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JPH0653773B2 - ポリビニルアルコ−ル系フイルム - Google Patents
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JPH0653773B2 - ポリビニルアルコ−ル系フイルム - Google Patents

ポリビニルアルコ−ル系フイルム

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JPH0653773B2
JPH0653773B2 JP61063087A JP6308786A JPH0653773B2 JP H0653773 B2 JPH0653773 B2 JP H0653773B2 JP 61063087 A JP61063087 A JP 61063087A JP 6308786 A JP6308786 A JP 6308786A JP H0653773 B2 JPH0653773 B2 JP H0653773B2
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寿昭 佐藤
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Description

【発明の詳細な説明】 A.産業上の利用分野 本発明はポリビニルアルコール系フイルムに関する。さ
らに詳しくは、柔軟性の改良された、かつ透明性も良好
であり、耐水性にも優れたポリビニルアルコール系フイ
ルムに関する。
(但し本発明でいう所のフイルムとは、厚さ5mm以下の
シート状物を含むものである。) B.従来の技術 ビニルエステル、特に酢酸ビニルを重合けん化したポリ
ビニルアルコール(以下、PVAと略記する。)系フイ
ルムは、そのすぐれた機械的性質に加え、印刷性が良
い、透明性が良い等の優れた特性の為、包装用、離型
用、農業用、産業資材用、水溶性フイルム用等に広く用
いられており、とりわけ包装用フイルムとして賞用され
ている。また通常の使用状態では吸湿しているために帯
電性がなく、静電気によるほこり等の付着が少なく包装
の外観の悪化が少ないという優れた特徴を持つている。
さらに適当な可塑剤(しばしばグリセリンが用いられ
る。)で柔軟化されたPVA系フイルムは、きわめてし
なやかで包装体が他のものとぶつかつたり、人が手で触
れてもパリパリ、チイラチヤラという不快な音が発生せ
ず、また触感が非常に良いので、包装体に高級なイメー
ジを与えることに成功している。
またPVA系フイルムは、空気中の水分を吸い、この水
がPVA系フイルムの可塑剤として働くという性質を持
つているのであるが、吸湿量が空気中の湿度に応じて変
化するために、PVA系フイルム単独では湿度によつて
フイルムの柔軟性が変化するという性質を有している。
特に低湿度下では吸湿量が減少して硬くもろくなるとい
う欠点がある。また、温度低下によつてもフイルムが硬
くなる傾向があるので、冬期の低湿度時には相乗効果に
よつて、フイルムが硬くもろくなり、包装用フイルムと
して用いた場合、フイルムの割れ等の問題が生しやすく
なる。したがつてPVA系フイルムはそれ単独では包装
用フイルムとしては使用に耐えない。
この点を改善するために、従来はグリセリン等の多価ア
ルコールを可塑剤として添加する方法が取られてきた。
適量の可塑剤の添加により、冬期の低湿度時でも充分に
柔軟で、使用にたえるPVA系フイルムが得られ、広範
に実用化されている。
しかしながら、このように可塑剤の添加により初期の柔
軟化は達成されうるのであるが、経時的に可塑剤の含量
が減少するという問題のために、長期間使用した場合、
可塑剤含量が低下してしまい、冬期の低湿度下での柔軟
性の不足によるフイルムの割れ、ひび等のトラブルが発
生することが多かつた。経時的に可塑剤の含量が低下す
る原因は明確ではないが、可塑剤のフイルム表面へのブ
リード、揮発、フイルムと内容物あるいは他の物品との
接触による可塑剤の移行などが考えられる。
近年、このPVA系フイルムの可塑剤含量低下の問題に
ついての改良が強く望まれており、可塑剤無添加でも柔
軟なPVA系フイルムや可塑剤含量の経時的低下のない
PVA系フイルムを開発することが急務であつた。
特に水溶性フイルムの分野を除くフイルム用途、例えば
一般包装用フイルムの場合、優れた耐水性が要求され、
このためPVA系フイルムとしては高結晶性である高ケ
ン化度PVAが用いられているが、高ケン化度PVAは
高結晶性であるがゆえに、可塑剤との相溶性が不十分で
あり、かつ可塑剤による可塑化効果も結晶性により弱め
られている。したがつて冬期の低湿度時での柔軟性を確
保するためには多量の可塑剤が必要となり、可塑剤と高
ケン化度PVAとの相溶性の悪さから、気候の変化によ
る乾湿、冷暖繰り返しによつて、可塑剤のブリードがお
こり、可塑剤含有の低下がはなはだしくなると考えられ
る。
この問題点を解決するために従来より種々の工夫が試み
られているが、いまだ満足の行く解決策が見いだされて
いないのが現状である。例えば、高ケン化度PVAとよ
り相溶性の良い可塑剤の探索の試みは成功しておらず、
従来公知の多価アルコール系可塑剤が今のところ最良で
ある。また、可塑剤との相溶性を増すために、ケン化度
を下げたり、あるいは多量の共重合変性を行なつてPV
Aの結晶性を乱す方法が考えられるが、この場合、確か
に可塑剤との相溶性は向上するのであるが、結晶性が乱
されたためにPVA系フイルムの耐水性が失なわれ、ま
た強度の低下が大きい等、実用性を欠くものである。
本発明者はこの耐水性及び強度の確保(即ち高結晶性)
と可塑剤との良好な相溶性(即ち低結晶性)という相矛
盾する問題を解決するために、高結晶性PVAと低結晶
性PVAを混合使用する方法を考え、鋭意検討したが、
しかしながら低結晶性PVAとして、低ケン化度PVA
や、従来公知の各種高変性PVAを用いたのでは、高結
晶性PVA(即ち高ケン化度PVA)との相溶性が悪く
PVA系重合体同士の相分離が起こつてフイルムが白濁
し、透明感が損われ、実用性を欠く場合がほとんどであ
つた。
C.発明が解決しようとする問題点 この様な状況下、本発明は、可塑剤無添加でもそれ自体
で柔軟なPVA系フイルム、また必要に応じて可塑剤を
併用する場合においては、可塑剤含量の経時的低下の実
質的にない、PVA系フイルムを提供せんとするもので
ある。
D.問題点を解決する為の手段 本発明者は上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、 (a) 下記の構造単位〔A〕の含量が0.5〜50モル%、
〔B〕の含量が0〜20モル%、〔C〕の含量が50〜
99.5モル%及び〔D〕の含量が0〜30モル%であ
る重合体Iの1〜50重量部、 及び、 (b) 下記の構造単位〔C〕の含量が95〜100モル%及び
〔D〕の含量が0〜5モル%である重合体IIの50〜9
9重量部、 から成ることを特徴とするPVA系フイルムは、可塑剤
無添加でもそれ自体で柔軟な、かつ透明性も良好で、耐
水性にも優れたPVA系フイルムであり、また必要に応
じて可塑剤を併用する場合においては、それ自身が柔軟
であるため、従来のPVA系フイルムに比べより少ない
可塑剤量で良いという利点を有するとともに、可塑剤と
の相溶性が優れている為、可塑剤含量の経時的低下の実
質的にない、また透明性にも耐水性にも優れたPVA系
フイルムであることを見出し、本発明を完成させたもの
である。
(但しR1はH又は炭素数1〜10の炭化水素基を表わ
す。) (但しR2はH又は炭素数1〜10の炭化水素基を表わ
す。) 本発明において用いられ、上記の構造単位〔A〕〜
〔D〕を含む重合体I及び構造単位〔C〕、〔D〕を含
む重合体IIにおいて、構造単位〔B〕は具体的にはギ酸
アリル、酢酸アリル、プロピオン酸アリル等があげられ
る。構造単位〔D〕は具体的にはギ酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル等があげられる。このうち構造
単位〔B〕としては酢酸アリル単位が、構造単位〔D〕
としては酢酸ビニル単位がより好ましい構造単位であ
る。
重合体Iは構造単位〔A〕〜〔D〕よりなるのである
が、〔A〕の含量は0.5〜50モル%、望まんくは5〜3
0モル%である。〔A〕の含量が低過ぎる場合にはフイ
ルムの柔軟化効果や可塑剤の経時的含量低下の防止効果
が不充分である。また、重合体Iの構造単位〔B〕及び
〔D〕の含量はそれぞれ20モル%以下、及び30モル
%以下であり、より望ましくは〔B〕と〔D〕の含量の
和で5モル%以下である。〔B〕及び〔D〕の含量がそ
れぞれ20モル%、及び30モル%より多い場合には、
重合体Iのフイルム化の際の水への溶解性が不良とな
り、製膜性が悪化するので好ましくない。
重合体IIは、上記の構造単位〔C〕及び〔D〕から成る
従来公知のPVAであるが、本発明においては、とりわ
け〔C〕の含量が95モル%以上であることが必須であ
る。〔C〕の含量が95モル%より少ない場合には、重
合体I及びIIを用いて得られるPVA系フイルムの耐水
性が極めて不良であり、例えば、一般の包装用フイルム
として到底実用的に供し得ないものである。この意味
で、〔C〕の含量が98モル%以上であることがより好
ましい。
重合体Iの〔B〕と〔D〕の含量の和(Xとする。)
と、重合体IIの〔D〕の含量(Yとする。)は近いこと
が好ましい。XとYが著しくへだたつている場合には重
合体Iと重合体IIの相溶性が悪くなりフイルムににごり
が生じて透明感が悪くなる傾向がある。したがつて、X
とYの差は10モル%、さらに望ましくは5モル%をこ
えないことが好ましい。
重合体Iの重合度は特に制限はないが、好ましくは10
〜2000である。重合度が著しく低い場合には、重合
体Iの、得られたフイルム中でのマイグレーシヨン、ブ
リード、他の物質への移行等、可塑剤類似の挙動がおこ
り好ましくない。
重合体IIの重合度は特に制限はないが、好ましくは30
0以上である。重合度がこれより低い場合には、フイル
ムの強度が低下する傾向となるので好ましくない。
重合体Iと重合体IIの使用量はそれぞれ1〜50重量
部、及び50〜99重量部、望ましくは5〜40重量
部、及び60〜95重量部である。重合体Iの使用量が
少ない場合には目的のフイルムの柔軟化効果や、可塑剤
を使用する場合においては可塑剤の経時的な含量低下の
防止効果が不充分となる。また重合体Iの使用量が多す
ぎる場合には、フイルムが柔軟化しすぎたり、耐水性が
そこなわれたり、強度低下が顕著となり好ましくない。
また、重合体I単独では、耐水性のほとんどない、強度
の低いフイルムしか得られず、実用性はまつたくない。
重合体I及びIIが、重合体IとIIの相溶性を疎外せず、
かつ本発明の目的であるフイルムの柔軟化をさまたげな
い範囲内において、それぞれ少量の他の成分を含有する
ことはなんらさしつかえない。このような成分としては
共重合可能な単量体を共重合する方法が考えられる。そ
のような単量体として、例えば、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、α−ヘキセン等のオレフイン、(メタ)
アクリル酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、フマル
酸、イタコン酸等の不飽和酸、およびそのアルキルエス
テル、アルカリ塩、(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチルアクリアミド、アルキルビニルエーテル、2−
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および
アリルスルホン酸等の不飽和スルホン酸及びそのアルカ
リ塩、トリメチル−2−(1−(メタ)アクリルアミド
−1,1−ジメチルエチル)アンモニウムクロリド等の
カチオン性単量体、ビニルトリメトキシシラン、アリル
トリエトキシシラン等のシリル基含有単量体、酢酸イソ
プロペニル、イソプロペニルアルコール、2−メチル−
4−アセトキシ−1−ブテン、2−メチル−1−ブテン
−4−オール、α−メチルアリルアセテート、α−メチ
ルアリルアルコール等があげられる。
上記した、重合体I及び重合体IIから成る本発明のPV
A系フイルムは、可塑剤を使用するまでもなく、それ自
身ですでに充分柔軟なものであるが、一般包装用の様
に、更に高度の柔軟性等を所望する場合には、種々の可
塑剤を適宜、併用し得る事は言うまでもない。
その様に、より高度の柔軟性を要求される場合には、 (a) 下記の構造単位〔A〕の含量が0.5〜50モル%、
〔B〕の含量が0〜20モル%、〔C〕の含量が50〜
99.5モル%及び〔D〕の含量が0〜30モル%であ
る重合体Iの1〜50重量部、 (b) 下記の構造単位〔C〕の含量が95〜100モル%及び
〔D〕の含量が0〜5モル%である重合体IIの50〜9
9重量部、 及び、 (c) 重合体IとIIの重量の和100重量部に対して、
可塑剤1〜20重量部 から成るPVA系フイルムが、好適なものとして挙げら
れる。とりわけ可塑剤を重合体IとIIの重量の和100
重量部に対して2〜15重量部含有するものが特に好適
である。可塑剤量が多過ぎる場合には、フイルムが柔軟
になり過ぎる、ベタツク等の問題が生じる。
可塑剤としては、特に制限はなく、種々の公知のものを
用い得るが、とくに多価アルコール系可塑剤が望まし
い。多価アルコール系可塑剤としては、たとえば、エチ
レングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチ
レングリコール、グリセリン、ブタンジオール、ジエチ
レングリコール、トリエチレングリコール、トリメチロ
ールプロパン等があげられる。このうちグリセリンが可
塑化効果、重合体との相溶性、沸点の高さなどから最も
好ましい。
重合体Iの製造方法には特に制限はないが、酢酸ビニル
と酢酸アリル、または酢酸ビニルとアリルアルコールを
ラジカル共重合し、得られた共重合体をアルカリ触媒に
よりケン化する方法が簡便で好ましい。共重合は、バル
ク重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等、従来公知の
方法が適用できる。重合触媒としては、重合方法に応じ
て、アゾ系触媒、過酸化物系触媒、レドックス系触媒等
が適宜選ばれる。
共重合体のケン化反応は従来公知のアルカリ触媒、ある
いは酸触媒での加アルコール分解、加水分解等が適用で
きる。このうちメタノールを溶剤とするNaOH触媒による
ケン化反応が簡便で最も好ましい。
重合体IIの製造方法には、特に制限はないが、従来より
PVAの製造法として公知の酢酸ビニルをラジカル重合
後、ケン化する方法が簡便で好ましい。酢酸ビニルを単
独で重合するという点以外は重合体Iの製造法と同じ方
法が好適に用いられる。
本発明のPVA系フイルムを製造する方法としては、従
来よりPVA系フイルムの製造法として用いられている
方法が好適に用いられる。即ち、水を溶剤として用い、
ドラムまたはベルト上にキヤステイングし、乾燥するキ
ヤステイング方式、水を含浸させたペレツトを溶融押出
しする溶融押出方式等が適用できる。製膜後のフイルム
は目的により熱処理を行つても良く、また熱処理しなく
ても良い。また延伸を行なうこともなんらさしつかえな
い。
本発明のPVA系フイルムはその優れた柔軟性、透明
性、耐水性の為に、各種プラスチツクスの離型用フイル
ム、食品包装用フイルム、農業用フイルム、産業資材用
フイルム等の分野にも使用できるが、特に、一般包装用
フイルムに好適に用いられる。
E.作用及び発明の効果 本発明のPVA系フイルムがそれ自身で柔軟性にすぐ
れ、また透明性も、耐水性も優れており、また可塑剤を
併用する場合においては可塑剤含量の経時的低下の防止
効果にすぐれる理由については明らかではないが、以下
のように推定される。
本発明のPVA系フイルムに用いられる重合体Iは、第
1に構造単位〔A〕及び〔B〕、〔D〕の存在によつて
結晶性を疎外される傾向にあり、柔軟なポリマーである
こと、第2の通常のPVAに比べ、吸湿性に富むポリマ
ーであつて、低湿度時でも水分率が高めとなり、かつ水
分による可塑効果が大きいので、低湿度時のフイルムの
柔軟化に有利であること、第3に可塑剤、とりわけグリ
セリン等の多価アルコール系可塑剤との相溶性が良く、
重合体Iの存在によつて、可塑剤のブリード速度を低下
しうること、第4に構造単位〔A〕の存在によつて驚く
べきことに通常のPVA(重合体II)との相溶性が損な
われないことなどがあげられる。このうち第1及び第2
の点はフイルムを柔軟化する効果を示し、すなわち従来
の可塑剤添加PVA系フイルムに比べ、可塑剤添加量の
低減ないし可塑剤不使用化ができることを可能にしてい
る。第3の点は可塑剤を使用した場合でも、可塑剤含量
の経時的低下を防ぎうることを示している。また第4の
点は通常のPVAとのブレンド使用が可能であることを
示しており、この事は、透明性に優れたPVA系フイル
ムを得るにあたり、極めて重要である。
重合体I単独で得られるフイルムは、柔軟性には富むも
のの、耐水性が損なわれ、また強度低下が大きい為、実
用性を欠くものであり、従つて、本発明の、柔軟で、か
つ強靭で、かつ透明性が良好であり、かつ耐水性に優れ
た、極めて実用性に優れたPVA系フイルムを得るに
は、既に詳述した様に、前記の特定の重合体I、及び前
記の特定の高ケン化度の重合体II、また必要に応じて可
塑剤を、前記の特定量の割合においてブレンド使用する
ことが必須、肝要である。
ちなみに、特公昭30−6485号公報には、アリルアルコー
ル単位を少量有するPVA単独か、又はこれとPVAと
の混合物から成る合成繊維、皮膜その他の成形物が記載
されており、本発明のPVA系フイルムと一見、類似し
たフイルムが開示されているが、しかしながら、特公昭
30−6485号公報に記載された皮膜は、あくまで、常温
で容易に水に溶解する。易水溶性の、換言すれば耐水性
を有しないフイルムであり、従つて、特公昭30−6485
号公報に記載の発明は、本発明と、その目的においても
異なり、また得られるPVA系フイルムの耐水性、則
ち、例えば一般包装用フイルム等に供した場合の実用性
においても全く異なるものであり、該公報に記載の発明
をもつてしては、到底、本発明の目的を達し得ないので
ある。
F.実施例 以下本発明のPVA系フイルムについて実施例をあげて
説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものでは
ない。なお「部」および「%」は特に指定しないかぎり
「重量部」、「重量%」を意味する。
重合体Iの調整方法の例 重合缶に酢酸ビニル2400部、酢酸アリル310部、メタノ
ール301部を仕込み、60℃に加温、窒素置換後、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル6.76部を加
え、60℃で6時間重合させた。重合率は52.5%で
あつた。
メタノール蒸気の導入により未反応の酢酸ビニル単量体
を追い出した後、供重合体の50%メタノール溶液を得
た。この溶液を40℃で撹拌しながら、この中に供重合
体の重量に対して1.4%の水酸化ナトリウムを溶解し
たメタノール溶液を添加してケン化反応を行なつた。得
られた白色ゲルを粉砕し、メタノールで十分に洗浄した
後、乾燥して、下記構造単位〔A〕〜〔D〕より成る重
合体I(重合体No.Aとする。)を得た。
重合体No.AはDMSO−d6中での1H−NMRより、
構造単位〔A〕〜〔D〕の含量がそれぞれ、9.9モル
%、0.1モル%、88.2モル%、0.8モル%と求
められた。また重合体No.Aを無水酢酸、ピリジン混合
系で再酢化し、アセトン中30℃で測定した還元粘度
(〔η〕)より重合度は710(中島式: を使用して計算)であつた。
重合体No.Aと類似の方法で重合体No.B〜No.Fを合成
した。なお、重合度の調節は重合系のメタノール使用量
を変化させることで行なつた。表1にコモノマーの種類
と得られた重合体Iの分析結果を示す。
重合体IIの調整方法 重合体IIは、酢酸アリルを用いない以外は重合体Iの調
整方法と同様の方法で合成した。得られた重合体No.G
〜Lの分析結果を表2に示す。
実施例1 重合体No.A30部と重合体No.G70部を水900部に
溶解後、グリセリン15部を添加した。この溶液を70
℃の回転ドラム上にキヤステイングしてフイルム化し、
乾燥厚み75μのフイルムを得た。このフイルムの透明
性を目視で判定した結果を表3に示す。このフイルムを
120℃で10分熱処理後、20℃、65%RHの雰囲
気下に7日間放置した後、5cm四方の大きさに切断した
ものを20℃、95%RHに保つたデシケーターに移し
た。1日デシケーター中で静置した後、フイルム表面を
目視して可塑剤のブリード状態を観察した。結果を表3
に併せて示す。
実施例2〜8、比較例1〜5 実施例1と同様な方法で、各種組成のフイルムについて
試験した結果を合わせて表3に示す。
表3より本発明のフイルムは従来のPVA系フイルム同
様透明性にすぐれ、かつ可塑剤との相溶性が良く、可塑
剤のブリードを防止する効果が大であることが明らかで
ある。
実施例9 実施例1と同様の方法でフイルム化、熱処理を行なつた
フイルムを、20℃、40%RHの雰囲気下に7日間放
置した後、オートグラフで引張試験を行なつた。結果を
表4に示す。グリセリンの添加量を変えた以外はまつた
く同様にして試験した結果を合わせて表4に示す。
オートグラフ測定条件 実施例10〜14、比較例6〜8 実施例9と同様にして重合体の組成を変えたフイルムそ
れぞれについて、グリセリン添加量を変化させて引張試
験を行なつた。結果を表4に示す。
表4より本発明のフイルムは低湿度下において同一グリ
セリン量で比較した場合、より柔軟(即ちヤング率が低
く、伸度が大)であること、逆に言えば、同程度の柔軟
性を得るには、グリセリンは少量で良いことが明らかで
ある。このことは、実施例1〜6の結果で示した本発明
のフイルムがグリセリンのブリードを抑制する効果を示
すことに加えて、グリセリン添加量を低減しうることで
ブリード防止に対してさらに効果的となることを示して
いる。
また、本発明のフイルムにグリセリンを配合しない場
合、またはグリセリンを添加した該フイルムが仮に何ら
かの理由でグリセリンを完全に失なつた場合でも、比較
例6〜8のフイルムがグリセリンを失なつた場合よりも
柔軟であつて、比較例6〜8のフイルムよりもすぐれて
いることは表4より明らかである。
実施例15 グリセリン量を変える以外は実施例1と同様の方法でフ
イルム化後、熱処理したフイルムを10cm四方の大きさ
に切断した後、市販の綿製の布(大きさ12cm四方、厚
み1mm)2枚の間にはさんだ。さらに布の上下をガラス
板ではさんで、布とフイルムをよく密着させ、20℃、
95%RHの雰囲気下で1日、次いで5℃、30%RH
下で1日のサイクルで平らな面上に置いた。合計10日
後、フイルムを取り出して、5℃、30%RH下で、中
央で2つ折りにし、フイルムが割れるかどうかを観察し
た。結果を表5に示す。
実施例16及び17、比較例9 実施例15と平行して同様の試験を行なつた結果を表5
に合わせて示す。表5より本発明のフイルムは、比較例
よりも柔軟性の保持効果にすぐれることが明らかであ
る。
実施例18 グリセリンを用いない以外は実施例1と同様の方法でフ
イルム化、熱処理を行なつたフイルムを20℃の水中に
浸漬し、水の温度を1分に1℃の割合で上昇させ、フイ
ルムが完全に溶解する水の温度を目視で判定した。結果
を表6に示す。
実施例19、比較例10および11 実施例18で用いた重合体IIのケン化度を変えた以外は
実施例18と同様の方法で試験を行なつた。結果をあわ
せて表6に示す。表6より、本発明のフイルムは耐水性
に優れることが明らかである。

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) 下記の構造単位〔A〕の含量が0.5〜
    50モル%、〔B〕の含量が0〜20モル%、〔C〕の含
    量が50〜99.5モル%及び〔D〕の含量が0〜30
    モル%である重合体Iの1〜50重量部、 及び、 (b) 下記の構造単位〔C〕の含量が95〜100モル%及び
    〔D〕の含量が0〜5モル%である重合体IIの50〜9
    9重量部、 から成ることを特徴とするポリビニルアルコール系フイ
    ルム。 (但しR1はH又は炭素数1〜10の炭化水素基を表わ
    す。) (但しR2はH又は炭素数1〜10の炭化水素基を表わ
    す。)
  2. 【請求項2】重合体IIの構造単位〔C〕の含量が98〜10
    0モル%である特許請求の範囲第1項記載のポリビニル
    アルコール系フイルム。
  3. 【請求項3】重合体Iの構造単位〔A〕及び〔C〕の含
    量の和が95モル%以上である特許請求の範囲第1項記
    載のポリビニルアルコール系フイルム。
  4. 【請求項4】重合体Iの構造単位〔B〕及び〔D〕の含
    量の和をXモル%とし、重合体IIの構造単位〔D〕の含
    量をYモル%とすると、 |X−Y|≦10 である特許請求の範囲第1項記載のポリビニルアルコー
    ル系フイルム。
  5. 【請求項5】重合体Iの構造単位〔A〕の含量が5〜3
    0モル%である特許請求の範囲第1項記載のポリビニル
    アルコール系フイルム。
  6. 【請求項6】重合体Iの重合度が10〜2000であ
    り、かつ重合体IIの重合度が300以上である特許請求
    の範囲第1項記載のポリビニルアルコール系フイルム。
  7. 【請求項7】構造単位〔B〕のR1がメチル基であり、
    かつ構造単位〔D〕のR2がメチル基である特許請求の
    範囲第1項記載のポリビニルアルコール系フイルム。
  8. 【請求項8】重合体Iの5〜40重量部及び重合体IIの
    60〜95重量部から成る特許請求の範囲第1項記載の
    ポリビニルアルコール系フイルム。
  9. 【請求項9】(a) 下記の構造単位〔A〕の含量が0.5〜
    50モル%、〔B〕の含量が0〜20モル%、〔C〕の含
    量が50〜99.5モル%及び〔D〕の含量が0〜30
    モル%である重合体Iの1〜50重量部、 及び、 (b) 下記の構造単位〔C〕の含量が95〜100モル%及び
    〔D〕の含量が0〜5モル%である重合体IIの50〜9
    9重量部、 及び (c) 重合体IとIIの重量の和100重量部に対して、
    可塑剤1〜20重量部 から成ることを特徴とするポリビニルアルコール系フイ
    ルム。 (但しR1はH又は炭素数1〜10の炭化水素基を表わ
    す。) (但しR2はH又は炭素数1〜10の炭化水素基を表わ
    す。)
  10. 【請求項10】重合体IIの構造単位〔C〕の含量が98
    〜100モル%である特許請求の範囲第9項記載のポリ
    ビニルアルコール系フイルム。
  11. 【請求項11】重合体Iの構造単位〔A〕及び〔C〕の
    含量の和が95モル%以上である特許請求の範囲第9項
    記載のポリビニルアルコール系フイルム。
  12. 【請求項12】重合体Iの構造単位〔B〕及び〔D〕の
    含量の和をXモル%とし、重合体IIの構造単位〔D〕の
    含量Yモル%とすると、 |X−Y|≦10 である特許請求の範囲第9項記載のポリビニルアルコー
    ル系フイルム。
  13. 【請求項13】重合体Iの構造単位〔A〕の含量が5〜
    30モル%である特許請求の範囲第9項記載のポリビニ
    ルアルコール系フイルム。
  14. 【請求項14】重合体Iの重合度が10〜2000であ
    り、かつ重合体IIの重合度が300以上である特許請求
    の範囲第9項記載のポリビニルアルコール系フイルム。
  15. 【請求項15】構造単位〔B〕のR1がメチル基であ
    り、かつ構造単位〔D〕のR2がメチル基である特許請
    求の範囲第9項記載のポリビニルアルコール系フイル
    ム。
  16. 【請求項16】重合体Iの5〜40重量部、重合体IIの
    60〜95重量部及び重合体IとIIの重量の和100重量
    部に対して、可塑剤1〜20重量部から成る特許請求の
    範囲第9項記載のポリビニルアルコール系フイルム。
  17. 【請求項17】可塑剤が多価アルコール系可塑剤である
    特許請求の範囲第9項記載のポリビニルアルコール系フ
    イルム。
  18. 【請求項18】多価アルコール系可塑剤がグリセリンで
    あり、グリセリンを重合体IとIIの重量の和100重量部
    に対して2〜15重量部含有する特許請求の範囲第17
    項記載のポリビニルアルコール系フイルム。
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