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JPH0639490B2 - 加工が容易な塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents
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JPH0639490B2 - 加工が容易な塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

加工が容易な塩素化塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH0639490B2
JPH0639490B2 JP6452789A JP6452789A JPH0639490B2 JP H0639490 B2 JPH0639490 B2 JP H0639490B2 JP 6452789 A JP6452789 A JP 6452789A JP 6452789 A JP6452789 A JP 6452789A JP H0639490 B2 JPH0639490 B2 JP H0639490B2
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    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、加工が容易な塩素化塩化ビニル系樹脂の製
造方法に関するものである。
(従来の技術) 塩素化塩化ビニル系樹脂(以下、これをCPVCとい
う)は、塩化ビニル系樹脂(以下、これをPVCとい
う)を塩素化して作られる。CPVCは、PVCの長所
と云われる特性を残し、PVCの短所と云われる性質を
改良したものに該るから、PVCに代わつて各方面に広
く使用できる可能性を持つている。ところが、CPVC
は、PVCに比べて加工が容易でないという欠点を持つ
ために、実際にはさほど広く使用されるに至つていな
い。
この関係をさらに詳述すると、次のとおりである。CP
VCはPVCの長所と云われる耐水性、耐薬品性などの
すぐれた性質をそのまま保有している。PVCは熱変形
温度が低いために、60−70℃以上では使用できない
のに、CPVCは、PVCよりも熱変形温度が20−4
0℃だけ高く、従つて100℃近くでも使用することが
できる。だから、CPVCは、耐熱パイプ、耐熱継手、
耐熱バルブなどを作るのに用いることができる。また、
CPVCは、寸法安定性と難燃性などの点でPVCより
もすぐれているので、近年はフロピーデイスクジヤツケ
ツトや、銘板、絶縁シート等に用いられるようになつ
た。
ところが、CPVCを用いて実際に銘板や絶縁シートを
作ろうとすると、加工が容易でないために、実用が制約
される。加工が容易でないのは、第1にCPVCが熱安
定性に乏しく、加熱されると分解しやすいからであり、
第2に加熱下に混練しようとすると、CPVCが金属表
面に粘着し、金属表面から容易に剥がれないものだから
である。熱安定性は、安定剤を添加することにより或る
程度改良することができ、他方、金属からの剥離性は滑
剤の添加により或る程度改良できる。しかし、何れも抜
本的な改良をもたらすことができなかつた。なぜなら
ば、充分な熱安定性や剥離性を与えようとすると、多量
の安定剤や滑剤を添加しなければならないことになり、
多量の安定剤や滑剤を添加すると、却つてCPVCの熱
変形温度を低下させるなど、CPVCの特性を低下させ
ることになるからである。そこで、CPVCの特性を低
下させないで、熱安定性と剥離性を向上させ、これによ
つて加工の容易なCPVCの提供が要望された。
熱安定性の良好なCPVCの製造方法は、特開昭63−
122715号公報に開示されている。この方法は、エ
チレン系重合体の存在下に、塩化ビニルを懸濁重合させ
て、エチレン系重合体を含んだPVCを作り、次いで得
られたPVCを塩素化してCPVCとすることを特徴と
している。但し、ここでは、エチレン系重合体として平
均分子量が5000以下のものを用い、また分散剤とし
て実質的にセルロース誘導体のみを用いることが必要と
されている。この方法によれば、確かに熱安定性の良好
なCPVCを得ることができる。ところが、この方法に
よつては剥離性の良好なCPVCを得ることができる。
(発明が解決しようとする課題) この発明は、熱安定性が良好であるとともに、金属から
の剥離が容易で、従つて加工が容易なCPVCを提供し
ようとしてなされたものである。すなわち、この発明
は、従来のCPVCが持つていた長所をそのまま保留
し、その上で熱安定性と剥離性とが良好で、従つて加工
が容易なCPVCを提供しようとしてなされたものであ
る。
(課題解決のための手段) この発明者は、上述の課題を解決しようとして、CPV
Cの性質改良を種々の角度から検討した。その結果、こ
の発明者は、特開昭63−122715号が開示してい
る方法において、エチレン系重合体の代わりにプロピレ
ン系重合体を用いることとして、プロピレン系重合体の
存在下に塩化ビニルを重合させ、こうして得られたPV
Cを塩素化すると、ここに意外にも剥離性の良好なCP
VCの得られることを見出した。エチレン系重合体の存
在下では剥離性が向上しないのに、プロピレン系重合体
の存在下では剥離性が向上するという結果は、全く意外
であつた。この発明は、このような発見と確認とに基づ
いて完成されたものである。
(発明要旨) この発明は、平均分子量が10,000以下のプロピレン重合
体の粉末と、塩化ビニル単量体とを水性媒体中に分散さ
せ、分散した状態で塩化ビニル単量体を重合させてプロ
ピレン重合体を0.03ないし3重量%含んだ塩化ビニル系
樹脂を作り、次いで得られた塩化ビニル系樹脂を塩素化
することを特徴とする、加工が容易な塩素化塩化ビニル
系樹脂の製造方法を要旨とするものである。
この発明は、PVCを作るために塩化ビニルを重合させ
る工程において、プロピレン系重合体を存在させること
を特徴としている。プロピレン系重合体は、平均分子量
が10,000以下のものであることを必要としている。
このプロピレン重合体は塩化ビニル単量体100重量部に
対し、0.03ないし3重量部とする。そのうちでも好まし
いのは、0.05ないし1.0重量部である。このプロピレン
重合体は粉末として用いることが必要とされる。これ
は、塩化ビニル単量体中に均一に分散されるために必要
とされることである。塩化ビニル中に均一に分散されて
おれば、分散されたプロピレン重合体は、全量がそのま
ま塩化ビニル単量体と重合し、ここに加えたプロピレン
重合体がすべて含まれている塩化ビニル系樹脂が得られ
る。
ここで、プロピレン重合体の量を0.03ないし3重量部と
したのは、実験の結果に基づいている。すなわち、プロ
ピレン重合体の量を0.03重量部未満としたのでは、プロ
ピレン重合体が少量過ぎて、得られるCPVCが満足な
金属剥離性と熱安定性とを示さないからであり、逆にプ
ロピレン重合体の量を3重量部を越える量としても、3
重量部を加えた場合と金属剥離性並びに熱安定性が大き
く変わらないからであり、またゲル化しにくくなるから
である。
また、プロピレン系重合体の分子量を10,000以下に限定
した理由も、実験の結果に基づいている。すなわち、プ
ロピレン系重合体として分子量が10,000以下のものを用
いた場合には、これから得られたCPVCが良好な金属
剥離性を示すが、分子量10,000以上のものを用いた場合
には、CPVCが良好な金属剥離性を示すに至らないか
らである。なお、この発明者が平均分子量を定めるに用
いた方法は、GPC法、すなわち、ゲルパーミエーシヨ
ンクロマトグラフ法である。
プロピレン系重合体は、重量で20%以下の他の単量体
を含んでいてもよい。他の単量体としては、水酸基、カ
ルボキシル基、ケトン基、エポキシ基を持つたのが使用
できる。
この発明では、CPVCの原料であるPVCを作るにあ
たり、水性媒体を用いるが、この場合の水性媒体として
は、水だけに限らない。例えば、メチルアルコール、エ
チルアルコールのような水と混合し得る有機液体を水に
加えたものを用いることができる。そのほか、水に不溶
の有機液体を水に加えたものを用いることができる。水
に不溶の有機液体とは、クロロホルム、四塩化炭素のよ
うなハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエンのよう
な芳香族炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソ
ブチルケトンのようなエーテル類である。
プロピレン重合体と塩化ビニル単量体とを水性媒体中に
分散させるには、分散剤を用いるのが好ましい。分散剤
としては、今まで水性媒体中で塩化ビニル単量体を重合
させる際に用いられて来た各種の分散剤を用いることが
できる。そのうちで好ましいのは、セルロース誘導体で
ある。例を挙げれば、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルセルロース等のセルロースエーテル類を用いるのが好
ましい。これらのセルロースエーテル類は単独で、又は
混合して用いることができる。その使用量は、重合すべ
き単量体に対して0.01ないし2重量部の割合とすること
ができる。
水性媒体中に加える順序は、格別限定されない。しか
し、好ましいのは、水性媒体にまず分散剤を加え、次い
でプロピレン重合体を加え、その後に塩化ビニル単量体
を加圧下に加える順序である。このとき、単量体として
は、塩化ビニル単量体を主体とするが、塩化ビニルと共
重合し得る他の単量体を少量添加してもよい。この場
合、他の単量体は重量で塩化ビニル単量体に対し20%
以下とする。
他の単量体としては、エチレン、プロピレンのようなα
−オレフイン類、酢酸ビニルのようなビニルエステル
類、セチルビニルエーテルのようなビニルエーテル類、
2−エチルヘキシルアクリレート、ブチルメタクリレー
トのようなアクリレート、メタクリレート類、フエニル
マレイミド、シクロヘキシルマレイミドのようなN−置
換マレイミド類、塩化ビニリデン等を用いることができ
る。そのほか、他の単量体の代わりに、例えば、エチレ
ン−酢酸ビニル共重合体のような重合体を存在させて、
これに塩化ビニル単量体をグラフト重合させて得られた
グラフト重合体を用いることもできる。
塩化ビニル単量体を重合させるには、重合開始剤を用い
る。重合開始剤としては、塩化ビニルの重合用触媒とし
て既に知られたものを用い、これを公知の方法に従つて
加える。詳述すれば、塩化ビニル単量体を懸濁重合法に
よつて重合させようとする場合には、油溶性の重合開始
剤を用い、乳化重合法によつて重合させようとする場合
には、水溶性の重合開始剤を用いる。油溶性の重合開始
剤の例は、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパー
オキサイド、2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネ
ートのような有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリ
ルのようなアゾ化合物である。水溶性の重合開始剤の例
は、アセチルパーオキサイド、過硫酸カリウム等であ
る。重合開始剤の量は、重合すべき単量体総量に対し、
0.01ないし0.5重量%とする。
この発明では、重合の際に連鎖移動剤を存在させること
が望ましい。連鎖移動剤としては、油溶性のもの、とく
にメルカプト系の化合物を用いるのが好ましい。それは
実験の結果から知り得た事実である。すなわち、メルカ
プト系の化合物を存在させると、得られたものが熱安定
性にすぐれたものとなる。メルカプト系の化合物として
は、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、メ
カプトエタノール、オクチルチオグリコレート、ペンタ
エリスリトールテトラキス(チオグリコレート)等が好
結果をもたらす。これらのものの添加量には格別の限定
がないが、重合すべき単量体100重量部に対して、0.
03〜0.3重量部とするのが好ましい。
この発明において、PVCを製造する好ましい操作は、
次のとおりである。まず、容器としてはオートクレーブ
を用い、これに水性媒体を入れ、次いで分散剤とプロピ
レン系重合体の粉末とを入れる。その後オートクレーブ
内を真空脱気して酸素を除き、次いで塩化ビニル単量体
を入れる。その後重合開始剤と連鎖移動剤とを加え、加
熱して重合を促進させる。こうして、オートクレーブ内
を数時間一定温度の高温に維持して重合を完結させる。
この発明では、重合が完結したあとは、従来方法に従つ
て重合体を取り出し、次いで得られた重合体を従来方法
に従つて塩素化する。塩素化は、懸濁状態でも、溶液状
態でも、固塊状態でもこれを行うことができる。懸濁状
態で塩素化を行うには、PVCを水中に分散させ、これ
に塩素を通じて塩素化する。このとき、紫外線を照射し
て塩素化を促進させることもできる。また、このとき水
中に少量のアセトン、メチルエチルケトン等のケトン類
や、クロロホルム、四塩化炭素等の塩素化炭化水素溶媒
を加えてもよい。また、必要に応じて塩酸を加えてもよ
い。塩素化の程度は、得られたCPVCが60−70重
量%の塩素を含むようにするのが好ましい。
(発明の効果) この発明によれば、平均分子量が10,000以下のプロピレ
ン重合体の粉末と、塩化ビニル単量体とを水性媒体中に
分散させた状態で塩化ビニル単量体を重合させ、プロピ
レン重合体を0.03ないし3重量%含んだPVCを作り、
次いでこうして得られたPVCを塩素化してCPVCと
するので、得られたCPVCは、これを加熱したとき良
好な熱安定性を示し、さらに金属表面から剥離しやすい
ものとなり、従つて加工し易いものとなつている。だか
ら、多量の熱安定剤を用いないで加工でき、また多量の
滑剤を添加しないで容易に加工することができる。従つ
て、無色透明の良質なCPVC成形体を容易に作ること
ができる。さらに、こうして得られたCPVC成形体
は、CPVCの良好な特性をそのまま保持しているか
ら、PVCの示す耐熱性の不足を補ない、寸法安定性が
一層良好なものとなつている。従つて、PVCの欠点を
改良したものとして、PVCよりもさらに広い用途に向
く特性を備えたものとなつている。この発明は、このよ
うにすぐれたCPVCを提供する点で、大きな利益を与
えるものである。
以下に実施例と比較例とを挙げて、この発明の詳細を述
べ、併わせてこの発明のすぐれている点を具体的に説明
する。
なお、実施例と比較例とにおいて、単に部というのは重
量部を表わし、またそこに示されている熱安定性と金属
剥離性とは、次の試験方法によつて測定した結果を示し
ている。
まず、熱安定性は、CPVCの加工にあたつて通常用い
られている添加剤を加えて配合物とし、この配合物を一
定時間加熱ロールで練り、その後配合物をロールからシ
ートとして取り出し、これを加熱プレスして板とし、こ
の板の着色度を標準板と比べて着色度を調べ、これを熱
安定性の評価とした。さらに具体的に云えば、配合物は
次の成分を次の割合で混合して作つた。
CPVC 100部 強化剤(メチルメタクリレ-ト・ブタジエン・スチレン共重合体、鐘渕化学社
製、カネエ-ス B-11A) 10部 安定剤(オクチル錫メルカプト、日東化学社製、 TUS#8831) 1.5部 安定剤(オクチル錫マレ-トポリマ-、日東化学社製、 TUS#8813) 0.5部 滑剤(グリセリンモノステアレ-ト、日本油脂社製、モノグリ MB) 1.5部 滑剤(ステアリン酸、川研フアインケミカル社製、 F-3) 1.0部 この配合物を8インチロールに加え、ロール温度190
℃で3分間混練してのち、シートとして取り出し、これ
を一定の大きさに切断し、切断物を重ね合わせて、これ
を7分間200℃の熱プレスに入れて加圧加熱し、その
後冷却してプレス板として取り出した。このプレス板を
標準白板と比べて黄色度差(△YI)を測定し、これを
初期着色性として評価した。
熱安定性を測定するもう1つの方法は、上記の配合物を
62.5g秤量し、これを180℃に保たれた部屋内に入れ
3分間予熱したのち、ローター回転数40r.p.mで配合
し、配合物が分解するまでの時間を測定した。
また、金属剥離性は、上記配合物を8インチロールに入
れ210℃で混練し、ロールの表面からこの混練物が剥
離しなくなるまでの時間を測定し、この時間の長短によ
り評価した。
実施例1 (PVCの製造) この実施例では平均分子量が3000のプロピレン重合
体が0.13部含まれているPVCを用いた。その詳細は次
のとおりである。
まず、オートクレーブに脱イオン水200部と、分散剤
としてヒドロキシプロピルメチルセルロース(信越化学
社製、メトロース、90SH100) 0.08部と、平均分子量が3000のプロピレン重合体の
0.13部とを入れ、オートクレーブ内の酸素を減圧除去し
てのち、オートクレーブ内に塩化ビニル単量体100部
と、重合開始剤としてジラウロイルパーオキサイド(日
本油脂社製、パーロイルL)0.03部を投入した。
オートクレーブを64℃に加熱し、この温度に6時間保
持して重合を行い、その後直ちに冷却してPVCを得
た。このPVCは、平均重合度が800であり、その中
にプロピレン重合体を0.2重量%の割合で含有してい
た。
(CPVCの製造) オートクレーブに脱イオン水500部と、上記PVC1
00部を入れ、水銀灯の照射下に6時間塩素ガスを通し
て、CPVCを得た。このCPVCは、塩素含有量が65
重量%であつた。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が28であつて初期着色
性にすぐれていた。また、分解時間は1050秒であつ
て長かつた。従つて、このCPVCは、熱安定性にすぐ
れていると認められた。
金属ロールから剥離できなくなるまでの時間は20分で
あつて、長時間にわたつて剥離可能であり、従つて、良
好であると認められた。
実施例2 この実施例は、実施例1に比べて、PVCの製造方法を
一部変更した以外は、実施例1のとおりにした。
(PVCの製造) 実施例1に比べて変更した点は、PVCの重合に際し、
連鎖移動剤としてn−ドデシルメルカプタン0.06部を加
え、重合開始剤としてのジラウロイルパーオキサイドの
量を増加して0.06部を使用し、重合温度を僅かに下降さ
せて61℃とし、重合時間を僅かに長くして7時間とし
た、という点だけである。
こうして、平均重合度が800であり、プロピレン重合
体が0.2重量%含まれているPVCを得た。
(CPVCの製造) このPVCを実施例1と全く同様にして塩素化し、CP
VCを得た。このCPVCは塩素含有量が65重量%で
あつた。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が31であつて初期着色
性にすぐれていた。また、分解時間は1150秒で長か
つた。従つて、このCPVCは熱安定性が良好であると
認められた。
金属ロールから剥離可能な時間は23分であり、従つて
金属剥離性は良好であると認められた。
実施例3 この実施例は、実施例1に比べて、PVCの製造方法を
一部変更しただけで、それ以外は実施例1のとおりに実
施した。
(PVCの製造) 実施例1に比べて変更した点は、連鎖移動剤としてメル
カプトエタノール0.04部を加え、重合開始剤としてのジ
ラウロイルパーオキサイドの量を増加して0.06部使用
し、重合温度を僅かに下降させて61℃とし、重合時間
を僅かに長くして7時間とした、という点だけである。
こうして、平均重合度が800であり、プロピレン重合
体が0.2重量%含まれているPVCを得た。
(CPVCの製造) このPVCを実施例1と全く同様にして塩素化し、CP
VCを得た。このCPVCは塩素含有量が65重量%であ
つた。
(評価) 得られたCPVCは黄色度差が28であつて、初期着色
性にすぐれていた。また、分解時間は1050秒で長か
つた。金属表面からの剥離可能な時間は21分であつ
た。従つて、熱安定性も金属剥離性も良好であると認め
られた。
実施例4 この実施例は、実施例3に比べると、平均分子量の異な
るプロピレン重合体を用いた点で異なるに過ぎない。従
つて、この実施例は、実施例1に比べると、PVCの製
造方法が異なるだけであつた。
(PVCの製造) 実施例1に比べて異なる点は、プロピレン重合体として
平均分子量が9,000のものを0.13部添加し、連鎖移動剤
としてメルカプトエタノール0.04部を加え、重合開始剤
としてジラウロイルパーオキサイドの量を増加して0.06
部使用し、重合温度を僅かに下降させて61℃とし、重
合時間を僅かに長くして7時間とした、という点だけで
ある。こうして、平均重合度が800であり、プロピレ
ン重合体が0.2重量%含まれているPVCを得た。
(CPVCの製造) このPVCを実施例1と全く同様に塩素化して、CPV
Cを得た。このCPVCは塩素含有量が65重量%であ
つた。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が27であり、初期着色
性にすぐれ、分解時間が1000秒であつて長時間安定
であつた。また、金属表面から剥離可能な時間は22分
であつた。従つて、熱安定性も金属剥離性も良好である
と認められた。
比較例1 この比較例は、プロピレン重合体を使用していないとい
う点で、実施例1と異なるだけで、それ以外は実施例1
と全く同様に実施した。
(PVCの製造) プロピレン重合体を使用しないこととした以外は、実施
例1と全く同様に実施して、平均重合度が800のPV
Cを得た。
(CPVCの製造) このPVCを実施例1と全く同様に塩素化し、塩素含有
量が65重量%のCPVCを得た。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が32であり、初期着色
性は良好であつたが、分解時間が600秒で短かく、従
つて熱安定性は劣ると認められた。また、金属からの剥
離可能な時間は、16分であつて短かく、従つて金属剥
離性が劣ると認められた。従つて、熱安定性も剥離性も
劣り、加工性が悪いと認められた。
比較例2 この比較例は、PVCの製造工程を比較例1と同様に、
プロピレン重合体を使用しないで行ない、得られたPV
Cを塩素化する工程で平均分子量が3000のプロピレ
ン重合体を0.2部添加して塩素化し、CPVCを得た。
(PVCの製造) プロピレン重合体を使用しないこととした以外は、実施
例1と全く同様に実施して平均重合度が800のPVC
を得た。
(CPVCの製造) このPVC100部と、平均分子量が3000のプロピ
レン重合体0.2部とを、脱イオン水500部に分散し、
水銀灯の照射下に6時間塩素化して、CPVCを得た。
このCPVCは塩素含有量が65重量%であつた。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が34であり、初期着色
性に劣り、分解時間が850秒で短かく、従つて熱安定
性が劣ると認められた。また、金属ロールから剥離可能
な時間は18分であつて短かく、従つて金属剥離性が劣
ると認められた。従つて、熱安定性も剥離性も劣り、加
工性が悪いと判断された。
比較例3 この比較例は、PVCの製造工程では比較例1及び2と
同様に、プロピレン重合体を使用しないで行ない、得ら
れたPVCを実施例1と同様に塩素化してCPVCを得
た。得られたCPVCに安定剤等を加えて配合物とする
過程で、平均分子量が3000のプロピレン重合体を0.
2部添加し、この配合物について熱安定性と金属剥離性
とを測定した。
(PVCの製造) プロピレン重合体を使用しないこととした以外は、実施
例1と全く同様に実施して、平均重合度が800のPV
Cを得た。
(CPVCの製造) このPVCを実施例1と全く同様に塩素化し、塩素含有
量が65重量%のCPVCを得た。
(評価) このCPVCに安定剤、滑剤等を加えて配合物とする際
に、CPVC100部に、平均分子量が3000のプロ
ピレン重合体を余分に加えた。こうして得られた配合物
について熱安定性と金属剥離性とを測定した。
黄色度差は32であつたが、分解時間が600秒と短か
かつたので、熱安定性は劣ると認められた。また、金属
剥離性は、剥離時間が18分と短かかつたので、劣ると
認められた。従つて、加工性は劣ると認められた。
比較例4 この比較例は、特開昭63−122715号公報の教示
に従つて実施したものである。すなわち、実施例1にお
いて、プロピレン重合体の代わりにエチレン重合体を用
い、エチレン重合体の存在下に塩化ビニル単量体を重合
させて、PVCとしこれを塩素化して、CPVCとした
のである。
(PVCの製造) プロピレン重合体を使用しないで、代わりに平均分子量
が4000のエチレン重合体0.13部を添加することとし
た以外は、実施例1と全く同様に実施してPVCを得
た。得られたPVCは、平均重合度が800で0.2重量
%のエチレン重合体を含んでいた。
(CPVCの製造) このPVCを実施例1と全く同様に塩素化し、塩素含有
量が65重量%のCPVCを得た。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が35であつて、やや大
きかつたが、分解時間が1050秒と大きかつたので、
熱安定性は良好と認められた。ところが、金属からの剥
離可能な時間が18分であつてやや短かかつたので、金
属剥離性は劣ると認められた。従つて、加工性は劣ると
認められた。
このように、エチレン重合体を用いたのでは金属剥離性
が向上しないが、この発明のようにプロピレン重合体を
用いると金属剥離性が向上することは、全く意外なこと
である。
比較例5 この比較例は、実施例1に比べて、プロピレン重合体の
含有量を減らし、この発明で規定する範囲外として実施
した。
(PVCの製造) 実施例1と同様に実施したが、ただプロピレン重合体の
添加量を減らし、塩化ビニル単量体100部に対し、プ
ロピレン重合体の添加量を0.013部とした点で、異なる
こととした。
得られたPVCは、平均重合度が800で、0.02重量%
のプロピレン重合体を含んでいた。従つて、このPVC
は、プロピレン重合体含有量が、この発明の規定すると
ころから外れていた。
(CPVCの製造) このPVCを実施例1と全く同様にして塩素化し、CP
VCを得た。このCPVCは、塩素含有量が65重量%
であつた。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が32でやや大きく、ま
た分解時間が700秒であつて短かかつたので、熱安定
性が劣ると認められた。また、金属からの剥離可能な時
間が16分であつて短かかつたので、金属剥離性は劣る
と認められた。従つて、熱安定性も金属剥離性も劣ると
認められ、加工性が劣ると判断された。
実施例5 この実施例は、比較例5に比べると、プロピレン重合体
の添加量を増して、この発明の規定する範囲内のプロピ
レン含有量としたが、実施例1に比べると、プロピレン
重合体の添加量を減じて実施した。
(PVCの製造) 実施例1と同様に実施したが、ただプロピレン重合体の
添加量を減らして、塩化ビニル単量体100部に対し、
プロピレン重合体の添加量を0.07部とした点で、異なる
ようにして実施した。
得られたPVCは平均重合度が800で、0.1重量%の
プロピレン重合体を含んでいた。
(CPVCの製造) このPVCを実施例1と全く同様にして塩素化し、CP
VCを得た。このCPVCは、塩素含有量が65重量%
であつた。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が30であつて小さく、
また分解時間が1000秒であつて長かつたので、熱安
定性は良好と認められた。また、金属からの剥離可能な
時間が20分であつてやや長かつたので、金属剥離性は
良好と認められた。従つて加工性は良好と判断された。
実施例6 この実施例は、プロピレン重合体の添加量を変えて実施
した。すなわち、用いたプロピレン重合体の平均分子量
は同じであるが、添加量を実施例1よりも遥かに多くし
て、実施した。
(PVCの製造) 実施例1と同様に実施したが、ただプロピレン重合体の
添加量を減らして、塩化ビニル単量体100部に対し、
プロピレン重合体の添加量を1.0部とした点で異なるだ
けとして実施した。
得られたPVCは平均重合度が800で、1.5重量%の
プロピレン重合体を含んでいた。
(CPVCの製造) 得られたPVCを実施例1と全く同様にして塩素化し、
CPVCを得た。このCPVCは塩素含有量が65重量
%であつた。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が28であつて小さく、
また分解時間が1200秒であつて長かつたので、熱安
定性は良好と認められた。また、金属からの剥離可能な
時間が23分であつて長かつたので、金属剥離性は良好
と認められた。従つて、加工性は良好と評価された。
実施例7 この実施例は、平均重合度の低いPVCを得て、これを
塩素化した。そのために、この実施例は、実施例1に比
べて分散剤と重合開始剤との使用量を増し、連鎖移動剤
を使用し、重合温度を高め、重合時間を長くして、平均
重合度の低いPVCを得ることとした。
(PVCの製造) 実施例1において、分散剤たるヒドロキシプロピルメチ
ルセルロースの使用量を増して、0.12部とし、連鎖移動
剤としてn−ドデシルメルカプタン0.04部を添加し、ま
た重合開始剤としてのジラウロイルパーオキサイドの使
用量を増して0.06部とし、重合温度を70℃、重合時間
を7時間とした以外は、実施例1と全く同様にしてPV
Cを得た。
得られたPVCは、平均重合度が600で、0.2重量%
のプロピレン重合体を含んでいた。
(CPVCの製造) 得られたPVCを実施例1と全く同様に塩素化して、C
PVCを得た。このCPVCは、塩素含有量が65重量
%であつた。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が37と大きかつたが、
分解時間は1800秒であつて長時間であつたので、熱
安定性は良好と認められた。また、金属からの剥離可能
な時間は35分であつて、長かつたので、金属剥離性は
良好と認められた。従つて、加工性は良好と評価され
た。
比較例6 この比較例は、プロピレン重合体を用いないで、実施例
7と同じように平均重合度の低いPVCを得て、これを
塩素化してCPVCを得た。
(PVCの製造) 実施例1を基準として、これに一部変更を加えて実施し
た。変更を加えたのは、分散剤たるヒドロキシプロピル
メチルセルロースの使用量を増して0.12部とし、プロピ
レン重合体を用いないこととし、重合温度を高めて72
℃とした点だけであつて、それ以外は実施例1と全く同
様に実施した。得られたPVCは、平均重合度が600
であつた。
(CPVCの製造) 得られたPVCを実施例1と全く同様にして塩素化して
CPVCを得た。このCPVCは塩素含有量が65重量
%であつた。
(評価) 得られたCPVCは、黄色度差が36であつてやや大き
く、分解時間が950秒であつて短かかつたので、熱安
定性が劣ると認められた。他方、金属からの剥離可能な
時間は24分で長時間であつたので、金属剥離性は良好
と認められた。しかし、熱安定性が劣るので、加工性は
全体として劣ると評価された。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均分子量が10,000以下のプロピレ
    ン重合体の粉末と、塩化ビニル単量体とを水性媒体中に
    分散させ、分散した状態で塩化ビニル単量体を重合させ
    てプロピレン重合体を0.03ないし3重量%含んだ塩化ビ
    ニル系樹脂を作り、次いで得られた塩化ビニル系樹脂を
    塩素化することを特徴とする、加工が容易な塩素化塩化
    ビニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】水性媒体中に連鎖移動剤としてメルカプト
    化合物を加えて塩化ビニル単量体を重合させることを特
    徴とする、特許請求の範囲第1項に記載する方法。
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