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JPH0637699B2 - 溶接構造用A▲l▼−Mg基合金厚板の製造方法 - Google Patents
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JPH0637699B2 - 溶接構造用A▲l▼−Mg基合金厚板の製造方法 - Google Patents

溶接構造用A▲l▼−Mg基合金厚板の製造方法

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JPH0637699B2
JPH0637699B2 JP10401487A JP10401487A JPH0637699B2 JP H0637699 B2 JPH0637699 B2 JP H0637699B2 JP 10401487 A JP10401487 A JP 10401487A JP 10401487 A JP10401487 A JP 10401487A JP H0637699 B2 JPH0637699 B2 JP H0637699B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は各種大型溶接構造材などに使用されるAl−
Mg基合金からなる厚板の製造方法に関し、特に大入熱
での溶接が施される場合の溶接性の向上、すなわち溶接
継手性能の向上および溶接時の母材のミクロ割れの防止
を図った20mm以上の板厚の厚板の製造方法に関するもの
である。
従来の技術 代表的なAl−Mg基合金であるJIS 5083系の
合金は、非熱処理型高強度材であるところから、近年の
Al溶接技術の進歩に伴なって、LNG(液化天然ガ
ス)の陸上貯蔵用タンクやタンカー用タンクなどの大型
溶接構造物に広く用いられるようになっており、そして
これらの大型溶接構造物に使用される板材としても、板
厚20mm以上の厚板が要求されるようになっている。この
ような板厚20mm以上の厚板を溶接するにあたっては、溶
接施工の効率化の観点から、溶接層数を少なくすること
が望ましく、この場合単位板厚当りの溶接入熱は大きく
ならざるを得ない。
ところで、単位板厚当りの溶接入熱が18,000J/cm/cm
を越えるような大入熱でAl−Mg基合金厚板を溶接し
た場合、従来の一般的な製造法で得られたAl−Mg基
合金厚板においては、母材の熱影響部の共晶成分および
粒界の一部が溶接時の熱によって溶融するとともにその
溶融した部分に溶接時の熱応力が加わることによって、
圧延面に平行にミクロ割れが発生することがあり、この
ようなミクロ割れが発生すれば溶接構造物の安全性等の
品質を損なうおそれがあった。また溶接入熱が極度に大
きくなれば、熱影響部の強度低下が無視できなくり、特
に熱影響部に応力が集中し易い余盛付継手部材では熱影
響部から破断し易くなる問題が生じる。
従来、JIS 5083系合金で代表されるAl−Mg
基合金の厚肉材を製造するにあたって溶接時における熱
影響部のミクロ割れの発生を防止する方法としては、特
公昭55−34860号あるいは特公昭60−5641
7号に示されているように、所定の成分元素を含有する
合金鋳塊の均質化処理を 500〜 540℃で行ない、かつ熱
間圧延をその終了温度が 400℃以上となるように行なっ
てマクロ組織の圧延方向の結晶粒の長さが15mm以下のA
l−Mg基合金厚板を得る方法が提案されている。しか
しながらこれらの方法でも実際上は大入熱溶接時におけ
る母材熱影響部のミクロ割れの発生を確実に防止するこ
とおよび熱影響部の軟化を充分に抑制することは困難で
あった。
発明が解決すべき問題点 前述のようにAl−Mg基合金からなる板厚20mm以上の
厚肉材では、大入熱溶接時に熱影響部にミクロ割れが発
生し易く、また熱影響部の軟化により余盛付継手部材で
の強度低下の問題を無視できず、既に提案されているミ
クロ割れ発生防止のための方法も、これらの問題を確実
かつ充分には防止できず、したがって溶接構造物の安全
性の点で未だ万全な対策が講じられていなかったのが実
情である。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、板
厚20mm以上の厚肉材における大入熱溶接においても、熱
影響部のミクロ割れの発生を確実に防止するとともに熱
影響部の軟化を充分に抑制し、これによって溶接構造物
の安全性を充分に確保できるようにしたAl−Mg基合
金厚板を製造する方法を提供することを目的とするもの
である 問題点を解決するための手段 大入熱溶接によって熱影響部に発生するミクロ割れは、
前述のように大入熱により母材の共晶成分および粒界の
一部が溶融して溶接熱応力によって開口したものであ
る。したがってミクロ割れ防止のためには、粒界に加わ
る熱応力を分散させるべく共晶粒を微細化し、併せて共
晶化合物の量を減らすとともにその共晶化合物を微細か
つ均一に分散させ、さらに粒界の高温強度を向上させる
ために必須合金元素以外の不純物を可及的に減少させる
ことが有効であると考えられる。また大入熱溶接時にお
ける熱影響部の軟化を最小限に抑えるためには、化学成
分および均熱・熱延公定条件の厳密な管理が必要と考え
られる。
このような観点から、本発明者等はAl−Mg基合金に
おける化学成分・熱延条件について再検討を加えた結
果、次のような手段を総合的に組合せることによって大
入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れ発生防止および熱影
響部の軟化抑制を図り得ることを見出し、この発明をな
すに至ったのである。
すなわち先ず大入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れ発生
対策の一つである母材結晶粒の微細化のためには、鋳塊
段階での組織を微細化しておき、その微細化された鋳塊
組織を引続く均熱・熱延過程でそのまま残存させて微細
な繊維状組織を得ること、すなわち均熱・熱延過程で再
結晶や結晶粒粗大化が生じにくいような条件とすること
が有効である。そしてそのための具体的手段としては、
先ず鋳塊組織の微細化のためには微細化材としてTiも
しくTi−Bを添加しておくことが有効である。さらに
均熱・熱延過程での再結晶や結晶粒粗大化の抑制のため
には、均熱・熱延過程で遷移金属を含む不溶性化合物の
析出を微細化させて組織の再結晶阻止効果を持たせるこ
とが有効であって、そのためには均熱(均質化処理)を
500℃未満の低温の温度域で行ない、また熱延も 500℃
未満の低温の温度域で行なうことが有効であることを見
出した。
また大入熱溶接時の熱影響部でのミクロ割れ防止策の他
の一つとしては、前述のように共晶化合物の析出量の減
少や共晶化合物の微細・均一分散が挙げられるが、合金
の性能を劣化させずに共晶化合物をこのように制御する
ためには、不純物成分であるFe、Siの含有量を従来
の通常のAl−mg基合金のレベルよりも低く抑えるこ
と、具体的にはFe、Siをそれぞれ 0.10%未満に抑
制することが有効であることを見出した。
そしてまた、大入熱溶接時の熱影響部の軟化を最小限に
抑えるためには、既に述べたように均熱・熱延過程で遷
移金属を含む不溶性化合物の析出物を微細にするような
条件、すなわち均質化処理、熱間圧延をそれぞれ 500℃
未満の低温域で行なうことが有効であることを見出し
た。
したがって本願の第1発明の方法は、Mg 4.0〜 5.5、
Mn 0.40〜 1.0%、Cr0.05〜0.35%、Ti 0.005〜
0.2%を含有しかつ残部がAlおよび不可避的不純物よ
りなる板厚20mm以上の溶接構造用Al−Mg基合金厚板
を製造するにあたり、合金鋳塊中における不純物成分と
してのFeおよびSiの含有量をそれぞれ 0.10 %未満
に規制し、その鋳塊の均質化処理を 460℃以上 500℃未
満で行なった後、 350℃以上 500℃未満の範囲内の温度
で熱間圧延を行なうことを特徴とするものである。
また本願の第2発明の方法は、第1発明で規定する成分
元素のほかBを 0.01〜0.1 %添加するとともに、F
e、Siを第1発明と同様にそれぞれ 0.10%未満に抑
制し、その合金鋳塊に対して第1発明と同様な条件で均
質化処理および熱間圧延を施すものである。
作 用 先ずこの発明の溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造
方法において用いられる合金の成分限定理由について説
明する。
Mg: Mgは非熱処理型合金である5083系のAl−Mg基
合金において固溶強化により高強度を得るための必須の
成分であり、Mgが 4.0%未満では大型構造用材料とし
ては強度が不充分となり、一方 5.5%を越えれば熱間加
工が困難となる。したがってMgは 4.0〜 5.5%の範囲
内とした。
Mn: Mnもこの発明で対象とする5083系のAl−Mg基
合金において必須の元素であって、強度向上およびFe
による耐食性低下の防止に有効であるが、 0.40%未満
では充分な強度が得られず、一方、 1.0%を越えれば化
合物の粗大化が顕著となってミクロ割れの発生を招くお
それがある。したがってMnは 0.40〜 1.0%の範囲内
とした。
Cr: CrはMnと同様に強度向上および耐食性低下防止に有
効であるが、 0.05 %未満ではそれらの効果が期待でき
ず、一方 0.35 %を越えれば延性を損なうから、 0.05
〜 0.35 %の範囲内とした。
Ti: Tiは鋳塊組織の微細化および晶出化合物の微細化、分
散化に寄与するが、 0.005%未満ではその効果が期待で
きず、一方 0.2%を越えればコスト上昇を招くとともに
鋳造性の低下を招くから、 0.005〜 0.2%の範囲内とし
た。
B: BはTiと併せて添加することにより、鋳塊結晶粒の微
細化が一層顕著となり、Fe、Siの含有量を低く抑え
た鋳塊の結晶粒の微細化には特に有効であり、したがっ
て第2発明においてBを添加することとした。但しB
が、 0.001%未満ではその効果が少なく、一方Bが 0.1
%を越えれば靭性が低下するから、第2発明におけるB
の添加量は 0.001〜 0.1%の範囲内とした。
Fe、Si: FeおよびSiはそれぞれMgSi、Al−Fe−M
n系の晶出化合物を形成し、これらの共晶系の化合物は
大入熱溶接時において熱影響部でマトリックスより先に
溶融してミクロ割れを引起す原因となる。そこでこの発
明ではそれぞれ0.10%未満に規制することとした。なお
Fe量を0.10%未満に規制することは、上述のように大
入熱溶接時の熱影響部でのミクロ割れの防止に有効であ
るばかりでなく、均質化処理時におけるMnの析出を送
らせるため、溶接熱影響部の軟化を抑制するにも有効で
ある。
次にこの発明の溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造
方法におけるプロセス条件について説明する。
先ず前述のような成分組織となるように、Al−Mg基
合金鋳塊を常法により鋳造し、次いで均質化処理を 460
℃以上 500℃未満の温度で行なう。ここで均質化処理温
度が 500℃以上では、遷移金属系の不溶性化合物の析出
が粗大となって、大入熱溶接時の高温の熱サイクルで熱
影響の結晶粒粗大化および軟化を招き易く、溶接継手部
の強度の確保が困難となり、また不溶性化合物の粗大化
によって熱延後の組織としても微細化が困難となり、大
入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れの発生を充分に防止
できなくなる。一方 460℃未満の温度では均質化の効果
が充分に得られない。したがって鋳塊の均質化処理は 4
60℃以上、 500℃未満の温度で行なう必要がある。なお
均質化処理の保持時間は 5時間〜30時間が好ましい。 5
時間より短かければ均質化の効果が充分に得られず、一
方30時間を越える長い時間処理してもそれ以上の効果は
望めない。
上述のように均質化処理を 500℃未満、 460℃以上の比
較的低温域で行なうことによって、不溶性化合物の析出
は微細となる。そして続いて熱間圧延を 500℃未満、 3
50℃以上の温度域で行なうことによって、その不溶性化
合物の微細析出がさらに継続・促進されて微細な下部組
織の発達をもたらし、結晶粒形状も均一微細な繊維状組
織となる。このように均一微細な繊維状組織とすること
によって、大入熱溶接時にも粒界に加わる熱応力が分散
され、またそれはがりでなく前述のようにFe、Siの
含有量を少量に抑制することにより共晶化合物の量も低
減されているため、大入熱溶接時に共晶化合物が溶融す
る機会も減り、また不純物であるFe、Sih含有量の
低減によって粒界の高温強度自体も高くなっており、こ
れらが相乗的に作用して大入熱溶接時における熱影響部
でのミクロ割れの発生が有効に防止されるのである。ま
た前述のように不溶性化合物の析出が微細となっている
ため、大入熱溶接時の熱サイクルで熱影響部の結晶粒粗
大化、ひいては軟化を招くおそれが少なく、溶接継手部
の強度を充分に確保することができる。
なおここで熱間圧延を 500℃未満、 350℃以上の温度で
行なうことは、熱間圧延開始温度を 500℃未満とし、熱
間圧延終了温度を 350℃以上とすることと同義である。
500℃以上の高温で熱間圧延を行なった場合には、上述
のような不溶性化合物が粗大に析出し、ひいては結晶粒
の粗大化を招いて大入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れ
発生防止効果および軟化防止効果が充分に得られず、一
方 350℃未満では熱間圧延が困難となり、したがって熱
間圧延は 500℃未満、 350℃以上の温度域で行なうもの
とした。
なお熱間圧延後は、必要に応じて軟質材(O材)に仕上
げるための仕上焼鈍を 350℃〜 400℃にて 2〜 5時間行
なうのが通常である。
実施例 第1表に示される成分組織の供試材No.1〜3につい
て、厚さ 500mm、幅1400mmの実生産規模の鋳塊を鋳造
し、同じく第1表中に示す条件で均質化処理および熱間
圧延を行なって厚さ50mm、幅2620mmの大板を製造し、さ
らに 350℃× 5時間の仕上焼鈍を行なって軟質材とし
た。
これらの各軟質材大板から幅 350mm、長さ1000mmの溶接
試験片を切出し、大電流MIG溶接による下向きの両面
1パスの突合せ溶接を行なった。溶接入熱条件は、第2
表中に示すようにFサイドの電流を変えて、「大入
熱」、「中入熱」、「小入熱」の3水準に設定した。各
溶接条件を第2表に示す。また溶加材としてはA518
3−WYの 4.8mmφのものを用い、開先形状はX開先と
した。
得られた各溶接材につき、余盛削除材および余盛付材の
それぞれの状態で全厚引張り試験を行なって溶接継手と
しての機械的性質を調べるとともに、側曲げ試験を行な
って溶接熱影響部のミクロ割れ発生の有無を調べた。そ
の結果を第3表に示す。なお第3表において「側曲げ試
験でのミクロ割れの有無」は、溶接方向に直角に溶接部
の断面スライス片(肉厚 9mm)の各10枚採取し、曲
げ半径R/t= 3にて 180゜曲げを行ない、溶接熱影響
部に肉眼で観察可能なミクロ割れの発生を調べ、そのミ
クロ割れ発生数を分子として表わした。
第3表から明らかなように、この発明の成分範囲内の組
成の材料についてこの発明の均質化処理条件、熱延条件
の範囲内で処理した供試材No.1では、溶接電流が大き
い大入熱溶接条件においても、熱影響部のミクロ割れの
発生は認められず、また余盛付溶接継手での引張強度の
低下も少ないことが判明した。
発明の効果 この発明の溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造方法
によれば、合金鋳塊中の不純物成分であるFe、Siの
含有量をそれぞれ 0.10 %未満に抑制し、かつ均質化処
理を 500℃未満、 460℃以上の温度域で行なってさらに
熱間圧延を 500℃未満、 350℃以上の温度域で行なうこ
とにより、20mm以上の厚肉材について大入熱溶接条件で
溶接した場合でも、熱影響部のミクロ割れ発生を確実に
防止することができるとともに、熱影響部の軟化を最小
限に抑制して余盛付溶接継手部材でもその強度を充分に
確保することができ、したがってこの発明の方法により
得られたAl−Mg基合金厚板を使用することによっ
て、大入熱溶接が施される厚肉溶接構造物の安全性を従
来よりも格段に高めることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Mg 4.0〜 5.5(重量%、以下同じ)、M
    n 0.40 〜 1.0%、Cr 0.05 〜 0.35 %、Ti 0.005
    〜 0.2%を含有しかつ残部がAlおよび不可避的不純物
    よりなる板厚20mm以上の溶接構造用Al−Mg基合金厚
    板を製造するにあたり、 合金鋳塊中における不純物成分としてのFeおよびSi
    の含有量をそれぞれ 0.10 %未満に規制し、その鋳塊の
    均質化処理を 460℃以上 500℃未満で行なった後、 350
    ℃以上 500℃未満の範囲内の温度で熱間圧延を行なうこ
    とを特徴とする溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造
    方法。
  2. 【請求項2】Mg 4.0〜 5.5%、Mn 0.40 〜 0.1%、
    Cr 0.05 〜 0.35 %、Ti 0.005〜 0.2%、B 0.001
    〜 0.1%を含有しかつ残部がAlおよび不可避的不純物
    よりなる板厚20mm以上の溶接構造用Al−Mg基合金厚
    板を製造するにあたり、 合金鋳塊中における不純物成分としてのFeおよびSi
    の含有量をそれぞれ 0.10 %未満に規制し、その鋳塊の
    均質化処理を 460℃以上 500℃未満で行なった後、 350
    ℃以上 500℃未満の範囲内の温度で熱間圧延を行なうこ
    とを特徴とする溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造
    方法。
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