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JPH0660840B2 - 水中残響模擬方式 - Google Patents
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JPH0660840B2 - 水中残響模擬方式 - Google Patents

水中残響模擬方式

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JPH0660840B2
JPH0660840B2 JP27728789A JP27728789A JPH0660840B2 JP H0660840 B2 JPH0660840 B2 JP H0660840B2 JP 27728789 A JP27728789 A JP 27728789A JP 27728789 A JP27728789 A JP 27728789A JP H0660840 B2 JPH0660840 B2 JP H0660840B2
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reverberation
scatterer
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underwater
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恭史 須藤
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  • Measurement Of Velocity Or Position Using Acoustic Or Ultrasonic Waves (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は、モノスタティックソーナーに対する水中残
響を高速、高忠実度で模擬する信号を生成する水中残響
模擬方式に関する。この発明により構成した水中残響模
擬装置を利用することにより、水中音響センサーを利用
するシステムの試験、開発等をより効率的に実行できる
ようになる。また、この水中残響模擬装置を、他の音響
要素も模擬するような水中音響模擬装置に組み込むこと
で、より高度かつ高速な水中音響環境の模擬ができるよ
うになる。
(発明の概要) この発明は、模擬水中残響信号を生成する水中残響模擬
装置のための水中残響模擬方式であって、この水中残響
模擬方式で利用する水中残響模擬式は、F.O.M.理
1)による残響の式から導いた、高速かつ高忠実度の計
算を必要とする実時間シミュレーションに適した形であ
り、この模擬式を用いて水中残響を模擬する信号を作成
することによってモノスタティックソーナーに対する水
中残響を高速、高忠実度で模擬可能である。
(従来の技術) 残響のシミュレーション法として、REVGEN2),3)
とREVSIM4)の二つが良く知られている。それぞれ
の基本的考え方は、以下のようである。
REVGENは、F.O.M.理論によれば、残響が散
乱体による送信信号の反射の重ね合わせで表せることか
ら、散乱体の散乱強度、位置、速度をモンテカルロ法で
模擬する事で、残響シミュレーションを行う。この散乱
体模擬に要する負担を軽減するために、アップデートア
ルゴリズム5),6)と組み合わせて使われることもある。
REVSIMでは、残響の共分散がF.O.M.理論よ
り計算できることから、それを基に線形スペクトル予測
の手法を使ってIIR(Infinite Inpulse Respons
e)フィルタを構成し、模擬残響を、このフィルタにホ
ワイトノイズを入力したときの出力として生成する。
以上の二方式のほかに、REVGENで用いられるドッ
プラー密度行列(DDM)の考え方を一般化した拡張DD
Mを使い、これに対する共分散を基にホワイトノイズと
組み合わせた残響模擬式を導くと、より計算の負担を軽
減できる水中残響模擬装置を構成できることが本発明者
により提案されている7),8)(以下ではこれを海中残響模
擬方法と呼ぶ)。
参考文献を以下に示す。
1)V.V.Ol′shevskii:“Characteristics of
Sea Reverberation," English translation by V.
M.Albers. New York:Consultants, Bureau,1
967. 2)D.W.Princehouse:“REVGEN,A real-
time reverberation generator," in 1977 IEE
E International Conference. on Acoustics Spe
ech and Signal Processings, pp. 827−835,
1977. 3)−− :“Reverberation generator ocean algor
ithm, a status report," Applied Physics Lab.,
Univ. Washington,APL-UW 7806,Feb.
15,1978. 4)S.G.Chamberlain and J.C.Galli :“A
Model for Numerical Simulation of Non-statio
nary Sonar Reverberation Using Linear Spectra
l Prediction," IEEE JOUR.Ocean Engine
ering, vol. oe8,no. 1 pp. 21-36,Jan. 1
983. 5)J.G.Melville and M.E.Stegman :“Th
e Effect of Update Randomization on REVGE
N Output: Broadbard Energy Detector," Naval
Ocean systems Center, NOSC tr292,Aug.
1978. 6)M.E.Stegman and J.G.Melville :“Th
e Effect of Update Randomization on REVGE
N Output: Matched Filter Processor," Naval
Ocean Systems Center, NOSC tr 451,Au
g. 1979. 7)須藤恭史:“海中残響模擬方法,” 公開特許公
報,特開平1−123119. 8)須藤恭史:“水中残響シミュレーション方法の改善
について,” 防衛庁技術研究本部技報1029、昭和
63年6月. (発明が解決しようとする課題) ところで、従来のREVGENでは、散乱体の模擬に時
間を要する。REVSIMでは、ビーム数が増えるとそ
の2乗に比例して、ビーム相関行列計算のための処理時
間が増える。
また、本発明者が先に提案した海中残響模擬方法では、
上記のような点については改善したものであるが、模擬
装置の計算能力に余裕があり、散乱体の方位と運動によ
る残響の乱雑さを表す乱数の発生を1つのピング(1回
の音波の送信)に対する残響模擬の間に複数回行える場
合の取り扱いについて規定されていない。
この発明は上記のような問題を解決するためになされた
もので、ビーム数に比例する形でしか処理の手間が増え
ず、散乱体模擬が簡略化でき、散乱体の方位と運動に関
する乱数の更新も模擬装置に用いるハードウェアの演算
能力に合わせた形で行うことのできる水中残響模擬方式
を提供することを目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) 上記目的を達成するために、この時間に係る水中残響模
擬方式は、F.O.M.理論による残響の式 [但し、添字nは各散乱体に関する量であることを表し、
送信ビーム数をM本、受信ビーム数をL本としたとき、 第i成分をL本のうちのi番目の受信ビームで観測され
る残響とするL−列ベクトル、 Δf:音響センサーが配置されるプラットフォームと
n番目の散乱体の運動によるドップラーシフト、 θn:n番目の散乱体によるフェーズシフト、 r:プラットフォームとn番目の散乱体との相対距
離、 第j成分を、M本のうちのj番目の送信ビームからの送
信波形とするM−列ベクトル(時間t<0で0とする)、 c:音速、 散乱体の散乱強度とビームパターンから求められるL×
M行列、とする。] から導いた水中残響模擬式 [但し、添字m(m=1,2,…)により時間軸を(0=t0<t1
<…<tm<…)と区切ったときの区間 tm-1<t≦tmでの代表値を示し、 f:周波数、 α:吸収係数、 r= ctm/2、 Ω:プラットフォームを中心とする立体角、 第i成分をmで表される受信時間におけるi番目の受信
ビームとビームパターンとするL−列ベクトルと、第j
成分を送信時のj番目の送信ビームのビームパターンと
するM−列ベクトルの転置との積で得られるL×M行
列、 am(Ω) :平均後方散乱強度から求められる量、 ζm(Ω):単位複素正規ホワイトノイズ、 ρm(f,Ω):m、Ωで指定される領域の散乱体の運動に
よるドップラーシフトについての確率密度関数、 ηm(f):単位複素正規ホワイトノイズ、 ξm(t):単位複素正規ホワイトノイズ、 Fm(Ω):立体角Ω方向の、プラットフォームの運動に
よるドップラーシフト、とする。] を用いて水中残響を模擬する信号を作成することを特徴
としている。
この発明で用いる上記残響模擬式は、以下のようにして
F.O.M.理論による残響の式から導かれる。基本的
には、残響の統計的性質は準定常正規確率過程と近似で
きるので、残響の統計的性質を再現し、なおかつシミュ
レーション実行に便利なようにホワイトノイズや一様乱
数を使った形に残響を表したものである。
F.O.M.理論によれば、残響は、準定常正規確率過
程として近似でき、水中に存在する多数の散乱体による
送信信号の反射の重ね合わせとして次のように表され
る。但し、送信信号のバンド幅がその中心周波数に比べ
て小さいとし、音響センサーである送波および受波装置
が同一位置にあるモノスタティックソーナーを考える。
また、表式を簡単にするため、水中の音速cを一定とし
て表す。
但し、送信ビーム数をM本、受信ビーム数をL本とし、
各記号の意味は、以下の通りである。
第i成分を、L本のうちのi番目の受信ビームで観測さ
れる残響とするL−列ベクトル(送信の開始を時間tの
原点とする)、 Δfn::水中音響センサー(送波及び受波装置)が配置
されたプラットフォームとn番目の散乱体の運動による
ドップラーシフト、 θn:n番目の散乱体における反射によるフェーズシフ
ト、 r:プラットフォームとn番目の散乱体との相対距
離、 第j成分を、M本のうちのj番目の送信ビームからの送
信波形とするM−列ベクトル(送信開始時刻を時間の原
点t=0とする)、 c:音速。
また、L×M行列 は、 と書ける。但し、 と書け、記号については、以下の通りである。
Ωn:プラットフォームから見たn番目の散乱体の方位
を表す立体角、 第i成分を、受信時のL本のうちのi番目の受信ビーム
の複素ビームパターンとするL−列ベクトル、 第j成分を、送信時のM本のうちのj番目のビームの複
素ビームパターンとするM−列ベクトル{式(3)の右
肩のは転置を表す}、 α:吸収係数、 A:散乱体の散乱強度に関係する振幅(正の実数とす
る)。
なお、ビームパターンについては、ビーム毎の音響中心
の違いによる位相差をあらかじめ考慮しておく。
プラットフォームと散乱体の速度が音速に比べて小さい
ときは、Δf=F(Ωn)+fn とプラットフォームの運動によるドップラーシフトと散
乱体の運動によるドップラーシフトの和の形に近似でき
る。ここで、F(Ω)は、立体角Ωの方向の、プラットフ
ォームの運動によるドップラーシフト、fnは、n番目の
散乱体の運動によるドップラーシフトとする。これらの
ことを使うと式(1)は立体角についての積分を使って
次の形に書ける。
[但し、δ:ディラックのデルタ関数] さらに式(4)は、 とおくと、 と書ける。残響の統計的性質は、βに対して次の量を定
義すると見やすくなる。
以下ではこれを拡張DDMと呼ぶことにする。逆変換
は、 となり、式(5),(7)より拡張DDMΔは、 である。Δの共分散関数は、F.O.M.理論のフェー
ズシフトについてのランダムフェーズの仮定により導か
れる。このとき、半径r(=ct/2)、c×単位時間
/2の厚さを持つ球殻のΩ方向の単位立体角領域内を考
え、この領域内の散乱体の運動によるドップラーシフト
確率密度関数が、ρt(f,Ω)で代表されるとする。これ
は、実際の観測においては、個々の散乱体のドップラー
シフト確率密度関数ではなく、この領域全体としてのド
ップラーシフト確率密度関数がわかることに対応する。
これらの量を使うと、文献8)で拡張DDMの共分散関
数を導いた時と同様にして、 を得る(*は複素共役を示す)。ここで と置いた。at(Ω)(atは正の実数とする)は、さきに
述べた領域全体としての平均後方散乱強度である。
残響が準定常正規確率過程として近似できることから、
シミュレーション計算に便利であり、共分散が式(1
0)に一致するようにΔを表せば良いことになる。シミ
ュレーションに便利なように複素正規乱数を使って拡張
DDMを表すことにする。残響の準定常性を活かすた
め、時間軸を区間内では平均量がほぼ一定と見なせる様
にいくつかの区間に分ける。送信開始時間を時間の原点
にとって、0=t<t<t…とし、m番目の区間
(tm-1<t≦tm)における平均量の代表値を示すため
下添字を用いることにする。これにより、乱数の更新
の仕方を、本発明者が先に提案した海中残響模擬方法よ
り柔軟に設定可能な残響の表式を導くことができる。以
上のことと、式(10)が、t,f,Ωについて対角的
であることにより と表すことができる。e2πjftは、残響の表式が計
算に便利な形になるようにつけた。ηのパラメータを
f−F(Ω) としたのも同じ理由による。シミュレーシ
ョンに用いる複素正規乱数ζ,η,ξはそれぞれ独立
で、その平均は0であり、共分散は、次の関係を満たす
ものとする。
δ(t−t′)等は、ディラックのデルタ関数である。
m,m′,hm,m′は、m=m′の時に1、他の場合には
1か0の値をとるとする。δm,m′は、クロネッカーの
デルタである。
これらと式(6),(8)より、本発明における水中残
響模擬の基本式は次のように書ける。
となる。プラットフォームの回転に伴うビームパターン
の変化もゆっくりとみなせるとして、式(14)では、
その時間依存性を添字mにより表している。
(作用) この発明の水中残響模擬方式において使用する上記模擬
式は、実際の観測量と幾組かの乱数によって残響を表し
ているため、REVGENの場合のように多数の散乱体
についての模擬を行う必要がない。
これは、REVSIMの場合と同じく残響の統計的性質
を再現できれば良いことに基づいて残響模擬式を構成し
たためである。このとき、海中残響模擬方式で使ったよ
うな、拡張のDDMの統計的性質を調べる方法を使った
ため、REVSIMの場合のように、処理の手間がビー
ム数の二乗に比例して増えるということはない。以上の
点は、海中残響模擬方法と共通の性質である。
式(12)の複素正規乱数を使った拡張DDMの表現を
見るとわかるように、式(13)のm≠m′の時のg,
hの選び方により、方位についての乱雑さと散乱体運動
についての乱雑さを表す乱数ζ,ηmの更新を自由に
設定できるのがわかる。すなわち、gm,m′が、1とな
るm,m′に対しては、同じ乱数を組を使うのである。
これにより乱数の更新周期を、模擬残響生成に用いるハ
ードウェアの能力に合わせて決めることができる。
上で説明したように、本発明における乱数の使い方は、
従来の方法に比べてより柔軟な設定が可能となってい
る。なおかつこの乱数の使い方は、残響の統計的性質を
模擬する上で必要となる条件を満たしている。この意味
で本発明における乱数を使った残響の更新方法は、従来
のアップデートアルゴリズムの拡張にもなっている。ま
た、上の導出からわかるように、残響を模擬する上で
は、散乱体の個々の散乱強度ではなく、残響に寄与する
領域全体としての後方散乱強度とドップラーシフトの分
布がわかればよく、また、観測で得られるのもこれらの
量である。本発明の方式を使えば観測量を直接使った形
でREVGENのサンプルDDMに相当する量が計算で
き、REVGENでの計算で必要だった散乱体模擬のた
めの手間が大幅に低減できることになる。また、拡張D
DMの共分散を求めることから出発することにより、R
EVSIMの場合に残響の共分散から出発したために必
要となったYule-Walker 方程式を解くという手間も必
要もなく、従って、ビーム数が多くなるといっそう有利
となってくる。
(実施例) 以下、本発明の水中残響模擬方式の実施例について説明
する。
初めに、観測量との関係を示すために水中が、第1図の
如く体積残響部分、海面残響部分、海底残響部分に分け
られる場合の(14)式を示しておく。次に、乱数設定
の柔軟性の例として、従来の方法との関係を説明する。
文献8)で示したように、体積残響における単位体積あ
たりの後方散乱強度SV、海面残響における単位面積あ
たりの後方散乱強度SS、海底残響における単位面積あ
たりの後方散乱強度SBを使うと となる。一般に、ソーナープラットフォームの海面、海
底に対するグレージングアングルによりSS,SBは変化
するので添字mをつけてある。また、tが送信信号の持
続時間よりある程度大きいときには、第1図に示したよ
うな半径r、厚さc×(単位時間)/2の球殻内の海面
部分に対する立体角要素は、方位角φ、海面のグレージ
ングアングルθSを使って と近似できることから(海底につてもグレージングアン
グルθBを使用して同様に表せる)、それぞれの領域の
散乱体ドップラーシフト確率密度を、ρ、ρとし、
海底部分については散乱体の運動はないとすると、式
(14)は、 但し、 と書ける。ここで、 である。∫vmdΩは、m番目の時間区間における体積残
響部分についてのみの立体角積分であることを示す。ζ
、ζはξ、η、ζとは互いに独立で 〈ζSm(φ) ζSm *(φ′)〉=gS m,m δ(φ−φ′) 〈ζBm(φ) ζBm *(φ′)〉=gB m,m′ δ(φ−φ′) を満たす。
[但し、gS m,m ,gB m,m は、m=m′の時には1、
m≠m′の場合には1か0の値をとるものとする。] このようにして残響模擬式が、観測量と正規乱数を使っ
た形で表せるので、観測装置の精度やシミュレーション
装置の能力に合わせて模擬残響信号を作ることができ
る。
第2図及び第3図に本発明の残響模擬方式のブロックダ
イヤグラムを上で述べた例について示す。第1図のよう
に、残響が3つの領域からの寄与として表せる場合につ
いてのものである。第2図では、離散化した場合を念頭
にしており、簡単のため、送信信号の長さをサンプリン
グ周期で割った値Nを4としている。図中の*は、線形
畳込みである。もちろんこの畳込みは、送信信号 正規乱数ξmそれぞれの数列に、0の要素を追加して、
長さ2Nの周期数列の円状畳込みとして計算しても良
い。及びは、それぞれ、時間成分毎の積及び和を表
す。
第3図は、第2図で体積残響部分の寄与と書いた数列の
計算方法を示すブロックダイヤグラムである。記号の意
味は第2図と同様である。第2図の海面残響部分の寄
与、海底残響部分の寄与も同様にして計算できる。
実際のシミュレーション実行は、上記の式を離散化した
表式を用いて、ディジタル計算機を利用して行う場合が
多いであろう。その際の上記の式におけるフーリエ変換
や、畳み込みの計算には、各種高速アルゴリズムが利用
できる。このときの注意として、最終的には、模擬残響
の共分散がF.O.M.モデルによる理論式1),2)に等
しくなるようにしなければならない。理論式によれば、
残響の相関 (但し、 エルミート共役) はt′を固定して考えると、t′−τ≦t≦t′+τの範囲
でのみ0と異なる。従って、ドップラー部分等で用いる
FFT(Fast Fourier Transform)のサイズは、残
響の共分散へのエリアジングの影響が小さくなるよう
に、送信信号の持続時間の2倍を、離散化に用いるサン
プリング時間で割った値よりも大きくとるとよい。
海中残響模擬方法との関係を見るには、式(13)の場
合で、すべてのmに対し、gm,m′=1、hm,m′=1と
すればよい。すなわち、ηとζの更新は、ピング毎に行
い、一回のピング内においては、一度設定したこれらの
乱数をそのまま使う場合が、海中残響模擬方法に相当す
るのがわかる。
従来のアップデートアルゴリズムとの関係を見るには、
式(13)について、ξの表式として、次の形を使う。
ξm(t) = kmδ(t−τm) ここで、 〈kkm *〉=δm,m |tm−tm-1| であり、τmの分布関数は、区間tm-1<t<tmでは、1/
(tm−tm-1)、その外では0とする。この表式が式(1
3)を満たすのは、容易にわかる。この式を使うと残響
の式(14)は、次のようになる。
この式を見ると、従来のアップデートアルゴリズムの考
え方に相当するドップラー成分についてのランダム化に
よる更新に加えて、散乱体とプラットフォームとの相対
距離のランダムさに対応するτmの影響が考慮されてい
るのがわかる。
このように、本発明の水中残響模擬方式は、従来よりも
柔軟な乱数の更新を可能にしているのがわかる。
このような柔軟性を可能にした式(12)であるが、本
来この式は、3個のパラメータの複素正規乱数を1組使
って書いても良いのである。しかし、実際の計算におけ
る負担を減らすためには、この式のように、1個のパラ
メータの複素正規乱数を3組使って書いておく方が便利
である。この考え方は、式(12)に現れる他の乱数に
ついても同様に適用できる。
例えば、式(19)のζm(Ω)であるが、対象となる立
体角領域をFm(Ω)の値によって分け、この領域内を適
当に順序づけし、その順序に対応させた複素正規乱数
と、Fm(Ω)の値に対応させた複素正規乱数との積とし
て表すことが、適当な規格化条件のもとで可能である。
このような考察は、第3図の逆フーリエ変換の計算量削
減にも役立つ。上に述べたように、Nを送信信号の持続
時間をサンプリング周期で割った値にほぼ等しい整数と
すると、先に述べたことから、第3図に現れる逆フーリ
エ変換のサイズは、2N程度となる。離散周波数kに対
し、k=2m及びk=2m+1に対する(ρvm[k])1/2
の値の変化が小さいとみなせるときは、ηm[k]を ηm[2m+1]=ηm[2m]×ν の形に表すと、第3図の散乱体の運動によるドップラー
シフトの影響の計算は、サイズNの逆FFTとオーダー
N個の掛け算とで計算できる。ここで、νも複素正規乱
数である。同様の考察は、第3図のプラットフォームの
運動によるドップラーシフトの影響の計算においても、
立体角要素毎の乱数について、上で述べたような形で用
意すれば、適用できる。
このようにして、式(13),(14)をもとにした考
察からシミュレーション実施に便利なように、乱数の更
新の仕方を設定できる。
[発明の効果] 以上のように、この発明の水中残響模擬方式を用いる
と、散乱体模擬は簡略化され、処理に要する手間は、ビ
ーム数に比例して増えるだけの方法で模擬残響信号を生
成できるので、従来よりも高速に模擬残響信号を生成で
きる。また、模擬残響信号を計算するときに必要となる
乱数の使い方についても、従来の方法よりも柔軟な設定
ができる。これらの特徴にもかかわらず、生成される残
響信号は、必要な統計的性質を満たしている。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る水中残響模擬方式の実施例におい
て考えた海中の三つの領域の模式図、第2図は実施例の
場合のブロックダイヤグラム、第3図は第2図において
体積残響部分の寄与と書いた数列の計算方法を示すブロ
ックダイヤグラムである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】F.O.M.理論による残響の式 [但し、添字nは各散乱体に関する量であることを表し、
    送信ビーム数をM本、受信ビーム数をL本としたとき、 第i成分をL本のうちのi番目の受信ビームで観測され
    る残響とするL−列ベクトル、 Δf:音響センサーが配置されるプラットフォームと
    n番目の散乱体の運動によるドップラーシフト、 θn:n番目の散乱体によるフェーズシフト、 r:プラットフォームとn番目の散乱体との相対距
    離、 第j成分を、M本のうちのj番目の送信ビームからの送
    信波形とするM−列ベクトル(時間t<0で0とする)、 c:音速、 散乱体の散乱強度とビームパターンから求められるL×
    M行列、とする。] から導いた水中残響模擬式 [但し、添字m(m=1,2,…)により時間軸を(0=t0<t1
    <…<tm<…)と区切ったときの区間 tm-1<t≦tmでの代表値を示し、 f:周波数、 α:吸収係数、 r= ctm/2、 Ω:プラットフォームを中心とする立体角、 第i成分をmで表される受信時間におけるi番目の受信
    ビームのビームパターンとするL−列ベクトルと、第j
    成分を送信時のj番目の送信ビームのビームパターンと
    するM−列ベクトルの転置との積で得られるL×M行
    列、 am(Ω) :平均後方散乱強度から求められる量、 ζm(Ω):単位複素正規ホワイトノイズ、 ρm(f,Ω):m、Ωで指定される領域の散乱体の運動に
    よるドップラーシフトについての確率密度関数、 ηm(f):単位複素正規ホワイトノイズ、 ξm(t):単位複素正規ホワイトノイズ、 Fm(Ω):立体角Ω方向の、プラットフォームの運動に
    よるドップラーシフト、とする。] を用いて水中残響を模擬する信号を作成することを特徴
    とする水中残響模擬方式。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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