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JPH0690538B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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JPH0690538B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH0690538B2
JPH0690538B2 JP27441489A JP27441489A JPH0690538B2 JP H0690538 B2 JPH0690538 B2 JP H0690538B2 JP 27441489 A JP27441489 A JP 27441489A JP 27441489 A JP27441489 A JP 27441489A JP H0690538 B2 JPH0690538 B2 JP H0690538B2
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泰史 水田
作白 田中
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 この発明は電子写真感光体に関し、より詳細には、表面
保護層を有する電子写真感光体に関するものである。
〈従来の技術〉 いわゆるカールソンプロセスを利用した、複写機等の画
像形成装置においては、導電性を有する基材上に感光層
を形成した電子写真感光体が用いられている。
電子写真感光体は、画像形成プロセス時に電気的、光学
的、機械的な衝撃を繰返し受けるので、これら衝撃に対
する耐久性を向上させる等の目的で、感光層の上に、結
着樹脂からなる表面保護層を積層することが行われてい
る。
結着樹脂としては、表面保護層の硬度を向上させるた
め、熱硬化性シリコーン樹脂が主として用いられる。し
かし、上記熱硬化性シリコーン樹脂単独では、摺動摩擦
に対して脆く、損傷を受けやすい等の問題がある。
そこで、表面保護層の結着樹脂として熱硬化性シリコー
ン樹脂と、ポリ酢酸ビニル等の熱可塑性樹脂とを併用し
た電子写真感光体(特開昭63-18354号公報参照)や、熱
硬化性シリコーン樹脂とブチルエーテル化メラミン・ホ
ルムアルデヒド樹脂とを併用した電子写真感光体が提案
されている(特開昭63-2071号公報参照)。
〈発明が解決しようとする課題〉 しかしながら、前者の併用系においては、感光体の感度
が十分でなく、また、熱硬化性シリコーン樹脂単独の場
合に比べて表面硬度が低く、却って損傷を受けやすい
等、表面保護層の物性の面で問題がある他、特に熱硬化
性シリコーン樹脂にポリ酢酸ビニルを併用した系では、
表面保護層を形成するための塗布液が安定性に欠け、ポ
ットライフを過ぎると膜の白化が生じるという問題もあ
った。
一方、後者の併用系では、系を構成する樹脂が、何れも
硬化によって硬度の高い3次元構造を形成する熱硬化性
樹脂であるため、形成された表面保護層は表面硬度が高
いものとなるが、層中におけるシリコーンサイトとメラ
ミンサイトとの間の相溶性が十分でないため、両サイト
間に、構造的なトラップとなる空隙を多数生じて、帯電
特性が悪化したり、繰返し露光を行うと電位の安定性が
低下したりする等、電子写真感光体の感光特性に悪影響
を及ぼす虞があった。
本発明者らの検討によれば、上記ブチルエーテル化メラ
ミン・ホルムアルデヒド樹脂に代えて、メチルエーテル
化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂またはメチル−ブチ
ル混合エーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂(以
下、上記2つをまとめて「特定エーテル化メラミン・ホ
ルムアルデヒド樹脂」という)を使用した併用系では、
上記特定エーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂
が、従来のブチルエーテル化メラミン・ホルムアルデヒ
ド樹脂に比べて架橋性が高く、硬化時に、熱硬化性シリ
コーン樹脂のSi-OH基と共有結合することはないが、上
記Si-OH基との間に十分に大きい分子相互作用を生じる
ため、層中におけるシリコーンサイトとメラミンサイト
との相溶性が向上し、構造的トラップの少ない緻密な膜
を形成し得ることが判明した。しかし、上記併用系で
は、メラミンの芳香族π電子によって層の導電性を向上
させるために、熱硬化性シリコーン樹脂の非揮発性固形
分100重量部に対して、メチルエーテル化メラミン・ホ
ルムアルデヒド樹脂の場合には15重量部、メチル−ブチ
ル混合エーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の場
合には30重量部を超えて配合した場合には、熱硬化性シ
リコーン樹脂に対する相互作用が強すぎて、表面保護層
に内部応力が生じ、クラック等が発生するという問題が
あった。
この発明は、以上の事情に鑑みてなされたものであっ
て、電子写真感光体の感光特性、物性等に悪影響を与え
ることなく、且つ熱硬化性シリコーン樹脂単独の場合に
比べて摺動摩擦に対する脆さ等が改善されており、しか
も、より導電性に優れた表面保護層を有する電子写真感
光体を提供することを目的としている。
〈課題を解決するための手段および作用〉 上記課題を解決するための、この発明の電子写真感光体
は、熱硬化性シリコーン樹脂と、この熱硬化性シリコー
ン樹脂の非揮発性固形分100重量部に対して5〜50重量
部の特定エーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂
と、上記熱硬化性シリコーン樹脂の非揮発性固形分およ
び特定エーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の合
計量に対して1〜11重量%の熱可塑性樹脂と、導電性付
与剤とを含有する塗布液を感光層上に塗布し、硬化させ
てなる表面保護層を有することを特徴としている。
上記構成からなる、この発明の電子写真感光体において
は、塗布液中に含有される特定エーテル化メラミン・ホ
ルムアルデヒド樹脂が、従来のブチルエーテル化メラミ
ン・ホルムアルデヒド樹脂に比べて架橋性が高く、硬化
時に、熱硬化性シリコーン樹脂のSi-OH基と共有結合す
ることはないが、上記Si-OH基との間に十分に大きい分
子相互作用を生じるため、層中におけるシリコーンサイ
トとメラミンサイトとの相溶性が向上し、構造的トラッ
プの少ない緻密な膜が形成される。また、塗布液中に含
有される熱可塑性樹脂が、表面保護層において、内部応
力を低減させる緩衝体として作用するので、上記特定エ
ーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂を、より多量
に層中に配合してもクラック等の発生する虞がなく、樹
脂中に含まれる多量の芳香族π電子と、層中に含まれる
導電性付与剤とによって層の導電性をさらに向上させる
ことができる。したがって、この発明の電子写真感光体
は感光特性に優れたものとなる。また、上記のように、
層を構成する主成分が、硬化によって3次元構造を形成
する熱硬化性シリコーン樹脂と特定エーテル化メラミン
・ホルムアルデヒド樹脂であるため、硬化後の表面保護
層は表面硬度が高くなる。しかも、前述したように両樹
脂は相溶性が高く、硬化後の3次元構造が複雑に入り組
んだものとなって、熱可塑性樹脂による弾力性の付与と
相俟って、熱硬化性シリコーン樹脂単独の場合に比べて
摺動摩擦に対する脆さ等が改善されたものとなる。
なお、塗布液中における、熱硬化性シリコーン樹脂の非
揮発性固形分100重量部に対する、特定エーテル化メラ
ミン・ホルムアルデヒド樹脂の含有量が5〜50重量部の
範囲内、熱可塑性樹脂の含有割合が、シリコーン樹脂の
非揮発性固形分と特定エーテル化メラミン・ホルムアル
デヒド樹脂との合計量の1〜11重量%の範囲内に、それ
ぞれ限定されるのは、下記の理由による。
すなわち、特定エーテル化メラミン・ホルムアルデヒド
樹脂の含有量が5重量部未満では、熱可塑性樹脂の含有
割合に関係なく、硬化後の表面保護層に、摺動摩擦に対
する脆さ等の問題が生じる他、層中の芳香族π電子が不
足して感光特性が悪化する。
一方、特定エーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂
の含有量が50重量部を超えると、熱硬化性シリコーン樹
脂に対する相互作用が強すぎて、熱可塑性樹脂の配合割
合に関係なく、表面保護層に内部応力が生じ、クラック
等が発生して、きれいな表面保護層が得られなくなる。
また、熱可塑性樹脂の含有割合が1重量%未満では、特
定エーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の含有量
が多いほど、表面保護層に内部応力が生じ、クラック等
が発生して、きれいな表面保護層が得られなくなる。
そして、熱可塑性樹脂の含有割合が11重量%を超える
と、表面保護層の軟化を生じる上、特定エーテル化メラ
ミン・ホルムアルデヒド樹脂の含有量が少ないほど、白
濁や感光特性の悪化等を生じる。
塗布液中に含有される熱硬化性シリコーン樹脂は、テト
ラアルコキシシラン、トリアルコキシアルキルシラン、
ジアルコキシジアルキルシラン等のオルガノシラン、ト
リクロルアルキルシラン、ジクロルジアルキルシラン等
のオルガノハロゲンシランなど、シラン系化合物の、単
独または2種以上の混合物の加水分解物(いわゆるオル
ガノポリシロキサン)、またはその初期縮合反応物を非
揮発性固形分として、溶媒中に溶解または分散させたも
ので、シラン化合物のアルコキシ基、アルキル基として
は、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、t−
ブトキシ基、グリシドキシ基、メチル、エチル等の、炭
素数1〜4程度の低級基が挙げられる。
上記熱硬化性シリコーン樹脂と併用される特定エーテル
化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂のうち、メチルエー
テル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂は、メラミンと
ホルムアルデヒドとの反応物であるモノないしヘキサの
各種メチロールメラミンにおけるメチロール基の一部ま
たは全部がメチルエーテル化したもの、またはその初期
縮合反応物であり、液状ないしシロップ状等の状態で供
給されるものが好ましく用いられる。
上記メチルエーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂
の数平均分子量はこの発明では特に限定されないが、15
00を超えると反応性が低下するので、上記数平均分子量
は1500以下であることが好ましい。また、上記樹脂は、
メラミン核1個当たりの結合ホルムアルデヒド数が3〜
6個であり、そのうちの3〜6個がメチルエーテル化し
たものであることが好ましい。メラミン核1個当たりの
結合ホルムアルデヒド数が3個未満では、表面保護層が
機械的強度に劣ったものとなる虞がある。また、上記ホ
ルムアルデヒドのうちメチルエーテル化した個数が3個
未満では、表面保護層用の塗布液が安定性に欠けたもの
となる虞がある。
一方、メチル−ブチル混合エーテル化メラミン・ホルム
アルデヒド樹脂は、上記モノないしヘキサの各種メチロ
ールメラミンにおけるメチロール基の少なくとも1つが
メチルエーテル化し、残余のメチロール基の少なくとも
1つがブチルエーテル化したもの、またはその初期縮合
反応物であり、同じく液状ないしシロップ状等の状態で
供給されるものが好ましく用いられる。
上記メチル−ブチル混合エーテル化メラミン・ホルムア
ルデヒド樹脂の数平均分子量はこの発明では特に限定さ
れないが、1500を超えると反応性が低下するので、上記
数平均分子量は1500以下であることが好ましい。また、
上記樹脂は、メラミン核1個当たりの結合ホルムアルデ
ヒド数が3〜6個であり、そのうちの2〜5個がメチル
エーテル化し、1〜2個がブチルエーテル化したもので
あることが好ましい。メラミン核1個当たりの結合ホル
ムアルデヒド数が3個未満では表面保護層が機械的強度
に劣ったものとなる虞がある。また、上記ホルムアルデ
ヒドのうちメチルエーテル化した個数が2個未満では繰
り返し露光による表面電位の低下が大きくなり、5個を
超えると、クラックが発生し易くなる虞がある。また、
ブチルエーテル化した個数が1個未満ではクラックが発
生し易くなり、3個を超えると繰り返し露光による表面
電位の低下が大きくなる虞がある。
なお、上記各硬化性樹脂は、条件によっては触媒を用い
なくても、加熱するだけで硬化させることができるが、
通常、硬化反応をスムーズ且つ均一に完結させるために
触媒を用いる場合が多い。
硬化用触媒としては、無機酸または有機酸、アミン類な
どのアルカリ等、種々のものを使用することができる。
また、必要に応じて、従来公知の硬化助剤等を併用する
こともできる。
上記熱硬化性シリコーン樹脂および特定エーテル化メラ
ミン・ホルムアルデヒド樹脂と共に表面保護層中に含有
される熱可塑性樹脂としては、スチレン系重合体;アク
リル系重合体;スチレン−アクリル系共重合体;ポリエ
チレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素化ポリエ
チレン、ポリプロピレン、アイオノマー等のオレフィン
系重合体;ポリ塩化ビニル;塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体;ポリ酢酸ビニル;飽和ポリエステル;ポリアミ
ド;熱可塑性ポリウレタン樹脂;ポリカーボネート;ポ
リアリレート;ポリスルホン;ケトン樹脂;ポリビニル
ブチラール樹脂;ポリエーテル樹脂等の、種々の合成樹
脂材料が使用できるが、特に、ポリ酢酸ビニルとアクリ
ル系重合体が好適に使用される。
熱可塑性樹脂としてポリ酢酸ビニルを用いた系では、ポ
リ酢酸ビニルの持つ柔軟性により、表面保護層の脆さが
改善されて、機械的強度が向上し、長寿命化が可能にな
る。
一方、熱可塑性樹脂としてポリメチルメタクリレート
(PMMA)等のアクリル系重合体を用いた系では、上記ア
クリル系重合体の持つ高い光学特性に基づいて、より一
層の光感度化が可能になる。
なお、上記ポリ酢酸ビニルおよびアクリル系重合体は、
それぞれ単独で使用できる他、両者を併用することもで
き、さらに、その他の熱可塑性樹脂を配合することも可
能である。
上記各成分を溶解または分散して、表面保護層用の塗布
液を構成する溶媒としては、例えばイソプロピルアルコ
ール;n−ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪
族系炭化水素;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香
族炭化水素;ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化
炭素、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素;ジメチ
ルエーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチル
エーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸
メチル等のエステル類;ジメチルホルムアミド;ジメチ
ルスルホキシド等が挙げられ、これらが単独で、または
二種以上混合して使用される。
画像形成プロセスにおける下層への電荷の注入を容易に
する目的で、塗布液中に配合される導電性付与剤として
は、酸化スズ、酸化チタン、酸化インジウム、酸化アン
チモン等の単体金属酸化物や、酸化スズと酸化アンチモ
ンとの固溶体等の導電性金属酸化物が挙げられる。上記
導電性金属酸化物は、一般に、微粒子状態で、硬化前の
塗布液中に攪拌、混合され、塗膜の硬化によって表面保
護層中に分散されるが、微粒子の状態では凝集し易く、
塗布液中に均一に分散させるための長時間の攪拌が必要
となるため、前述したように、コロイド溶液の状態で、
塗布液中に混和させることが好ましい。上記コロイド溶
液においては、導電性金属酸化物の微粒子は、それぞれ
の持つ表面電荷によって互いに反発して、塗布液中にお
ける凝集が防止されるので、短時間の攪拌、混合によ
り、塗布液中に均一に分散させることができる。
導電性金属酸化物粒子のコロイド溶液の製造方法は、導
電性金属酸化物の種類によって異なり、例えば、五酸化
アンチモン(Sb2O5)のコロイド溶液は、無水三酸化ア
ンチモンと硝酸とを混合し、加熱後、α−ヒドロキシカ
ルボン酸と、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等の有
機溶媒とをこの順に添加し、副生成物としての水を蒸留
によって除去する方法(特開昭47-11382号公報参照)
や、塩化水素等のハロゲン化水素に、エチレングリコー
ルに代表される1価或いは2価以上のアルコール、DMF
等の親水性有機溶媒およびα−ヒドロキシカルボン酸を
加え、そこへ三酸化アンチモンを分散させた状態で、過
酸化水素水によって酸化させる方法(特開昭52-38495号
公報、特開昭52-38496号公報参照)等により調製するこ
とができる。
上記五酸化アンチモンコロイド溶液を調製するための分
散媒としては、下層の感光層を侵すことがないように、
有機性の小さいメチルアルコール、エチルアルコール、
n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブ
チルアルコール等のアルコール類を用いることが好まし
い。
また、酸化スズ(SnO2、SnO等)と酸化アンチモン(Sb2
O5、Sb2O3等)との固溶体のコロイド溶液の場合には、例
えば第1図に示すように、固溶体粒子1の表面に、粒径
5nm以下程度の酸化ケイ素粒子2…を吸着させる方法等
により調製することができる。そして、第1図の構造に
おいては、固溶体粒子1の表面に吸着された酸化ケイ素
粒子2…が、分散媒との接触によりOH基を生じて負に帯
電することで、固溶体粒子1の表面に電荷を持たせるよ
うになっている。
上記酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子は、通
常、酸化スズの微粒子にアンチモンをドープして形成さ
れるもので、特に限定されないが、固溶体粒子中におけ
るアンチモンの含有割合が0.001〜30重量%であること
が好ましく、5〜20重量%であることがより好ましい。
固溶体粒子中におけるアンチモンの含有割合が0.001重
量%未満の場合や、30重量%を超えた場合には、十分な
導電性が得られなくなる虞がある。
また、上記固溶体粒子の粒径は特に限定されないが、10
〜20nmであることが好ましい。固溶体粒子の粒径が10nm
未満では、表面保護層の電気抵抗が大きくなり、20nmを
超えると、表面保護層の光透過率が低下する虞がある。
固溶体粒子に対する酸化ケイ素の割合も特に限定されな
いが、固溶体粒子100重量部に対し10重量部以下である
ことが好ましい。固溶体粒子100重量部に対する酸化ケ
イ素の割合が10重量部を超えた場合には、十分な導電性
が得られなくなる虞がある。
上記固溶体粒子と共にコロイド溶液を構成する分散媒と
しては、前述したように、酸化ケイ素を負に帯電させる
ために極性溶媒が使用され、特に、保護層用塗布液との
相溶性に優れ、且つ下地層としての感光層を侵す虞のな
い、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピ
ルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコ
ール等のアルコール類が好適に使用される。
上記表面保護層を構成する結着樹脂には、膜の特性を損
なわない範囲で、前記以外の熱硬化性樹脂を併用するこ
とができる。前記以外の他の熱硬化性樹脂としては、硬
化性アクリル樹脂;アルキッド樹脂;不飽和ポリエステ
ル樹脂;ジアリルフタレート樹脂;フェノール樹脂;尿
素樹脂;ベンゾグアナミン樹脂;特定エーテル化系およ
びブチルエーテル化系以外のメラミン樹脂が例示され
る。
上記表面保護層には、ターフェニル、ハロナフトキノン
類、アセナフチレン等従来公知の増感剤;9−(N,N−ジ
フェニルヒドラジノ)フルオレン、9−カルバゾリルイ
ミノフルオレン等のフルオレン系化合物;導電性付与
剤;アミン系、フェノール系等の酸化防止剤、ベンゾフ
ェノン系等の紫外線吸収剤などの劣化防止剤;可塑剤な
ど、種々の添加剤を含有させることができる。
上記表面保護層の膜厚は、0.1〜10μm、特に2〜5μ
mの範囲内であることが好ましい。
なお、この発明感光体は、表面保護層以外の構成につい
ては、従来と同様の材料を用い、従来同様の構成とする
ことができる。
まず、導電性基材について述べる。
導電性基材は、電子写真感光体が組み込まれる画像形成
装置の機構、構造に対応してシート状あるいはドラム状
など、適宜の形状に形成される。また、上記導電性基材
は、全体を金属などの導電性材料で構成しても良く、基
材自体は導電性を有しない構造材料で形成し、その表面
に導電性を付与しても良い。
なお、前者の構造を有する導電性基材において使用され
る導電性材料としては、表面がアルマイト処理された、
または未処理のアルミニウム、銅、スズ、白金、金、
銀、バナジウム、モリブデン、クロム、カドミウム、チ
タン、ニッケル、パラジウム、インジウム、ステンレス
銅、真鍮等の金属材料が好ましい。
一方、後者の構造としては、合成樹脂製基材またはガラ
ス基材の表面に、上記例示の金属や、ヨウ化アルミニウ
ム、酸化スズ、酸化インジウム等の導電性材料からなる
薄膜が、真空蒸着法または湿式めっき法などの公知の膜
形成方法によって積層された構造、上記合成樹脂成形品
やガラス基材の表面に上記金属材料等のフィルムがラミ
ネートされた構造、上記合成樹脂成形品やガラス基材の
表面に、導電性を付与する物質が注入された構造が例示
される。
なお、導電性基材は、必要に応じて、シランカップリン
グ剤やチタンカップリング剤などの表面処理剤で表面処
理を施し、感光層との密着性を高めても良い。
次に、導電性基材上に形成される感光層について述べ
る。
感光層は、半導体材料や有機材料、またはこれらの複合
材料からなる下記構成のものが使用できる。
半導体材料からなる単層型の感光層。
結着樹脂中に電荷発生材料と電荷輸送材料とを含有す
る単層型の有機感光層。
結着樹脂中に電荷発生材料を含有する電荷発生層と、
結着樹脂中に電荷輸送材料を含有する電荷輸送層とから
なる積層型の有機感光層。
半導体材料からなる電荷発生層と、上記有機の電荷輸
送層とが積層された複合型の感光層。
複合型感光層において電荷発生層として用いられると共
に、単独でも感光層を形成できる半導体材料としては、
例えばa−As2Se3、a−SeAsTe等のアモルファスカルコ
ゲン化物やアモルファスセレン(a−Se)、アモルファ
スシリコン(a−Si)が例示される。上記半導体材料か
らなる感光層または電荷発生層は、真空蒸着法、グロー
放電分解法等の公知の薄膜形成方法によって形成するこ
とができる。
単層型または積層型の有機感光層における電荷発生層に
使用される、有機または無機の電荷発生材料としては、
例えば前記例示の半導体材料の粉末;ZnO、CdS等のII-VI
族微結晶;ピリリウム塩;アゾ系化合物;ビスアゾ系化
合物;フタロシアニン系化合物;アンサンスロン系化合
物;ペリレン系化合物;インジゴ系化合物;トリフェニ
ルメタン系化合物;スレン系化合物;トルイジン系化合
物;ピラゾリン系化合物;キナクリドン系化合物;ピロ
ロピロール系化合物が例示される。そして、上記例示の
化合物の中でも、フタロシアニン系化合物に属する、α
型,β型,γ型など種々の結晶型を有するアルミニウム
フタロシアニン、銅フタロシアニン、メタルフリーフタ
ロシアニン、オキソチタニルフタロシアニン等が好まし
く用いられ、特に、上記メタルフリーフタロシアニンお
よび/またはオキソチタニルフタロシアニンがより好ま
しく用いられる。なお、上記電荷発生材料は、それぞれ
単独で用いられる他、複数種を併用しても良い。
また、上記単層型または積層型の有機感光層や、複合型
の感光層における電荷輸送層中に含まれる電荷輸送材料
としては、例えばテトラシアノエチレン;2,4,7−トリニ
トロ−9−フルオレノン等のフルオレノン系化合物;ジ
ニトロアントラセン等のニトロ化化合物;無水コハク
酸;無水マレイン酸;ジブロモ無水マレイン酸;トリフ
ェニルメタン系化合物;2,5−ジ(4−ジメチルアミノフ
ェニル)−1,3,4−オキサジアゾール等のオキサジアゾ
ール系化合物;9−(4−ジエチルアミノスチリル)アン
トラセン等のスチリル系化合物;ポリ−N−ビニルカル
バゾール等のカルバゾール系化合物;1−フェニル−3−
(p−ジメチルアミノフェニル)ピラゾリン等のピラゾ
リン系化合物;4,4′,4″−トリス(N,N−ジフェニルア
ミノ)トリフェニルアミン等のアミン誘導体;1,1−ビス
(4−ジエチルアミノフェニル)−4,4−ジフェニル−
1,3−ブタジエン等の共役不飽和化合物;4−(N,N−ジエ
チルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒド
ラゾン等のヒドラゾン系化合物;インドール系化合物、
オキサゾール系化合物、イソオキサゾール系化合物、チ
アゾール系化合物、チアジアゾール系化合物、イミダゾ
ール系化合物、ピラゾール系化合物、ピラゾリン系化合
物、トリアゾール系化合物等の含窒素環式化合物;縮合
多環族化合物が例示される。上記電荷輸送材料も単独
で、あるいは、複数種併用して用いることができる。な
お、上記電荷輸送材料の中でも、前記ポリ−N−ビニル
カルバゾール等の光導電性を有する高分子材料は、感光
層の結着樹脂としても使用することができる。
また、前記単層型または積層型の有機感光層、複合型感
光層における電荷輸送層などの層には、前記増感剤、フ
ルオレン系化合物、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の劣化
防止剤、可塑剤などの添加剤を含有させることができ
る。
単層型の有機感光層における、結着樹脂100重量部に対
する電荷発生材料の含有割合は、2〜20重量部の範囲
内、特に3〜15重量部の範囲内であることが好ましく、
一方、結着樹脂100重量部に対する電荷輸送材料の含有
割合は、40〜200重量部の範囲内、特に50〜100重量部の
範囲内であることが好ましい。電荷発生材料が2重量部
未満、または、電荷輸送材料が40重量部未満では、感光
体の感度が不充分になったり残留電位が大きくなったり
するからであり、電荷発生材料が20重量部を超え、また
は、電荷輸送材料が200重量部を超えると、感光体の耐
摩耗性が十分に得られなくなるからである。
上記単層型感光層は、適宜の厚みに形成できるが、通常
は、10〜50μm、特に15〜25μmの範囲内に形成される
ことが好ましい。
一方、積層型の有機感光層を構成する層のうち、電荷発
生層における、結着樹脂100重量部に対する電荷発生材
料の含有割合は、5〜500重量部の範囲内、特に10〜250
重量部の範囲内であることが好ましい。電荷発生材料が
5重量部未満では電荷発生能が小さ過ぎ、500重量部を
超えると隣接する他の層や基材との密着性が低下するか
らである。
上記電荷発生層の膜厚は、0.01〜3μm、特に0.1〜2
μmの範囲内であることが好ましい。
また、積層型の有機感光層および複合型感光層を構成す
る層のうち、電荷輸送層における、結着樹脂100重量部
に対する電荷輸送材料の含有割合は、10〜500重量部の
範囲内、特に25〜200重量部の範囲内であることが好ま
しい。電荷輸送材料が10重量部未満では電荷輸送能が十
分でなく、500重量部を超えると電荷輸送層の機械的強
度が低下するからである。
上記電荷輸送層の膜厚は、2〜100μm、特に5〜30μ
mの範囲内であることが好ましい。
以上に説明した、単層型や積層型の有機感光層、複合型
感光層のうちの電荷輸送層、および表面保護層などの有
機の層は、前述した各成分を含有する各層用の塗布液を
調製し、これら塗布液を、前述した層構成を形成し得る
ように、各層毎に順次導電性基材上に塗布し、乾燥また
は硬化させることで積層形成することができる。
なお、上記塗布液の調製に際しては、使用される結着樹
脂等の種類に応じて種々の溶剤を使用することができ
る。上記溶剤としては、n−ヘキサン、オクタン、シク
ロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン、キシレン、
トルエン等の芳香族炭化水素;ジクロロメタン、四塩化
炭素、クロロベンゼン、塩化メチレン等のハロゲン化炭
化水素;メチルアルコール、エチルアルコール、イソプ
ロピルアルコール、アリルアルコール、シクロペンタノ
ール、ベンジルアルコール、フルフリルアルコール、ジ
アセトンアルコール等のアルコール類;ジメチルエーテ
ル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレン
グリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル
等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;
酢酸エチル、酢酸メチル等のエステル類;ジメチルホル
ムアミド;ジメチルスルホキシド等、種々の溶剤が例示
され、これらが一種または二種以上混合して用いられ
る。また、上記塗布液を調製する際、分散性、塗工性等
を向上させるため、界面活性剤やレベリング剤等を併用
しても良い。
また、上記塗布液は従来慣用の方法、例えばミキサー、
ボールミル、ペイントシェーカー、サンドミル、アトラ
イター、超音波分散機等を用いて調製することができ
る。
〈実施例〉 以下に、実施例に基づき、この発明をより詳細に説明す
る。
実施例1〜6、比較例1〜16 結着樹脂としてのポリアリレート(ユニチカ社製,商品
名U−100)100重量部、電荷輸送材料としての4−(N,
N−ジエチルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニ
ルヒドラゾン100重量部および溶媒としての塩化メチレ
ン(CH2Cl2)900重量部からなる電荷輸送用塗布液を調
製し、この塗布液を外径78mm×長さ340mmのアルミニウ
ム管上に塗布した後、90℃で30分間加熱乾燥させて、膜
厚約20μmの電荷輸送層を形成した。
次に、上記電荷輸送層上に、電荷発生材料としての2,7
−ジブロモアンサンスロン(ICI社製)80重量部および
メタルフリーフタロシアニン(BASF社製)20重量部、結
着樹脂としてのポリ酢酸ビニル(日本合成化学社製,商
品名Y5−N)50重量部および溶媒としてのジアセトンア
ルコール2000重量部からなる電荷発生層用塗布液を塗布
し、110℃で30分間加熱乾燥させて、膜厚約0.5μmの電
荷発生層を形成した。
次に、0.02N塩酸57.4重量部とイソプロピルアルコール3
6重量部とを混合し、上記混合液の液温を20〜25℃に保
ちつつ攪拌しながら、メチルトリメトキシシラン80重量
部およびグリシドキシプロピルトリメトキシシラン20重
量部を徐々に滴下した後、室温に1時間放置することに
よってシラン加水分解物溶液を得た。そして、このシラ
ン加水分解物溶液に、同溶液中の非揮発性固形分に対
し、表1に示す配合量の特定エーテル化メラミン・ホル
ムアルデヒド樹脂と、上記熱硬化性シリコーン樹脂の非
揮発性固形分および特定エーテル化メラミン・ホルムア
ルデヒド樹脂の合計量に対し、同表に示す配合割合のポ
リビニルブチラール(電気化学社製、商品名デンカブチ
ラール5000A)とを配合して表面保護層用の塗布液を調
製した。
次に、アンチモンドープ酸化スズ微粉末(住友セメント
社製、酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子、アン
チモンを10重量%含有)を、上記塗布液中の樹脂固形分
100重量部に対し、60重量部配合して、ボールミルによ
り150時間攪拌、混合した。そして、上記塗布液とアン
チモンドープ酸化スズ微粉末との混合物を前記電荷発生
層上に塗布し、110℃で1時間加熱硬化させて、膜厚約
2.5μmの表面保護層を形成し、積層形感光層を有する
ドラム型の電子写真感光体を作製した。
実施例7〜10 アンチモンドープ酸化スズ微粉末に代えて、五酸化アン
チモンの微粒子がイソプロピルアルコール中に分散され
たコロイド溶液(日産化学社製、商品名サンコロイド、
固形分含量20重量%)を使用し、このコロイド溶液を、
塗布液中の樹脂固形分(P)と、コロイド溶液中の固形
分(M)とが、P:M=100:60(重量比)となるように、
上記シリコーン樹脂系塗布液中に配合し、ボールミルで
1時間攪拌、混合したこと以外は、上記実施例1〜6と
同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例11〜18 アンチモンドープ酸化スズ微粉末に代えて、酸化スズと
酸化アンチモンとの固溶体粒子(アンチモンを10重量%
含有、粒径10〜20nm)が、当該固溶体粒子100重量部に
対して9重量部の酸化ケイ素粒子により負に帯電された
状態で、分散媒としてのイソプロピルアルコール中に分
散されたコロイド溶液(日産化学社製)を使用し、この
コロイド溶液を、塗布液中の樹脂固形分(P)と、コロ
イド溶液中の固形分(M)とが、P:M=100:60(重量
比)となるように、上記シリコーン樹脂系塗布液中に配
合し、ボールミルで1時間攪拌、混合したこと以外は、
上記実施例1〜6と同様にして、電子写真感光体を作製
した。
比較例17 表面保護層用塗布液として、市販のシリコーン樹脂系塗
布液(東芝シリコン社製、商品名トスガード520)を使
用したこと以外は、上記実施例1〜6と同様にして、電
子写真感光体を作製した。
実施例19〜28、比較例18〜33 ポリビニルブチラールに代えて、表2に示す配合割合の
ポリ酢酸ビニル(日本合成化学社製、商品名Y5−N)を
使用したこと以外は、上記実施例1〜6と同様にして、
電子写真感光体を作製した。
実施例29〜32 アンチモンドープ酸化スズ微粉末に代えて、五酸化アン
チモンの微粒子がイソプロピルアルコール中に分散され
たコロイド溶液(日産化学社製、商品名サンコロイド、
固形分含量20重量%)を使用し、このコロイド溶液を、
塗布液中の樹脂固形分(P)と、コロイド溶液中の固形
分(M)とが、P:M=100:60(重量比)となるように、
上記シリコーン樹脂系塗布液中に配合し、ボールミルで
1時間攪拌、混合したこと以外は、上記実施例19〜28と
同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例33〜40 アンチモンドープ酸化スズ微粉末に代えて、酸化スズと
酸化アンチモンとの固溶体粒子(アンチモンを10重量%
含有、粒径10〜20nm)が、当該固溶体粒子100重量部に
対して9重量部の酸化ケイ素粒子により負に帯電された
状態で、分散媒としてのイソプロピルアルコール中に分
散されたコロイド溶液(日産化学社製)を使用し、この
コロイド溶液を、塗布液中の樹脂固形分(P)と、コロ
イド溶液中の固形分(M)とが、P:M=100:60(重量
比)となるように、上記シリコーン樹脂系塗布液中に配
合し、ボールミルで1時間攪拌、混合したこと以外は、
上記実施例19〜28と同様にして、電子写真感光体を作製
した。
実施例41〜52、比較例34〜49 ポリビニルブチラールに代えて、表3に示す配合割合の
アクリル系重合体(三菱レイヨン社製、商品名BR−10
5)を使用したこと以外は、上記実施例1〜6と同様に
して、電子写真感光体を作製した。
実施例53〜56 アンチモンドープ酸化スズ微粉末に代えて、五酸化アン
チモンの微粒子がイソプロピルアルコール中に分散され
たコロイド溶液(日産化学社製、商品名サイコロイド、
固形分含量20重量%)を使用し、このコロイド溶液を、
塗布液中の樹脂固形分(P)と、コロイド溶液中の固形
分(M)とが、P:M=100:60(重量比)となるように、
上記シリコーン樹脂系塗布液中に配合し、ボールミルで
1時間攪拌、混合したこと以外は、上記実施例41〜52と
同様にして、電子写真感光体を作製した。
実施例57〜64 アンチモンドープ酸化スズ微粉末に代えて、酸化スズと
酸化アンチモンとの固溶体粒子(アンチモンを10重量%
含有、粒径10〜20nm)が、当該固溶体粒子100重量部に
対して9重量部の酸化ケイ素粒子により負に帯電された
状態で、分散媒としてのイソプロピルアルコール中に分
散されたコロイド溶液(日産化学社製)を使用し、この
コロイド溶液を、塗布液中の樹脂固形分(P)と、コロ
イド溶液中の固形分(M)とが、P:M=100:60(重量
比)となるように、上記シリコーン樹脂系塗布液中に配
合し、ボールミルで1時間攪拌、混合したこと以外は、
上記実施例41〜52と同様にして、電子写真感光体を作製
した。
上記各実施例並びに比較例で作製した電子写真感光体に
ついて、下記の各試験を行った。
表面電位測定 上記各電子写真感光体を、静電複写試験装置(ジェンテ
ック社製,ジェンテックシンシア30M型機)に装填し、
その表面を正に帯電させて、表面電位V1s.p.(V)を測
定した。
半減露光量、残留電位測定 上記帯電状態の各電子写真感光体を、上記静電複写試験
装置の露光光源であるハロゲンランプを用いて、露光強
度0.92mW/cm2、露光時間60m秒の条件で露光し、前記表
面電位V1s.p.が1/2になるのに要する時間を求め、半減
露光量E1/2(lux・Sec)を算出した。
また、上記露光開始時から0.4秒経過後の表面電位を、
残留電位Vr.p.(V)として測定した。
耐摩耗試験 各電子写真感光体をドラム研磨試験機(三田工業社製)
に装填すると共に、このドラム研磨試験機に設けられ
た、感光体が1000回転する間に1回転する研磨試験紙装
着リングに研磨試験紙(住友スリーエム社製,商品名イ
ンペリアルラッピングフィルム,粒径12μmの酸化アル
ミニウム粉末を表面に付着させたもの)を装填し、この
研磨試験紙を感光体表面に線圧10g/mmで押圧しながら、
感光体を100回回転させた時の摩耗量(μm)を測定し
た。
外観 表面保護層の外観を目視により観察した。
以上の結果を表1〜3に示す。なお、表1〜3、並び
に、後述する表4における*1〜*5は下記の通り。
*1 MBEMH:メチル−ブチル混合エーテル化メラミン・ホルム
アルデヒド樹脂 MEMH:メチルエーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹
脂 BEMH:ブチルエーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹
脂 *2 PVB:ポリビニルブチラール PVAc:ポリ酢酸ビニル AC:アクリル系重合体 *3 A:アンチモンドープ酸化スズ微粉末 B:五酸化アンチモンコロイド溶液 C:酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体のコロイド溶液 *4 クラック発生のため測定できなかった。
*5 白濁発生のため測定できなかった。
上記表1〜3の結果より、熱可塑性樹脂としてポリビニ
ルブチラール、ポリ酢酸ビニルおよびアクリル系重合体
を用いた3つの併用系の何れにおいても、熱硬化性シリ
コーン樹脂の非揮発性固形分100重量部に対する、特定
エーテル化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂の含有量が
5〜50重量部の範囲内で、且つ、熱可塑性樹脂の含有割
合が、シリコーン樹脂の非揮発性固形分と特定エーテル
化メラミン・ホルムアルデヒド樹脂との合計量の1〜11
重量%の範囲内である場合にのみ、感光特性、物性等に
優れ、且つ摺動摩擦に対する脆さ等が改善されており、
しかも、より導電性に優れた表面保護層を有する電子写
真感光体を製造し得ることが判明した。
また、各系を比較すると、熱可塑性樹脂としてポリ酢酸
ビニルを用いた系は、他の系に比べて耐摩耗性に優れ、
アクリル系重合体を用いた系は、他の系に比べて半減露
光量、残留電位が小さい等、感光特性に優れていること
が判明した。
一方、同じ系の中では、導電性付与剤として、導電性金
属酸化物のコロイド溶液を使用した場合、1時間の攪拌
により、導電性金属酸化物を微粉末の状態で使用した場
合の150時間の攪拌混合以上の分散性が得られることが
判明した。
そして、比較例17と、上記各系とを比較すると、上記各
系は、何れも、熱硬化性シリコーン樹脂単独に比べて、
感光特性、耐摩耗性共に優れたものであることが判明し
た。
実施例65,66、比較例50 実施例1〜6で作製したシラン加水分解物溶液に、同溶
液中の非揮発性固形分に対して10重量部のエーテル化メ
ラミン・ホルムアルデヒド樹脂と、上記熱硬化性シリコ
ーン樹脂の非揮発性固形分およびエーテル化メラミン・
ホルムアルデヒド樹脂の合計量に対して9.09重量%のア
クリル系重合体(三菱レイヨン社製、商品名BR-105)と
を配合して表面保護層用の塗布液を調製し、あとは、上
記実施例1〜6と同様にして、電子写真感光体を作製し
た。
上記実施例並びに比較例の電子写真感光体について、前
述した表面電位測定、半減露光量測定、並びに外観の観
察の各試験と、以下に示す、繰返し露光後の表面電位変
化測定を行った。
繰返し露光後の表面電位変化測定 上記各電子写真感光体を複写機(三田工業社製,DC-111
型機)に装填して500枚の複写処理を行った後、表面電
位を、繰返し露光後の表面電位V2s.p.(V)として測定
した。
また、前記表面電位測定値V1s.p.値と、繰返し露光後の
表面電位測定値V2s.p.値とから、下記式〔I〕により、
表面電位変化値−ΔV(V)を算出した。
−ΔV(V)= V2s.p.(V)−V1s.p.(V)…〔I〕 以上の結果を表4に示す。
上記表4の結果より、特定エーテル化メラミン・ホルム
アルデヒド樹脂に含まれない、ブチルエーテル化メラミ
ン・ホルムアルデヒド樹脂を使用した系では、繰返し露
光によって感光特性が著しく悪化することが判明した。
〈発明の効果〉 この発明の電子写真感光体は以上のように構成されてい
るため、電子写真感光体の感光特性、物性等に悪影響を
与えることなく、且つ熱硬化性シリコーン樹脂単独の場
合に比べて摺動摩擦に対する脆さ等が改善されており、
しかも、より導電性に優れた表面保護層を有するものと
なる。
また、熱可塑性樹脂としてポリ酢酸ビニルを用いた場合
には、ポリ酢酸ビニルの持つ柔軟性により、表面保護層
の脆さが改善されて、機械的強度が向上し、長寿命化が
可能になる。
一方、熱可塑性樹脂としてポリメチルメタクリレート
(PMMA)等のアクリル系重合体を用いた場合には、上記
アクリル系重合体の持つ高い光学特性に基づいて、より
一層の高感度化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
第1図は酸化スズと酸化アンチモンとの固溶体粒子の表
面に酸化ケイ素粒子を吸着させることで、上記固溶体粒
子を帯電させた状態を示す模式図である。 1……固溶体粒子、2……酸化ケイ素粒子。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性シリコーン樹脂と、この熱硬化性
    シリコーン樹脂の非揮発性固形分100重量部に対して5
    〜50重量部のメチルエーテル化メラミン・ホルムアルデ
    ヒド樹脂および/またはメチル−ブチル混合エーテル化
    メラミン・ホルムアルデヒド樹脂と、上記熱硬化性シリ
    コーン樹脂の非揮発性固形分およびエーテル化メラミン
    ・ホルムアルデヒド樹脂の合計量に対して1〜11重量%
    の熱可塑性樹脂と、導電性付与剤とを含有する塗布液を
    感光層上に塗布し、硬化させてなる表面保護層を有する
    ことを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】熱可塑性樹脂がポリ酢酸ビニルである請求
    項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】熱硬化性シリコーン樹脂と、この熱硬化性
    シリコーン樹脂の非揮発性固形分100重量部に対して5
    〜50重量部のメチルエーテル化メラミン・ホルムアルデ
    ヒド樹脂および/またはメチル−ブチル混合エーテル化
    メラミン・ホルムアルデヒド樹脂と、上記熱硬化性シリ
    コーン樹脂の非揮発性固形分およびエーテル化メラミン
    ・ホルムアルデヒド樹脂の合計量に対して1〜11重量%
    のアクリル系重合体と、導電性付与剤とを含有する塗布
    液を感光層上に塗布し、硬化させてなる表面保護層を有
    することを特徴とする電子写真感光体。
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