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JPH0584658B2 - - Google Patents
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JPH0584658B2 - - Google Patents

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JPH0584658B2
JPH0584658B2 JP60244879A JP24487985A JPH0584658B2 JP H0584658 B2 JPH0584658 B2 JP H0584658B2 JP 60244879 A JP60244879 A JP 60244879A JP 24487985 A JP24487985 A JP 24487985A JP H0584658 B2 JPH0584658 B2 JP H0584658B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スピネル型酸化物強磁性薄膜の製造
方法に関するものであり、詳しくは、真空蒸着法
により、室温以上200℃以下という低温度で、Fe
を主成分とする又はFe及びCoを主成分とするス
ピネル型酸化物強磁性薄膜を得ることを目的とす
る。
本発明において、「Feを主成分とするスピネル
型酸化物」とは、マグネタイト(Fe3O4)、マグ
ヘマイト(γ−Fe2O3)及びこれらの中間酸化物
(FeOx・Fe2O30<x<1)をいい、Fe及びCoを
主成分とするスピネル型酸化物とは、上記マグネ
タイト、マグヘマイト及びこれらの中間酸化物に
Coを主体とする金属元素を含有しているものを
いう。
本発明により得られたスピネル型酸化物強磁性
薄膜の主な用途は、磁気記録媒体である。
〔従来の技術〕
近年、情報機器、システムの小型化と高信頼性
の傾向が顕著であり、再生出力や感度等の優れた
高密度磁気記録媒体が強く要望されている。
従来、磁気記録媒体の主流は、針状マグネタイ
ト粒子粉末、針状マグヘマイト粒子粉末等の磁性
粒子粉末をバインダーと混練して磁性塗料とし、
該磁性塗料をフイルム上に配向塗布することによ
り得られる、所謂、塗布型磁気記録媒体であつ
た。
上記塗布型磁気記録媒体について高密度記録化
の為の改良が種々試みられてきたが、磁気記録に
関与しないバインダーを含有している為、磁気記
録媒体のBm値は高々2000Gauss程度であり、高
密度記録化の改良技術も限界に近づいてきてい
る。
そこで、更に、高密度記録が可能な新しい磁気
記録媒体としてFeを主成分とするスピネル型酸
化物磁性薄膜が注目を浴びている。
現在、Feを主成分とするスピネル型酸化物磁
性薄膜を製造する代表的な方法として、反応蒸着
による方法及び反応スパツタリングによる方法等
が知られている。
前者の方法は、「十分高い真空度に排気し、所
定の基板温度に設定後、バリアブルリークバルブ
により酸素ガスを流し、所定の酸素圧力のもとに
Feを蒸発させる。(株式会社総合技術センター発
行「高密度磁気記録技術集成」(1983年)第191
頁)」ものであり、基板表面で酸素ガスと鉄原子
または鉄原子のクラスターとを反応させてFe3O4
膜を生成させるものである。
後者の方法は、「鉄ターゲツトをArとO2の混合
ガス中でスパツタし、基板上にα−Fe2O3薄膜を
形成する。これを還元雰囲気中で熱処理し、
Fe3O4膜を作る……(社団法人電子通信学会磁気
記録研究会資料MR74−41」ものであり、いずれ
の場合も、γ−Fe2O3膜とする為には例えば、特
開昭55−118620号公報に記載されている通り、得
られたFe3O4膜を更に250℃乃至350℃で酸化処理
することが必要である。
〔発明が解決しようとする問題点〕
Feを主成分とするスピネル型酸化物磁性薄膜
は、高密度磁気記録媒体として好ましいものであ
るが、前述した公知技術による場合には、その製
造工程において250乃至300℃以上の高温を必要と
し、その為、基板の種類が必然的に制限される結
果、工業的、経済的に不利であるという欠点があ
つた。
即ち、反応蒸着による方法では、基板温度等の
蒸着条件によつて鉄酸化物としてマグネタイト
(Fe3O4)以外に磁性を有しないヘマタイト(α
−Fe2O3)が生成し、基板温度を低くする程、殊
に250℃以下では、ヘマタイトが生成しやすくな
る。この事実は、例えば、前出「高密度磁気記録
技術集成」第191〜192頁の「蒸着条件を変えるこ
とにより、α−Fe2O3とFe3O4が得られている。
……磁気記録媒体として有望なγ−Fe2O3への中
間生成膜Fe3O4を得るには基板温度が高く、成膜
速度が速い程望ましい。」なる記載及び社団法人
電子通信学会発行「電子通信学会技術研究報告」
(1975年)MR75−18第1〜2頁の「基板温度の
低下、付着速度の減少と共にα−Fe2O3が形成さ
れやすくなるが、高い基板温度領域(例えば250
℃)では付着速度の広い範囲に亘つてFe3O4のみ
からなる膜が形成される。」なる記載の通りであ
る。
反応スパツタリングによる方法では、基板上に
生成されたヘマタイト(α−Fe2O3)薄膜を還元
雰囲気中で熱処理してマグネタイト(Fe3O4)薄
膜とするにあたり、熱処理温度は、「300℃(前出
「磁気記録研究会資料MR74−41第13頁)」であ
る。
そこで、Feを主成分とするスピネル型酸化物
磁性薄膜をできるだけ低い温度で製造する方法の
確立が強く要望されている。
〔問題点を解決する為の手段〕
本発明者は、Feを主成分とするスピネル型酸
化物磁性薄膜をできるだけ低い温度で製造する方
法について種々検討を重ねた結果、本発明に到達
したのである。
即ち、本発明は、Feを主成分とする金属を蒸
着金属とし該蒸着金属を10-5Torr以下の高真空
槽内において室温以上150℃未満の基板に向けて
蒸発させることにより該基板上に50Å以下の厚さ
でFeを主成分とする金属薄層を形成させた後、
室温以上150℃未満の温度範囲において真空槽内
に10-5Torrを越える酸素含有ガスを導入して前
記Feを主成分とする金属薄膜を酸化することに
よりFeを主成分とするスピネル型酸化物薄層と
し、次いで、蒸着金属を蒸発させる前記操作と
Feを主成分とする金属薄層を酸化させる前記操
作とを交互に繰り返すことによつて、Feを主成
分とするスピネル型酸化物薄層を積層させること
からなるスピネル型酸化物強磁性薄膜の製造方
法、及び、Fe及びCoを主成分とする合金を蒸着
金属とし該蒸着金属を10-5Torr以下の高真空槽
内において室温以上150℃未満の基板に向けて蒸
発させることにより該基板上に50Å以下の厚さで
Fe及びCoを主成分とする合金の金属薄層を形成
させた後、室温以上150℃未満の温度範囲におい
て真空槽内に10-5Torrを越える酸素含有ガスを
導入して前記Fe及びCoを主成分とする合金の金
属薄層を酸化することによりFe及びCoを主成分
とするスピネル型酸化物薄層とし、次いで、蒸着
金属を蒸発させる前記操作とFe及びCoを主成分
とする合金の金属薄層を酸化させる前記操作とを
交互に繰り返すことによつて、Fe及びCoを主成
分とするスピネル型酸化物薄層を積層させること
からなるスピネル型酸化物強磁性薄膜の製造方法
である。
〔作用〕
先ず、本発明において最も重要な点は、Feを
主成分とする金属を蒸発させて基板上にFeを主
成分とする金属薄層を形成させた後、酸素含有ガ
スを導入して上記Feを主成分とする金属薄層を
酸化することにより、Feを主成分とするスピネ
ル型酸化物薄層にする場合には、基板温度及び酸
素含有ガス導入時の酸化温度を150℃未満、殊に、
室温付近とすることができ、Feを主成分とする
スピネル型酸化物薄層を低い温度で得ることがで
きる点である。
本発明においては、酸素含有ガスを導入して
Feを主成分とする金属薄層を酸化する際の酸化
条件を選ぶことによつて生成するFeを主成分と
するスピネル型酸化物薄層の組成を変化させてい
る。
即ち、酸素ガス濃度について言えば、酸素ガス
濃度が低い範囲ではFe3O4が生成し易く、酸素ガ
ス濃度が高い領域ではγ−Fe2O3が生成し易い。
また、酸化温度について言えば、前述の温度範
囲において温度が高い程γ−Fe2O3が得られ易
い。
また、本発明においては、蒸着金属としてFe
及びCoを主成分とする合金を用い、Fe及びCoを
主成分とするスピネル型酸化物薄層を得ることに
よつて、より高い保磁力を得ている。
次に本発明実施にあたつての諸条件について述
べる。
本発明においては、Feを主成分とする金属を
蒸着金属として用いることができる。
また、本発明において、より高い保磁力を有す
るスピネル型酸化物強磁性薄膜を得る場合には、
Fe及びCoを主成分とする合金を蒸着金属として
用いることができ、該蒸着金属のCo量を調製す
ることにより合金の組成を制御して、任意の組成
を有するFe及びCoを主成分とする金属薄層を得
ることができる。
本発明における蒸着金属には、必要に応じて、
更に、Ni、Cr、Zn、Cu、Ti、Mn等の金属を添
加してもよい。
本発明における蒸着は、10-5Torr以下の高真
空下で行なわれる。
10-5Torrを越える低真空で蒸着する場合には、
不純物を含有したり、また、磁性を持たない酸化
物が生成する為、目的とする強磁性酸化物が得ら
れにくい。
本発明における蒸発金属の加熱方法は、周知の
抵抗加熱法、誘導加熱法及び電子ビーム加熱法等
によることができる。
本発明においては、基板温度及び酸素導入時の
温度を150℃未満の低い温度、殊に、常温付近に
することができるので、基板材料としてアルミニ
ウム、ポリイミド、ガラス等はもちろん、熱に弱
いポリエステル等をも使用することができ、目的
に応じて適宜選択できるので、工業的、経済的に
非常に有利である。
基板温度及び酸素導入時の温度は、生成するス
ピネル型酸化物の結晶性に関与するものであり、
より高い磁気特性を有するスピネル型酸化物薄膜
を得る場合には、50〜150℃の温度を選択するこ
とが好ましい。
本発明におけるFeを主成分とする、又は、Fe
及びCoを主成分とする金属薄層の厚みは50Å以
下である。
50Åを越える場合、金属薄層が未酸化のまま残
存する場合があり、目的とする均一なスピネル型
酸化物層のみからなる強磁性薄膜が得られにく
い。
また、金属薄膜が50Åを越える場合にも、酸化
条件を選ぶことによつて金属薄層全体を酸化させ
ることができるが、金属薄層の厚みが増加する
程、酸化温度を高くする必要があり、また酸化物
生成時に亀裂が生じ易くなる。
本発明における蒸着速度は、金属薄層の膜厚が
コントロールできる範囲に選べばよい。
本発明におけるFeを主成分とする、又は、Fe
及びCoを主成分とするスピネル型酸化物薄層は、
真空槽内に10-5Torrを越える酸素含有ガスを導
入してFeを主成分とする、又は、Fe及びCoを主
成分とする合金の金属薄層の表面から均一に酸化
することにより得られる。
10-5Torr以下の酸素雰囲気である場合には、
短時間裡に金属薄層を表面から均一に酸化させる
ことが困難となる。
酸素濃度が10-5〜10-3Torrである場合には、
Fe3O4が生成し易く、10-3Torr以上ではγ−
Fe2O3が生成し易い。
本発明におけるFeを主成分とする、又は、Fe
及びCoを主成分とするスピネル型酸化物薄層か
らなる積層の厚みは、目的とする磁気記録媒体の
用途に応じて適宜選択すれば良く、飽和磁束密度
が高いことから薄膜化が可能であり、1000Å以下
にすることもできるので高密度化に適する。
本発明におけるFe及びCoからなるスピネル型
酸化物強磁性薄膜は、より高い保磁力を有するも
のであり、Co量が増加する程保磁力は向上する。
Coは約30原子%程度まで添加することができ
るが、実用上、0.2〜10原子%が好ましい。
〔実施例〕
次に、実施例により、本発明を説明する。
実施例 1 4×10-6Torrに保持した真空槽内で60℃に保
持したポリエチレンテレフタレートのベースフイ
ルム基板上に、 金属鉄を0.5Å/secの蒸着速度で厚さ15Åに
蒸着して鉄薄層を形成した後、 1×10-2Torrの酸素ガスを50秒間導入し該
鉄薄膜を酸化処理した。次いで槽内を再び4×
10-6Torrまで真空に引いた後、 、の操作を50回繰り返して行い、酸化物薄
膜を得た。
得られた酸化物薄膜は褐色を呈しており、メス
バウアー効果の測定から、鉄微粒子の混在は認め
られなかつた。また、構造解析用としてNaCl基
板に同時に形成した薄膜を用いて行つた電子線回
折の結果、スピネル構造を有することが確認され
た。従つて得られた薄膜はγ−Fe2O3を主体とす
る均一な酸化物薄膜と推定される。
上記酸化物薄膜について、VSMによる磁気測
定の結果は、保磁力Hc=290Oe、飽和磁束密度
Bm=4400Gauss、残留磁束密度Br=3400Gauss、
角型比Rs=0.773で、Bm、Brが高く磁気記録媒
体に適するものであつた。
実施例 2 4×10-6Torrに保持した真空槽内で150℃に保
持したポリイミドフイルム基板上に、 金属鉄を0.5Å/secの蒸着速度で厚さ20Åに
蒸着して鉄薄層を形成した後、 8×10-4Torrの酸素ガスを30秒間導入し該
鉄薄膜を酸化処理した。次いで槽内を再び4×
10-6Torrまで真空に引いた後、 、の操作を50回繰り返して行い、酸化物薄
膜を得た。
得られた酸化物薄膜は黒褐色を呈しており、メ
スバウアー効果の測定から、鉄微粒子の混在は認
められなかつた。また、実施例1と同様にして行
つた電子線回折の結果から、スピネル構造を有す
ることが確認された。従つて得られた薄膜は
Fe3O4とγ−Fe2O3の中間組成を有する均一な酸
化物薄膜であると推定される。
上記酸化物薄膜について、VSMによる磁気測
定の結果は、保磁力Hc=320Oe、飽和磁束密度
Bm=4960Gauss、残留磁束密度Br=3890Gauss、
角型比Rs=0.784で、Bm、Brが高く磁気記録媒
体に適するものであつた。
実施例 3 1×10-7Torrに保持した真空槽内で室温に保
持したポリエチレンテレフタレートのベースフイ
ルム基板上に、 金属板を0.5Å/secの蒸着速度で厚さ15Åに
蒸着して鉄薄層を形成した後、 1×10-4Torrの酸素ガスを30秒間導入し該
鉄薄膜を酸化処理した。次いで槽内を再び4×
10-6Torrまで真空に引いた後、 、の操作を50回繰り返して行い、酸化物薄
膜を得た。
得られた酸化物薄膜は黒色を呈しており、実施
例1と同様にして行つた電子線回折の結果スピネ
ル構造を有する酸化物であることが確認された。
またメスバウアー効果の測定からも鉄微粒子の混
在は認められなかつた。従つて、得られた薄膜は
Fe3O4を主体とする均一な酸化物薄膜を推定され
る。
上記酸化物薄膜について、VSMによる磁気測
定の結果は、保磁力Hc=230Oe、飽和磁束密度
Bm=5340Gauss、残留磁束密度Br=3900Gauss、
角型比Rs=0.730で、Bm、Brが高く磁気記録媒
体に適するものであつた。
実施例 4 1×10-7Torrに保持した真空槽内で室温に保
持したポリエチレンテレフタレートのベースフイ
ルム基板上に、 1.8at%Co−Fe合金を0.3Å/secの蒸着速度
で厚さ10Åに蒸着してFe−Co合金薄層を形成
した後、 5×10-4Torrの酸素ガスを20秒間導入し該
Fe−Co合金薄膜を酸化処理した。次いで槽内
を再び1×10-7Torrまで真空に引いた後、 、の操作を100回繰り返して行い、酸化物
薄膜を得た。
得られた酸化物薄膜は黒色を呈しており、実施
例1と同様にして行つた電子線回折の結果スピネ
ル構造を有する酸化物であることが確認された。
またメスバウアー効果の測定からも鉄微粒子の混
在は認められなかつた。従つて、得られた薄膜は
Coを含有するFe3O4を主体とする均一な酸化物薄
膜と推定される。
上記酸化物薄膜について、VSMによる磁気測
定の結果は、保磁力Hc=560Oe、飽和磁束密度
Bm=5030Gauss、残留磁束密度Br=4000Gauss、
角型比Rs=0.795で、Bm、Brが高く磁気記録媒
体に適するものであつた。
実施例 5 1×10-7Torrに保持した真空槽内で80℃に保
持したポリエチレンテレフタレートのベースフイ
ルム基板上に、 4at%Co、1at%Cu−Fe合金を0.5Å/secの
蒸着速度で厚さ15Åに蒸着してFe−Co−Cu合
金薄層を形成した後、 5×10-3Torrの酸素ガスを60秒間導入し該
Fe−Co−Cu合金薄膜を酸化処理した。次いで
槽内を再び1×10-7Torrまで真空に引いた後、 、の操作を60回繰り返して行い、酸化物薄
膜を得た。
得られた酸化物薄膜は褐色を呈しており、実施
例1と同様にして行つた電子線回折の結果スピネ
ル構造を有する酸化物であることが確認された。
またメスバウアー効果の測定からも鉄微粒子の混
在は認められなかつた。従つて、得られた薄膜は
Co、Cuを含有するγ−Fe2O3を主体とする均一
な酸化物薄膜と推定される。
上記酸化物薄膜について、VSMによる磁気測
定の結果は、保磁力Hc=700Oe、飽和磁束密度
Bm=4600Gauss、残留磁束密度Br=3770Gauss、
角型比Rs=0.820で、Bm、Brが高く磁気記録媒
体に適するものであつた。
実施例 6 5×10-6Torrに保持した真空槽内で室温に保
持したポリエチレンテレフタレートのベースフイ
ルム基板上に、 2at%Co−Fe合金を0.3Å/secの蒸着速度で
厚さ15Åに蒸着してFe−Co合金薄層を形成し
た後、 2×10-2Torrの酸素ガスを20秒間導入し、
該Fe−Co合金薄膜を酸化処理した。次いで槽
内を再び5×10-6Torrまで真空に引いた後、 、の操作を50回繰り返して行い、酸化物薄
膜を得た。
得られた酸化物薄膜は黒褐色を呈しており、実
施例1と同様にして行つた電子線回折の結果スピ
ネル構造を有する酸化物であることが確認され
た。またメスバウアー効果の測定からも鉄微粒子
の混在は認められなかつた。
従つて、得られた薄膜はCoを含有するFe3O4
γ−Ee2O3との中間酸化組成からなる均一な酸化
物薄膜であると推定される。
上記酸化物薄膜について、VSMによる磁気測
定の結果は、保磁力Hc=640Oe、飽和磁束密度
Bm=4710Gauss、残留磁束密度Br=4750Gauss、
角型比Rs=0.796であり、磁気記録媒体として好
適な特性であつた。
実施例 7 1×10-7Torrに保持した真空槽内で130℃に保
持したポリイミドフイルム基板上に、 3at%Co、0.5at%Zn、96.5at%Fe合金を蒸着
源として1Å/secの蒸着速度で該合金を50Å
の厚さに蒸着してFe−Co−Zn合金薄層とした
後、 1×10-2Torrの酸素ガスを40秒間導入し、
該Fe−Co−Zn合金薄膜を酸化処理した。次い
で槽内を再び1×10-7Torrまで真空に引いた
後、 、の操作を20回繰り返して行い、酸化物薄
膜を得た。
得られた酸化物薄膜は褐色を呈しており、実施
例1と同様にして行つた電子線回折、メスバウア
ー効果の測定の結果、Co、Znを含有するγ−
Fe2O3を主体とする均一な酸化物薄膜であること
が確認された。磁気測定の結果は、保磁力Hc=
720Oe、飽和磁束密度Bm=3970Gauss、残留磁
束密度Br=3210Gauss、角型比Rs=0.809であり、
高密度磁気記録媒体に適するものであつた。
〔効果〕
本発明におけるスピネル型酸化物強磁性薄膜の
製造方法によれば、前出実施例に示した通り、室
温以上150℃未満の低い温度でFeを主成分とする
又は、Fe及びCoを主成分とするスピネル型酸化
物強磁性薄膜、殊にγ−Fe2O3を主体とした強磁
性薄膜を得ることができるので、基板の種類の選
択範囲が広がり、工業的、経済的に非常に有利で
ある。
本発明により得られたFeを主成分とする又は、
Fe及びCoを主成分とするスピネル型酸化物強磁
性薄膜は、前出実施例に示した通り、磁気特性が
高く、高密度磁気記録媒体として好適である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 Feを主成分とする金属を蒸発金属とし該蒸
    発金属を10-5Torr以下の高真空槽内において室
    温以上150℃未満の基板に向けて蒸発させること
    により該基板上に50Å以下の厚さでFeを主成分
    とする金属薄層を形成させた後、室温以上150℃
    未満の温度範囲において真空槽内に10-5Torrを
    越える酸素含有ガスを導入して前記Feを主成分
    とする金属薄層を酸化することによりFeを主成
    分とするスピネル型酸化物薄層とし、次いで、蒸
    発金属を蒸発させる前記操作とFeを主成分とす
    る金属薄層を酸化させる前記操作とを交互に繰り
    返すことによつて、Feを主成分とするスピネル
    型酸化物薄層を積層させることを特徴とするスピ
    ネル型酸化物強磁性薄膜の製造方法。 2 Fe及びCoを主成分とする合金を蒸発金属と
    し該蒸発金属を10-5Torr以下の高真空槽内にお
    いて室温以上150℃未満の基板に向けて蒸発させ
    ることにより該基板上に50Å以下の厚さでFe及
    びCoを主成分とする合金の金属薄層を形成させ
    た後、室温以上150℃未満の温度範囲において真
    空槽内に10-5Torrを越える酸素含有ガスを導入
    して前記Fe及びCoを主成分とする合金の金属薄
    層を酸化することによりFe及びCoを主成分とす
    るスピネル型酸化物薄層とし、次いで、蒸発金属
    を蒸発させる前記操作とFe及びCoを主成分とす
    る金属薄層を酸化させる前記操作とを交互に繰り
    返すことによつて、Fe及びCoを主成分とするス
    ピネル型酸化物薄層を積層させることを特徴とす
    るスピネル型酸化物強磁性薄膜の製造方法。
JP24487985A 1985-10-30 1985-10-30 スピネル型酸化物強磁性薄膜の製造方法 Granted JPS62104017A (ja)

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