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JPH0632780B2 - プレス成形性、加工後塗装性及び耐食性にすぐれる樹脂塗装鋼板 - Google Patents
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JPH0632780B2 - プレス成形性、加工後塗装性及び耐食性にすぐれる樹脂塗装鋼板 - Google Patents

プレス成形性、加工後塗装性及び耐食性にすぐれる樹脂塗装鋼板

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JPH0632780B2
JPH0632780B2 JP3074691A JP3074691A JPH0632780B2 JP H0632780 B2 JPH0632780 B2 JP H0632780B2 JP 3074691 A JP3074691 A JP 3074691A JP 3074691 A JP3074691 A JP 3074691A JP H0632780 B2 JPH0632780 B2 JP H0632780B2
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steel sheet
coated steel
coating
corrosion resistance
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忠繁 中元
政一 三木
賢二 三木
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Kobe Steel Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、家庭電気製
品、建材等に用いられるプレス成形性、加工後塗装性及
び耐食性にすぐれる樹脂塗装鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、鋼板をプレス加工する際には、
その加工性を良好にするために、鋼板の表面にプレス油
が塗布される。しかし、このように、プレス油を塗布す
れば、その鋼板のプレス加工に際してプレス油が飛散し
て、作業環境を悪化させ、或いは公害問題を引き起こ
し、更には、プレス加工後に脱脂工程を必要とする等の
問題がある。
【0003】そこで、プレス油を用いずに、良好なプレ
ス加工性を得るために、種々の鋼板表面処理方法が提案
されている。例えば、ミルボンド被膜やワックス被膜を
鋼板の表面に形成したり、或いは無機又は有機系の固体
潤滑剤を含有する樹脂エマルジョン又は樹脂水溶液を表
面処理剤として用いて、これを鋼板の表面に塗布し、乾
燥させて樹脂被膜を形成する方法等が知られている。特
に、後者の方法は、強加工される製品の場合や、加工後
に脱脂を省略して、尚、塗装性が要求される製品のため
の表面処理方法として、好適に用いられている。
【0004】この方法において、上記固体潤滑剤として
は、従来、無機系では、黒鉛や二硫化モリブデンが用い
られており、また、有機系では、パラフィン、ポリエチ
レン系のワックスや、ステアリン酸カルシウム等の金属
石ケンが用いられている。このように、無機系の固体潤
滑剤を用いる方法は、例えば、特開昭61−22717
8号公報、特開昭61−227179号公報、特開昭6
1−231177号公報、特開昭61−279687号
公報等に記載されている。
【0005】しかし、固体潤滑剤として、黒鉛や二硫化
モリブデンを用いるときは、一般に、鋼板の表面の色調
の調整が困難であるうえに、鋼板の強加工に耐え得る潤
滑性能を与えるために、表面処理剤に潤滑剤を多量に配
合すると、得られる樹脂被膜の密着性が著しく悪く、鋼
板の加工後の耐食性が劣化する。更に、黒鉛や二硫化モ
リブデンは、比重が大きいために、表面処理剤中に均一
に分散し難く、保存時は勿論、使用時にも、表面処理剤
中で沈降しやすいので、保存性や作業性にも難がある。
【0006】他方、ワックスを添加した樹脂エマルジョ
ンのような表面処理剤を用いるときは、鋼板に塗布後、
乾燥するときに、ワックスが樹脂被膜の表面に浮き出す
ので、表面の滑り性は良好であるが、連続プレスによる
金型の温度上昇によつて、表面のワックスが液化、流動
して、その潤滑性能が低下し、樹脂被膜の剥離が生じ
て、やはり加工後の耐食性が劣化する。
【0007】また、金属石ケンを固体潤滑剤として用い
るときは、鋼板の表面に形成された樹脂被膜が吸湿性が
高いために、べとつきを生じるほか、耐食性に問題を有
する。ポリエチレン粒子を含有させた表面処理剤によれ
ば、得られる被膜がプレス成形時の極圧に対して十分に
性能が発揮されず、被膜の剥離を生じて、プレス成形後
の耐食性に劣る。
【0008】最近では、特開昭63−162886号公
報に、カルボキシル化ポリオレフィン系樹脂にエポキシ
樹脂を添加し、低温にて架橋造膜化を図つた表面処理剤
も提案されている。しかし、このような表面処理剤は、
低温にて塗膜の架橋膜化が始まるために、実操業時の表
面処理剤の安定性に欠けるところがある。そこで、本発
明者らは、既に、アクリル化エポキシ樹脂を主体とし
て、フッ素系樹脂粒子とシリカ粒子をそれぞれ所定量含
有せしめてなる樹脂被膜を鋼板表面に形成することによ
つて、プレス成形性にすぐれる樹脂塗装鋼板を得ること
ができることを見出している。しかしながら、かかる樹
脂塗装鋼板においても、尚、潤滑剤としてのフッ素系樹
脂粒子が基材樹脂であるアクリル化エポキシ樹脂に対し
て接着性が十分でなく、また、得られる樹脂塗装鋼板の
表面には一部フッ素系樹脂粒子が露出しているために、
樹脂塗装鋼板の製造時にフッ素系樹脂粒子が剥離し、ラ
イン内のロールに巻きついて、生産性の低下を来すこと
がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した従
来の樹脂塗装鋼板における問題を解決するためになされ
たものであつて、特に、アクリル化エポキシ樹脂を主体
として、フッ素系樹脂粒子とシリカ粒子をそれぞれ所定
量含有せしめてなる樹脂被膜を表面に形成してなる樹脂
塗装鋼板の製造において、アクリル化エポキシ樹脂とフ
ッ素系樹脂粒子との接着性を改善し、製造時のロールへ
の巻き付きを防止すると共に、潤滑性にすぐれ、強加工
における極圧や金型の温度上昇に対しても、十分に耐え
ることができ、しかも、加工後の塗装性と耐食性にもす
ぐれる樹脂塗装鋼板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によるプレス成形
性、加工後塗装性及び耐食性にすぐれる樹脂塗装鋼板
は、アクリル化エポキシ樹脂を主体として、フッ素系樹
脂粒子2.5〜30重量%、シリカ粒子を1〜30重量%
及びエチレングリコールモノノルマルヘキシルエーテル
1〜20重量%を含有する樹脂被膜が付着量0.1〜5g
/平方メートルにて鋼板の表面に形成されていることを
特徴とする。
【0011】本発明において用いるアクリル化エポキシ
樹脂は、アクリル系樹脂とエポキシ樹脂とを反応させて
得られる熱硬化性樹脂であつて、通常、一液型の水分散
性樹脂として用いられる。上記アクリル系樹脂は、第1
の単量体としてのエチレン性不飽和カルボン酸とこれに
共重合性を有する第2の単量体との共重合体であつて、
通常、エチレン性不飽和カルボン酸とこれに共重合性を
有する第2の単量体とを溶剤中にてアゾビスイソブチロ
ニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等の通常のラジカ
ル重合開始剤を用いて共重合させることによつて得るこ
とができる。この共重合において、エチレン性不飽和カ
ルボン酸は、全単量体の12重量%以上となるように用
いられる。エチレン性不飽和カルボン酸が全単量体の1
2重量%よりも少なくともないときは、これを後述する
ようにエポキシ樹脂と反応させて、アクリル化エポキシ
樹脂としても、水性媒体への分散安定性に劣る。
【0012】上記エチレン性不飽和カルボン酸として
は、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸等の1種又は2種以上が好ましく用いられる。上記
第2の単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メ
チル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸
プロピル等の(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、
ビニルトルエン、クロロスチレン等のスチレン系単量
体、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)ア
クリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸ヒ
ドロキシアルキル、N−メチロール(メタ)アクリルア
ミド等のN−置換(メタ)アクリルアミド、(メタ)ア
クリル酸グリシジル等のエポキシ基含有(メタ)アクリ
ル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル等の1種又は
2種以上が用いられる。
【0013】アクリル化エポキシ樹脂は、かかるアクリ
ル系樹脂とエポキシ樹脂とを親水性有機溶剤中にて、塩
基性化合物、例えば、ジメチルエタノールアミンのよう
な第3級アミン化合物の存在下に、エステル化反応させ
ることによつて得ることができる。アクリル系樹脂は、
重量平均分子量が2000〜10000の範囲にあるこ
とが好ましい。分子量が小さすぎるときは、水性分散媒
への乳化分散性が十分でなく、分子量が大きすぎるとき
は、エポキシ樹脂との反応時にゲル化しやすい傾向があ
る。
【0014】エポキシ樹脂としては、例えば、エピクロ
ロヒドリン/ビスフェノール型エポキシ樹脂が好ましく
用いられ、特に、分子中に平均にて1.1〜2.0個のエポ
キシ基を有し、平均分子量が800以上であるものが好
ましく用いられる。アクリル系樹脂とエポキシ樹脂との
反応において、アクリル系樹脂/エポキシ樹脂の割合
は、重量比にて、1.9/1〜1/10の範囲が好まし
い。
【0015】また、アクリル化エポキシ樹脂は、エポキ
シ樹脂とエチレン性不飽和カルボン酸とを反応させ、こ
れを同様のエチレン性不飽和カルボン酸及びその他の共
重合性単量体を重合開始剤を用いて共重合させることに
よつても得ることができる。本発明による樹脂塗装鋼板
は、上述したようなアクリル化エポキシ樹脂とフッ素系
樹脂のディスパージョンとシリカ粒子とを前記所定の範
囲内で水性分散媒に分散させ、更に、pHが4〜11とな
るように、アンモニアや有機アミンを加えた後、更に、
エチレングリコールモノノルマルヘキシルエーテルを所
定量加えて、表面処理剤を調製し、かかる表面処理剤を
鋼板に塗布し、乾燥すれば、本発明による樹脂塗装鋼板
を得ることができる。
【0016】上記水性分散媒としては、水又は少なくと
も10重量%が水である親水性有機溶剤との混合物が用
いられる。親水性有機溶剤としては、例えば、メタノー
ル、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール
等の低級脂肪族アルコールや、エチレングリコールメチ
ルエーテル等のグリコールエーテル、エチレングリコー
ルアセテート等のグリコールエステル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサン等のエーテル、ジメチルホルムアミ
ド、ジアセトンアルコール等が用いられる。
【0017】また、上記有機アミンとしては、例えば、
トリメチルアミン、トリエチルアミン等のアルキルアミ
ン、ジエタノールアミン等のアルカノールアミン、モル
ホリン類、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン等
の多価アミンが好ましく用いられる。更に、表面処理剤
は、必要に応じて、硬化剤として、例えば、水性のアミ
ノプラスト樹脂、フェノプラスト樹脂等を含有していて
もよい。
【0018】本発明による樹脂塗装鋼板は、上記アクリ
ル化エポキシ樹脂を主体として、フッ素系樹脂粒子2.5
〜30重量%、シリカ粒子を1〜30重量%及びエチレ
ングリコールモノノルマルヘキシルエーテル1〜20重
量%を含有する樹脂被膜が付着量0.1〜5g/平方メー
トルにて鋼板の表面に形成されている。樹脂被膜におい
て、フッ素系樹脂粒子が2.5重量%よりも少ないとき
は、得られる樹脂被膜の潤滑性が尚、乏しく、樹脂塗装
鋼板のプレス成形性の向上が十分でなく、一方、30重
量%を越えるときは、潤滑性能の点では特に問題がない
が、得られる被膜の鋼板に対する密着性が悪くなり、プ
レス加工において、被膜が剥離し、加工後の耐食性に劣
るようになる。更に、塗装性についても、被膜と塗料と
の密着性が低下する。特に、本発明においては、フッ素
系樹脂粒子量は、樹脂被膜において、15〜25重量%
であることが好ましい。
【0019】本発明において、フッ素系樹脂粒子は、そ
の粒径が0.01〜2μmの範囲にあることが好ましい。
粒径が2μmを越えるときは、樹脂分散液中に均一に分
散し難くなり、その結果として、得られる被膜の鋼板へ
の密着性及び塗料との密着性も悪化する。他方、フッ素
系樹脂の粒径が0.01μmよりも小さいときは、フッ素
系樹脂の添加による上記被膜の潤滑性及び耐食性の向上
効果を得ることができない。
【0020】上記フッ素系樹脂としては、例えば、四フ
ッ化エチレン樹脂(PTFE)、三フッ化塩化エチレン
樹脂、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂、エチ
レン・四フッ化エチレン共重合体樹脂、四フッ化エチレ
ン・六フッ化プロピレン共重合体樹脂等を挙げることが
できる。更に、樹脂被膜において、シリカ粒子が二酸化
ケイ素として1重量%よりも少ないときは、得られる被
膜の耐食性が十分でなく、他方、30重量%を越えると
きは、シリカが増摩剤として作用するようになり、被膜
の摩擦係数を高めて、潤滑性を低下させ、延いては、加
工後の耐食性をも劣化させる。
【0021】このようなシリカの効果を最大限に得るに
は、シリカは、その粒径が1〜20nmの範囲にあるこ
とが好ましい。シリカの粒径が小さくなるほど、被膜の
耐食性及び塗装性が向上し、特に、加工後の耐食性が著
しく向上する。かかるシリカの効果は、樹脂被膜を緻密
で密着性にすぐれるものとして、樹脂被膜の有する耐食
性を一層高めることによるものとみられる。このような
観点からは、用いるシリカは、粒径が小さいほどよい
が、しかし、極端に微小な粒子を用いても、上記効果が
それに対応して、特に、増強されるものでもないので、
本発明においては、シリカは、粒径が1nm以上であれ
ばよい。他方、20nmを越えるときは、被膜の表面を
粗くして、潤滑性を低下させる。特に、本発明において
は、用いるシリカは、粒径が3〜10nmの範囲が好ま
しい。
【0022】このようなシリカは、通常、コロイダルシ
リカとして知られており、例えば、スノーテツクス−X
SやSS、スノーテツクス−40(日産化学工業(株)
製)として、市販品を入手することができる。本発明に
よる樹脂塗装鋼板は、その樹脂被膜中にエチレングリコ
ールモノノルマルヘキシルエーテルを含有する。本発明
において、潤滑剤として用いるフッ素系樹脂粒子は、表
面が不活性であつて、本来、種々の樹脂との接着性に劣
る。従つて、かかるフッ素系樹脂粒子は、樹脂被膜の表
面に露出しているもののみならず、樹脂被膜内に埋没し
ているものも、鋼板のロールとの接触やプレス加工によ
つて、樹脂被膜から剥離し、鋼板のロールへの巻き付き
や、樹脂のプレス金型や製品への付着等の問題が起こり
やすい。そこで、本発明によれば、表面処理剤にエチレ
ングリコールモノノルマルヘキシルエーテルを配合し、
これを含有する樹脂被膜を鋼板の表面に形成することに
よつて、樹脂被膜の造膜性を向上させるのみならず、フ
ッ素系樹脂粒子の樹脂被膜への接着性を高め、かくし
て、鋼板のロールとの接触やプレス加工時、樹脂被膜か
ら剥離し、ロールへの巻き付きや、プレス金型や製品へ
の付着等の問題を解決することができる。
【0023】樹脂被膜におけるエチレングリコールモノ
ノルマルヘキシルエーテルの量が1重量%よりも少ない
ときは、樹脂被膜の造膜性の改善がみられず、鋼板上に
形成された樹脂被膜にはクラツクが発生しやすいうえ
に、樹脂被膜の表面には露出したフッ素系樹脂粒子が増
大する。他方、樹脂被膜におけるエチレングリコールモ
ノノルマルヘキシルエーテルの量が20重量%よりも多
いときは、樹脂被膜中の量が過多となり、耐食性及び塗
装性が劣化する。前述したような効果を最大限に得るに
は、樹脂被膜におけるエチレングリコールモノノルマル
ヘキシルエーテルの量は、2〜10重量%の範囲が好ま
しい。
【0024】本発明においては、このような樹脂被膜の
鋼板への付着量が0.1g/平方メートルよりも少ないと
きは、強加工において、所要の潤滑効果及び加工後の耐
食性を得ることができない。しかし、付着量が5g/平
方メートルを越えるときは、鋼板のプレス加工におい
て、被膜の剥離量が増し、例えば、プレス成形におい
て、金型に剥離被膜が蓄積し、プレス成形に支障を生じ
る。
【0025】本発明において、鋼板素材としては、特
に、限定されるものではないが、例えば、亜鉛又は亜鉛
合金めつき鋼板、これら鋼板をクロメート処理やリン酸
塩処理等の化成処理したもの等が好適に用いられる。
【0026】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、フッ素
系樹脂粒子とシリカ粒子とエチレングリコールモノノル
マルヘキシルエーテルを含有するアクリル化エポキシ樹
脂の水性分散液からなる表面処理剤を鋼板に塗布し、乾
燥させることによつて、基材樹脂であるアクリル化エポ
キシ樹脂と潤滑剤であるフッ素系樹脂粒子との間の接着
性を高めて、製造時のロールへの巻き付きを防止するこ
とができ、しかも、プレス油の塗布なしに、強加工がで
き、且つ、耐食性、特に、加工後の塗装性及び耐食性に
すぐれる樹脂被膜を形成することができる。
【0027】更に、本発明によれば、表面処理剤にエチ
レングリコールモノノルマルヘキシルエーテルを配合す
るので、その造膜性が向上し、潤滑性及び塗装性及び耐
食性にすぐれる樹脂被膜を有する樹脂塗装鋼板を得るこ
とができる。また、本発明によれば、表面処理剤を構成
する主成分である前記アクリル化エポキシ樹脂が熱硬化
性樹脂であるので、熱可塑性樹脂に比べて、ガラス転移
点が高く、従つて、プレス成形時に、金型の温度上昇に
対して軟化することがなく、極圧下においても、鋼板表
面に被膜が保持されるので、プレス成形性にすぐれる樹
脂塗装鋼板を得ることができる。
【0028】また、上記のような表面処理剤は、一液型
の樹脂であるため、取扱が容易であり、また、架橋開始
温度も約140℃と高いために、操業時の安定性にもす
ぐれる。このような高潤滑性、高耐食性樹脂被膜を有す
る処理鋼板は、プレス加工後、塗装鋼板としてのみなら
ず、裸使用もできる。
【0029】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、
本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではな
い。 実施例1 クロメート処理を施した電気亜鉛めつき鋼板(亜鉛付着
量20g/平方メートル、クロム付着量20mg/平方メ
ートル)を素材鋼板として用いた。
【0030】カルボキシル基含有アクリル化エポキシ樹
脂にジメチルエタノールアミンを最終生成物の pH が6
〜7になるように添加して得た水分散性アクリル化エポ
キシ樹脂に被膜形成後の全固形分換算にて20重量%の
四フッ化エチレン樹脂(粒径0.1〜4μm)ディスパー
ジョンと粒径10〜20nmのコロダイルシリカを二酸
化ケイ素として10重量%を加え、分散させ、次いで、
エチレングリコールモノノルマルヘキシルエーテルを0
〜25重量%加えて、表面処理剤を得た。
【0031】この表面処理剤を前記鋼板の表面に乾燥付
着量1g/平方メートルとなるように絞りロールにて塗
布し、乾燥させ、樹脂被膜を形成させて、樹脂塗装鋼板
を得た。得られた樹脂塗装鋼板について、摺動試験、円
筒深絞り試験、プレス試験、塩水噴霧試験及び塗装試験
を行なつて、フッ素系樹脂粒子の剥離性、動摩擦係数、
限界絞り比、耐型かじり性、耐食性及び塗膜密着性を調
べた。
【0032】フッ素系樹脂粒子の剥離性は、摺動試験装
置を用いて、ロール材質と同じゴムシートによつて、鋼
板を150Kgで加圧した状態で摺動させ、フッ素系樹脂
粒子の剥離量を求めた。動摩擦係数は、摺動試験装置を
用いて、加圧力150Kgにおける摺動による荷重から求
めた。限界絞り比は、ブランク径110mm、ポンチ径5
0mmの単一素板法にて求めた。耐型かじり性は、単発プ
レス試験機を用いて、プレス成形した後、成形品の摺動
面の型かじりを目視にて判定した。耐食性は、JIS
Z−2371に記載された方法に従つて、塩水噴霧試験
を実施した。また、塗膜密着性は、アクリル系及びミラ
ミンアルキド系塗料を用いて塗装を施した後、碁盤目及
び碁盤目エリクセンによる塗膜の密着性を調べた。結果
を表1に示す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例2 実施例1と同じ水分散性アクリル化エポキシ樹脂に被膜
形成後の全固形分換算にて20重量%の四フッ化エチレ
ン樹脂(粒径0.1〜4μm)ディスパージョンと、粒径
4〜6nm、10〜20nm及び40〜50nmのコロ
イダルシリカをそれぞれ二酸化ケイ素として10重量%
加え、分散させた後、更に、エチレングリコールモノノ
ルマルヘキシルエーテルを5重量%加えて、表面処理剤
を得た。
【0035】この表面処理剤を前記鋼板の表面に乾燥付着量
1g/平方メートルとなるように絞りロールにて塗布
し、乾燥させ、樹脂被膜を形成させて、樹脂塗装鋼板を
得た。実施例1と同様にして、処理鋼板の性質を調べ
た。結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】実施例3 実施例1と同じ水分散性アクリル化エポキシ樹脂に被膜
形成後の全固形分換算にて0〜35重量%の四フッ化エ
チレン樹脂(粒径0.1〜4μm)ディスパージョンと、
粒径10〜20nmのコロイダルシリカを二酸化ケイ素
として0〜35重量%加え、分散させて、表面処理剤を
得た。
【0038】この表面処理剤を前記鋼板の表面に乾燥付
着量1g/平方メートルとなるように絞りロールにて塗
布し、乾燥させ、樹脂被膜を形成させて、樹脂塗装鋼板
を得た。実施例1と同様にして、処理鋼板の性質を調べ
た。結果を表3及び表4に示す。
【0039】
【表3】
【0040】
【表4】
【0041】実施例4 実施例1と同じ水分散性アクリル化エポキシ樹脂に被膜
形成後の全固形分換算にて20重量%となるように四フ
ッ化エチレン樹脂(粒径0.1〜4μm)ディスパージョ
ンと、粒径10〜20nmのコロイダルシリカを二酸化
ケイ素として20重量%加え、分散させた後、更に、エ
チレングリコールモノノルマルヘキシルエーテルを5重
量%加えて、表面処理剤を得た。
【0042】この表面処理剤を前記鋼板の表面に乾燥付
着量1g/平方メートルとなるように絞りロールにて塗
布し、乾燥させ、樹脂被膜を形成させて、樹脂塗装鋼板
を得た。実施例1と同様にして、処理鋼板の性質を調べ
た。結果を表5に示す。比較のために、表面処理剤にお
ける樹脂成分として、アクリル化エポキシ樹脂に代え
て、それぞれウレタン変成ポリエチレン、ウレタン変成
ポリプロピレン、カルボキシル化ポリエチレン及びアク
リル樹脂を用いると共に、エチレングリコールモノノル
マルヘキシルエーテルを5重量%加えて、それぞれ表面
処理剤を得た。
【0043】これらの表面処理剤を前記鋼板の表面に乾
燥付着量1g/平方メートルとなるように絞りロールに
て塗布し、乾燥させ、樹脂被膜を形成させて、樹脂塗装
鋼板を得た。実施例1と同様にして、処理鋼板の性質を
調べた。結果を表4に示す。本発明によれば、基材樹脂
であるアクリル化エポキシ樹脂と潤滑剤であるフッ素系
樹脂粒子との接着性を改善し、製造時のロールへの巻き
付きを防止しつつ、プレス成形性、耐食性及び塗装性の
すべてにおいてすぐれた樹脂塗装鋼板を得ることができ
る。
【0044】
【表5】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09D 163/00 PJM 8830−4J PKD 8830−4J //(C09D 163/00 127:12) 9166−4J

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アクリル化エポキシ樹脂を主体として、フ
    ッ素系樹脂粒子2.5〜30重量%、シリカ粒子を1〜3
    0重量%及びエチレングリコールモノノルマルヘキシル
    エーテル1〜20重量%を含有する樹脂被膜が付着量0.
    1〜5g/平方メートルにて鋼板の表面に形成されてい
    ることを特徴とするプレス成形性にすぐれる樹脂塗装鋼
    板。
  2. 【請求項2】フッ素系樹脂粒子が0.01〜2μmの粒子
    径を有することを特徴とする請求項1記載の樹脂塗装鋼
    板。
  3. 【請求項3】シリカ粒子が1〜20nmの粒子径を有す
    ることを特徴とする請求項1記載の樹脂塗装鋼板。
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