JPH0519486B2 - - Google Patents
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- JPH0519486B2 JPH0519486B2 JP61139346A JP13934686A JPH0519486B2 JP H0519486 B2 JPH0519486 B2 JP H0519486B2 JP 61139346 A JP61139346 A JP 61139346A JP 13934686 A JP13934686 A JP 13934686A JP H0519486 B2 JPH0519486 B2 JP H0519486B2
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Description
産業上の利用分野
本発明は、新規な窒化アルミニウム質粉末の製
造方法に関し、詳しくは、高密度で、かつ高熱伝
導性の窒化アルミニウム焼結体の原料に適した窒
化アルミニウム質粉末の製造方法に関するもので
ある。 従来の技術 窒化アルミニウムは優れた熱伝導性のため、高
熱伝導性基板、放熱部品などととして注目されて
いる。このような窒化アルミニウムは焼結体とし
て使用されるが、高純度で酸素含有量の小さい窒
化アルミニウム粉末は焼結性が悪いため、緻密な
焼結体を得ることが困難であつた。一方、窒化ア
ルミニウム焼結体中に存在する酸素が熱伝導性に
悪影響を与えることは、例えばジ−、I−、スラ
ツク,ジヤーナルオブ フイジツクス アンド
ケミストリー オブ ソリツズ(Slack,G.A.,
J.Phys.Chem.Solids)、Vol.34、pp.321−35
(1973)の第328〜329ページ、あるいは酒井利和、
他、窯業協会誌、Vol.86、pp.174−179(1978)の
第177ページ、図4に記載の如く周知である。こ
のため、高密度で同時に高熱伝導性の窒化アルミ
ニウム焼結体を製造することは極めて困難であつ
た。 特開昭60−127267は、上記のような問題点を解
決するため、自らが熱伝導の阻害要因となること
なく、窒化アルミニウム粉末中に存在する熱伝導
の阻害要因となる酸素を無害化すると共に、焼結
助剤として作用する希土類元素または希土類元素
含有物質を窒化アルミニウム粉末に添加し、この
混合粉末を焼結して得られる高熱伝導性窒化アル
ミニウム焼結体を提案するものである。 また、特開昭60−65768は、ランタン族金属、
イツトリウムなどの金属または金属化合物を含有
する窒化アルミニウム組成物を製造する方法の一
つとして、アルミナ粉末とカーボン粉末とを混合
するときに、前記金属または金属化合物を同時に
混合した後、窒素またはアンモニア雰囲気下で焼
成することを提案している。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、希土類元素を含有する高熱伝導
性窒化アルミニウム焼結体を得るためには、上記
引例のような従来の技術によれば、希土類元素ま
たは希土類元素含有物質を窒化アルミニウム粉末
あるいはアルミナ粉末とカーボン粉末との混合物
に添加混合する工程が不可欠であるが、前者のボ
ールミル混合や後者の湿式混合乾燥のような方法
によつて希土類元素を均一に分散できる程度には
限界があり、そのため焼結体を製造する工程にお
いて、希土類元素の好ましい効果を十分に発揮で
きない恐れがあつた。 そこで本発明者らは、上記の問題点を解決する
ため、先に、窒化アルミニウムを主成分とし、希
土類元素の化合物を主として窒化アルミニウム粉
末粒子内に固溶または極微細に均一分散してなる
窒化アルミニウム質粉末を提案すると共に、かか
る窒化アルミニウム質粉末を製造する方法とし
て、希土類元素の化合物を主としてアルミナ粉末
粒子内に固溶または極微細に均一分散してなるア
ルミナ質粉末と、カーボン粉末との混合組成物を
窒素を含む雰囲気中で焼成するという方法を提案
した。なお、上記のアルミナ質粉末の製造方法の
一例として、アルミニウム含有塩と希土類元素含
有塩との混合水溶液を水酸化アンモニウム水溶液
で中和して得られた水酸化物の沈澱を、十分に洗
浄した後、加熱して酸化物とし、所定粒子径に粉
砕するという方法を発明し、上記の提案に係る特
許出願明細書に記載した。 本発明者らは、上記の窒化アルミニウムを主成
分とし、希土類元素の化合物を主として窒化アル
ミニウム粉末粒子内に固溶または極微細に均一分
散してなる窒化アルミニウム質粉末の製造方法に
ついてさらに研究した結果、かかる窒化アルミニ
ウム質粉末を、本発明らの先の提案に係る方法よ
りも効率よく製造する方法に想到し、本発明を完
成するに至つた。 問題点を解決するための手段 本発明は、窒化アルミニウムを主成分とし、希
土類元素の化合物を主として窒化アルミニウム粒
子内に固溶または極微細に均一分散してなる窒化
アルミニウム質粉末の製造方法において、(a)
BET比表面積が10m2/g以上の活性アルミナを希
土類元素含有物質の水溶液に接触せしめた後乾燥
し、高級脂肪酸またはアルカリ土類金属の高級脂
肪酸塩の共存下で乾式粉砕して得たアルミナ質粉
末と、(b)カーボン粉末とを混合し、かくして得ら
れた混合組成物を窒素を含む雰囲気中で焼成する
ことを特徴とする窒化アルミニウム質粉末の製造
方法を提供するものである。 上記の希土類元素としては、イツトリウム(V)、
ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム
(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガ
ドリニウム(Gd)などが好適に使用される。こ
のような希土類元素は、1種でもよいし、2種以
上でもよい。また、このような希土類元素の窒化
アルミニウム質粉末への含有割合は、希土類元素
換算で0.01〜7重量%の範囲であることが好まし
い。0.01重量%未満では高密度の焼結体が得られ
ず、また7重量%を超えると焼結体の密度および
熱伝導率の増加割合は小さくなるので経済的でな
い。 本発明において、希土類元素の化合物が主とし
て窒化アルミニウム粉末粒子内に固溶または極微
細に均一分散している状態とは、化合物の形態を
有する該希土類元素の主要部分が1原子の単位ま
たは複数の原子の単位で該窒化アルミニウム粒子
内に分散している状態をいう。 このような状態の有無は、希土類元素の含有量
にもよるが、X線回折および分析機能を有する走
査・透過型電子顕微鏡を利用することによつて、
本発明における窒化アルミニウム質粉末と、単な
る窒化アルミニウム粉末と希土類元素の化合物と
の混合物を比較分析することによつて確認できる
場合が多い。すなわち、単なる混合物の場合に
は、X線回折によつて希土類元素化合物特有のピ
ークが検出される場合が多く、かつ電子顕微鏡に
よつて希土類元素は窒化アルミニウム粒子上には
検出されず、窒化アルミニウム粒子以外の場所に
検出される場合が多いが、本発明における窒化ア
ルミニウム質粉末の場合には、X線回折によつて
希土類元素化合物特有のピークは殆ど検出され
ず、かつ電子顕微鏡によつて希土類元素は窒化ア
ルミニウム粒子上に検出される場合が多く、窒化
アルミニウム粒子以外の場所には検出されない
か、または少量しか検出されない。 本発明における窒化アルミニウム質粉末の平均
粒子径は3μm以下であることが好ましい。平均
粒子径が3μmを超えると、本発明の好ましい効
果である高密度でかつ高熱伝導性を有する焼結体
が得られなくなる恐れがある。なお、本発明でい
う平均粒子径とは、44μm以上の粒子径範囲につ
いてはJIS標準篩による篩分析、44μm未満の粒
子径範囲については光透過沈降法による粒度分布
測定を行ない、両測定結果を総合して求められる
50重量%に対応する粒子径である。 本発明における窒化アルミニウム質粉末が上記
のような好ましい効果を発現する理由は現在明確
ではないが、希土類元素の化合物が窒化アルミニ
ウム質粉末粒子内に均一に分散しているため、焼
結反応に際して該粒子同士が如何なる点で接触し
ていても、その接点に希土類元素の化合物が直ち
に移行して焼結助剤として作用することとなるの
で緻密な焼結体が形成され、その結果、熱伝導性
も高くなるためと考えられる。 以下に、本発明の窒化アルミニウム質粉末を製
造方法についてさらに詳細に説明する。 先ず、本発明において原料として使用される活
性アルミナの比表面積は10m2/g以上、好ましく
は100m2/g以上である。本発明でいう活性アルミ
ナとは、少なくとも一部はα(アルフア)アルミ
ナ以外の結晶形を有するアルミナ(これらを総称
して「遷移アルミナ」または「中間アルミナ」と
呼ばれることが多い)または無定形のアルミナに
より構成されるアルミナのことである。遷移アル
ミナの例としては、x(カイ)アルミナ、k(カツ
パ)アルミナ、γ(ガンマ)アルミナ、δ(デル
タ)アルミナ、θ(シータ)アルミナ、η(イー
タ)アルミナなどが挙げられる。また、無定形の
アルミナとは、X線回折によつて本質的に如何な
る回折ピークも示さないアルミナのことである。
これらの遷移アルミナの単粒子は一般にαアルミ
ナの単粒子に比べて極めて小さく、通常の電子顕
微鏡法で観察される遷移アルミナの粒子は、これ
らの単粒子が集合して形成される二次粒子であ
る。これらの単粒子相互間には微細な間隙(以下
「細孔」という)が存在するので、各種の気体、
液体あるいは液体に溶存する低分子またはイオン
など原子オーダーに分散し得る物質は容易にこの
細孔に侵入し、遷移アルミナの二次粒子内に均一
分散することができる。 上記の二次粒子を形成している単粒子の細かさ
を示す尺度としては、窒素ガスなどの気体分子を
上記の細孔に侵入せしめたとき、吸着された気体
の量から計算した上記単粒子の比表面積、即ち
BET比表面積が好適に用いられる。活性アルミ
ナの比表面積が10m2/g未満であると、これを原
料として製造した窒化アルミニウム質粉末の粒子
内での希土類元素の化合物の分散が十分でなくな
る恐れがある。特に、本発明の製造方法による窒
化アルミニウム質粉末から窒化アルミニウム焼結
体を製造する工程において希土類元素の好ましい
効果を極めて十分に発揮させるためには、本発明
において原料として使用する活性アルミナの
BET比表面積は100m2/g以上であることが好まし
い。 本発明において使用される活性アルミナの平均
粒子径は特に限定されないが、通常は1〜80μm
のものが好適に用いられる。 また、上記の活性アルミナの純度は、99.5重量
%以上(陽イオンを酸化物換算で差引いた純度)
であることが好ましい。純度が99.5重量%未満の
場合には、本発明における窒化アルミニウム質粉
末から製造された焼結体の陽イオン不純物含有量
が大きくなり、十分に高密度でかつ高熱伝導性の
焼結体が得られなくなる恐れがある。 次に、上記の活性アルミナに希土類元素を吸着
させるため、活性アルミナを希土類元素含有物質
の水溶液に接触せしめる。本発明において活性ア
ルミナを希土類元素含有物質の水溶液に接触せし
める方法としては、活性アルミナを該水溶液に浸
漬する方法、活性アルミナに該水溶液を噴霧する
方法など活性アルミナと該水溶液との接触を所定
時間にわたつて維持できる如何なる方法も使用で
きる。便宜上、以下には浸漬する方法についての
み説明するが、これは本発明の方法を限定するも
のではない。 希土類元素含有物質としては、例えば、塩化イ
ツトリウム、硝酸サマリウムなどの希土類元素含
有塩が好適に用いられる。かかる希土類元素含有
物質を、例えば0.1〜1N程度の濃度(希土類元素
陽イオン換算)になるように水に溶解して水溶液
とし、これに活性アルミナを添加してスラリーと
する。この際、水溶液に対する活性アルミナの添
加割合は目標とする希土類元素の吸着量、該水溶
液中の希土類元素の種類および濃度、希土類元素
含有物質の化学的性質、活性アルミナのBET比
表面積などの特性値を考慮して定めるのが望まし
いことは言うまでもないが、浸漬操作を容易に行
なうためには、100〜500s/(水溶液1に対す
る活性アルミナのg数)とすることが最も好まし
い。かかる活性アルミナの浸漬は、該スラリーを
静置して行なつてもよいが、活性アルミナへの希
土類元素の吸着速度を大きくするためには、該ス
ラリーを撹拌することが好ましい。活性アルミナ
の浸漬は、室温で行なつてもよいが希土類元素の
吸着速度を大きくするため、スラリーの温度を高
めて行なつてもよい。活性アルミナの浸漬の時間
は、他の条件によつて変わるが、通常は5分以上
が好ましい。 ついで、上記のごとく希土類元素含有物質の水
溶液中に浸漬した活性アルミナを乾燥する。乾燥
に際し、活性アルミナを含有するスラリーは、減
圧濾過、加圧濾過、遠心力脱液、重力沈降分離な
どの既知の固液分離法により希土類元素を吸着し
た活性アルミナの付着液分を減らしてから乾燥す
ることが好ましい。固液分離により分離された水
溶液は、まだ希土類元素含有物質を溶存している
ので、これにさらに希土類元素含有物質を添加溶
解せしめて希土類元素の濃度を調整し、以後の活
性アルミナの浸漬に再使用することができる。乾
燥方法としては、減圧乾燥、常圧加熱乾燥、フラ
ツシユ乾燥など既知の方法を適宜使用できる。乾
燥温度は、使用する乾燥方法において活性アルミ
ナの物理吸着水分が実質的に除去される温度であ
ればよいが、希土類元素を吸着した活性アルミナ
を著しく変質させないためには500℃以下が好ま
しい。 上記のごとくして得られた希土類元素を吸着し
た活性アルミナの乾燥物は、乾燥方法によつて形
状および大きさは異なるが、塊状または粒状の凝
集体であるから、これを窒化アルミニウム質粉末
の原料とするためには、適当な粒径になるまで粉
砕する。粉砕方式としては、水性溶媒中での湿式
粉砕は活性アルミナに吸着している希土類元素が
脱着する恐れがあると共に、粉砕後の活性アルミ
ナを再度乾燥すれば再び凝集体を形成するので不
適当であり、非水溶媒中での湿式粉砕は経済性に
問題があり、従つて乾式粉砕であることが必要で
ある。 しかしながら、かかる活性性アルミナの乾燥物
を既知の設備、例えば回転式ボールミル、振動ボ
ールミルなどで乾式粉砕するときは、活性アルミ
ナ特有の凝集力によつてそれ自体凝集体を形成す
ると共に、ボールなどの粉砕媒体およびミルなど
の粉砕装置の内壁に付着する結果、一定の限界以
上に粉砕効果を発揮することができず、かくして
得られた粉砕物にカーボン粉末を混合して窒素を
含む雰囲気中で焼成しても、十分に微細な窒化ア
ルミニウム質粉末を得るためには相当な困難を伴
う。 上記の事情に鑑み、本発明者らはかかる活性ア
ルミナの乾燥物を効果的に粉砕できるような乾式
粉砕方法につき鋭意研究した結果、該活性アルミ
ナの乾燥物の乾式粉砕に際し、高級脂肪酸または
アルカリ土類金属の高級脂肪酸塩を添加共存させ
ると、該活性アルミナ自体の凝集も粉砕媒体ある
いは粉砕装置内壁への該活性アルミナの付着が殆
ど発生せず、かくして得られた粉砕物にカーボン
粉末を混合して窒素を含む雰囲気中で焼成すれば
十分に微細な窒化アルミニウム質粉末が得られる
ことを見出した。かかる好ましい効果は上記以外
の粉砕時添加物、例えば他の粉砕助剤あるいは界
面活性剤の使用によつては得られないものであ
る。 上記の高級脂肪酸としては、例えばバルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およ
びリノレン酸、また、上記のアルカリ土類金属の
高級脂肪酸塩としては、例えば前記例示の各脂肪
酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチ
ウム塩およびバリウム塩が好適に用いられる。か
かるアルカリ土類金属塩を使用した場合、これら
の金属元素は化合物として本発明における窒化ア
ルミニウム質粉末中に残留することになるが、こ
の事は該窒化アルミニウム質粉末から得られた焼
結体の熱伝導性などの物性を何ら劣化させるもの
ではなく、むしろ焼結体の高密度化を促進すると
いう好ましい効果を有する。 本発明における活性アルミナの乾燥物に対する
高級脂肪酸またはアルカリ土類金属の高級脂肪酸
塩の添加共存割合は特に限定されないが、効果と
経済性とを同時に考慮すれば、0.01〜10重量%の
範囲が好ましく、特に0.05〜3重量%の範囲が最
も好ましい。 ついで、上記のごとくして得られた希土類元素
を吸着した活性アルミナをカーボン粉末と混合す
る。本発明におけるこの混合操作は、上記により
粉砕された活性アルミナ、すなわち本発明におけ
るアルミナ質粉末について行つてもよいし、上記
の活性アルミナの乾燥物の粉砕時にカーボン粉末
を添加して粉砕と混合とを同時に行なつてもよ
い。本発明におけるアルミナ質粉末とカーボン粉
末とを混合する場合には、その混合方法として
は、回転式ボールミル中にボールと共にこれらの
粉末を入れて混合するなど、既知の如何なる方法
を用いてもよい。 本発明において使用するカーボ粉末の平均粒子
径は1μm以下であることが好ましい。平均粒子
径が1μmを超えると、アルミナ質粉末との混合
が不十分になる恐れがある。また、カーボン粉末
の灰分は0.2重量%以下であることが好ましく、
0.2重量%を超えると本発明における窒化アルミ
ニウム質粉末から製造した焼結体の物性が劣化す
る恐れがある。 アルミナ質粉末とカーボン粉末との混合割合
は、重量比で1:0.4〜1:4の範囲であること
が好ましい。カーボン粉末の混合割合が0.4未満
あると還元窒化反応が十分に進行しない恐れがあ
り、4を超えると還元窒化反応後に未反応のカー
ボンの酸化除去を行なつてもカーボンを十分に除
去できなくなる恐れがある。 さらに、上記のごとくして得られたアルミナ質
粉末とカボン粉末との混合組成物を窒素を含む雰
囲気中で焼成して還元窒化反応を進行せしめ、窒
化アルミニウム質粉末を得る。焼成温度は、1400
〜1700℃が好ましい。焼成温度が1400℃未満の場
合には還元窒化反応が十分に進行するのに著しく
長時間を要し、また1700℃を超えると窒化アルミ
ニウムの揮発損失が多くなると共に窒化アルミニ
ウム質粉末の平均粒子径が増大して本発明におけ
る好ましい窒化アルミニウム質粉末が得られなく
なる恐れがある。 なお、上記のようにして得られた窒化アルミニ
ウム質粉末は、通常は未反応のカーボンを含んで
いるので、これを酸化除去することが好ましい。
この酸化除去は、例えば、還元窒化反応後の窒化
アルミニウム質粉末を空気などの酸化性ガス中で
500〜1000℃の温度で加熱することにより行なう
ことができる。 実施例 以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 平均粒子径53μm、純度99.81重量%、BET比
表面積45m2/gであり、結晶形としてk(カツパ)
アルミナ、γ(ガンマ)アルミナおよびδ(デル
タ)アルミナを含有する活性アルミナ100gを、
塩化サマリウムの0.1N水溶液500mlに添加してス
ラリーとし、このスラリーの温度を40℃に保ちな
がら2時間撹拌した後、減圧濾過により塩化サマ
リウムを吸着した活性アルミナのケーキを得た。
このケーキを150℃で5時間乾燥して乾燥物とし
た後、この乾燥物100重量部に対しオレイン酸1.0
重量部を加え、アルミナ製ポツトミル中にアルミ
ナ製ボールと共に入れ、15時間粉砕してアルミナ
質粉末を得た。電子顕微鏡による該アルミナ質粉
末の粒径は概略1μm未満であつた。 次いで、このアルミナ質粉末10gと灰分0.10
重量%で平均粒子径0.4μmのカーボンブラツク5g
をナイロン製ポツトミル中にナイロン製ボールと
共に入れて混合した。このようにして得られた混
合物を高純度黒鉛製平皿に移し、黒鉛製炉心管を
用いた管状焼成炉に入れ、窒素ガスを5/min
の速度で供給しながら1550℃で6時間焼成した。
焼成物を空気中で700℃で4時間加熱することに
より未反応のカーボンを酸化除去した。このよう
にして得られた窒化アルミニウム質粉末は、X線
回折によつて窒化アルミニウム以外の明確なピー
クが認められず、X線マイクロアナライザーによ
つて全面にサマリイムが検出され、かつ走査型電
子顕微鏡による反射電子像において窒化アルミニ
ウム質粉末上にサマリウム化合物のクラスターに
起因すると思われる均一に分散した明るい斑点が
認められた。 さらに、上記の窒化アルミニウム質粉末2gを
直径10mmのカーボン型に充填し、圧力300Kgf/cm2、
温度1800℃の条件で、窒素雰囲気中で0.5時間ホ
ツトプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。 比較例 1 酸素含有量1.0重量%、陽イオン不純物含有量
(Fe,Si,Ca,Naの合計)0.005重量%、平均粒
子径1.5μmの窒化アルミニウム粉末100重量部と
平均粒子径1.0μmの酸化サマリウム粉末2.0重量
部とをナイロン製ポツトミル中にナイロン製ボー
ルと共に入れて混合した。このようにして得られ
た混合粉末は、X線回折によつて酸化サマリウム
のピークが検出され、X線マイクロアナライザー
によつても全面にサマリイムが検出されたが、走
査型電子顕微鏡による反射電子像においては窒化
アルミニウム粉末上にサマリウム化合物のクラス
ターの均一分散を示すような明るい斑点は認めら
れなかつた。 次いで、この混合粉末を用い、実施例1と同様
にホツトプレスを行なつて窒化アルミニウム焼結
体を得た。 上記の実施例1および比較例1により得られた
焼結体をそれぞれ3mmの厚さに研磨した後、密度
およびレーザーフラツシユ法による熱伝導率を測
定した。 上記の実施例1および比較例1の結果を第1表
に示す。 実施例 2 平均粒子径12μm、純度99.85重量%、BET比
表面積127m2/gであり、結晶形としてx(カイ)
アルミナおよびγ(ガンマ)アルミナを含有する
活性アルミナ100gを、塩化サリマウム0.1Nと塩
化ガドリニウム0.1Nとの混合水溶液300mlに添加
してスラリーとし、このスラリーの温度を40℃に
保ちながら1時間撹拌した後、減圧濾過により塩
化サマリウムおよび塩化ガドリニウムを吸着した
活性アルミナのケーキを得た。このケーキを150
℃で5時間乾燥して乾燥物とした後、この乾燥物
100重量部に対しステアリン酸2.0重量部および実
施例1と同様のカーボンブラツク50重量部を加
え、アルミナ製ポールミル中にアルミナ製ボール
と共に入れ15時間粉砕することにより、アルミナ
質粉末とカーボンブラツクとの混合物を得た。こ
の混合物15gを実施例1と同様に窒素ガス流中で
焼成し、ついで未反応のカーボンを酸化除去する
ことにより窒化アルミニウム質粉末を得た。 さらに、実施例1と同様に行なつて窒化アルミ
ニウム焼結体を得た。 比較例 2 比較例1と同様の窒化アルミニウム粉末100重
量部、平均粒子径1.0μmの酸化サマリウム粉末
0.8重量部および平均粒子径1.0μmの酸化ガドリ
ニウム粉末1.2重量部との混合粉末を用い、実施
例1と同様にホツトプレスを行なつて窒化アルミ
ニウム焼結体を得た。 上記の実施例2および比較例2により得られた
焼結体について、実施例1と同様に行なつて密度
および熱伝導率を測定した。 上記の実施例2および比較例2の結果を第1表
に示す。 実施例 平均粒子径2.9μm、純度99.96重量%、BET比
表面積264m2/gであり、結晶形としてx(カイ)
アルミナを含有する活性アルミナ100%を、硝酸
イツトリウムの0.5N水溶液500mlに添加してスラ
リーとし、このスラリーの温度を40℃に保ちなが
ら1時間撹拌した後、減圧濾過により硝酸イツト
リウムを吸着した活性アルミナのケーキを得た。
このケーキを150℃で5時間乾燥して乾燥物とし
た後、この乾燥物100重量部に対しステアリン酸
カルシウム0.2重量部を加え、アルミナ製ポツト
ミル中にアルミナ製ボールと共に入れ、15時間粉
砕してアルミナ質粉末を得た。 次いで、このアルミナ質粉末20gと実施例1と
同様のカーボンブラツク10gとを用い、実施例1
と同様に行なつて窒化アルミニウム質粉末を得
た。 さらに、この窒化アルミニウム質粉末100重量
部に、パラフイン5重量部を添加し、造粒した
後、300Kgf/cm2の圧力で冷間成形して20mm×20mm
×10mmの板状成形体を得た。この成形体を300℃
まで徐々に加熱し、1時間保持して脱脂した後、
窒化アルミニウム容器中に置き、窒素ガス雰囲気
中で1800℃の温度で1時間常圧焼結して窒化アル
ミニウム焼結体を得た。 比較例 3 比較例1と同様の窒化アルミニウム粉末100重
量部と平均粒子径1.0μmの酸化イツトリウム粉末
8.0重量部との混合物を用い、実施例3と同様に
造粒、成形および焼結を行なつて窒化アルミニウ
ム窒化アルミニウム焼結体を得た。 上記の実施例3および比較例3により得られた
焼結体について、実施例1と同様に行なつて密度
および熱伝導率を測定した。 上記の実施例3および比較例3の結果を第1表
に示す。
造方法に関し、詳しくは、高密度で、かつ高熱伝
導性の窒化アルミニウム焼結体の原料に適した窒
化アルミニウム質粉末の製造方法に関するもので
ある。 従来の技術 窒化アルミニウムは優れた熱伝導性のため、高
熱伝導性基板、放熱部品などととして注目されて
いる。このような窒化アルミニウムは焼結体とし
て使用されるが、高純度で酸素含有量の小さい窒
化アルミニウム粉末は焼結性が悪いため、緻密な
焼結体を得ることが困難であつた。一方、窒化ア
ルミニウム焼結体中に存在する酸素が熱伝導性に
悪影響を与えることは、例えばジ−、I−、スラ
ツク,ジヤーナルオブ フイジツクス アンド
ケミストリー オブ ソリツズ(Slack,G.A.,
J.Phys.Chem.Solids)、Vol.34、pp.321−35
(1973)の第328〜329ページ、あるいは酒井利和、
他、窯業協会誌、Vol.86、pp.174−179(1978)の
第177ページ、図4に記載の如く周知である。こ
のため、高密度で同時に高熱伝導性の窒化アルミ
ニウム焼結体を製造することは極めて困難であつ
た。 特開昭60−127267は、上記のような問題点を解
決するため、自らが熱伝導の阻害要因となること
なく、窒化アルミニウム粉末中に存在する熱伝導
の阻害要因となる酸素を無害化すると共に、焼結
助剤として作用する希土類元素または希土類元素
含有物質を窒化アルミニウム粉末に添加し、この
混合粉末を焼結して得られる高熱伝導性窒化アル
ミニウム焼結体を提案するものである。 また、特開昭60−65768は、ランタン族金属、
イツトリウムなどの金属または金属化合物を含有
する窒化アルミニウム組成物を製造する方法の一
つとして、アルミナ粉末とカーボン粉末とを混合
するときに、前記金属または金属化合物を同時に
混合した後、窒素またはアンモニア雰囲気下で焼
成することを提案している。 発明が解決しようとする問題点 しかしながら、希土類元素を含有する高熱伝導
性窒化アルミニウム焼結体を得るためには、上記
引例のような従来の技術によれば、希土類元素ま
たは希土類元素含有物質を窒化アルミニウム粉末
あるいはアルミナ粉末とカーボン粉末との混合物
に添加混合する工程が不可欠であるが、前者のボ
ールミル混合や後者の湿式混合乾燥のような方法
によつて希土類元素を均一に分散できる程度には
限界があり、そのため焼結体を製造する工程にお
いて、希土類元素の好ましい効果を十分に発揮で
きない恐れがあつた。 そこで本発明者らは、上記の問題点を解決する
ため、先に、窒化アルミニウムを主成分とし、希
土類元素の化合物を主として窒化アルミニウム粉
末粒子内に固溶または極微細に均一分散してなる
窒化アルミニウム質粉末を提案すると共に、かか
る窒化アルミニウム質粉末を製造する方法とし
て、希土類元素の化合物を主としてアルミナ粉末
粒子内に固溶または極微細に均一分散してなるア
ルミナ質粉末と、カーボン粉末との混合組成物を
窒素を含む雰囲気中で焼成するという方法を提案
した。なお、上記のアルミナ質粉末の製造方法の
一例として、アルミニウム含有塩と希土類元素含
有塩との混合水溶液を水酸化アンモニウム水溶液
で中和して得られた水酸化物の沈澱を、十分に洗
浄した後、加熱して酸化物とし、所定粒子径に粉
砕するという方法を発明し、上記の提案に係る特
許出願明細書に記載した。 本発明者らは、上記の窒化アルミニウムを主成
分とし、希土類元素の化合物を主として窒化アル
ミニウム粉末粒子内に固溶または極微細に均一分
散してなる窒化アルミニウム質粉末の製造方法に
ついてさらに研究した結果、かかる窒化アルミニ
ウム質粉末を、本発明らの先の提案に係る方法よ
りも効率よく製造する方法に想到し、本発明を完
成するに至つた。 問題点を解決するための手段 本発明は、窒化アルミニウムを主成分とし、希
土類元素の化合物を主として窒化アルミニウム粒
子内に固溶または極微細に均一分散してなる窒化
アルミニウム質粉末の製造方法において、(a)
BET比表面積が10m2/g以上の活性アルミナを希
土類元素含有物質の水溶液に接触せしめた後乾燥
し、高級脂肪酸またはアルカリ土類金属の高級脂
肪酸塩の共存下で乾式粉砕して得たアルミナ質粉
末と、(b)カーボン粉末とを混合し、かくして得ら
れた混合組成物を窒素を含む雰囲気中で焼成する
ことを特徴とする窒化アルミニウム質粉末の製造
方法を提供するものである。 上記の希土類元素としては、イツトリウム(V)、
ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム
(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ガ
ドリニウム(Gd)などが好適に使用される。こ
のような希土類元素は、1種でもよいし、2種以
上でもよい。また、このような希土類元素の窒化
アルミニウム質粉末への含有割合は、希土類元素
換算で0.01〜7重量%の範囲であることが好まし
い。0.01重量%未満では高密度の焼結体が得られ
ず、また7重量%を超えると焼結体の密度および
熱伝導率の増加割合は小さくなるので経済的でな
い。 本発明において、希土類元素の化合物が主とし
て窒化アルミニウム粉末粒子内に固溶または極微
細に均一分散している状態とは、化合物の形態を
有する該希土類元素の主要部分が1原子の単位ま
たは複数の原子の単位で該窒化アルミニウム粒子
内に分散している状態をいう。 このような状態の有無は、希土類元素の含有量
にもよるが、X線回折および分析機能を有する走
査・透過型電子顕微鏡を利用することによつて、
本発明における窒化アルミニウム質粉末と、単な
る窒化アルミニウム粉末と希土類元素の化合物と
の混合物を比較分析することによつて確認できる
場合が多い。すなわち、単なる混合物の場合に
は、X線回折によつて希土類元素化合物特有のピ
ークが検出される場合が多く、かつ電子顕微鏡に
よつて希土類元素は窒化アルミニウム粒子上には
検出されず、窒化アルミニウム粒子以外の場所に
検出される場合が多いが、本発明における窒化ア
ルミニウム質粉末の場合には、X線回折によつて
希土類元素化合物特有のピークは殆ど検出され
ず、かつ電子顕微鏡によつて希土類元素は窒化ア
ルミニウム粒子上に検出される場合が多く、窒化
アルミニウム粒子以外の場所には検出されない
か、または少量しか検出されない。 本発明における窒化アルミニウム質粉末の平均
粒子径は3μm以下であることが好ましい。平均
粒子径が3μmを超えると、本発明の好ましい効
果である高密度でかつ高熱伝導性を有する焼結体
が得られなくなる恐れがある。なお、本発明でい
う平均粒子径とは、44μm以上の粒子径範囲につ
いてはJIS標準篩による篩分析、44μm未満の粒
子径範囲については光透過沈降法による粒度分布
測定を行ない、両測定結果を総合して求められる
50重量%に対応する粒子径である。 本発明における窒化アルミニウム質粉末が上記
のような好ましい効果を発現する理由は現在明確
ではないが、希土類元素の化合物が窒化アルミニ
ウム質粉末粒子内に均一に分散しているため、焼
結反応に際して該粒子同士が如何なる点で接触し
ていても、その接点に希土類元素の化合物が直ち
に移行して焼結助剤として作用することとなるの
で緻密な焼結体が形成され、その結果、熱伝導性
も高くなるためと考えられる。 以下に、本発明の窒化アルミニウム質粉末を製
造方法についてさらに詳細に説明する。 先ず、本発明において原料として使用される活
性アルミナの比表面積は10m2/g以上、好ましく
は100m2/g以上である。本発明でいう活性アルミ
ナとは、少なくとも一部はα(アルフア)アルミ
ナ以外の結晶形を有するアルミナ(これらを総称
して「遷移アルミナ」または「中間アルミナ」と
呼ばれることが多い)または無定形のアルミナに
より構成されるアルミナのことである。遷移アル
ミナの例としては、x(カイ)アルミナ、k(カツ
パ)アルミナ、γ(ガンマ)アルミナ、δ(デル
タ)アルミナ、θ(シータ)アルミナ、η(イー
タ)アルミナなどが挙げられる。また、無定形の
アルミナとは、X線回折によつて本質的に如何な
る回折ピークも示さないアルミナのことである。
これらの遷移アルミナの単粒子は一般にαアルミ
ナの単粒子に比べて極めて小さく、通常の電子顕
微鏡法で観察される遷移アルミナの粒子は、これ
らの単粒子が集合して形成される二次粒子であ
る。これらの単粒子相互間には微細な間隙(以下
「細孔」という)が存在するので、各種の気体、
液体あるいは液体に溶存する低分子またはイオン
など原子オーダーに分散し得る物質は容易にこの
細孔に侵入し、遷移アルミナの二次粒子内に均一
分散することができる。 上記の二次粒子を形成している単粒子の細かさ
を示す尺度としては、窒素ガスなどの気体分子を
上記の細孔に侵入せしめたとき、吸着された気体
の量から計算した上記単粒子の比表面積、即ち
BET比表面積が好適に用いられる。活性アルミ
ナの比表面積が10m2/g未満であると、これを原
料として製造した窒化アルミニウム質粉末の粒子
内での希土類元素の化合物の分散が十分でなくな
る恐れがある。特に、本発明の製造方法による窒
化アルミニウム質粉末から窒化アルミニウム焼結
体を製造する工程において希土類元素の好ましい
効果を極めて十分に発揮させるためには、本発明
において原料として使用する活性アルミナの
BET比表面積は100m2/g以上であることが好まし
い。 本発明において使用される活性アルミナの平均
粒子径は特に限定されないが、通常は1〜80μm
のものが好適に用いられる。 また、上記の活性アルミナの純度は、99.5重量
%以上(陽イオンを酸化物換算で差引いた純度)
であることが好ましい。純度が99.5重量%未満の
場合には、本発明における窒化アルミニウム質粉
末から製造された焼結体の陽イオン不純物含有量
が大きくなり、十分に高密度でかつ高熱伝導性の
焼結体が得られなくなる恐れがある。 次に、上記の活性アルミナに希土類元素を吸着
させるため、活性アルミナを希土類元素含有物質
の水溶液に接触せしめる。本発明において活性ア
ルミナを希土類元素含有物質の水溶液に接触せし
める方法としては、活性アルミナを該水溶液に浸
漬する方法、活性アルミナに該水溶液を噴霧する
方法など活性アルミナと該水溶液との接触を所定
時間にわたつて維持できる如何なる方法も使用で
きる。便宜上、以下には浸漬する方法についての
み説明するが、これは本発明の方法を限定するも
のではない。 希土類元素含有物質としては、例えば、塩化イ
ツトリウム、硝酸サマリウムなどの希土類元素含
有塩が好適に用いられる。かかる希土類元素含有
物質を、例えば0.1〜1N程度の濃度(希土類元素
陽イオン換算)になるように水に溶解して水溶液
とし、これに活性アルミナを添加してスラリーと
する。この際、水溶液に対する活性アルミナの添
加割合は目標とする希土類元素の吸着量、該水溶
液中の希土類元素の種類および濃度、希土類元素
含有物質の化学的性質、活性アルミナのBET比
表面積などの特性値を考慮して定めるのが望まし
いことは言うまでもないが、浸漬操作を容易に行
なうためには、100〜500s/(水溶液1に対す
る活性アルミナのg数)とすることが最も好まし
い。かかる活性アルミナの浸漬は、該スラリーを
静置して行なつてもよいが、活性アルミナへの希
土類元素の吸着速度を大きくするためには、該ス
ラリーを撹拌することが好ましい。活性アルミナ
の浸漬は、室温で行なつてもよいが希土類元素の
吸着速度を大きくするため、スラリーの温度を高
めて行なつてもよい。活性アルミナの浸漬の時間
は、他の条件によつて変わるが、通常は5分以上
が好ましい。 ついで、上記のごとく希土類元素含有物質の水
溶液中に浸漬した活性アルミナを乾燥する。乾燥
に際し、活性アルミナを含有するスラリーは、減
圧濾過、加圧濾過、遠心力脱液、重力沈降分離な
どの既知の固液分離法により希土類元素を吸着し
た活性アルミナの付着液分を減らしてから乾燥す
ることが好ましい。固液分離により分離された水
溶液は、まだ希土類元素含有物質を溶存している
ので、これにさらに希土類元素含有物質を添加溶
解せしめて希土類元素の濃度を調整し、以後の活
性アルミナの浸漬に再使用することができる。乾
燥方法としては、減圧乾燥、常圧加熱乾燥、フラ
ツシユ乾燥など既知の方法を適宜使用できる。乾
燥温度は、使用する乾燥方法において活性アルミ
ナの物理吸着水分が実質的に除去される温度であ
ればよいが、希土類元素を吸着した活性アルミナ
を著しく変質させないためには500℃以下が好ま
しい。 上記のごとくして得られた希土類元素を吸着し
た活性アルミナの乾燥物は、乾燥方法によつて形
状および大きさは異なるが、塊状または粒状の凝
集体であるから、これを窒化アルミニウム質粉末
の原料とするためには、適当な粒径になるまで粉
砕する。粉砕方式としては、水性溶媒中での湿式
粉砕は活性アルミナに吸着している希土類元素が
脱着する恐れがあると共に、粉砕後の活性アルミ
ナを再度乾燥すれば再び凝集体を形成するので不
適当であり、非水溶媒中での湿式粉砕は経済性に
問題があり、従つて乾式粉砕であることが必要で
ある。 しかしながら、かかる活性性アルミナの乾燥物
を既知の設備、例えば回転式ボールミル、振動ボ
ールミルなどで乾式粉砕するときは、活性アルミ
ナ特有の凝集力によつてそれ自体凝集体を形成す
ると共に、ボールなどの粉砕媒体およびミルなど
の粉砕装置の内壁に付着する結果、一定の限界以
上に粉砕効果を発揮することができず、かくして
得られた粉砕物にカーボン粉末を混合して窒素を
含む雰囲気中で焼成しても、十分に微細な窒化ア
ルミニウム質粉末を得るためには相当な困難を伴
う。 上記の事情に鑑み、本発明者らはかかる活性ア
ルミナの乾燥物を効果的に粉砕できるような乾式
粉砕方法につき鋭意研究した結果、該活性アルミ
ナの乾燥物の乾式粉砕に際し、高級脂肪酸または
アルカリ土類金属の高級脂肪酸塩を添加共存させ
ると、該活性アルミナ自体の凝集も粉砕媒体ある
いは粉砕装置内壁への該活性アルミナの付着が殆
ど発生せず、かくして得られた粉砕物にカーボン
粉末を混合して窒素を含む雰囲気中で焼成すれば
十分に微細な窒化アルミニウム質粉末が得られる
ことを見出した。かかる好ましい効果は上記以外
の粉砕時添加物、例えば他の粉砕助剤あるいは界
面活性剤の使用によつては得られないものであ
る。 上記の高級脂肪酸としては、例えばバルミチン
酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およ
びリノレン酸、また、上記のアルカリ土類金属の
高級脂肪酸塩としては、例えば前記例示の各脂肪
酸のマグネシウム塩、カルシウム塩、ストロンチ
ウム塩およびバリウム塩が好適に用いられる。か
かるアルカリ土類金属塩を使用した場合、これら
の金属元素は化合物として本発明における窒化ア
ルミニウム質粉末中に残留することになるが、こ
の事は該窒化アルミニウム質粉末から得られた焼
結体の熱伝導性などの物性を何ら劣化させるもの
ではなく、むしろ焼結体の高密度化を促進すると
いう好ましい効果を有する。 本発明における活性アルミナの乾燥物に対する
高級脂肪酸またはアルカリ土類金属の高級脂肪酸
塩の添加共存割合は特に限定されないが、効果と
経済性とを同時に考慮すれば、0.01〜10重量%の
範囲が好ましく、特に0.05〜3重量%の範囲が最
も好ましい。 ついで、上記のごとくして得られた希土類元素
を吸着した活性アルミナをカーボン粉末と混合す
る。本発明におけるこの混合操作は、上記により
粉砕された活性アルミナ、すなわち本発明におけ
るアルミナ質粉末について行つてもよいし、上記
の活性アルミナの乾燥物の粉砕時にカーボン粉末
を添加して粉砕と混合とを同時に行なつてもよ
い。本発明におけるアルミナ質粉末とカーボン粉
末とを混合する場合には、その混合方法として
は、回転式ボールミル中にボールと共にこれらの
粉末を入れて混合するなど、既知の如何なる方法
を用いてもよい。 本発明において使用するカーボ粉末の平均粒子
径は1μm以下であることが好ましい。平均粒子
径が1μmを超えると、アルミナ質粉末との混合
が不十分になる恐れがある。また、カーボン粉末
の灰分は0.2重量%以下であることが好ましく、
0.2重量%を超えると本発明における窒化アルミ
ニウム質粉末から製造した焼結体の物性が劣化す
る恐れがある。 アルミナ質粉末とカーボン粉末との混合割合
は、重量比で1:0.4〜1:4の範囲であること
が好ましい。カーボン粉末の混合割合が0.4未満
あると還元窒化反応が十分に進行しない恐れがあ
り、4を超えると還元窒化反応後に未反応のカー
ボンの酸化除去を行なつてもカーボンを十分に除
去できなくなる恐れがある。 さらに、上記のごとくして得られたアルミナ質
粉末とカボン粉末との混合組成物を窒素を含む雰
囲気中で焼成して還元窒化反応を進行せしめ、窒
化アルミニウム質粉末を得る。焼成温度は、1400
〜1700℃が好ましい。焼成温度が1400℃未満の場
合には還元窒化反応が十分に進行するのに著しく
長時間を要し、また1700℃を超えると窒化アルミ
ニウムの揮発損失が多くなると共に窒化アルミニ
ウム質粉末の平均粒子径が増大して本発明におけ
る好ましい窒化アルミニウム質粉末が得られなく
なる恐れがある。 なお、上記のようにして得られた窒化アルミニ
ウム質粉末は、通常は未反応のカーボンを含んで
いるので、これを酸化除去することが好ましい。
この酸化除去は、例えば、還元窒化反応後の窒化
アルミニウム質粉末を空気などの酸化性ガス中で
500〜1000℃の温度で加熱することにより行なう
ことができる。 実施例 以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。 実施例 1 平均粒子径53μm、純度99.81重量%、BET比
表面積45m2/gであり、結晶形としてk(カツパ)
アルミナ、γ(ガンマ)アルミナおよびδ(デル
タ)アルミナを含有する活性アルミナ100gを、
塩化サマリウムの0.1N水溶液500mlに添加してス
ラリーとし、このスラリーの温度を40℃に保ちな
がら2時間撹拌した後、減圧濾過により塩化サマ
リウムを吸着した活性アルミナのケーキを得た。
このケーキを150℃で5時間乾燥して乾燥物とし
た後、この乾燥物100重量部に対しオレイン酸1.0
重量部を加え、アルミナ製ポツトミル中にアルミ
ナ製ボールと共に入れ、15時間粉砕してアルミナ
質粉末を得た。電子顕微鏡による該アルミナ質粉
末の粒径は概略1μm未満であつた。 次いで、このアルミナ質粉末10gと灰分0.10
重量%で平均粒子径0.4μmのカーボンブラツク5g
をナイロン製ポツトミル中にナイロン製ボールと
共に入れて混合した。このようにして得られた混
合物を高純度黒鉛製平皿に移し、黒鉛製炉心管を
用いた管状焼成炉に入れ、窒素ガスを5/min
の速度で供給しながら1550℃で6時間焼成した。
焼成物を空気中で700℃で4時間加熱することに
より未反応のカーボンを酸化除去した。このよう
にして得られた窒化アルミニウム質粉末は、X線
回折によつて窒化アルミニウム以外の明確なピー
クが認められず、X線マイクロアナライザーによ
つて全面にサマリイムが検出され、かつ走査型電
子顕微鏡による反射電子像において窒化アルミニ
ウム質粉末上にサマリウム化合物のクラスターに
起因すると思われる均一に分散した明るい斑点が
認められた。 さらに、上記の窒化アルミニウム質粉末2gを
直径10mmのカーボン型に充填し、圧力300Kgf/cm2、
温度1800℃の条件で、窒素雰囲気中で0.5時間ホ
ツトプレスして窒化アルミニウム焼結体を得た。 比較例 1 酸素含有量1.0重量%、陽イオン不純物含有量
(Fe,Si,Ca,Naの合計)0.005重量%、平均粒
子径1.5μmの窒化アルミニウム粉末100重量部と
平均粒子径1.0μmの酸化サマリウム粉末2.0重量
部とをナイロン製ポツトミル中にナイロン製ボー
ルと共に入れて混合した。このようにして得られ
た混合粉末は、X線回折によつて酸化サマリウム
のピークが検出され、X線マイクロアナライザー
によつても全面にサマリイムが検出されたが、走
査型電子顕微鏡による反射電子像においては窒化
アルミニウム粉末上にサマリウム化合物のクラス
ターの均一分散を示すような明るい斑点は認めら
れなかつた。 次いで、この混合粉末を用い、実施例1と同様
にホツトプレスを行なつて窒化アルミニウム焼結
体を得た。 上記の実施例1および比較例1により得られた
焼結体をそれぞれ3mmの厚さに研磨した後、密度
およびレーザーフラツシユ法による熱伝導率を測
定した。 上記の実施例1および比較例1の結果を第1表
に示す。 実施例 2 平均粒子径12μm、純度99.85重量%、BET比
表面積127m2/gであり、結晶形としてx(カイ)
アルミナおよびγ(ガンマ)アルミナを含有する
活性アルミナ100gを、塩化サリマウム0.1Nと塩
化ガドリニウム0.1Nとの混合水溶液300mlに添加
してスラリーとし、このスラリーの温度を40℃に
保ちながら1時間撹拌した後、減圧濾過により塩
化サマリウムおよび塩化ガドリニウムを吸着した
活性アルミナのケーキを得た。このケーキを150
℃で5時間乾燥して乾燥物とした後、この乾燥物
100重量部に対しステアリン酸2.0重量部および実
施例1と同様のカーボンブラツク50重量部を加
え、アルミナ製ポールミル中にアルミナ製ボール
と共に入れ15時間粉砕することにより、アルミナ
質粉末とカーボンブラツクとの混合物を得た。こ
の混合物15gを実施例1と同様に窒素ガス流中で
焼成し、ついで未反応のカーボンを酸化除去する
ことにより窒化アルミニウム質粉末を得た。 さらに、実施例1と同様に行なつて窒化アルミ
ニウム焼結体を得た。 比較例 2 比較例1と同様の窒化アルミニウム粉末100重
量部、平均粒子径1.0μmの酸化サマリウム粉末
0.8重量部および平均粒子径1.0μmの酸化ガドリ
ニウム粉末1.2重量部との混合粉末を用い、実施
例1と同様にホツトプレスを行なつて窒化アルミ
ニウム焼結体を得た。 上記の実施例2および比較例2により得られた
焼結体について、実施例1と同様に行なつて密度
および熱伝導率を測定した。 上記の実施例2および比較例2の結果を第1表
に示す。 実施例 平均粒子径2.9μm、純度99.96重量%、BET比
表面積264m2/gであり、結晶形としてx(カイ)
アルミナを含有する活性アルミナ100%を、硝酸
イツトリウムの0.5N水溶液500mlに添加してスラ
リーとし、このスラリーの温度を40℃に保ちなが
ら1時間撹拌した後、減圧濾過により硝酸イツト
リウムを吸着した活性アルミナのケーキを得た。
このケーキを150℃で5時間乾燥して乾燥物とし
た後、この乾燥物100重量部に対しステアリン酸
カルシウム0.2重量部を加え、アルミナ製ポツト
ミル中にアルミナ製ボールと共に入れ、15時間粉
砕してアルミナ質粉末を得た。 次いで、このアルミナ質粉末20gと実施例1と
同様のカーボンブラツク10gとを用い、実施例1
と同様に行なつて窒化アルミニウム質粉末を得
た。 さらに、この窒化アルミニウム質粉末100重量
部に、パラフイン5重量部を添加し、造粒した
後、300Kgf/cm2の圧力で冷間成形して20mm×20mm
×10mmの板状成形体を得た。この成形体を300℃
まで徐々に加熱し、1時間保持して脱脂した後、
窒化アルミニウム容器中に置き、窒素ガス雰囲気
中で1800℃の温度で1時間常圧焼結して窒化アル
ミニウム焼結体を得た。 比較例 3 比較例1と同様の窒化アルミニウム粉末100重
量部と平均粒子径1.0μmの酸化イツトリウム粉末
8.0重量部との混合物を用い、実施例3と同様に
造粒、成形および焼結を行なつて窒化アルミニウ
ム窒化アルミニウム焼結体を得た。 上記の実施例3および比較例3により得られた
焼結体について、実施例1と同様に行なつて密度
および熱伝導率を測定した。 上記の実施例3および比較例3の結果を第1表
に示す。
【表】
* 本発明の製造方法による窒化アルミニウム質粉
末または比較例の混合粉末に対する重量〓
** 窒化アルミニウムの理論密度に対する〓
発明の効果 上記の実施例から明らかなように本発明の製造
方法による窒化アルミニウム質粉末を原料として
得られた窒化アルミニウム焼結体は、従来の技術
による焼結体に比較して、密度が高くかつ熱伝導
率が大きいので、本発明の製造方法による窒化ア
ルミニウム質粉末から高熱伝導性基板、放熱部品
などを製造すれば著しい性能の向上が期待でき
る。従つて、本発明は産業上極めて有用である。
末または比較例の混合粉末に対する重量〓
** 窒化アルミニウムの理論密度に対する〓
発明の効果 上記の実施例から明らかなように本発明の製造
方法による窒化アルミニウム質粉末を原料として
得られた窒化アルミニウム焼結体は、従来の技術
による焼結体に比較して、密度が高くかつ熱伝導
率が大きいので、本発明の製造方法による窒化ア
ルミニウム質粉末から高熱伝導性基板、放熱部品
などを製造すれば著しい性能の向上が期待でき
る。従つて、本発明は産業上極めて有用である。
Claims (1)
- 1 窒化アルミニウムを主成分とし、希土類元素
の化合物を主として窒化アルミニウム粒子内に固
溶または極微細に均一分散してなる窒化アルミニ
ウム質粉末の製造方法において、(a)BET比表面
積が10m2/g以上の活性アルミナを希土類元素含
有物質の水溶液に接触せしめた後乾燥し、高級脂
肪酸またはアルカリ土類金属の高級脂肪酸塩の共
存下で乾式粉砕して得たアルミナ質粉末と、(b)カ
ーボン粉末とを混合し、かくして得られた混合組
成物を窒素を含む雰囲気中で焼成することを特徴
とする窒化アルミニウム質粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61139346A JPS62297205A (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | 窒化アルミニウム質粉末の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP61139346A JPS62297205A (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | 窒化アルミニウム質粉末の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS62297205A JPS62297205A (ja) | 1987-12-24 |
| JPH0519486B2 true JPH0519486B2 (ja) | 1993-03-16 |
Family
ID=15243188
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP61139346A Granted JPS62297205A (ja) | 1986-06-17 | 1986-06-17 | 窒化アルミニウム質粉末の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS62297205A (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH01219069A (ja) * | 1988-02-26 | 1989-09-01 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 窒化アルミニウムの製造方法 |
| JPH03164476A (ja) * | 1989-08-07 | 1991-07-16 | Sumitomo Chem Co Ltd | 窒化アルミニウム粉末、その製造方法およびそれを含有する成形用組成物 |
| JP2012121742A (ja) * | 2010-12-06 | 2012-06-28 | Tokuyama Corp | 球状窒化アルミニウム粉末の製造方法 |
| CN113121244B (zh) * | 2021-03-26 | 2022-07-29 | 福建华清电子材料科技有限公司 | 一种高强度氮化铝陶瓷基板及其制备方法 |
-
1986
- 1986-06-17 JP JP61139346A patent/JPS62297205A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS62297205A (ja) | 1987-12-24 |
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