(裏面電極形成後)を
スパツタリング装置に装着し、タングステンをタ
ーゲツとして厚さ1.5μのタングステン薄膜をさら
に上記裏面電極の上に形成させた。このタングス
テン薄膜にも依然織布の表面凹凸が現われてい
た。pinヘテロフエイス型太陽電池デバイスは実
施例1と同様の条件で作製した。その性能を第1
表に示す。 比較例 基板として125μの厚みのポリイミドフイルム
を選び、このフイルムを×10-2Torrの真空下で
150℃、2Hrの乾燥を行なつた。この乾燥したポ
リイミドフイルムをスパツタリング装置に装着
し、タングステンをターゲツトとして厚さ1.5μの
タングステン薄膜を裏面電極として形成させた。
非晶質シリコン薄膜は容量結合方式の高周波
(13.56MHz)グロー放電装置を用いて、前記裏面
電極を形成させた基板をグロー放電装置のアノー
ド側の電極上に緊張下で装着し、8×10-6Torr
に配置しながら250℃にこの基板を加熱した。そ
の後、窒素ガス(N2)を500ml/min導入し
1.0Torr窒素ガス雰囲気で200Wの高周波電力を
印加し基板のイオンボンバードを20分行ない、基
板をクリーニングした。次に、水素ガスで10%に
希釈したシランガスと水素ガスで0.1%に希釈し
たホスフインガスをグロー放電装置内に導入し、
6×10-1Torrのこのガス雰囲気で100Wの高周波
電力を印加し、200Åのn型の非晶質シリコン薄
膜を形成した。次いで水素ガスとシランガスで前
記と同様にして、n型の非晶質シリコン薄膜上に
i型の非晶質薄膜を3000Åの厚みで形成させた。
次いで、水素ガスで10%のシランガスと水素ガス
で0.1%に希釈したジボランガスをグロー放電装
置内に導入し、i型非晶質シリコン薄膜上に300
Åのp型非晶質シリコン薄膜を形成させ、布帛基
板上にpin型の非晶質シリコン薄膜を設けた。こ
のようにして得たpin型非晶質シリコン薄膜をス
パツタ装置に装着し、酸化錫−酸化インジウム薄
膜を1000Å堆積させ、ヘテロフエイス層とした。
最後にこのヘテロフエイス層上に収集電極として
パラジウムを1000Åくし形に堆積させ、可撓性ポ
リイミドフイルム基板上にpinヘテロフエイス型
太陽電池デバイスを得た。このデバイスの性能も
第1表に併記した。 【表】
図面はクラスタイオンビーム装置の基本構成の
説明図である。 図において、4はるつぼ、5はノズル、6はガ
ス導入管、7はイオン化電極、8は加速電極、9
は基板である。
説明図である。 図において、4はるつぼ、5はノズル、6はガ
ス導入管、7はイオン化電極、8は加速電極、9
は基板である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 繊維布帛状物からなる可撓性の基板と、 前記基板中の少なくとも前記繊維の表面上に
0.1〜10μmの範囲内の厚さに導電性ペースト状物
が塗布されてなる電気的に連続した裏面電極層
と、 前記裏面電極層上に形成された非晶質シリコン
薄膜と を含むことを特徴とする非晶質シリコン太陽電
池。 2 前記非晶質シリコン薄膜は、クラスタイオン
ビーム法によつて形成されていることを特徴とす
る特許請求の範囲第1項記載の非晶質シリコン太
陽電池。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58187310A JPS6079780A (ja) | 1983-10-05 | 1983-10-05 | 非晶質シリコン太陽電池 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP58187310A JPS6079780A (ja) | 1983-10-05 | 1983-10-05 | 非晶質シリコン太陽電池 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6079780A JPS6079780A (ja) | 1985-05-07 |
| JPH0518272B2 true JPH0518272B2 (ja) | 1993-03-11 |
Family
ID=16203756
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP58187310A Granted JPS6079780A (ja) | 1983-10-05 | 1983-10-05 | 非晶質シリコン太陽電池 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6079780A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE102007050288A1 (de) * | 2007-10-18 | 2009-04-23 | Otto Hauser | Halbleiterbauteil |
-
1983
- 1983-10-05 JP JP58187310A patent/JPS6079780A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6079780A (ja) | 1985-05-07 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| CN102804392A (zh) | 半导体光学检测器结构 | |
| CN101627457B (zh) | 类金刚石碳多层掺杂生长的方法和器件 | |
| JP7149996B2 (ja) | シリコンナノ粒子の製造及びその使用における改良 | |
| JPS59143377A (ja) | 糸状太陽電池 | |
| WO2024113808A1 (zh) | 太阳电池及太阳电池的制备方法 | |
| JPH0518272B2 (ja) | ||
| US4161418A (en) | Ionized-cluster-beam deposition process for fabricating p-n junction semiconductor layers | |
| JPH05308143A (ja) | 太陽電池 | |
| JPH0550150B2 (ja) | ||
| KR101525904B1 (ko) | 탄소 섬유를 이용한 태양 전지의 제조 방법 및 이에 따른 태양 전지 | |
| JPS59143378A (ja) | 太陽電池 | |
| JPH0518269B2 (ja) | ||
| JPH0518271B2 (ja) | ||
| JP2000349314A (ja) | 光起電力素子の製造方法 | |
| JPH0550151B2 (ja) | ||
| JPH059947B2 (ja) | ||
| JPH0518270B2 (ja) | ||
| JP4012106B2 (ja) | 光起電力素子形成方法 | |
| JPH059946B2 (ja) | ||
| JP5802447B2 (ja) | 基板の半導体層にドープ領域を形成する方法および該方法の使用 | |
| JP2793750B2 (ja) | 光起電力素子及び発電システム | |
| CN118175859A (zh) | 一种具有复合涂层的钙钛矿电池用透明电极及其制备方法 | |
| JPH0368546B2 (ja) | ||
| CN118076194A (zh) | 一种钙钛矿电池及其生产方法 | |
| EP2286460A2 (en) | Improvements in and relating to textiles incorporating photovoltaic cells |