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JPH0662346B2 - 無機・有機複合体 - Google Patents
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JPH0662346B2 - 無機・有機複合体 - Google Patents

無機・有機複合体

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Publication number
JPH0662346B2
JPH0662346B2 JP61021218A JP2121886A JPH0662346B2 JP H0662346 B2 JPH0662346 B2 JP H0662346B2 JP 61021218 A JP61021218 A JP 61021218A JP 2121886 A JP2121886 A JP 2121886A JP H0662346 B2 JPH0662346 B2 JP H0662346B2
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resin
inorganic
particles
porous material
organic composite
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JP61021218A
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稔 秋山
平一郎 小花和
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旭化成工業株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、無機多孔体粒子の孔内に、有空間性樹脂を包
含してなる、新規な無機・有機複合体とその製法及び該
複合体を使用して金属元素を分離する方法に関する。
[従来の技術] イオン交換樹脂、キレート樹脂に代表されるような機能
性樹脂や、架橋デキストランや架橋ポリスチレンに代表
されるポリマーゲルなどは、その性質を利用して、分配
クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー、イオン
交換クロマトグラフィーや、ゲルクロマトグラフィーな
どの分離工程や、吸着工程に、広範囲に使用されてい
る。しかしながら、これらの樹脂やポリマーゲルは、物
理的強度、粒子の寸法安定性の面から見れば、満足のい
くものではない。たとえば、液体クロマトグラフィーな
どの充填剤として用いる場合、粒子の物理的強度、寸法
変化の問題があって、使用する条件が制限される。即
ち、充填塔の高さ、粒子充填密度、展開圧力、ポンプや
遠心機の仕様等が厳しく制限される。これらの制限は分
離操作に於いては、分離時間、分離量、分離効率に不利
な効果を及ぼし、また吸着操作に於いては、吸着操作時
間、回数、必要樹脂量などに、不利な効果を及ぼす。ま
た展開液での樹脂の膨潤による寸法変化によって、展開
時の充填剤の充填密度が変化し、数種の展開液を通過さ
せる様な場合には、充填密度が常時不安定になるなどの
現象が生じ、安定した展開ができない。
これらの欠点は、樹脂を、分離、吸着を始めとする各種
操作に利用する上に於いて大きな問題である。即ち、使
用条件に制約を受けるため、本来、それらの樹脂が持っ
ている分離性能や吸着性能などの高度な性能を、十分発
揮できないからである。
一方、すでに公知のように、無機体の物理的強度を活用
して、無孔性あるいは多孔体無機体の外表面や孔内の無
機体表面へ、樹脂をコーティングしたものや、反応によ
って無機体表面へ固定相を結合させ、上記した問題点を
解決する複合体が提供されている。このような例として
は、前者に対しては特公昭52-48,518号公報が、後者に
対しては特開昭52-146,298号公報が公表されている。
しかしながら、これらの複合体では、コーティングされ
た樹脂や結合された固定相の体積が、複合体の体積と比
較して著しく少なく、複合体の単位重量当りの吸着量、
分離量等の性能は、極めて低い。多孔体樹脂単独と同様
に、大きな吸着量、分離量を獲得するためには、これら
の複合体は非常に多量に必要なので少量で間に合う特殊
な用途のみに実用されてきた。
多孔体無機体の表面へ樹脂をコーティングして得られる
複合体では、樹脂量を多くすることも可能である。しか
し、吸着や分離といった用途に使用された場合、関与す
る化学種の樹脂内部への拡散が極めて遅く、性能を発揮
する場が樹脂表面に限定されたり、性能を発揮するまで
に長時間を要するという欠点がある。
また、コーティング型複合体では無機多孔体の孔が樹脂
でふさがれると機能が著しく低下する。
このように、従来の複合体は本来の樹脂性能を活用しな
がら、かつ高い物理強度を有するという目標を満足する
ものではなかった。
[発明が解決しようとする問題点] 本発明は上記の点に鑑みてなされたものであって、物理
的強度を満足するばかりでなく、同時に樹脂が持ってい
る分離、吸着等の効果をも低下させる事のない新規な無
機・有機複合体を提供することを目的とする。
[問題点を解決するための手段及び作用] 本発明は、上記の如き従来技術の欠点を克服するため
に、無機多孔体の孔を部分的に、あるいは完全に樹脂が
占有し、かつ樹脂の内部に空間を有する複合体であっ
て、表面積が無機多孔体単独の表面積より大きな複合体
を提供するものである。
このような本発明の複合体は、従来のコーティング型複
合体とは、二つの点で本質的に異なるものである。即
ち、無機多孔体の内部及び外部の表面に直接接触した形
で少量の樹脂が存在し、その樹脂内部には空間を有して
いないコーティング型複合体に対し、本発明の複合体
は、無機多孔体の孔を多量に樹脂が占有すること、及び
樹脂が空間を有することで特徴づけられる。
従って、本発明の複合体は、無機多孔体の単位重量当た
りに含むことのできる樹脂重量が大きく、また樹脂内空
間の存在により、樹脂性能を発揮する場が樹脂表面だけ
でなく、樹脂内部全体に拡がっているのである。
また、本発明の複合体においては、ここで言う“空間”
が単なるイオン交換樹脂のような多孔性とは異なった、
特別の機能を担うものであり、必須のものである。その
理由は、次の通りである。即ち単なるイオン交換樹脂で
は、イオン含有液と接触させられたとき、液の樹脂内の
孔への侵入が樹脂の膨潤を起こし、膨潤によって液が樹
脂上の交換基へ到達する通路が確保される。それに対
し、本発明の複合体の如く、イオン交換樹脂が剛性の大
きな無機多孔体の中に含有されている場合、イオン含有
液と接触しても樹脂の膨潤が無機体の壁によって阻害さ
れてしまう。
従って、本発明の複合体は、充分な量と大きさの空間が
予め存在することによって初めてその機能を活用するこ
とができる。このように、この空間は、液体が複合体に
侵入する場合の通路となり、また反応の場を提供する。
以上の如き本発明の複合体は、その表面積が無機多孔体
単独の表面積より大きいということで定量的に定義され
る。
これは樹脂内に大きな表面積を生じ得るに足るだけの、
空間が存在するからである。
複合体の性質は、無機多孔体の粒径、表面積及び孔特性
(孔量、平均孔径、孔径分布)と、その性質に規定され
るだけでなく、有空間性樹脂の孔特性及び樹脂の種類等
にも規定される。さらに、有空間性樹脂の、複合体に対
する量的占有率も重要である。
無機多孔体の孔特性の解析は、複合体を例えば700〜800
℃の高温に加熱することによって、樹脂を焼失させた後
に、回収した無機多孔体を水銀ポロシメータで測定する
ことによって孔量や平均孔径を得ることができる。
無機多孔体の表面積は得られた孔量と平均孔径の値を用
いて、後述するような孔の円筒形モデルを想定して算出
される。
一方、複合体の孔特性は、複合体を前処理することなく
水銀ポロシメータで測定することによって決定すること
ができる。その表面積は、無機体の場合と同様にして計
算される。また、有空間性樹脂の孔特性は、複合体と無
機多孔体の、孔特性、重量及び比重から、後述する方法
で決定される。
本発明における無機多孔体粒子としては金属酸化物を含
む多孔体セラミックス粒子が使用される。具体的な例と
しては、シリカ、アルミナ、シリカ−アルミナ、チタニ
ア及びジルコニアの各多孔体粒子が挙げられる。
また、多孔体ガラス、シャモット、多孔質陶磁器なども
使用可能である。
この中で、シリカ多孔体粒子は、実質的に球状のものを
容易に作れること、その粒径分布が狭いこと及びシリカ
の耐酸性が高いために、最も好ましい。即ち、製法上、
シリカ粒子は、水ガラスあるいはシリカゾルを、スプレ
ードライヤーの如き装置で球状あるいはそれに近い形状
に成形することが容易にできる。また、粒子中への孔形
成は、原液の水ガラスまたはシリカゾルに、あるいは成
形後のシリカゲルに、塩化ナトリウム等の無機塩を含ま
せ、中間製品としての無機塩含有シリカゲルを例えば50
0℃以上に加熱、焼成した後、脱塩することによって実
現できる。この際、条件を選定することによって所望の
孔径や狭い孔径分布のシリカ多孔体を得ることができ
る。また、シリカ多孔体粒子は、ほぼ純粋(少なくとも
98%純度)なシリカで構成されており、その本質的な耐
薬品性の良さを発揮できる。特に、水溶液の場合中性な
いし酸性の液に対し、すぐれた化学耐性を示す。
無機多孔体粒子の形状は、限定されるものではないが、
好ましくは球状あるいはそれに近い形のものである。平
均粒径は、用途によって異なるが好ましくは10μmから
1mmである。さらに好ましい範囲は20〜500μmであ
る。また、孔量は、粒子全体積に占める孔の体積の割合
を空孔率(αで表示)としたとき、0.01≦α≦0.99の広
範囲で可能であるが、好ましくは0.3≦α≦0.9である。
さらに好ましい範囲は0.40≦α≦0.85である。
空孔率αは、非浸入性物質と、浸入性物質を利用した体
積測定法、即ち、水銀ポロシメータ(非加圧水銀−加圧
水銀)、あるいは水銀−ヘリウムを用いたピクノメータ
ーを用い、かさ比重、真比重を求めることにより容易に
算出できる。即ち、 である。
α<0.3では、無機多孔体粒子の孔内への有空間性樹脂
の包含量が少なく、包含された樹脂の吸着性能、分解性
能などの性能が相対的に低下する。また、α>0.9では
粒子の強度が低下し、取扱い上困難となる場合がある。
無機多孔体粒子の孔径は、ポロシメーターを用いた水銀
圧入法で測定でき、ここでは測定限界である3.7nm以上
の孔径を指す。粒子の平均孔径は、特に制限されない
が、好ましくは20nmから2000nmである。さらに好ましい
範囲は50nmから1500nmである。無機多孔体粒子の表面積
は、既述の通り孔の円筒形モデルに従って、孔量と平均
孔径の値から求められる。即ち、円筒形の孔に関して
は、 (S:表面積,V:孔量,D:平均孔径,l:円筒孔の
長さ) が成立するので が誘導される。単位重量の粒子をとればSは比表面積を
表わす。比表面積としては0.1〜1000m2/gが好まし
く、より好ましくは0.4〜800m2/gである。
複合体の表面積も、上述の方法で全く同様にして測定さ
れる。
複合体の表面積は、それを構成する無機多孔体の表面積
より大きいことが必須である。
即ち、 Wcsc>Wisi ここでW,sは各重量(g)及び比表面積(m2/g)を
表わし、添字c,iは各複合体及び無機多孔体を指す。
このような表面積量の条件を満たさない複合体は、樹脂
量が少なすぎるか、樹脂内の空間の表面積が小さすぎる
ことを意味しており、本発明の複合体とは異なるもので
ある。
有空間性樹脂の平均孔径は、用途や無機多孔体の平均孔
径に依存するが、無機多孔体の平均孔径に対し、比率で
0.9以下、好ましくは0.5以下である。
絶対値としては、好ましくは800nm以下、さらに好まし
くは100nm以下である。また平均孔径の下限は測定限界
の範囲内で特に制限を受けない。しかし、イオン交換や
樹脂の化学変換において十分な反応速度を得る上で、平
均孔径が10nm以上であることが好ましい。
有空間性樹脂の平均孔径は、複合体の水銀ポロシメータ
測定と、後述するようにして決定される空間率から求め
られる。
即ち、複合体のポロシメータ測定により、複合体の孔径
−孔量曲線(孔径分布図ともいう)が得られる。この孔
径分布図は、有空間性樹脂が無機多孔体の孔を完全に満
たしている場合には1つの山状の形をとる。一方、完全
に満たしていない場合には、通常2つの山状の孔径分布
図を示す。前者の場合は、複合体の平均孔径はそのまま
有空間性樹脂の平均孔径を与える。一方、後者の場合
は、2つの山の中、一方が樹脂の空間、他方が残存した
無機多孔体の空孔に割り当てられる。予め、空間率を求
めておけば、この2つの山の中、空間率に合致する孔量
を与える山がどとらか、即ち樹脂の空間を与える山がど
ちらか決まる。従ってその山から樹脂の空間の平均孔径
が求められる。
有空間性樹脂の空間率(γ)は、空間を含めた有空間性
樹脂全体の体積に対する空間のたいせきの割合として示
される。この空間率は、無機多孔体の空孔率(α)、見
掛け体積の割合として示される。この空間率は、無機多
孔体の空孔率(α)、見掛け体積即ち粒子としての体積
(Vt)及び有空間性樹脂の真比重(ρ)、重量(WR)から
次の式に従って求められる。
この空間率は、有空間性樹脂が無機多孔体の孔を埋めつ
くしている場合に成立つ。そうでない場合には、樹脂の
無機多孔体に対する見掛け体積包含率(f)を用いて、上
式の中のVt・αをVt・α・fに置き換えた式から求めら
れる。fは、複合体から弗化水素酸(シリカ質に対し)
や熱硫酸(アルミナ質に対し)で無機体を除去した後に
得られる樹脂の見掛け体積(Vs)の、無機多孔体の見掛け
体積Vtに対する割合である。
有空間性樹脂の空間率γの範囲は、 0.05≦γ≦0.95 好ましくは 0.20≦γ≦0.95 さらに好ましくは、 0.40≦γ≦0.95 である。
また、有空間性樹脂の包含量(β)は、無機多孔体の重
量Wi及び複合体の重量Wcによって で与えられる。
好ましい範囲は 0.05≦β≦0.95 であり、 より好ましくは 0.20≦β≦0.80 βが上記範囲より小さいと、包含される樹脂量が少な
く、複合体の分離・吸着等の用途における被処理物質の
処理能力が著しく低下する。また、βが大き過ぎると、
樹脂を無機多孔体粒子の孔内に収容しきれなかったり、
樹脂の空間量が少なすぎてしまったりすることになり、
物理的強度あるいは分離・吸着効率上不適当である。
βの測定法は次のようにして行われる。即ち、同じ重量
の複合体サンプルを2つ用意し、一方は既述のように高
温加熱で処理して無機多孔体が得られるのでその重量が
Wiであり、もう一方の複合体サンプルからはWcが求めら
れる。こうしてβを算出することができる。
複合体に於いて、樹脂が外部表面に存在している場合が
ある。ここで言う、外部表面とは、使用する無機多孔体
粒子の細孔内を含めた全表面から、多孔体粒子の細孔内
表面を除く表面の事を言う。即ち、外部表面とは、多孔
体粒子の外部空間と接している表面である。
本発明の複合体に於いて、外部表面に存在する樹脂体積
を元の無機多孔体の孔量を含めた全体積で除した値、即
ちこれを外部表面樹脂比と呼び、μで表わす。
好ましくはμ≦0.1 さらに、好ましくはμ≦0.01である。
外部表面の樹脂が多くなると、複合体を液体クロマトグ
ラフィーの充填剤等に用いる時、複合体同志の摩擦など
により複合体の外部表面樹脂の剥離が生じ、剥離された
樹脂がフィルターなどをつめ圧損を上昇せしめたり、剥
離した樹脂の充填剤への混入によって充填剤の分離性
能、吸着性能の不安定性が生じる場合がある。また、ポ
ンプ、攪拌機などを用いて複合体をスラリー状で輸送す
る場合や、混合攪拌を行った際に、外部表面樹脂の剥離
を生ずることもある。
外部表面樹脂比μは、複合体に用いられる無機多孔体粒
子の孔を含めた見掛け体積と、複合体粒子の見掛け体積
の差から、容易に求められる。
即ち、無機多孔体粒子の見掛け体積をxとし、複合体粒
子の見掛け体積をyとすれば、 である。無機多孔体粒子の見掛け体積及び複合体粒子の
見掛け体積は、水銀ポロシメータで非加圧の状態で測定
することにより、各測定できる。
本発明で言う樹脂は、その組成、分子構造等の化学的特
性に限定されることはなく、各種の高分子化合物から選
ぶことができる。例えば、多糖類(デキストラン、アガ
ロース、セルロース等)、るポリペプチド、タンパク質
のような天然高分子化合物を用いることができる。
合成高分子としては例えばポリスチレン、ポリビニルア
ルコール、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポ
リブタジエン、ポリエチレンテレフタレート、6,6−ナ
イロン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ(2,6−キシ
レノール)、ポリエーテルスルフォン、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリアクリル酸、ポリビニル酢酸、ア
クリロニトリルとスチレンの共重合体、スチレンとブタ
ジエンの共重合体、スチレンとビニルベンジルクロリド
の共重合体、アクリル酸とスチレンの共重合体、フェノ
ール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂
等である。
また、上述した天然高分子または合成高分子に限らず、
後述するような各種の単量体を用いた広範囲の合成高分
子も好ましい。さらにまた、以上の如き高分子化合物に
後述するような官能基を導入した樹脂も、本発明の範囲
に含まれる。
包含される樹脂は、リニア−ポリマーであっても架橋ポ
リマーであってもよい。特に架橋ポリマーが好ましい。
その理由は架橋ポリマーでは樹脂の幾何学的構造を固定
化することによって、樹脂内空間の永続的保持と、樹脂
の粒子外部への逸散を防止できるからである。
このような架橋樹脂の架橋度は目的に応じて広範囲の値
をとることができるが、通常架橋剤単位が樹脂に対して
重量で90%以下である。好ましくは0.1%から80%であ
り、さらに好ましくは1%から50%である。
複合体に包含される樹脂には特定の機能を発現せしめる
ために、官能基を存在せしめることがしばしば好まし
い。
本発明で言う樹脂の官能基とは、機能性をもつ官能基お
よび化学反応性に富む原子または原子団である反応基を
言う。官能基のもつ機能性を具体的にあげれば、たとえ
ば、イオン交換能、キレート形成能、酸化還元能、触媒
配位能などがあり、これらの機能性を有する官能基とし
ては、スルホン酸基、カルボン酸基、ホスホン酸基、第
1級ら第3級までのアミン、ヒドロキノン基、チオール
基などがある。また、化学反応性に富む反応基として
は、たとえば、イソシアネート基、ジアゾニウム基、ク
ロロメチル基、アルデヒド基、エポキシ基、ハロゲン
基、カルボキシル基、アミノ基などがある。
たとえば、イオン交換樹脂、キレート配位子を含むキレ
ート樹脂、ヒドロキノン、チオールなどをもつ酸化還元
樹脂を包含した複合体である。
複合体に包含されるイオン交換樹脂は、カチオン、又
は、アニオンの交換基を有している樹脂の他、カチオン
及びアニオン双方の交換能力を有する樹脂であっても良
い。
好ましいカチオン交換樹脂としては、スルホン酸基、カ
ルボキシル基またはリン酸基を有するもの等である。具
体的には、重合単位としてビニルベンゼンスルホン酸、
ビニル安息香酸、アクリル酸、メタクリル酸などを有す
る3次元ポリマーが挙げられる。またアニオン交換樹脂
としては、1級、2級または3級のアミノ基を有するも
の、たとえば、ポリスチレンやポリアクリルアミドの側
鎖に-CH2-NR1R2(R1,R2は炭素数1から5の直鎖アルキル
基)で表わされる官能基を含有するもの、また-CH2-N+R
1R2R3X-(R1,R2,R3はいずれも炭素数1から5の直鎖アル
キル基;X-はCl-,Br-,I-,ClO4 -,1/2 SO4 2-または1/3 PO
4 3-)で表わされる4級アンモニウム基を含有するも
の、重合単位として、ビニルピリジン、ビニルイミダゾ
ールに代表される様な塩基性の窒素を含む複素環を官能
基として有するものがある。複素環としては、ピリジ
ン、イミダゾールに限らず、ピラゾール、チアゾール、
トリアゾール、カルバゾール、ベンズイミダゾール、イ
ンドールなども好ましい。
また、多糖類に各種のイオン交換基を導入した樹脂も、
本発明の複合体に包含される樹脂の一例である。例えば
ジエチルアミノ基を含むセルローズが挙げられる。
本発明の複合体に好ましいキレート生成基の一例を述べ
れば、アルコール、フェノール、カルボン酸、ケトン、
アルデヒド、アミド、エステル、オキシド、第一アミ
ン、第二アミン、第三アミン、チオエーテル、チオフェ
ノール、アリールホスフィン、アリールアルセンなどの
官能基の複数から構成される原子団である。キレート生
成基を構成する官能基は、同一のものであってもよい
し、異なったものでもよい。さらに具体的に述べれば、
ポリビニルアルコールに代表されるヒドロキシル基を有
するポリマー、ビニルメチルケトン、メタクリロイルア
セトンに代表されるケトン性カルボニル基を有するポリ
マー、サリチル酸ホルムアルデヒド樹脂に代表されるヒ
ドロキシ基及びカルボキシル基を有するポリマー、ポリ
アクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリイタコン酸、マレ
イン酸チオフェン、またはイミノジ酢酸基に代表される
カルボキシル基を有するポリマー、アミノ基、オキシム
基、アゾ基などを有するポリマー、チオアルコール、チ
オフェノール基を有するポリマー、チオケトン、ジチオ
ラート、チオアミド、チオ尿素基を有するポリマー、第
1、第2、第3アルキルアリールホスフィン基を有する
ポリマー、カテコール基を有するポリマーなどがある。
さらに好ましくは、ポリアミノカルボン酸、各種オキシ
ム及びオキシン、カテコールの構造をその分子中に含有
するものである。
ポリアミノカルボン酸の例としては、一般には下記構造
式(I)で示される化合物及び(I)式における任意の
水素原子を炭化水素基により置換した化合物である。
これらのポリアミノカルボン酸には、イミノ2酢酸、N
−メチルイミノ2酢酸、N−シクロヘキシルイミノ2酢
酸、N−フェニルイミノ2酢酸等の置換基を有するイミ
ノ2酢酸及びニトリロ3酢酸等の窒素原子1個を有する
ポリアミノカルボン酸、エチレンジアミン-N,N,N′,N′
−4酢酸、1,2−プロピレンジアミン-N,N,N′,N′−4
酢酸、1−フェニルエチレンジアミン-N,N,N′,N′−4
酢酸、シクロヘキシルアミン-N,N,N′,N′−4酢酸等の
窒素原子2個を有するポリアミノカルボン酸、ジエチレ
ントリアミン-N,N,N″,N″−5酢酸、次式の如きジエチ
レントリアミン-N,N,N′,N″,N″−4酢酸 また、次式で表わされるジエチレントリアミン-N,N,
N′,N″−4酢酸 等及びこれらに種々の置換基を導入した置換体及びトリ
エチレンテトラミン-N,N,N′,N″,N,N−6酢酸、又
は酢酸基を導入したポリエチレンイミン等の窒素原子3
個以上を有するポリアミノカルボン酸基等がある。さら
にN−ヒドロキシエチレンジアミン-N,N,N′,N′−3酢
酸、1,3−ジアミノプロパン-N,N,N′,N′−4酢酸、1,4
−ジアミノブタン-N,N,N′,N′−4酢酸等のポリアミノ
カルボン酸も本発明に使用できる。このうち、特に好ま
しいポリアミノカルボン酸基は、イミノ2酢酸、エチレ
ンジアミン4酢酸、ジエチレントリアミン-N,N,N″,N″
−4酢酸、ジエチレントリアミン-N,N′,N″,N″−4酢
酸及びこれらの置換体である。
これらのキレート化合物は、その化合物より任意の位置
の一つ以上の水素原子を除いたラジカル基としてキレー
ト樹脂中に含有されている。
キレート基を導入するための、複合体の樹脂には特に制
限はない。例えば、スチレン−ジビニルベンゼン共重合
体を包含する複合体の共重合体に種々の置換基を導入し
た構造を有するものが挙げられる。
本発明に用いる最も好ましいキレート樹脂の代表的構造
は、構造式(II)〜(III)で示される繰り返し単位を含む
ものである。これらのキレート樹脂複合体の製造法の例
は、クロロメチルスチレン−ジビニルベンゼン共重合体
複合体へのイミノ2酢酸エチルエステルの反応による方
法(構造式(II))、(1,2−ジブロモエチル)スチレン
−ジビニルベンゼン共重合体複合体へのイミノ2酢酸の
反応による方法(構造式(III))、クロロメチルスチレ
ン−ジビニルベンゼン共重合体複合体へのジエチレント
リアミン、引続いてクロロ酢酸との反応による方法(構
造式(II))、パラー(ジ(アミノエチル)アミノエチ
ル)スチレン−ジビニルベンゼン共重合体複合体へのク
ロロ酢酸の反応による方法(構造式(II))である。
構造式(II) 構造式(III) オキシムの例としては、カルボニル基を有する重合体に
ヒドロキシルアミンを反応させて得られる。この反応は
無機多孔体の孔の中で行ってもよい。
又、オキシンを含む樹脂としては、オキシンとホルマリ
ンの付加縮合反応によって得られるものが代表的であ
る。又、ホルミル基やヒドロキシル基を有する重合体と
オキシンを反応させることによっても得られる。この反
応も、無機多孔体の孔の中で行うことができる。
カテコール基を有するものは、下記構造式(IV)で表わさ
れるものである。式(IV)中の4つの結合手の中、 最大3つまでは水素原子または、その他の置換基であっ
ても良いが、少なくとも1つは重合体の主鎖を成すか、
あるいは主鎖に結合されている。
重合体の種類及び結合様式に特に制限はないが、好まし
い幾つかの具体例をあげるならば、第1には下式(V)
で示される重合単位を有するものである。
R9は、水素または炭素数1ないし8の炭化水素基を表わ
す。
この様な重合体はカテコール類とホルムアルデヒドによ
る重付加縮合反応により製造することができる。なお、
所望により、フェノール、レゾルシノール、p−クロロ
フェノールのようなヒドロキシベンゼン類、アニリン、
p−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミンのよ
うなアミノベンゼン類、アニソール、ジフェニルエーテ
ルのようなフェニルエール類を、カテコール類と共に用
いることができる。
第2は下式(VI)で示される重合単位を有するものであ
る。
R9,R10はそれぞれ水素または炭素数1ないし8の炭化水
素基、R11は水素、ヒドロキシル基、炭素数1ないし8
の炭化水素基、カテコール基を表わす。
この様な樹脂を製造する方法としては、例えばホルミル
基やヒドロキシル基を有するスチレン誘導体の三次元架
橋共重合体にカテコール類を付加または脱水縮合させる
ことによって得ることができる。
(V)で示される重合単位を有する場合には(VII)で示
される如き3つの結合手を有する重合単位が、カテコー
ル類1分子に対し、ホルムアルデヒド2分子以上を反応
させることにより形成され、重合体が3次元架橋され
る。
(VI)で示される重合単位を有する重合体は、二官能また
は多官能性モノマーである架橋剤によって、3次元架橋
される。ビニル基を有するそれらの架橋剤の例をあげる
ならば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニ
ルキシレン、ジビニルエチレルベンゼン、トリビニルベ
ンゼン、ジビニルジフェニル、ジビニルジフェニルメタ
ン、ジビニルジベンジル、ジビニルフェニルエーテル、
ジビニルジフェニルスルフィド、ジビニルジフェニルア
ミン、ジビニルスルホン、ジビニルケトン、ジビニルピ
リジン、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、フマ
ル酸ジアリル、コハク酸ジアリル、シュウ酸ジアリル、
アジピン酸ジアリル、セバシン酸ジアリル、ジアリルア
ミン、トリアリルアミン、N,N′−エチレンジアクリル
アミド、N,N′−メチレンジアクリルアミド、N,N′−メ
チレンジメタクリルアミド、エチレングリコールジメタ
クリレート、エチレングリコールジアクリレート、1,3
−ブチレングリコールジアクリレート、トリアリルイソ
シアヌレート、クエン酸トリアリル、トリメリット酸ト
リアリル、シアヌル酸トリアリルなどである。
本発明の複合体を製造する方法は、無機多孔体の孔内に
重合性単量体または重合性オリゴマーと架橋剤及び希釈
剤とから成る均一混合液または、高分子化合物、架橋剤
及び希釈剤とから成る均一混合液を含有させた後、加熱
または電磁放射線で樹脂を生成せしめ、次いで生成した
樹脂の内部より希釈剤を除去することから成る。本製造
方法は、無機多孔体と上述の如き均一混合液との接触に
よる、混合液の孔への導入によって開始される。均一混
合液に使用される重合性単量体としてはビニル基を有す
るものが好ましい。
このような重合性単量体の具体例は次の通りである。
スチレン、メチルスチレン、ジフェニルエチレン、エチ
ルスチレン、ジメチルスチレン、ビニルナフタリン、ビ
ニルフェナントレン、ビニルメシチレン、3,4,6−トリ
メチルスチレン、1−ビニル−2−エチルアセチレン、
ブタジエン、イソプレン等の炭化水素化合物;クロルス
チレン、メトキシスチレン、ブロムスチレン、シアノス
チレン、ホルミルスチレン、フルオルスチレン、ジクロ
ルスチレン、N,N−ジメチルアミノスチレン、ニトロス
チレン、クロルメチルスチレン、トリフルオルメチルス
チレン、アミノスチレン等のスチレン誘導体;メチルビ
ニルスルフィド、フェニルビニルスルフィド等のビニル
スルフィド誘導体;アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、α−アセトキシアクリロニトリル等のアクリロニ
トリル誘導体;アクリル酸、メタクル酸;アクリル酸メ
チル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸クロルメチル、
アセトキシアクリル酸エチル等のアクリル酸エステル;
メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ジメチルア
ミノエチル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸テ
トラヒドロフルフリル、メタクリル酸ヒドロキシエチル
等のメタクリル酸エステル;マレイン酸ジエチル、フマ
ル酸ジエチル;メチルビニルケトン、エチルイソプロペ
ニルケトン等のビニルケトン塩化ビニリデン、臭化ビニ
リデン、シアン化ビニリデン、等のビニリデン化合物;
アクリルアミド、メタクリルアミド、N−ブトキシメチ
ルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、ジア
セトンアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチルアク
リルアミド等のアクリルアミド誘導体;酢酸ビニル、酪
酸ビニル、カプリン酸ビニル等の脂肪酸ビニル誘導体;
チオメタクリル酸フェニル、チオアクリル酸メチル、チ
オ酢酸ビニル等のチオ脂肪酸誘導体;さらに2−ビニル
ピロール、N−ビニルピロール、N−ビニルピロリド
ン、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルフタルイミ
ド、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、
2−ビニルイミダゾール、5−ビニルイミダゾール、1
−ビニル−2−メチルイミダゾール、1−ビニル−2−
ヒドロキシメチルイミダゾール、5−ビニルピラゾー
ル、3−メチル−5−ビニルピラゾール、3−ビニルピ
ラゾリン、ビニルベンゾオキサゾール、3−フェニル−
5−ビニル−2−イソオキサゾリン、N−ビニルオキサ
ゾリドン、2−ビニルチアゾール、2−ビニル−4−メ
チル−チアゾール、2−ビニル−4−フェニルチアゾー
ル、2−ビニル−4,5−ジメチルチアゾール、2−ビニ
ルベンゾチアゾール、1−ビニルテトラゾール、2−ビ
ニルテトラゾール、2−ビニルピリジン、4−ビニルピ
リジン、2-N,N-ジメチルアミノ−4−ビニルピリジン、
2−ビニル−4,6−ジメチルトリアジン、2−ビニル−
4,6−ジフェニルトリアジン、イソプロペニルトリアジ
ン、ビニルキノリン等の含窒素複素環式化合物;ビニル
フラン、2−ビニルベンゾフラン、ビニルチオフェン等
の異節環状ビニル化合物などがある。これらの重合性単
量体は、同時に2種類以上用いることができることは言
うまでもない。
単量体の代わりにオリゴマーあるいは高分子化合物を複
合体製造の原料として用いてもよい。ここで、オリゴマ
ーとは、数平均分子量が10,000以下の化合物であり、高
分子化合物は10,000以上のものを指し、いずれも単量体
単位から構成されるものである。
単量体、オリゴマーあるいは高分子化合物のいずれも希
釈剤中に溶解するか、または分散して均一混合液を生成
するが、均一混合液を生成し易い点で単量体の方が有利
である。
また、架橋剤として用いられる化合物は、各種のものを
使用することができるが、その具体的な例を示せば、以
下の通りである。
ジビニルベンゼン、ジビジルトルエン、ジビニルキシレ
ン、ジビニルナフタリン、ジビニルエチルベンゼン、ジ
ビニルフェナントレン、トリビニルベンゼン、ジビニル
ジフェニル、ジビニルジフェニルメタン、ジビニルジベ
ンジル、ジビニルフェニルエーテル、ジビニルジフェニ
ルスルフィド、ジビニルジフェニルアミン、ジビニルス
ルホン、ジビニルケトン、ジビニルフラ、ジビニルピリ
ジン、ジビニルキノリン、ジ(ビニルピリジノエチル)
エチレンジアミン、フタル酸ジアリル、マレイン酸ジア
リル、フマル酸ジアリル、コハク酸ジアリル、炭酸ジア
リル、シュウ酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、セバシ
ン酸ジアリル、酒石酸ジアリル、ジアリルアミン、トリ
アリルアミン、リン酸トリアリル、トリカルバリル酸ト
リアリル、アコニット酸トリアリル、クエン酸トリアリ
ル、N,N′−エチレンジアクリルアミド、N,N′−メチレ
ンジアクリルアミド、N,N′−メチレンジメタクリルア
ミド、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコ
ールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート、1,3-ブチレングリコールジアクリレート、1,6−
ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチルプロパン
トリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリ
レート、トリアリルイソシアヌレート、1,3,5−トリア
クリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、ジアリ
ールメラミン、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、
1,3−ジビニルプロパン、ポリアルコール、α,ω−ジ
ハロゲノアルカン、ポリアミン、ポリエポキシド、ジイ
ソシアネート、硫黄、アルキルパーオキサイド、ポリア
ジリジン、ジカルボン酸などがある。
希釈剤としては、単量体、オリゴマーまたは高分子化合
物及び架橋剤と共に均一な混合液を形成し得るものであ
ればよい。一般に、単量体、オリゴマーまたは高分子化
合物が親油性のときは、有機液体が好ましく、逆にこれ
らの原料物質が親水性のときは水または水溶液が好まし
い。希釈剤は、単独で用いるだけでなく、混合物として
用いてもよい。しかし、好ましい希釈剤の種類は、その
他に複合体を製造する際の各種の条件、例えば反応系の
構成、温度や圧力、あるいは生成される複合体中の樹脂
に付与すべき空間特性等に左右される。例えば、均一混
合液を無機多孔体の孔の中に含有させた後、重合または
架橋反応によって樹脂を形成させる方法は、そのまま加
熱または電磁放射線を施す方法、あるいは分散液中に均
一混合液を含有する無機多孔体を分散させた後加熱また
は電磁放射線を施す方法に大別されるが、後者の方法で
は分散液と希釈剤との相溶性を考慮しなければならな
い。即ち、分散液が親水性のときは希釈剤として親油性
有機液体が好ましく、一方、分散液が親油性のときは、
親水性液体が好ましい。
複合体中に包含される有空間性樹脂の空間特性は、希釈
剤の種類と量に依存する。例えば、空間の直径は、架橋
樹脂に対する希釈剤の親和性に依存する。即ちこの親和
性が小さい程空間の直径は大きくなる。
また、樹脂の空間量は希釈剤の量に従って変動し、希釈
剤の量が多い程空間量も大きくなる。後述するように、
一旦生成した複合体中の樹脂に、後反応を施して官能基
を導入する場合がある。例えば、スチレンとジビニルベ
ンゼンの共重合体を含有する複合体に後反応によってス
ルホン酸基を導入し、イオン交換能を有する複合体を得
ることができる。このような場合、後反応を十分に進行
させるだけの空間量だけでなく、反応後に得られる新た
な複合体がその機能(例えばイオン交換能)を発揮する
に十分な空間量を確保できるように、予め希釈剤の量を
設定することが好ましい。
希釈剤の具体例としては、水及びクロルベンゼン、トル
エン、キシレン、オクタン、デカン、ブタノール、オク
タノール、フタル酸ジエチル、フタル酸ジオクチル、安
息香酸エチル、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、
シュウ酸ジエチル、炭酸エチル、ニトロエタン、シクロ
ヘキサノン等の有機液体が挙げられる。
単量体、オリゴマーまたは高分子化合物と、架橋剤及び
希釈剤から成る均一混合液は、その孔内に導入するため
に無機多孔体粒子と接触される。その導入法としては、
各種の方法を利用することができる。例えば、大気圧下
で単に粒子と均一混合液を、好ましくは低速で攪拌しな
がら、接触させる方法、真空下で粒子と均一混合液を接
触させる方法、粒子をシリル反応等で処理した後均一混
合液と接触させる方法等が挙げられる。
シリル化によって粒子表面を処理する場合には、導入さ
れる均一混合液の性質を考慮してシリル化剤を選ぶこと
が必要である。例えば、混合液が脂溶性の場合にはトリ
メチルクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、フェニルトリクロロシラン等が
好ましい。混合液が水溶性の場合にはγ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−(2-アミノエチル)
アミノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセト
キシシラン、ビニルトリメトキシシラン等が好ましい。
シリル化の方法に関しては、特に限定する必要はない
が、シリル化剤を液体として、または気体状態で接触さ
せればよい。シリル化剤が固体の場合、有機液体や水に
溶解または分散させて用いるのが好ましい。
使用されるシリル化剤の量は、粒子の重量に対し、0.1
〜20%、好ましくは0.5〜10%である。シリル化反応
は、10〜300℃好ましくは15〜200℃の温度で0.5〜48時
間好ましくは1〜24時間の条件で行われる。
好ましいシリル化剤としては、たとえば、ジメチルジク
ロルシラン、トリメチルクロルシラン、フェニルトリク
ロルシラン、ジフェニルジクロルシラン、メチルトリメ
トキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、トリメチル
メトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、N−トリメ
チルシリルアセトアミド、γ−メルカプトプロピルトリ
メトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルト
リス(ベーターメトキシエトキシ)シラン、ガンマメタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、ガンマメタク
リロキシプロピルトリス(ベーターメトキシエトキシ)
シラン、ベーター(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン、ガンマーグリシドキシプロピル
トリメトキシシラン、ガンマーグリシドキシプロピルト
リメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ガン
マーアミノプロピルトリエトキシシラン、N−ベーター
(アミノエチル)−ガンマーアミノプロピルトリメトキ
シシラン、ガンマークロロプロピルトリメトキシシラ
ン、シリルパーオキサイドなどである。
このようにして得られた、均一混合液を含む無機多孔体
粒子には、その外部表面に多少とも混合液が付着し、残
存する。この残存液は少なければ少ない程良い。そうす
るためには、例えば粒子と接触させる混合液の量を、予
め粒子内部の孔量と等しいか、それ以下とした上で、低
速の攪拌下で接触させればよい。このようにして、粒子
の外部表面に残存する混合液を極めて少量にすることが
できる。
他方、粒子の外部表面に残存する混合液を、重合反応や
架橋反応を開始する前に可能な限り減少させる方法を採
用してもよい。この方法の中の、第1の方法は過法で
ある。即ち、混合液を含有する粒子を過することによ
ってその外部表面に残存する混合液を減じることができ
る。この場合、加圧過、遠心過などの過法を用い
れば、過時間が短縮されて好ましい。
第2の方法は、混合液を粒子に含有させた後、粒子を混
合液と反応もしなければ溶解もしない液体の中で、強制
的に攪拌しながら分散させることである。この場合、分
散剤を含んだ分散液を使うことが好ましい。分散液は強
制攪拌によって粒子の外部表面から振り切られた混合液
を、安定に分散液体中に保持し、その粒子への再付着を
防止する効果を有する。
たとえば、分散液体として水を用いるに際しては、分散
剤として、アラビヤゴム、ロジン、ペクチン、アルギン
酸塩、トラガカントゴム、寒天、メチルセルロース、デ
ンプン、カルボキシメチルセルロース、カラヤゴム、ゼ
ラチン等の粘質物、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビ
ニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボポー
ル、ジアセトオレイン等の合成高分子、マグネシウム、
アルミニウムシリケート、ベルマゲル、水加マグネシウ
ムシリケート、酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸カルシウ
ム、タルク、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、水酸化
アルミニウム、無水硫ケイ酸等の無機物が好ましく、ま
た必要に応じて、食塩等の塩、pH調整剤、界面活性剤な
どを添加するのも好ましい。
無機多孔体粒子の外部表面から混合液を除去するための
強制攪拌に関しては、攪拌速度の下限は外部表面から混
合液を振切るに要する最小の速度であり、上限は無機多
孔体粒子が破壊されない最大の速度である。好ましい攪
拌速度は、1500rpm以上である。適当な攪拌速度、好ま
しくは上限に近い速度で攪拌すると、はがれた混合液は
無機多孔体粒子より小さな直径の粒子に、大きさが減じ
る。はがれた混合液の粒子径は小さい程、過などの処
理によってより容易に除くことができる。また、分散液
中に加える分散剤の種類や量を適切に設定することによ
って、分散した混合液の粒子径を無機多孔体粒子の直径
よりも小さくすることができる。分散させた余分の均一
混合液は、過などによって除かれるが、除去操作は強
制攪拌の直後に行ってもよいし、あるいは後述するよう
な加熱または電磁放射線を施した後に行ってもよい。
無機多孔体粒子の外部表面に付着した均一混合液を除く
第3の方法は、無機多孔体粒子をグラスフィルター等の
上においた後、混合液に不溶性の不活性な液体で粒子を
洗浄することである。使用される不活性な液体の種類は
均一混合液の種類に応じて変化する。例えば、混合液が
脂溶性のとき不活性な液体として水が使用される。
本発明の製造法においては均一混合液を包含する無機多
孔体粒子は加熱または電磁放射線に付される。均一混合
液が単量体またはオリゴマー、架橋剤及び希釈剤から成
る場合、加熱または電磁放射線によって重合や架橋反応
が起こる。ビニル基を含有する単量体を用いたときの重
合反応は、さらに加えられる薬品や反応系の構成によっ
てラジカル重合またはイオン重合の機構に従って進。い
ずれの重合でも利用できるが、生成される樹脂の特性を
制御し易い点でラジカル重合の方が好ましい。ラジカル
重合を行う場合、反応を促進して重合の温度を下げた
り、反応時間を短縮できるめに、重合開始剤を用いるの
が好ましい。
ラジカル重合のための適当な開始剤としては、過酸化ベ
ンゾイル、過酸化ラウロイル等の過酸化アシル類、アゾ
ビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメ
チルマレロニトリル)等のアゾニトリル類、過酸化ジタ
ーシャリーブチル、過酸化ジグミル、メチルエチルケト
ンパーオキシド等の過酸化物、クメンヒドロペルオキシ
ド、ターシャリーヒドロペルオキシド等のヒドロペルオ
キシド類がある。
必要な開始剤の量は反応温度及び単量体の量や種類に依
存するが、通常の範囲は単量体の重量に対して0.01〜12
%である。
均一混合液に重合や架橋反応を起こすために施す加熱
は、40〜150℃の温度、2〜100時間の範囲で行われる。
この際、混合液を包含する粒子は、そのまま加熱しても
よいし、分散液に分散した状態で加熱してもよい。その
まま加熱する場合は、粒子同志が外部表面に生成する樹
脂によって付着し合うことを防止するため、低速の攪拌
を行うことが好ましい。分散液中に分散した状態で加熱
する場合は、粒子の孔内に含有された混合液が分散液中
に溶出しないような希釈剤を選択することが必要であ
る。また、既述の通り予めシリル化剤で表面処理した粒
子を用いることも好ましい。
上記したような条件で製造された無機有機複合体は、希
釈剤を内部に含有している。それ故、それらを溶解する
溶媒中に複合体を浸漬し、しばらく放置した後別する
か、或いは複合体をカラムに入れ、洗浄溶媒を流下させ
ることにより、複合体の内部より希釈剤を効果的に除去
することができる。たとえば、希釈剤に有機液体を用い
る場合、洗浄溶媒としてメタノール、アセトン等の水溶
性のものを用い、その洗浄溶媒をさらに水洗することに
より簡単に除去することができる。
このようにして得られる複合体は、イオン交換樹脂クロ
マトグラフィー用充填剤、吸着剤等の用途に、そのまま
で使用されるか、あるいは、さらに後反応に付して複合
体中の樹脂に官能基を導入される。
後者の例としてイオン交換樹脂について述べれば、ビニ
ルピリジンやビニルイミダゾールなどのすでにイオン交
換の性質を有している単量体を用いれば、後反応の必要
なく、イオン交換樹脂を含有した複合体となる。一方、
スチレンのような単量体を用いて、無機多孔体の孔内で
重合を行なわせしめ、イオン交換能を有しない複合体を
得た後に、さらに後反応として、クロルスルホン酸、硫
酸、無水硫酸のいずれかと反応を行なうことにより、カ
チオン交換樹脂を含有した複合体が得られる。
また、上述のスルホン酸化剤の代わりに、クロロメチル
エーテルなどでクロロメチル化し、さらに、2級または
3級のアミンを反応せしめれば、アニオン交換樹脂を含
有した複合体が得られる。
キレート樹脂を包含した複合体は、あらかじめキレート
生成基をもつ単量体を、無機多孔体の孔内に於いて重合
あるいは共重合する事で、得られる。即ち、キレート生
成基をもつ単量体を含有させ、付加重合、重縮合、重付
加、付加縮合、脱離重合など行なわせしめて、キレート
樹脂を得る事ができる。たとえば、複数のフェノール性
OHやアミノ基から成るキレート生成基を有する芳香族化
合物とホルムアルデヒドとの付加縮合を行なってキレー
ト樹脂複合体を得ることができる。一方、ポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニルのような樹脂や、フェノール樹脂や
メラミン樹脂のような3次元樹脂、セルロースのような
多糖類に後反応を行ってキレート生成基を導入すること
も可能である。キレート生成基として好ましい具体的な
例は、既述した通りである。
本発明に於ける複合体は、空間が樹脂内に存在するため
に、たとえばイオン交換基やキレート生成基で代表され
るような官能基を容易に導入する事が可能である。
本発明における複合体は無機多孔体粒子の孔内に、空間
を有する樹脂が包含されているという特異な構造を有す
るために、従来から多孔性機能樹脂に匹敵する高い吸着
性能やイオン交換性能を保持すると同時に、高い物理的
強度と寸法安定性を有するものである。それ故、本発明
の複合体は、ガスクロマトグラフィー及び液体クロマト
グラフィー用固定相、流化水素、亜硫酸ガス、メルカプ
タン類、脂肪酸等の酸性ガス、あるいは、アンモニア、
アミン類等の塩基性ガスその他の悪臭物質の吸着剤、水
中の重金属イオン、界面活性剤、有機化合物、着色物
質、高分子物質等の吸着剤、イオン交換樹脂、不溶化酵
素担体などの、巾広い分野で利用されるものである。例
えば、複合体を充填剤として用いた液体クロマトグラフ
ィーによれば、希土類金属、トリウム、ハフニウム、レ
ニウム、ウラン、金等に代表される各種の金属及び同位
体の分離、精製を効果的に行うことができる。
本発明に於ける無機・有機複合体をカラムを用いた吸着
や液体クロマトグラフィーに使用する場合には、展開流
量として0.1cc/cm2・minが好ましく、高展開流量域にお
ける圧力損失等も勘案すれば、展開流量として1〜500/
cm2・minが好ましく、10〜500/cm2・minがさらに好まし
い。
[実施例] 以下に実施例を挙げて本発明を説明する。
参考例: (多孔性シリカゲルの製法) スノーテックス−30(日産化学工業製 シリカゾル)12
0gに、塩化カリウム50gと塩化カルシウム2水和物32
gと、濃塩酸2mlを蒸留水120mlに溶解した液を加え
た。調製したコロイド液を、噴霧乾燥機にて造粒して、
平均粒径100μmの球状粒子106gを得た。これを750
℃、2時間焼成した。
この物を1規定塩酸水溶液10倍量で80℃1時間処理後、
十分に水洗した。さらに、別乾燥することにより、多
孔性シリカゲル粒子33.5gが得られた。平均細孔径120n
m、細孔容量0.85ml/gであった。空孔率は0.65であっ
た。また、比表面積は28.3m2/gであった。得られた多
孔性シリカゲルの元素分析結果はSiO2:98.7%、KCl:
0.6%、CaCl2:0.7%であった。
実施例1 参考例で得たシリカ多孔体粒子10gを、300mlのビーカ
ーへ入れ、次に4−ビニルピリジン6.4g、ジビニルベ
ンゼン3.6g(純度56%;不純物としてビニルエチルベ
ンゼン44%を含み、ジビニルベンゼンはメタ体:パラ体
が7:3の混合物である)、フタル酸ジオクチル18g、
アゾビスイソブチロニトリル0.1gを混合溶解させた液
を加え、常温で1時間攪拌させた。次にこれをグラスフ
ィルター上で過した。得られた単量体含有粒子を、窒
素雰囲気下、フラスコ(100ml)中に入れ、攪拌機をと
りつけた。その状態で90℃で10時間、オイルバス中で重
合を行なわせた。冷却後、生成した複合体粒子を取り出
し、メタノールで十分洗浄して、有機液体を除去した。
十分乾燥した試料を用いて水銀ポロシメーターにより孔
径分布を測定した結果、平均孔径は44nmであった。孔量
0.43ml/g、比表面積39.1m2/g、空間率は0.64であっ
た。また生成した複合体の見掛比重は0.98であり、交換
容量は1.40meq/gであった。この複合体はμ=0.06で
あった。
実施例2 平均孔径が400nm、孔量が1.05ml/g、比表面積10.5m2
/g、平均粒子径が80μmである球状のシリカ多孔体粒
子10gを、300mlの磁気攪拌機付フラスコに入れて真空
ポンプにて減圧とした。次に、このフラスコに、単量体
としてスチレン6.1g、ジビニルベンゼン2.2g(実施例
1で使用したものと同一);過酸化ベンゾイル0.1g
を、 試験(1)ではエチルベンゼン12.5gと共に、また 試験(2)では、そのまま、 均一混合液体としたものを導入し、減圧下10℃で、30分
間ゆっくり攪拌した。次にこれをグラスフィルター上で
過し、さらに水洗して、単量体含有粒子を回収した。
この粒子をチッ素雰囲気中で、ゆっくりかきまぜながら
85℃にて20時間重合を行なった。
反応生成物は、アセトンで十分洗浄を行ない、加えた有
機液体を除去した。十分乾燥した各試料を用いてポロシ
メーターにより有孔性の評価を行なった(表−1)。さ
らに、十分乾燥した複合体5gを、100mlの反応フラス
コへ入れ、次にジクロルエタン30mlを加えて、40℃で2
時間攪拌した後、クロルスルホン酸20gを滴下した。そ
のまま40℃で2時間反応を続けた後、反応混合物を氷水
中に投入し、別後、水蒸気蒸留にてジクロルエタンを
除去した。得られた反応物を、十分乾燥させ、ポロシロ
ーターによる有孔性評価を実施し、さらに交換容量(カ
チオン)を測定した(表−1)。なお、(1)のケースの
複合体の比表面積86.2m2/g、空間率は0.61で、μは0.
05であった。
実施例3 平均孔径800nm、平均粒径60μm、孔量0.85ml/g比表
面積4.3m2/gの球状のシリカ多孔体粒子280gを1の
攪拌機付容器に入れた。この容器を真空ポンプにて脱気
した後、窒素を導入して大気圧に戻した。次にこの容器
にクロロメチルスチレン(純度92%、m/p=6/4)65g、
m−ジビニルベンゼン7g、アゾビスイソブチロニトリ
ル0.7g、キシレン70g及びn−ブタノール70gを混合
溶解させた液を導入し、窒素雰囲気下室温で2時間ゆっ
くり攪拌した。そのまま、加温し、90℃にて16時間反応
させた。反応生成物は、メタノールで十分洗浄を行なっ
た。これにアセトン1.5、ジメチルアミン50gを加
え、50℃にて5時間反応させた。生成物は水、1規定塩
酸、アセトンの順に十分洗浄を行なった。
生成した複合体の交換容量は1.03meq/gで、μは0.01
であった。
また、十分乾燥した複合体を、ポロシメーターにより孔
径分布の測定を行なった。その結果、平均孔径は、55n
m、気孔量は、0.46ml/g、比表面積33.5m2/g、空間
率にして0.73であった。
ここに得られた複合体と市販のダウエックス MSA-1を
各々10cmφの円筒カラムに10cmの高さに充填し、上部よ
り5kg/cm2の圧力をかけて、高さの変化を見たところ、
ダウエックス MSA-1は高さが8.9cmに減少するのが観察
されたが、本複合体の高さの減少は認められなかった。
実施例4 実施例3に従って得られたクロロメチルスチレンの架橋
重合体を含有する複合体30gを、イミノジ酢酸エチルエ
ステル22.0gをn−ブタノール100ml中にて100℃で20時
間反応させた。生成物はメタノールで十分洗浄を行って
残存するイミノジ酢酸エチルエステルを除去した。ひき
つづき1Nの塩酸で80℃、5hr反応させた。混合物を
過後、粒子を水及び1N塩酸で洗浄を行った。乾燥後に
得た粒子の重量は11.1gであった。この複合体のアニオ
ン交換容量は、0.92meq/gであった。また、平均孔径
は、36nm、孔量は、0.32meq/gであり、比表面積35.6m
2/gであった。また、μは0.01であった。
実施例5 平均孔径80nm、粒子の最長径が200μ〜300μの範囲にあ
り、孔量10ml/gで、比表面積50m2/gの多孔体ガラス
15gを濃硝酸で十分洗浄したのち、ジクロルメチルシラ
ン20g中に投入し、窒素雰囲気下室温にて15時間反応さ
せた。生成物は別後、無水メタノールで十分洗浄し、
減圧下にて乾燥させた。
一方、スチレン20.0g、ジビニルベンゼン(実施例1で
用いたものと同一)5.0g及びアゾビスイソブチロニト
リル0.22g、エチルベンゼン30gを混合溶解した液を調
製し、先の多孔性ガラスと混合した後、グラスフィルタ
ー上で過した。これを水500ml中に分散させ1000rpmで
1分間強制攪拌を行なったのち90℃で15時間反応させ
た。その反応物を無水メタノールで十分洗浄を行ない、
減圧下にて乾燥させた。それを10g、100mlの三ツ口フ
ラスコに入れ、次にジクロルエタン30mlを加え、40℃に
て攪拌しながらクロルスルホン酸20gを滴下した。その
ままの温度で2時間反応を続けたのち、反応混合物を水
に投入し、別、水洗後、無機・有機複合体を得た。そ
の複合体のカチオン交換容量は1.47meq/gであった。
また、平均孔径は18nm、孔量は0.40ml/gであった。比
表面積にして88.9m2/gであった。
また、外部表面樹脂比μを測定したところ、μは0.05で
あった。
実施例6 多孔性ガラスの代わりに、平均孔径100nm、孔量1.0ml/
gで、平均粒径が250μmのシリカ多孔体粒子(比表面
積16.0m2/g)15gを使用する以外、全く同様の操作を
実施して、カチオン交換樹脂を含有する複合体を得た。
交換容量は1.62meq/gであり、μ=0.01であった。
この複合体を走査型電子顕微鏡で観察したところ、外部
表面に付着する樹脂はほとんど認められなかった。ま
た、平均孔径は18nm、孔量は0.41ml/gであった。比表
面積は91.1m2/gとなった。
実施例7 平均粒径50μm、平均孔径650nm、孔量1.3ml/gの球状
のシリカ多孔体粒子100gを電磁攪拌機を据えつけた300
mlの容器に入れた。この容器を脱記した後、窒素雰囲気
とした。この容器に、ホルミルスチレン33g、ジビニル
ベンゼン(純度95%)3.0g、ベンゾイルパーオキサイ
ド0.5g、1,1,2−トリクロルエタン70g及びテトラリン
45gからなる混合溶液を加えた後、引続き窒素雰囲気で
ゆるやかに30分間かきまぜて、混合液を粒子内に導入し
た。そのまま加温し、85℃、12時間、ゆっくり攪拌しな
がら重合を行った。そこへ、メタノール500mlを加え、
さらに30分間かきまぜた後、混合物を過した。乾燥後
得た複合体の重量は131gであった。複合体の孔径分布
をポロシメーターで測定した所、平均孔径は42nm、孔量
0.68ml/g、比表面積は64.8m2、空間率は0.75であっ
た。また、赤外線スペクトル(KBr錠剤)を測定した
所、1720cm-1に-CHOの強い吸収が見られた。
実施例8 実施例7で得た複合体20gを、500mlのフラスコに入れ
たジメチルホルマミド100gとオルトフェニレンジアミ
ン4gの混合溶液の中に加えた。この混合物に亜硫酸ガ
スを導入しつつ、80℃に加温し、この状態で5時間攪拌
した。亜硫酸ガスの導入量は合計2.5gであった。メタ
ノール300mlを加えた後、混合物を過した。さらに、
水洗して溶媒を除去した。回収した粒子を1N塩酸に浸
漬後、再び過し、さらにメタノールで洗浄した。乾燥
後の複合体粒子は22.3gであった。アニオン交換容量は
1.47meq/gであった。平均孔径は41nm、孔量は0.59ml
/gであった。また、比表面積は56.7m2/gであった。
実施例9 粒径100〜500μの多孔性シカゲル(平均孔径150nm、空
孔率70%、比表面積28.3m2/g)100gを、1のフラ
スコに投入した。別に、20%硫酸150gに、カテコール1
80g、ホルマリン(37%ホルムアルデヒド水溶液)130g
を溶解した水溶液を調製した。この硫酸水溶液をフラス
コ中に注いで、多孔性シリカゲルを含浸した。次いで10
0mmHg以下の減圧下で30秒間脱気した。この混合物を
過して得た濡れ状態のシリカゲルを別に用意した3の
三ツ口フラスコに投入した。さらに、1,2,3−トリクロ
ルプロパン1.5を注いだ。還流冷却機、温度計、攪拌
機を三ツ口フラスコに装着した後、強制攪拌を3000rpm
で1分間行なった後、さらに100rpmの攪拌下90℃まで昇
温し、そのまま15時間加熱した。冷却した後、生成物を
過して集め、洗浄後の水が中性になるまで、十分な量
の水で洗浄した。80℃、12時間乾燥後、276gの無機・
有機複合体を得た。
この複合体と、その合成に用いた多孔体シリカゲルの各
赤外線スペクトル(各、KBr錠剤)より、差スペクトル
を得たところ、 1140〜1290cm-1(strong & broad;C-O 伸縮)1360cm-1
(OH変角) が見られ、カテコールが複合体に含まれていることがわ
かった。
また、平均孔径は53nm、孔量は0.48ml/gであった。比
表面積は36.2m2/gであった。
実施例10 市販品のアガロース6gと水94gを、60℃に加熱、攪拌
して均一な溶液とした。この溶液に、1,3−ジブロモプ
ロパン20gを加えた後、平均孔径150nm、空孔率70%、
粒径100〜500μのシリカゲル60gを加えて、混合した
後、熱過を行なった。このシリカゲルを1,2−ジクロ
ロエタン500mlを入れたフラスコへ入れ、加熱した後、
強制攪拌を400rpmで30秒間行ない、さらに4時間、加熱
を続けた。反応後、粒子をアセトンで充分洗浄した後、
0.01規定苛性ソーダで中和した。次いで、ジエチルアミ
ノエチルクロリド塩酸塩60gを水300mlに溶解した液を
入れたフラスコに粒子を加え、70℃、10時間加熱、攪拌
した。充分な水で洗浄した後、過し、無機・有機複合
体68.3gを得た。平均孔径は10nm、孔量が0.82ml/g、
比表面積328m2/gであった。
実施例11 内径20mm、長さ1000mmのパイレックスガラス製ジャケッ
ト付カラムを用意し、これにアニオン交換樹脂を含有す
る無機・有機複合体を900mmの高さまで充填した。
本実施例で用いた無機・有機複合体は次のようにして合
成された。
平均孔径が600nm、孔容積が1.05ml/g、比表面積7.0m2
/g、平均粒径が500μmである多孔性シリカ粒子1kg
を、5の磁気攪拌機付フラスコに入れて真空ポンプに
て減圧とした。
次に、このフラスコに、単量体としてクロロメチルスチ
レン515g、ジビニルベンゼン85g、安息香酸メチル1.2
5g、ノルマルヘプタン1.0kgを溶解した均一混合液体を
導入し、減圧下、10℃で30分攪拌させた。次にこれをグ
ラスフィルター上で過し、これを水10とリン酸カル
シウム500gの混合液中に分散させ2000rpmで2分間強制
攪拌したのち、チッ素雰囲気中で85℃にて20時間重合を
行なった。
反応生成物は、過後水で充分洗浄を行ない、ひき続き
メタノールで充分洗浄を行ない、加えた有機液体を除去
した。充分乾燥した複合体を500g、10の反応フラス
コに入れ、次にジクロルエタン3を加えて、40℃で2
時間攪拌した後、20%トリメチルアミンのエタノール溶
液を滴下し、40℃で5時間アミノ化を行なって無機・有
機複合体を得た。
得られた粒子を充分乾燥させ、ポロシメーターによる有
孔性評価を行なったところ、平均孔径43nm、孔量0.64ml
/gであった。比表面積は59.5m2/gであった。また交
換容量は1.02meq/gであった。
この複合体粒子を充填したカラムに1規定の塩酸を充分
量供給して、充填剤をクロルイオン型とした。このカラ
ムに、クロム酸を100ppm含有し、塩酸でpH=5に調整さ
れた溶液100をポンプでフィードした。
カラム下部より流出する溶液を500mlごとにフラクショ
ンに分けて採取し、蛍光X線分析装置により、クロム酸
イオンの濃度を測定した。その結果、流出液中のクロム
酸イオン濃度は0.5ppm以下であることが確認され、除去
率は99.5%以上であった。
次に10%のNaClと1%のNaHCO3を含む水溶液を十分に流
して充填剤を再生した。吸着、再生という操作を10回反
復し、溶液のフィードに伴う圧力損失を測定したとこ
ろ、その経時変化は極めて小さかった。また、充填剤の
高さの経時変化も極めて小さく、安定した運転を行うこ
とができた(表−2)。
10回の吸着、再生を反復した後、主に充填塔下部の充填
剤を抜き出し、破壊状態を顕微鏡で観測したところ、破
壊されたと確認出来るものは全体の0.3%未満であっ
た。
比較例1 さらに比較のため次のようにして合成したアニオン交換
樹脂を用いて同様の実験を行なった。すなわち、20の
四ツ口フラスコに攪拌機、温度計をつけ、これに水20k
g、懸濁剤としてポリアクリル酸ソーダ120g及び食塩24
0g、クロロメチルスチレン1000g、ジビニルベンゼン1
65g、安息香酸メチル2.43kg、及びノルマルヘプタン1.
94kgを投入してよく攪拌し、油滴を分散せしめた。これ
を85℃で20時間かけて重合し、重合後、冷却して樹脂を
フィルター付洗浄塔に移し、水及び30のメタノールで
よく洗浄した。
洗浄後、実施例11の複合体粒子の場合と同様に、ジクロ
ロエタン中で、20%トリメチルアミンのエタノール溶液
と40℃で5時間アミン化を行なった。得られた樹脂を充
填乾燥させ、ポロシメーターによる有孔性評価を行なっ
たところ、平均孔径58nm、孔量0.72ml/gであった。ま
た交換容量は3.74meq/gであった。
この樹脂を複合体粒子の代わりに使用する以外、実施例
11と同様の、吸着テストを行ったところ、流出液中のク
ロム酸イオン濃度は0.5ppm以下であり、除去率は99.5%
以上であった。
また、吸着、再生という操作を、実施例11と同様10回反
復し、溶液のフィールドに伴う圧力損失を測定したとこ
ろ、表−3に示すように圧力損失の経時変化はかなり大
きく、それにともなって充填剤高さも変化し、安全な運
転が困難であった。
10回の吸着、再生の操作のあと、主に充填塔下部の充填
剤を抜き出し、破壊状態を顕微鏡で測定したところ、破
壊されたと確認されたものは全体の4%であった。
[発明の効果] 本発明に係る無機・有機複合体にあっては、上記のよう
に、無機多孔体粒子の孔内に、有空間性樹脂を包含して
いるので、無機多孔体によって物理的強度が発現され、
全体として高強度であり、長時間の使用によっても破壊
されず一定の形状を保持し、クロマトグラフィー等に使
用した場合には、圧力損失の経時的上昇が起こらず安定
した展開が可能になり、展開流量を高くして単位時間当
りの液処理量を大幅に増大させることができ、再生、吸
着、展開時における吸着剤の膨張収縮がなく、界面が乱
れず、しかも吸着剤単位体積当りの分離能が大きく、工
業的意義は大きい。

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機多孔体粒子の孔内に有空間性樹脂を包
    含してなる無機・有機複合体であって、複合体の表面積
    が無機多孔体単独の表面積より大なる複合体。
  2. 【請求項2】無機多孔体粒子の平均粒径が10μmから1
    mmの範囲にある特許請求の範囲第1項記載の無機・有機
    複合体。
  3. 【請求項3】無機多孔体粒子の空孔率が、0.3から0.9の
    範囲にある特許請求の範囲第1項又は第2項記載の無機
    ・有機複合体。
  4. 【請求項4】無機多孔体粒子の平均孔径が20nmから2000
    nmの範囲にある特許請求の範囲第1項〜第3項のいずれ
    か1項に記載の無機・有機複合体。
  5. 【請求項5】有空間性樹脂の空間率が0.40から0.95の範
    囲にある特許請求の範囲第1項〜第4項のいずれか1項
    に記載の無機・有機複合体。
  6. 【請求項6】有空間性樹脂の平均孔径が無機多孔体の平
    均孔径の90%以下である特許請求の範囲第1項〜第5項
    のいずれか1項に記載の無機・有機複合体。
  7. 【請求項7】有空間性樹脂の平均孔径が10nmから800nm
    の範囲にある特許請求の範囲第1項〜第6項のいずれか
    1項に記載の無機・有機複合体。
  8. 【請求項8】無機多孔体粒子がシリカ多孔体粒子である
    特許請求の範囲第1項〜第7項のいずれか1項に記載の
    無機・有機複合体。
  9. 【請求項9】有空間性樹脂がイオン交換樹脂またはキレ
    ート樹脂である特許請求の範囲第1項〜第8項のいずれ
    か1項に記載の無機・有機複合体。
  10. 【請求項10】無機多孔体粒子の孔内に、重合性単量体
    または重合性オリゴマーと架橋剤及び希釈剤とからなる
    均一混合液または高分子化合物、架橋剤及び希釈剤とか
    ら成る均一混合液を含有させた後、加熱または電磁放射
    線で樹脂を生成せしめ、次いで生成した樹脂の内部より
    希釈剤を除去せしめることにより、無機多孔体粒子の孔
    内に有空間性樹脂を包含してなる無機・有機複合体であ
    って、複合体の表面積が無機多孔体単独の表面積より大
    なる複合体を得ることを特徴とする無機・有機複合体の
    製造法。
  11. 【請求項11】均一混合液が更にラジカル開始剤を含ん
    でいる特許請求の範囲第10項に記載の無機・有機複合体
    の製造法。
  12. 【請求項12】無機多孔体粒子がシリカ多孔体粒子であ
    る特許請求の範囲第10項記載の無機・有機複合体の製造
    法。
  13. 【請求項13】シリカ多孔体粒子が、シリカゾルから成
    る溶液から製造される特許請求の範囲第12項の製造法。
  14. 【請求項14】シリカ多孔体粒子が、シリカゾルから成
    る溶液を空気中に液体粒子として放出・乾燥することに
    よって成形したシリカ多孔体粒子である特許請求の範囲
    第13項記載の無機・有機複合体の製造法。
  15. 【請求項15】無機多孔体粒子の孔内に、重合性単量体
    または重合性オリゴマーと架橋剤及び希釈剤とからなる
    均一混合液または高分子化合物、架橋剤及び希釈剤とか
    ら成る均一混合液を含有させた後、加熱または電磁放射
    線で樹脂を生成せしめ、次いで生成した樹脂の内部より
    希釈剤を除去せしめ、その後樹脂を官能基導入剤と反応
    せしめて官能基を導入することにより、無機多孔体粒子
    の孔内有空間性樹脂を包含してなる無機・有機複合体で
    あって、複合体の表面積が無機多孔体単独の表面積より
    大なる複合体を得ることを特徴とする無機・有機複合体
    の製造方法。
  16. 【請求項16】金属元素を含有する溶液を固体吸着剤に
    接触させて該金属元素を固体吸着剤に吸着させることに
    より分離するに当り、該固体吸着剤として、無機多孔体
    粒子の孔内にイオン交換樹脂またキレート樹脂よりなる
    有空間性樹脂を包含してなる無機・有機複合体であっ
    て、複合体表面積が無機多孔体単独の表面積より大なる
    複合体を使用することを特徴とする金属元素の分離方
    法。
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