JPH0563763B2 - - Google Patents
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- JPH0563763B2 JPH0563763B2 JP59122865A JP12286584A JPH0563763B2 JP H0563763 B2 JPH0563763 B2 JP H0563763B2 JP 59122865 A JP59122865 A JP 59122865A JP 12286584 A JP12286584 A JP 12286584A JP H0563763 B2 JPH0563763 B2 JP H0563763B2
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Description
【発明の詳細な説明】
本発明は集積光学偏波装置、換言すれば、その
中に導波路が形成された平坦基板から成る構造に
基づく装置に係る。 偏波光学素子が必要とされる用途は多い。光学
繊維(即ち、「光フアイバ」以下同)及び/又は
集積光学導波路を用いる最近の技術においては、
光結合を最適化できるようにこれらの素子をでき
るだけこれらの構造及び特有の形状や寸法に適合
させることが必要である。 光を偏波するために使用される装置は2種類に
大別される。即ち、偏波に基づき選択的に吸収を
行う装置と、空間的な偏波分離を行う装置とであ
る。 最初に挙げた型式の装置は、特に光学繊維に基
づくものである。中でも例えば、“IEEE
Transac tions on microwave theory and
techniques”、volume MTT 30.no.10,1982年
発行に掲載のHOSAKA et al.の論文「シングル
モード・フアイバタイプ偏波器」にこのような装
置が記載されている。 この型式の偏波器は数センチに亘つて露出され
たシリカ製光学繊維から成つており、空気・シリ
カ界面が平坦なジオプタとなるようにこの露出部
分がバフ研摩にかけられている。この平坦ジオプ
タ上に、金属溶着が形成されている。 誘導光波は実質的にTM(Transverse−
Magnetic)偏波成分と、TE(Transverse−
electric)成分とに常に分割される。 第1の成分であるTM成分はシリカ・金属界面
のプラズモンに結合するが、このプラズモンは高
い減衰を受けながら伝播される。第1の成分も従
つて同じ方法で減衰される。他方、第2の成分で
あるTE成分は低い減衰しか受けない。 獲得される減衰率は一般的に30db程度である。
減衰率は当然光学繊維の加工品質や、光学繊維の
コア部分に関する界面の正確な位置によつて左右
される。 第2の成分の受ける減衰率はこれに対し、一般
的に1dbcm-1と小さいものである。 第2の型の装置、即ち空間的偏波分離を用いる
装置は、これまで光学繊維構造ベースか、基板上
に集積された光学導波路構造のベースで形成され
てきた。これら2つの変形例では、複屈折結晶が
光学繊維用コアか集積導波路に隣接する平坦ジオ
プタ上に配置されている。 光学繊維の場合では、前述したように平坦ジオ
プタを作り出すため、光学繊維が先ずバフ研摩に
かけられる。 複屈折結晶の選択は、一定の偏波光の第1の成
分がその拘束伝播の有効屈折率より大きい屈折率
で媒質中を伝播されるように、且つもう1つの成
分が直交偏波でそれより低い屈折率で伝播される
ように行われる。 こうして、第1の成分は複屈折結晶との相互作
用ゾーンにもはや誘導されることはなく、その中
で屈折される。他方、第2の成分はやはり誘導さ
れて、誘導或いは繊維コアによる伝送損以外はエ
ネルギを損失することもなく、相互作用領域を通
過する。このときの伝送損はごく小さいものであ
る。 60db程度、或いはそれ以上の減衰率が得られ
る。 この型式の偏波器については、例えば光学繊維
偏波器に関する限りでは“Optics Letters”、
Volume 5、no.11,479頁、1980年発行に掲載
のBERGH et al.の論文「シングルモード・フア
イバオプテイツク偏波器」に記載されており、
又、集積光学装置に関する限りでは、“Optics
Letters”,Volume 13,1753頁、1974年発行に掲
載のUEHARA et al.の論文「光学的導波偏波
器」に記載されている。 以上述べてきた先行技術の装置では、その性能
は良好であるが、構成するのに困難を伴う。 光学繊維に関する限りでは、平坦なジオプタを
得るための加工は、バフ研摩中非常に高い精度で
制御されねばならない。ジオプタの平面位置は、
マイクロメートル単位の正確さで決定されねばな
らない。 光学繊維装置及び集積装置については、あらゆ
る用途に適する結晶を得ることが困難である。 実際、屈折率の満足すべき条件が現存の結晶、
少なくとも加工及び使用の簡単な結晶と常に対応
するわけではないのである。 最後に、光導波路が集積式の光学構造の形で構
成される限りにおいて、光導波路は通常、例えば
チタニウム等の材料を、例えばニオブ酸リチウム
等の平坦基板の表面領域で熱拡散させる方法によ
つて獲得されるが、このような処置は、基板の表
面状態の変化をひき起こし、この変化と相関し
て、光導波路領域と、基板の表面上に配置された
複屈折結晶材料との良好な光結合を得ることが困
難となる。このため、複屈折結晶と基板表面との
間に屈折率を有する流動体若しくは液状物を挿入
することがしばしば必要となるのであるが、適当
な屈折率を有する液状物若しくは流動液体を選択
することは又、困難である。 又、複屈折結晶は外的要素、即ち基板に付加は
されるが、光導波路のように基板内に集積されな
いものであるから、これは更なる欠点とみなすこ
とができる。 本発明は、この型式、即ち偏波分離により動作
する集積光学構造の形で構成された集積光学偏波
装置に関し、先行技術の有する欠点を克服する構
造を提供することを目的とする。 上述の目的は、本発明によれば、空間的な偏波
分離により動作する光学的に集積された構造を有
する集積光学偏波装置であつて、第1の方向に偏
波された光波については第1の屈折率を有すると
共に、第1の方向と直交する第2の方向に偏波さ
れた光波については第2の屈折率を有する複屈折
性の物質から成る平坦な基板から構成されてお
り、この基板は、基板内に配列されており、注入
される光波の誘導モード伝播を確保するように屈
折率を変更する基板材料のドーピングにより形成
されており、光波の導波路として機能する第1の
領域と、第1の領域によつて誘導された光波と相
互作用すべく第1の領域に近接して基板内に配列
されており、第1の方向と第2の方向とに偏波さ
れた光波ついてn1e>n1I及びn2e<n2Iの2つの関
係を同時に満たす屈折率を有するように基板材料
のドーピングにより形成されており、不等式中、
n1eとn2eとは第1の領域により誘導されて第1の
方向と第2の方向とに夫々偏波された光波に関連
する有効屈折率であり、n1Iとn2Iとは当該少なく
とも1つの第2の領域の第1の方向と第2の方向
とに夫々偏波された光波に関連する屈折率であ
り、第1の方向に沿つて偏波された成分の第1の
領域内の誘導モード伝播を容認し、且つ第1の領
域の外側への放射により第2の方向に沿つて偏波
された成分の消散を起こし、その結果、第1の領
域に注入された光波の互いに直交する偏波成分を
空間的に分離する少なくとも1つの第2の領域と
を有している集積光学偏波装置によつて達成され
る。 上述の構成を有する集積光学偏波装置は、外部
から光波が注入され導波路として機能する第1の
領域と、空間的な偏波を行うための第2の領域と
を複屈折性の物質から成る平坦な基板にドーピン
グによつて作り込むので、完全に集積化し得、高
い精度での機械加工を必要とせず、構成が容易
で、しかも広範な用途での適用が可能である。 以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を
関連する技術と共に詳述する。これにより、本発
明がより良く理解されると共に、他の特性や長所
等も明らかとなろう。 先ず最初に第1図を参照して、基板内に集積光
学導波路を形成する構造から成る偏波装置につい
て説明することにする。 第1図は先行技術の集積光学偏波装置の説明図
である。 同図に示すように、この装置は、前述の
“Applied Optics”誌に掲載のUEHARAの輪文
に記載された装置と類似している。 装置は先ず平坦な基板1から成つている。前述
の論文に記載された例では、ガラス製の基板とな
つているが、ニオブ酸リチウム等の結晶でもよ
い。 この基板の表面に、例えば金属原子熱拡散方法
等により、図示例では正規直交三面体XXZの1
軸、便宜上Z軸に平行な方向に延びる厚さ、幅共
に数マイクロメートルの帯状の誘導構造2が作ら
れる。 導波路を形成するこの領域については、その屈
折率が誘導されるべき光の波長に関して基板の屈
折率よりも高いことが要求される。つまりガラス
の場合では、約1.5以上でなければならない。 偏波素子として動作する装置については、複屈
折結晶板3が導波路2の上に配置されている。 この結晶の常光軸と異常光軸とは図示例のよう
に、それぞれY軸とX軸とに平行にしてもよい。
ガラス製の基板を用いる場合、複屈折結晶板は約
600nmの波長について常屈折率1.485、異常屈折
率1.658の方解石をベースに形成されてもよい。 こうして、X軸に平行な方向に偏波される光波
成分はそのまま誘導されてZ軸に平行な方向に伝
播するが、Y軸に平行な方向に偏波される光波成
分はもはや誘導されることなく、複屈折結晶内部
で回折により分散される。 現実には、熱拡散処理によつて表面状態に乱れ
が生じることになり、その結果固有の平坦性に崩
壊が生じる。 複屈折結晶板3と、基板表面及び基板表面と同
じ高さにある導波路2の表面との間で良好な光結
合を得るためには、λを波長とすると、一般的に
許容差λ/50以下でバフ研摩を行うか、或いは第
1図のように屈折率を結晶屈折率に適合させた屈
折率の流動体若しくは液状物4を介在させる必要
がある。 光結合の品質は重要であり、これらの型式の偏
波装置で得られる性能を決定するものである。 予め設定した方向での複屈折結晶の光軸の配列
も、精密に行わねばならない。 最後に、「基板・導波路」ベースの集積構造体
に外的要素を加えることが必要となる。 先行技術のもつ欠点、特に今簡単に説明したよ
うな装置の呈する欠点を克服するために、本発明
は、基板内に完全に集積された集積光学偏波装置
を提供する。 本発明の主な特徴によれば、基板を形成する材
料の中に、後で説明するような方法で適宜ドーピ
ングされた部分が少なくとも一個所設けられて、
相互作用領域を形成する。この領域は誘導される
波と相互作用する。 誘導される波は前述の通り、互いに直交する偏
波方向を有する2つの成分に分割される。 以下、これら2つの成分をP1及びP2と呼ぶこ
とにする。 本発明の他の特徴によれば、n1eが成分P1に関
する誘導波の有効屈折率を表し、n1Iがこの偏波
状態について相互作用領域が示す屈折率を表し、
n2eが成分P2に関する被誘導波の屈折率を表し、
n2Iがこの偏波状態について相互作用領域が示す
屈折率を表すとすれば、ドープは次の2つの不等
式を同時に満たすように選択されねばならない。 n1e>n1I (1) n2e<n2I (2) 成分P2はこうして誘導されなくなる。 この成分の有効減衰率はいろいろなパラメー
タ、特に相互作用領域の形状、導波路と相互作用
領域との間での光結合の距離、並びに不等式(1)及
び(2)に現れるそれぞれの屈折率の値等によつて決
まる。 光学的法則に従うと、獲得される性能、即ち成
分P2の減衰率の数値は、不等式(2)においてn2Iが
n2eより大きいままでこれに近付けば近付く程よ
くなることが示される。すると、この不等式(2)
は、この事実を表現するために次のように書き直
してもよいことになる。 n2e < n2I (2′) 第2図及び第3図は、本発明に係る集積光学偏
波装置の第1の実施例を示しており、第2図は平
面図、及び第3図は断面図である。 これらの図に示すように、この実施例の集積光
学偏波装置には、第1図の先行技術の構造と共通
の要素、即ち、平坦な基板1と、正規直交三面体
XYZの軸の1つ、便宜上Z軸に平行な軸Δに沿
つて延びる光学導波路を形成する導波領域2とが
設けられている。 他方、基板の内部には相互作用領域5が形成さ
れており、これは第1図及び第2図に示す変形例
では、軸Δに関し対称的に配置されて全体的に直
方体の形状を有しており、又、導波領域2で導波
路が形成されている。 基板1は本発明の基板の一実施例である。導波
領域2は本発明の第1の領域の一実施例である。
相互作用領域5は本発明の少なくとも1つの第2
の領域の一実施例である。 誘導光波と、この導波領域2との間の相互作用
は本質的に、軸Δに沿う直方体の長さを表す距離
l1に亘つて行われる。 第2図及び第3図に示される相互作用領域5の
形状は、これだけが本発明の目的に適するという
ものではない。 第4図には、他の考えられる相互作用領域の形
状が示されている。この変形例では相互作用領域
が軸Δの両側に、図示例では対称的に配置された
2つの別個の相互作用領域50及び51から形成
されている。 このような形状の構成については、後に本発明
に係る集積光学偏波装置の製造方法について説明
する際に、より詳細に説明することにする。 この形状では、誘導構造の形成に続くステツプ
で相互作用領域を形成する可能性を残す。 2つの相互作用領域50及び51は第4図に示
されるように、必ずしも導波領域2と連続する必
要はないが、但し相互作用が有意となるだけのも
のでなければならない。事実、周知の通り、導波
領域2と相互作用領域50及び51とを分離する
基板1の領域では微弱な光波しか伝播されず、こ
の光波は加速度的に振幅を減少していく。従つ
て、成分P2の減衰率は中央の導波領域2と、相
互作用領域50及び51との間の距離に大きく影
響されるのである。 第2図から第4図を参照してこれまで説明して
きた形状は、軸Δに関して対称的であつたが、こ
れは決して必要条件ではない。 第5図は非対称的な形状を有する本発明に係る
集積光学偏波装置の実施例の説明図である。 同図に示すように、この実施例の集積光学偏波
装置では、単一の相互作用領域5が導波領域2の
側部に配置されている。 相互作用領域5は必ずしも基板表面と同じ高さ
でなくてもよい。技術的見地から言うと、形成が
難しくはなるが、相互作用領域を埋め込み型式と
してもよい。 第6図はそのような配置例を示している。 相互作用領域5は導波領域2と隣接しており、
且つ導波領域2の下方に配置されている。 最後に、相互作用領域5は導波領域2(Z軸に
平行)に沿つて規則的な或いは不規則的な配分で
いくつかの領域を配置して、分布構造或いは断続
構造を形成するようにしてもよいのである。 第7図はこのような形状を示している。 同図に示すように、この実施例の集積光学偏波
装置では、7つの相互作用領域500〜506が
Z軸に沿つて、導波領域2に関して非対称的に配
置されている。 既に触れた通り、これまでに説明してきた構造
が制限的な例を形成しているのではない。当業者
が特に前述の形状の組み合わせにおいて創作し得
るすべての変形例が本発明の範囲に入るのであ
る。 このような集積光学偏波装置を製造する方法に
ついて、特に第4図に示される構造に基づいて詳
細に説明することにする。 この方法は基板を形成し、この基板の中に導波
構造を形成するという先行技術と共通の段階から
成る。 基板は例えばニオブ酸リチウム結晶ウエーハ
を、当該結晶の光軸が基板1の主要面に対し直交
するように、即ち、ここでは便宜的に平面XZに
対して直交するように成形されたものから形成さ
れる。 第2の段階では、数平方マイクロメートルの断
面積を有する帯が基板1の中に、基板の表面と同
じ高さで作られる。これには例えば熱拡散法を用
いて、基板材料の屈折率を上昇させる材料がその
中に導入される。ニオブ酸リチウムについてはチ
タニウムが選択され得る。熱拡散は標準温度1050
℃で行われる。拡散前のチタニウム帯の幅は約2
マイクロメートルであり、厚さは約500オングス
トロームである。 このように作られた帯の縁を通つて注入される
光波の偏波状態がどうであれ、この構造に誘導さ
れる。 次に、光が大した減衰なく軸Δに沿つて伝播
し、反対側の縁を通つて去る。 導波領域2の長さと、基板ウエーハ1の長さと
は、標準的に数センチメートルである。 次に、基板表面上に、本発明に係る集積光学偏
波装置を製造する方法に固有の第1の段階におい
てマスクが配置され、表面積にして数平方ミリメ
ートルの被覆されない部分を残すのみとする。こ
のマスクは薄い金製膜で形成されてもよい。 このとき被覆されない部分が、相互作用領域を
形成することを意図する領域である。 再び第4図を参照すると、被覆されない部分は
導波領域2の両側に配置される2つの窓部の形を
とる。 本発明に係る集積光学偏波装置を製造する方法
に固有の第2の段階においては、基板材料がマス
クで被覆されずに残されている部分においてドー
ピングされ、この部分の常光及び異常光屈折率を
変えることにより、相互作用領域を作り出す。 これには、基板を形成する材料のイオン、つま
りこの実施例ではリチウムイオンが水素イオンと
交換されて、被覆されない領域の常光及び異常光
屈折率を変化させるようにする。 これらの領域は導波領域2から数マイクロメー
トル離れており、標準的寸法は長さ(Z軸に沿つ
て)が8mm、幅(X軸に沿つて)が200マイクロ
メートルである。厚さは導波領域2のそれと同じ
位である。 このようなドーピングとして使用され得る1つ
の方法として、基板を酸浴、例えば融解安息香酸
に浸す方法がある。こうすると結晶はリチウムイ
オンを失つて、それがイオン交換により水素イオ
ンに置き換えられる。 金の他にも、この酸に耐えるほとんどの金属が
マスクとして使用できる。 他の酸も使用可能であり、その強さや反応時間
によつてマスクによつて被覆されない部分のドー
ピングも調節される。実際には、イオンの置換
は、少なくとも基板を形成する結晶の表面層にお
いては、全体的でも又、逆に部分的でもよいので
ある。 こうして屈折率が調整されるが、このことが本
発明の提供する付加的な長所を形成する。 不等式(2)及び(2′)を参照すると、屈折率n2e
に近い屈折率n2Iが得られる。 第1図に関連して説明したような先行技術の装
置の場合では、結晶の選択によつてこの屈折率が
複屈折結晶の所定定位に一度で決定される。この
屈折率を変えるためには、結晶ウエーハをそれと
は別に配向するしかなく、従つて、その常光軸と
異常光軸とを誘導波の方向(Z軸)に関して移動
させるしかなく、それには複雑な機械的調整が必
要となる。 最後の段階は、必要に応じてマスクを破壊する
ことから成る。マスクは化学的手段を用いて通常
の方法で除去されてよい。 第2図及び第3図に示す型式の構造を形成しよ
うとする場合、当然各段階の順序は変えてよい。
この場合、相互作用領域5は導波領域2の前に形
成せねばならない。 水素イオンの代わりに、他のイオンを使つて基
板の屈折率を変えることもできる。例えば、やは
り基板がニオブ酸リチウムから成る図示の例で、
バナジウムイオンを使用することができる。 熱拡散、イオン打込みといつた他の方法も、1
つ又は複数の相互作用領域をドーピングするため
に選択できる。バナジウムイオンの場合、熱拡散
を用いることが望ましい。 ヒントを与えるための一例として、ニオブ酸リ
チウムLiNbO3から作られる基板と、これをチタ
ニウムでドーピングして得られる集積導波路、
LiNbO3:Tiとリチウムイオンと水素イオンの置
換が部分的に行われる相互作用領域とで試作品を
形成した。 一般的な場合、結果としての材料は組成比x<
1とすると、式Li1-xHxNbO3の組成を有してい
る。 獲得された屈折率の分布は、本発明の詳細な説
明の欄末尾の表1に示されている。 この屈折率分布によつて、Y軸に平行な偏波方
向を有する光波成分の減衰は、30dbより大きい
ことが分かつた。 個々の偏波装置、即ち、個別の光学成分として
本発明を直接的に応用する他にも、本発明は大し
た偏向なく集積振幅変調器、光学的絶縁素子等、
多くの装置に使用することができる。 実際、本発明に固有の配置を用いて、1つ又は
それ以上の集積偏波素子を現存の装置の中に、そ
の装置の構造を変えることなく作り出すことがで
き、このとき唯一の条件は集積導波路が基板内に
存在するということだけである。これらの偏波素
子は、次いで他の光学素子と組み合わされるの
で、このような有利な配列によつて高度の集積化
が可能となるのである。 以上説明したように、本発明は、空間的な偏波
分離により動作する光学的に集積された構造を有
する集積光学偏波装置であつて、第1の方向に偏
波された光波については第1の屈折率を有すると
共に、第1の方向と直交する第2の方向に偏波さ
れた光波については第2の屈折率を有する複屈折
性の物質から成る平坦な基板から構成されてお
り、この基板は、基板内に配列されており、注入
される光波の誘導モード伝播を確保するように屈
折率を変更する基板材料のドーピングにより形成
されており、光波の導波路として機能する第1の
領域と、第1の領域によつて誘導された光波と相
互作用すべく第1の領域に近接して基板内に配列
されており、第1の方向と第2の方向とに偏波さ
れた光波についてn1e>n1I及びn2e<n2Iの2つの
関係を同時に満たす屈折率を有するように基板材
料のドーピングにより形成されており、不等式
中、n1eとn2eとは第1の領域により誘導されて第
1の方向と第2の方向とに夫々偏波された光波に
関連する有効屈折率であり、n1Iとn2Iとは当該少
なくとも1つの第2の領域の第1の方向と第2の
方向とに夫々偏波された光波に関連する屈折率で
あり、第1の方向に沿つて偏波された成分の第1
の領域内の誘導モード伝播を容認し、且つ第1の
領域の外側への放射により第2の方向に沿つて偏
波された成分の消散を起こし、その結果、第1の
領域に注入された光波の互いに直交する偏波成分
を空間的に分離する少なくとも1つの第2の領域
とを有している。 従つて、外部から光波が注入され光導波路とし
て機能する第1の領域と、空間的な偏波を行うた
めの少なくとも1つの第2の領域とを複屈折性の
物質から成る平坦な基板内にドーピングにより設
けているので、第1の領域及び少なくとも1つの
第2の領域が基板内に完全に集積化された集積光
学偏波装置を実現することができ、高い精度での
機械加工を必要とせず、構成が容易で、しかも広
範な用途での適用が可能となる。 又、集積式の光学構造を成す光導波路を有した
装置では、通常、例えばニオブ酸リチウム等から
成る平坦な基板の表面領域においてチタニウム等
の材料を熱拡散させることにより、光導波路が構
成されている。このような熱拡散の処置を施す
と、基板の表面状態の変化が起こり、この変化と
相関して、光導波路の領域と、基板の表面上に配
置されている複屈折結晶との良好な光結合を得る
ことが困難となる。このため、複屈折結晶と基板
表面との間に屈折率を有する流動体若しくは液状
物を挿入することがしばしば必要となるが、適当
な屈折率を有する液状物若しくは流動液体を選択
することが又、困難である。しかしながら、本発
明の集積光学偏波装置によれば、光導波路として
機能する第1の領域と、空間的な偏波を行うため
の少なくとも1つの第2の領域とが複屈折性の物
質から成る平坦な基板内にドーピングにより設け
られているので、上述の困難な点をすべて解消す
ることができる。 【表】
中に導波路が形成された平坦基板から成る構造に
基づく装置に係る。 偏波光学素子が必要とされる用途は多い。光学
繊維(即ち、「光フアイバ」以下同)及び/又は
集積光学導波路を用いる最近の技術においては、
光結合を最適化できるようにこれらの素子をでき
るだけこれらの構造及び特有の形状や寸法に適合
させることが必要である。 光を偏波するために使用される装置は2種類に
大別される。即ち、偏波に基づき選択的に吸収を
行う装置と、空間的な偏波分離を行う装置とであ
る。 最初に挙げた型式の装置は、特に光学繊維に基
づくものである。中でも例えば、“IEEE
Transac tions on microwave theory and
techniques”、volume MTT 30.no.10,1982年
発行に掲載のHOSAKA et al.の論文「シングル
モード・フアイバタイプ偏波器」にこのような装
置が記載されている。 この型式の偏波器は数センチに亘つて露出され
たシリカ製光学繊維から成つており、空気・シリ
カ界面が平坦なジオプタとなるようにこの露出部
分がバフ研摩にかけられている。この平坦ジオプ
タ上に、金属溶着が形成されている。 誘導光波は実質的にTM(Transverse−
Magnetic)偏波成分と、TE(Transverse−
electric)成分とに常に分割される。 第1の成分であるTM成分はシリカ・金属界面
のプラズモンに結合するが、このプラズモンは高
い減衰を受けながら伝播される。第1の成分も従
つて同じ方法で減衰される。他方、第2の成分で
あるTE成分は低い減衰しか受けない。 獲得される減衰率は一般的に30db程度である。
減衰率は当然光学繊維の加工品質や、光学繊維の
コア部分に関する界面の正確な位置によつて左右
される。 第2の成分の受ける減衰率はこれに対し、一般
的に1dbcm-1と小さいものである。 第2の型の装置、即ち空間的偏波分離を用いる
装置は、これまで光学繊維構造ベースか、基板上
に集積された光学導波路構造のベースで形成され
てきた。これら2つの変形例では、複屈折結晶が
光学繊維用コアか集積導波路に隣接する平坦ジオ
プタ上に配置されている。 光学繊維の場合では、前述したように平坦ジオ
プタを作り出すため、光学繊維が先ずバフ研摩に
かけられる。 複屈折結晶の選択は、一定の偏波光の第1の成
分がその拘束伝播の有効屈折率より大きい屈折率
で媒質中を伝播されるように、且つもう1つの成
分が直交偏波でそれより低い屈折率で伝播される
ように行われる。 こうして、第1の成分は複屈折結晶との相互作
用ゾーンにもはや誘導されることはなく、その中
で屈折される。他方、第2の成分はやはり誘導さ
れて、誘導或いは繊維コアによる伝送損以外はエ
ネルギを損失することもなく、相互作用領域を通
過する。このときの伝送損はごく小さいものであ
る。 60db程度、或いはそれ以上の減衰率が得られ
る。 この型式の偏波器については、例えば光学繊維
偏波器に関する限りでは“Optics Letters”、
Volume 5、no.11,479頁、1980年発行に掲載
のBERGH et al.の論文「シングルモード・フア
イバオプテイツク偏波器」に記載されており、
又、集積光学装置に関する限りでは、“Optics
Letters”,Volume 13,1753頁、1974年発行に掲
載のUEHARA et al.の論文「光学的導波偏波
器」に記載されている。 以上述べてきた先行技術の装置では、その性能
は良好であるが、構成するのに困難を伴う。 光学繊維に関する限りでは、平坦なジオプタを
得るための加工は、バフ研摩中非常に高い精度で
制御されねばならない。ジオプタの平面位置は、
マイクロメートル単位の正確さで決定されねばな
らない。 光学繊維装置及び集積装置については、あらゆ
る用途に適する結晶を得ることが困難である。 実際、屈折率の満足すべき条件が現存の結晶、
少なくとも加工及び使用の簡単な結晶と常に対応
するわけではないのである。 最後に、光導波路が集積式の光学構造の形で構
成される限りにおいて、光導波路は通常、例えば
チタニウム等の材料を、例えばニオブ酸リチウム
等の平坦基板の表面領域で熱拡散させる方法によ
つて獲得されるが、このような処置は、基板の表
面状態の変化をひき起こし、この変化と相関し
て、光導波路領域と、基板の表面上に配置された
複屈折結晶材料との良好な光結合を得ることが困
難となる。このため、複屈折結晶と基板表面との
間に屈折率を有する流動体若しくは液状物を挿入
することがしばしば必要となるのであるが、適当
な屈折率を有する液状物若しくは流動液体を選択
することは又、困難である。 又、複屈折結晶は外的要素、即ち基板に付加は
されるが、光導波路のように基板内に集積されな
いものであるから、これは更なる欠点とみなすこ
とができる。 本発明は、この型式、即ち偏波分離により動作
する集積光学構造の形で構成された集積光学偏波
装置に関し、先行技術の有する欠点を克服する構
造を提供することを目的とする。 上述の目的は、本発明によれば、空間的な偏波
分離により動作する光学的に集積された構造を有
する集積光学偏波装置であつて、第1の方向に偏
波された光波については第1の屈折率を有すると
共に、第1の方向と直交する第2の方向に偏波さ
れた光波については第2の屈折率を有する複屈折
性の物質から成る平坦な基板から構成されてお
り、この基板は、基板内に配列されており、注入
される光波の誘導モード伝播を確保するように屈
折率を変更する基板材料のドーピングにより形成
されており、光波の導波路として機能する第1の
領域と、第1の領域によつて誘導された光波と相
互作用すべく第1の領域に近接して基板内に配列
されており、第1の方向と第2の方向とに偏波さ
れた光波ついてn1e>n1I及びn2e<n2Iの2つの関
係を同時に満たす屈折率を有するように基板材料
のドーピングにより形成されており、不等式中、
n1eとn2eとは第1の領域により誘導されて第1の
方向と第2の方向とに夫々偏波された光波に関連
する有効屈折率であり、n1Iとn2Iとは当該少なく
とも1つの第2の領域の第1の方向と第2の方向
とに夫々偏波された光波に関連する屈折率であ
り、第1の方向に沿つて偏波された成分の第1の
領域内の誘導モード伝播を容認し、且つ第1の領
域の外側への放射により第2の方向に沿つて偏波
された成分の消散を起こし、その結果、第1の領
域に注入された光波の互いに直交する偏波成分を
空間的に分離する少なくとも1つの第2の領域と
を有している集積光学偏波装置によつて達成され
る。 上述の構成を有する集積光学偏波装置は、外部
から光波が注入され導波路として機能する第1の
領域と、空間的な偏波を行うための第2の領域と
を複屈折性の物質から成る平坦な基板にドーピン
グによつて作り込むので、完全に集積化し得、高
い精度での機械加工を必要とせず、構成が容易
で、しかも広範な用途での適用が可能である。 以下、添付図面を参照して、本発明の実施例を
関連する技術と共に詳述する。これにより、本発
明がより良く理解されると共に、他の特性や長所
等も明らかとなろう。 先ず最初に第1図を参照して、基板内に集積光
学導波路を形成する構造から成る偏波装置につい
て説明することにする。 第1図は先行技術の集積光学偏波装置の説明図
である。 同図に示すように、この装置は、前述の
“Applied Optics”誌に掲載のUEHARAの輪文
に記載された装置と類似している。 装置は先ず平坦な基板1から成つている。前述
の論文に記載された例では、ガラス製の基板とな
つているが、ニオブ酸リチウム等の結晶でもよ
い。 この基板の表面に、例えば金属原子熱拡散方法
等により、図示例では正規直交三面体XXZの1
軸、便宜上Z軸に平行な方向に延びる厚さ、幅共
に数マイクロメートルの帯状の誘導構造2が作ら
れる。 導波路を形成するこの領域については、その屈
折率が誘導されるべき光の波長に関して基板の屈
折率よりも高いことが要求される。つまりガラス
の場合では、約1.5以上でなければならない。 偏波素子として動作する装置については、複屈
折結晶板3が導波路2の上に配置されている。 この結晶の常光軸と異常光軸とは図示例のよう
に、それぞれY軸とX軸とに平行にしてもよい。
ガラス製の基板を用いる場合、複屈折結晶板は約
600nmの波長について常屈折率1.485、異常屈折
率1.658の方解石をベースに形成されてもよい。 こうして、X軸に平行な方向に偏波される光波
成分はそのまま誘導されてZ軸に平行な方向に伝
播するが、Y軸に平行な方向に偏波される光波成
分はもはや誘導されることなく、複屈折結晶内部
で回折により分散される。 現実には、熱拡散処理によつて表面状態に乱れ
が生じることになり、その結果固有の平坦性に崩
壊が生じる。 複屈折結晶板3と、基板表面及び基板表面と同
じ高さにある導波路2の表面との間で良好な光結
合を得るためには、λを波長とすると、一般的に
許容差λ/50以下でバフ研摩を行うか、或いは第
1図のように屈折率を結晶屈折率に適合させた屈
折率の流動体若しくは液状物4を介在させる必要
がある。 光結合の品質は重要であり、これらの型式の偏
波装置で得られる性能を決定するものである。 予め設定した方向での複屈折結晶の光軸の配列
も、精密に行わねばならない。 最後に、「基板・導波路」ベースの集積構造体
に外的要素を加えることが必要となる。 先行技術のもつ欠点、特に今簡単に説明したよ
うな装置の呈する欠点を克服するために、本発明
は、基板内に完全に集積された集積光学偏波装置
を提供する。 本発明の主な特徴によれば、基板を形成する材
料の中に、後で説明するような方法で適宜ドーピ
ングされた部分が少なくとも一個所設けられて、
相互作用領域を形成する。この領域は誘導される
波と相互作用する。 誘導される波は前述の通り、互いに直交する偏
波方向を有する2つの成分に分割される。 以下、これら2つの成分をP1及びP2と呼ぶこ
とにする。 本発明の他の特徴によれば、n1eが成分P1に関
する誘導波の有効屈折率を表し、n1Iがこの偏波
状態について相互作用領域が示す屈折率を表し、
n2eが成分P2に関する被誘導波の屈折率を表し、
n2Iがこの偏波状態について相互作用領域が示す
屈折率を表すとすれば、ドープは次の2つの不等
式を同時に満たすように選択されねばならない。 n1e>n1I (1) n2e<n2I (2) 成分P2はこうして誘導されなくなる。 この成分の有効減衰率はいろいろなパラメー
タ、特に相互作用領域の形状、導波路と相互作用
領域との間での光結合の距離、並びに不等式(1)及
び(2)に現れるそれぞれの屈折率の値等によつて決
まる。 光学的法則に従うと、獲得される性能、即ち成
分P2の減衰率の数値は、不等式(2)においてn2Iが
n2eより大きいままでこれに近付けば近付く程よ
くなることが示される。すると、この不等式(2)
は、この事実を表現するために次のように書き直
してもよいことになる。 n2e < n2I (2′) 第2図及び第3図は、本発明に係る集積光学偏
波装置の第1の実施例を示しており、第2図は平
面図、及び第3図は断面図である。 これらの図に示すように、この実施例の集積光
学偏波装置には、第1図の先行技術の構造と共通
の要素、即ち、平坦な基板1と、正規直交三面体
XYZの軸の1つ、便宜上Z軸に平行な軸Δに沿
つて延びる光学導波路を形成する導波領域2とが
設けられている。 他方、基板の内部には相互作用領域5が形成さ
れており、これは第1図及び第2図に示す変形例
では、軸Δに関し対称的に配置されて全体的に直
方体の形状を有しており、又、導波領域2で導波
路が形成されている。 基板1は本発明の基板の一実施例である。導波
領域2は本発明の第1の領域の一実施例である。
相互作用領域5は本発明の少なくとも1つの第2
の領域の一実施例である。 誘導光波と、この導波領域2との間の相互作用
は本質的に、軸Δに沿う直方体の長さを表す距離
l1に亘つて行われる。 第2図及び第3図に示される相互作用領域5の
形状は、これだけが本発明の目的に適するという
ものではない。 第4図には、他の考えられる相互作用領域の形
状が示されている。この変形例では相互作用領域
が軸Δの両側に、図示例では対称的に配置された
2つの別個の相互作用領域50及び51から形成
されている。 このような形状の構成については、後に本発明
に係る集積光学偏波装置の製造方法について説明
する際に、より詳細に説明することにする。 この形状では、誘導構造の形成に続くステツプ
で相互作用領域を形成する可能性を残す。 2つの相互作用領域50及び51は第4図に示
されるように、必ずしも導波領域2と連続する必
要はないが、但し相互作用が有意となるだけのも
のでなければならない。事実、周知の通り、導波
領域2と相互作用領域50及び51とを分離する
基板1の領域では微弱な光波しか伝播されず、こ
の光波は加速度的に振幅を減少していく。従つ
て、成分P2の減衰率は中央の導波領域2と、相
互作用領域50及び51との間の距離に大きく影
響されるのである。 第2図から第4図を参照してこれまで説明して
きた形状は、軸Δに関して対称的であつたが、こ
れは決して必要条件ではない。 第5図は非対称的な形状を有する本発明に係る
集積光学偏波装置の実施例の説明図である。 同図に示すように、この実施例の集積光学偏波
装置では、単一の相互作用領域5が導波領域2の
側部に配置されている。 相互作用領域5は必ずしも基板表面と同じ高さ
でなくてもよい。技術的見地から言うと、形成が
難しくはなるが、相互作用領域を埋め込み型式と
してもよい。 第6図はそのような配置例を示している。 相互作用領域5は導波領域2と隣接しており、
且つ導波領域2の下方に配置されている。 最後に、相互作用領域5は導波領域2(Z軸に
平行)に沿つて規則的な或いは不規則的な配分で
いくつかの領域を配置して、分布構造或いは断続
構造を形成するようにしてもよいのである。 第7図はこのような形状を示している。 同図に示すように、この実施例の集積光学偏波
装置では、7つの相互作用領域500〜506が
Z軸に沿つて、導波領域2に関して非対称的に配
置されている。 既に触れた通り、これまでに説明してきた構造
が制限的な例を形成しているのではない。当業者
が特に前述の形状の組み合わせにおいて創作し得
るすべての変形例が本発明の範囲に入るのであ
る。 このような集積光学偏波装置を製造する方法に
ついて、特に第4図に示される構造に基づいて詳
細に説明することにする。 この方法は基板を形成し、この基板の中に導波
構造を形成するという先行技術と共通の段階から
成る。 基板は例えばニオブ酸リチウム結晶ウエーハ
を、当該結晶の光軸が基板1の主要面に対し直交
するように、即ち、ここでは便宜的に平面XZに
対して直交するように成形されたものから形成さ
れる。 第2の段階では、数平方マイクロメートルの断
面積を有する帯が基板1の中に、基板の表面と同
じ高さで作られる。これには例えば熱拡散法を用
いて、基板材料の屈折率を上昇させる材料がその
中に導入される。ニオブ酸リチウムについてはチ
タニウムが選択され得る。熱拡散は標準温度1050
℃で行われる。拡散前のチタニウム帯の幅は約2
マイクロメートルであり、厚さは約500オングス
トロームである。 このように作られた帯の縁を通つて注入される
光波の偏波状態がどうであれ、この構造に誘導さ
れる。 次に、光が大した減衰なく軸Δに沿つて伝播
し、反対側の縁を通つて去る。 導波領域2の長さと、基板ウエーハ1の長さと
は、標準的に数センチメートルである。 次に、基板表面上に、本発明に係る集積光学偏
波装置を製造する方法に固有の第1の段階におい
てマスクが配置され、表面積にして数平方ミリメ
ートルの被覆されない部分を残すのみとする。こ
のマスクは薄い金製膜で形成されてもよい。 このとき被覆されない部分が、相互作用領域を
形成することを意図する領域である。 再び第4図を参照すると、被覆されない部分は
導波領域2の両側に配置される2つの窓部の形を
とる。 本発明に係る集積光学偏波装置を製造する方法
に固有の第2の段階においては、基板材料がマス
クで被覆されずに残されている部分においてドー
ピングされ、この部分の常光及び異常光屈折率を
変えることにより、相互作用領域を作り出す。 これには、基板を形成する材料のイオン、つま
りこの実施例ではリチウムイオンが水素イオンと
交換されて、被覆されない領域の常光及び異常光
屈折率を変化させるようにする。 これらの領域は導波領域2から数マイクロメー
トル離れており、標準的寸法は長さ(Z軸に沿つ
て)が8mm、幅(X軸に沿つて)が200マイクロ
メートルである。厚さは導波領域2のそれと同じ
位である。 このようなドーピングとして使用され得る1つ
の方法として、基板を酸浴、例えば融解安息香酸
に浸す方法がある。こうすると結晶はリチウムイ
オンを失つて、それがイオン交換により水素イオ
ンに置き換えられる。 金の他にも、この酸に耐えるほとんどの金属が
マスクとして使用できる。 他の酸も使用可能であり、その強さや反応時間
によつてマスクによつて被覆されない部分のドー
ピングも調節される。実際には、イオンの置換
は、少なくとも基板を形成する結晶の表面層にお
いては、全体的でも又、逆に部分的でもよいので
ある。 こうして屈折率が調整されるが、このことが本
発明の提供する付加的な長所を形成する。 不等式(2)及び(2′)を参照すると、屈折率n2e
に近い屈折率n2Iが得られる。 第1図に関連して説明したような先行技術の装
置の場合では、結晶の選択によつてこの屈折率が
複屈折結晶の所定定位に一度で決定される。この
屈折率を変えるためには、結晶ウエーハをそれと
は別に配向するしかなく、従つて、その常光軸と
異常光軸とを誘導波の方向(Z軸)に関して移動
させるしかなく、それには複雑な機械的調整が必
要となる。 最後の段階は、必要に応じてマスクを破壊する
ことから成る。マスクは化学的手段を用いて通常
の方法で除去されてよい。 第2図及び第3図に示す型式の構造を形成しよ
うとする場合、当然各段階の順序は変えてよい。
この場合、相互作用領域5は導波領域2の前に形
成せねばならない。 水素イオンの代わりに、他のイオンを使つて基
板の屈折率を変えることもできる。例えば、やは
り基板がニオブ酸リチウムから成る図示の例で、
バナジウムイオンを使用することができる。 熱拡散、イオン打込みといつた他の方法も、1
つ又は複数の相互作用領域をドーピングするため
に選択できる。バナジウムイオンの場合、熱拡散
を用いることが望ましい。 ヒントを与えるための一例として、ニオブ酸リ
チウムLiNbO3から作られる基板と、これをチタ
ニウムでドーピングして得られる集積導波路、
LiNbO3:Tiとリチウムイオンと水素イオンの置
換が部分的に行われる相互作用領域とで試作品を
形成した。 一般的な場合、結果としての材料は組成比x<
1とすると、式Li1-xHxNbO3の組成を有してい
る。 獲得された屈折率の分布は、本発明の詳細な説
明の欄末尾の表1に示されている。 この屈折率分布によつて、Y軸に平行な偏波方
向を有する光波成分の減衰は、30dbより大きい
ことが分かつた。 個々の偏波装置、即ち、個別の光学成分として
本発明を直接的に応用する他にも、本発明は大し
た偏向なく集積振幅変調器、光学的絶縁素子等、
多くの装置に使用することができる。 実際、本発明に固有の配置を用いて、1つ又は
それ以上の集積偏波素子を現存の装置の中に、そ
の装置の構造を変えることなく作り出すことがで
き、このとき唯一の条件は集積導波路が基板内に
存在するということだけである。これらの偏波素
子は、次いで他の光学素子と組み合わされるの
で、このような有利な配列によつて高度の集積化
が可能となるのである。 以上説明したように、本発明は、空間的な偏波
分離により動作する光学的に集積された構造を有
する集積光学偏波装置であつて、第1の方向に偏
波された光波については第1の屈折率を有すると
共に、第1の方向と直交する第2の方向に偏波さ
れた光波については第2の屈折率を有する複屈折
性の物質から成る平坦な基板から構成されてお
り、この基板は、基板内に配列されており、注入
される光波の誘導モード伝播を確保するように屈
折率を変更する基板材料のドーピングにより形成
されており、光波の導波路として機能する第1の
領域と、第1の領域によつて誘導された光波と相
互作用すべく第1の領域に近接して基板内に配列
されており、第1の方向と第2の方向とに偏波さ
れた光波についてn1e>n1I及びn2e<n2Iの2つの
関係を同時に満たす屈折率を有するように基板材
料のドーピングにより形成されており、不等式
中、n1eとn2eとは第1の領域により誘導されて第
1の方向と第2の方向とに夫々偏波された光波に
関連する有効屈折率であり、n1Iとn2Iとは当該少
なくとも1つの第2の領域の第1の方向と第2の
方向とに夫々偏波された光波に関連する屈折率で
あり、第1の方向に沿つて偏波された成分の第1
の領域内の誘導モード伝播を容認し、且つ第1の
領域の外側への放射により第2の方向に沿つて偏
波された成分の消散を起こし、その結果、第1の
領域に注入された光波の互いに直交する偏波成分
を空間的に分離する少なくとも1つの第2の領域
とを有している。 従つて、外部から光波が注入され光導波路とし
て機能する第1の領域と、空間的な偏波を行うた
めの少なくとも1つの第2の領域とを複屈折性の
物質から成る平坦な基板内にドーピングにより設
けているので、第1の領域及び少なくとも1つの
第2の領域が基板内に完全に集積化された集積光
学偏波装置を実現することができ、高い精度での
機械加工を必要とせず、構成が容易で、しかも広
範な用途での適用が可能となる。 又、集積式の光学構造を成す光導波路を有した
装置では、通常、例えばニオブ酸リチウム等から
成る平坦な基板の表面領域においてチタニウム等
の材料を熱拡散させることにより、光導波路が構
成されている。このような熱拡散の処置を施す
と、基板の表面状態の変化が起こり、この変化と
相関して、光導波路の領域と、基板の表面上に配
置されている複屈折結晶との良好な光結合を得る
ことが困難となる。このため、複屈折結晶と基板
表面との間に屈折率を有する流動体若しくは液状
物を挿入することがしばしば必要となるが、適当
な屈折率を有する液状物若しくは流動液体を選択
することが又、困難である。しかしながら、本発
明の集積光学偏波装置によれば、光導波路として
機能する第1の領域と、空間的な偏波を行うため
の少なくとも1つの第2の領域とが複屈折性の物
質から成る平坦な基板内にドーピングにより設け
られているので、上述の困難な点をすべて解消す
ることができる。 【表】
第1図は先行技術の集積光学偏波装置の説明
図、第2図及び第3図は本発明に係る集積光学偏
波装置の第1の実施例の説明図、第4図から第7
図は本発明に係る集積光学偏波装置の付加的な各
種変形例の説明図である。 1…基板、2…導波領域、3…複屈折結晶、4
…屈折率を有する流動体若しくは液状物、5,5
0,51,500〜506…相互作用領域。
図、第2図及び第3図は本発明に係る集積光学偏
波装置の第1の実施例の説明図、第4図から第7
図は本発明に係る集積光学偏波装置の付加的な各
種変形例の説明図である。 1…基板、2…導波領域、3…複屈折結晶、4
…屈折率を有する流動体若しくは液状物、5,5
0,51,500〜506…相互作用領域。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 空間的な偏波分離により動作する光学的に集
積された構造を有する集積光学偏波装置であつ
て、第1の方向に偏波された光波については第1
の屈折率を有すると共に、前記第1の方向と直交
する第2の方向に偏波された光波については第2
の屈折率を有する複屈折性の物質から成る平坦な
基板から構成されており、該基板は、 該基板内に配列されており、注入される光波の
誘導モード伝播を確保するように前記屈折率を変
更する基板材料のドーピングにより形成されてお
り、前記光波の導波路として機能する第1の領域
と、 該第1の領域によつて誘導された前記光波と相
互作用すべく前記第1の領域に近接して前記基板
内に配列されており、前記第1の方向と前記第2
の方向とに偏波された光波についてn1e>n1I及び
n2e<n2Iの2つの関係を同時に満たす屈折率を有
するように基板材料のドーピングにより形成され
ており、前記不等式中、n1eとn2eとは前記第1の
領域により誘導されて前記第1の方向と前記第2
の方向とに夫々偏波された光波に関連する有効屈
折率であり、n1Iと22Iとは当該少なくとも1つの
第2の領域の前記第1の方向と前記第2の方向と
に夫々偏波された光波に関連する屈折率であり、
前記第1の方向に沿つて偏波された成分の前記第
1の領域内の誘導モード伝播を容認し、且つ前記
第1の領域の外側への放射により前記第2の方向
に沿つて偏波された成分の消散を起こし、その結
果、前記第1の領域に注入された前記光波の互い
に直交する偏波成分を空間的に分離する少なくと
も1つの第2の領域とを有していることを特徴と
する集積光学偏波装置。 2 前記第1の領域は前記基板の主要面の1つと
同じ高さにある細長い帯状であり、且つ該主要面
に平行な対称軸を有しており、該第1の領域内に
おいて光波が誘導モードにて前記対称軸に平行な
方向で伝播され、前記少なくとも1つの第2の領
域はその1つの側面が前記対称軸に平行な直交平
行六面体形状を有していることを特徴とする特許
請求の範囲第1項に記載の装置。 3 前記基板は、前記第1の領域と連続的な単一
の第2の領域を有しており、該第2の領域は前記
対称軸に関して対称的に配置され前記第1の領域
より大きい厚さを有しており、一定距離にわたり
前記第1の領域を取り囲むように前記対称軸の両
側で前記第1の領域から突出していることを特徴
とする特許請求の範囲第2項に記載の装置。 4 前記基板は前記対称軸に関して対称的に配置
された単一の第2の領域を有していることを特徴
とする特許請求の範囲第2項に記載の装置。 5 前記基板は該基板に埋め込まれた単一の第2
の領域を有していることを特徴とする特許請求の
範囲第2項に記載の装置。 6 前記基板は前記対称軸の両側に配置された少
なくとも2つの第2の領域を有していることを特
徴とする特許請求の範囲第2項に記載の装置。 7 前記基板は前記対称軸に平行な方向に沿つて
間隔をあけて配置された複数の第2の領域を有し
ていることを特徴とする特許請求の範囲第2項に
記載の装置。 8 前記基板はニオブ酸リチウムから成つてお
り、前記第1の領域はチタニウムイオンの挿入に
よりドーピングされ、前記第2の領域においては
前記屈折率を変更するようにニオブ酸リチウムの
リチウムイオンの一部が水素イオンで置換されて
いることを特徴とする特許請求の範囲第1項から
第7項にいずれか一項に記載の装置。 9 前記基板はニオブ酸リチウムから成つてお
り、前記第1の領域はチタニウムイオンの挿入に
よりドーピングされ、前記第2の領域の少なくと
も1つは前記屈折率を変更するようにニオブ酸リ
チウム中へのバナジウムイオンの拡散によりドー
ピングされていることを特徴とする特許請求の範
囲第1項から第7項にいずれか一項に記載の装
置。
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