JPH0637699B2 - 溶接構造用A▲l▼−Mg基合金厚板の製造方法 - Google Patents
溶接構造用A▲l▼−Mg基合金厚板の製造方法Info
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- JPH0637699B2 JPH0637699B2 JP10401487A JP10401487A JPH0637699B2 JP H0637699 B2 JPH0637699 B2 JP H0637699B2 JP 10401487 A JP10401487 A JP 10401487A JP 10401487 A JP10401487 A JP 10401487A JP H0637699 B2 JPH0637699 B2 JP H0637699B2
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- Metal Rolling (AREA)
- Heat Treatment Of Nonferrous Metals Or Alloys (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 この発明は各種大型溶接構造材などに使用されるAl−
Mg基合金からなる厚板の製造方法に関し、特に大入熱
での溶接が施される場合の溶接性の向上、すなわち溶接
継手性能の向上および溶接時の母材のミクロ割れの防止
を図った20mm以上の板厚の厚板の製造方法に関するもの
である。
Mg基合金からなる厚板の製造方法に関し、特に大入熱
での溶接が施される場合の溶接性の向上、すなわち溶接
継手性能の向上および溶接時の母材のミクロ割れの防止
を図った20mm以上の板厚の厚板の製造方法に関するもの
である。
従来の技術 代表的なAl−Mg基合金であるJIS 5083系の
合金は、非熱処理型高強度材であるところから、近年の
Al溶接技術の進歩に伴なって、LNG(液化天然ガ
ス)の陸上貯蔵用タンクやタンカー用タンクなどの大型
溶接構造物に広く用いられるようになっており、そして
これらの大型溶接構造物に使用される板材としても、板
厚20mm以上の厚板が要求されるようになっている。この
ような板厚20mm以上の厚板を溶接するにあたっては、溶
接施工の効率化の観点から、溶接層数を少なくすること
が望ましく、この場合単位板厚当りの溶接入熱は大きく
ならざるを得ない。
合金は、非熱処理型高強度材であるところから、近年の
Al溶接技術の進歩に伴なって、LNG(液化天然ガ
ス)の陸上貯蔵用タンクやタンカー用タンクなどの大型
溶接構造物に広く用いられるようになっており、そして
これらの大型溶接構造物に使用される板材としても、板
厚20mm以上の厚板が要求されるようになっている。この
ような板厚20mm以上の厚板を溶接するにあたっては、溶
接施工の効率化の観点から、溶接層数を少なくすること
が望ましく、この場合単位板厚当りの溶接入熱は大きく
ならざるを得ない。
ところで、単位板厚当りの溶接入熱が18,000J/cm/cm
を越えるような大入熱でAl−Mg基合金厚板を溶接し
た場合、従来の一般的な製造法で得られたAl−Mg基
合金厚板においては、母材の熱影響部の共晶成分および
粒界の一部が溶接時の熱によって溶融するとともにその
溶融した部分に溶接時の熱応力が加わることによって、
圧延面に平行にミクロ割れが発生することがあり、この
ようなミクロ割れが発生すれば溶接構造物の安全性等の
品質を損なうおそれがあった。また溶接入熱が極度に大
きくなれば、熱影響部の強度低下が無視できなくり、特
に熱影響部に応力が集中し易い余盛付継手部材では熱影
響部から破断し易くなる問題が生じる。
を越えるような大入熱でAl−Mg基合金厚板を溶接し
た場合、従来の一般的な製造法で得られたAl−Mg基
合金厚板においては、母材の熱影響部の共晶成分および
粒界の一部が溶接時の熱によって溶融するとともにその
溶融した部分に溶接時の熱応力が加わることによって、
圧延面に平行にミクロ割れが発生することがあり、この
ようなミクロ割れが発生すれば溶接構造物の安全性等の
品質を損なうおそれがあった。また溶接入熱が極度に大
きくなれば、熱影響部の強度低下が無視できなくり、特
に熱影響部に応力が集中し易い余盛付継手部材では熱影
響部から破断し易くなる問題が生じる。
従来、JIS 5083系合金で代表されるAl−Mg
基合金の厚肉材を製造するにあたって溶接時における熱
影響部のミクロ割れの発生を防止する方法としては、特
公昭55−34860号あるいは特公昭60−5641
7号に示されているように、所定の成分元素を含有する
合金鋳塊の均質化処理を 500〜 540℃で行ない、かつ熱
間圧延をその終了温度が 400℃以上となるように行なっ
てマクロ組織の圧延方向の結晶粒の長さが15mm以下のA
l−Mg基合金厚板を得る方法が提案されている。しか
しながらこれらの方法でも実際上は大入熱溶接時におけ
る母材熱影響部のミクロ割れの発生を確実に防止するこ
とおよび熱影響部の軟化を充分に抑制することは困難で
あった。
基合金の厚肉材を製造するにあたって溶接時における熱
影響部のミクロ割れの発生を防止する方法としては、特
公昭55−34860号あるいは特公昭60−5641
7号に示されているように、所定の成分元素を含有する
合金鋳塊の均質化処理を 500〜 540℃で行ない、かつ熱
間圧延をその終了温度が 400℃以上となるように行なっ
てマクロ組織の圧延方向の結晶粒の長さが15mm以下のA
l−Mg基合金厚板を得る方法が提案されている。しか
しながらこれらの方法でも実際上は大入熱溶接時におけ
る母材熱影響部のミクロ割れの発生を確実に防止するこ
とおよび熱影響部の軟化を充分に抑制することは困難で
あった。
発明が解決すべき問題点 前述のようにAl−Mg基合金からなる板厚20mm以上の
厚肉材では、大入熱溶接時に熱影響部にミクロ割れが発
生し易く、また熱影響部の軟化により余盛付継手部材で
の強度低下の問題を無視できず、既に提案されているミ
クロ割れ発生防止のための方法も、これらの問題を確実
かつ充分には防止できず、したがって溶接構造物の安全
性の点で未だ万全な対策が講じられていなかったのが実
情である。
厚肉材では、大入熱溶接時に熱影響部にミクロ割れが発
生し易く、また熱影響部の軟化により余盛付継手部材で
の強度低下の問題を無視できず、既に提案されているミ
クロ割れ発生防止のための方法も、これらの問題を確実
かつ充分には防止できず、したがって溶接構造物の安全
性の点で未だ万全な対策が講じられていなかったのが実
情である。
この発明は以上の事情を背景としてなされたもので、板
厚20mm以上の厚肉材における大入熱溶接においても、熱
影響部のミクロ割れの発生を確実に防止するとともに熱
影響部の軟化を充分に抑制し、これによって溶接構造物
の安全性を充分に確保できるようにしたAl−Mg基合
金厚板を製造する方法を提供することを目的とするもの
である 問題点を解決するための手段 大入熱溶接によって熱影響部に発生するミクロ割れは、
前述のように大入熱により母材の共晶成分および粒界の
一部が溶融して溶接熱応力によって開口したものであ
る。したがってミクロ割れ防止のためには、粒界に加わ
る熱応力を分散させるべく共晶粒を微細化し、併せて共
晶化合物の量を減らすとともにその共晶化合物を微細か
つ均一に分散させ、さらに粒界の高温強度を向上させる
ために必須合金元素以外の不純物を可及的に減少させる
ことが有効であると考えられる。また大入熱溶接時にお
ける熱影響部の軟化を最小限に抑えるためには、化学成
分および均熱・熱延公定条件の厳密な管理が必要と考え
られる。
厚20mm以上の厚肉材における大入熱溶接においても、熱
影響部のミクロ割れの発生を確実に防止するとともに熱
影響部の軟化を充分に抑制し、これによって溶接構造物
の安全性を充分に確保できるようにしたAl−Mg基合
金厚板を製造する方法を提供することを目的とするもの
である 問題点を解決するための手段 大入熱溶接によって熱影響部に発生するミクロ割れは、
前述のように大入熱により母材の共晶成分および粒界の
一部が溶融して溶接熱応力によって開口したものであ
る。したがってミクロ割れ防止のためには、粒界に加わ
る熱応力を分散させるべく共晶粒を微細化し、併せて共
晶化合物の量を減らすとともにその共晶化合物を微細か
つ均一に分散させ、さらに粒界の高温強度を向上させる
ために必須合金元素以外の不純物を可及的に減少させる
ことが有効であると考えられる。また大入熱溶接時にお
ける熱影響部の軟化を最小限に抑えるためには、化学成
分および均熱・熱延公定条件の厳密な管理が必要と考え
られる。
このような観点から、本発明者等はAl−Mg基合金に
おける化学成分・熱延条件について再検討を加えた結
果、次のような手段を総合的に組合せることによって大
入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れ発生防止および熱影
響部の軟化抑制を図り得ることを見出し、この発明をな
すに至ったのである。
おける化学成分・熱延条件について再検討を加えた結
果、次のような手段を総合的に組合せることによって大
入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れ発生防止および熱影
響部の軟化抑制を図り得ることを見出し、この発明をな
すに至ったのである。
すなわち先ず大入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れ発生
対策の一つである母材結晶粒の微細化のためには、鋳塊
段階での組織を微細化しておき、その微細化された鋳塊
組織を引続く均熱・熱延過程でそのまま残存させて微細
な繊維状組織を得ること、すなわち均熱・熱延過程で再
結晶や結晶粒粗大化が生じにくいような条件とすること
が有効である。そしてそのための具体的手段としては、
先ず鋳塊組織の微細化のためには微細化材としてTiも
しくTi−Bを添加しておくことが有効である。さらに
均熱・熱延過程での再結晶や結晶粒粗大化の抑制のため
には、均熱・熱延過程で遷移金属を含む不溶性化合物の
析出を微細化させて組織の再結晶阻止効果を持たせるこ
とが有効であって、そのためには均熱(均質化処理)を
500℃未満の低温の温度域で行ない、また熱延も 500℃
未満の低温の温度域で行なうことが有効であることを見
出した。
対策の一つである母材結晶粒の微細化のためには、鋳塊
段階での組織を微細化しておき、その微細化された鋳塊
組織を引続く均熱・熱延過程でそのまま残存させて微細
な繊維状組織を得ること、すなわち均熱・熱延過程で再
結晶や結晶粒粗大化が生じにくいような条件とすること
が有効である。そしてそのための具体的手段としては、
先ず鋳塊組織の微細化のためには微細化材としてTiも
しくTi−Bを添加しておくことが有効である。さらに
均熱・熱延過程での再結晶や結晶粒粗大化の抑制のため
には、均熱・熱延過程で遷移金属を含む不溶性化合物の
析出を微細化させて組織の再結晶阻止効果を持たせるこ
とが有効であって、そのためには均熱(均質化処理)を
500℃未満の低温の温度域で行ない、また熱延も 500℃
未満の低温の温度域で行なうことが有効であることを見
出した。
また大入熱溶接時の熱影響部でのミクロ割れ防止策の他
の一つとしては、前述のように共晶化合物の析出量の減
少や共晶化合物の微細・均一分散が挙げられるが、合金
の性能を劣化させずに共晶化合物をこのように制御する
ためには、不純物成分であるFe、Siの含有量を従来
の通常のAl−mg基合金のレベルよりも低く抑えるこ
と、具体的にはFe、Siをそれぞれ 0.10%未満に抑
制することが有効であることを見出した。
の一つとしては、前述のように共晶化合物の析出量の減
少や共晶化合物の微細・均一分散が挙げられるが、合金
の性能を劣化させずに共晶化合物をこのように制御する
ためには、不純物成分であるFe、Siの含有量を従来
の通常のAl−mg基合金のレベルよりも低く抑えるこ
と、具体的にはFe、Siをそれぞれ 0.10%未満に抑
制することが有効であることを見出した。
そしてまた、大入熱溶接時の熱影響部の軟化を最小限に
抑えるためには、既に述べたように均熱・熱延過程で遷
移金属を含む不溶性化合物の析出物を微細にするような
条件、すなわち均質化処理、熱間圧延をそれぞれ 500℃
未満の低温域で行なうことが有効であることを見出し
た。
抑えるためには、既に述べたように均熱・熱延過程で遷
移金属を含む不溶性化合物の析出物を微細にするような
条件、すなわち均質化処理、熱間圧延をそれぞれ 500℃
未満の低温域で行なうことが有効であることを見出し
た。
したがって本願の第1発明の方法は、Mg 4.0〜 5.5、
Mn 0.40〜 1.0%、Cr0.05〜0.35%、Ti 0.005〜
0.2%を含有しかつ残部がAlおよび不可避的不純物よ
りなる板厚20mm以上の溶接構造用Al−Mg基合金厚板
を製造するにあたり、合金鋳塊中における不純物成分と
してのFeおよびSiの含有量をそれぞれ 0.10 %未満
に規制し、その鋳塊の均質化処理を 460℃以上 500℃未
満で行なった後、 350℃以上 500℃未満の範囲内の温度
で熱間圧延を行なうことを特徴とするものである。
Mn 0.40〜 1.0%、Cr0.05〜0.35%、Ti 0.005〜
0.2%を含有しかつ残部がAlおよび不可避的不純物よ
りなる板厚20mm以上の溶接構造用Al−Mg基合金厚板
を製造するにあたり、合金鋳塊中における不純物成分と
してのFeおよびSiの含有量をそれぞれ 0.10 %未満
に規制し、その鋳塊の均質化処理を 460℃以上 500℃未
満で行なった後、 350℃以上 500℃未満の範囲内の温度
で熱間圧延を行なうことを特徴とするものである。
また本願の第2発明の方法は、第1発明で規定する成分
元素のほかBを 0.01〜0.1 %添加するとともに、F
e、Siを第1発明と同様にそれぞれ 0.10%未満に抑
制し、その合金鋳塊に対して第1発明と同様な条件で均
質化処理および熱間圧延を施すものである。
元素のほかBを 0.01〜0.1 %添加するとともに、F
e、Siを第1発明と同様にそれぞれ 0.10%未満に抑
制し、その合金鋳塊に対して第1発明と同様な条件で均
質化処理および熱間圧延を施すものである。
作 用 先ずこの発明の溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造
方法において用いられる合金の成分限定理由について説
明する。
方法において用いられる合金の成分限定理由について説
明する。
Mg: Mgは非熱処理型合金である5083系のAl−Mg基
合金において固溶強化により高強度を得るための必須の
成分であり、Mgが 4.0%未満では大型構造用材料とし
ては強度が不充分となり、一方 5.5%を越えれば熱間加
工が困難となる。したがってMgは 4.0〜 5.5%の範囲
内とした。
合金において固溶強化により高強度を得るための必須の
成分であり、Mgが 4.0%未満では大型構造用材料とし
ては強度が不充分となり、一方 5.5%を越えれば熱間加
工が困難となる。したがってMgは 4.0〜 5.5%の範囲
内とした。
Mn: Mnもこの発明で対象とする5083系のAl−Mg基
合金において必須の元素であって、強度向上およびFe
による耐食性低下の防止に有効であるが、 0.40%未満
では充分な強度が得られず、一方、 1.0%を越えれば化
合物の粗大化が顕著となってミクロ割れの発生を招くお
それがある。したがってMnは 0.40〜 1.0%の範囲内
とした。
合金において必須の元素であって、強度向上およびFe
による耐食性低下の防止に有効であるが、 0.40%未満
では充分な強度が得られず、一方、 1.0%を越えれば化
合物の粗大化が顕著となってミクロ割れの発生を招くお
それがある。したがってMnは 0.40〜 1.0%の範囲内
とした。
Cr: CrはMnと同様に強度向上および耐食性低下防止に有
効であるが、 0.05 %未満ではそれらの効果が期待でき
ず、一方 0.35 %を越えれば延性を損なうから、 0.05
〜 0.35 %の範囲内とした。
効であるが、 0.05 %未満ではそれらの効果が期待でき
ず、一方 0.35 %を越えれば延性を損なうから、 0.05
〜 0.35 %の範囲内とした。
Ti: Tiは鋳塊組織の微細化および晶出化合物の微細化、分
散化に寄与するが、 0.005%未満ではその効果が期待で
きず、一方 0.2%を越えればコスト上昇を招くとともに
鋳造性の低下を招くから、 0.005〜 0.2%の範囲内とし
た。
散化に寄与するが、 0.005%未満ではその効果が期待で
きず、一方 0.2%を越えればコスト上昇を招くとともに
鋳造性の低下を招くから、 0.005〜 0.2%の範囲内とし
た。
B: BはTiと併せて添加することにより、鋳塊結晶粒の微
細化が一層顕著となり、Fe、Siの含有量を低く抑え
た鋳塊の結晶粒の微細化には特に有効であり、したがっ
て第2発明においてBを添加することとした。但しB
が、 0.001%未満ではその効果が少なく、一方Bが 0.1
%を越えれば靭性が低下するから、第2発明におけるB
の添加量は 0.001〜 0.1%の範囲内とした。
細化が一層顕著となり、Fe、Siの含有量を低く抑え
た鋳塊の結晶粒の微細化には特に有効であり、したがっ
て第2発明においてBを添加することとした。但しB
が、 0.001%未満ではその効果が少なく、一方Bが 0.1
%を越えれば靭性が低下するから、第2発明におけるB
の添加量は 0.001〜 0.1%の範囲内とした。
Fe、Si: FeおよびSiはそれぞれMg2Si、Al−Fe−M
n系の晶出化合物を形成し、これらの共晶系の化合物は
大入熱溶接時において熱影響部でマトリックスより先に
溶融してミクロ割れを引起す原因となる。そこでこの発
明ではそれぞれ0.10%未満に規制することとした。なお
Fe量を0.10%未満に規制することは、上述のように大
入熱溶接時の熱影響部でのミクロ割れの防止に有効であ
るばかりでなく、均質化処理時におけるMnの析出を送
らせるため、溶接熱影響部の軟化を抑制するにも有効で
ある。
n系の晶出化合物を形成し、これらの共晶系の化合物は
大入熱溶接時において熱影響部でマトリックスより先に
溶融してミクロ割れを引起す原因となる。そこでこの発
明ではそれぞれ0.10%未満に規制することとした。なお
Fe量を0.10%未満に規制することは、上述のように大
入熱溶接時の熱影響部でのミクロ割れの防止に有効であ
るばかりでなく、均質化処理時におけるMnの析出を送
らせるため、溶接熱影響部の軟化を抑制するにも有効で
ある。
次にこの発明の溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造
方法におけるプロセス条件について説明する。
方法におけるプロセス条件について説明する。
先ず前述のような成分組織となるように、Al−Mg基
合金鋳塊を常法により鋳造し、次いで均質化処理を 460
℃以上 500℃未満の温度で行なう。ここで均質化処理温
度が 500℃以上では、遷移金属系の不溶性化合物の析出
が粗大となって、大入熱溶接時の高温の熱サイクルで熱
影響の結晶粒粗大化および軟化を招き易く、溶接継手部
の強度の確保が困難となり、また不溶性化合物の粗大化
によって熱延後の組織としても微細化が困難となり、大
入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れの発生を充分に防止
できなくなる。一方 460℃未満の温度では均質化の効果
が充分に得られない。したがって鋳塊の均質化処理は 4
60℃以上、 500℃未満の温度で行なう必要がある。なお
均質化処理の保持時間は 5時間〜30時間が好ましい。 5
時間より短かければ均質化の効果が充分に得られず、一
方30時間を越える長い時間処理してもそれ以上の効果は
望めない。
合金鋳塊を常法により鋳造し、次いで均質化処理を 460
℃以上 500℃未満の温度で行なう。ここで均質化処理温
度が 500℃以上では、遷移金属系の不溶性化合物の析出
が粗大となって、大入熱溶接時の高温の熱サイクルで熱
影響の結晶粒粗大化および軟化を招き易く、溶接継手部
の強度の確保が困難となり、また不溶性化合物の粗大化
によって熱延後の組織としても微細化が困難となり、大
入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れの発生を充分に防止
できなくなる。一方 460℃未満の温度では均質化の効果
が充分に得られない。したがって鋳塊の均質化処理は 4
60℃以上、 500℃未満の温度で行なう必要がある。なお
均質化処理の保持時間は 5時間〜30時間が好ましい。 5
時間より短かければ均質化の効果が充分に得られず、一
方30時間を越える長い時間処理してもそれ以上の効果は
望めない。
上述のように均質化処理を 500℃未満、 460℃以上の比
較的低温域で行なうことによって、不溶性化合物の析出
は微細となる。そして続いて熱間圧延を 500℃未満、 3
50℃以上の温度域で行なうことによって、その不溶性化
合物の微細析出がさらに継続・促進されて微細な下部組
織の発達をもたらし、結晶粒形状も均一微細な繊維状組
織となる。このように均一微細な繊維状組織とすること
によって、大入熱溶接時にも粒界に加わる熱応力が分散
され、またそれはがりでなく前述のようにFe、Siの
含有量を少量に抑制することにより共晶化合物の量も低
減されているため、大入熱溶接時に共晶化合物が溶融す
る機会も減り、また不純物であるFe、Sih含有量の
低減によって粒界の高温強度自体も高くなっており、こ
れらが相乗的に作用して大入熱溶接時における熱影響部
でのミクロ割れの発生が有効に防止されるのである。ま
た前述のように不溶性化合物の析出が微細となっている
ため、大入熱溶接時の熱サイクルで熱影響部の結晶粒粗
大化、ひいては軟化を招くおそれが少なく、溶接継手部
の強度を充分に確保することができる。
較的低温域で行なうことによって、不溶性化合物の析出
は微細となる。そして続いて熱間圧延を 500℃未満、 3
50℃以上の温度域で行なうことによって、その不溶性化
合物の微細析出がさらに継続・促進されて微細な下部組
織の発達をもたらし、結晶粒形状も均一微細な繊維状組
織となる。このように均一微細な繊維状組織とすること
によって、大入熱溶接時にも粒界に加わる熱応力が分散
され、またそれはがりでなく前述のようにFe、Siの
含有量を少量に抑制することにより共晶化合物の量も低
減されているため、大入熱溶接時に共晶化合物が溶融す
る機会も減り、また不純物であるFe、Sih含有量の
低減によって粒界の高温強度自体も高くなっており、こ
れらが相乗的に作用して大入熱溶接時における熱影響部
でのミクロ割れの発生が有効に防止されるのである。ま
た前述のように不溶性化合物の析出が微細となっている
ため、大入熱溶接時の熱サイクルで熱影響部の結晶粒粗
大化、ひいては軟化を招くおそれが少なく、溶接継手部
の強度を充分に確保することができる。
なおここで熱間圧延を 500℃未満、 350℃以上の温度で
行なうことは、熱間圧延開始温度を 500℃未満とし、熱
間圧延終了温度を 350℃以上とすることと同義である。
500℃以上の高温で熱間圧延を行なった場合には、上述
のような不溶性化合物が粗大に析出し、ひいては結晶粒
の粗大化を招いて大入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れ
発生防止効果および軟化防止効果が充分に得られず、一
方 350℃未満では熱間圧延が困難となり、したがって熱
間圧延は 500℃未満、 350℃以上の温度域で行なうもの
とした。
行なうことは、熱間圧延開始温度を 500℃未満とし、熱
間圧延終了温度を 350℃以上とすることと同義である。
500℃以上の高温で熱間圧延を行なった場合には、上述
のような不溶性化合物が粗大に析出し、ひいては結晶粒
の粗大化を招いて大入熱溶接時の熱影響部のミクロ割れ
発生防止効果および軟化防止効果が充分に得られず、一
方 350℃未満では熱間圧延が困難となり、したがって熱
間圧延は 500℃未満、 350℃以上の温度域で行なうもの
とした。
なお熱間圧延後は、必要に応じて軟質材(O材)に仕上
げるための仕上焼鈍を 350℃〜 400℃にて 2〜 5時間行
なうのが通常である。
げるための仕上焼鈍を 350℃〜 400℃にて 2〜 5時間行
なうのが通常である。
実施例 第1表に示される成分組織の供試材No.1〜3につい
て、厚さ 500mm、幅1400mmの実生産規模の鋳塊を鋳造
し、同じく第1表中に示す条件で均質化処理および熱間
圧延を行なって厚さ50mm、幅2620mmの大板を製造し、さ
らに 350℃× 5時間の仕上焼鈍を行なって軟質材とし
た。
て、厚さ 500mm、幅1400mmの実生産規模の鋳塊を鋳造
し、同じく第1表中に示す条件で均質化処理および熱間
圧延を行なって厚さ50mm、幅2620mmの大板を製造し、さ
らに 350℃× 5時間の仕上焼鈍を行なって軟質材とし
た。
これらの各軟質材大板から幅 350mm、長さ1000mmの溶接
試験片を切出し、大電流MIG溶接による下向きの両面
1パスの突合せ溶接を行なった。溶接入熱条件は、第2
表中に示すようにFサイドの電流を変えて、「大入
熱」、「中入熱」、「小入熱」の3水準に設定した。各
溶接条件を第2表に示す。また溶加材としてはA518
3−WYの 4.8mmφのものを用い、開先形状はX開先と
した。
試験片を切出し、大電流MIG溶接による下向きの両面
1パスの突合せ溶接を行なった。溶接入熱条件は、第2
表中に示すようにFサイドの電流を変えて、「大入
熱」、「中入熱」、「小入熱」の3水準に設定した。各
溶接条件を第2表に示す。また溶加材としてはA518
3−WYの 4.8mmφのものを用い、開先形状はX開先と
した。
得られた各溶接材につき、余盛削除材および余盛付材の
それぞれの状態で全厚引張り試験を行なって溶接継手と
しての機械的性質を調べるとともに、側曲げ試験を行な
って溶接熱影響部のミクロ割れ発生の有無を調べた。そ
の結果を第3表に示す。なお第3表において「側曲げ試
験でのミクロ割れの有無」は、溶接方向に直角に溶接部
の断面スライス片(肉厚 9mm)の各10枚採取し、曲
げ半径R/t= 3にて 180゜曲げを行ない、溶接熱影響
部に肉眼で観察可能なミクロ割れの発生を調べ、そのミ
クロ割れ発生数を分子として表わした。
それぞれの状態で全厚引張り試験を行なって溶接継手と
しての機械的性質を調べるとともに、側曲げ試験を行な
って溶接熱影響部のミクロ割れ発生の有無を調べた。そ
の結果を第3表に示す。なお第3表において「側曲げ試
験でのミクロ割れの有無」は、溶接方向に直角に溶接部
の断面スライス片(肉厚 9mm)の各10枚採取し、曲
げ半径R/t= 3にて 180゜曲げを行ない、溶接熱影響
部に肉眼で観察可能なミクロ割れの発生を調べ、そのミ
クロ割れ発生数を分子として表わした。
第3表から明らかなように、この発明の成分範囲内の組
成の材料についてこの発明の均質化処理条件、熱延条件
の範囲内で処理した供試材No.1では、溶接電流が大き
い大入熱溶接条件においても、熱影響部のミクロ割れの
発生は認められず、また余盛付溶接継手での引張強度の
低下も少ないことが判明した。
成の材料についてこの発明の均質化処理条件、熱延条件
の範囲内で処理した供試材No.1では、溶接電流が大き
い大入熱溶接条件においても、熱影響部のミクロ割れの
発生は認められず、また余盛付溶接継手での引張強度の
低下も少ないことが判明した。
発明の効果 この発明の溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造方法
によれば、合金鋳塊中の不純物成分であるFe、Siの
含有量をそれぞれ 0.10 %未満に抑制し、かつ均質化処
理を 500℃未満、 460℃以上の温度域で行なってさらに
熱間圧延を 500℃未満、 350℃以上の温度域で行なうこ
とにより、20mm以上の厚肉材について大入熱溶接条件で
溶接した場合でも、熱影響部のミクロ割れ発生を確実に
防止することができるとともに、熱影響部の軟化を最小
限に抑制して余盛付溶接継手部材でもその強度を充分に
確保することができ、したがってこの発明の方法により
得られたAl−Mg基合金厚板を使用することによっ
て、大入熱溶接が施される厚肉溶接構造物の安全性を従
来よりも格段に高めることができる。
によれば、合金鋳塊中の不純物成分であるFe、Siの
含有量をそれぞれ 0.10 %未満に抑制し、かつ均質化処
理を 500℃未満、 460℃以上の温度域で行なってさらに
熱間圧延を 500℃未満、 350℃以上の温度域で行なうこ
とにより、20mm以上の厚肉材について大入熱溶接条件で
溶接した場合でも、熱影響部のミクロ割れ発生を確実に
防止することができるとともに、熱影響部の軟化を最小
限に抑制して余盛付溶接継手部材でもその強度を充分に
確保することができ、したがってこの発明の方法により
得られたAl−Mg基合金厚板を使用することによっ
て、大入熱溶接が施される厚肉溶接構造物の安全性を従
来よりも格段に高めることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】Mg 4.0〜 5.5(重量%、以下同じ)、M
n 0.40 〜 1.0%、Cr 0.05 〜 0.35 %、Ti 0.005
〜 0.2%を含有しかつ残部がAlおよび不可避的不純物
よりなる板厚20mm以上の溶接構造用Al−Mg基合金厚
板を製造するにあたり、 合金鋳塊中における不純物成分としてのFeおよびSi
の含有量をそれぞれ 0.10 %未満に規制し、その鋳塊の
均質化処理を 460℃以上 500℃未満で行なった後、 350
℃以上 500℃未満の範囲内の温度で熱間圧延を行なうこ
とを特徴とする溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造
方法。 - 【請求項2】Mg 4.0〜 5.5%、Mn 0.40 〜 0.1%、
Cr 0.05 〜 0.35 %、Ti 0.005〜 0.2%、B 0.001
〜 0.1%を含有しかつ残部がAlおよび不可避的不純物
よりなる板厚20mm以上の溶接構造用Al−Mg基合金厚
板を製造するにあたり、 合金鋳塊中における不純物成分としてのFeおよびSi
の含有量をそれぞれ 0.10 %未満に規制し、その鋳塊の
均質化処理を 460℃以上 500℃未満で行なった後、 350
℃以上 500℃未満の範囲内の温度で熱間圧延を行なうこ
とを特徴とする溶接構造用Al−Mg基合金厚板の製造
方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10401487A JPH0637699B2 (ja) | 1987-04-27 | 1987-04-27 | 溶接構造用A▲l▼−Mg基合金厚板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP10401487A JPH0637699B2 (ja) | 1987-04-27 | 1987-04-27 | 溶接構造用A▲l▼−Mg基合金厚板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63270446A JPS63270446A (ja) | 1988-11-08 |
| JPH0637699B2 true JPH0637699B2 (ja) | 1994-05-18 |
Family
ID=14369411
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP10401487A Expired - Fee Related JPH0637699B2 (ja) | 1987-04-27 | 1987-04-27 | 溶接構造用A▲l▼−Mg基合金厚板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH0637699B2 (ja) |
Families Citing this family (7)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0328354A (ja) * | 1989-06-26 | 1991-02-06 | Sky Alum Co Ltd | 耐剥離腐食性Al―Mg合金プレートの製造法 |
| JP2602374B2 (ja) * | 1991-07-05 | 1997-04-23 | 昭和アルミニウム株式会社 | 溶接割れを改善した溶接構造用Al合金押出材の製造方法 |
| JP2009138247A (ja) * | 2007-12-10 | 2009-06-25 | Kobe Steel Ltd | 加工硬化特性に優れたAl−Mg系冷間加工用アルミニウム合金押出材 |
| JP6632839B2 (ja) * | 2015-09-07 | 2020-01-22 | 三菱造船株式会社 | アルミニウム合金溶加材及びアルミニウム合金の溶接方法 |
| JP2018199854A (ja) * | 2017-05-29 | 2018-12-20 | 株式会社Uacj | 溶接用アルミニウム合金板及び溶接用アルミニウム合金板製造方法 |
| CN116497251B (zh) * | 2023-06-16 | 2023-10-10 | 中铝材料应用研究院有限公司 | 可减少焊缝液化裂纹的6xxx铝合金板材、其制备方法及应用 |
| CN117385241A (zh) * | 2023-10-16 | 2024-01-12 | 东北轻合金有限责任公司 | 一种含硼lng气储罐用料铝合金及其板材制造方法 |
-
1987
- 1987-04-27 JP JP10401487A patent/JPH0637699B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63270446A (ja) | 1988-11-08 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |