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JPH0630623B2 - 変異誘発性および催奇形性を迅速にスクリーニングする検定法 - Google Patents
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JPH0630623B2 - 変異誘発性および催奇形性を迅速にスクリーニングする検定法 - Google Patents

変異誘発性および催奇形性を迅速にスクリーニングする検定法

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JPH0630623B2
JPH0630623B2 JP9276389A JP9276389A JPH0630623B2 JP H0630623 B2 JPH0630623 B2 JP H0630623B2 JP 9276389 A JP9276389 A JP 9276389A JP 9276389 A JP9276389 A JP 9276389A JP H0630623 B2 JPH0630623 B2 JP H0630623B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は,遺伝子工学に関し,特に変異誘発物質の検定
における,リポーター遺伝子に連結した標的遺伝子(両
遺伝子ともに動物細胞内で発現が可能である)を含有す
る処理動物細胞の使用法を包含する。
(従来の技術) 多数の新しい医薬品および環境や作業場に放出される薬
剤には,毒性試験が必要である。化合物は,一般に胚に
与える損傷(催奇形(奇形発生)活性)と,分化した動
物に与える損傷(発癌活性もしくは変異誘発活性)とに
ついて検定されなければならない。
従来,化合物は,細菌細胞系を用いる短期間の試験(ST
T),または動物実験を使用して変異誘発活性が検定され
ていた。大部分の動物実験は,1970年代の初期に米国国
立癌研究所(the National Cancer Institute)によって
開発された齧歯類についてのプロトコルを用いて行われ
ている。このプロトコルは,ゾンターク(Sontag)らが,
U.S.Dep.HealthEduc,Welfare Publ.(NIH) Carcinog.Tec
h.Rep.Serv.1,76(1976)に報告したものである。しか
し上記の2種の系で得た結果の相関関係は,貧弱なもの
であり,客観的に評価することは難しい。例えば,テナ
ント(Tennant)らがScience,236,933〜941(1987)に報
告しているように,4種の広く用いられているSTT法と
齧歯動物の発癌性の試験結果とは役60%しか一致してい
ない。比較された4種の試験法は,次のとおりである。
サルモネラ(Salmonella)変異誘発法,SAL法(ハウオ
ース(Haworth)ら,Environ.Mutagen.5suppl.l)3(1983)
およびモーテルマンズ(Mortelmans)ら,Toxicol.App
l.Pharmacol.75.137,(1984)などに記載されている);
チャイニーズハムスター卵巣細胞内の染色体異常による
方法(ABS法);チャイニーズハムスター卵巣細胞にお
ける姉妹染色分体交換による方法(SCE法)(上記2方
法は,ギャロウェイ(Galloway)ら,Environ.mutagen.7,
1(1985)およびギャロウェイらEnviron.mutagen.(1987)
に記載されている);およびマウスリンパ腫細胞による
方法(MOLY法)(マイヤー(Myhr)ら,Evaluation of
Short-term Tests for Carcinogens:Report of the Int
ernational Programme on Chemical Safety's Collabor
ative Study on in vitro Assays,Progress in Mutatio
n Research Seriesの第5巻,55〜568頁,ジェイ アシ
ュビイ(J.Ashby)ら編集(Elsevier,アムステルダ
ム,1985))。
SAL法または,エームス(Ames)のインビトロでの検定
法の最近の改変法が,オダ(Oda)らによって,Mutatio
n Research,147,219〜229(1985)に報告された。オダら
は,融合させたumuC'-'lacZ遺伝子を,サルモネラ チ
フィムリウム(Salmonella typhimurium)に導入した。
大腸菌のumuオペロンは,化学的および放射能による変
異誘発の原因であって,DNAを損傷させる試薬によって
変異を,誘発させ得る。被検化合物によるumuの誘発,l
acZの発現から生じるβ−ガラクトシダーゼ活性の発生
によって決定される。DNAを損傷する試薬を検出するSOS
クロモテスト法に類似の改変法が,キラーデット(Quil
lardet)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.(USA)79,5971-5975(1
982)に記載されている。この方法は,SOS遺伝子の一つ
であるsfiAを大腸菌の染色体上のlacZに融合させて用い
る。
インビトロで検定法で固定する検定法とは全く異なり,
齧歯動物検定法には不利な問題点がある。最も重要な問
題は,化合物が発癌性であることを証明するのに長時間
を要することである。なぜなら,この決定が,被検化合
物にさらした後の腫瘍の増殖に基づいて行なわれるから
である。一般に,動物実験では,化合物が発癌性でない
と決定可能になるまでに少なくとも12〜18ヶ月にわたる
期間が必要てある。他の問題は,遺伝子毒性化合物(DN
A内に変異を誘発して腫瘍を増殖させる化合物)と,あ
る種の他のDNAではない因子を変化させて腫瘍を増殖さ
せる化合物とを区別することができないということであ
る。齧歯動物による検定法のさらに他の問題は,この検
定法は安定法であって定量法ではなく,検定条件下で,
試験する種における腫瘍の増殖を誘発する最少投与量が
決定可能であるにすぎない。
現在までのところ,非遺伝子毒性の発癌活性について,
化合物をインビトロで検定する検定法は,ほとんどな
い。インビトロでの検定法のひとつが,ペンマンとフェ
イ(Penman and Fey)の米国特許第4,569,916号に開示
されている。この方法は,被検化合物にさらした時,細
胞系で誘発される形態変化に基づいた方法である。
化合物は,従来,胚を被検化合物にさらし,次いで異常
または増殖の阻害が発生している種々の領域からの試料
を試験することによって、催奇形活性または細胞分化の
阻害について検定されてきた。使用されている系の詳細
は,フリント(Flint),Teratology of the Limbs(マ
ーカー(Merker)ら編集),325頁(Walter de Gruyter
& Co.,ベルリン,(1980))とフリントら,J.Cell Sci.,
61,247(1983);Concepts in Toxicology,第3巻In Vitro
Embryotoxicity and Teratogenicity Tests(ハンバー
ガー(Homburger)ら編集),(Karger,バーゼル,1985);
Toxic.appl.Pharmac.76.383およびJ.Appl.Toxicol.4,10
9(1984)に記載されている。報告されているように,細
胞毒性と細胞分化とについての検定は,インビボでの確
認試験とともにインビトロで行われている。インビトロ
での研究を行う場合は,最少限,中脳と前肢の部分から
得た細胞を,化合物にさらして有害効果を試験しなけれ
ばならない。他のインビトロでの催奇形性の検定法につ
いては,霊長類の細胞培養物でのワクシニアウイルスの
増殖を利用する方法(ケラー(Keller),Molecular Toxi
cology,1,261-276(1987))が報告されているが,インビ
ボでの齧歯動物による検定法と同等にヒトの催奇形性を
予測すると述べられている。
インビトロで発癌活性または催奇形活性をスクリーニン
グするのに現在用いられている方法で,インビボでの試
験結果と極めて良好な相関関係を示すものは全くない
か,または試験結果を関係付けることができても,試験
するのに時間がかかり,定量するのが困難で,感度に制
限がある。
(発明の目的) 従って,本発明の目的は,変異誘発物質,発癌物質およ
び催奇形物質に対して,簡単であり,定量化が可能で,
より高感度の検定法を提供することにある。
本発明の他の目的は,インビトロでの観察結果と正確に
相関しうる,変異誘発活性もしくは催奇形活性の正確な
尺度を提供することにある。
(発明の要旨) 本発明は,各細胞に標的遺伝子と,連結したリポーター
遺伝子とを有する,操作された動物細胞,動物の胚また
は分化した動物を用いる方法および検定法を提供する。
真核細胞の核酸配列の発現に変異もしくは変化を起こさ
せる化合物をスクリーニングする本発明の検定法は,標
的遺伝子とリポーター遺伝子とを与えることを包含し,
該標的遺伝子の発現による産物が該リポーター遺伝子の
発現を調節する。各コード配列に動物プロモーター/エ
ンハンサーと転写終結シグナルをスプライスすることに
よって,標的遺伝子とリポーター遺伝子の両者を操作
し,その結果,両遺伝子は動物細胞内で発現し得る。標
的遺伝子とリポーター遺伝子とを,培養動物細胞もしく
は胚細胞に,それぞれDNAトランスフェクション法もし
くはDNAマイクロインジェクション法によって導入す
る。変異がない場合,標的遺伝子の産物が,リポーター
遺伝子中の調節配列との相互作用によってリポーター遺
伝子の発現を阻害する。標的遺伝子に変異がおこり,不
活性のリプレッサーまたはその他の調節タンパクを産生
するに至った時,リポーター遺伝子はもはや抑制され
ず,リポータータンパクが発現される。
このリポーター遺伝子は,生物学的に活性なタンパクま
たは抗原をコードする。それらのタンパクまたは抗原の
機能と存在とは容易にモニターすることが可能で,標準
的な生化学的方法を用いて定量することができる。この
標的遺伝子は,連結してリポーター遺伝子の発現を制御
し得る調節タンパクをコードする遺伝子からなる。これ
らの遺伝子は,リプレッサーであっても他の調節分子で
あってもよい。リプレッサー遺伝子が変異によって不活
性化すると,リポーター遺伝子の発現を抑制できない欠
陥リプレッサータンパクの転写と翻訳が起こる。リポー
ター遺伝子のオペレーター領域を変えると,リプレッサ
ータンパクの結合を防止するような様式で同じ効果が生
じる。次いでリポーター遺伝子の発現は,遺伝子産物の
既知の機能を検定することによってモニターすることが
できる。
上記の場合に好ましいリポーター遺伝子は,β−ガラク
トシダーゼをコードし,オペレーターを含有する大腸菌
lacZ遺伝子である。標的遺伝子は,lacリプレッサーを
コードする大腸菌lacI遺伝子である。この検定法では,
処理された動物細胞を変異誘発物質にさらす。変異が誘
発される以前は,lacリプレッサータンパクがlacオペレ
ータと結合することによって,β−ガラクトシダーゼ遺
伝子の発現は,抑制されている。変異によってlacI遺伝
子が変化し,欠陥lacリプレッサーが産生されるか,ま
たはオペレーターが変化し,リプレッサーがもはやオペ
レーターと結合できなくなる。次いでβ−ガラクトシダ
ーゼ遺伝子が発現される。β−ガラクトシダーゼについ
て陽性の細胞は,β−ガラクトシダーゼの基質である5
−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラ
クトピラノシド(X-gal)を添加すると青色に染色され
る。
リポーター遺伝子の発現の検出は,鋭感で定量的なの
で,被検化合物の効果の解析を促進する。真核細胞の核
酸配列の発現に変異もしくは変化を起こさせる化合物を
迅速にスクリーニングする本発明の検定システムは,標
的遺伝子とリポーター遺伝子とを包含し,該標的遺伝子
の発現による産物が該リポーター遺伝子の発現を調節す
る。リポーター遺伝子,標的遺伝子,プロモーター/エ
ンハンサーおよびオペレータ配列,ならびに検定条件を
選択することにより,検定システムには多数の実施態様
が可能である。3種の実施例,つまり,変異誘発物質の
インビトロでの分析用の遺伝子導入動物細胞系;変異誘
発物質のインビボでの分析用の遺伝子導入動物系;およ
び催奇形性物質のインビボでの分析用の遺伝子導入動物
胚系を挙げる。
(発明の構成) 本発明の方法は,動物もしくは動物細胞に組み込まれた
1組の2個の遺伝子(すなわち,標的遺伝子およびリポ
ーター遺伝子)を用いて,変異誘発活性,発癌活性,ま
たは奇形発生活性を有する化合物をスクリーニングする
方法である。上記の動物もしくは動物細胞を,上記の活
性のいずれかを有する化合物に曝露すると,変異が起こ
ってリポーター遺伝子の発現が変化する。標的遺伝子お
よびリポーター遺伝子の両方の構成には,動物のプロモ
ーター/エンハンサー,タンパクをコードする配列,お
よびSV40ポリアデニル化配列が含まれている。
この方法には,変異誘発活性または奇形発生活性を有す
る化合物をスクリーニングする従来の方法に優るいくつ
もの利点がある。最も重要な利点は,検出が容易なこと
と,偽陽性の数が減少することである。リポータータン
パクをコードする遺伝子の変異は,以前から変異活性の
検定法に用いられているが,この変異現象により,該タ
ンパクは発現しなくなる。あるタンパクを発現しない単
一の細胞または少数の細胞を,該タンパクを発現する細
胞に取り囲まれながら検出することは,困難で単調な作
業であり,高い誤差率を生じやすい。これとは対照的
に,本発明の方法では,変異現象が起こった場合に,さ
もなければ発現しないリポーター分子が最終的に発現す
る。
本願で用いる場合,特に記載がなければ,「動物細胞」
という用語は,細胞培養物中の細胞,胚,および分化動
物の細胞を含めて用いられる。本願で用いる「変異誘発
物質」という用語は,特に記載がなければ,毒素,発癌
物質,奇形発生物質,およびDNAもしくはRNAの配列もし
くは発現を変化させる他の試薬を含めて用いられる。
リポーター遺伝子は,次の基準に基づいて選択される:
(i)リポーター遺伝子の産物は,形質転換細胞に対し
て有害もしくは致死的であってはならない,(ii)該遺
伝子産物は,その定量を行う簡単かつ鋭敏な検出システ
ムを提供するものでなければならない,(iii)形質転
換されていない細胞は,検定される遺伝子の産物もしく
は活性の構成的なバックグラウンドレベルが低いもので
なければならない。酵素,抗原,または生物学的方法で
容易にモニターできる生物学的に活性な他のタンパクを
コードするリポーター遺伝子が好ましい。これらには,
β−ガラクトシダーゼ〔ノートン・ピー・エイおよびコ
フィン・ジェイ・エム(Norton,P.A.and Coffin J.
M.),Mol.Cell.Biol.,5,281-290(1985)〕,ペルオキシ
ダーゼおよびルシフェラーゼ〔ド・ウェット・ジェイ・
アールら(de Wet,J.R.et al),Mol.Cell.Biol.,7,725
-737(1987)〕が含まれる。好ましい実施態様では,核動
物細胞におけるリポーター遺伝子のコピー数は,ただ1
つである。しかしながら,リポーター遺伝子産物の量を
増加させるために,1つより多くのコピーを利用しても
よい。通常は必要とされず,また望ましくもないが,同
じ動物細胞に1種より多くのリポーター遺伝子を含有さ
せることもできる。
標的遺伝子は,リポーター遺伝子の発現を制御する配列
に結合する調節分子をコードする配列の群から選択され
る。これらの配列は,アンチセンスRNAを包含する,リ
プレッサーまたは他の調節分子であり得る。最も好まし
い実施態様では,lacIリプレッサー遺伝子が変異誘発の
標的として用いられる。リプレッサー遺伝子が変異現象
により不活性化されると,リポーター遺伝子,β−ガラ
クトシダーゼをコードするlacZ遺伝子の発現をもはや制
御し得ない欠陥リプレッサータンパクの転写および翻訳
が起こる。また,リポーター遺伝子のオペレーター領域
が,リプレッサータンパクの結合を防止するように変化
すると,上記と同様の効果が生じる。次いで,リポータ
ー遺伝子の抑制解除は,機能が分かっている遺伝子産物
を検定することによりモニターすることができる。
細菌のlacオペレーター−リポーターシステムは好まし
いものである。その理由は,このシステムが,遺伝子の
転写を調節するタンパク−核酸間相互作用について,最
も基本的であり,かつ徹底して研究された例の1つだか
らである。これについては,クーロンドルおよびミラー
(Coulondre and Miller),Mol.Biol.,117,577(1977),
およびミラー,Ann.Rev.Genet.,17,215(1983)に記載さ
れている。この細菌調節システムは,哺乳類の細胞にト
ランスフェクトされ,誘発物質であるイソプロピルβ-D
-チオガラクトシド(IPTG)を添加することにより発現が
検出されている。このことは,ヒューおよびダビッドソ
ン(Hu and Davidson),Cell,48,555(1987),およびブラ
ウンら(Brown et al),Cell,49,603(1987)に報告されて
いる。lacオペレーター−リプレッサーシステムを用い
ていた従来の方法と,本発明の方法との重要な差異は,
リポーター遺伝子を抑制解除し,指標として単独で働く
機能を有するタンパクを発現させるのに,誘発ではなく
て変異を用いていることである。他の差異は,好ましい
態様では,1細胞当り単一コピーの機能標的遺伝子が,
そのゲノムに導入されることである。
リポーター遺伝子の発現を制御するリプレッサータンパ
クについては,オペレーター配列は,リポーター遺伝子
における転写開始部位と開始コドンATGとの間の位置に
構築されねばならない。当初のlacオペレーター配列
(5′-GGAATTGTGAGCGGATAACAATCC-3′),または変異
体lacオペレーター〔例えば,リプレッサーを8倍堅固
に結合する配列(5′-ATTGTGAGCGCTCACAAT-3′)〕
を,ベクターの構築に用いることができる。
lacI遺伝子は,動物細胞に見られるATGの代わりにGTG開
始コドンを有する。このGTGコドンは,ヒューおよびダ
ビッドソン,Cell,48,555(1987)の方法を用いて,イン
ビトロでの部位特異的変異誘発法により,ATGに変換す
ることができる。次いで,この修飾lacI遺伝子は,真核
プロモーターとSV40ポリアデニル化部位とを有する適当
な発現ベクターに挿入される。
発現ベクターの構築用に,いくつものプロモーターが優
れた候補として挙げられる。本発明の方法では,2種の
プロモーターが一般に用いられる。第1の種類のプロモ
ーターは,遍在プロモーター(例えば,ヒストン遺伝
子,リボソームタンパク遺伝子,およびβ−アクチン遺
伝子)からなる。第2の種類のプロモーターは,組織特
異的プロモーター(SV40初期プロモーター,ラウス肉腫
ウイルス(RSV)の長末端重複部分(LTR),おびサイトメガ
ロウイルス(CMV)の初期遺伝子プロモーターなどを包含
する)からなる。これらのプロモーターはすべて,動物
細胞内で遺伝子を発現させることが知られている。
インビトロでの変異誘発モデルとして用いる細胞を構築
するには,強力なウイルスプロモーター(例えば,RSV-
LTR)を用いて,lacI遺伝子およびlacZ遺伝子の両方を
動物細胞内で作動させる。多くの用途を有するインビボ
での変異誘発モデルとして,トランスジェニックマウス
の主要器官の大部分は,変異誘発性の標的遺伝子とリポ
ーター遺伝子とを発現しなければならない。トランスジ
ェニック動物システムを構築するには,遍在するプロモ
ーターとエンハンサーとを用いるのが好ましい。その結
果,試験物質の特異性にかかわらず,標的遺伝子を含む
様々な器官の組織および代謝特性に対する試験化合物の
効果を検出することができる。lacI遺伝子を作動させる
遍在プロモーターとして用いるのが好ましいプロモータ
ーは,ヒストン3.2遺伝子プロモーターである。これ
は,マウスの単一コピー遺伝子であり,転写活性が非常
に高い。そして,高レベルで発現され,様々なマウス組
織から単離されるヒストンH3 mRNAの30〜40%を占め
る。
ヒストン3.2遺伝子プロモーターが最適の発現をもたら
さない哺乳類の細胞および動物組織については,他のウ
イルスまたは細胞のプロモーターを選択して,lacI遺伝
子を適切に発現させることができる。DNA構築物を形成
する良い候補の例は,ヒトリボソームタンパクS14遺伝
子,マウスリボソームタンパクS16遺伝子,ラット細胞
質β−アクチン遺伝子,およびヒトβ−アクチン遺伝子
である。これらの遺伝子は,すでにクローン化され,そ
のヌクレオチド配列が決定されており,入手して使用で
きる。
好ましい実施態様では,lacI調節遺伝子と共に用いられ
るリポーター遺伝子は,細菌lacZ遺伝子由来の,β−ガ
ラクトシダーゼをコードする遺伝子である。β−ガラク
トシダーゼの発現は,組織化学的な手法を用いて容易に
検出される。他の実施態様では,SV40大腫瘍(T)抗原を
コードする遺伝子が,β−ガラクトシダーゼ遺伝子の代
わりにリポーター遺伝子として用いられ,免疫ペルオキ
シダーゼ法により,SV40 T抗原を発現する細胞が検出さ
れる。lacZリポーターシステムを調製するのに採用した
方法と同様の方法を用いて,適当な発現ベクターに挿入
するための,SV40 T抗原をコードする完全な配列を有す
る構築物が調製される。次いで,SV40 T抗原の完全な転
写ユニットは,lacI遺伝子の機能転写ユニットに物理的
に連結され,そして適当な細胞に移入され,遺伝子発現
について試験される。
分子クローニングの原理および標準的方法は,ティ・マ
ニアティスら(T.Maniatis et al)(Cold Spring Harbor
Laboratory,ニューヨーク州,コールドスプリングハー
バー)により編集されたMolecular Cloningに記載され
ており,当業者には広く知られている。この方法には,
次のような手法が含まれる:DNAおよびRANの調製,クロ
ーニングベクターの調製,連結,コンピテント細胞の形
質転換,in situフィルターハイブリダイゼーション法
による選択およびスクリーニング〔デイビッドら(Divid
et al),Advanced Bacterial Genetics(Cold Spring Ha
rbor Laboratory,ニューヨーク州,コールドスプリン
グ)に記載されている〕である。さらに,ゲル電気泳動
法によるDNAの分離,制限酵素切断部位のマッピング,
および酵素修飾によるDNA断片の修飾を行うための技術
が用いられる。大部分の制限酵素,ベクターおよび試薬
は,市販されており,入手可能である。通常のベクター
およびイー・コリ (E.coli)菌株が用いられる。例え
ば,pBR322,pUC系列,λ−WES,M13mp,DH5,LE392,JM109,
およびHB101などがある。
鎖終結法は,ヌクレオチド配列の決定に用いられ,DNA
構築物のスプライシング部位が確認される。この方法
は,サンガーら(Sanger et al),Proc.Natl.Acad.Sci.US
A,74,5463(1977)に報告されている。多くの試薬キット
および詳細なプロトコルが市販されている。上記のベク
ター,プロモーター,および使用される遺伝子について
は,大部分のヌクレオチド配列が知られているので,配
列決定実験におけるプライマーとしては,配列が分かっ
ているオリゴヌクレオチドが用いられる。これらのヌク
レオチドは,典型的には15〜20個のヌクレオチド長であ
り,メシングら(Messig et al),Nucleic Acids Res.9,3
09(1981)の方法を用い,目的とする特定領域の配列を決
定するのに非常に便利である。一本鎖DNAおよび二本鎖D
NAのいずれも,この方法で配列を決定することができ
る。
DNAの配列を決定する際にリンカーとして用いられるオ
リゴヌクレオチドは,自動DNA合成装置を用いて合成さ
れる。このサービスは,Genetic Designs,Inc.(テキサ
ス州,ヒューストン)のような商業的起源から得ること
ができる。次いで,30個より多くのヌクレオチドからな
るオリゴヌクレオチドは,ポリアクリルアミドゲル電気
泳動法に供して,純度が高いことを確認する。
DNAは,公表されている標準的な手法の1つにより,細
胞内にトランスフェクトされ,安定な形質転換体が形成
される。この標準的な手法としては,リン酸カルシウム
沈澱法,DEAE−デキストラン法,エレクトロポレーショ
ン法,およびプロトプラスト融合法などがある。これら
の方法は以下に詳述する。
リン酸カルシウム沈澱法:DNAを,細胞に移入する前
に,グラハムおよびバン・デア・イブGraham and Van d
er Eb),Virology,52,456(1973)の方法に従って,リン酸
カルシウムにより共沈澱させる。サケの精子DNAもしく
は仔ウシの胸腺DNAをキャリアとし,100mmの皿にプレー
トされた0.5×106個の細胞に対して,40〜50μgのDNA
が用いられる。等容量の2×CaCl2(250mM CaCl2および1
0mM Hepes,pH7.0)を添加した0.5mの2×Hepes溶液
(280mM NaCl,50mM Hepes,および1.5mM Na2HPO4,pH7.0)
と,DNAを混合する。30〜40分後に白色顆粒状の沈澱が
現われた溶液を,上記の細胞に滴下して均一に分配し,
4〜16時間にわたって37℃で放置する。培地を除去し,
グリセロールの15%PBS溶液で,これらの細胞に3分間
のショックを与える。グリセロールを除去した後,10%
ウシ胎児血清を含有するDMEMを細胞に供給し,保温器内
に放置する。
タンパク試料は,細胞を溶解し,タンパクをSDSPAGE法
で分離することにより,ウェスタンブロット分析用に調
製される。これらのタンパクは,アウスベックら(Ausub
eck et al)Current Protocols in Molecular Biology(J
ohn Wiley and Sons,1987)に記載されているエレクトロ
ブロッティング法により,ニトロセルロースに移され
る。このフィルターをインスタントの脱脂粉乳(100m
のPBS中に1g)でブロックした後,一次抗体を添加
し,室温で1時間インキュベートする。このフィルター
をリン酸緩衝食塩水(PBS)で徹底的に洗浄し,西洋ワサ
ビペルオキシダーゼ−抗体結合体と共に室温で1時間イ
ンキュベートする。このフィルターをPBSで再度徹底的
に洗浄し,次いでジアミノベンジジンを添加することに
より、抗原のバンドを固定する。
酵素検定法は,タンパク精製法などの伝統的な生化学的
方法が採用される。DNAおよびRNAはサザンブロッティン
グ法およびノーザンブロッティング法で分析される。典
型的には,分析試料は,ゲル電気泳動法により,サイズ
分画される。次いで,ゲル中の試料のDNAもしくはRNA
は,ニトロセルロースまたはナイロンのメンブレンに,
ブロッティング法により移される。ゲル中の試料パター
ンのレプリカであるブロットを,サザン分析法およびノ
ーザン分析法のプローブとハイブリダイズさせる。次い
で,目的とする特定のバンドを,オートラジオグラフィ
ーのような検出システムにより,可視化することができ
る。
DNAはまた,以下の文献に記載のDEAE−デキストラン法
を用いて移入させることもできる:キムラらKimura et
al),Virology,49,394(1972),およびソンパイラックら
(Sompayrac et al),Proc.Natl.Acad.Sci.USA,78,7575(1
981)。DNAはさらに,ポッター(Potter),Proc.Natl.Aca
d.Sci.USA,81,7161(1984)のエレクトロポレーション法
や,サンドリイ−ゴジンら(Sandri-Goddin et al),Mole
c.Cell.Biol.,1,743(1981)のプロトプラスト融合法
によっても移入させることができる。
検定法の好ましい実施態様では,処理された動物細胞が
試験化合物に曝露される。変異誘発の前に,lacリプレ
ッサーをリポーター遺伝子のオペレーターに結合するこ
とにより,リポーター遺伝子の発現が抑制される。変異
現象により,lacI遺伝子が変化して欠陥lacリプレッサ
ーが産生されるか,あるいはオペレーターが変化する場
合,リプレッサーはもはやオペレーターには結合しな
い。次いで,レポーター遺伝子は刺激されて,リポータ
ータンパクの合成を行う。
動物のゲノムに導入されるDNA構築物は,実質的に同じ
方法を用いて処理される。これらのトランスジェニック
動物は,インビボでの変異誘発試験に用いられる。好ま
しい実施態様は,刺激され得るオペレーター含有リポー
ター遺伝子に連結された変異誘発標的としてlacリプレ
ッサー遺伝子を有するトラスジェニックマウスもしくは
ラットのモデルであり,該lacリプレッサー遺伝子が変
異誘発により不活性化された場合に,リポーター遺伝子
の発現がモニターされる。標的遺伝子およびリポーター
遺伝子の両方は共に細菌起源であるが,動物遺伝子発現
ベクターに挿入すれば,動物細胞内で発現され得る。こ
のトランスジェニックモデルによれば,インビボでの変
異誘発現象を簡単かつ容易に定量することができる。従
って,このモデルは,有毒物質(例えば,変異誘発物
質,発癌物質,および奇形発生物質)の危険性に関する
評価を,従来の齧歯動物による検定法よりも正確に行う
ことができる。このシテスムはまた,齧歯動物による標
準的な検定法よりも鋭敏かつ迅速である。何故なら,標
的遺伝子内の変異もしくは変化は,腫瘍が発生する前
に,組織化学的な方法により,DNAレベルおよび細胞レ
ベルで検出できるからである。
本発明を,さらに,下記の実施例によって説明するが,
本発明は,これに限定されるものではない。
実施例1:インビトロでの動物細胞の変異発生検定法 (a)システムの構築 有用なDNA構築物の一例を第1図に示す。このDNA構築物
は,互いに物理的に結合し,各々プロモーター/エンハ
ンサー,コード配列および転写終結シグナルを有する2
個の機能転写ユニットを包含する。一方のユニットは,
lacリプレッサー遺伝子の発現を起こさせるのに用いら
れ,他方のユニットは,β−ガラクトシダーゼ遺伝子の
発現を起こさせるのに用いられる。図に示すように,β
−ガラクトシダーゼの完全コード配列には,lacZ構造を
形成するのに用いられるRSV-LIRプロモーターおよびSV4
0ポリアデニル化部位が隣接し,リポーター遺伝子の機
能転写ユニットが形成される。同様に,lacI転写ユニッ
トが,RSV-LIR,lacリプレッサーコード配列およびSV40
ポリアデニル化部位で構築される。次に,このリポータ
ー転写ユニットは,クローン化の手法により,lacI転写
ユニットに物理的に連結される。
lacリプレッサー転写ユニットおよびβ−ガラクトシダ
ーゼユニットの両者を含むDNA構築物は,次に,第2図
に示すように,胚細胞もしくは上皮細胞をトランスフェ
クトするのに用いられる。好ましい細胞は,ATCC CRL-1
573(ヒト293)およびATCC CCL-T.1(LLC-MKz)であり,
米国,メリーランド州,ロックビルのthe American Typ
e Culture Collectionから入手され得る。この構築物
は,前記のリン酸カルシウム沈澱法のような既知の方法
を用い,選択マーカーとしてのネオ遺伝子とともに,細
胞に共トランスフェクトco-transfect)される。抗生物
質G418に耐性の細胞コロニーは,第2図に模式的に示す
ように,選択培地内での増殖によって検出され,クロー
ン化され,機能性のlacリプレッサー遺伝子とβ−ガラ
クトシダーゼ遺伝子との存在について分析される。
(b)システムの分析および特性表示 非機能性lacリプレッサー遺伝子と機能性β−ガラクト
シダーゼ遺伝子とを含むトランスフェクトされた細胞
は,β−ガラクトシダーゼの基質である5−ブロモ−4
−クロロ−3−インドリル−β−D−ガラクトピラノシ
ド(X−gal)を,誘発物質IPIGの存在しない培養物に
添加すると青色に染まる。機能性の,lacリプレッサー
遺伝子とβ−ガラクトシダーゼ遺伝子との両方を含有す
る望ましいコロニーは、X−galだけを添加したときに
は染まらないが,IPIGとX−galとを添加すると青色に
染まるはずである。lacI遺伝子の発現に成功したという
ことは,サムズ(Sams)ら,J.Biol.chem.,260巻,1185
頁,(1985年)によるlacリプレッサータンパクのウェ
スタンブロット分析法;およびリンおよびリッジズ(Lin
and Riggs),J.Mol.biol.72巻,671頁,(1972)によるリ
プレッサー−オペレーターDNA複合体のフィルター結合
検定法によって証明することもできる。
lacリプレッサー遺伝子とβ−ガラクトシダーゼ遺伝子
とが培養細胞中で成功裏に発現した後,各コロニーは,
導入された遺伝子のコピー数を分析することができる。
1細胞当たりのlacI遺伝子の単コピー(2倍体ゲノム)
は,ゲノムDNAのサザンブロット分析法にって分析され
る。単コピーを有する細胞は,機能性lacI遺伝子を2コ
ピー以上有する細胞よりも非常に好ましい。なぜなら,
後者は,機能性リプレッサー遺伝子のすべてのコピーを
不活性化して,リポーター遺伝子の抑制状態を起こすに
は,1回を越える変異を必要とするからである。変異現
象はリポーター遺伝子の発現で検出されるので,リポー
ター遺伝子のコピー数は,それほど決定的なものではな
いが,ある場合には1コピーを越える方が検出が容易に
なる。単コピー配列が得られる確立は,低濃度の標的DN
Aと受容体細胞をトランスフェクトするのに充分なキャ
リヤーDNAとを用いることにより増大する。
(c)変異誘発活性についての化合物のスクリーニング ニトロソメチル尿素(NMU)が変異誘発物質のモデルと
して採用され得る。なぜなら,ダブリッジ(Dubridge)
ら,Mol.Cell.Biol.,7巻,379頁,(1987)に,この化
合物が,インビトロでlacI遺伝子に変異を容易に誘発す
るということが示されているからである。培養された細
胞を,所定の時間NMUで処理し,そしてその細胞を,リ
ポーター遺伝子の発現についてスクリーニングする。変
異の頻度は,全細胞中のβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞
の数を数えることによって測定される。同様に,変異の
バックグランドの頻度は,変異誘発物質に曝露されてい
ない培養物中に存在するβ−ガラクトシダーゼ陽性細胞
の数をカウントすることによって得ることができる。
実施例2:遺伝子導入動物による変異誘発検定法 インビトロでの検定に用いられる遺伝子導入動物をつく
り出す第1の工程は,マウス線維芽細胞培養物中のlacI
の変異によって誘発されたβ−ガラクトシダーゼリポー
ター遺伝子を調製し,その活性を検出することである。
上記培養物は実施例1に記載の方法を用い,連結された
lacI−lacZ遺伝子構築物を成功裡にトランスフェクト
し,次いで試験されるべき変異誘発物質に曝露されて得
られる。対照は,トランスフェクトされていない細胞
と,変異誘発物質に曝露されていない連結遺伝子とを有
する細胞である。インビトロのシステムでは,次いで,
連結lacI−lacZ遺伝子構築物を有する始祖であるC57BL/
6J遺伝子導入マウスの産生と,次いで,第4図に記載し
たように,該遺伝子構築物を有する遺伝子導入子孫の産
生とが行われる。遺伝子の導入が陽性である性的に成熟
した遺伝子導入子孫は,対照,および変異誘発試験の対
象物として役立つ。
(a)DNAの調製 第3図に示すように,DNA構築物を実施例1に記載した
のと同様にして調製し,遺伝子導入マウスを作製するの
に利用した。上記の構築物は,互いに物理的に連結さ
れ,各々プロモーター/エンハンサー,コード配列およ
びSV40ポリアデニル化部位を有する2個の機能性転写ユ
ニットを有する。一方のユニットは、lacリプレッサー
遺伝子の発現を行わせるのに用いられ,他方のユニット
は,β−ガラクトシダーゼ遺伝子の発現を行わせるのに
用いられる。マウスヒストン3.2プロモーターが,lacリ
プレッサー遺伝子およびβ−ガラクトシダーゼ遺伝子の
両方の遍在的な発現を行わせるために,該構築物中で利
用される。最終のベクターに示されているように,XhoI
部位とSalI部位とは,lacリプレッサーおよびβ−ガラ
クトシダーゼのそれぞれのコード配列をクローン化する
のに用いられる。
lacリプレッサー転写ユニットのような標的遺伝子とβ
−ガラクトシダーゼ転写ユニットのようなリポーター遺
伝子の両者か,またはSV40T抗原ユニットを有するDNA断
片は,制限酵素による消化によって,ベクターから切り
出され,次のように,マイクロインジェクションのため
に,ゲル電気泳動とアフィニティーカラム精製とで単離
される。断片をアガロースゲルによって分離し,所望の
バンドを電気溶出により回収する。DNAをフェノール/
クロロホルムで抽出し,エタノール沈澱で濃縮し,次い
でElutip-dカラムに結合させ,次に溶離することによ
り精製する。次に,DNAをエタノール沈澱で回収し,滅
菌した。1mM EDTA含有10mMトリス緩衝液(pH8)に溶解
させ、ヘキスト社の染料蛍光検定法または260nmにおけ
る分光測定法によって定量する。
(b)DNAの胚への導入 遺伝子導入マウス作成の原理と実験手順は,ブリジッド
ホーガン,フランク コンスタンティニおよびエリザ
ベス レイシィ(Brigid Hogan,Frank Constantini and
Elizabeth Lacy)(Coldspring Harbor Laboratory,米
国,ニューヨーク州,コールドスプリングハーバー)に
よる「マウス胚の操作」に記載されている。マウスの接
合体は,妊娠した雌マウスの血清ゴナドトロピンの5IU
を投与し,さらに48時間後ヒト繊毛性ゴナドトロピンの
51Uを投与して過剰排卵させた6週令のC57B/6Jの雌の
マウス(Jackson Laboratory,米国,メイン州,バー ハ
ーバー)から採取した。感作された雌をC57B/6Jの雄と
一緒に置いて,翌朝,膣栓の存在を検査した。受容体と
して用いられる為妊娠の雌は,発情期について選択さ
れ,確実に滅菌された精管切除CD-1雄マウスと一緒にお
かれたCD-1雌マウス(Charles River Laboratories,米
国,マサチューセッツ州,ウィルミントン)である。接
合体は,5.1g/のNaClと5mg/mのウシ血清アル
ブミンを含有するよう改変したBMOC-2培地に集めた。卵
丘細胞(Cumulus cell)を,培地中60IU/mに希釈した
ヒアルロニダーゼ(Sigmatype IV,1%のPVP 40Tを含有
するPBS中300IU(Sigma社)で処理して除去する。接合体
を,2mの培地内で2回洗浄して破片を除去する。約
2plのDNA溶液を,雄の前核に,約50%が生存するよう
に注射した。注射された接合体は,トリブロモエタノー
ルで麻酔されている受容体の雌の卵管に移動するまで,
5%のCO2を含む空気中,37℃でインキュベートされ
た。
パルミッター(Palmiter),Cell,29巻,701頁(1982)によ
って報告されているように,遺伝子構築物の組込みが,
一般に頭−尾タンデム形配列(head-to-tail tandem arr
ay)の単コピーもしくは複数コピーとして起こる。マウ
スの胚に遺伝子を注入する方法は,ブリンスター(Brins
ter)ら,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,82巻,4438頁(1985)
に記載されている。組込みの頻度を増大させる,より重
要なファクターは,次のとおりである:注入されたDNA
の濃度は組込み効率の制限因子であり,1〜2ng/の
DNA濃度または約100〜1,000コピーのDNA断片が最適であ
るらしいこと;直線状のDNA分子が,非平滑末端となる
ようにエンドヌクレアーゼで切断された場合には,より
有効であること;そして,高い効率を得るには,原形質
体への注入よりも核への注入が必要であること。いくつ
かの他の因子は,組込み率に影響を与えないようであ
る。雌および雄の前核注入により,注入されたDNAを収
納することができ,同等の組込み効率を与える。DNAを
2細胞胚の核に注入すると遺伝子導入動物となるので,
前核への注入は,組込みを引き起こすのに必須ではな
い。
使用されるマウスの系統が組込みの効率に影響するであ
ろうということは示唆されている。例えば,C57×SJL雑
種の卵子は,近交C57系統よりも効率が高いことが証明
されている。上記雑種に比較し得る効率が,近交CD-1マ
ウス(チャールズリバー)で得られている。近交C57BL/
6J系マウス(ジャクソン ラボラトリーズ)は,潜在バ
ックグラウンド修飾遺伝子の分離をなくすために用いる
ことができる。近交C57BL/6J系黒マウスの雌に,卵胞刺
激ホルモンと黄体形成ホルモンとを投与して,ホルモン
で過剰排卵を誘発させた。次いで,これらのマウスを近
交系の雄マウスとを交尾させる。
受精した単細胞胚を,卵管から洗い出し,ヒアルロニダ
ーゼで処理して,該胚から卵丘(Cumulusoophorus)細胞
を除去する。次に標的DNAを,単細胞胚の前核にマイク
ロインジェクションで注入する。約100コピーのlacI−l
acZDNA構築物を各胚に注入し,次に各胚を,偽妊娠の養
母の卵管に移して懐胎期間を完了させる。これらの胚は
分化することができ,完全な動物に発育する。
(c)インビボでの変異誘発モデル用の遺伝子導入マウス
の選択と検定 結合した機能性lacI−lacZ遺伝子構築物の単一コピーを
有する遺伝子導入マウスを,次の方法でスクリーニング
して選抜する。尾の切片および/または肝臓の葉部を,
ゲノムDNAを分離する起源として用いる。導入された遺
伝子のコピー数と構造とを,プローブとして用いられ
る,lacリプレッサー遺伝子もしくはリポーター遺伝子
由来のDNAでサザンブロット法により分析し,そして遺
伝子導入マウスの発生中に,導入された遺伝子内に再配
列もしくは修飾が起こったか否かを確認する。完全lacI
−lacZ遺伝子構築物の単コピーを有するマウスだけをさ
らに検定する。
遺伝子の発現を検定するために,適当な組織を,遺伝子
導入マウスから,剖検時に収集する。RNAとタンパクと
をこれらの組織から抽出し,ノーザンブロット検定,ウ
ェスタンブロット検定およびリプレッサー機能検定に用
い,遺伝子導入マウスの組織内のlacリプレッサー遺伝
子の発現を検出する。リポーター遺伝子は,活性lacI遺
伝子によって抑制されるはずであるから,機能性lacリ
プレッサーが全く存在していないか,または誘発物質IP
TGが添加されるのでない限り,組織内でのリポーター遺
伝子の発現は期待されない。従って,リプレッサーおよ
びリポーターの遺伝子の両者の構造中に同じプロモータ
ーとエンハンサーとを用いることが,上記2つの遺伝子
の“脱結合(uncoupling)”を回避する重要な方法であ
る。遺伝子導入マウスの組織中の機能性lacIおよびlacZ
の遺伝子の存在もまた,尾の組織から分離した細胞を用
い,実施例1(b)に記載の方法で検定され得る。
機能性標的遺伝子を,1細胞当り1コピーの割合で有す
る遺伝子導入系だけを選択し,第5図に示すように,繁
殖させてホモ接合遺伝子導入系をつくりあげる。F1を互
いに繁殖させ,F2中に期待される1/4ホモ接合の遺伝子
導入系は,サザン分析法のシグナルの強度によって同定
される。ホモ接合性は,子孫の繁殖試験とサザン分析に
よって確認される。2コピーの導入された遺伝子を有す
るホモ接合子孫を繁殖させて,これを非遺伝子導入の相
手と交配させることによって,変異誘発検定用のホモ接
合試験動物を生産する。
(d)被検化合物に曝露された遺伝子導入動物の検定 対照のマウスおよび変異誘発物質で処理されたマウスの
両者の主要器官内の陽性細胞の局在と分布とについて,
定量的なデータが得られ得る。下記の器官から得た組織
を形態測定分析法用に供するために選択した。その器官
は,脳(小脳,中脳および前脳から収集した組織),肝
臓,脾臓,腎臓,心臓の左心室,肺臓,生殖腺,子宮,
膵臓,胃の底部,十二指腸,回腸,結腸および胸骨骨髄
である。固定処理に続いて,組織のブロックを切り取
り,確実にランダムサンプリングを行うために,8ミク
ロンのクリオスタットによる切片もしくは30ミクロンの
バイブラトームの切片について,β−ガラクトシダーゼ
に対する組織化学的反応が行われる。40ミクロン間隔で
分離された連続切片を各ブロックから採集する。陽性細
胞の計数は,生物学的イメージアナライザーシステム
と,バイオ−クアントII(Bio-quant II)コンピュータ
プログラム(R&M Biometrics,米国,テネシー州,ナッ
シュビル)を用いるディジタル化形態測定法によって行
われる。このシステムのハードウェアは,標準ツァイス
双眼顕微鏡に取付けられた画像投影カメラ,アップルII
マイクロコンピュータおよびディジタル化タブレットで
構成されている。このシステムを用いると,試料がコン
ピュータのスクリーンに投影され,オペレータが,分析
する領域を選択して略図を描く。血管と,中空器官の内
腔として存在する,からの空間との概略がスクリーンに
描かれ,次に,このシステムは,分析する領域から上記
の領域を取り去るよう指令される。強く青色に染色され
た細胞を,ディジタイザーを用いて計数し,組織試料の
単位面積当りの陽性細胞の数が自動的に計算される。こ
のようにして,未処理のもしくは処理された動物由来の
特定器官の単位面積当りの陽性細胞の数を計数すること
ができ,そして,得られたデータが統計的に比較され
る。このシステムによる付加的な主な利点は,所定の変
異誘発物質に特に敏感な特異的な細胞系を同定し定量す
ることができるということである。
組織化学的分析は,同じ系統の,処理済および未処理の
雄および雌遺伝子導入マウス由来の組織について行われ
る。形態測定法は,被検化合物についての情報を与える
ためサンプリングされた器官および動物当たりのβ−ガ
ラクトシダーゼが陽性細胞の数に関する定量的データを
得,試験方法の効力および遺伝子導入動物に自然に起こ
るバックグラウンドの変異の頻度を調べるために用いら
れ得る。細胞中でのlacZ遺伝子の発現は,以下の,β−
ガラクトシダーゼ染色法で検定される。
50mMのNa3PO4が添加された,冷4%パラホルムアルデヒ
ド溶液に,組織を浸漬する。この混合物のpHを7.4に調
整する。前記の浸漬された組織はこの混合物中,4℃で
一夜固定される。酵素の活性は,この固定によって損な
われることはない。その組織を,次に,リン酸緩衝化食
塩水(PBS)内ですすぎ,30μmの切片をバイブラトーム
で切断するか,または8μmの切片をクリオスタットで
切断する。次に,得られた切片を,1mg/mのX−ga
l,5mM ヘキサシアノ鉄(III)酸カリウム,5mM ヘ
キサシアノ鉄(II)酸カリウム,2mM MgCl2,0.02%
NP-40および0.01% クロラートを含有するPBS(pH7.
3)中で,37℃で5%のCO2雰囲気下にてインキュベート
した。この溶液をアルカリ性のpHとすること,およびMg
++を添加することは,リゾソーム中に天然に存在する
ガラクトシダーゼ活性によるバックグランドの染色を避
けるのに重要である。β−ガラクトシダーゼに対して陽
性の試験組織中の細胞は青色に染まる。この青色は1時
間以内に目視可能になり,続く12時間にわたって強度が
増大する。この現象は,自由移動し得るバイブラトーム
切片またはゼラチンでコートしたスライドガラスに固定
したクリオスタットの切片のいずれにおいても目視観察
することができる。所望の色強度が得られたならば,バ
イブラトーム切片を,0.1%KCrSO4と1%ゼラチンとを
コートしたスライドガラスにのせ,37℃で0.5時間加温
して乾燥した。次に,切片を,キシレン中で2〜3分間
脱水して洗浄した。メチルグリーンを用いて対比染色を
行い,次いで,それぞれの部分の上にカバーガラスを置
く。組織の全封入物のパラフィン切片も染色することが
できる。なぜなら,この切片の後包埋によって青色陽性
染色が損われることがないからである。従って,パラフ
ィン包埋切片は,各試験法の永続的な記録品として,貯
蔵し,無期限に保存することができる。
SV40大T抗原もしくは他の抗原をリポーター遺伝子とし
て用いた場合,細胞化学的免疫ペルオキシダーゼ法,
[例えばハナハン(Hanahan),Nature,315巻,115頁(198
5);オーニッツ(Ornitz)ら,Science,238巻,188頁(198
7);またはベーリンガー(Behringer),Proc.Natl.Acad.
Sci.USA,85巻,2648頁(1988)に記載されている方法]
が,リポータータンパクの発現を検出するのに用いられ
る。
実施例3:催奇性物質アッセイ用の遺伝子導入動物の胚 標的遺伝子と,結合リポーター遺伝子とを有する遺伝子
導入動物の胚が,催奇性物質のスクリーニングに利用さ
れる。この遺伝子導入胚モデルによって,生きているヒ
ト胚と類似の系で変異誘発現象を,簡単・迅速に定量す
ることができ,現在用いられている方法よりも,より正
確に,催奇性の化合物の危険性を評価できるはずであ
る。
実施例2に詳述した方法によって生じさせた,lacZ遺伝
子に結合したlacI遺伝子を有するマウスおよびブタのよ
うな遺伝子導入動物は,試験動物として,遺伝子導入子
孫を生じさせるのに使用される。遺伝子発現が成功裏に
行なわれた雌の遺伝子導入妊娠動物から種々の段階で分
離した胚を被検試薬に曝露し,リポーター遺伝子の発現
を分析した。
例えば,20〜21日の妊娠期間に発育し,ほとんどすべて
の成体構造をもった原基を有する10mmの遺伝子導入ブタ
の胚を,催奇性を有する可能性のある物質に曝露する。
催奇性物質によって起こる変異によって標的遺伝子が不
活性化され,胚のある種の細胞/組織中のリポーター遺
伝子を作動させる。これらの細胞/組織は,このリポー
タータンパクが,β−ガラクトシダーゼもしくはこのリ
ポータータンパクに代わる他の適当な物質である場合に
は,前記の組織化学的分析法,またはアレン エヌ デ
ィ(Allen N.D.)ら,“Transgenes as probes for activ
e chromosomal domains in mouse development”,Natu
re,333巻,852-855頁(1988)に記載されている組織化学
的分析法を用いて検出することができる。
検出法および検出システム,リポーター遺伝子に結合し
た標的遺伝子を有する,そして変異誘発物質と催奇性物
質の試験用の遺伝子導入動物および遺伝子導入動物細胞
を修飾および改変することは,本発明の前記詳細な説明
から,当業者には明らかである。このような修飾および
改変は,本願の特許請求の範囲内にある。
(発明の要約) 化合物を,変異誘発または催奇形活性について速やかに
スクリーニングするための,迅速,高感度ならびに定量
的な方法および分析方法が提供される。この方法では,
遺伝子導入動物細胞,成体または胚に遺伝子を導入した
動物を用いる。細胞培養物からの各細胞,動物からの分
化した組織,または動物の胚は,標的遺伝子およびリポ
ーター遺伝子を含む。この両者は,動物のプロモーター
/エンハンサー,コード配列および転写終結シグナルを
有する。そのため,それらは,動物細胞中で発現が可能
である。標的遺伝子の生成物は,リポーター遺伝子中の
調節配列との相互作用により,リポーター遺伝子の発現
を調節することが可能である。
好適な実施態様においては,標的遺伝子lacI(lacリプ
レッサー)は,リポーター遺伝子lacZ(β−ガラクトシ
ダーゼをコードする)に結合する。これは,細胞化学的
または組織化学的方法により検出される。動物細胞が,
標的遺伝子を変化させるか,またはリポーター遺伝子の
オペレーターを変化させるような変異を引き起こす化合
物にさらされると,リポーター遺伝子が発現する。
【図面の簡単な説明】
第1図は,発現ベクターpRSV-I-pRSV-Zの構造を示す概
略図である。この発現ベクターは,RSV-LTRプロモータ
ーおよびSV40ポリアデニル化部位が隣接するlacリプレ
ッサーの完全コード配列を有し(これは標的遺伝子の機
能的転写ユニットを形成する);そしてRSV-LTRプロモ
ーターおよびSV40ポリアデニル化部位が隣接するβ−ガ
ラクトシダーゼ酵素の完全コード配列(これはリポータ
ー遺伝子の機能的転写ユニットを形成する)とを有す
る。 第2図は,pRSV-I-RSV-Zを含有する,トランスフェクト
されたヒトの胚細胞またはサルの上皮細胞を構築し,そ
して試験する方法を示す概略図である。 第3図は,マウスの線維芽細胞もしくは胚に挿入する発
現ベクターの構造を示す概略図である。この発現ベクタ
ーは,互いに物理的に連結し各々プロモーター,ヒスト
ン3.2およびSV40ポリアデニル化部位を有する2個の機
能的転写部位を有する。1個のプロモーターはlacI遺伝
子を発現させるためには,最終ベクターのXho I部位に
挿入して用いられ,そしてもうひとつのプロモーター
は,β−ガラクトシダーゼ遺伝子を発現させるために,
最終ベクターのSal I部位に挿入して用いられる。 第4図は,機能的標的遺伝子とリポーター遺伝子とを有
する遺伝子導入マウスを生じさせ,インビボでの変異誘
発検定を実施する方法を示す概略図である。 第5図は,インビトロでの変異誘発検定法に用いる遺伝
子導入マウスを繁殖および生産する方法を示す概略図で
ある。

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真核細胞の核酸配列の発現に変異もしくは
    変化を起こさせる化合物をスクリーニングする方法であ
    って, 標的遺伝子とリポーター遺伝子とを与えることを包含
    し, 該標的遺伝子の発現による産物が該リポーター遺伝子の
    発現を調節し得る,スクリーニング方法。
  2. 【請求項2】前記リポーター遺伝子が,真核プロモータ
    ーと,調節配列と,リポーター遺伝子産物をコードする
    配列と,転写終結シグナルとを有し, 前記標的遺伝子の発現による産物が該リポーター遺伝子
    の調節配列に結合して,該リポーター遺伝子産物をコー
    ドする配列の発現を調節する,請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記標的遺伝子が,真核プロモーターと,
    調節分子をコードする配列と,転写終結シグナルとを有
    する,請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記リポーター遺伝子産物が,生化学的に
    検出可能なタンパクおよび核酸配列からなる群から選択
    される,請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記調節配列がオペレーターである,請求
    項2に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記標的遺伝子の調節産物が,リプレッサ
    ーと,前記リポーター遺伝子もしくは遺伝子産物に結合
    可能な核酸配列とからなる群から選択される,請求項3
    に記載の方法。
  7. 【請求項7】前記リポーター遺伝子の産物がβ−ガラク
    トシダーゼであり,調節分子がlacリプレッサータンパ
    クである,請求項6に記載の方法。
  8. 【請求項8】前記標的遺伝子およびリポーター遺伝子を
    真核細胞に挿入することをさらに包含する,請求項1に
    記載の方法。
  9. 【請求項9】前記真核細胞が,分化の初期段階にある動
    物胚である,請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】前記真核細胞が,充分に分化した動物組
    織にある,請求項8に記載の方法。
  11. 【請求項11】動物細胞に挿入された前記標的遺伝子お
    よびリポーター遺伝子のコピー数を制御することをさら
    に包含する,請求項8に記載の方法。
  12. 【請求項12】前記機能性標的遺伝子のコピー数が1つ
    に限定される,請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記動物細胞を化合物に曝露すること;
    および曝露された該細胞内のリポーター遺伝子産物の発
    現を,該化合物に曝露されていない対照細胞内のリポー
    ター遺伝子産物の発現と比較することをさらに包含す
    る,請求項8に記載の方法。
  14. 【請求項14】胚を化合物に曝露すること;該胚を一定
    期間,細胞分裂させること;および該胚内のリポーター
    遺伝子産物の発現を,該化合物に曝露されていない胚内
    のリポーター遺伝子産物の発現と比較することをさらに
    包含する,請求項9に記載の方法。
  15. 【請求項15】分化した前記動物を化合物に曝露するこ
    と;該動物に該化合物を代謝させ,かつ細胞分裂させる
    こと;および曝露された該動物由来の組織内のリポータ
    ー遺伝子産物の発現を,該化合物に曝露されていない対
    照動物の同系統の組織内のリポーター遺伝子産物の発現
    と比較することをさらに包含する,請求項10に記載の方
    法。
  16. 【請求項16】前記リポーター遺伝子がβ−ガラクトシ
    ターゼをコードし, β−ガラクトシダーゼの基質を与え,フェリシアン酸塩
    −フェロシアン酸塩溶液で染色することにより,該リポ
    ーター遺伝子の発現を測定することをさらに包含する,
    請求項8に記載の方法。
  17. 【請求項17】酵素を結合した免疫グロブリンを用いて
    リポーター遺伝子の発現を測定し,免疫化学的方法で抗
    原の発現を検出することをさらに包含する,請求項8に
    記載の方法。
  18. 【請求項18】真核細胞の核酸配列の発現に変異もしく
    は変化を起こさせる化合物を迅速にスクリーニングする
    システムであって, 標的遺伝子とリポーター遺伝子とを包含し, 該標的遺伝子の発現による産物が該リポーター遺伝子の
    発現を調節し得る,スクリーニングシステム。
  19. 【請求項19】前記リポーター遺伝子が,真核プロモー
    ターと,調節配列と,リポーター遺伝子産物をコードす
    る配列と,転写終結シグナルとを有し, 前記標的遺伝子の発現による産物が,該リポーター遺伝
    子の調節配列に結合して,該リポーター遺伝子産物をコ
    ードする配列の発現を調節する,請求項18に記載のシス
    テム。
  20. 【請求項20】前記標的遺伝子が,真核プロモーター
    と,調節分子をコードする配列と,転写終結シグナルと
    を有する,請求項19に記載のシステム。
  21. 【請求項21】前記リポーター遺伝子産物が,生化学的
    に検出可能なタンパクと,リポーター遺伝子配列に対し
    て相補的な核酸配列とからなる群から選択される,請求
    項19に記載のシステム。
  22. 【請求項22】前記リポーター遺伝子産物が,β−ガラ
    クトシダーゼ,ルシフェラーゼ,ペルオキシダーゼ,お
    よび免疫化学的に検出可能な抗原からなる群から選択さ
    れる,請求項21に記載のシステム。
  23. 【請求項23】前記調節遺伝子産物が,リプレッサー
    と,前記リポーター遺伝子もしくは遺伝子産物に結合可
    能な核酸配列とからなる群から選択される,請求項20に
    記載のシステム。
  24. 【請求項24】前記調節分子がlacリプレッサータンパ
    クであり,前記調節配列がlacZオペレーターである,請
    求項23に記載のシステム。
  25. 【請求項25】ヒストン3.2遺伝子,ヒトリボソームタ
    ンパクS14遺伝子,マウスリボソームタンパクS16遺伝
    子,ラットβ−アクチン遺伝子,サイトメガロウイルス
    初期遺伝子プロモーター,SV40初期プロモーター,ラウ
    ス肉腫ウイルス長末端反復部分,およびモロニー白血病
    ウイルス長末端反復部分からなる群から選択される少な
    くとも1つのプロモーターをさらに包含する,請求項18
    に記載のシステム。
  26. 【請求項26】真核細胞をさらに包含する,請求項18に
    記載のシステム。
  27. 【請求項27】前記真核細胞が,分化の初期段階にある
    動物の胚である,請求項26に記載のシステム。
  28. 【請求項28】前記動物細胞が,充分に分化した動物組
    織にある,請求項26に記載のシステム。
JP9276389A 1988-11-25 1989-04-12 変異誘発性および催奇形性を迅速にスクリーニングする検定法 Expired - Lifetime JPH0630623B2 (ja)

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