JPH07115864B2 - セレン吸蔵ゼオライト及びその製造方法 - Google Patents
セレン吸蔵ゼオライト及びその製造方法Info
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- JPH07115864B2 JPH07115864B2 JP19084986A JP19084986A JPH07115864B2 JP H07115864 B2 JPH07115864 B2 JP H07115864B2 JP 19084986 A JP19084986 A JP 19084986A JP 19084986 A JP19084986 A JP 19084986A JP H07115864 B2 JPH07115864 B2 JP H07115864B2
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、半導体、光電素子、超電導素子または光半導
体触媒として特異的な性能を有する電子材料としてのセ
レン含有材料及びその製造方法に関するものであり、電
子工業及び化学工業分野等において有効に使用されるも
のである。
体触媒として特異的な性能を有する電子材料としてのセ
レン含有材料及びその製造方法に関するものであり、電
子工業及び化学工業分野等において有効に使用されるも
のである。
(従来の技術) 結晶セレンは原子間が共有結合で結ばれ、螺旋状に連な
った鎖状構造を有する。セレンの4個のP電子のうち、
2個は共有結合を作る結合軌道に入り、残りの2個はロ
ーン・ペア軌道を占める。このローン・ペア軌道が価電
子帯の最上部を占めており、反結合軌道が作る伝導帯と
の間に2eV前後のバンドギャップが存在するためセレン
は半導体としてふるまう。この半導体的特性は隣接鎖間
の相互作用に大きく支配される。
った鎖状構造を有する。セレンの4個のP電子のうち、
2個は共有結合を作る結合軌道に入り、残りの2個はロ
ーン・ペア軌道を占める。このローン・ペア軌道が価電
子帯の最上部を占めており、反結合軌道が作る伝導帯と
の間に2eV前後のバンドギャップが存在するためセレン
は半導体としてふるまう。この半導体的特性は隣接鎖間
の相互作用に大きく支配される。
しかしながら、従来、孤立したセレン一次元鎖、あるい
は少数個クラスターからなる特異な性質を有する半導体
を実現する試みはなかった。また結晶セレン中に不純物
元素をドープすることは著しく困難であった為、優れた
半導体特性を有する結晶セレンは存在しなかった。
は少数個クラスターからなる特異な性質を有する半導体
を実現する試みはなかった。また結晶セレン中に不純物
元素をドープすることは著しく困難であった為、優れた
半導体特性を有する結晶セレンは存在しなかった。
(発明が解決しようとする問題点) このような背景から結晶セレンのバンドギャップ或はギ
ャップ内状態を大幅に、かつ様々に変化させることによ
って電子的、光学的及び化学的特性を制御し、特異な電
子特性を有する半導体や光活性触媒などの新素材を得る
ことが本発明の目的である。
ャップ内状態を大幅に、かつ様々に変化させることによ
って電子的、光学的及び化学的特性を制御し、特異な電
子特性を有する半導体や光活性触媒などの新素材を得る
ことが本発明の目的である。
(問題点を解決するための手段) 上記の技術的課題に対し、本発明者はその方法について
種々検討を行った結果、ゼオライト結晶中に存在するオ
ングストロームオーダーの細孔や空洞を利用すれば、す
なわちセレンをゼオライトに吸蔵させれば解決されるこ
とを見出し、本発明を完成した。
種々検討を行った結果、ゼオライト結晶中に存在するオ
ングストロームオーダーの細孔や空洞を利用すれば、す
なわちセレンをゼオライトに吸蔵させれば解決されるこ
とを見出し、本発明を完成した。
以下本発明を詳細に説明する。
結晶セレンは六方晶系に属する結晶であり、共有結合の
鎖が三回螺旋軸の対称性をもって連らなる鎖状構造を有
する。螺旋の直径は約2.5Åであり、隣接鎖間は比較的
強く結合しており、バンドギャップは約2eVである。
鎖が三回螺旋軸の対称性をもって連らなる鎖状構造を有
する。螺旋の直径は約2.5Åであり、隣接鎖間は比較的
強く結合しており、バンドギャップは約2eVである。
本発明者はこのバンドギャップを変化させる手段として
ゼオライトを利用すればよいことを見出した。その具体
的手段として、たとえば次の3つの方法が可能である。
ゼオライトを利用すればよいことを見出した。その具体
的手段として、たとえば次の3つの方法が可能である。
(1)一次元細孔を有するゼオライト中に孤立したセレ
ン鎖を閉じ込めることにより、隣接鎖間相互作用をとり
除く。
ン鎖を閉じ込めることにより、隣接鎖間相互作用をとり
除く。
(2)ゼオライト結晶内の細孔または空洞内に、少数個
の原子から成り、かつそれぞれが独立したセレンクラス
ターを存在させる。
の原子から成り、かつそれぞれが独立したセレンクラス
ターを存在させる。
(3)ゼオライト中の交換可能な陽イオン、特に遷移金
属イオンをイオン交換したゼオライトの細孔または空洞
内にセレンを吸蔵させる。前記3つの方法は、ゼオライ
トの種類と交換イオン種を変えてそれぞれ組み合わせる
ことが出来る。
属イオンをイオン交換したゼオライトの細孔または空洞
内にセレンを吸蔵させる。前記3つの方法は、ゼオライ
トの種類と交換イオン種を変えてそれぞれ組み合わせる
ことが出来る。
次にゼオライト及びその細孔構造について説明する。
ゼオライトとは結晶性アルミノケイ酸塩の一種であり、
その構造はAlO4四面体とSiO4四面体とが全てのO原子を
共有することによって結合した三次元的網目構造を有す
ることが特徴であり、3〜10Å程度の直径の結晶内細孔
を有する。この細孔の大きさは結晶構造の違いによって
異り、また細孔内に細孔よりも大きな空間、いわゆる空
洞を有するゼオライトも存在する。さらに、結晶内細孔
の構造は大きく分類すると、一次元方向に伸びた細孔が
他の細孔と交わることがないもの、細孔同志が二次元方
向に交点を持つもの及び細孔同志が三次元方向に交点を
持つものの3種に分けられる。これらの細孔構造もまた
ゼオライトの結晶構造によって決まる。
その構造はAlO4四面体とSiO4四面体とが全てのO原子を
共有することによって結合した三次元的網目構造を有す
ることが特徴であり、3〜10Å程度の直径の結晶内細孔
を有する。この細孔の大きさは結晶構造の違いによって
異り、また細孔内に細孔よりも大きな空間、いわゆる空
洞を有するゼオライトも存在する。さらに、結晶内細孔
の構造は大きく分類すると、一次元方向に伸びた細孔が
他の細孔と交わることがないもの、細孔同志が二次元方
向に交点を持つもの及び細孔同志が三次元方向に交点を
持つものの3種に分けられる。これらの細孔構造もまた
ゼオライトの結晶構造によって決まる。
本発明に用いられるゼオライトは前記のいかなる細孔構
造を有するものでもよく、セレンのバンドギャップを変
える為の前記方法の中のどれを用いるかによってゼオラ
イトの種類が選択される。
造を有するものでもよく、セレンのバンドギャップを変
える為の前記方法の中のどれを用いるかによってゼオラ
イトの種類が選択される。
またゼオライトは合成品でも天然産のものでもよい。
一次元細孔を有するゼオライトにはモルデナイト、L、
オメガ、アナルサイム、ビキタイト等があり、二次元細
孔を有するゼオライトにはレビナイトなどがある。また
三次元細孔を有するゼオライトにはA、X、Y、チャン
バサイト、エリオナイトなどがあるが、その中でA、
X、Yは細孔内に大きな空洞が存在する。
オメガ、アナルサイム、ビキタイト等があり、二次元細
孔を有するゼオライトにはレビナイトなどがある。また
三次元細孔を有するゼオライトにはA、X、Y、チャン
バサイト、エリオナイトなどがあるが、その中でA、
X、Yは細孔内に大きな空洞が存在する。
これらのゼオライトの中には、モデルナイトのように結
晶構造を変化させることなく結晶内のSi/Al比を大きく
変えることができるものもある。このようなゼオライト
を用いる場合には、Si/Al比を変えることにより交換性
イオンサイトの数及び吸着特性を制御して吸蔵されたセ
レンの半導体特性を変えることができる。
晶構造を変化させることなく結晶内のSi/Al比を大きく
変えることができるものもある。このようなゼオライト
を用いる場合には、Si/Al比を変えることにより交換性
イオンサイトの数及び吸着特性を制御して吸蔵されたセ
レンの半導体特性を変えることができる。
ゼオライト結晶中にはAlO2 -の負電荷とバランスする為
に通常金属陽イオンが含有されており、この陽イオンは
容易に他の陽イオンとイオン交換によって置換すること
が出来る。ゼオライト中の陽イオンの種類は、特に限定
されるものではないが、吸蔵されたセレンの電子特性を
制御する目的で選択される。例えばNaイオン等のアルカ
リ金属イオン交換体を用いた場合には、セレンのバンド
ギャップは増大するが、遷移金属イオン交換体たとえ
ば、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅な
どのイオンの交換体を用いた場合には、バンドギャップ
が消失したりバンドギャップ内に新しい状態が出現す
る。したがってこれら交換イオン種の種類とその交換率
を変えることにより電子特性を任意に制御することがで
きる。
に通常金属陽イオンが含有されており、この陽イオンは
容易に他の陽イオンとイオン交換によって置換すること
が出来る。ゼオライト中の陽イオンの種類は、特に限定
されるものではないが、吸蔵されたセレンの電子特性を
制御する目的で選択される。例えばNaイオン等のアルカ
リ金属イオン交換体を用いた場合には、セレンのバンド
ギャップは増大するが、遷移金属イオン交換体たとえ
ば、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅な
どのイオンの交換体を用いた場合には、バンドギャップ
が消失したりバンドギャップ内に新しい状態が出現す
る。したがってこれら交換イオン種の種類とその交換率
を変えることにより電子特性を任意に制御することがで
きる。
従来、結晶セレン中に金属イオン、特に遷移金属イオン
のドープ量を種々制御することは不可能であったことか
ら、ゼオライトを用いることによる本発明の効果は著し
い。
のドープ量を種々制御することは不可能であったことか
ら、ゼオライトを用いることによる本発明の効果は著し
い。
さらに希土類イオン交換体を用いれば、新しい磁気特性
が出現する。
が出現する。
これらの金属イオン交換体を得る方法は、目的とする金
属の可溶性塩水溶液中にゼオライトを入れることによっ
て行なうのが一般的である。通常、イオン交換温度は室
温から100℃未満の範囲であり、交換時間は数時間から
数日である。また好ましくは撹拌しながら交換を行な
う。イオン交換率の制御は、使用するゼオライトの量、
可溶性塩水溶液の濃度とその使用量との組合わせによっ
て行なわれる。
属の可溶性塩水溶液中にゼオライトを入れることによっ
て行なうのが一般的である。通常、イオン交換温度は室
温から100℃未満の範囲であり、交換時間は数時間から
数日である。また好ましくは撹拌しながら交換を行な
う。イオン交換率の制御は、使用するゼオライトの量、
可溶性塩水溶液の濃度とその使用量との組合わせによっ
て行なわれる。
次にこれらのゼオライト細孔中にセレンを吸蔵させる方
法について説明する。
法について説明する。
ここに、吸蔵とは、ゼオライト中に取込まれたセレンが
通常の可逆的脱離条件下においては容易に脱離されない
状態をいう。
通常の可逆的脱離条件下においては容易に脱離されない
状態をいう。
セレンを吸蔵させる前にゼオライトの脱水及び脱気を行
なうが、真空排気装置内で加熱して行なう事が好ましい
方法である。この時の加熱温度は200℃以上であってゼ
オライト結晶が破壊しない程度の温度、通常250〜600℃
の範囲で行なわれ、その時間は1〜10時間程度が一般的
である。またこの時の真空度は1×10-3mmHg以下程度で
あれば十分である。
なうが、真空排気装置内で加熱して行なう事が好ましい
方法である。この時の加熱温度は200℃以上であってゼ
オライト結晶が破壊しない程度の温度、通常250〜600℃
の範囲で行なわれ、その時間は1〜10時間程度が一般的
である。またこの時の真空度は1×10-3mmHg以下程度で
あれば十分である。
次いでこの試料を加熱下においてセレン蒸気と十分な時
間接触させる。この時の接触温度は250〜600℃の範囲、
接触時間は10分〜数100時間の範囲である。またこの時
にセレン蒸気の分圧を上げる為にセレンを250〜600℃の
範囲に加熱することが好ましい。また接触させる雰囲気
はセレン蒸気以外のガス成分が存在しないような状態、
すなわち、脱水及び脱気を行った時と同じ様な真空下で
行うことが好ましい。セレン蒸気以外のガスが存在する
と、セレン吸蔵速度及び吸蔵量が低下する為である。接
触後、ゼオライトを徐々に冷却することによって、セレ
ンのゼオライトへの吸蔵が完了する。
間接触させる。この時の接触温度は250〜600℃の範囲、
接触時間は10分〜数100時間の範囲である。またこの時
にセレン蒸気の分圧を上げる為にセレンを250〜600℃の
範囲に加熱することが好ましい。また接触させる雰囲気
はセレン蒸気以外のガス成分が存在しないような状態、
すなわち、脱水及び脱気を行った時と同じ様な真空下で
行うことが好ましい。セレン蒸気以外のガスが存在する
と、セレン吸蔵速度及び吸蔵量が低下する為である。接
触後、ゼオライトを徐々に冷却することによって、セレ
ンのゼオライトへの吸蔵が完了する。
セレンがゼオライト結晶細孔内に入った事を確認する方
法の1つはゼオライトの色の変化である。例えばNa型ゼ
オライトでは白色からオレンジ色に変化する。またCo型
ゼオライトの場合には黒色に変化する。さらにもう1つ
の方法は重量の変化である。
法の1つはゼオライトの色の変化である。例えばNa型ゼ
オライトでは白色からオレンジ色に変化する。またCo型
ゼオライトの場合には黒色に変化する。さらにもう1つ
の方法は重量の変化である。
セレンが吸蔵される量は、最大約23wt%であり、これ以
下で任意に制御することができる。この吸蔵量が小さい
ほどバンドギャップが大きくなり、吸蔵量によってそれ
を制御することができる。
下で任意に制御することができる。この吸蔵量が小さい
ほどバンドギャップが大きくなり、吸蔵量によってそれ
を制御することができる。
また前記の方法によって得た結晶セレンはゼオライト結
晶の細孔内のみにあってゼオライト結晶の外側には存在
しない事はそのX線回折像に新たな回折線が全く表われ
ないことによって確認することが出来る。
晶の細孔内のみにあってゼオライト結晶の外側には存在
しない事はそのX線回折像に新たな回折線が全く表われ
ないことによって確認することが出来る。
(作用と効果) 前記の方法によって得られた、セレンを吸蔵したゼオラ
イト中のセレンの原子配列はEXAFS(広範囲X線吸収微
細構造)測定により決定できる。ゼオライト結晶細孔内
のセレンの配位数はほぼ2であり、その平均原子間距離
は交換金属イオン種によらず2.33±0.01Åであり、結晶
セレンに比べて著しく短かい。
イト中のセレンの原子配列はEXAFS(広範囲X線吸収微
細構造)測定により決定できる。ゼオライト結晶細孔内
のセレンの配位数はほぼ2であり、その平均原子間距離
は交換金属イオン種によらず2.33±0.01Åであり、結晶
セレンに比べて著しく短かい。
セレン吸蔵ゼオライトの電子特性はPAS(光音響分光)
測定及びESR(電子スピン共鳴吸収)測定によって特徴
づけられる。例えば前記(1)の方法によって得られた
モルデナイト中のセレンのバンドギャップは2.7eVであ
り、通常の結晶セレンに比べて約1eV増大することがPAS
測定により確認された。また(1)の方法によるモルデ
ナイト中のセレンの吸蔵量を減少させるとさらにバンド
ギャップが増大する。また(2)の方法によって得られ
たセレンについても同様のバンドギャップの増大が観測
される。
測定及びESR(電子スピン共鳴吸収)測定によって特徴
づけられる。例えば前記(1)の方法によって得られた
モルデナイト中のセレンのバンドギャップは2.7eVであ
り、通常の結晶セレンに比べて約1eV増大することがPAS
測定により確認された。また(1)の方法によるモルデ
ナイト中のセレンの吸蔵量を減少させるとさらにバンド
ギャップが増大する。また(2)の方法によって得られ
たセレンについても同様のバンドギャップの増大が観測
される。
(3)の方法に従ってCu2+でイオン交換したモルデナイ
ト中のセレンの場合には、Na型モルデナイトを使用した
場合に比べて0.4eVバンドギャップが小さくなる。またM
n2+型モルデナイトの場合には、Na型モルデナイトを使
用した場合に比べてバンドキャップの大きさは変わらな
いがギャップ中に不純物準位が出現する。一方、Co2+型
モルデナイトではギャップは消失し、試料は黒色を呈
し、金属的性質を示す。
ト中のセレンの場合には、Na型モルデナイトを使用した
場合に比べて0.4eVバンドギャップが小さくなる。またM
n2+型モルデナイトの場合には、Na型モルデナイトを使
用した場合に比べてバンドキャップの大きさは変わらな
いがギャップ中に不純物準位が出現する。一方、Co2+型
モルデナイトではギャップは消失し、試料は黒色を呈
し、金属的性質を示す。
これらの試料に、低温下でバンドギャップ以上のエネル
ギーの光を照射すると吸収端が赤方偏移し、ギャップ中
に新しい吸収帯が出現するいわゆる光黒化現象が観測さ
れる。この試料を室温にもどすと元の状態に回復する。
光を照射しない場合にはESR測定を行っても何ら信号は
観測されないが、光黒化現象が起きた場合はESR信号が
観測される。このことはモルデナイト結晶細孔内でセレ
ン鎖の切断がおき、セレン鎖端にラジカルが形成される
ことを示している。このラジカルの数は照射光のエネル
ギーや照射時間によって制御できる。また遷移金属をイ
オン交換したゼトオライト中のセレンは光照射により半
導体から金属へ転移する。
ギーの光を照射すると吸収端が赤方偏移し、ギャップ中
に新しい吸収帯が出現するいわゆる光黒化現象が観測さ
れる。この試料を室温にもどすと元の状態に回復する。
光を照射しない場合にはESR測定を行っても何ら信号は
観測されないが、光黒化現象が起きた場合はESR信号が
観測される。このことはモルデナイト結晶細孔内でセレ
ン鎖の切断がおき、セレン鎖端にラジカルが形成される
ことを示している。このラジカルの数は照射光のエネル
ギーや照射時間によって制御できる。また遷移金属をイ
オン交換したゼトオライト中のセレンは光照射により半
導体から金属へ転移する。
前記したように、種々の陽イオンを交換したゼオライト
中にセレンを吸蔵させることにより従来にはなかった電
子特性を有するセレンを得ることが出来る。特に光に対
して鋭敏にかつ可逆的に感応する特性は特記すべき特徴
である。このような特性はオングストロームオーダーの
ゼオライト結晶細孔内にセレンを吸蔵させることによっ
て初めて出現させることが出来る。
中にセレンを吸蔵させることにより従来にはなかった電
子特性を有するセレンを得ることが出来る。特に光に対
して鋭敏にかつ可逆的に感応する特性は特記すべき特徴
である。このような特性はオングストロームオーダーの
ゼオライト結晶細孔内にセレンを吸蔵させることによっ
て初めて出現させることが出来る。
従って本発明によるセレン吸蔵ゼオライトは、半導体、
光記憶素子、スイッチング素子、光触媒、特異な周波数
特性を有する誘電体、超電導材料、磁性材料及び公害防
止材料などとして有効に用いることが出来る。
光記憶素子、スイッチング素子、光触媒、特異な周波数
特性を有する誘電体、超電導材料、磁性材料及び公害防
止材料などとして有効に用いることが出来る。
(実施例) 以下、実施例によって本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 SiO2/Al2O3モル比が20のナトリウム型モルデナイト粉末
を真空装置にセットし、10-6mmHg以下の真空下において
350℃で5時間、脱水及び脱気処理を行った。次いでこ
のモルデナイトを同じ真空下において400℃に加熱して
同温度に加熱した金属セレン蒸気と16時間接触させた。
その後室温まで徐々に冷却した。
を真空装置にセットし、10-6mmHg以下の真空下において
350℃で5時間、脱水及び脱気処理を行った。次いでこ
のモルデナイトを同じ真空下において400℃に加熱して
同温度に加熱した金属セレン蒸気と16時間接触させた。
その後室温まで徐々に冷却した。
セレン蒸気と接触させる前のモルデナイトは白色である
が、接触後はオレンジ色に変色した。またモルデナイト
の重量増加は23wt%であった。またセレン蒸気と接触前
後のX線回折像を比較すると(200)面の回折線の強度
は著しく減少したが、新しい回折線は観測されなかっ
た。またEXAFS測定により求めたSe−Se間距離は2.33±
0.01Åであり、配位数は2.0であった。第1図にEXAFS測
定から導出した動径分布関数F(r)を示した。
が、接触後はオレンジ色に変色した。またモルデナイト
の重量増加は23wt%であった。またセレン蒸気と接触前
後のX線回折像を比較すると(200)面の回折線の強度
は著しく減少したが、新しい回折線は観測されなかっ
た。またEXAFS測定により求めたSe−Se間距離は2.33±
0.01Åであり、配位数は2.0であった。第1図にEXAFS測
定から導出した動径分布関数F(r)を示した。
このようにして得られたセレン吸蔵モルデナイトのPAS
測定を行った結果、このモルデナイト結晶細孔中のセレ
ンのバンドギャップは結晶セレンよりも約1eV広がって
いることが確認された。20Kの温度でバンドギャップに
対応する光を試料に照射すると吸収端は赤方偏移し、新
しい吸収帯がギャップ内に出現する。これを第2図に示
す。
測定を行った結果、このモルデナイト結晶細孔中のセレ
ンのバンドギャップは結晶セレンよりも約1eV広がって
いることが確認された。20Kの温度でバンドギャップに
対応する光を試料に照射すると吸収端は赤方偏移し、新
しい吸収帯がギャップ内に出現する。これを第2図に示
す。
実施例2 実施例1で用いたものと同じモルデナイト粉末を、1規
定の硝酸アンモニウム水溶液を用いてイオン交換を行っ
てアンモニウム交換率100%のモルデナイトを得た。こ
のモルデナイトを空気中で500℃、2時間焼成して脱ア
ンモニウム処理を行い、モルデナイト中の陽イオンをH+
とした。このゼオライトを真空装置に入れて、実施例1
と同じ操作を行ってセレン吸蔵モルデナイトを得た。
定の硝酸アンモニウム水溶液を用いてイオン交換を行っ
てアンモニウム交換率100%のモルデナイトを得た。こ
のモルデナイトを空気中で500℃、2時間焼成して脱ア
ンモニウム処理を行い、モルデナイト中の陽イオンをH+
とした。このゼオライトを真空装置に入れて、実施例1
と同じ操作を行ってセレン吸蔵モルデナイトを得た。
このモルデナイトは低温80Kにおけるバンドギャップ光
照射によりESR信号が観測され、セレン鎖の切断がおき
ていることが確認された。また、室温にもどすと照射前
の状態にもどった。これを第3図に示す。
照射によりESR信号が観測され、セレン鎖の切断がおき
ていることが確認された。また、室温にもどすと照射前
の状態にもどった。これを第3図に示す。
実施例3,4 実施例1で用いたものと同じモルデナイト粉末を、1規
定の硝酸マンガン及び硝酸コバルト水溶液を用いてMn2+
交換モルデナイト(実施例3)及びCo2+交換モルデナイ
ト(実施例4)得た。これらのゼオライトを真空装置に
入れて、実施例1と同じ操作を行ってそれぞれのセレン
吸蔵モルデナイトを得た。
定の硝酸マンガン及び硝酸コバルト水溶液を用いてMn2+
交換モルデナイト(実施例3)及びCo2+交換モルデナイ
ト(実施例4)得た。これらのゼオライトを真空装置に
入れて、実施例1と同じ操作を行ってそれぞれのセレン
吸蔵モルデナイトを得た。
これらの試料についてPAS測定を行った結果、Mn2+交換
モルデナイトの場合には吸収端の移動はほとんど観測さ
れなかったが新しい吸収帯がギャップ内に出現した。一
方、Co2+交換モルデナイトの場合には、PASシグナルの
波長依存性はほとんど見られず、ギャップが消失した。
これを第4図に示す。図には比較の為、Na+型モルデナ
イトのPAS測定結果も合わせて示した。
モルデナイトの場合には吸収端の移動はほとんど観測さ
れなかったが新しい吸収帯がギャップ内に出現した。一
方、Co2+交換モルデナイトの場合には、PASシグナルの
波長依存性はほとんど見られず、ギャップが消失した。
これを第4図に示す。図には比較の為、Na+型モルデナ
イトのPAS測定結果も合わせて示した。
第1図は、実施例1でえられたセレン吸蔵モルデナイト
のEXAFSから求めたセレンの動的分布関数F(r)を示
すグラフである。第2図は、実施例1でえられたセレン
吸蔵モルデナイトの光照射によるおよびその照射をしな
いものについてのPAS信号の変化を示すグラフである。
第3図は、実施例2でえられたセレン吸蔵モルデナイト
の光誘起ESRを示すグラフである。第4図は、Na型モル
デナイトならびに実施例3および実施例4で得られたセ
レン吸蔵モルデナイトのPAS信号の変化を示すグラフで
ある。
のEXAFSから求めたセレンの動的分布関数F(r)を示
すグラフである。第2図は、実施例1でえられたセレン
吸蔵モルデナイトの光照射によるおよびその照射をしな
いものについてのPAS信号の変化を示すグラフである。
第3図は、実施例2でえられたセレン吸蔵モルデナイト
の光誘起ESRを示すグラフである。第4図は、Na型モル
デナイトならびに実施例3および実施例4で得られたセ
レン吸蔵モルデナイトのPAS信号の変化を示すグラフで
ある。
Claims (3)
- 【請求項1】ゼオライトの結晶内にセレンを吸蔵してな
るゼオライト。 - 【請求項2】イオン交換可能な陽イオンの少なくとも一
部として遷移金属イオンをもつゼオライトの結晶内にセ
レンを吸蔵してなるゼオライト。 - 【請求項3】脱水及び脱気されたゼオライトを加熱下に
おいてセレン蒸気と接触させた後、冷却することを特徴
とするゼオライトの結晶細孔内にセレンを吸蔵してなる
ゼオライトの製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19084986A JPH07115864B2 (ja) | 1986-08-14 | 1986-08-14 | セレン吸蔵ゼオライト及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP19084986A JPH07115864B2 (ja) | 1986-08-14 | 1986-08-14 | セレン吸蔵ゼオライト及びその製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6350314A JPS6350314A (ja) | 1988-03-03 |
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1986
- 1986-08-14 JP JP19084986A patent/JPH07115864B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6350314A (ja) | 1988-03-03 |
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