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JPH06102546B2 - チタン含有鉱物からのチタン生成物の抽出及び精製 - Google Patents
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JPH06102546B2 - チタン含有鉱物からのチタン生成物の抽出及び精製 - Google Patents

チタン含有鉱物からのチタン生成物の抽出及び精製

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JPH06102546B2
JPH06102546B2 JP2501422A JP50142289A JPH06102546B2 JP H06102546 B2 JPH06102546 B2 JP H06102546B2 JP 2501422 A JP2501422 A JP 2501422A JP 50142289 A JP50142289 A JP 50142289A JP H06102546 B2 JPH06102546 B2 JP H06102546B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の分野] 本発明は、チタン含有鉱物に存在するチタン生成物の抽
出法に関し、さらに詳しくは、イルメナイト等から四フ
ッ化チタンを回収する方法に関する。
[発明の背景] チタン含有物質は、二酸化チタン、チタン金属又は他の
チタン化合物の資源として有用な原材料である。商業的
に有用なチタン含有物質は、二酸化チタンを10%ないし
95%以上含有している。最もしばしば、チタンは他の鉱
物型と会合しており、チタン含有部分は通常鉄化合物と
結合している。チタン含有物質の例としては、イルメナ
イト、白チタン石、ルチル、アナターゼ、チタン含有マ
グネタイト、バナジウム含有マグネタイト、ある種のス
ラグ及びイルメナイト砂の還元及び溶脱により得られる
合成ルチルを包含する。かくして、この用語は一般に
は、他のチタン含有の砂、鉱石、濃縮物、スラグ、副生
物等を包含する。酸化物としてチタンが最も普通に採掘
される形態は、イルメナイト及びルチルである。イルメ
ナイト浜砂濃縮物は、典型的には二酸化チタン(40〜60
%),酸化第一鉄(5〜19%)及び酸化第二鉄(24〜25
%)、並びに他の金属酸化物及び残留シリカを含有す
る。イルメナイト岩濃縮物は、一般には砂選鉱物より二
酸化チの収量が低い。オーストラリアルチルは、鉄酸化
物として主にバランスして94〜95%以上の二酸化チタン
を含有する。
純粋な形態の二酸化チタンは、高い不透明指数に導く高
反射能の白色顔料としての要求が多い。非顔料二酸化チ
タンはセラミックスの製造、金属チタンの製造及び他の
目的に使用される。
二酸化チタンの回収として伝統的な「硫酸塩」法におい
ては、イルメナイトは硫酸を用いて蒸解される(反応
1)。
FeO(F2O3)TiO2+5H2SO4 →FeSO4+Ce2(SO4+TiOSO4+5H2O ……(1) 液状物は清澄され、過されそして泥状残渣は廃棄され
る。過溶液は真空下で僅かに結晶し、硫酸鉄はまず結
晶化及び過により除去され、ついで硫酸チタニル含有
溶液が濃縮され、残留鉄塩の吸蔵を避けるために精密に
管理された条件下で不溶性二酸化チタンに加水分解さ
れ、過され、洗浄され、そして焼成される。この方法
の実行は一般に高価で、管理が難しいと考えられてお
り、この方法は、約50%以下のTiO2含むチタン含有鉱物
を用いては効率的に行うことはできない。
二酸化チタンの他の主な製法は、ルチルまたは合成ルチ
ルのようなチタン濃度の高い物質の供給原料を必要とす
る塩化物法である。環境上の理由から好ましい方法は塩
化物法であり、ルチルの供給が限られているために、合
成ルチルプラントを持たねばならない。
四塩化チタンは炉または流動床でルチルを直接塩素化す
ることにより製造される。ルチルまたは合成ルチル及び
塩素ガスを混合した石油コークスを処理して、塩素化は
800〜1000℃の範囲の温度で急速に進行する。主生成物
は四塩化チタン及び一酸化炭素、並びに少量の二酸化炭
素及びホスゲンである(反応2)。
2TiO2+3C+4Cl2→2TiCl4+CO2+2CO ‥‥‥‥(2) 四塩化チタンは通常、酸素で焼成され二酸化炭素に酸化
される(反応3)。
TiCl4+O2→TiO2+2Cl2 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥(3) 塩素化において、チタン含有鉱物中のFe2O3はFeCl3に変
換され、FeCl3は揮発性であり、分別蒸留によりTiCl4
ら分離されねばならない。四塩化チタン中にFeCl3が残
っている場合は、得られた白色TiO2を脱色し、FeCl3
酸化または加水分解により褐色のFe2O3に変換される。
硫酸塩法及び塩化物法は共に環境問題の影響をうけてお
り、顔料工業はこの大きな問題を克服する方法を継続的
に捜しており、塩化物法の場合はルチルまたは合成ルチ
ルのようなチタン含有量の多い供給原料が必要である。
提案されている他の方法では、イルメナイトは塩酸又は
硝酸で蒸解されるが、これらの方法の利点は証明されて
いない。
オーストラリア特許第468,091号明細書は、高められた
温度、典型的には800〜900℃でイルメナイトを三フッ化
第二鉄と反応させ四フッ化チタンを製造する方法を提案
している(反応4)。
4FeF3+3TiO2→3TiF4+2Fe2O3 ……(4) この方法は、該明細書に記載された方法で三フッ化第二
鉄を製造するにはコスト高であり且つTiF4の収率が非常
に低いという不利がある。純粋なフッ化第二鉄の蒸気圧
は非常に低く(報告によれば、657℃で6×10-5気圧、
このため高濃度で蒸気を得ることは非常に困難である。
該特許明細書には高収率であると記載されているが、高
純度のFeF3を用いての該方法の追試では、反応を空気ま
たは窒素中で、又は真空条件下で試みたにも拘わらず、
850℃の温度での反応によりイルメナイト中に存在する
四フッ化チタンの収率10%を得るのに失敗した。四フッ
化チタンの低い収率は、鉄化合物が75%まで混在してい
たことによる。
その後の科学刊行物、ジャーナル オブ フロリン ケ
ミストリー[J.Fluorine Chemistry,(1975),93]の
発明者はTiO2とFeF3の最低(実質的にゼロ)の反応を報
告している。該文献は微量化学天秤の使用を示してい
る。特許に報告されているような化学品質のFeF3の使用
は、イルメナイト中のTiO2と反応してTiF4を生成するフ
ッ化水素または他の反応性ガス状フッ化物を発生させ
た。上述したように、高純度のFeF3は充分な収率でTiF4
を生成しない。商業品質のFeF3中の不純物が、このもの
とイルメナイトとの上記報告の反応を導くものは何であ
るかを知ることは不可能である。前記特許明細書に記載
のFeF3の再生方法は、即ち第二鉄残渣をアンモニウム二
フッ化物(NH4HF2)と共に加熱することは、次のイルメ
ナイトとの反応において効果的であるとは期待できない
極めて高純度のFeF3を生成させることが期待された。
オーストラリア特許第542,764号明細書には、リン酸塩
プラントの流出ガスからフッ化ケイ酸塩が製造されるこ
とが記載されている。フッ化ケイ酸塩は便利で、経済的
な四フッ化ケイ素の原料を提供する。該特許には、O2
存在下、大気圧で四フッ化ケイ素と二酸化チタンを含む
金属酸化物とを、600〜800℃で反応させることが記載さ
れている。
この記載は、下記反応(反応5): SiF4+TiO2→TiF4+SiO2 ‥‥‥‥(5) が標準状態で約20KCal/molSiF4の正自由エネルギーを有
するとが示され、このため該反応が結局進行しないこと
を提案している熱力学データと一致しない。
OPALOVSKYらの実験検討では(Journal of Thermal Anal
ysis15巻[1979]66〜77頁)、400〜800℃での反応の証
拠を得ていない。
本発明の目的は従来技術の不利な点の少なくとも幾つか
が回避された、チタン含有物質からチタン生成物を抽出
する方法を提供することにある。
[発明の開示] 一つの特徴によれば、本発明はチタン(IV)酸化物を含
有するチタン含有固体を処理する方法からなり、その方
法は、(a)該固体を少なくとも800℃の温度で、少な
くとも1気圧の圧力で、界面にて四フッ化ケイ素ガスに
暴露することにより、四フッ化チタン蒸気を生成させ、
そして(b)該界面から生成した四フッ化チタンを迅速
に除去する工程を含むものである。ここで用いている
「四フッ化チタン」という用語は、文脈が許す場合、チ
タンとフッ素との比が1:4より大きくないチタンのフッ
化物を含むものである。
固体状チタン含有物質とガス状四フッ化ケイ素との反応
は、固体/ガス界面、またはその極く近傍の反応帯域で
行われる。該界面は床内の固体粒子の表面でも、多孔性
の又は焼結された粒子の場合は粒子内でもよい。該固体
は流動床又は固定床中で存在させることができ、不活性
固体希釈剤を存在させることができる。
四フッ化チタンは、凝縮濃度以下の温度に維持された表
面で蒸気を凝縮することにより、反応帯域から迅速に除
去することが望ましい。該表面では、該反応が抑制され
ないように反応帯域から充分に離して置くが、反応帯域
中に生成した四フッ化チタンの除去が都合よく行われる
ように反応帯域に充分に近く置かれる。
第二の特徴によれば、本発明はチタン含有物質が第一鉄
の状態で鉄を含有することからなる上記第一の特徴によ
る方法であり、この方法はチタン含有物質を予備処理し
て鉄を二価から三価の状態に酸化することを含むもので
ある。
なるべくなら、チタン含有物質は、イルメナイトおよび
その類似物であり、これを空気又は酸素中で予備ばい焼
して実質的に(II)を鉄(III)酸化物に変換する。イ
ルメナイトは予備ばい焼の前に粉砕しておくことが望ま
しい。また、なるべくなら、四フッ化ケイ素との反応
は、酸素のない雰囲気で、800〜1200℃の温度で、数気
圧までのSiF4圧で行われる。
生成物四フッ化チタンは、昇華および凝縮を繰り返すこ
とにより精製することができる。ついで、二酸化チタン
を回収するための二次精製の前に、四フッ化チタンは化
学量論に近い割合に加水分解される。
フッ化水素は加水分解中に生成し、これは、必要ならば
リサイクルするため、副生物シリカと反応させて四フッ
化ケイ素を再生成することができる。
本発明の方法は、四フッ化ケイ素が反応濃度でガスであ
り、チタン含有物質を流動させるために用いるられるガ
ス流として使用することができるので、反応帯域での物
質移動が非常に優れている。反応生成物は迅速に分離さ
れる。鉄フッ化物を含有する残渣は、実質的に固体とし
て残り、四フッ化チタン生成物は上記として迅速に反応
帯域から除去され、凝縮により(又は必要ならば昇華と
凝縮を繰り返すことにより)残留四フッ化ケイ素ガス及
び反応で生成したシリカから迅速に分離される。
通常、残渣中の少量の鉄はフッ化物に変換されるので、
さらに処理することなく固体として処分することができ
る。フッ化物のレベルが許容できないほど高い場合は、
鉄フッ化物を含む残渣を約800〜1000℃の温度でスチー
ムにより熱加水分解して水性フッ化水素、並びに鉄酸化
物にすることができる。該水性フッ化水素はリサイクル
できるSiF4の生成に使用され(式7)、鉄酸化物は純度
により販売または廃棄することができる。
[図面の簡単な記載] 本発明の好ましい態様を、例として添付図面により説明
する。
図1は、本発明の製造方法のブロックフローダイヤグラ
ムである。
図2は、縦軸が粉砕した原材料の累積粒度寸法分布、横
軸が篩のミクロン粒度を示すグラフである。
図3は、イルメナイトを特定の条件で酸素中でばい焼し
た結果を示すグラフであり、縦軸が全鉄に対する鉄(I
I)の重量比、横軸がばい焼時間を示す。
図4は、特定の条件での、時間当たりのイルメナイト中
のTiO2の転化率を示すグラフであり、縦軸は転化率%、
横軸は時間を示す。
図5は、特定の条件でのSiF4圧の変化の効果を示すグラ
フであり、縦軸は転化率%、横軸はSiF4分圧を示す。
[発明の好ましい態様] 実験室実験に用いた反応器の幾つかはモネル製であり、
その他はニクロファー6020製のものである。該反応器
は、厚い壁で形成され、末端が閉じ、反応器フランジを
上端に有し、該上端には、使用中はマニホールドに接続
する反応器ヘッドがボルトで固定され、且つ冷却指形小
片(cold finger)が付けられている管状室からなるも
のである。該指形小片は、管状室の中に伸びており、モ
ネルまたはニクロファー6020世であり、その内部下端の
近くに垂直に伸びた水の入口管および出口を有してい
る。
反応器はヒーターまたは炉で周囲を囲み、使用中は熱電
対筒にいれられた熱電対が固定されている。
処理されるべき材料は、スペーサーにより反応器底の上
に上げることができる、ニッケル含有合金製のカップに
収容されている。
イルメナイトの試料は、まず粉砕およびばい焼により予
備処理された。粉砕は3分間リングミル中での粉砕、ま
たは手により行われ、得られた粒度分布を図2に示し
た。ついで、粉砕されたイルメナイトは、存在している
鉄(II)の実質的に全てが鉄(III)に変換されるのに
充分な時間と温度でばい焼された。種々の温度における
時間の作用として、試料中の鉄(II)の割合は図3に示
されている。酸素を増した空気中で、700〜750℃での4
時間以上のばい焼時間は、存在している鉄の第二鉄への
実質的変換(FeO/Fe2O3<1%)を達成したが、他のば
い焼条件は選択しなかった。
イルメナイトの予備ばい焼がその結晶構造の破壊を促進
し、そのためガス相の四フッ化ケイ素の固体イルメナイ
トマトリックス内にある二酸化チタンへの接近を改良す
ることを、これらの実験は示している。付加的な実験的
証拠は、予備ばい焼が次のSiF4との反応中に二酸化チタ
ンの還元を最少にし、重要なことは、実質的に酸素ガス
を含まない雰囲気で行われ、そのために装置の腐食問題
が極めて少ない四フッ化ケイ素との反応を可能にするこ
とを示している。酸素を存在させて、予備ばい焼しない
イルメナイトを用いた試験では、モネル反応器がかなり
腐食した。イルメナイトは比較的不活性の表面を有して
いることが分かり、予備ばい焼の前の粉砕は次ぎの反応
性を改良することが分かった。
あらかじめ計量した量の予備ばい焼したイルメナイト
を、反応器中の容器の底に広げ、ついで反応器ヘッドを
取り付け、加圧下および真空下で試験した。反応器は選
択された雰囲気にされた。
ついで、反応器は所望の温度に加熱された。ここに記載
の多くの実験は、比較検討を可能にするために800℃で
行われたが、本発明の反応は800℃以上で行うことが好
ましい。操作条件下では本方法の反応速度は実質的に調
節されているので、確かに温度が高い方が好都合であっ
た。800℃より低い温度でイルメナイトが焼結する証拠
があるが、焼結はより高い温度で最低となる。
反応器の指形小片は、冷媒として冷却水を用いて四フッ
化チタンの凝縮温度より実質的に低い温度に維持され
た。ついで、反応器は冷却され、パージされた。イルメ
ナイト残渣は分析用に確保され、生成四フッ化チタンは
指形小片および他の反応器内部から四フッ化チタンを回
収することにより分析された。
回収は注意深く洗浄することにより行われ、それにより
四フッ化チタンは加水分解され、アンモニアと反応され
て、沈澱が生成した。これは乾燥され、二酸化チタンと
して計量された。
フッ素化合物の化学についての知識を有する者に理解さ
れているように、これらの物質は安全に使用するべく、
適当な技巧を用いて取り扱う必要がある。当業者には上
記記載を補足すること、および十分な安全上の用心を払
うことは何等の困難性もないことであろう。
反応器中の残渣および二酸化チタン加水分解沈澱物はXR
F技術により分析され、その結果が出発物質の分析と比
較された。TiO2沈澱物回収から算出された結果と最終残
渣の損失からのTiの損失から算出された結果との相違
は、一部は反応器壁での表面酸化物と四フッ化チタンと
の反応に一部起因し、また四フッ化チタンよりも揮発性
の小さい、且つ反応壁に凝縮し、そして四フッ化チタン
よりも加水分解されにくい二フッ化チタンオキサイド
(TiOF2)のような化合物の形成に起因するものであ
る。
反応が800℃以上の温度で行われた場合は、高い収率が
得られることが分かった。フッ素化合物による構成材料
の腐食の傾向は温度とともに増加し、実際にはこのタイ
プの装置を使用できる温度の上限を置くのに役立つ。
実質的な数の合金がテストされ、ニクロファー6020から
構成された反応器が、例えばこの目的のために典型的に
推奨されているモネル金属及びテストされた他の金属に
比較して、800℃以上の温度で関係する化学品に対して
抵抗性があることが分かった。
850〜900℃の温度が使用され、得られた結果は温度と共
に収率が増加することを示している。付加的に、高めら
れた温度の使用は、FeSiF6のような化合物が揮発性のTi
F4と共に反応帯域から気化した場合に、凝縮生成物TiF4
が混在する該化合物の蒸気相の移動を最少にすることを
示していた。
第1表及び図4は、特定条件下でのTiF4へ変換したTiO2
の百分率と時間を示すものである。図4の曲線は残渣分
析に基づくものであり、他は加水分解物から回収された
二酸化チタン沈澱物の分析に基づくものである。曲線は
時間と共に反応転化率(TiF4の収量)が著しく増加して
いることを示している。4時間の期間以上の反応を示す
証拠は観察されなかった。これは化学平衡からのシフト
が連続しており、適当な温度と圧力で十分な時間で、高
い、従来法よりかなり高い収率が得られることを示して
いる。
第2表及び図5は、特定の条件下での四フッ化ケイ素分
圧の増加は充分に転化率を増加させることを示してお
り、この方法が反応速度に依存することを示している。
ガス相における拡散は採用した実験条件下では制限因子
であるとは認められなかった。
実験は不活性雰囲気下及び酸素含有雰囲気下で行われ
た。ガス相中の酸素の存在は、TiF4への変換を抑制する
Ti(IV)からTi(III)への還元を防止するのに有利で
あることが分かった(第3表)。付加的に、酸素はこの
方法で有利に沈澱するオキシ−フッ化物の促進を導くも
のと考えられる。しかしながら、上記したように、酸素
の存在は逆に反応器構成材料の腐食の程度を高める結果
を生じさせるので、反応器から酸素ガスを除き、イルメ
ナイトを空気又は酸素で予備ばい焼することが好ましい
と考えられる。酸素はイルメナイトと化学的に結合し、
酸化第二鉄として、未反応イルメナイトが加温下にSiF4
と反応したときに起こる第一鉄イオンによるTi(IV)の
還元を最少にする。
600℃で3時間の四フッ化ケイ素によるイルメナイトの
予備フッ素化は、イルメナイト中の酸化第二鉄が四フッ
化ケイ素のための二酸化チタンと競合するかどうかを確
立するために、及びこの反応がさらにイルメナイト結晶
格子を破壊し、さらにSiF4との反応へのTi(IV)の有効
性を増加させるかどうかを決定するために行われる。
結果は、予備フッ素化により転化率の若干の改良が得ら
れることを示している。
また、反応は固相中で純粋なTiO2(鉄の不存在下、酸素
の存在下)を使用して行われ、第5表に示した結果が得
られたが、鉄自身は充分に働かないようである。
第6表は反応後に再破砕残留イルメナイトの効果を示す
ものである。ランNo.M66では、反応は1時間後に停止さ
れ、サンプルを冷却し、残留イルメナイトを再粉砕し、
ついで反応を次いで1時間継続した。結果は、反応が同
一条件で中断することなく2時間行われたランNo.M52と
比較されたが、結果に重要な差はなかった。
さらに、供給原料に換算してスケールファクターが25:1
の大きな反応器で実験が行われた。該反応器は詰たい指
形小片を有していないが、代わりに冷却ヘッドを有し、
該ヘッドの近くに固体供給をするための設備を有してい
る。
この新しい反応器の底部にイルメナイトを入れての最初
の実験では、イルメナイト中の二酸化チタンの四フッ化
チタンへの転化が1%以下であった。
反応帯域(即ち、イルメナイトと四フッ化ケイ素との反
応帯域)と四フッ化チタン蒸気が濃縮して四フッ化チタ
ン固体物となる凝縮帯域とを分離する適当な間隔を選ぶ
ことは、高変換収率にするためには重要であることがわ
かった。
四フッ化チタン生成物が反応帯域に残った場合は、四フ
ッ化チタンの濃度は著しく低いが、生成物の形成を妨げ
る平衡が明らかに迅速に確立される。これらの実験に用
いた反応器では、反応床の7cm以内に冷却表面を存在さ
れれば、連続的に平衡を乱しそれによってTiF4への高変
換を促進させるように反応帯域から適当な速度でTiF4
除去するのに充分である。適当に冷却された表面を利用
すれば、転化率は反応時間と共に増加する(反応速度調
節および粒子間拡散または中心拡散(core diffusion)
は制御因子とはならないと思われるが)。固定床のバッ
チ式反応器における反応帯域と凝縮表面との間隔が10cm
またはそれ以上では、充分な速度で反応帯域から生成物
を除去できず、結果として低収率になる。
コマーシャルスケールでは、反応は連続反応器で行わ
れ、ガス流は、反応平衡を邪魔するために四フッ化チタ
ン(およびTiF4)を除去するために用いることが考えら
れる。四フッ化チタンの蒸気濃縮のための壁近くの冷却
表面の存在は解平衡を高め、収率を改善する。
冷却表面を反応帯域に近付けすぎると、反応床近くのガ
スの温度が低下し、転化率に逆に影響する。
要するに、四フッ化ケイ素ガスとチタン含有固体との反
応は、熱力学的予見にも拘わらず、これに反して四フッ
化チタンへの良好な転化率で行われることが分かった。
本発明によれば、四フッ化チタンの高い変換収率は、80
0℃またはそれ以上の温度で反応を行うことにより達成
することができる。高温度はFeSiF6として鉄の気相移動
により反応帯域から昇華されるTiF4の混在を減少するこ
とを実験証拠が示している。900〜1200℃の温度の使用
は適当であり、有利であり、温度を上げる主な強制因子
は、これらの温度でフッ素化合物を取り扱うのに適した
材料の利用性である。
反応は四フッ化ケイ素の高い分圧を用いることが好まし
い。1気圧以上、好ましくは3気圧以上の圧力が有利で
ある。生成物四フッ化チタン蒸気の迅速な除去は解平衡
を維持し、四フッ化チタンの転化を促進するために必要
である。生成物蒸気は、反応帯域に近接した冷却表面で
凝縮させることにより小さいバッチ規模で、速やかに除
去される。凝縮器の凝縮表面と反応帯域との距離は、こ
れを反応促進の手段として用いた場合は、臨界的のよう
である。距離が大きすぎると効果的でなく、小さすぎる
と反応帯域の温度が低下する望ましくない傾向を示す。
最適の条件では、チタンの70%以上の転化率を約4時間
以内に達成することができる。
供給チタン含有物質を予備ばい焼することが望ましい。
この方法での酸化剤の作用は、Tiの四フッ化物への変換
を抑制するようにして、固体反応材料中のチタンが酸化
状態IV以下に還元されないことを確保するために必須で
あり、とても望ましいことと思われる。酸素または空気
は、この目的のためにSiF4混合して使用することができ
るが、望ましくない腐食を起こす傾向がある。供給原料
の空気または酸素中での予備ばい焼は二つの目的を達成
する。第1はイルメナイト(または他のチタン含有物
質)中のFe(II)が酸化されてFe(III)となり、これ
がイルメナイトの結晶格子の破壊を引き起こし、そして
鉱物中のTiへのガス状SiF4の接近性を高める。第2にイ
ルメナイト(または他の鉄を含むチタン含有鉱物)が空
気または酸素の不存在下にSiF4とともに反応温度に加熱
された場合は、イルメナイト中のFe(II)は固体状反応
でTi(IV)を還元しTiのTiF4への変換の効果を減少させ
た。この場合、Fe(II)のFe(III)への酸化を起こす
予備ばい焼はこの可能性を最小にする。反応中にFe(II
I)がFe(II)に還元されうるので、予備ばい焼が必要
である。ばい焼された供給原料のFe(III)に対するFe
(II)の比は1%以下である。反応温度より低い温度で
SiF4共に加熱することによりイルメナイトを予備フッ素
化することも有利である。
反応器中のSiF4(g)はTiO2(s)とその表面で、多分
イルメナイトの細孔内で反応するものと信じられ、この
反応はガス相反応体SiF4に関して1次である可能性があ
る。結果として、TiF4の生成速度は温度および反応帯域
におけるガス相中のSiF4の濃度に依存する。生成したTi
F4は分子拡散により(またはガス流に同伴され)冷却表
面に拡散され、そしてTiF4が除去されれば反応は高収率
に進行する。
ここでの教示から当業者には明らかなように、この反応
はスケールアップすることができ、ここに記載のものと
全く異なる装置でコマーシャルスケールで行うことがで
きる。例えば、この反応は流動床反応器で、または四フ
ッ化ケイ素ガスを高速度で流して床中に粒子を維持する
ための手段が設置された反応器で連続式に行うことがで
きる。四フッ化チタン生成物蒸気は、床に関して早いガ
ス流速で床から迅速に除去され、反応帯域から隔たって
分離室で凝縮することができる。反応帯域の極めて近く
に凝縮器を有する反応器は凝縮により蒸気を迅速に除去
するために使用することが好ましく、該凝縮器は固体を
連続的に除去する手段と、例えば反応器の内部に反応帯
域近くに露出した冷却面部分を有し、且つ反応器外部に
カキ板または洗浄機に接続した部分(これら二つの部分
はシールされた封入具に入れられている)を有する冷却
回転ドラムの形態で備えている。本発明は生成物蒸気を
迅速に除去するための特別な方法に限定されるものでは
ない。
図1には、コマーシャルスケールで考えられるような、
本発明による方法の態様を概念的に示したブロックフロ
ーシートが示されている。
図1に示した態様の出発物質は、イルメナイト構造中に
鉄(II)酸化物、鉄(III)酸化物およびチタン(IV)
酸化物を有するイルメナイト1である。しかしながら、
他のチタン含有鉱物も原料として使用することができ
る。
イルメナイト1は、濃縮段階Aで常法によりまず濃縮さ
れ、選鉱される。
濃縮物2はBで粉砕され、粉砕された濃縮物3はCで、
空気または酸素4中で、キルンまたはその類似物で700
℃以上の温度で鉄(II)酸化物が鉄(III)酸化物に変
換されるのに十分な時間、ばい焼される。過剰の空気5
は循環することができる。Cでのばい焼は、つぎに起こ
る鉄(II)化合物によるチタン(IV)の還元を防ぐため
に役立つ。ばい焼物6は出発物質よりもより透過性であ
ると思われ、“Fe2O32TiO2"と記載することのできる格
子構造を有しているが、該格子構造の正確な組成は上記
理想式を変えるかもしれない。
イルメナイトばい焼物6は、ついで例えば、流動床反応
器D中で、前記した条件下に四フッ化ケイ素流7で処理
される。
四フッ化チタン蒸気を含有する反応生成物8は、Eで凝
縮により反応生成物シリカおよび未反応SiF4から分離さ
れ、未反応SiF4流9は反応器Dに循環される。方法Dお
よびEは単一装置内で行うことができる。反応器Dから
の生成物流10は、場合により過工程と結合した再昇華
工程Fにより凝縮面上の固体鉄化合物から分離すること
のできるSiO2およびTiF4を含有している。再昇華工程F
からのTiF4蒸気11は水12によりGで加水分解され、共に
水性または無水形態のTiO2およびフッ化水素を含有する
加水分解生成物13が生成する。加水分解生成物13は精製
および分離Hを受け、純粋なTiO2生成物14、フッ化水素
流15および加水分解プラントGに循環される残留TiF4
流16が生成する。
フッ化水素流15は、再生工程1において再昇華および
過工程Fから回収されたシリカ17と合体して、流れ9と
合体されるSiF4流18を生じ、SiF4は反応器Dで用いるた
めに流れ7にされる。
反応器Dからの残渣19は、SiO2、残留イルメナイト、吸
収されたSiF4、金属フッ化物等を含有し、場合によりさ
らに処理J及び/又は熱加水分解Kを受けてシリカ20、
金属酸化物21、および流れ15と合体されるフッ化水素回
収流22を生じる。
副生物フッ化第二鉄は種々の方法で処理することができ
る。例えば、1000℃でスチームにより熱加水分解して酸
化第二鉄及びフッ化水素にすることができ、該フッ化水
素はシリカと反応させて、循環される四フッ化ケイ素に
することができる。
この方法の生成物、二酸化チタン14、酸化第二鉄21及び
シリカ20は全て価値あるものである。
イルメナイトと四フッ化ケイ素から純粋な二酸化チタン
及びシリカを製造する方法は本明細書に記載した現象を
高めるために設計された装置で行うことができる。特
に、反応器Dは反応平衡からの移動を高めるために、四
フッ化チタン凝縮用の移動熱交換表面を有する流動床を
包むことが考えられる。変更として、適当な冷却表面の
極めて近くで操作される回転帯域流動床も可能である。
SiF4(揮発性が非常に高い)、TiF4及びチタンのオキシ
フッ化物(中ぐらい)及び鉄化合物およびシリカ(非常
に低い)の揮発性のために、固体生成物精製Fは加熱と
冷却のサイクルの有利な昇華と凝縮を繰り返すことによ
り達成される。
化学量論に近い加水分解工程Gは循環流を良好に分離す
るためにベンチュリー加水分解器であることができる。
加水分解についで、最終精製工程が純粋なTiO2を得るた
めに必要である。
この方法は高温度での特別な封じ込めを必要とし、ニク
ロファーのような高品質のニッケル合金が操作条件下で
は適していることが実証された。
本発明の利点は、以下に記載の事項の1つまたは組み合
わせから生じる。
(a)供給原料として、Ti含量に関係無くいずれのチタ
ン含有鉱物が使用可能。
(b)イルメナイト格子の物理的及び化学的破壊、およ
び破砕イルメナイトのばい焼による第一鉄から第二鉄状
態へのイルメナイト中の鉄の変換。酸素または空気での
ばい焼は完全に酸化された鉄化合物の母体格子を与え、
それにより次のSiF4との反応において還元状態となるTi
(IV)の能力を最低にする。
(c)予備フッ化による低温での原料の予備処理は添加
率を改良する。
(d)反応体として、揮発性であり、安価に製造される
ガス状四フッ化ケイ素の使用。四フッ化ケイ素は腐食性
や毒性もなく、または代替反応体としてこの方法に用い
られる他のフッ化物のように環境上許容できないもので
もない。四フッ化ケイ素は、この方法で製造される無水
フッ化水素または水性フッ化水素から生産することがで
きる。FeF3および他のフッ化物は、非常に高価な化学
品、無水フッ化水素またはF2の製造のために必要であ
る。
(e)ガス相酸素または空気の不存在下にフッ化プロセ
スを行うことが可能。
(f)チタン化合物、特に純粋な二酸化チタン、チタン
金属およびチタン合金の製造の中間体として使用できる
純粋なな四フッ化チタンを大量に製造することが可能。
(g)上述のようにTiF4の生成は、化学平衡を連続して
妨げ、従って転化率を最大にする。
(h)式(5)の反応で生成されたシリカは回収され、
TiF4の加水分解により形成されるフッ化水素と反応され
る(反応6): TiF4+2H2O→TiO2+4HF ……(6) シリカとフッ化水素は反応して、この方法で循環するこ
とができるSiF4を与える(反応7): SiO2+4HF→SiF4+2H2O ……(7) (i)最終副生物(Fe2O3及びSiO2)は環境上許容さ
れ、全ての中間生成物は循環することができ、それによ
りイルメナイトはその成分酸化物に分離される。
(j)この方法は化学平衡抑制を促進する新しい特徴を
有する流動床反応器を取り入れることができる。
(k)フッ化プロセスは、ニクロファーのような高品質
ニッケル合金及び高い収率を与える高温度で使えるその
類似物中で腐食に侵されることもなく、安全に行うこと
ができる。
(l)この方法で製造された四フッ化チタンは、新規な
特徴を有する熱交換装置中で凝縮及び再昇華を行うこと
により他の生成物から容易に分離される。
ここに記載の方法は、この発明の概念から逸脱すること
なく、当業者にとってここに記載の教示から明らか範囲
への変更は可能であり、この種の全ての変更はこの開示
の範囲内と考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ポン、テレーザ・キット・ヒン オーストラリア国、ヴィクトリア 3056、 ブランズウィック、シドニー・ロード 287

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a)チタン(IV)酸化物を含有するチタ
    ン含有固体を、少なくとも800℃の温度で、少なくとも
    1気圧の圧力で、界面にて四フッ化ケイ素ガスに暴露す
    ることにより四フッ化チタン蒸気を生成させ、 (b)該界面から生成した四フッ化チタン蒸気を該界面
    から迅速に除去する工程を含む、チタン(IV)酸化物を
    含有するチタン含有固体を処理する方法。
  2. 【請求項2】反応が酸素のない雰囲気で、800〜1200℃
    の温度で行われる請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】チタン含有物質が第一鉄状態で鉄を含有
    し、チタン含有物質を第一鉄状態から第二鉄状態に酸化
    するための予備処理をする工程を含む請求項1または2
    記載の方法。
  4. 【請求項4】チタン含有物質がイルメナイトであり、予
    備処理工程が空気または酸素を含有する雰囲気で、ばい
    焼することにより行われる請求項3記載の方法。
  5. 【請求項5】予備処理工程が酸素含有雰囲気で700〜750
    ℃で、ばい焼することにより行われる請求項4記載の方
    法。
  6. 【請求項6】蒸気の温度を四フッ化チタンの凝縮温度ま
    たはそれ以下に低下させることにより、四フッ化チタン
    が反応帯域から迅速に除去される請求項1〜5のいずれ
    か1項記載の方法。
  7. 【請求項7】固体チタン含有物質とガス状四フッ化ケイ
    素との反応が、反応帯域中の固体/ガス界面で、または
    その極く近傍で行われる請求項1〜6のいずれか1項記
    載の方法。
  8. 【請求項8】チタン含有物質が流動床中で四フッ化ケイ
    素に暴露される請求項1〜7のいずれか1項記載の方
    法。
  9. 【請求項9】固体チタン含有物質が焼結された状態のも
    のである請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 【請求項10】四フッ化チタン蒸気が、工程(a)の反
    応を抑制しないように反応帯域から充分な間隔で迅速に
    冷却することにより反応帯域から除去される請求項6〜
    9のいずれか1項記載の方法。
  11. 【請求項11】四フッ化チタンが昇華と凝縮の繰り返し
    により精製される請求項1〜10のいずれか1項記載の方
    法。
  12. 【請求項12】四フッ化チタンが化学量論に近い割合で
    加水分解され二酸化チタンが回収される請求項1〜11の
    いずれか1項記載の方法。
  13. 【請求項13】加水分解中に製造された四フッ化水素が
    副生物シリカと反応して四フッ化ケイ素を再生成する請
    求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】工程(a)がニクロファー6020製の内部
    表面を有する反応室で行われる請求項1〜13のいずれか
    1項記載の方法。
  15. 【請求項15】シリカがフッ化水素で処理されて四フッ
    化ケイ素を生成する工程をさらに含む請求項1〜14のい
    ずれか1項記載の方法。
  16. 【請求項16】前記シリカが工程(a)の反応生成物で
    ある請求項15記載の方法。
  17. 【請求項17】前記フッ化水素が四フッ化チタンの加水
    分解生成物である請求項15または16記載の方法。
  18. 【請求項18】生成した四フッ化ケイ素が工程(a)で
    用いられるガスとして循環される請求項15〜17のいずれ
    か1項記載の方法。
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