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JPH062866B2 - 衝撃強度に優れた強化ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents
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JPH062866B2 - 衝撃強度に優れた強化ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

衝撃強度に優れた強化ポリエステル樹脂組成物

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JPH062866B2
JPH062866B2 JP60089602A JP8960285A JPH062866B2 JP H062866 B2 JPH062866 B2 JP H062866B2 JP 60089602 A JP60089602 A JP 60089602A JP 8960285 A JP8960285 A JP 8960285A JP H062866 B2 JPH062866 B2 JP H062866B2
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伸一 横田
克則 高本
健次 奥野
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Kuraray Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は改善された物理的特性、ことに改善された衝撃
強さを有する射出成形等の成形加工性に優れた強化ポリ
エステル樹脂組成物に関する。
〔従来の技術〕
ポリエチレンテレフタレート(以下PETと略すことが
ある)或はポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)(以
下PBTと略することがある)は耐熱性、耐薬品性、機
械的性質、電気的性質などに優れ、繊維、フイルムなど
として多くの工業製品に使用されている。特にガラス繊
維等の無機フイラーで強化したPET或はPBTは、熱
的性質、機械的性質において著しく向上したものとなる
が故に、近年エンジニアリングプラスチツク等の用途に
広く用いられている。
しかしながら、このような充填材で強化したPET或は
PBTは成形品の耐衝撃性が必ずしも十分でなく、この
成形品を二次加工する際や成形品を輸送する際および成
形品使用時に成形品が破壊するという問題がしばしば生
ずる。
充填材強化ポリエステル樹脂の耐衝撃性を改善する手段
としては種々の方法が知られているが、弾性重合体を充
填材強化PET或はPBTに配合するのが一般的であ
る。
例えば、特公昭45-26223号公報では、飽和脂肪族モノカ
ルボン酸のビニルエステルとα−オレフインとの共重合
体がポリエステル樹脂の衝撃改質材として開示されてい
る。特公昭45-26224号公報ではアクリル酸エステルと共
役ジエンとの共重合体がポリエステル樹脂の衝撃改質材
として開示されている。特公昭45-26225号公報ではアイ
オノマーがポリエステル樹脂の衝撃改質材として開示さ
れている。しかし上記方法で得た成形品は、目的とする
衝撃強度が十分に改善されているとはいえない。
充填材強化ポリエステル樹脂の衝撃強さを改質する方法
はその他にもいろいろ知られている。例えば特開昭51-1
44452号公報、特開昭52-32045号公報、特開昭53-117049
号公報などではα−オレフインとα、β−不飽和カルボ
ン酸グリシジルエステルとからなる共重合体をポリエス
テル樹脂にブレンドする方法が開示されている。この共
重合体に加えて更に第3の成分としてエチレ系共重合体
を併用する方法が特開昭58-17148号公報及び特開昭58-1
7151号公報に、ポリフエニレンスルフイドを併用する方
法が特開昭57-92044号公報に開示されている。
これらの方法でもまだ十分な衝撃強度が得られたとはい
い難い。
充填材強化ポリエステル樹脂に極めて多量の弾性体をブ
レンドすれば衝撃強度は改良される(例えば特公昭59-3
0742号)。しかるに多量の弾性体のブレンドはポリエス
テル本来の耐熱性や機械的強度を低下させる。
PET系フイラー強化ポリエステルにPBTを配合する
ことによりそり抵抗を高めることが特開昭53-102360号
により知られている。しかるにPET系フイラー強化ポ
リエステルにPBTを配合しても耐衝撃強度の増大は望
めない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明の第1の目的は射出成形樹脂としての充填材強化
ポリエステル樹脂の他の良好な性質を保持したままに極
めて高い耐衝撃性を付与することにある。そして本発明
の他の目的は充填材強化ポリエステル樹脂組成物の射出
成形等の成形加工性を改善することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは耐衝撃性に優れた充填材強化ポリエステル
樹脂を得んものと鋭意検討した結果、充填材強化PET
にある有効量のアイオノマーとブロツクコポリエーテル
エステルエラストマー、更に特定量のPBTを配合すれ
ばそれらの相乗作用により充填材強化PET本来の高い
耐熱性、機械的強度を保持したまま従来の充填材強化P
ETに比べ極めて高い衝撃強度を持つたポリエステル樹
脂組成物が得られることを見出し本発明に到達した。
即ち本発明は (a)ポリエチレンテレフタレート系ポリエステル((a)成
分)85〜15重量部 (b)ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)系ポリエス
テル((b)成分)15〜85重量部 (c)α、β−不飽和カルボン酸単位が1モル%以上30
モル%以下でありカルボキシル基の少くとも20モル%
が1〜3価の金属塩として存在する、α−オレフインと
α、β−不飽和カルボン酸必要により及び第3のビニル
コモノマーとの共重合体の金属塩((c)成分)および、 (d)ブロツクコポリエーテルエステルエラストマー((d)
成分) (e)繊維状充填材 を混練してなり、(a)成分と(b)成分の合計配合量100重
量部に対し(c)成分と(d)成分の合計配合量が20〜50
重量部及び(e)成分の配合量が10〜150重量部であ
り、且つ(d)成分の(c)成分に対する配合量の比((d)/
(c))が10以下である樹脂組成物であつて、極めて高
い衝撃強度をもつた樹脂組成物を提供するものである。
意外なことに、繊維状充填材を配合したPET系ポリエ
ステルに対し特定量のPBT系ポリエステルを併用し上
記(c)及び(d)成分の特定量で改質すれば成形品の衝撃強
度は極めて高いものとなり、場合によつてはノツチ付ア
イゾツト衝撃強度が20kg・cm/cm以上に達することも
ある。これは充填材強化PET系ポリエステル或は充填
材強化PBT系ポリエステルを上記(c)及び(d)成分で改
質した組成物の衝撃強度よりはるかに大である。
熟練した当業者が通常予期することはPBT系ポリエス
テルの添加量増加と共に徐々に衝撃強度が上昇すること
であるから、上記の如き極めて顕著な相乗効果の存在は
特に意外なことであつた。更に本発明において驚くべき
ことは、ポリエステルの本来の性質(例えば耐熱性や機
械的強度)が保持されていることに加え、かくして得ら
れた組成物は射出成形等の成形加工性が極めて優れてい
ることである。即ちPET系樹脂組成物としては比較的
低い金型温度でも表面光沢及び離型性の良好な射出成形
品を得ることができるということである。
以下本発明を説明する。
本発明において使用されるPET系ポリエステルは構成
単位の大部分がエチレンテレフタレート単位よりなるも
のである。従つて該PET系ポリエステルは本来のPE
Tの物性を損わない範囲で他の共重合成分を含んでいて
もよい。このような共重合可能な成分としてはナフタレ
ンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、
セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ジエチレングリコ
ール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、2−2−ビス(4,4′−ヒドロキシフエニル(プ
ロパン等のジオール、ポリエチレングリコール、ポリ
(テトラメチレンオキシド)グリコール等のポリアルキ
レングリコール及びp−オキシ安息香酸等のオキシカル
ボン酸等をあげることができる。これらの共重合成分は
通常20モル%以内であり、10モル%、特に5モル%
より少ない量で配合されるのがよい。
また前記のPET系ポリエステルは実質的に線状である
範囲内で、3官能以上の化合物、例えばトリメチロール
プロパン、トリメリツト酸、ピロメリツト酸等を、また
単官能化合物、例えばラウリン酸等を共重合成分として
含有してもよい。これらの配合量は通常酸成分又はジオ
ール成分に対し1モル%以下の範囲である。
この中でも、本発明において好ましいポリエステルは実
質的にポリエチレンテレフタレートである。
本発明において用いられるPET系エステルは得られる
成形品の強度的性質の面から、0.4以上の固有粘度を持
つことが好ましい。ここでいう固有粘度は1:1の重量
比のフエノール/テトラクロルエタン混合溶媒中、30
℃で測定した値である。
本発明においてはPET系ポリエステル((a)成分)の
他に特定量のポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)系
ポリエステルを併用する点に特徴がある。PET系ポリ
エステル((a)成分)とイオン性共重合体((c)成分)、
ブロツクコポリエーテルエステルエラストマー((d)成
分)との組み合せに更に所定量のPBT系ポリエステル
((b)成分)を組み合せることによつてその耐衝撃強度
は、予想もされなかつた程の大きな値を示す。
本発明において使用されるPBT系ポリエステル((b)
成分)は構成単位の大部分がブチレンテレフタレート単
位よりなるものである。従つて該PBT系ポリエステル
は本来のPBTの性質を損わない範囲の共重合成分を含
んでいてもよい。このような共重合可能な成分としては
ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、アジ
ピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、ジエチレ
ングリコール、エチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、2−2−ビス(4,4′−ヒドロキシフエニル)
プロパン等のジオール、及びp−オキシ安息香酸等のオ
キシカルボン酸等をあげることができる。これらの共重
合成分は通常20モル%以内であり、10モル%、特に
は5モル%より少ない量で配合されるのがよい。
また前記のPBT系ポリエステルは実質的に線状である
範囲内で、3官能以上の化合物、例えばトリメチロール
プロパン、トリメリット酸、ピロメリツト酸等を、また
単官能化合物、例えばラウリン酸等を共重合成分として
含有していてもよい。これらの配合量は通常酸成分又は
ジオール成分に対し1モル%以下の範囲である。
この中でも、本発明において好ましいポリエステルは実
質的にポリブチレンテレフタレートである。
使用するPBT系ポリエステルの固有粘度は前記方法で
測定した時、少くとも0.6、好ましくは0.8d/g以
上である。上限値は重要では無いが、一般に約1.5d
/gである。特に好ましいPBT系ポリエステルの固有
粘度は0.9〜1.2d/gである。
PBT系ポリエステルの使用量はPET系ポリエステル
((a)成分)85〜15重量部に対し、15〜85重量
部である。15重量部以下では両ポリエステル併用によ
る相乗効果が少いし、85重量部以上ではPBT系ポリ
エステル単独をイオン性共重合体((c)成分)とブロツ
クコポリエーテルエステルエラストマー((d)成分)で
改質した場合の耐衝撃性しか得られない。特に好ましい
PBT系ポリエステルの使用量は30〜70重量部であ
る。
本発明においては、α−オレフインとα、β−不飽和カ
ルボン酸必要により及び第3のビニルモノマーとの共重
合体の金属塩(以下イオン性共重合体と称することもあ
る)がポリエステルに加えられる。該イオン性共重合体
を構成するα−オレフインとしてはエチレン、プロピレ
ンなど、また、α、β−不飽和カルボン酸としてはアク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタ
コン酸など、また第3のビニルモノマーとしてはアクリ
ル酸エチル、酢酸ビニルなどが好ましい。さらに1〜3
価の金属としてはナトリウム、カリウム、カルシウム、
アルミニウムなどが例示されるがアルカリ金属、特にナ
トリウムがよい。
これらのイオン性共重合体はα−オレフインとα、β−
不飽和カルボン酸と場合によりビニルモノマーとを共重
合し、しかる後、カルボン酸の一部または全部を金属塩
に置換することによつて製造できる。イオン性共重合体
の別の製造法としてはα−オレフインと場合により第3
のビニルモノマーとの共重合体に、α、β−不飽和カル
ボン酸をグラフト重合し、しかる後、金属塩に置換する
方法がある。更に別の製造法としてはα−オレフインと
α、β−不飽和カルボン酸エステルと場合により第3の
ビニルモノマーとを共重合し、ついでカルボン酸エステ
ル部分をけん化した後に金属塩に置換することによつて
製造する方法もある。いずれの方法によつて得られたイ
オン性共重合体においても本発明では採用されるが、こ
れらのイオン性共重合体のなかで、本発明において特に
好ましく用いられるものは、エチレンとアクリル酸もし
くはエチレンとメタクリル酸からなる共重合体のアルカ
リ金属塩、特にナトリウム塩である。
このようなイオン性共重合体は多数の入手源がある。例
えば三井・デユポンポリケミカル社からハイミランの商
品名で販売されている。
上記のイオン性共重合体において、共重合体中に占める
カルボン酸単位(塩の形も含む)が全共重合体単位のう
ち1モル%以上、30モル%以下であることが必要であ
る。1モル%未満であると、本発明の効果、即ちポリエ
ステル樹脂の耐衝撃性改善が充分発現しない。30モル
%よりも多くなると、溶融状態においてイオン性共重合
体がポリエステルに短時間で充分に混練できなくなる。
本発明において用いられるイオン性共重合体中に占める
カルボン酸単位割合としてさらに好ましい範囲は2モル
%以上10モル%以下である。
本発明において、イオン性共重合体は、存在するカルボ
キシル基すべてが金属イオンによつて中和されている必
要はないが、全カルボキシル基の少なくとも20モル%
が金属イオンによつて中和されていることが必要であ
る。中和率が20モル%未満であるとポリエステル樹脂
の耐衝撃性を改善するという本発明の効果が充分に得ら
れない。好ましい中和率は40%以上、特には60モル
%以上である。
なお、中和率は共重合体の赤外スペクトル分析により測
定される。即ち塩となつたカルボキシル基のνc=0吸
収強度と未中和のカルボン酸カルボキシル基のνc=0
吸収強度との比によつて測定できる。
本発明においてはイオン性共重合体がブロツクコポリエ
ーテルエステルエラストマーと組合わせて使用される。
本発明において用いられる(d)成分のブロツクコポリエ
ーテルエステルエラストマーは、60モル%以上がポリ
アルキレンテレフタレートからなるポリエステルと分子
量400〜6000のポリ(アルキレンオキサイド)グ
リコールとから構成されるものであり、しかもポリ(ア
ルキレンオキサイド)グリコール成分がエラストマー重
量の10〜80%含有されているものである。このブロ
ツクコポリエーテルエステルエラストマーのハードセグ
メントを構成するポリアルキレンテレフタレートはテレ
フタール酸を主たる酸性分とし、炭素数2〜10の脂肪
族グリコールを主たるジオール成分とするポリマーであ
るが、テレフタール酸以外のジカルボン酸或いは炭素原
子数2〜10の脂肪族グリコール以外のグリコールを合
計40モル%まで共重合したものでも良い。それら共重
合可能な成分としては、例えばアジピン酸、セバシン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、フタール酸、
イソフタール酸、ナフタレンジカルボン酸などの如き脂
肪族、脂環族又は芳香族ジカルボン酸;ネオペンチルグ
リコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−
シクロヘキサンジエタノール、1,4ベンゼンジメタノー
ル、1,4−ベンゼンジエタノールなどの如き脂肪族、脂
環族又は芳香族ジオールを挙げることができる。その
他、p−オキシ安息香酸、p−ヒドロキシエトキシ安息
香酸などのオキシ酸も共重合可能である。
またブロツクコポリエーテルエステルエラストマーのも
う一方の構成成分でソフトセグメントを構成するポリ
(アルキレンオキサイド)グリコールとしては、例えば
ポリ(エチレンオキサイド)グリコール、ポリ(プロピ
レンオキサイド)グリコール、ポリ(テトラメチレオキ
サイド)グリコールなどの単一グリコール類;エチレン
オキサイドとプロピレンオキサイドとのランダムまた
は、ブロツク共重合のポリグリコール、テトラヒドロフ
ランと2,2−ジメチルオキセタンとのランダムまたはブ
ロツク共重合のポリグリコール、テトラヒドロフランと
2,2−ジメチルオキセタンとのランダムまたはブロツク
共重合のポリグリコールなどの共重合グリコール類;上
記グリコールの2種以上の混合物などを挙げることがで
きる。
本発明におけるポリ(アルキレンオキサイド)グリコー
ルの数平均分子量は400〜6000より好ましくは5
00〜4500であり、分子量がこれより多すぎるとポ
リ(アルキレンオキサイド)グリコール単位自体が結晶
性をもつ様になり、耐衝撃性、耐摩耗性の向上に寄与し
なくなり、逆に分子量が400以下でも同様に耐衝撃
性、耐摩耗性の向上に寄与しなくなる。
又、ブロツクコポリエーテルエステルエラストマー中の
ポリ(アルキレンオキサイド)グリコールの含有量はエ
ラストマー重量の10〜80%好ましくは15〜70%
になる様にする必要がある。
80重量%以上ではエラストマーのハードセグメントの
性質が殆んど消滅してしまつてPET系ポリエステルや
PBT系ポリエステルとの相溶性が悪くなる。又10重
量%以下ではポリ(アルキレンオキサイド)グリコール
単位が少ないために、低弾性率化し耐衝撃性の向上に寄
与しなくなる。
本発明における(d)成分のブロツクコポリエーテルエス
テルエラストマーの好ましい具体例としては、ポリエス
テル成分(ハードセグメント成分)の60モル%以上が
ポリブチレンテレフタレートからなるポリエステルであ
り、ポリエーテル成分(ソフトセグメント成分)がポリ
(テトラメチレンオキサイド)グリコールからなるポリ
エーテルグリコールであるエラストマーが挙げられる。
一般に本発明における(d)成分のブロツクコポリエーテ
ルエステルエラストマーはPBTとの混和性に優れてい
るのであるが、なかでも上記した成分から成るエラスト
マーは改質されるPET系ポリエステルおよびPBTと
の混和性が極めて良好である。
本発明におけるブロツクコポリエーテルエステルエラス
トマーは通常の製造法により製造される。例えばテレフ
タール酸、低分子量ジオール及びポリ(アルキレンオキ
サイド)グリコールの三者を直接エステル化する方法;
ジアルキルテレフタレートと低分子量ジオールとをエス
テル交換せしめた後ポリ(アルキレンオキサイド)グリ
コールを加えて重縮合させる方法のいずれの方法を採つ
ても良い。なおエラストマーの製造に際しては各反応を
促進させるための触媒、各種の安定剤、改質剤、顔料な
どを必要に応じて使用する事ができる。
このようなブロツクコポリエーテルエステルエラストマ
ーは多数の入手源がある。例えば東洋紡績社からペルプ
レンの商品名で販売されている。
ブロツクコポリエーテルエステルエラストマー((d)成
分)はイオン性共重合体と組合わせて使用されるが、そ
の配合割合は(d)成分が(c)成分配合部数の10重量倍を
越えない量である。(c)成分の配合部数が少な過ぎる
と、本発明の目的である耐衝撃性向上が達せられない。
本発明の目的の1つである高い耐衝撃性を保持し得る限
り、(d)成分の(c)成分に対する配合割合の大きい方が組
成物の溶融流動性にとつては好ましい。好ましい(d)成
分の(c)成分に対する配合量の比((d)/(c))は0.5〜
5の範囲である。
これらイオン性共重合体(c)及びブロツクコポリエーテ
ルエステルエラストマー(d)の合計配合量は、PET系
ポリエステル(a)とPBT系ポリエステル(b)との合計1
00重量部に対し20〜50重量部である。20重量部
未満では充填材強化PET系ポリエステル樹脂の耐衝撃
性改善という本発明の目的が十 に達成されない。また
50重量部を越えると本発明組成物よりなる成形品の機
械的性質は充填材強化PET系ポリエステル樹脂本来の
それとは異なり、例えば成形品の剛性が失われる等す
る。特に好ましいイオン性共重合体(c)とブロツクコポ
リエーテルエステルエラストマー(d)の合計配合量はP
ET系ポリエステル(a)とPBT系ポリエステル(b)との
合計配合量100重量部に対して25〜40重量部であ
る。
本発明で使用する繊維状の充填材としてはガラス繊維、
炭素繊維、グラフアイト繊維、金属繊維、シリコンカー
バイト繊維、アスベスト、ウオラストナイト、繊維状チ
タン酸カリウム等の無機繊維、ホイスカー、各種の有機
繊維等である。好ましい繊維状充填材はガラス繊維であ
るが特に限定はなく、機械的物性の強化、耐熱性の付
与、導電性の付与、摩擦特性の改良、難燃性の向上等の
種々の目的に応じて用いられる。これ等の繊維状充填材
は二種以上を混合して用いることもできる。繊維状充填
材の配合量は熱可塑性ポリエステル((a)成分と(b)成分
との合計)100重量部に対して10〜150重量部;
好ましくは10〜120重量部である。配合量が10重
量部以下では強化PET本来の十分な機械的強度、耐熱
性が得られないのみならず、本発明の目的とする耐衝撃
性の改良効果も小さくなる。150重量部以上では成形
時流動性を損ったり、成形品の表面光沢を損う傾向が著
しくなるため好ましくない。
繊維状充填材は、そのまま配合することも出来るが、ポ
リエステル樹脂との親和性、接着性を高める為、適当な
表面処理剤で表面処理を行なつたものを使用すれば、機
械的強度は更に改善される。ここで表面処理剤としては
種々の公知のものが本発明に使用可能であり、一例を示
せば、シラン系、チタネート系、エポキシ系等の表面処
理剤があげられる。
上記のポリエステルおよびイオン性共重合体およびブロ
ツクコポリエーテルエステルエラストマーは、通常、粉
末状または粒子状(ペレツト、チツプ)で得られる。こ
れらと繊維状充填材を単に混合しながら溶融成形して目
的のポリエステル成形品を製造することができるが、ま
た、一旦、配合物を溶融混練してペレツトまたはチツプ
を成形しこのペレツトまたはチツプから目的の成形品を
溶融成形することもできる。従つて、本発明においてポ
リエステルとイオン性共重合体およびブロツクコポリエ
ーテルエステルエラストマーと繊維状充填材との混合物
とは、それぞれの粉末または粒子と繊維状充填材とが単
に混合されたものだけでなく、両者が溶融混練されたも
のも包含される。
ポリエステルにイオン性共重合体およびブロツクコポリ
エーテルエステルエラストマーと充填材とを配合する際
またはポリエステルとイオン性共重合体およびブロツク
コポリエーテルエステルエラストマーと充填材との混合
物を溶融成形する際に、通常、ポリエステルに加えられ
る種々の添加剤、例えば、着色剤、離型剤、酸化防止
剤、紫外線安定剤、難燃剤などを配合することもでき
る。
本発明の組成物は押出し成形、射出成形などの溶融成形
法によつて各種成形品を製造することができる。押出し
成形によつて得られる成形品としては、棒状、シート
状、板状、チューブ状またはパイプ状など成形ダイの形
状によつて任意の形状のものを製造することができる。
さらに、かかる押出し成形品を切断することによつてチ
ツプ、ペレツトなどの小片または粒子状の溶融成形用材
料が得られる。また射出成形法によれば金型の形状によ
つて任意の形状のものを製造することができる。いずれ
の成形法においても得られる成形品はさらにブロー成
形、絞り成形または真空成形などの二次成形加工により
容易に所望の最終成形品とし得る。そして、これらの各
種成形品はいずれも極めて高い衝撃強度が得られる。
以上のように本発明組成物は従来の充填材強化PET系
ポリエステル樹脂では予想もされなかつたような極めて
高い衝撃強度を持つた成形品を他の物性を低下させずに
与えるので、斯界に与える貢献は極めて大きい。
更に本発明組成物は100℃近辺というPET系樹脂と
しては比較的低い温度の金型で射出成形した場合でもポ
リエステルは充分に結晶化し、離型性よく表面性状のす
ぐれた成形品を与えるので、成形加工性において優れた
樹脂と言える。
更に付言すれば、PETやPBT等の熱可塑性ポリエス
テルは一般に熱時加水分解しやすく成形前充分に乾燥す
ることが必要である本発明組成物は湿気に対して鈍感で
あり、成形前予備乾燥条件を緩和できるという有利さを
も持ち合わせている。
以下、実施例をあげて本発明を説明する。なお、例中の
部はことわりのない限りすべて重量基準である。
参考例A(ブロツクコポリエーテルエステルの合成例) ジメチルテレフタレート136.0部、数平均分子量約1
000のポリ(テトラメチレンオキシド)グリコール1
52.1部、および1,4−ブタンジオール94.5部をチタ
ンテトラブトキシド触媒0.10部とともに撹拌機付反応
容器に仕込み、210℃で2時間加熱してメタノールを
溜出させた。ほぼ理論量のメタノールが溜出した後、反
応混合物にイルガノツクス1010=商標名(チバガイ
ギー社、酸化防止剤)4.0部を添加した後、温度を25
0℃に昇温し、1時間かけて徐々に系内の圧力を0.3mm
Hgにまで下げた。この条件下で2時間重合を行わせ
た。得られたポリマーの固有粘度は0.9であつた。
実施例1〜9及び比較例1〜6 あらかじめ熱風乾燥器にて充分乾燥した所定量の固有粘
度0.68のPETに対し、固有粘度0.85のPBTおよ
びイオン姓共重合体としてエチレン/メタクリル酸共重
合体のナトリウム塩(メタクリル酸(塩)単位含有量7
mol%中和率80%)およびブロツクコポリエーテルエ
ステルエラストマーとして参考例Aで調製したポリマー
およびガラス繊維として長さ3mmの収束チヨツプドスト
ランド(日東紡績社製)および酸化防止剤としてPhosph
ite168=商標名(チバガイギー社)を第1表に示す
ように所定量配合して予備混合したのち、40mmφ押出
し機(大阪精機工作社製8VSE−40−28型)のホ
ツパーに投入し、シリンダー温度250−275−27
5−275℃(ホツパー側より)、アダプター温度26
5℃及びダイ温度265℃で溶融混練しつつ押出してス
トランドを得、これを切断してペレツトとした。次いで
該ペレツトをシリンダー温度240−260−280
℃、ダイ温度280℃、金型温度130℃に調節された
射出成形機(日鋼アンケルベルグ社製V−15−75
型)により厚さ3mmの試験片を成形した。得られた成形
物の衝撃強さ(Izod法、ノツチ付、JIS K 711
0に準拠)及び引張強さ(JIS K7113に準拠)
に表1に示す。
表1の実施例よりわかるようにPBT配合量がPET6
0部に対して40部くらいのところで組成物はその耐衝
撃性が極大を示し、充填材強化PET樹脂としては極め
て高い値を示した。
PETとPBTの総計量100部に占めるPBTの配合
量が15部より下るとこの相乗効果はみられ難くなつた
(比較例1)。また85部以上になると則ち、PBTが
大過剰量になつてくると、衝撃強度はガラス繊維強化P
BT単独をイオン性共重合体で改質しただけの値に向つ
て低下してきた(比較例5、6)。
イオン性共重合体とブロツクコポリエーテルエステルと
の合計配合量はPETとPBTを合わせた総ポリエステ
ル樹脂量100部に対して20部以下だと、比較例3に
示すようにいかにPBT量を最適量にしても耐衝撃性の
向上は望めなかつた。
イオン性共重合体とブロツクコポリエーテルエステルと
を合わせた配合量が総ポリエステル樹脂量100部に対
して30部と充分存在してもイオン性共重合体のブロツ
クコポリエーテルエステルに対する配合割合が1/10より
少いと高い耐衝撃性は得られない(比較例2)。この割
合が大きくなつて殆どすべてイオン性共重合体となつて
しまつても高い耐衝撃性は期待できる(実施例4)。樹
脂の流動性の為には両者を併用することが望ましい。
ガラス繊維の配合量が、総ポリエステル樹脂量100部
に対して10部より少くなると比較例4に示すように衝
撃強さは低いものとなる。
実施例10 イオン性共重合体としてエチレン/アクリル酸/アクリ
ル酸エチル共重合体のナトリウム塩(アクリル酸(塩)
単位含有量5mol%、アクリル酸エチル単位含有量1mol
%、中和率100%)15部、ブロツクコポリエーテル
エステルエラストマー15部を用いる以外は実施例2と
同様の条件で組成物をつくり、成形して試験片を得た、
その衝撃強さ・測定結果を表1に示す。
実施例11 イオン性共重合体としてエチレン/アクリル酸/アクリ
ル酸エチル共重合体のナトリウム塩(アクリル酸(塩)
単位含有量3mol%、アクリル酸エチル単位含有量3mol
%、中和率100%)20部、ブロツクコポリエーテル
エステルエラストマー10部を用いる以外は実施例3と
同様な条件で組成物をつくり、成形して試験片を得た。
その衝撃強さ測定結果を表1に示す。
実施例12 イオン性共重合体としてエチレン/アクリル酸共重合体
のナトリウム塩(アクリル酸(塩)単位含有量6mol
%、中和率30%)20部、ブロツクコポリエーテルエ
ステルエラストマー10部を用いる以外は実施例3と同
様な条件で組成物をつくり成形して試験片を得た。その
衝撃強さ測定結果を表1に示す。
比較例7、8 イオン性共重合体中のアクリル酸塩単位含有量を表1の
如く変更する以外は実施例10と同様な条件で組成物を
つくり成形して試験片を得た。表1に示したとうり、ア
クリル酸塩単位含有量が1mol%以下であると、体衝撃
性は改良されないし、30mol%以上もあると、成形で
きないことが確認された。
比較例9 イオン性共重合体としてアクリル酸中和率を20%以下
としたエチレン/アクリル酸/アクリル酸エチル共重合
体の部分中和物を用いる以外は実施例9と同様な条件で
組成物をつくり、成形して試験片を得た。この場合も表
1に示したとうり衝撃強さの大きい向上はみられなかつ
た。
実施例13 実施例3において射出成形における金型温度を110℃
といわゆるオイル循環温調可能な温度まで下げた金型を
用いて射出成形を行う以外は実施例3と全く同じ方法で
実験を行つた。この場合にも離型性よく表面光沢の優れ
た成形品が得られ、ポリエステルの結晶化度もX線法に
よると24%に達していた。また成形品の耐衝撃性も2
2kg・cm/cm(アイゾツト(ノツチ付))であり、13
0℃と高い金型温度で成形して得たもののそれと同等の
値を示した。
実施例14及び比較例10 実施例3においてPETとして0.1%の水分を含んだ未
乾燥のものを用いる以外は実施例3と全く同じ方法で成
形片を得た。衝撃強度は16kg・cm/cm(アイゾツト
(ノツチ付))であり、充分乾燥したPETを用いた実
施例3のそれに対し73%の保持率を示した。なお比較
のために、0.1%含水したPETとガラス繊維のみから
なる組成物を実施例3と同じ方法で射出成形してその耐
衝撃性を測定すると絶乾したPETを用いた場合に比べ
保持率は55%であつた。これらの例より本発明の組成
物は含水状態のPETを用いて成形した場合においても
比較的優れた物性を保持することが認められた。
実施例15〜18及び比較例11、12 実施例1〜9において、PETの代りに平均分子量10
00のポリエチレングリコールをグリコール成分として
共重合したポリエチレンテレフタレート系ポリエステル
(共重合量はエチレンテレフタレート成分100重量部
に対し10重量部、即ちポリエチレングリコールの全グ
リコール成分に占める割合1.9モル%)を用いる以外は
実施例1〜9と同様の方法で成形片を得た。その衝撃強
さを表2に示す。
実施例19 実施例18において射出成形における金型温度を90℃
という水循環温調可能な温度まで下げた金型を用いて射
出成形を行う以外は実施例18と全く同じ方法で実験を
行つた。この場合にも離型性よく表面光沢の優れた成形
品が得られ、ポリエステルの結晶化度も21%に達して
いた。また成形品の耐衝撃性も22kg・cm/cm(アイゾ
ツト(ノツチ付))であり、130℃と高い金型温度で
成形して得たもののそれと同等の値を示した。
〔発明の効果〕
以上、実施例で示されたように本発明は従来の充填材強
化PET系ポリエステル樹脂では予想もされなかつたよ
うな極めて高い衝撃強度を他の物性を低下させずに改質
されたポリエステル系樹脂組成物を与えるものである。
更に本発明の組成物を用いればPETとしては低い金型
温度である100℃付近の金型を用いても離型性よく表
面光沢に優れた射出成形品を得ることができる。またP
ETは一般に熱時、加水分解しやすく成形前充分に乾燥
することが必要であるが本発明組成物は湿気に対して比
較的鈍感であり、成形前予備乾燥条件を緩和できるとい
う特長も有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥野 健次 岡山県倉敷市酒津1621番地 株式会社クラ レ内 (56)参考文献 特開 昭53−81530(JP,A) 特開 昭57−63354(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) ポリエチレンテレフタレート系ポリ
    エステル((a)成分)85〜15重量部 (b) ポリ(1,4−ブチレンテレフタレート)系ポリエ
    ステル((b)成分)15〜85重量部 (c) α、β−不飽和カルボン酸単位が1モル%以上3
    0モル%以下でありカルボキシル基の少くとも20モル
    %が1〜3価の金属塩として存在する、α−オレフイン
    とα、β−不飽和カルボン酸必要により及び第3のビニ
    ルモノマーとの共重合体の金属塩((c)成分)および、 (d)ブロツクコポリエーテルエステルエラストマー((d)
    成分) (e)繊維状充填材 を混練してなり、(a)成分と(b)成分の合計配合量100
    重量部に対し(c)成分と(d)成分の合計配合量が20〜5
    0重量部及び(e)成分の配合量が10〜150重量部で
    あり、且つ(d)成分の(c)成分に対する配合量の比((d)
    /(c))が10以下である樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(a)成分がポリエチレンテレフタレートで
    ある特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(c)成分がエチレンとアクリル酸またはメ
    タクリル酸との共重合体のアルカリ金属塩である特許請
    求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(c)成分を構成する1〜3価の金属がナト
    リウムである特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成物。
  5. 【請求項5】ブロツクコポリエーテルエステルエラスト
    マー((d)成分)が60モル%以上がポリ(1,4−ブチ
    レンテレフタレート)からなるポリエステルとポリ(テ
    トラメチレンオキサイド)グリコールとのブロツク共重
    合体であることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載
    の樹脂組成物。
  6. 【請求項6】(b)成分がポリ(1,4−ブチレンテレフタ
    レート)である特許請求の範囲第1項記載の樹脂組成
    物。
  7. 【請求項7】(e)成分がガラス繊維である特許請求の範
    囲第1項記載の樹脂組成物。
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