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JPH0688276B2 - 放射線硬化樹脂の成形方法および装置 - Google Patents
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JPH0688276B2 - 放射線硬化樹脂の成形方法および装置 - Google Patents

放射線硬化樹脂の成形方法および装置

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JPH0688276B2
JPH0688276B2 JP15115288A JP15115288A JPH0688276B2 JP H0688276 B2 JPH0688276 B2 JP H0688276B2 JP 15115288 A JP15115288 A JP 15115288A JP 15115288 A JP15115288 A JP 15115288A JP H0688276 B2 JPH0688276 B2 JP H0688276B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、放射線硬化樹脂、たとえば紫外線硬化樹脂を
使用して成形品(たとえばフレネルレンズ)を成形する
方法、および装置に係り、特に、キヤビテイ面の前記成
形品への転写精度の向上を指向した、放射線硬化樹脂の
成形方法および装置に関するものである。
[従来の技術] 従来、この種の放射線硬化樹脂、たとえば紫外線硬化樹
脂を使用してフレネルレンズを成形する方法として、次
の3つのものが知られている。
その1.特開昭61-177215号公報記載のもの 第10図は、従来の、紫外線硬化樹脂を使用してフレネル
レンズを成形する成形装置の第1の例を示す略示図であ
る。
これは、アクリル樹脂などの透明樹脂板の基板36を装着
した上型35と、キヤビテイ面32をフレネルレンズ面と反
対形状に彫刻した下型31とによってキヤビテイ37を形成
する。そして、真空ポンプによって排気口34からキヤビ
テイ37内を真空引きしながら、注入口33からキヤビテイ
37内へ紫外線硬化樹脂を充填すると、この樹脂へ紫外線
照射装置38から紫外線が照射されて硬化し、この硬化し
たプリズム部が前記基板36と互いに重合接着して、フレ
ネルレンズが成形される。
その2.特開昭61-248708号公報記載のもの 第11図は、従来の、紫外線硬化樹脂を使用してフレネル
レンズを成形する成形装置の第2の例を示す略示図であ
る。
これは、金型本体39内の金型39a(上面をフレネルレン
ズ面と反対形状に彫刻したもの)とアクリル樹脂の基板
36との間に数mm程度の隙間が生ずるようにして、基板36
を前記金型本体39にセットする。そして、バルブ40を開
き、前記隙間へ紫外線硬化樹脂を充填する。バルブ40を
閉じ、バルブ41を開いて、真空ポンプ42の吸引力で前記
樹脂を吸引すると、その一部はトラップ43へ排出され、
基板36はその弾性で金型39aのフレネルレンズ成形面へ
接近する。この状態で金型39aをキヤビテイ部44側へ押
し上げ、基板36を平面に戻し、前記樹脂へ紫外線を照射
して硬化させ、基体36と重合接着させる。この成形品を
金型39aから離型すれば、所望のフレネルレンズが得ら
れる。
その3.特開昭61-248707号公報記載のもの 第12図は、従来の、紫外線硬化樹脂を使用してフレネル
レンズを成形する成形装置の第3の例を示す略示図であ
る。
これは、プラスチックの基板36と、表面にフレネルレン
ズ面と反対形状の成形面を形成した金型39Aとの間に隙
間を設け、前記基板36の背面を補強板45で支え、前記隙
間を真空状態にする。この真空圧を、真空タンク46より
も低くすると、この真空タンク46内の紫外線硬化樹脂47
が前記隙間内へ充填される。この状態で、紫外線照射装
置38から前記樹脂へ紫外線を照射して硬化させれば、所
望のフレネルレンズが成形される。
[発明が解決しようとする課題] 上記した従来技術は、放射線硬化樹脂が硬化するときの
硬化収縮によって成形品に“ひけ”が生じ、キヤビテイ
面の成形品への転写精度が悪いという点について配慮が
されていなかった。これは、フレネルレンズなどの光学
部品においては、その光学性能の劣化をもたらすもので
あった。
本発明は、上記した従来技術の課題を解決して、放射線
硬化樹脂が硬化するときの硬化収縮に起因する“ひけ”
を防止し、転写精度の優れた成形品を成形することがで
きる、放射線硬化樹脂の成形方法、およびこの方法の実
施に直接使用される成形装置の提供を、その目的とする
ものである。
[課題を解決するための手段] 上記課題を解決するための、本発明に係る放射線硬化樹
脂の成形方法の構成は、放射線を透過する基体薄板と、
キヤビテイ面を所定形状に彫刻した金型の前記キヤビテ
イ面とによって形成されるキヤビテイ内へ、放射線硬化
樹脂を充填し、この樹脂へ基体薄板側から放射線を照射
して該樹脂を硬化させることにより、所望の成形品を成
形する方法において、基体薄板を、弾性を有する基体薄
板にし、この基体薄板の反キヤビテイ側に密閉空間を形
成し、この密閉空間内を真空吸引することにより、キヤ
ビテイの容積が該キヤビテイ内へ充填される放射線硬化
樹脂の硬化収縮量と等しいだけ膨大するように、前記基
体薄板を反キヤビテイ側へ変形させ、この膨大したキヤ
ビテイ内へ前記樹脂を充填したのち、前記真空吸引を解
除するようにしたものである。
また、本発明に係る放射線硬化樹脂の成形装置の構成
は、放射線を透過する基体薄板と、キヤビテイ面を所定
形状に彫刻した金型の前記キヤビテイ面とによって形成
されるキヤビテイ内へ、前記金型に設けたゲートから放
射線硬化樹脂を充填し、この樹脂へ基体薄板側から放射
線を照射して該樹脂を硬化させることにより、所望の成
形品を成形して、この成形品を前記金型に装着したエジ
エクタピンによって離型するようにした成形装置におい
て、基体薄板を、弾性を有する基体薄板にし、この基体
薄板の反キヤビテイ側に、この基体薄板とで密閉空間を
形成し、該空間内部を真空にすることができる成形補助
装置を装着せしめ、この成形補助装置は、前記基体薄板
と対向し、放射線を透過する板材と、この板材を保持す
る保持部材と、前記密閉空間内を真空吸引することがで
きる排気口とを有せしめるようにしたものである。
さらに詳しくは、次のとおりである。
(1).予め基体薄板を、キヤビテイの容積が放射線硬
化樹脂の硬化収縮分だけ大きくなるように、該薄板の弾
性を利用して変形させ、その樹脂を充填後、樹脂注入
口,樹脂排出口を遮断し、キヤビテイ内部圧力が逃げな
いようにしたのち、前記基体薄板を変形させていた力を
解除する。この状態で、紫外線などの放射線を前記樹脂
へ照射することにより、上記目的は達成される。
(2).放射線硬化樹脂を充填し、基体薄板を変形させ
ていた力を解除したのち、前記基体薄板へ、キヤビテイ
空間が今までとは逆に小さくなるように陽力(大気圧よ
り大きい圧力)を加え、且つその大きさを制御するよう
にすれば、さらによい。
(3).基体薄板の金型での保持を、薄板端面ではな
く、Oリングなどを介挿せしめて、その表面で金型へ吸
引保持するようにすれば、さらによい。
(4).基体薄板の外周部を押え、空気が金型外へ逃げ
ないようにした状態で、その外周部と成形品との間へ、
皿付きエジエクタピンの周りに設けたクリアランスから
高圧空気を注入するようにすれば、さらによい。
(5).ゲートを、放射線の放射方向に対して、抜きこ
う配方向のテーパを有するテーパ状のゲートにすれば、
さらによい。
(6).放射線硬化樹脂単体を予め真空脱泡しておき、
金型を30°〜90°傾けた状態で、傾けた下方から前記樹
脂を注入するようにすれば、さらによい。この際金型内
は、樹脂注入速度を上げるために、多少負圧にしてもよ
いが、真空脱泡以上の負圧にしてはならない。そして、
樹脂硬化時は水平に戻して硬化させた方がよい。
[作用] 前項で述べた手段(1).〜(6).のそれぞれの作用
を、当該項目と対応して記載すると、次のとおりであ
る。
(1).放射線硬化樹脂の硬化収縮量だけキヤビテイの
容積が大きくなるように、反キヤビテイ側へ変形してい
た基体薄板は、キヤビテイ内へ樹脂を充填したのち、樹
脂注入口,樹脂排出口を遮断した状態で、前記変形を生
ぜしめていた力から開放される。力を解除された基体薄
板自体には、その弾性により元の状態へ戻ろうとする力
が働き、充填された樹脂はこれによって押さえられてプ
ラス圧力となる。この状態で、紫外線などの放射線を前
記樹脂へ照射し、この樹脂を硬化させる。硬化が進むに
つれて樹脂は収縮を起こすが、その硬化収縮分だけ基体
薄板の変形が小さくなって元へ戻り、キヤビテイ面の成
形品への転写不良や“ひけ”を生ずることはない。
(2).基体薄板に変形を生ぜしめていた力を解除した
のち、該基体薄板へ、キヤビテイの容積を小さくする方
向の陽力を加えると、充填された樹脂の圧力は増大す
る。この状態で紫外線などの放射線を照射するようにす
れば、樹脂の収縮は、前記キヤビテイの半径方向の中心
へ向かうことなく、板厚方向および半径方向の外周へ向
かう。したがって、半径方向の中心へ向かう硬化収縮に
起因する、キヤビテイ面の凹凸への樹脂の“くいつき”
をなくすることができ、成形品(とくに、フレネルレン
ズの場合)の離型が容易になる。
(3).基体薄板は、その表面で、Oリングによって金
型へ吸引保持されるので、薄板端面で保持されるものと
異なり、金型からの拘束がない。したがって、基体薄板
の寸法にバラツキがあったとしても前記金型への取付け
に支障を来すことはなく、樹脂漏れ,エア漏れがない。
(4).皿付きエジクタピンの周りから導いた高圧エア
は、凹凸のあるキヤビテイ面と硬化した樹脂との間へ入
り、また、その高圧エアは基体薄板の外周部から金型外
へ逃げることもなく、成形品を確実に且つ容易に離型さ
せることができる。また離型時、基体薄板は大きく反る
ことなく、その離型方向が金型面に対し直角になるた
め、成形品表面を傷めることなく離型させることができ
る。
(5).放射線の照射方向に対して、抜きこう配方向に
テーパ状になったゲートは、放射線の照射強度,照射時
間によって硬化する深さが異なり、その途中に硬化部と
未硬化部との境界を作ることができる。したがって離型
時、ゲートがアンダカットとなることはない。また硬化
した樹脂はすべ離型されるため、次の樹脂注入時、硬化
した樹脂が注入されて成形不良品を生ずるようなことは
ない。
(6).キヤビテイ内への樹脂注入時に、樹脂の流れの
先端で該樹脂内に巻き込まれたエアは、傾けられた金型
の上方向、すなわち樹脂の流れの方向へ移動する。した
がって、そのエアがキヤビテイ内の途中に止どまること
はなく、成形品ボイドにはならない。また硬化時に金型
を水平に戻すことにより、重力による樹脂の偏りをなく
し、該樹脂を均一に硬化させることができる。
[実施例] 以下、本発明を、背面投写形プロジエクションテレビの
スクリーンとして使用するフレネルレンズを成形する実
施例によって説明する。
第1図は、本発明の、放射線硬化樹脂の成形方法の実施
に使用される成形装置の一例を示す断面図、第2図は、
第1図における皿付きエジエクタピンの近傍を示す詳細
断面図、第3図は、第1図におけるテーパ状ゲートの近
傍を示す詳細断面図、第4図は、第1図に係る成形装置
をプレス装置へ装着した状態を示す略示図である。
まず、この成形装置の概要を、第1〜3図を用いて説明
する。
この成形装置は、紫外線を透過する基体薄板と、キヤビ
テイ面1aを所定形状(フレネルレンズ面と反対形状)に
彫刻したフレネル金型入駒1の前記キヤビテイ面1aとに
よって形成されるキヤビテイ3内へ、前記フレネル金型
入駒1を装着した下型8に設けたゲートから紫外線硬化
樹脂を充填し、この樹脂へ基体薄板側から紫外線を照射
して該樹脂を硬化させることにより、この硬化したプリ
ズム部と前記基体薄板とが一体に重合接着してなる所望
の成形品を成形して、この成形品を前記下型8に装着し
たエジエクタピンによって離型し、フレネルレンズを得
るようにしたものであって、前記基体薄板を、弾性を有
する基体薄板2(詳細後述)にし、この基体薄板2の反
キヤビテイ側に、この基体薄板2とで密閉空間16を形成
し、該空間16内部を真空にすることができる成形補助装
置に係る上型7を装着せしめ、この上型7は、基体薄板
2と対向し、紫外線を透過する板材4(詳細後述)と、
この板材4を保持する保持部材7aと、密閉空間16内を真
空吸引することができる排気口5とを有するものであ
り、さらに、この排気口5は、密閉空間16内へ、予め設
定したガス圧を導入することができる給気口を兼ねるも
のであり、さらにまた、基体薄板2と上型7,下型8との
間へOリング6を介挿し、また、前記ゲートを、抜きこ
う配方向のテーパを有するテーパ状ゲート9にし、そし
て、エジエクタピンを、軸部12aの先端に、抜きこう配
方向のテーパを有する皿部12bを形成した皿付きエジエ
クタピン12にし、この皿付きエジエクタピン12の周囲
に、空気圧供給源(図示せず)と連通したクリアランス
20を設けてなるものである。
以下、詳細に説明する。
下型8には、所定形状のフレネルレンズ面反対形状を形
成したフレネル金型入駒1が、金型吸着用真空排気口11
からの真空吸引によって真空吸着されている。この下型
8の一方側には、紫外線硬化樹脂を注入する樹脂注入口
14が設けられ、途中バルブ10を介して、テーパ状ゲート
9からキヤビテイ3へ連通している。このテーパ状ゲー
ト9は、第3図にその詳細を示すように、成形品の離型
時に、すでに紫外線によって硬化した硬化部分9-1と未
硬化部分9-2とを、アンダカットなしにその境界で分離
することができるものであって、紫外線照射方向13-1と
離型方向12-1と同方向にテーパ角度を有し、すなわち、
抜きこう配方向のテーパを有し、下方から紫外線硬化樹
脂を注入することができる。
また、前記下型8の他方側には、前記樹脂をオーバフロ
ーさせるための排出口15が、途中バルブ10を介して設け
られている。
上型7には、前記板材4が取付けられており、この板材
4は、紫外線を通すガラス(石英、あるいは青板ガラス
でもよい)である。また、上型7と下型8との間には、
基体薄板2がOリング6を介して保持されている。この
基体薄板2は透明アクリル板であり、通常のフレネルレ
ンズにおいては、その寸法が950mm×750mm以上と大きい
ので、コスト面を考慮し押出し材を使用する。その平面
度の寸法精度は±0.5mm程度で、厚さ方向の寸法精度は
±0.1mm程度である。このような基体薄板2を通常の方
法で保持すると、樹脂漏れ,エア漏れを生ずるおそれが
あるので、キヤビテイ3の外側で、該基体薄板2の平面
部をOリング6により、密着保持し、その外周部を固定
しないようにしたものである。また、厚さ方向の寸法バ
ラツキは、プレス装置のストロークなどで吸収できるよ
うにした。
前記上型7の板材4の上方には、紫外線を照射するため
の紫外線照射装置13が、キヤビテイ3の全域を照射する
ことができるように、駆動装置(図示せず)に取りつけ
られている。
キヤビテイ3の寸法は、フレネルレンズの性能には直接
影響しないが、紫外線硬化樹脂の使用量を少なくするた
め、離型時に支障のない程度に薄くするのがよく、本実
施例では、プリズム高さh(詳細後述)を含んで0.3mm
〜0.8mmの範囲にした。
基体薄板2と板材4との間には、キヤビテイ3内へ紫外
線硬化樹脂の硬化収縮量だけ余分に樹脂を充填すること
ができるように、前記基体薄板2を反キヤビテイ側へ予
め変形させておくための密閉空間16を設けてあり、この
密閉空間16へは真空吸引用の排気口5が接続されてい
る。
成形品をフレネル金型入駒1から離型するために使用す
る皿付きエジエクタピン12は、その軸部12aの先端にテ
ーパ形状の皿部12bを有しており、この皿付きエジエク
タピン12の軸部12aと軸孔との間にはクリアランス20が
設けてあり、このクリアランス20が高圧空気供給口21へ
連通している。また、このクリアランス20は、Oリング
24によって外気とは遮断されている。
また、この成形装置は、第4図に示すように、プレス装
置25によって、垂直方向[第4図(a)の状態]および
水平方向[第4図(b)の状態]に、それぞれ保持する
ことができるようになっている。
以上のように構成した成形装置を使用して、本発明の、
放射線硬化樹脂の成形方法の第1の実施例を説明する。
第5〜7図は、第1図に係る成形装置を使用した成形方
法の第1の実施例を説明するためのものであり、第5図
は、基体薄板が反キヤビテイ側へ変形した状態を示す断
面図、第6図は、皿付きエジエクタピンの動作を示す要
部断面図、第7図は、離型完了状態を示す断面図、第8
図は、成形品であるフレネルレンズを示す略示図であ
る。各図において、第1図と同一番号を付したものは同
一部分である。
プレス装置25によって、この成形装置を、第4図(a)
に示すように、垂直方向に保持する。
予め真空ポンプ(図示せず)によって、排気口5から密
閉空間16内を真空引きすることにより、基体薄板2を所
定の寸法だけ持ち上げて、反キヤビテイ側へ変形させる
(第5図の状態)。この変形量は、紫外線硬化樹脂の硬
化収縮率と該樹脂の成形厚さとの関係で求めた値であ
る。この状態で、樹脂排出口15のバルブ10と樹脂注入口
14のバルブ10とを開け、樹脂注入口14から所定量のアク
リル樹脂をキヤビテイ3内へ充填する(第4,5図におい
て注入方向26)。樹脂充填の際、樹脂流れの先端部で多
少エアを巻き込むけれども、その先端部のエアを含んだ
樹脂は排出口15から上方へオーバフロするので、問題は
ない。このようにしてキヤビテイ3をすべて樹脂で充填
後、両バルブ10を閉じ、樹脂がもれないようにする。次
に排気口5から真空吸引していた前記真空ポンプを止
め、密閉空間16内を常圧へ戻す。
プレス装置25を動作させて、該成形装置を水平に戻す
[第4図(b)の状態]。紫外線照射装置13より照射エ
ネルギ500mJ/cm2の紫外線を照射し、キヤビテイ3内の
樹脂の硬化を開始させる。さきに、密閉空間16内を常圧
へ戻したので、それまで反キヤビテイ側へ変形していた
基体薄板2は、それ自体の弾性により元の平面へ戻る力
が働く。一方、紫外線照射により硬化した前記樹脂は硬
化収縮を起こし、この硬化収縮にともなって基体薄板2
の変形が回復し、樹脂が完全硬化したときには平面にな
る。この完全硬化したとき、テーパ状ゲート9内の樹脂
は、第3図に示すように、硬化部分9-1と未硬化部分9-2
とに分かれ、両者間に境界ができる。
型開き後、成形品が皿付きエジエクタピン12によって離
型する。これを第6図を用いて説明すると、皿付きエジ
エクタピン12をわずか上方へ移動させたのち、高圧空気
供給口21から矢印方向へ供給された高圧空気は、硬化樹
脂22とフレネル金型入駒1との間へ入り込み、基体薄板
2と硬化樹脂22(これがプリズム部18である)とが一体
に重合接着してなる成形品を持ち上げる。一方、基体薄
板2は、上型7と下型8とによりOリング6を介して圧
縮されているため、前記高圧空気は、外へ漏れることな
く、順次成形品の中心へ向って流入し、該成形品を離型
して行く。この離型時、基体薄板2は、その外縁部を拘
束されているので、変形が小さい。したがって、成形品
は、フレネルレンズ面全域にわたって、フレネル金型入
駒1とほぼ垂直方向へ離型される。この離型完了時の状
態を、第7図に示す。
このようにして成形されたフレネルレンズ27は、第8図
にその詳細を示すように[(a)図は平面図、(b)図
は側面図]、大きさ約950mm×750mmで、厚さ約3mmのも
のであり、基体薄板2とプリズム部18(詳細後述)とを
一体に重合接着してなるものである。前記プリズム部18
の表面17には、高さhが、外周部で約0.2mm,中心で0mm
のプリズムが、ピッチ約0.1mmの同心円状に形成されて
おり、そのプリズム角は、外周部で約60°,中心部で0
°である。
以上説明した実施例によれば、次の効果がある。
(イ).紫外線硬化硬化樹脂が紫外線照射で硬化すると
きの硬化収縮分だけ、キヤビテイ3内へ余計に充填する
ようにしたので、硬化収縮による成形品の“ひけ”、お
よびフレネル金型入駒1の転写不良をなくすことができ
る。
(ロ).基体薄板2と上型7,下型8との間へOリング6
を介挿するようにしたので、大面積の基体薄板2を使用
する場合であっても、その寸法のバラツキに起因する樹
脂漏れ,エア漏れをなくすことができる。
(ハ).皿付きエジエクタピン12の周囲のクリアランス
20へ導入した高圧空気を利用して離型するようにしたの
で、成形品を変形させることなく、フレネル金型入駒1
と垂直方向へ離型することができる。したがって、その
微小凹凸をなしたキヤビテイ面1aへの樹脂残りをなく
し、精度よく離型することができる。
(ニ).離型時、紫外線によって硬化した部分9-1と、
未硬化部分9-2とをアンダカットなしに分離できるの
で、離型時のアンダカットトラブルを防止し、連続成形
を可能にする。
(ホ).樹脂注入時のエア巻き込みに起因する成形品ボ
イドがなくなるので、成形品の歩留り向上,成形品の精
度向上をもたらす。
次に、本発明の、放射線硬化樹脂の成形方法の第2の実
施例を、第9図を用いて説明する。
第9図は、第1図に係る成形装置を使用した成形方法の
第2の実施例を説明するための、キヤビテイ内の樹脂流
れを示す模式図である。
前記第1の実施例においては、キヤビテイ3内へ樹脂充
填後、排気口5へ接続された真空ポンプの真空吸引を止
め、密閉空間16内を常圧へ戻したが、本実施例は、前記
真空ポンプを止めたのち、圧力調整装置(図示せず)を
介して、予め設定したガス圧、たとえば高圧空気を、排
気口5(これは給気口を兼ねる)から密閉空間16内へ導
入し、該空間16内を陽圧にし、これを樹脂硬化完了まで
維持するようにしたものである。
これを、第9図を用いて説明すると、(a)図は、前記
第1の実施例のように、密閉空間16内を常圧へ戻した場
合であり、この場合には、基体薄板2へは圧力が負荷さ
れない。これに対して、同図(b),(c)図は、密閉
空間16内を陽圧にした本実施例の場合であり、いずれも
基体薄板2へ圧力が負荷され、これによりキヤビテイ3
内の溶融樹脂23が圧押される。
これを仔細に見ると、(a)図に係るものは、溶融樹脂
23が硬化するとき、キヤビテイの半径方向中心へ向かっ
て収縮する。キヤビテイ面1aの微小凹凸の形状は、その
立上がり部分で外周へ傾いているので、半径方向中心へ
向かって移動する樹脂は、前記立上がり部分へ過剰に
“くいつき”成形品の離型に要する離型力を大きくする
おそれがあるものである。これに対して、(b),
(c)図に係るものは、密閉空間内を陽圧にしたことに
より、溶融樹脂23は、それぞれキヤビテイの半径方向外
周,板厚方向へ移動し、キヤビテイ面への“くいつき”
を防止し、その結果として離型力を低減することができ
る。
以上説明した第2の実施例によれば、前記した第1の実
施例の効果に加えて、密閉空間内へ陽圧を加える(もし
くはその大きさを調整する)ようにしたので、樹脂の硬
化収縮する方向が、フレネルレンズの厚さ方向,外周方
向になり、離型力を低減することができるとともに、転
写性がさらに向上するという利点がある。
なお、前記各実施例は、フレネルレンズを成形するもの
について説明したが、本発明は、レンチキユラレンズ,
光デイスク,グレーテイングなど、基体薄板上に放射線
硬化樹脂を一体に重合接着してなる成形品の成形へ適用
することができるものである。
さらに、前記各実施例は、基体薄板として透明アクリル
板を使用したが、スチレン,アクリルスチレン重合体,
ポリカーボネート,ポリメチルペンテンなど、透明で弾
性を有するプラスチックで製作したものであれば、何で
もよい。
さらにまた、前記各実施例は、アクリル樹脂を使用して
成形品を成形するものについて説明したが、アクリル樹
脂など紫外線硬化樹脂に限らず、γ線硬化樹脂,X線硬化
樹脂などの放射線硬化樹脂を使用した成形へも適用する
ことができることは云うまでもない。
[発明の効果] 以上詳細に説明したように本発明によれば、放射線硬化
樹脂が硬化するときの硬化収縮に起因する“ひけ”を防
止し、転写精度の優れた成形品を成形することができ
る、放射線硬化樹脂の成形方法、およびこの方法の実施
に直接使用される成形装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の、放射線硬化樹脂の成形方法の実施
に使用される成形装置の一例を示す断面図、第2図は、
第1図における皿付きエジエクタピンの近傍を示す詳細
断面図、第3図は、第1図におけるテーパ状ゲートの近
傍を示す詳細断面図、第4図は、第1図に係る成形装置
をプレス装置へ装着した状態を示す略示図、第5〜7図
は、第1図に係る成形装置を使用した成形方法の第1の
実施例を説明するためのものであり、第5図は、基体薄
板が反キヤビテイ側へ変形した状態を示す断面図、第6
図は、皿付きエジエクタピンの動作を示す要部断面図、
第7図は、離型完了状態を示す断面図、第8図は、成形
品であるフレネルレンズを示す略示図、第9図は、第1
図に係る成形装置を使用した成形方法の第2の実施例を
説明するための、キヤビテイ内の樹脂流れを示す模式
図、第10〜12図は、従来の、紫外線硬化樹脂を使用して
フレネルレンズを成形する成形装置の第1〜3の例を示
す略示図である。 1……フレネル金型入駒、1a……キヤビテイ面、2……
基体薄板、3……キヤビテイ、4……板材、5……排気
口、6……Oリング、7……上型、7a……保持部材、8
……下型、9……テーパ状ゲート、12……皿付きエジエ
クタピン、12a……軸部、12b……皿部、16……密閉空
間、20……クリアランス。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 上田 雅信 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 西口 隆 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所生産技術研究所内 (72)発明者 横田 昌治 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所横浜工場内 (72)発明者 菅原 孝美 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株 式会社日立製作所横浜工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放射線を透過する基体薄板と、キヤビテイ
    面を所定形状に彫刻した金型の前記キヤビテイ面とによ
    って形成されるキヤビテイ内へ、放射線硬化樹脂を充填
    し、この樹脂へ基体薄板側から放射線を照射して該樹脂
    を硬化させることにより、所望の成形品を成形する方法
    において、 基体薄板を、弾性を有する基体薄板にし、 この基体薄板の反キヤビテイ側に密閉空間を形成し、 この密閉空間内を真空吸引することにより、キヤビテイ
    の容積が該キヤビテイ内へ充填される放射線硬化樹脂の
    硬化収縮量と等しいだけ膨大するように、前記基体薄板
    を反キヤビテイ側へ変形させ、 この膨大したキヤビテイ内へ前記樹脂を充填したのち、
    前記真空吸引を解除する ことを特徴とする、放射線硬化樹脂の成形方法。
  2. 【請求項2】密閉空間内の真空吸引を解除したときから
    樹脂硬化完了までの間、前記密閉空間内を陽圧に維持す
    るようにした ことを特徴とする請求項1記載の、放射線硬化樹脂の成
    形方法。
  3. 【請求項3】キヤビテイ内へ放射線硬化樹脂を充填する
    ときには、該キヤビテイを水平に対して30°〜90°に保
    持し、充填後には、該キヤビテイを水平に保持するよう
    にした ことを特徴とする請求項1記載の、放射線硬化樹脂の成
    形方法。
  4. 【請求項4】放射線を透過する基体薄板と、キヤビテイ
    面を所定形状に彫刻した金型の前記キヤビテイ面とによ
    って形成されるキヤビテイ内へ、前記金型に設けたゲー
    トから放射線硬化樹脂を充填し、この樹脂へ基体薄板側
    から放射線を照射して該樹脂を硬化させることにより、
    所望の成形品を成形して、この成形品を前記金型に装着
    したエジエクタピンによって離型するようにした成形装
    置において、 基体薄板を、弾性を有する基体薄板にし、 この基体薄板の反キヤビテイ側に、この基体薄板とで密
    閉空間を形成し、該空間内部を真空にすることができる
    成形補助装置を装着せしめ、 この成形補助装置は、前記基体薄板と対向し、放射線を
    透過する板材と、この板材を保持する保持部材と、前記
    密閉空間内を真空吸引することができる排気口とを有す
    るものである ことを特徴とする、放射線硬化樹脂の成形装置。
  5. 【請求項5】成形補助装置に、密閉空間内へ、予め設定
    したガス圧を導入することができる給気口を設けた ことを特徴とする請求項4記載の、放射線硬化樹脂の成
    形装置。
  6. 【請求項6】基体薄板と金型との間へ、Oリングを介挿
    した ことを特徴とする請求項4記載の、放射線硬化樹脂の成
    形装置。
  7. 【請求項7】ゲートを、抜きこう配方向のテーパを有す
    るテーパ状ゲートにした ことを特徴とする請求項4記載の、放射線硬化樹脂の成
    形装置。
  8. 【請求項8】エジエクタピンを、軸部の先端に、抜きこ
    う配方向のテーパを有する皿部を形成した皿付きエジエ
    クタピンにし、このエジエクタピンの周囲に、空気圧供
    給源と連通したクリアランスを設けた ことを特徴とする請求項4記載の、放射線硬化樹脂の成
    形装置。
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