JPH0520166B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPH0520166B2 JPH0520166B2 JP26100988A JP26100988A JPH0520166B2 JP H0520166 B2 JPH0520166 B2 JP H0520166B2 JP 26100988 A JP26100988 A JP 26100988A JP 26100988 A JP26100988 A JP 26100988A JP H0520166 B2 JPH0520166 B2 JP H0520166B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- roll
- cast iron
- plating
- rolls
- chrome
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B21—MECHANICAL METAL-WORKING WITHOUT ESSENTIALLY REMOVING MATERIAL; PUNCHING METAL
- B21B—ROLLING OF METAL
- B21B27/00—Rolls, roll alloys or roll fabrication; Lubricating, cooling or heating rolls while in use
- B21B27/005—Rolls with a roughened or textured surface; Methods for making same
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
- Electroplating Methods And Accessories (AREA)
Description
(産業上の利用分野)
本発明は、主として金属材料の圧延用に使用さ
れるクロムめつき鋳鉄ロールの製造方法に関す
る。 (従来の技術) 金属材料の圧延用ロールには、その材質面から
大別して鋼系と鋳鉄系とがあるが、一方、ロール
表面性状からはブライトロールとダルロールとが
ある。ここに、ダルロールはロール表面の微細な
凹凸を鋼板表面に転写することによつて適度に粗
面化したダル鋼板を製造するために使用される。 しかしながら、ダルロールは、使用を繰り返す
にしたがつてダルピーク部が摩耗して被圧延材の
表面粗度が低下し製品企画を満足しないようにな
る。この場合、ロールを交換し、かつ交換したロ
ールは補修更生して再使用されるが、このロール
交換に伴う圧延作業の中断、ロール補修の工数等
が鋼板の製造コストの増加を招く。特に、最近微
妙に調整された表面粗度をもつ鋼板が求められる
ようになつて、その製造に使用するロールも例え
ばレーザビームを用いて表面のダル加工を高度に
コントロールすることがあり、このような場合、
ロール補修のコストは著しく高いものとなる。し
たがつて、ダルロールの耐摩耗性を上げること
は、ロール原価の低減、ひいては鋼板製造コスト
の低減のために当業者にとつて極めて重要な課題
である。 このような事情は鋼系のロールであつても鋳鉄
系のロールであつても同様であるが、特に、鋳鉄
系ロールでは炭化物が分散し、組織が不均一なた
め表面粗度がくずれやすい。 ロール寿命の延長対策として、最も実際的な手
段はロール表面のクロムめつきである。クロムめ
つき技術はそれ自体多方面で実用化されている技
術であり、耐摩耗性に優れた均一な皮膜をつける
ことも比較的容易にできる。しかし、表面に凹凸
のあるダルロールでは、クロムめつきをしても圧
延初期に特にダルピーク部において圧延の高負荷
のためにめつき層に割れが生じ、これが起点とな
つてめつき皮膜の剥離脱落を招く。このようなロ
ールで圧延を続行すると製品鋼板の表面にはダル
パターンの粗密むらや押し込み疵が発生し製品不
良となるので、結局ロールの交換は避けられず、
ロール寿命の延長効果は乏しい。 上記のクロムめつきの他にも、ロール寿命の延
長策としては、ロールそのものを高合金の耐摩耗
製鋳鋼にしたり、表面焼入れによつて高度を高め
たり、或いはタングステンカーバイドやある種の
セラミツクスを溶射肉盛する方法がある。しか
し、これらの方法で延長できるロールの寿命はせ
いぜい2倍程度にすぎず、素材コストの上昇、硬
化層や肉盛層の割れ、剥離などの問題もあつて実
際的な対策とは言い難い。 (発明が解決しようとする課題) 本発明者は、主として金属材料の圧延用に使用
されるクロムめつきダルロールの製造方法に関
し、特願昭63−9405号として特許出願したが、そ
の要旨は、電解液中でダル仕上げのロールを陽極
として電解処理を行い、PPIで示されるロール表
面の山数を電解前の山数よりも1〜50%増加さ
せ、しかる後に上記ロールを陰極としてクロムめ
つきを施すことを特徴とするクロムめつきロール
の製造方法である。 この方法により、ロール母材の粗度が高めら
れ、めつき皮膜の密着性が向上し、高負荷圧延時
でもめつき皮膜の割れや剥離がなくなり、ロール
寿命が13倍と向上した。この方法は、ロール母材
が、実施例にも示す通り、鋳鋼等の鋼系ロールに
関するものであり、その場合、確かに良好な結果
を得ることができる。 しかし、ロール母材が鋳鉄になると、上記技術
でめつきした場合、ロール表面にめつきがつかな
かつたり、めつきムラが生じたりする。また外見
上、めつきがロール表面にきれいについたとして
も高負荷圧延時、めつきが早期に剥離し使用に耐
え得ないという問題があつた。 前述の通り、ロール母材が鋳鉄(炭素含有量が
2.0重量%以上)になると、電解液中で電解処理
し、PPIで示される山数を1〜50%増加させて、
その後クロムめつきした場合、電解処理したロー
ル表面をスマツトが覆うため、その後のクロムめ
つき工程でめつき皮膜がつかなかつたり、密着性
が低下する等の問題が生じ、ロール寿命の延長が
期待できない。特に高負荷圧延時は、めつき剥離
が早期に発生しやすい。 密着力確保のために電解処理を行つてPPIで示
される山数を1〜50%増加させなければ、スマツ
トは発生せず、クロムめつきを均一に施工するこ
とも可能である。しかしブライドル等搬送ロール
のように軽負荷ロールの場合は、これでもほぼ良
好な結果を得るが、スキンパス圧延および冷間圧
延等の高負荷圧延になると、めつき密着性が弱い
ため早期にめつき剥離が生じ、寿命向上が望めな
い。ロール表面がダル加工している場合は、圧延
時、点接触となり、より過酷(高負荷)になり、
めつき剥離が著しい。 なお、「スマツト」とは、「汚れ」の意味で、電
解処理で溶解しない鉄中の炭素、けい素等がロー
ル表面に付着したものである。 かくして、本発明は、炭素量が2.0%以上から
成る鋳鉄ロールの表面にクロムめつきを施す際
に、予めロール母材とクロムめつきの密着性がよ
く、スキンパス圧延および冷間圧延等の高負荷に
も長寿命を発揮できるクロムめつきロールの製造
方法を提供することを目的とする。 (課題を解決するための手段) 本発明者は、上述の課題達成のために種々検討
を重ねたところ、鋳鉄ロールの表面をクロムめつ
きするに先立ち、電解液中でロールを陽極とし
て電解処理により、その表面の粗度を高め、そ
の後、得られた高粗度面を、アルカリ液中で電解
処理により清浄にすることにより、ロール母材と
クロムめつき皮膜の密着性が向上し、スキンパス
圧延および冷間圧延等の高負荷時にもめつき皮膜
の割れや剥離が減少することを知見し、本発明を
完成した。 よつて、本発明の要旨とするところは、炭素含
有量が2.0重量%以上からなる鋳鉄ロール表面に
クロムめつきを施す際に、予め電解液中で該ロー
ルを陽極として電解処理を行い、PPIで示される
ロール表面の山数を電解処理前の山数よりも1〜
50%増加させた後、アルカリ液中で該ロール表面
を洗浄してから、クロムめつき液中で前記ロール
を陰極としてクロムめつきを施すことを特徴とす
るクロムめつき鋳鉄ロールの製造方法である。 (作用) 次に、本発明において各製造条件を上述のよう
に限定した理由を詳述する。 本発明方法によつて得られるクロムめつきロー
ルの母材は、炭素含有量が2.0%以上の鋳鉄ロー
ルであるが、これは炭素含有量が2.0%未満では
電解処理を行つてもロール表面にスマツトが発生
せず、本発明の適用を待つまでもないからであ
る。 その他の鋳鉄組成については特に制限はない
が、好ましくは適宜合金成分を添加して合金鋳鉄
ロールとしてもよい。例えば、Ni,Crなどを添
加した高合金グレン鋳鉄ロールや高クロム鋳鉄ロ
ール等がある。適用先としては、酸洗脱スケール
事前処理としての黒皮鋼板圧延のスケールブレー
キングミル用ロールや、黒皮鋼板圧延のスキンパ
ス用ロールや、酸洗鋼板の冷間圧延用ロール等が
ある。 第1図に、鋳鉄ロール表面にダル加工した拡大
断面模式図を示す。これがクロムめつきされる母
材表面形態の一例である。 本発明にあつて、電解処理を施す前の鋳鉄ロー
ル表面は、特に制限されないが、ロールの使用目
的に応じた粗度をもつたダル仕上げとするのが好
ましい。ダル加工の方法は、一般的なシヨツトブ
ラスト法、放電加工法などの他、最近普及しつつ
ある電子ビームやレーザービームを使用する加工
法などいずれであつてもよい。 次いで、このようにして準備された鋳鉄ロール
を、クロム酸浴などの電解液中で鋳鉄ロールを陽
極として、電解処理を行い、ロール表面の山数を
電解処理前より1〜50%増加させる。増加割合が
1%未満であると、その後、表面を清浄にし、め
つきを施してもめつき密着力が弱く、高負荷のス
キンパス圧延および冷間圧延等に使用できない。
また、50%を越えると、初期形状がくずれてしま
うため、50%以下にすべきである。 このときの電解処理したロール表面の断面模式
図を第2図に拡大して示す。断面形状はほぼダル
ロール母材形状を示す第1図と同じであるが、微
小な凹凸が生成されている。また表面には、スマ
ツト1の付着が見られる。 本発明ではこのような凹凸の増大をPPI(Peak
Count per Inch)で評価する。PPIは表面粗さの
表記法の一つとしてSAE規格に規定されている
方法である。詳しくは、木下直治監修「表面研
磨・仕上技術集成」日経技術図書(株)P.233参照。 この場合の陽極電解処理の目的は、上記PPIの
増加が得られるものであれば任意であるが、例え
ばクロムめつき液を使用する場合、通常温度は45
〜55℃、積算電流(電流密度×時間)として
25A/dm2×3分から35A/dm2×8分程度の条
件となる。 ここで電解液中での電解処理によるPPIの増加
方法の一例を挙げれば次の通りである。 電解液:クロムめつきを施すのと同じ液 CrO3:200〜250g/、H2SO4:2〜2.5
g/ 液温:40〜60℃ 電流密度×時間:25A/dm2×3分から25A/d
m2×8分 なお、通常のクロムめつきの下地の活性化処
理として表面の不活性化層を除去するために行
われることのある電解エツチングは、積算電流
値が30A/dm2×1〜2分程度であり、この程
度の電解処理ではPPIの増加は認められない。 陽極電解処理によつてPPIを増加させた鋳鉄ロ
ールは、さらにアルカリ洗浄をおこなう。アルカ
リ洗浄は電解洗浄と組み合わせてもあるいは単に
アルカリ洗浄液内に浸漬させるだけでもよい。し
かし、アルカリ洗浄の効果を十分にしかも短時間
で発揮させるためには電解処理を組み合わせて行
うのがよい。いわゆる電解アルカリ洗浄である。 第3図は、そのロール表面をアルカリ液中で洗
浄したときに見られる鋳鉄ロール表面の拡大断面
模式図である。 鋳鉄ロールを陽極として用い電解アルカリ洗浄
を行う場合の代表的操作例を以下に示す。 アルカリ液:シアン化ソーダ20〜120g/ 電流密度:1.5〜10A/dm2 液温:室温〜60℃ 処理時間:30〜60sec アルカリ液としてその他にカ性ソーダ、炭酸ソ
ーダ等を用いることができる。 アルカリ洗浄を終えてから、十分な水洗を行
い、クロムめつき液中でロールを陰極として、ク
ロムめつきを施すが、そのようなクロムめつきは
例えば次のような条件下で行うことができる。 クロムめつき液:クロム酸CrO3、200〜250g/
硫酸H2SO4、2〜2.5g/ 液温:40〜60℃ 電流密度:20〜40A/dm2 第4図はクロムめつきしたロール表面の拡大断
面模式図である。図からも分かるように、クロム
めつき層2はダル加工されたロール表面に密着し
ている。 このように得られる、クロムめつき層厚さは鋳
鉄ロールの使用条件、要求される寿命その他を考
慮して決められる。例えば、スケールブレーキン
グ用に使用される鋳鉄ダルロールの場合、5〜
20μm程度で十分である。 次に、実施例によつて本発明の作用効果につき
さらに具体的に説明する。 実施例 1 本例は、酸洗脱スケールの事前処理としての黒
皮鋼板圧延のスケールブレーキングミル用の鋳鉄
ロールの製造方法である。本例の鋳鉄ロールの仕
様を第1表に示す。このロールは予めシヨツトブ
ラスト法によつてダル加工を行つたものである。
れるクロムめつき鋳鉄ロールの製造方法に関す
る。 (従来の技術) 金属材料の圧延用ロールには、その材質面から
大別して鋼系と鋳鉄系とがあるが、一方、ロール
表面性状からはブライトロールとダルロールとが
ある。ここに、ダルロールはロール表面の微細な
凹凸を鋼板表面に転写することによつて適度に粗
面化したダル鋼板を製造するために使用される。 しかしながら、ダルロールは、使用を繰り返す
にしたがつてダルピーク部が摩耗して被圧延材の
表面粗度が低下し製品企画を満足しないようにな
る。この場合、ロールを交換し、かつ交換したロ
ールは補修更生して再使用されるが、このロール
交換に伴う圧延作業の中断、ロール補修の工数等
が鋼板の製造コストの増加を招く。特に、最近微
妙に調整された表面粗度をもつ鋼板が求められる
ようになつて、その製造に使用するロールも例え
ばレーザビームを用いて表面のダル加工を高度に
コントロールすることがあり、このような場合、
ロール補修のコストは著しく高いものとなる。し
たがつて、ダルロールの耐摩耗性を上げること
は、ロール原価の低減、ひいては鋼板製造コスト
の低減のために当業者にとつて極めて重要な課題
である。 このような事情は鋼系のロールであつても鋳鉄
系のロールであつても同様であるが、特に、鋳鉄
系ロールでは炭化物が分散し、組織が不均一なた
め表面粗度がくずれやすい。 ロール寿命の延長対策として、最も実際的な手
段はロール表面のクロムめつきである。クロムめ
つき技術はそれ自体多方面で実用化されている技
術であり、耐摩耗性に優れた均一な皮膜をつける
ことも比較的容易にできる。しかし、表面に凹凸
のあるダルロールでは、クロムめつきをしても圧
延初期に特にダルピーク部において圧延の高負荷
のためにめつき層に割れが生じ、これが起点とな
つてめつき皮膜の剥離脱落を招く。このようなロ
ールで圧延を続行すると製品鋼板の表面にはダル
パターンの粗密むらや押し込み疵が発生し製品不
良となるので、結局ロールの交換は避けられず、
ロール寿命の延長効果は乏しい。 上記のクロムめつきの他にも、ロール寿命の延
長策としては、ロールそのものを高合金の耐摩耗
製鋳鋼にしたり、表面焼入れによつて高度を高め
たり、或いはタングステンカーバイドやある種の
セラミツクスを溶射肉盛する方法がある。しか
し、これらの方法で延長できるロールの寿命はせ
いぜい2倍程度にすぎず、素材コストの上昇、硬
化層や肉盛層の割れ、剥離などの問題もあつて実
際的な対策とは言い難い。 (発明が解決しようとする課題) 本発明者は、主として金属材料の圧延用に使用
されるクロムめつきダルロールの製造方法に関
し、特願昭63−9405号として特許出願したが、そ
の要旨は、電解液中でダル仕上げのロールを陽極
として電解処理を行い、PPIで示されるロール表
面の山数を電解前の山数よりも1〜50%増加さ
せ、しかる後に上記ロールを陰極としてクロムめ
つきを施すことを特徴とするクロムめつきロール
の製造方法である。 この方法により、ロール母材の粗度が高めら
れ、めつき皮膜の密着性が向上し、高負荷圧延時
でもめつき皮膜の割れや剥離がなくなり、ロール
寿命が13倍と向上した。この方法は、ロール母材
が、実施例にも示す通り、鋳鋼等の鋼系ロールに
関するものであり、その場合、確かに良好な結果
を得ることができる。 しかし、ロール母材が鋳鉄になると、上記技術
でめつきした場合、ロール表面にめつきがつかな
かつたり、めつきムラが生じたりする。また外見
上、めつきがロール表面にきれいについたとして
も高負荷圧延時、めつきが早期に剥離し使用に耐
え得ないという問題があつた。 前述の通り、ロール母材が鋳鉄(炭素含有量が
2.0重量%以上)になると、電解液中で電解処理
し、PPIで示される山数を1〜50%増加させて、
その後クロムめつきした場合、電解処理したロー
ル表面をスマツトが覆うため、その後のクロムめ
つき工程でめつき皮膜がつかなかつたり、密着性
が低下する等の問題が生じ、ロール寿命の延長が
期待できない。特に高負荷圧延時は、めつき剥離
が早期に発生しやすい。 密着力確保のために電解処理を行つてPPIで示
される山数を1〜50%増加させなければ、スマツ
トは発生せず、クロムめつきを均一に施工するこ
とも可能である。しかしブライドル等搬送ロール
のように軽負荷ロールの場合は、これでもほぼ良
好な結果を得るが、スキンパス圧延および冷間圧
延等の高負荷圧延になると、めつき密着性が弱い
ため早期にめつき剥離が生じ、寿命向上が望めな
い。ロール表面がダル加工している場合は、圧延
時、点接触となり、より過酷(高負荷)になり、
めつき剥離が著しい。 なお、「スマツト」とは、「汚れ」の意味で、電
解処理で溶解しない鉄中の炭素、けい素等がロー
ル表面に付着したものである。 かくして、本発明は、炭素量が2.0%以上から
成る鋳鉄ロールの表面にクロムめつきを施す際
に、予めロール母材とクロムめつきの密着性がよ
く、スキンパス圧延および冷間圧延等の高負荷に
も長寿命を発揮できるクロムめつきロールの製造
方法を提供することを目的とする。 (課題を解決するための手段) 本発明者は、上述の課題達成のために種々検討
を重ねたところ、鋳鉄ロールの表面をクロムめつ
きするに先立ち、電解液中でロールを陽極とし
て電解処理により、その表面の粗度を高め、そ
の後、得られた高粗度面を、アルカリ液中で電解
処理により清浄にすることにより、ロール母材と
クロムめつき皮膜の密着性が向上し、スキンパス
圧延および冷間圧延等の高負荷時にもめつき皮膜
の割れや剥離が減少することを知見し、本発明を
完成した。 よつて、本発明の要旨とするところは、炭素含
有量が2.0重量%以上からなる鋳鉄ロール表面に
クロムめつきを施す際に、予め電解液中で該ロー
ルを陽極として電解処理を行い、PPIで示される
ロール表面の山数を電解処理前の山数よりも1〜
50%増加させた後、アルカリ液中で該ロール表面
を洗浄してから、クロムめつき液中で前記ロール
を陰極としてクロムめつきを施すことを特徴とす
るクロムめつき鋳鉄ロールの製造方法である。 (作用) 次に、本発明において各製造条件を上述のよう
に限定した理由を詳述する。 本発明方法によつて得られるクロムめつきロー
ルの母材は、炭素含有量が2.0%以上の鋳鉄ロー
ルであるが、これは炭素含有量が2.0%未満では
電解処理を行つてもロール表面にスマツトが発生
せず、本発明の適用を待つまでもないからであ
る。 その他の鋳鉄組成については特に制限はない
が、好ましくは適宜合金成分を添加して合金鋳鉄
ロールとしてもよい。例えば、Ni,Crなどを添
加した高合金グレン鋳鉄ロールや高クロム鋳鉄ロ
ール等がある。適用先としては、酸洗脱スケール
事前処理としての黒皮鋼板圧延のスケールブレー
キングミル用ロールや、黒皮鋼板圧延のスキンパ
ス用ロールや、酸洗鋼板の冷間圧延用ロール等が
ある。 第1図に、鋳鉄ロール表面にダル加工した拡大
断面模式図を示す。これがクロムめつきされる母
材表面形態の一例である。 本発明にあつて、電解処理を施す前の鋳鉄ロー
ル表面は、特に制限されないが、ロールの使用目
的に応じた粗度をもつたダル仕上げとするのが好
ましい。ダル加工の方法は、一般的なシヨツトブ
ラスト法、放電加工法などの他、最近普及しつつ
ある電子ビームやレーザービームを使用する加工
法などいずれであつてもよい。 次いで、このようにして準備された鋳鉄ロール
を、クロム酸浴などの電解液中で鋳鉄ロールを陽
極として、電解処理を行い、ロール表面の山数を
電解処理前より1〜50%増加させる。増加割合が
1%未満であると、その後、表面を清浄にし、め
つきを施してもめつき密着力が弱く、高負荷のス
キンパス圧延および冷間圧延等に使用できない。
また、50%を越えると、初期形状がくずれてしま
うため、50%以下にすべきである。 このときの電解処理したロール表面の断面模式
図を第2図に拡大して示す。断面形状はほぼダル
ロール母材形状を示す第1図と同じであるが、微
小な凹凸が生成されている。また表面には、スマ
ツト1の付着が見られる。 本発明ではこのような凹凸の増大をPPI(Peak
Count per Inch)で評価する。PPIは表面粗さの
表記法の一つとしてSAE規格に規定されている
方法である。詳しくは、木下直治監修「表面研
磨・仕上技術集成」日経技術図書(株)P.233参照。 この場合の陽極電解処理の目的は、上記PPIの
増加が得られるものであれば任意であるが、例え
ばクロムめつき液を使用する場合、通常温度は45
〜55℃、積算電流(電流密度×時間)として
25A/dm2×3分から35A/dm2×8分程度の条
件となる。 ここで電解液中での電解処理によるPPIの増加
方法の一例を挙げれば次の通りである。 電解液:クロムめつきを施すのと同じ液 CrO3:200〜250g/、H2SO4:2〜2.5
g/ 液温:40〜60℃ 電流密度×時間:25A/dm2×3分から25A/d
m2×8分 なお、通常のクロムめつきの下地の活性化処
理として表面の不活性化層を除去するために行
われることのある電解エツチングは、積算電流
値が30A/dm2×1〜2分程度であり、この程
度の電解処理ではPPIの増加は認められない。 陽極電解処理によつてPPIを増加させた鋳鉄ロ
ールは、さらにアルカリ洗浄をおこなう。アルカ
リ洗浄は電解洗浄と組み合わせてもあるいは単に
アルカリ洗浄液内に浸漬させるだけでもよい。し
かし、アルカリ洗浄の効果を十分にしかも短時間
で発揮させるためには電解処理を組み合わせて行
うのがよい。いわゆる電解アルカリ洗浄である。 第3図は、そのロール表面をアルカリ液中で洗
浄したときに見られる鋳鉄ロール表面の拡大断面
模式図である。 鋳鉄ロールを陽極として用い電解アルカリ洗浄
を行う場合の代表的操作例を以下に示す。 アルカリ液:シアン化ソーダ20〜120g/ 電流密度:1.5〜10A/dm2 液温:室温〜60℃ 処理時間:30〜60sec アルカリ液としてその他にカ性ソーダ、炭酸ソ
ーダ等を用いることができる。 アルカリ洗浄を終えてから、十分な水洗を行
い、クロムめつき液中でロールを陰極として、ク
ロムめつきを施すが、そのようなクロムめつきは
例えば次のような条件下で行うことができる。 クロムめつき液:クロム酸CrO3、200〜250g/
硫酸H2SO4、2〜2.5g/ 液温:40〜60℃ 電流密度:20〜40A/dm2 第4図はクロムめつきしたロール表面の拡大断
面模式図である。図からも分かるように、クロム
めつき層2はダル加工されたロール表面に密着し
ている。 このように得られる、クロムめつき層厚さは鋳
鉄ロールの使用条件、要求される寿命その他を考
慮して決められる。例えば、スケールブレーキン
グ用に使用される鋳鉄ダルロールの場合、5〜
20μm程度で十分である。 次に、実施例によつて本発明の作用効果につき
さらに具体的に説明する。 実施例 1 本例は、酸洗脱スケールの事前処理としての黒
皮鋼板圧延のスケールブレーキングミル用の鋳鉄
ロールの製造方法である。本例の鋳鉄ロールの仕
様を第1表に示す。このロールは予めシヨツトブ
ラスト法によつてダル加工を行つたものである。
【表】
このようにして用意された鋳鉄ロールに第2表
の条件で電解処理→アルカリ洗浄→クロムめつき
処理して厚さ10μm、表面硬度Hv1000のクロムめ
つきを施した。なお、電解処理によりPPIが180
に20%増加した。
の条件で電解処理→アルカリ洗浄→クロムめつき
処理して厚さ10μm、表面硬度Hv1000のクロムめ
つきを施した。なお、電解処理によりPPIが180
に20%増加した。
【表】
こうして製造したクロムめつき鋳鉄ロールをス
ケールブレーキングミルに組み込んで黒皮鋼板
(JIS.SPHC.板厚3.2mm)のスケールブレーキング
に供した。めつき層の摩耗、剥離等によつてロー
ル寿命が尽きて交換、補修が必要になるまでのス
ケールブレーキング圧延量は、50000トンで、め
つき無しロールに比べ10倍に向上した。 実施例 2 本例は、黒皮鋼板圧延のスキンパスミル用の鋳
鉄ロールの製造方法である。ロールの仕様を第3
表に示す。本例ではダル加工は行わなかつた。
ケールブレーキングミルに組み込んで黒皮鋼板
(JIS.SPHC.板厚3.2mm)のスケールブレーキング
に供した。めつき層の摩耗、剥離等によつてロー
ル寿命が尽きて交換、補修が必要になるまでのス
ケールブレーキング圧延量は、50000トンで、め
つき無しロールに比べ10倍に向上した。 実施例 2 本例は、黒皮鋼板圧延のスキンパスミル用の鋳
鉄ロールの製造方法である。ロールの仕様を第3
表に示す。本例ではダル加工は行わなかつた。
【表】
このようにして用意した鋳鉄ロールに第2表と
同じ処理を行い、めつき厚さ15μm、表面硬度
Hv1000のクロムめつきを施した。なお、電解処
理によりPPIが125に25%増加した。 得られたクロムめつき鋳鉄ロールをスキンパス
ミルに供し、ロール寿命を調査した結果、圧延量
が25000トンでめつき無しロールに比べ13倍に向
上した。 (発明の効果) 以上詳述してきたように、本発明によれば、炭
素量が2%以上の鋳鉄ロールでも、めつき密着性
のよいロールが製造されるのであつて、そのよう
な鋳鉄ロールはスキンパス圧延および冷間圧延等
の高負荷にも使用可能なばかりでなく、高寿命化
を達成できる。しかも、クロムめつきを行つた鋳
鉄ロールの例が従来なく、本発明によれば、上述
のような高負荷用途にまでも鋳鉄ロールの用途を
拡大できるのであつて、本発明の実用上の意義は
大きい。
同じ処理を行い、めつき厚さ15μm、表面硬度
Hv1000のクロムめつきを施した。なお、電解処
理によりPPIが125に25%増加した。 得られたクロムめつき鋳鉄ロールをスキンパス
ミルに供し、ロール寿命を調査した結果、圧延量
が25000トンでめつき無しロールに比べ13倍に向
上した。 (発明の効果) 以上詳述してきたように、本発明によれば、炭
素量が2%以上の鋳鉄ロールでも、めつき密着性
のよいロールが製造されるのであつて、そのよう
な鋳鉄ロールはスキンパス圧延および冷間圧延等
の高負荷にも使用可能なばかりでなく、高寿命化
を達成できる。しかも、クロムめつきを行つた鋳
鉄ロールの例が従来なく、本発明によれば、上述
のような高負荷用途にまでも鋳鉄ロールの用途を
拡大できるのであつて、本発明の実用上の意義は
大きい。
第1図は、ダル加工したロール表面の拡大断面
模式図;第2図は、電解処理後のロール表面の拡
大断面模式図;第3図は、アルカリ液洗浄後のロ
ール表面の拡大断面模式図;および第4図は、ク
ロムめつきしたロール表面の拡大断面模式図であ
る。 1……スマツト、2……クロムめつき層。
模式図;第2図は、電解処理後のロール表面の拡
大断面模式図;第3図は、アルカリ液洗浄後のロ
ール表面の拡大断面模式図;および第4図は、ク
ロムめつきしたロール表面の拡大断面模式図であ
る。 1……スマツト、2……クロムめつき層。
Claims (1)
- 1 炭素含有量が2.0重量%以上からなる鋳鉄ロ
ール表面にクロムめつきを施す際に、予め電解液
中で該ロールを陽極として電解処理を行い、PPI
で示されるロール表面の山数を電解処理前の山数
よりも1〜50%増加させた後、アルカリ液中で該
ロール表面を洗浄してから、クロムめつき液中で
前記ロールを陰極としてクロムめつきを施すこと
を特徴とするクロムめつき鋳鉄ロールの製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26100988A JPH02108403A (ja) | 1988-10-17 | 1988-10-17 | クロムめっき鋳鉄ロールの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP26100988A JPH02108403A (ja) | 1988-10-17 | 1988-10-17 | クロムめっき鋳鉄ロールの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH02108403A JPH02108403A (ja) | 1990-04-20 |
| JPH0520166B2 true JPH0520166B2 (ja) | 1993-03-18 |
Family
ID=17355788
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP26100988A Granted JPH02108403A (ja) | 1988-10-17 | 1988-10-17 | クロムめっき鋳鉄ロールの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH02108403A (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7296517B2 (en) * | 2003-11-11 | 2007-11-20 | Fujifilm Corporation | Roll for metal rolling, and support for lithographic printing plate |
| JP4516761B2 (ja) * | 2004-01-20 | 2010-08-04 | 富士フイルム株式会社 | アルミニウム板エンボス加工用ロール |
| CN112222194A (zh) * | 2020-08-31 | 2021-01-15 | 江苏友富薄板科技有限公司 | 一种应用镀铬轧辊的平整机 |
-
1988
- 1988-10-17 JP JP26100988A patent/JPH02108403A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH02108403A (ja) | 1990-04-20 |
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