JPH0581236B2 - - Google Patents
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- JPH0581236B2 JPH0581236B2 JP3124909A JP12490991A JPH0581236B2 JP H0581236 B2 JPH0581236 B2 JP H0581236B2 JP 3124909 A JP3124909 A JP 3124909A JP 12490991 A JP12490991 A JP 12490991A JP H0581236 B2 JPH0581236 B2 JP H0581236B2
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- Medicines Containing Material From Animals Or Micro-Organisms (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】 本発明はヒト インター
ロイキン1ポリペプチドをコードするDNAに関
する。 【0002】 【従来の技術】 ゲリーらはヒト マクロフアー
ジの培養上清中に、マイトーゲンによるマウス胸
腺細胞分裂作用を促進させる物質を見出し、これ
をリンパ球活性化因子(lymphocyte activating
factor、以下LAFと略記する)と名づけたが、
1979年以降、インターロイキン1(以下、IL−1
と略記する)の名称が用いられている。従つて本
明細書においてもこのような物質をインターロイ
キン1として扱う。 【0003】 IL−1はT細胞やB細胞の増殖分化
を促進させ、またT細胞に作用してリンホカイ
ン、特にインターロイキン2(T細胞増殖因子)
の産生を促進させる効果を有し、抗体産生や細胞
性免疫の調節に重要な役割を果たす因子の一つと
考えられている〔Staruch,M.J.,et al.,J.
Immunol.,130,2191(1983)〕。その他、プロス
タグランジンEやコラゲナーゼの産生促進、繊維
芽細胞の増殖促進、又はインターロイキン2やイ
ンターフエロンの有するNK(ナチユラル キラ
ー)細胞活性化作用を増強させる効果があると報
告されている〔Simon,p.L.,etal.,
“Lymphokines”vol.6,p.47(1982),Academic
Press Inc.,New York〕。 【0004】 このようにIL−1は免疫応答のみな
らず、生体の防御やその修復等にも関与する生体
物質であり、免疫不全症に対する治療薬や抗腫瘍
剤としての臨床応用が期待されている。 【0005】 IL−1のこれまでの取得方法は、主
としてマクロフアージや末梢単核細胞又はマクロ
フアージ様株化細胞(例えばマウスP388D1細胞)
や単球性又は骨髄性白血病細胞等を適当な誘導剤
の存在下で培養し、その培養上清中より単離する
ものである。 【0006】 ヒトIL−1は、ヒト単球性白血病株
化細胞であるU937細胞及びヒト末梢単核細胞の
培養上清から分離精製され、その分子量が11300
及び15000ダルトンであると報告されている。
〔Mizel,S.B.,et al.,J.Immunol.,131,1834
(1983);Schmidt,J.A.,J.Exp. Med.,160,
772(1984)〕。 【0007】 最近、マウスP388D1細胞を用いマウ
スIL−1ポリペプチドをコードするcDNAをク
ローニングし、IL−1活性を有する156個のアミ
ノ酸から成るポリペプチドを大腸菌で生産させる
ことに成功したと報告されている。〔Lomedico,
P.T.,et al.,Nature,312,458(1984)〕。また、
ヒトIL−1に関しては、ヒト単核球を用いヒト
IL−1ポリペプチドをコードするcDNAがクロ
ーニングされている〔Auron,P.E.,et al.,
Proc.Nat.Acad.Sci.USA,81,7907(1984)〕。上
記のマウスIL−1ポリペプチド及びヒトIL−1
ポリペプチドをそれぞれコードするDNAの塩基
配列の間には相同性が認められず、複数のIL−
1の存在の可能性が示唆された。 【0008】 【発明の目的】 本発明者らは、ヒトHL−60細
胞を用いてヒトIL−1前駆体ポリペプチドをコ
ードするクローン化cDNAの単離に成功し、この
クローン化DNAに由来するDNAを組み込んだ組
み換え体プラスミドで形質転換された微生物中
で、上記公知のヒトIL−1ポリペプチドとアミ
ノ酸配列を全く異にする新たなヒトIL−1ポリ
ペプチドを生産させることに成功した。 【0009】 本発明は、配列番号1で示されるアミ
ノ酸配列からなる新規ヒトIL−1ポリペプチド
をコードするDNAに関する。 【0010】 【発明の構成及び効果】 配列番号1で表される
IL−1ポリペプチド自体をコードするDNAの典
型的な塩基配列は配列番号2に示す通りである。 【0011】 以下に本発明のDNAの作製法につい
て述べる。 【0012】 ヒトIL−1前駆体ポリペプチドをコ
ードする塩基配列を有するDNAは、例えば後記
参考例に示した方法により単離することができ
る。 【0013】 このDNAを適当な制限酵素で切断し
た後、これと必要に応じて常法により合成した
DNAアダプターとを結合することにより、配列
番号1で表されるIL−1ポリペプチドをコード
するDNA断片、すなわち配列番号1で表される
ヒトIL−1ポリペプチドをコードするDNA塩基
配列の5′末端に開始コドンATG、3′末端に終止コ
ドンを有する塩基配列を含むDNA断片を作製す
ることができる。 【0014】 これを適当なプロモーター及びシヤイ
ン・ダルガーノ(SD)配列に続いて結合させ、
ベクターに組み込むことにより、配列番号1で表
されるポリペプチド生産用形質発現ベクターを得
ることができる。 【0015】 プロモーターとしては、例えばlac,
trp,tac,phoS,phoA,PL,SV40初期プロモ
ーター等が挙げられる。ベクターとしては、形質
転換させる宿主中で増殖するものはすべて用いる
ことができる。例えば、プラスミド(pBR322
等)、フアージ(λフアージ誘導体等)、ウイルス
(SV40等)が挙げられる。また、ランナウエイ
プラスミドも有用である。 【0016】 これらの形質発現ベクターを適当な宿
主、例えば大腸菌などに、例えばコーエンらの方
法〔Proc.Nat.Acad.Sci.USA,69,2110(1972)〕
により導入することにより形質転換体を得、次い
で該形質転換体を培養することにより配列番号1
で表されるポリペプチド或いはそのN末端にメチ
オニンが付加したポリペプチドを産生させること
ができる。該生産物は使用したプロモーターと形
質発現ベクターの構築法により、宿主中の細胞質
内又は細胞質外のいずれにも蓄積させることがで
きる。細胞質外に分泌させるには、例えばアルカ
リホスフアターゼの構造遺伝子(phoA)やリン
酸結合蛋白の構造遺伝子(phoS)を用い、それ
らのシグナルペプチドをコードする領域に続いて
配列番号1で表されるポリペプチドをコードする
DNAを結合させた形質発現ベクターを構築すれ
ばよい。 【0017】 このようにして得られた形質転換体
を、それぞれの形質転換体に応じた適当な培養条
件下で、目的のポリペプチドが十分に産生される
まで培養した後、培養物からポリペプチドを抽出
する。産生したポリペプチドが細胞物質中に蓄積
される場合は、例えば、リゾチーム消化と凍結融
解や超音波破砕、フレンチプレス等により宿主細
胞を破壊した後、遠心分離又は濾過にて抽出液を
集める。また、ペリプラスムに蓄積される場合
は、例えばウイルスキーらの方法〔J.Bacteriol.,
127,595(1976)〕に従つて抽出することができ
る。 【0018】 抽出されたポリペプチドは蛋白質の一
般的な精製法(限外濾過、透析、イオン交換クロ
マトグラフイー、ゲル濾過、電気泳動、アフイニ
テイクロマトグラフイー等)に従い精製すること
により、実質的に純品として得ることができる。 【0019】 次に、配列番号1で表されるヒトIL
−1ポリペプチド(以下、ポリペプチド1と略記
することもある)の特性について以下に詳述す
る。 【0020】 (1) 物理化学的並びに化学的特性 分子量 分子量はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)存在
下におけるポリアクリルアミドゲル(ゲル濃度
12.5%)電気泳動分析により測定した。 【0021】 ポリペプチド1溶液を等容量の4%
SDS,10%2−メルカプトエタノール、20%グリ
セロール及び0.02%ブロムフエノールブルーを含
む0.125MTris−HCl緩衝液(PH6.8)と混合し、
30分間室温で放置後、SDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動分析に付した。泳動用溶媒として
0.1%SDSを含む25mMTris−0.2Mグリシン液を
用い、200ボルトで3時間泳動させた。泳動終了
後、クマシーブリリアントブルーG250を用いる
染色で蛋白質の泳動位置を、また別途にゲルを2
mm幅で切出し各ゲル片を5%牛胎児血清を含む組
織培養用培地RPMI−1640(Flow Labs.)に浸漬
し、ゲル中の蛋白質を抽出した。各ゲル片から得
たそれぞれの抽出液について後記するLAF活性
を指標としてIL−1活性を測定した。その結果、
分子量約18000±500の位置に単一の蛋白質のバン
ドと一致して、IL−1活性を認めた。 【0022】 等電点 等電点は、フアルマライト(フアルマシア社、
PH範囲4〜6.5)と5%ポリアクリルアミドを含
むフラツトゲルを用いる等電点電気泳動法にて測
定した。 その結果、ポリペプチド1の等電点は約5.3±
0.3であつた。 【0023】 泳動は5ワツトで3時間行つた。クマ
シーブリリアントブルーG250を用いる染色で蛋
白質の位置を、またゲルを2mm幅に切出し、
20mMTris−HCl緩衝液(PH7.8)で抽出し、IL
−1活性を測定した。染色による蛋白質の位置と
一致して強いIL−1活性を認めた。 【0024】 N末端部分アミノ酸配列 N末端部分のアミノ酸配列をエドマン分解法
〔Arch.Biochem.Biophys.,22,475(1949)〕によ
り決定した。 【0025】 ポリペプチド1をフエニルイソチオシ
アネートとカツプリング反応させ、次いでN末端
アミノ酸をチアゾリノン誘導体として切断し、更
にフエニルチオヒダントイン アミノ酸に変換し
た後、これをTSK−gel ODS−120Aカラム(東
洋曹達工業)を用いた高速液体クロマトグラフイ
ーにより同定した。この操作を順次繰り返すこと
により、N末端部分のアミノ酸配列を決定した。 【0026】 その結果、ポリペプチド1のN末端部
分のアミノ酸配列は、Ser−Ser−Pro−Phe……
であつた。 【0027】 C末端部分アミノ酸配列 C末端部分のアミノ酸配列はカルボキシペプチ
ダーゼを用いる酵素法により決定した。 【0028】 ポリペプチド1にカルボキシペプチタ
ーゼA(シグマ社)及びカルボキシペプチターゼ
Y(オリエンタル酵母社)を作用させ、反応開始
後から2時間にわたり、経時的に遊離してくるア
ミノ酸を微量アミノ酸分析システム(島津製作
所)を用いて定量した。 【0029】 その結果、ポリペプチド1のC末端部
分のアミノ酸配列は、……Asx−Glx−Alaであ
つた。 GlxはGlu又はGlnを、AsxはAsp又はAsnを意
味する。 【0030】 (2) IL−1活性 IL−1活性は、マイトーゲンによるマウス胸
腺細胞分裂作用を促進させる生物活性、すなわち
リンパ球活性化因子(LAF)活性により評価し
た。 【0031】 ポリペプチド1の約40μg/ml溶液を
5%牛胎児血清を含む組織培養用培地RPMI−
1640にて希釈した。各希釈液の50μlを96穴平底型
プレート(Flow Labs.)に入れ、それぞれに
50μg/ml濃度のフイトヘマグルチニン−P
(Difco 社)の50μlを添加し、更にC3H/Heマ
ウスより採取した胸腺細胞(1×107個/ml)溶
液の100μlを加え、37℃で5%炭酸ガス含有空気
中、湿度90〜100%で3日間培養した。次いで、
3H−チミジンの1μCiを加え、更に18時間培養し
た後、細胞内に取り込まれた3H−チミジン量を
計測することにより、LAF活性を測定した。 結果は表1に示す通りである。 【0032】 【表1】 ■■■ 亀の甲 [0049] ■■■ 【0033】 配列番号1で表されるヒトIL−1ポ
リペプチドは、免疫不全治療剤又は抗腫瘍剤とし
て用いられうる。 【0034】 本明細書では記載の簡略化のために以
下の略号を使用する。 A アデニン C シトシン G グアニン T チミン Ala アラニン Arg アルギニン Asn アスパラギン Asp アスパラギン酸 Cys システイン Gln グリタミン Glu グリタミン酸 Gly グリシン His ヒスチジン Ile イソロイシン Leu ロイシン Lys リジン Met メチオニン Phe フエニルアラニン Pro プロリン Ser セリン Thr スレオニン Trp トリプトフアン Tyr チロシン Val バリン DNA デオキシリボ核酸 cDNA 相補DNA sscDNA 単鎖cDNA dscDNA 二重鎖cDNA RNA リボ核酸 mRNA 伝令RNA ポリ(A)mRNA
ポリアデニル酸含有伝令RNA dATP デオキシアデノシン三リン酸 dCTP デオキシシチジン三リン酸 dGTP デオキシグアノシン三リン酸 dTTP デオキシチミジン三リン酸 オリゴ(dC) オリゴデオキシシチジル酸 オリゴ(dG) オリゴデオキシグアニル酸 オリゴ(dT) オリゴデオキシチミジン酸 ポリ(A) ポリアデニル酸 ポリ(U) ポリウリジル酸 ポリ(dA) ポリデオキシアデニル酸 ポリ(dC) ポリデオキシシチジル酸 ポリ(dG) ポリデオキシグアニル酸 ポリ(dT) ポリデオキシチミジル酸 ATP アデノシン三リン酸 EDTA エチレンジアミン四酢酸 kb キロ塩基 kbp キロ塩基対 bp 塩基対 【0035】 【実施例】 以下に実施例及び参考例を挙げて本
発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。 【0036】 また下記の実施例の理解を容易にする
ために図1を示した。 【0037】 実施例 1 ヒトIL−1ポリペプチド生産用形質転換体の作
製 配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するヒ
トIL−1ポリペプチド生産用形質発現プラスミ
ド(pHLP383)を図1に示すように構築した。 【0038】 すなわち、参考例1で得た組み換え体
プラスミドpHL4から制限酵素PstIによりクロー
ン化cDNA部分を切出し、更に制限酵素AluIを
作用させ、配列番号3で示される塩基配列の第
411番目から下流側の約533bpのDNA断片を得、
更にこれに制限酵素BstNIを作用させ、配列番号
3で示される塩基配列の第411番から第868番まで
に相当するDNA断片を単離した。このDNA断片
に、常法により合成した配列番号4で示される次
の合成オリゴヌクレオチド アダプター 5′ −CGATTATGTCATCACCTTTTAG
[III] 3′ −TAATACAGTAGTGGAAAATC 及び配列番号5で示される次の合成オリゴヌクレ
オチド アダプター 5′ −AGGCGTGATGA [] 3′ −CCGCACTACTTCGA を順次T4DNAリガーゼを用いて結合させること
により、配列番号1で表されるヒトIL−1ポリ
ペプチドをコードする塩基配列の5′末端に開始コ
ドンATGを付加し、更に終止コドンTGATGA
を付加したDNA断片を得た。このDNA断片を
HIL−1断片という。 【0039】 一方、プラスミドpCT−1〔Ikehara,
M.et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,81,5956
(1984)〕に制限酵素HpaIとAatIIを作用させtrp
プロモーター領域の一部を含む約380bpのDNA
断片を切出し、このDNA断片に、常法より合成
した配列番号6で示される次の合成オリゴヌクレ
オチド アダプター 5′−AACTAGTACGCAAGTTCACGTAAGGAGGTTAT [
] 3′−TTGATCATGCGTTCAAGTGCATTCCTCCAATAGC をT4DNAリガーゼを用いて結合させた。 【0040】 この結合DNA断片に、先に調製した
HIL−1断片をT4DNAリガーゼを用いて結合さ
せ、DNA断片を得た。このDNA断片をプロモー
ターHIL−1断片という。 【0041】 別途に、プラスミドpBR322に制限酵
素AvaIとPvuIIを作用させ、大きなDNA断片
(約3.7kbp)を0.7%アガロースゲル電気泳動によ
り分離した。このDNA断片の両端をDNAポリメ
ラーゼI(クレノー フラグメント)及びdGTP,
dATP,dCTP,dTTPを用い平滑末端とし、そ
の両端をT4DNAリガーゼを用いて結合させた。
このプラスミド ベクターをpBRS6という。更
に、このpBRS6ベクターに制限酵素AatIIとHin
dIIIを作用させ、大きなDNA断片(約3.6kbp)
を単離精製した。 【0042】 このDNA断片に先に調製したプロモ
ーターHIL−1断片をT4DNAリガーゼを用いて
結合させることにより、ヒトIL−1ポリペプチ
ド(配列番号1)生産用形質発現プラスミドを構
築した。この形質発現プラスミドをpHLP383と
名づけた。 【0043】 この形質発現ベクター(pHLP383)
を下記の方法によりE.coliHB101に導入し形質転
換体を得た。すなわち、E.coliHB101をL−ブロ
ス(組成:1000ml当たり、トリプトン10g、酵母
エキス5g、NaCl5g、ブドウ糖1g,PH7.2)の5ml
に接種し、37℃で一夜培養した。その菌体懸濁液
の1mlを100mlのL−ブロスに接種し、濁度(吸
光度650nm)が0.6になるまで37℃で培養した。
氷水中で30分間静置後、菌体を遠心分離により集
め、これを50mlの50mMCaCl2に懸濁し、0℃で
60分間静置した。次いで、遠心分離により菌体を
集め、20%グリセリンを含む50mMCaCl2の10ml
に再懸濁した。 【0044】 この懸濁液に上記の形質発現ベクター
pHLP383を添加し、これを氷水中で20分間、42
℃で1分間、室温で10分間インキユベートした
後、LB−ブロス(組成:1000ml当たり、トリプ
トン10g、酵母エキス5g、NaCl10g,PH7.5)を加
え、37℃で60分間振盪した。その菌体懸濁液の一
部を25μg/mlアンピシリンを含むLB寒天平板に
播き、37℃で一夜培養した後、アンピシリン耐性
クローンを選択して形質転換体を得た。この形質
転換体をHB101/pHLP383と名づけた。 【0045】 実施例2 ヒトIL−1ポリペプチドの製造及び精製 実施例1で得た形質転換体HB101/pHLP383
をLB−ブロス中37℃で一夜振盪培養した。その
菌体懸濁液の10mlを1000mlの改良M9培地(組
成:1.5%NA2HPO4・12H2O,0.3%KH2PO4,
0.05%NACl,0.1%NH4Cl,2mg/lビタミン
B1,0.5%カザミノ酸、2mMMgSO4,
0.1mMCaCl2,0.5ブドウ糖)に接種し、37℃で
1時間培養し、次いで、インドール−3−アクリ
ル酸を終濃度20μg/mlになるように加え、更に
24時間培養を継続した後、遠心分離により菌体を
集めた。菌体を100mlの0.1%リゾチーム及び
30mMNaClを含む50mMTris−HCl(PH8.0)緩衝
液に再懸濁し、0℃で30分間静置した後、ドライ
アイス/エタノール浴での凍結と37℃での融解を
繰り返した後2mlの10%ポリエチレンイミンを加
え静置した。次いで、遠心分離により菌体残渣を
除き、清澄な抽出液を得た。 【0046】 この抽出液に等容量の飽和硫酸アンモ
ニウム水溶液を加え静置した後、遠心分離にて沈
殿画分を集めた。この沈殿画分を約100mlの
20mMTris−HCl緩衝液(PH8.0)に溶解し、同
緩衝液に対して透析した後、予め同緩衝液にて平
衡化されたDEAE−セフアロースCL−6Bカラム
に負荷した。同緩衝液にて該カラムを充分洗浄し
た後、NACl濃度0〜0.5Mの濃度勾配にて溶出し
た。IL−1活性を有する溶出画分を集め、限外
濾過にて濃縮した後、セフアクリルS−200によ
るゲル濾過に付し、IL−1活性を有する画分を
集めた。更に、上記のDEAE−セフアロースを用
いるカラム クロマトグラフイー及びセフアクリ
ルS−200によるゲル濾過を繰り返すことにより
精製品を得た。 【0047】 1000mlの培養により得た菌体抽出液よ
り、約15mgの精製ヒトIL−1ポリペプチド(配
列番号1)が得られた。この調製品中には、前記
のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析に
よりIL−1活性を有する単一の蛋白質バンドの
みが検出され、不純蛋白質は認められなかつた。 【0048】 参考例 1 ヒトIL−1前駆体ポリペプチドをコードする
cDNAのクローニング及び塩基配列の決定 (1) 急性骨髄性白血病株細胞(HL−60細胞)か
らのヒトIL−1mRNAの調製 【0049】 HL−60細胞をペトリデイツシユ(直
径8cm)に1×107個/10ml/dishの条件で播い
た。培養液には10%牛胎児血清含有のRPMI−
1640培地を用い、分化誘導剤としてホルボール−
12−ミリステート−13−アセテートとビタミンA
酸をいずれも最終濃度として500ng/mlになるよ
うに添加した。37℃で5%炭酸ガス含有空気中、
湿度90〜100%で2日間培養した後、培養液と浮
遊細胞を吸引除去した。分化した細胞が付着した
デイツシユに10%牛胎児血清含有RPMI−1640培
地に誘導剤としてエンドトキシン(大腸菌由来の
リポポリサツカライド)を10μg/ml濃度に、蛋
白合成阻害剤としてシクロヘキシミドを1μg/ml
濃度に添加した培地の10mlを加え、更に5時間培
養した。培養終了後、培養液を吸引除去し、デイ
ツシユ上に残つた分化細胞を0.5%ラウロイルサ
ルコシン酸ナトリウム、5mMクエン酸ナトリウ
ム及び0.1M2−メルカプトエタノールを含む6M
グアニジンチオシアネート液で溶解し、ホモジナ
イズした。このホモジネートを0.1MEDTA含有
5.7M塩化セシウム水溶液上に重層し、超遠心分
離機(RPS27−2 ローター、日立工機)を用
い26500rpmで20時間遠心し全RNA画分をぺレツ
トとして得た。これを0.35MNACl,20mMTris
及び20mMEDTAを含む7M尿素液の少量に溶解
し、エタノール沈殿として回収した。 【0050】 この全RNA画分を1mMEDTAを含む
10mMTris−HCl緩衝液(PH7.4)(以下TE液と
いう)2mlに溶解し、65℃で5分間加熱した。こ
れにNaCl溶液を0.5Mとなるように加えた後、あ
らかじめ0.5MNaClを含むTE液で平衡化したオ
リゴ(dT)セルロースカラムに付し、吸着した
ポリ(A)mRNAをTE液て溶出した。 【0051】 ここで得られたポリ(A)mRNAを
以下の実験に用いた。 【0052】 (2)cDNAの合成 (1)項で得られたポリ(A)mRNAを鋳型とし
てグブラーとホフマンの方法〔Gene,25,263
(1983)〕に準じてcDNAを合成した。該ポリ
(A)mRNA(6μg)を6μlの蒸留水に溶解させ、
これに0.6μlの100mM水酸化メチル水銀水溶液を
添加し室温で10分間放置した。次いで、20単位の
RNA分解酵素阻害剤〔RNasin(登録商標)、
Promega Biotec社製品〕を含む500mM2−メル
カプトエタノール液の1.7μlを添加した。室温で
5分間放置した後、更に10mMMgCl2,
1.25mMdGTP,1.25mMdATP,1.25mMdTTP,
0.5mMdCTP,0.17μMα−32P−dCTP(比活性:
750Ci/mmole)、4μgオリゴ(dT)12-18,120単
位トリ骨髄性白血病ウイルス由来逆転写酵素を含
む32μlの50mMTris−HCl(PH8.3)緩衝液を添加
し、42℃で60分間反応させた後、EDTAを加え
て反応を停止させた。フエノール/クロロホルム
混液(1:1)で抽出し、その水層に酢酸アンモ
ニウムを終濃度2.5Mになるように加え、エタノ
ールにより反応生成物(sscDNA−mRNA複合
体)を沈殿させた。このsscDNA−mRNA複合
体を下記組成の反応緩衝液100μlに溶解した。 【0053】 反応緩衝液組成: 5mMMgCl2,10mM(NH4)2SO4,
100mMKCl,0.15mMβ−ニコチンアミド アデ
ニン ジヌクレオチド、40μM dGTP,40μM
dATP,40μM dTTP,40μM dCTP,及び5μg
ウシ血清アルブミン、1.25単位大腸菌リボヌクレ
アーゼH,24単位大腸菌DNAポリメラーゼIを
含む20mMTris−HCl(PH7.5)緩衝液。 【0054】 該溶解液を12℃で60分間反応させ、こ
れに2.5単位の大腸菌DNAリガーゼを添加し、更
に22℃で60分間反応させた。EDTAを加えて反
応を停止させた後、上記と同様にフエノール/ク
ロロホルム混液で抽出し、エタノールにより反応
生成物(dscDNA)を沈殿させ、回収した。 【0055】 (3)オリゴ(dC)テール付加cDNAの
調製 (2)項で得られたdscDNAを下記組成の反応緩衝
液100μlに溶解させ、37℃で30分間反応させ、
dscDNAにオリゴ(dC)テールを付加させた。 反応緩衝液組成: 2mMCoCl2,0.2mMジチオスレイトール、
0.1mMα−32P−dCTP(比活性:1Ci/mmole)
及び10単位ターミナルデオキシヌクレオチジルト
ランスフエラーゼを含有する100mMカコジル酸
ナトリウム(PH7.2)。 【0056】 反応はEDTA水溶液を添加して停止
させ、フエノール/クロロホルム混液で抽出し、
オリゴ(dC)テール付加dscDNAをエタノール
により沈殿させ回収した。これを1mMEDTA及
び100mM NaClを含む10mMTris−HCl(PH7.4)
緩衝液にて、2μg/mlの濃度に溶解させた。 【0057】 (4)組み換え体プラスミドの作製 オリゴ(dG)テール付加pBR322(Bethesda
Res.Labs.Inc.製)と(3)項で得られたオリゴ(dC)
テール付加dscDNAを1.5mlの1mMEDTA及び
100mMNaClを含む10mMTris−HCl(PH7.4)緩
衝液中、それぞれ1.5μg及び0.09μg含むように溶
解混合させた後、65℃で10分間、57℃で2時間、
更に45℃で2時間加温しアニーリングを行い、組
み換え体プラスミド溶液を調製した。 【0058】 (5)形質転換体の選択 (4)項で得られた組み換え体プラスミド溶液を用
い、E.coliχ1776株を形質転換させた。即ち,E.
coliχ1776株を、ジアミノピメリン酸100μg/ml及
びチミジン40μg/mlを補つたL−ブロス(組
成:1000ml当たりトリプトン10g、酵母エキス
5g、NaCl5g、ブドウ糖1g、PH7.2)20ml中、37℃
で吸光度(600nm)が0.5となるまで培養し、菌
体を遠心分離し、50mMCaCl2含有10mMTris−
HCl緩衝液(PH7.3)10mlにて洗浄した。 【0059】 集めた菌体を同じ緩衝液2mlに懸濁さ
せ、0℃で5分間静置した。この懸濁液0.2mlに
上記組み換え体プラスミド溶液0.1mlを添加混合
し、0℃で15分間静置し、更に42℃で2分間保持
した後、上記の培養で用いたのと同一組成のL−
ブロス0.5mlを加えて1時間振盪培養を行つた。
この培養液の一部を取り、上記組成に加えてテト
ラサイクリン(15μg/ml)が添加されたL−ブ
ロス寒天平板に広げて37℃で約12時間培養し、テ
トラサイクリン耐性菌を選択してcDNAライブラ
リーを作製した。 【0060】 (6)クローニング (5)項で得られたcDNAライブラリーから、参考
例2で得た組み換え体プラスミドpRL15からウサ
ギIL−1をコードするクローン化cDNAの断片
をプローブとして用いたコロニー ハイブリダイ
ゼーシヨン試験及びハイブリダイゼーシヨン ト
ランスレーシヨン試験〔Maniatis,T.,et al.,
“Molecular Cloning”329(1980),Cold Spring
Harbor Lad.〕によりヒトIL−1ポリペプチド
をコードするcDNAを含むプラスミドを有する形
質転換体を選び出した。 【0061】 この組み換え体プラスミドをpHL4と
名づけた。 【0062】 (7)クローン化cDNAの塩基配列の決定 クローン化cDNAの塩基配列はM13フアージを
用いるジデオキシ法にて決定した。M13mp18及
びM13mp19(Pharmacia P−L Biochemicals
社製)をクローニングベクターとし、M13シーク
エンシングキツト(Amersham International
plc社製)を用い、「M13クローニング及びシーク
エンシング ハンドブツク」(Amersham
International plc社製)に従つて実施した。 【0063】 その塩基配列及びその塩基配列から推
測されるアミノ酸は配列番号3に示すとおりであ
り、ヒトIL−1前駆体ポリペプチドをコードし
ている。 【0064】 第61〜63番の塩基が開始コドンATG
であり、第874〜876番の塩基は終止コドンTAG
である。 【0065】 参考例 2 ウサギIL−1cDNAの調製 (1) ウサギIL−1mRNAの調製 ウサギにプロピオニバクテリウム アクネス死
菌体を1羽当たり100mgの投与量で静脈内に注入
し、8日後に屠殺した。直ちに開胸気管切開し、
気管内に挿入したチユーブを介してリン酸緩衝化
生理食塩水を用い肺洗浄を繰り返し、肺胞マクロ
フアージを採取した。この肺胞マクロフアージを
10%牛胎児血清含有のRPMI−1640培地に懸濁さ
せてペトリデイツシユ(直径8cm)に1枚当たり
1×107個となるように播き、37℃で5%炭酸ガ
ス含有空気中、湿度90〜100%で前培養した。1
時間の前培養の後、エンドトキシン(大腸菌由来
のリポポリサツカライド)、TPA(ホルボール−
12−ミリステート−13−アセテート)及びシクロ
ヘキシミドをそれぞれ最終濃度が10μg/ml,
500ng/ml及び1μg/mlとなるように添加混和し、
更に培養を継続した。 【0066】 4時間後に培養液を吸引除去し、デイ
ツシユ上に残つたマクロフアージから参考例1−
(1)項に示した方法に従つてポリ(A)mRNAを
得た。 ここで得たポリ(A)mRNAをアガロースゲ
ル電気泳動(ゲル濃度1%、6M尿素存在下、PH
4)に付し、2.6〜3.7kbの分子サイズに相当する
泳動位置からポリ(A)mRNAを回収した。 【0067】 (2)cDNAライブラリーの作製 (1)項で得られたポリ(A)mRNAを鋳型とし
て、参考例1−(2)から(5)に示した方法に準じて、
cDNAライブラリーを作製した。 【0068】 (3)クローニング 上記のcDNAライブラリーについて、ウサギ
IL−1をコードするcDNAを含むプラスミドを
持つ形質転換体をスクリーニングするため32P標
識cDNAプローブを用いるコロニー ハイブリダ
イゼーシヨン試験をハナハンらの方法〔Gene,
10,63(1980)〕に従つて行つた。エンドトキシ
ン、TPA及びシクロヘキシミドと共に培養〔上
記(1)項参照〕した肺胞マクロフアージ及びこれら
の誘導操作を省略した肺胞マクロフアージからそ
れぞれ上記(1)項の方法で得たポリ(A)mRNA
を鋳型として、参考例1−(2)項の方法で合成し、
32Pで標識したcDNAをそれぞれ誘導プラス及び
誘導マイナスプローブとした。この試験により誘
導プラスのプローブと結合し、誘導マイナスのプ
ローブとはハイブリダイズしない塩基配列を含む
組み換え体プラスミドを有する形質転換体を選別
した。 【0069】 次いで、これらの選択されたクローン
についてハイブリダイゼーシヨン トランスレー
シヨン試験を上記(1)項で得たポリ(A)mRNA
を用い、ウサギIL−1mRNAと強くハイブリダイ
ズするクローンを選び出した。 このクローンの有する組み換え体プラスミドを
pRL15と名づけた。 【0070】 配列番号:1 配列の長さ:159 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 ■■■ 亀の甲 [0050] ■■■ 【0071】 配列番号:2 配列の長さ:477 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 ■■■ 亀の甲 [0051] ■■■ 【0072】 配列番号:3 配列の長さ:900 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 細胞の種類:ヒト急性骨髄性白血病株細胞 セルライン:HL−60 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:61..876 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:397..873 特徴を決定した方法:E 配列 ■■■ 亀の甲 [0052] ■■■ 【0073】 配列番号:4 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 他の情報:3から22まで相補的である。 配列 CGATTATGTC ATCACCTTTT AG 【0074】 配列番号:5 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 他の情報:2から11まで相補的で、他の鎖には12
から15にTCGAが存在する。 配列 AGGCGTGATG A 【0075】 配列番号:6 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 他の情報:1から32まで相補的で、他の鎖には33
から34にGCが存在する。 配列 AACTAGTACG CAAGTTCACG
TAAGGAGGTT AT
ロイキン1ポリペプチドをコードするDNAに関
する。 【0002】 【従来の技術】 ゲリーらはヒト マクロフアー
ジの培養上清中に、マイトーゲンによるマウス胸
腺細胞分裂作用を促進させる物質を見出し、これ
をリンパ球活性化因子(lymphocyte activating
factor、以下LAFと略記する)と名づけたが、
1979年以降、インターロイキン1(以下、IL−1
と略記する)の名称が用いられている。従つて本
明細書においてもこのような物質をインターロイ
キン1として扱う。 【0003】 IL−1はT細胞やB細胞の増殖分化
を促進させ、またT細胞に作用してリンホカイ
ン、特にインターロイキン2(T細胞増殖因子)
の産生を促進させる効果を有し、抗体産生や細胞
性免疫の調節に重要な役割を果たす因子の一つと
考えられている〔Staruch,M.J.,et al.,J.
Immunol.,130,2191(1983)〕。その他、プロス
タグランジンEやコラゲナーゼの産生促進、繊維
芽細胞の増殖促進、又はインターロイキン2やイ
ンターフエロンの有するNK(ナチユラル キラ
ー)細胞活性化作用を増強させる効果があると報
告されている〔Simon,p.L.,etal.,
“Lymphokines”vol.6,p.47(1982),Academic
Press Inc.,New York〕。 【0004】 このようにIL−1は免疫応答のみな
らず、生体の防御やその修復等にも関与する生体
物質であり、免疫不全症に対する治療薬や抗腫瘍
剤としての臨床応用が期待されている。 【0005】 IL−1のこれまでの取得方法は、主
としてマクロフアージや末梢単核細胞又はマクロ
フアージ様株化細胞(例えばマウスP388D1細胞)
や単球性又は骨髄性白血病細胞等を適当な誘導剤
の存在下で培養し、その培養上清中より単離する
ものである。 【0006】 ヒトIL−1は、ヒト単球性白血病株
化細胞であるU937細胞及びヒト末梢単核細胞の
培養上清から分離精製され、その分子量が11300
及び15000ダルトンであると報告されている。
〔Mizel,S.B.,et al.,J.Immunol.,131,1834
(1983);Schmidt,J.A.,J.Exp. Med.,160,
772(1984)〕。 【0007】 最近、マウスP388D1細胞を用いマウ
スIL−1ポリペプチドをコードするcDNAをク
ローニングし、IL−1活性を有する156個のアミ
ノ酸から成るポリペプチドを大腸菌で生産させる
ことに成功したと報告されている。〔Lomedico,
P.T.,et al.,Nature,312,458(1984)〕。また、
ヒトIL−1に関しては、ヒト単核球を用いヒト
IL−1ポリペプチドをコードするcDNAがクロ
ーニングされている〔Auron,P.E.,et al.,
Proc.Nat.Acad.Sci.USA,81,7907(1984)〕。上
記のマウスIL−1ポリペプチド及びヒトIL−1
ポリペプチドをそれぞれコードするDNAの塩基
配列の間には相同性が認められず、複数のIL−
1の存在の可能性が示唆された。 【0008】 【発明の目的】 本発明者らは、ヒトHL−60細
胞を用いてヒトIL−1前駆体ポリペプチドをコ
ードするクローン化cDNAの単離に成功し、この
クローン化DNAに由来するDNAを組み込んだ組
み換え体プラスミドで形質転換された微生物中
で、上記公知のヒトIL−1ポリペプチドとアミ
ノ酸配列を全く異にする新たなヒトIL−1ポリ
ペプチドを生産させることに成功した。 【0009】 本発明は、配列番号1で示されるアミ
ノ酸配列からなる新規ヒトIL−1ポリペプチド
をコードするDNAに関する。 【0010】 【発明の構成及び効果】 配列番号1で表される
IL−1ポリペプチド自体をコードするDNAの典
型的な塩基配列は配列番号2に示す通りである。 【0011】 以下に本発明のDNAの作製法につい
て述べる。 【0012】 ヒトIL−1前駆体ポリペプチドをコ
ードする塩基配列を有するDNAは、例えば後記
参考例に示した方法により単離することができ
る。 【0013】 このDNAを適当な制限酵素で切断し
た後、これと必要に応じて常法により合成した
DNAアダプターとを結合することにより、配列
番号1で表されるIL−1ポリペプチドをコード
するDNA断片、すなわち配列番号1で表される
ヒトIL−1ポリペプチドをコードするDNA塩基
配列の5′末端に開始コドンATG、3′末端に終止コ
ドンを有する塩基配列を含むDNA断片を作製す
ることができる。 【0014】 これを適当なプロモーター及びシヤイ
ン・ダルガーノ(SD)配列に続いて結合させ、
ベクターに組み込むことにより、配列番号1で表
されるポリペプチド生産用形質発現ベクターを得
ることができる。 【0015】 プロモーターとしては、例えばlac,
trp,tac,phoS,phoA,PL,SV40初期プロモ
ーター等が挙げられる。ベクターとしては、形質
転換させる宿主中で増殖するものはすべて用いる
ことができる。例えば、プラスミド(pBR322
等)、フアージ(λフアージ誘導体等)、ウイルス
(SV40等)が挙げられる。また、ランナウエイ
プラスミドも有用である。 【0016】 これらの形質発現ベクターを適当な宿
主、例えば大腸菌などに、例えばコーエンらの方
法〔Proc.Nat.Acad.Sci.USA,69,2110(1972)〕
により導入することにより形質転換体を得、次い
で該形質転換体を培養することにより配列番号1
で表されるポリペプチド或いはそのN末端にメチ
オニンが付加したポリペプチドを産生させること
ができる。該生産物は使用したプロモーターと形
質発現ベクターの構築法により、宿主中の細胞質
内又は細胞質外のいずれにも蓄積させることがで
きる。細胞質外に分泌させるには、例えばアルカ
リホスフアターゼの構造遺伝子(phoA)やリン
酸結合蛋白の構造遺伝子(phoS)を用い、それ
らのシグナルペプチドをコードする領域に続いて
配列番号1で表されるポリペプチドをコードする
DNAを結合させた形質発現ベクターを構築すれ
ばよい。 【0017】 このようにして得られた形質転換体
を、それぞれの形質転換体に応じた適当な培養条
件下で、目的のポリペプチドが十分に産生される
まで培養した後、培養物からポリペプチドを抽出
する。産生したポリペプチドが細胞物質中に蓄積
される場合は、例えば、リゾチーム消化と凍結融
解や超音波破砕、フレンチプレス等により宿主細
胞を破壊した後、遠心分離又は濾過にて抽出液を
集める。また、ペリプラスムに蓄積される場合
は、例えばウイルスキーらの方法〔J.Bacteriol.,
127,595(1976)〕に従つて抽出することができ
る。 【0018】 抽出されたポリペプチドは蛋白質の一
般的な精製法(限外濾過、透析、イオン交換クロ
マトグラフイー、ゲル濾過、電気泳動、アフイニ
テイクロマトグラフイー等)に従い精製すること
により、実質的に純品として得ることができる。 【0019】 次に、配列番号1で表されるヒトIL
−1ポリペプチド(以下、ポリペプチド1と略記
することもある)の特性について以下に詳述す
る。 【0020】 (1) 物理化学的並びに化学的特性 分子量 分子量はドデシル硫酸ナトリウム(SDS)存在
下におけるポリアクリルアミドゲル(ゲル濃度
12.5%)電気泳動分析により測定した。 【0021】 ポリペプチド1溶液を等容量の4%
SDS,10%2−メルカプトエタノール、20%グリ
セロール及び0.02%ブロムフエノールブルーを含
む0.125MTris−HCl緩衝液(PH6.8)と混合し、
30分間室温で放置後、SDS−ポリアクリルアミド
ゲル電気泳動分析に付した。泳動用溶媒として
0.1%SDSを含む25mMTris−0.2Mグリシン液を
用い、200ボルトで3時間泳動させた。泳動終了
後、クマシーブリリアントブルーG250を用いる
染色で蛋白質の泳動位置を、また別途にゲルを2
mm幅で切出し各ゲル片を5%牛胎児血清を含む組
織培養用培地RPMI−1640(Flow Labs.)に浸漬
し、ゲル中の蛋白質を抽出した。各ゲル片から得
たそれぞれの抽出液について後記するLAF活性
を指標としてIL−1活性を測定した。その結果、
分子量約18000±500の位置に単一の蛋白質のバン
ドと一致して、IL−1活性を認めた。 【0022】 等電点 等電点は、フアルマライト(フアルマシア社、
PH範囲4〜6.5)と5%ポリアクリルアミドを含
むフラツトゲルを用いる等電点電気泳動法にて測
定した。 その結果、ポリペプチド1の等電点は約5.3±
0.3であつた。 【0023】 泳動は5ワツトで3時間行つた。クマ
シーブリリアントブルーG250を用いる染色で蛋
白質の位置を、またゲルを2mm幅に切出し、
20mMTris−HCl緩衝液(PH7.8)で抽出し、IL
−1活性を測定した。染色による蛋白質の位置と
一致して強いIL−1活性を認めた。 【0024】 N末端部分アミノ酸配列 N末端部分のアミノ酸配列をエドマン分解法
〔Arch.Biochem.Biophys.,22,475(1949)〕によ
り決定した。 【0025】 ポリペプチド1をフエニルイソチオシ
アネートとカツプリング反応させ、次いでN末端
アミノ酸をチアゾリノン誘導体として切断し、更
にフエニルチオヒダントイン アミノ酸に変換し
た後、これをTSK−gel ODS−120Aカラム(東
洋曹達工業)を用いた高速液体クロマトグラフイ
ーにより同定した。この操作を順次繰り返すこと
により、N末端部分のアミノ酸配列を決定した。 【0026】 その結果、ポリペプチド1のN末端部
分のアミノ酸配列は、Ser−Ser−Pro−Phe……
であつた。 【0027】 C末端部分アミノ酸配列 C末端部分のアミノ酸配列はカルボキシペプチ
ダーゼを用いる酵素法により決定した。 【0028】 ポリペプチド1にカルボキシペプチタ
ーゼA(シグマ社)及びカルボキシペプチターゼ
Y(オリエンタル酵母社)を作用させ、反応開始
後から2時間にわたり、経時的に遊離してくるア
ミノ酸を微量アミノ酸分析システム(島津製作
所)を用いて定量した。 【0029】 その結果、ポリペプチド1のC末端部
分のアミノ酸配列は、……Asx−Glx−Alaであ
つた。 GlxはGlu又はGlnを、AsxはAsp又はAsnを意
味する。 【0030】 (2) IL−1活性 IL−1活性は、マイトーゲンによるマウス胸
腺細胞分裂作用を促進させる生物活性、すなわち
リンパ球活性化因子(LAF)活性により評価し
た。 【0031】 ポリペプチド1の約40μg/ml溶液を
5%牛胎児血清を含む組織培養用培地RPMI−
1640にて希釈した。各希釈液の50μlを96穴平底型
プレート(Flow Labs.)に入れ、それぞれに
50μg/ml濃度のフイトヘマグルチニン−P
(Difco 社)の50μlを添加し、更にC3H/Heマ
ウスより採取した胸腺細胞(1×107個/ml)溶
液の100μlを加え、37℃で5%炭酸ガス含有空気
中、湿度90〜100%で3日間培養した。次いで、
3H−チミジンの1μCiを加え、更に18時間培養し
た後、細胞内に取り込まれた3H−チミジン量を
計測することにより、LAF活性を測定した。 結果は表1に示す通りである。 【0032】 【表1】 ■■■ 亀の甲 [0049] ■■■ 【0033】 配列番号1で表されるヒトIL−1ポ
リペプチドは、免疫不全治療剤又は抗腫瘍剤とし
て用いられうる。 【0034】 本明細書では記載の簡略化のために以
下の略号を使用する。 A アデニン C シトシン G グアニン T チミン Ala アラニン Arg アルギニン Asn アスパラギン Asp アスパラギン酸 Cys システイン Gln グリタミン Glu グリタミン酸 Gly グリシン His ヒスチジン Ile イソロイシン Leu ロイシン Lys リジン Met メチオニン Phe フエニルアラニン Pro プロリン Ser セリン Thr スレオニン Trp トリプトフアン Tyr チロシン Val バリン DNA デオキシリボ核酸 cDNA 相補DNA sscDNA 単鎖cDNA dscDNA 二重鎖cDNA RNA リボ核酸 mRNA 伝令RNA ポリ(A)mRNA
ポリアデニル酸含有伝令RNA dATP デオキシアデノシン三リン酸 dCTP デオキシシチジン三リン酸 dGTP デオキシグアノシン三リン酸 dTTP デオキシチミジン三リン酸 オリゴ(dC) オリゴデオキシシチジル酸 オリゴ(dG) オリゴデオキシグアニル酸 オリゴ(dT) オリゴデオキシチミジン酸 ポリ(A) ポリアデニル酸 ポリ(U) ポリウリジル酸 ポリ(dA) ポリデオキシアデニル酸 ポリ(dC) ポリデオキシシチジル酸 ポリ(dG) ポリデオキシグアニル酸 ポリ(dT) ポリデオキシチミジル酸 ATP アデノシン三リン酸 EDTA エチレンジアミン四酢酸 kb キロ塩基 kbp キロ塩基対 bp 塩基対 【0035】 【実施例】 以下に実施例及び参考例を挙げて本
発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれら
の実施例に限定されるものではない。 【0036】 また下記の実施例の理解を容易にする
ために図1を示した。 【0037】 実施例 1 ヒトIL−1ポリペプチド生産用形質転換体の作
製 配列番号1で示されるアミノ酸配列を有するヒ
トIL−1ポリペプチド生産用形質発現プラスミ
ド(pHLP383)を図1に示すように構築した。 【0038】 すなわち、参考例1で得た組み換え体
プラスミドpHL4から制限酵素PstIによりクロー
ン化cDNA部分を切出し、更に制限酵素AluIを
作用させ、配列番号3で示される塩基配列の第
411番目から下流側の約533bpのDNA断片を得、
更にこれに制限酵素BstNIを作用させ、配列番号
3で示される塩基配列の第411番から第868番まで
に相当するDNA断片を単離した。このDNA断片
に、常法により合成した配列番号4で示される次
の合成オリゴヌクレオチド アダプター 5′ −CGATTATGTCATCACCTTTTAG
[III] 3′ −TAATACAGTAGTGGAAAATC 及び配列番号5で示される次の合成オリゴヌクレ
オチド アダプター 5′ −AGGCGTGATGA [] 3′ −CCGCACTACTTCGA を順次T4DNAリガーゼを用いて結合させること
により、配列番号1で表されるヒトIL−1ポリ
ペプチドをコードする塩基配列の5′末端に開始コ
ドンATGを付加し、更に終止コドンTGATGA
を付加したDNA断片を得た。このDNA断片を
HIL−1断片という。 【0039】 一方、プラスミドpCT−1〔Ikehara,
M.et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.USA,81,5956
(1984)〕に制限酵素HpaIとAatIIを作用させtrp
プロモーター領域の一部を含む約380bpのDNA
断片を切出し、このDNA断片に、常法より合成
した配列番号6で示される次の合成オリゴヌクレ
オチド アダプター 5′−AACTAGTACGCAAGTTCACGTAAGGAGGTTAT [
] 3′−TTGATCATGCGTTCAAGTGCATTCCTCCAATAGC をT4DNAリガーゼを用いて結合させた。 【0040】 この結合DNA断片に、先に調製した
HIL−1断片をT4DNAリガーゼを用いて結合さ
せ、DNA断片を得た。このDNA断片をプロモー
ターHIL−1断片という。 【0041】 別途に、プラスミドpBR322に制限酵
素AvaIとPvuIIを作用させ、大きなDNA断片
(約3.7kbp)を0.7%アガロースゲル電気泳動によ
り分離した。このDNA断片の両端をDNAポリメ
ラーゼI(クレノー フラグメント)及びdGTP,
dATP,dCTP,dTTPを用い平滑末端とし、そ
の両端をT4DNAリガーゼを用いて結合させた。
このプラスミド ベクターをpBRS6という。更
に、このpBRS6ベクターに制限酵素AatIIとHin
dIIIを作用させ、大きなDNA断片(約3.6kbp)
を単離精製した。 【0042】 このDNA断片に先に調製したプロモ
ーターHIL−1断片をT4DNAリガーゼを用いて
結合させることにより、ヒトIL−1ポリペプチ
ド(配列番号1)生産用形質発現プラスミドを構
築した。この形質発現プラスミドをpHLP383と
名づけた。 【0043】 この形質発現ベクター(pHLP383)
を下記の方法によりE.coliHB101に導入し形質転
換体を得た。すなわち、E.coliHB101をL−ブロ
ス(組成:1000ml当たり、トリプトン10g、酵母
エキス5g、NaCl5g、ブドウ糖1g,PH7.2)の5ml
に接種し、37℃で一夜培養した。その菌体懸濁液
の1mlを100mlのL−ブロスに接種し、濁度(吸
光度650nm)が0.6になるまで37℃で培養した。
氷水中で30分間静置後、菌体を遠心分離により集
め、これを50mlの50mMCaCl2に懸濁し、0℃で
60分間静置した。次いで、遠心分離により菌体を
集め、20%グリセリンを含む50mMCaCl2の10ml
に再懸濁した。 【0044】 この懸濁液に上記の形質発現ベクター
pHLP383を添加し、これを氷水中で20分間、42
℃で1分間、室温で10分間インキユベートした
後、LB−ブロス(組成:1000ml当たり、トリプ
トン10g、酵母エキス5g、NaCl10g,PH7.5)を加
え、37℃で60分間振盪した。その菌体懸濁液の一
部を25μg/mlアンピシリンを含むLB寒天平板に
播き、37℃で一夜培養した後、アンピシリン耐性
クローンを選択して形質転換体を得た。この形質
転換体をHB101/pHLP383と名づけた。 【0045】 実施例2 ヒトIL−1ポリペプチドの製造及び精製 実施例1で得た形質転換体HB101/pHLP383
をLB−ブロス中37℃で一夜振盪培養した。その
菌体懸濁液の10mlを1000mlの改良M9培地(組
成:1.5%NA2HPO4・12H2O,0.3%KH2PO4,
0.05%NACl,0.1%NH4Cl,2mg/lビタミン
B1,0.5%カザミノ酸、2mMMgSO4,
0.1mMCaCl2,0.5ブドウ糖)に接種し、37℃で
1時間培養し、次いで、インドール−3−アクリ
ル酸を終濃度20μg/mlになるように加え、更に
24時間培養を継続した後、遠心分離により菌体を
集めた。菌体を100mlの0.1%リゾチーム及び
30mMNaClを含む50mMTris−HCl(PH8.0)緩衝
液に再懸濁し、0℃で30分間静置した後、ドライ
アイス/エタノール浴での凍結と37℃での融解を
繰り返した後2mlの10%ポリエチレンイミンを加
え静置した。次いで、遠心分離により菌体残渣を
除き、清澄な抽出液を得た。 【0046】 この抽出液に等容量の飽和硫酸アンモ
ニウム水溶液を加え静置した後、遠心分離にて沈
殿画分を集めた。この沈殿画分を約100mlの
20mMTris−HCl緩衝液(PH8.0)に溶解し、同
緩衝液に対して透析した後、予め同緩衝液にて平
衡化されたDEAE−セフアロースCL−6Bカラム
に負荷した。同緩衝液にて該カラムを充分洗浄し
た後、NACl濃度0〜0.5Mの濃度勾配にて溶出し
た。IL−1活性を有する溶出画分を集め、限外
濾過にて濃縮した後、セフアクリルS−200によ
るゲル濾過に付し、IL−1活性を有する画分を
集めた。更に、上記のDEAE−セフアロースを用
いるカラム クロマトグラフイー及びセフアクリ
ルS−200によるゲル濾過を繰り返すことにより
精製品を得た。 【0047】 1000mlの培養により得た菌体抽出液よ
り、約15mgの精製ヒトIL−1ポリペプチド(配
列番号1)が得られた。この調製品中には、前記
のSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析に
よりIL−1活性を有する単一の蛋白質バンドの
みが検出され、不純蛋白質は認められなかつた。 【0048】 参考例 1 ヒトIL−1前駆体ポリペプチドをコードする
cDNAのクローニング及び塩基配列の決定 (1) 急性骨髄性白血病株細胞(HL−60細胞)か
らのヒトIL−1mRNAの調製 【0049】 HL−60細胞をペトリデイツシユ(直
径8cm)に1×107個/10ml/dishの条件で播い
た。培養液には10%牛胎児血清含有のRPMI−
1640培地を用い、分化誘導剤としてホルボール−
12−ミリステート−13−アセテートとビタミンA
酸をいずれも最終濃度として500ng/mlになるよ
うに添加した。37℃で5%炭酸ガス含有空気中、
湿度90〜100%で2日間培養した後、培養液と浮
遊細胞を吸引除去した。分化した細胞が付着した
デイツシユに10%牛胎児血清含有RPMI−1640培
地に誘導剤としてエンドトキシン(大腸菌由来の
リポポリサツカライド)を10μg/ml濃度に、蛋
白合成阻害剤としてシクロヘキシミドを1μg/ml
濃度に添加した培地の10mlを加え、更に5時間培
養した。培養終了後、培養液を吸引除去し、デイ
ツシユ上に残つた分化細胞を0.5%ラウロイルサ
ルコシン酸ナトリウム、5mMクエン酸ナトリウ
ム及び0.1M2−メルカプトエタノールを含む6M
グアニジンチオシアネート液で溶解し、ホモジナ
イズした。このホモジネートを0.1MEDTA含有
5.7M塩化セシウム水溶液上に重層し、超遠心分
離機(RPS27−2 ローター、日立工機)を用
い26500rpmで20時間遠心し全RNA画分をぺレツ
トとして得た。これを0.35MNACl,20mMTris
及び20mMEDTAを含む7M尿素液の少量に溶解
し、エタノール沈殿として回収した。 【0050】 この全RNA画分を1mMEDTAを含む
10mMTris−HCl緩衝液(PH7.4)(以下TE液と
いう)2mlに溶解し、65℃で5分間加熱した。こ
れにNaCl溶液を0.5Mとなるように加えた後、あ
らかじめ0.5MNaClを含むTE液で平衡化したオ
リゴ(dT)セルロースカラムに付し、吸着した
ポリ(A)mRNAをTE液て溶出した。 【0051】 ここで得られたポリ(A)mRNAを
以下の実験に用いた。 【0052】 (2)cDNAの合成 (1)項で得られたポリ(A)mRNAを鋳型とし
てグブラーとホフマンの方法〔Gene,25,263
(1983)〕に準じてcDNAを合成した。該ポリ
(A)mRNA(6μg)を6μlの蒸留水に溶解させ、
これに0.6μlの100mM水酸化メチル水銀水溶液を
添加し室温で10分間放置した。次いで、20単位の
RNA分解酵素阻害剤〔RNasin(登録商標)、
Promega Biotec社製品〕を含む500mM2−メル
カプトエタノール液の1.7μlを添加した。室温で
5分間放置した後、更に10mMMgCl2,
1.25mMdGTP,1.25mMdATP,1.25mMdTTP,
0.5mMdCTP,0.17μMα−32P−dCTP(比活性:
750Ci/mmole)、4μgオリゴ(dT)12-18,120単
位トリ骨髄性白血病ウイルス由来逆転写酵素を含
む32μlの50mMTris−HCl(PH8.3)緩衝液を添加
し、42℃で60分間反応させた後、EDTAを加え
て反応を停止させた。フエノール/クロロホルム
混液(1:1)で抽出し、その水層に酢酸アンモ
ニウムを終濃度2.5Mになるように加え、エタノ
ールにより反応生成物(sscDNA−mRNA複合
体)を沈殿させた。このsscDNA−mRNA複合
体を下記組成の反応緩衝液100μlに溶解した。 【0053】 反応緩衝液組成: 5mMMgCl2,10mM(NH4)2SO4,
100mMKCl,0.15mMβ−ニコチンアミド アデ
ニン ジヌクレオチド、40μM dGTP,40μM
dATP,40μM dTTP,40μM dCTP,及び5μg
ウシ血清アルブミン、1.25単位大腸菌リボヌクレ
アーゼH,24単位大腸菌DNAポリメラーゼIを
含む20mMTris−HCl(PH7.5)緩衝液。 【0054】 該溶解液を12℃で60分間反応させ、こ
れに2.5単位の大腸菌DNAリガーゼを添加し、更
に22℃で60分間反応させた。EDTAを加えて反
応を停止させた後、上記と同様にフエノール/ク
ロロホルム混液で抽出し、エタノールにより反応
生成物(dscDNA)を沈殿させ、回収した。 【0055】 (3)オリゴ(dC)テール付加cDNAの
調製 (2)項で得られたdscDNAを下記組成の反応緩衝
液100μlに溶解させ、37℃で30分間反応させ、
dscDNAにオリゴ(dC)テールを付加させた。 反応緩衝液組成: 2mMCoCl2,0.2mMジチオスレイトール、
0.1mMα−32P−dCTP(比活性:1Ci/mmole)
及び10単位ターミナルデオキシヌクレオチジルト
ランスフエラーゼを含有する100mMカコジル酸
ナトリウム(PH7.2)。 【0056】 反応はEDTA水溶液を添加して停止
させ、フエノール/クロロホルム混液で抽出し、
オリゴ(dC)テール付加dscDNAをエタノール
により沈殿させ回収した。これを1mMEDTA及
び100mM NaClを含む10mMTris−HCl(PH7.4)
緩衝液にて、2μg/mlの濃度に溶解させた。 【0057】 (4)組み換え体プラスミドの作製 オリゴ(dG)テール付加pBR322(Bethesda
Res.Labs.Inc.製)と(3)項で得られたオリゴ(dC)
テール付加dscDNAを1.5mlの1mMEDTA及び
100mMNaClを含む10mMTris−HCl(PH7.4)緩
衝液中、それぞれ1.5μg及び0.09μg含むように溶
解混合させた後、65℃で10分間、57℃で2時間、
更に45℃で2時間加温しアニーリングを行い、組
み換え体プラスミド溶液を調製した。 【0058】 (5)形質転換体の選択 (4)項で得られた組み換え体プラスミド溶液を用
い、E.coliχ1776株を形質転換させた。即ち,E.
coliχ1776株を、ジアミノピメリン酸100μg/ml及
びチミジン40μg/mlを補つたL−ブロス(組
成:1000ml当たりトリプトン10g、酵母エキス
5g、NaCl5g、ブドウ糖1g、PH7.2)20ml中、37℃
で吸光度(600nm)が0.5となるまで培養し、菌
体を遠心分離し、50mMCaCl2含有10mMTris−
HCl緩衝液(PH7.3)10mlにて洗浄した。 【0059】 集めた菌体を同じ緩衝液2mlに懸濁さ
せ、0℃で5分間静置した。この懸濁液0.2mlに
上記組み換え体プラスミド溶液0.1mlを添加混合
し、0℃で15分間静置し、更に42℃で2分間保持
した後、上記の培養で用いたのと同一組成のL−
ブロス0.5mlを加えて1時間振盪培養を行つた。
この培養液の一部を取り、上記組成に加えてテト
ラサイクリン(15μg/ml)が添加されたL−ブ
ロス寒天平板に広げて37℃で約12時間培養し、テ
トラサイクリン耐性菌を選択してcDNAライブラ
リーを作製した。 【0060】 (6)クローニング (5)項で得られたcDNAライブラリーから、参考
例2で得た組み換え体プラスミドpRL15からウサ
ギIL−1をコードするクローン化cDNAの断片
をプローブとして用いたコロニー ハイブリダイ
ゼーシヨン試験及びハイブリダイゼーシヨン ト
ランスレーシヨン試験〔Maniatis,T.,et al.,
“Molecular Cloning”329(1980),Cold Spring
Harbor Lad.〕によりヒトIL−1ポリペプチド
をコードするcDNAを含むプラスミドを有する形
質転換体を選び出した。 【0061】 この組み換え体プラスミドをpHL4と
名づけた。 【0062】 (7)クローン化cDNAの塩基配列の決定 クローン化cDNAの塩基配列はM13フアージを
用いるジデオキシ法にて決定した。M13mp18及
びM13mp19(Pharmacia P−L Biochemicals
社製)をクローニングベクターとし、M13シーク
エンシングキツト(Amersham International
plc社製)を用い、「M13クローニング及びシーク
エンシング ハンドブツク」(Amersham
International plc社製)に従つて実施した。 【0063】 その塩基配列及びその塩基配列から推
測されるアミノ酸は配列番号3に示すとおりであ
り、ヒトIL−1前駆体ポリペプチドをコードし
ている。 【0064】 第61〜63番の塩基が開始コドンATG
であり、第874〜876番の塩基は終止コドンTAG
である。 【0065】 参考例 2 ウサギIL−1cDNAの調製 (1) ウサギIL−1mRNAの調製 ウサギにプロピオニバクテリウム アクネス死
菌体を1羽当たり100mgの投与量で静脈内に注入
し、8日後に屠殺した。直ちに開胸気管切開し、
気管内に挿入したチユーブを介してリン酸緩衝化
生理食塩水を用い肺洗浄を繰り返し、肺胞マクロ
フアージを採取した。この肺胞マクロフアージを
10%牛胎児血清含有のRPMI−1640培地に懸濁さ
せてペトリデイツシユ(直径8cm)に1枚当たり
1×107個となるように播き、37℃で5%炭酸ガ
ス含有空気中、湿度90〜100%で前培養した。1
時間の前培養の後、エンドトキシン(大腸菌由来
のリポポリサツカライド)、TPA(ホルボール−
12−ミリステート−13−アセテート)及びシクロ
ヘキシミドをそれぞれ最終濃度が10μg/ml,
500ng/ml及び1μg/mlとなるように添加混和し、
更に培養を継続した。 【0066】 4時間後に培養液を吸引除去し、デイ
ツシユ上に残つたマクロフアージから参考例1−
(1)項に示した方法に従つてポリ(A)mRNAを
得た。 ここで得たポリ(A)mRNAをアガロースゲ
ル電気泳動(ゲル濃度1%、6M尿素存在下、PH
4)に付し、2.6〜3.7kbの分子サイズに相当する
泳動位置からポリ(A)mRNAを回収した。 【0067】 (2)cDNAライブラリーの作製 (1)項で得られたポリ(A)mRNAを鋳型とし
て、参考例1−(2)から(5)に示した方法に準じて、
cDNAライブラリーを作製した。 【0068】 (3)クローニング 上記のcDNAライブラリーについて、ウサギ
IL−1をコードするcDNAを含むプラスミドを
持つ形質転換体をスクリーニングするため32P標
識cDNAプローブを用いるコロニー ハイブリダ
イゼーシヨン試験をハナハンらの方法〔Gene,
10,63(1980)〕に従つて行つた。エンドトキシ
ン、TPA及びシクロヘキシミドと共に培養〔上
記(1)項参照〕した肺胞マクロフアージ及びこれら
の誘導操作を省略した肺胞マクロフアージからそ
れぞれ上記(1)項の方法で得たポリ(A)mRNA
を鋳型として、参考例1−(2)項の方法で合成し、
32Pで標識したcDNAをそれぞれ誘導プラス及び
誘導マイナスプローブとした。この試験により誘
導プラスのプローブと結合し、誘導マイナスのプ
ローブとはハイブリダイズしない塩基配列を含む
組み換え体プラスミドを有する形質転換体を選別
した。 【0069】 次いで、これらの選択されたクローン
についてハイブリダイゼーシヨン トランスレー
シヨン試験を上記(1)項で得たポリ(A)mRNA
を用い、ウサギIL−1mRNAと強くハイブリダイ
ズするクローンを選び出した。 このクローンの有する組み換え体プラスミドを
pRL15と名づけた。 【0070】 配列番号:1 配列の長さ:159 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:タンパク質 配列 ■■■ 亀の甲 [0050] ■■■ 【0071】 配列番号:2 配列の長さ:477 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列 ■■■ 亀の甲 [0051] ■■■ 【0072】 配列番号:3 配列の長さ:900 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:cDNA to mRNA 起源 細胞の種類:ヒト急性骨髄性白血病株細胞 セルライン:HL−60 配列の特徴 特徴を表す記号:CDS 存在位置:61..876 特徴を決定した方法:E 特徴を表す記号:mat peptide 存在位置:397..873 特徴を決定した方法:E 配列 ■■■ 亀の甲 [0052] ■■■ 【0073】 配列番号:4 配列の長さ:22 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 他の情報:3から22まで相補的である。 配列 CGATTATGTC ATCACCTTTT AG 【0074】 配列番号:5 配列の長さ:15 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 他の情報:2から11まで相補的で、他の鎖には12
から15にTCGAが存在する。 配列 AGGCGTGATG A 【0075】 配列番号:6 配列の長さ:34 配列の型:核酸 鎖の数:二本鎖 トポロジー:直鎖状 配列の種類:他の核酸 合成DNA 他の情報:1から32まで相補的で、他の鎖には33
から34にGCが存在する。 配列 AACTAGTACG CAAGTTCACG
TAAGGAGGTT AT
【図1】 形質発現ベクターpHLP383の構築工
程を示す図である。なお、図中の[III],[]
及び[]は、実施例1で示したそれぞれの合成
オリゴヌクレオチド アダプターを意味する
程を示す図である。なお、図中の[III],[]
及び[]は、実施例1で示したそれぞれの合成
オリゴヌクレオチド アダプターを意味する
Claims (9)
- 【請求項1】 配列番号1で示されるアミノ酸配
列からなるヒト インターロイキン1αポリペプ
チドをコードするDNA。 - 【請求項2】 ヒト インターロイキン1αポリ
ペプチドをコードするDNAが配列番号2で示さ
れる塩基配列である請求項1記載のDNA。 - 【請求項3】 配列番号1で示されるアミノ酸配
列からなるヒト インターロイキン1αポリペプ
チドをコードするDNAが組み込まれた、微生物
中で増殖可能なベクター。 - 【請求項4】 ベクターが形質発現ベクターであ
る請求項3記載のベクター。 - 【請求項5】 ベクターが大腸菌プラスミドであ
る請求項3記載のベクター。 - 【請求項6】 ベクターがpHLP383である請求
項3記載のベクター。 - 【請求項7】 配列番号1で示されるアミノ酸配
列からなるヒト インターロイキン1αポリペプ
チドをコードするDNAが増殖可能な発現ベクタ
ーに組み込まれたベクターによつて形質転換され
た細菌宿主。 - 【請求項8】 形質転換された宿主が大腸菌であ
る請求項7記載の細菌宿主。 - 【請求項9】 形質転換された宿主が大腸菌
HB101/pHLP383である請求項7記載の微生物
宿主。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3124909A JPH04330282A (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | ヒト インターロイキン1αポリペプチドをコードするDNA |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3124909A JPH04330282A (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | ヒト インターロイキン1αポリペプチドをコードするDNA |
Related Parent Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP60112474A Division JPS61271222A (ja) | 1984-12-25 | 1985-05-24 | ヒトインターロイキン1ポリペプチド及びその製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04330282A JPH04330282A (ja) | 1992-11-18 |
| JPH0581236B2 true JPH0581236B2 (ja) | 1993-11-11 |
Family
ID=14897115
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3124909A Granted JPH04330282A (ja) | 1991-04-25 | 1991-04-25 | ヒト インターロイキン1αポリペプチドをコードするDNA |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH04330282A (ja) |
-
1991
- 1991-04-25 JP JP3124909A patent/JPH04330282A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04330282A (ja) | 1992-11-18 |
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