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JPH07121998B2 - 低密度ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents
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JPH07121998B2 - 低密度ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法 - Google Patents

低密度ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法

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JPH07121998B2
JPH07121998B2 JP62022582A JP2258287A JPH07121998B2 JP H07121998 B2 JPH07121998 B2 JP H07121998B2 JP 62022582 A JP62022582 A JP 62022582A JP 2258287 A JP2258287 A JP 2258287A JP H07121998 B2 JPH07121998 B2 JP H07121998B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、スチレン系樹脂発泡体の製造方法に係り、よ
り詳しく述べると、低密度で、押出成形性が良好で、し
かも良好な寸法安定性と高い機械的強度を有するポリス
チレン系樹脂発泡体の製造方法に関する。
〔従来の技術と発明が解決しようとする問題点〕
従来、ポリスチレン系樹脂の押出し発泡体は、連続して
能率よく製造出来、その断熱性能、軽量性、低吸水性、
加工性等の特性により、一般住居を初めとする建築物の
断熱材として大いに利用されている。しかしながら、押
出し発泡技術に於いては、樹脂と発泡剤との相溶性、樹
脂温度と樹脂圧力のバランスの維持、発泡剤の蒸気圧と
樹脂粘度のバランス等の問題から低密度化する事が難か
しい。たとえ低密度出来たとしても、押出機内で内部発
泡いわゆるブローホールを起こし、気泡構造に於いて連
通となり、断熱性能の悪いものと成ってしまう。
そこで、発泡剤を含有するポリスチレンビーズの膨脹に
より発泡体いわゆるビーズフォームを製造する方法、押
出後、減圧装置に導く方法(特開昭59−62122号公報、
同58−63426号公報)、押出後、熱容量の大きい常温で
液体の蒸気で囲繞する方法(特公昭42−24071号公報)
などによって、低密度化することが提案されている。
しかしながら、ビーズフォームは、発泡剤を含有する発
泡粒子を数回に分けて発泡し、低密度にした発泡体は、
粒子自体が大きくなり、成形体とする場合に、気密充填
が出来にくく、粒子間の融着が弱い発泡体となる。ビー
ズのすきまに水が浸入するため、耐水性が、押出発泡ポ
リスチレンフォームより劣る。寸法安定性が、押出発泡
ポリスチレンフォームより劣るなどの問題がある。
押出後減圧装置に導く方法は、減圧装置自体が非常に大
がかりなものとなり、物性のコントロールに対する発泡
体へのアクションが取りにくく、製品自体の物性の均一
性が得られにくい。装置上、そのシール性が重要である
が、そのシール方法が難かしい。シール性能によって、
減圧度が僅かに変動しても、物性の均一性に影響を及ぼ
す。すなわち、時間的に、またロット間でバラツキが大
きくなってしまうなどの問題がある。
熱容量の大きい蒸気で囲繞する方法は、水分あるいは、
使用する液体の蒸気の種類によっては、装置の材質を考
慮する必要がある。発泡体中に残存する蒸気の凝縮液を
追い出す期間或いは工程を必要とするため、コスト高或
いは熱ロスを生じる。蒸気の種類、加熱温度、量によっ
ては、物性が不均一になる。例えば、水蒸気はポリスチ
レンに対するガス透過速度が、空気(N2)の約4000倍で
ある。しかし、水蒸気をあてすぎると、発泡体が低密度
になりすぎて、常温で収縮してしまうとともに、発泡体
内部に凝縮水を保持してしまい、これを除去する方法が
必要となる。また、発泡体表面層の密度低減化率が、大
きくし、表面層の密度が、中心層の密度に比較して、低
くなってしまい、物性が不均一になるなどの問題があ
る。
また、特公昭59−25814号公報に、低密度で小さいセル
サイズの熱可塑性合成樹脂押出発泡体の製造方法が述べ
られている。しかしながら、この公報ではメルトインデ
ックスの大きい樹脂が用いられている(実施例の記載か
ら換算推定するとASTM D 1283Gに記載された方法により
約9g/10min)である)。このようにメルトインデックス
値が9以上のポリスチレン系樹脂を用いて得られるセル
サイズ0.45mm以下の低密度発泡体は、温度変化による寸
法変化が大きい。このため、押出成形後、所望の寸法
に、切断されたあと、寸法に狂いが生じるため、再度の
加工が必要となったり、また施工後において、気温変化
により、寸法変化が生じ、十分な断熱性能を果たさな
い。発泡過程において、メルトインデックスが9以上の
ポリスチレン系樹脂を用いて、低密度フォームを得る場
合、樹脂の剛性が弱いため、気泡破壊が起こりやすく、
良好な発泡体が得られにくい。また、メルトインデック
ス値9以上のポリスチレン系樹脂を用いた場合、低密度
化するため、多量の発泡剤の混入により系内のゲル圧力
が低下し、混合した発泡剤と樹脂との分離現象が起こ
り、内部発泡し、良好な厚板状の発泡体が得られにくい
などの問題がある。
一般に、断熱材として使用される板状発泡体は、製品と
しての寸法安定性に相当に高い精度が要求される。例え
ば、気温の変動による寸法変化は、使用上±0.6%位が
限界であり、それ以上変化すると、施工後、すきまがあ
き断熱性能が劣ったり、また逆に膨張すると反ったりし
て、十分な断熱性能が得られない。また、複合品として
使用する場合、温度差による寸法変化の小さい金属板、
合板、モルタルコンクリートとの界面でセン断応力によ
るはがれが生じたり、反ったりする。しかし、メルトイ
ンデックスが9以上の樹脂では発泡体を低密度化した場
合に、気温変動による寸法変化を±0.6%以下に抑える
ことはできない。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の如き従来技術の問題点に鑑み、押
出発泡法により、厚板状で寸法安定性の良好な低密度
(16kg/m2〜23kg/m3)ポリスチレン系樹脂発泡体の製造
方法を鋭意研究した結果、メルトインデックス値の低い
ポリスチレン系樹脂を用い、かつ、樹脂の溶解度パラメ
ーター値と発泡剤の溶解度パラメーター値の差が小さ
い、すなわち樹脂に対して相溶性の良い発泡剤を樹脂の
メルトインデックス値とある一定の関係の注入量で用い
て混合し、かつ、得られるポリスチレン系樹脂発泡体の
平均気泡径(セルサイズ)0.45〜2.5mm、密度を16〜23k
g/m3の範囲内にした場合に、流動性向上剤を使用しなく
とも、低密度化のために必要な発泡剤が低いメルトイン
デックス値の樹脂と均一に混合分散し、適当な流動性と
なるため、押出成形性が良好で、しかも上記の如き特性
を兼ね備えたポリスチレン系樹脂発泡体が製造可能であ
ることを明らかにし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、ポリスチレン性樹脂、発泡剤、気
泡調整剤及びその他の必要な添加剤を含む溶融混合物を
高圧帯域より低圧帯域に押出してポリスチレン系樹脂発
泡体を製造するに当たって、1)ポリスチレン系樹脂と
してASTM−D−1238Gに記載された方法により測定した
メルトインデックス値が、0.5〜8.0(g/10min)の範囲
のポリスチレン系樹脂を用い、2)ポリスチレン系樹脂
の溶解度パラメータ(δp)との溶解度パラメータ(δ
BA)の差が2[(cal/cc)1/2]以下の少なくとも1種
類の発泡剤を、ポリスチレン系樹脂のメルトインデック
ス値F(g/10min)と次の関係:1.5−0.038F≦MBA≦3.1
−0.038Fを満足する注入量MBA(モル/樹脂1kg)で注入
し、3)上記少なくとも1種類の発泡剤を含む全発泡剤
の注入量WBA(モル/樹脂1kg)を1.8<WBA<4.0の範囲
内とし、かつ4)得られるポリスチレン系樹脂発泡体の
平均気泡径を0.45〜2.5mm、密度を16〜23kg/m3とするこ
とを特徴とする低密度ポリスチレン系樹脂発泡体の製造
方法にある。
本発明でいうポリスチレン系樹脂とは、例えば、スチレ
ン、α−メチルスチレン、クロルスチレン、ジクロルス
チレン、ジメチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニ
ルトルエンなどのスチレン誘導体類の単独重合体、又
は、2種以上の組合せからなる共重合体、ジビニルベン
ゼン、メチルメタクリレート、アクリロニトリル、また
は、ブタジエンのような他と容易に重合しうる化合物の
少量との共重合体を言う。
本発明において使用するこれらのポリスチレン系樹脂
は、ASTM−D−1238Gに記載された方法により測定した
メルトインデックス値(MI値)が0.5〜8.0(g/10min)
の範囲にあることが必要である。このようなポリスチレ
ン系樹脂を使用することは、低密度な厚板状発泡体を得
る場合、製品としての寸法安定性及機械的強度を高く
し、また、発泡剤を多量に混入する上での溶融混合物の
粘度を適正な粘度に保つために極めて重要である。
該MI値が8.0を越えるポリスチレン系樹脂では、低密度
(23〜16kg/m3)の発泡体を得る場合、押出機、混合
機、冷却器の系内のゲル圧力が多量の発泡剤のため低下
し、混合した発泡剤と樹脂との分離現象が起り、低密度
化の限界があり、かつ、気泡膜が薄くなり樹脂の剛性が
低いため、気泡破壊を起こしやすく、機械的強度及寸法
安定性が非常に劣った製品となる。前述のように、一般
に断熱材として、使用される板状発泡体は、製品として
の寸法安定性に、相当に高い精度が要求される。例え
ば、気温の変動による寸法変化は、一般的な使用実績上
から、±0.6%位が限界であり、それ以上変化すると、
施工後、すきまがあき断熱性能が劣ったり、また逆に膨
張すると反ったりして、十分な断熱性能が得られない。
また、複合品として使用する場合、温度差による寸法変
化の小さい金属板、合板、モルタルコンクリートとの界
面でセン断応力によるはがれが生じたり、反ったりす
る。一方MI値が0.5未満のポリスチレン系樹脂では、流
動性が極端に悪くなり、相溶性の良い発泡剤を注入して
も、溶融混合物の粘度が高すぎて、押出成形性が非常に
劣ると同時に、発泡効率が劣るため、低密度化は出来得
ない。したがって、本発明において使用されるポリスチ
レン系樹脂は、0.5〜8.0のMI値を有する必要がある。こ
れらのうち、1〜5のMI値を有するものは、特に、押出
成形性および、得られた板状発泡体の機械的強度および
寸法安定性に優れており好ましい。
溶解度パラメータδは、発泡剤の場合、溶剤ポケットブ
ック(有機合成化学協会編オーム社、56年7月20日発
行)の34頁に述べられているように、次式で定義され
る。
δ=(C.E.D.)1/2,C.E.D.=E1/V C.E.D.=凝集エネルギー密度(cal/cm3) E1=沸点におけるモル蒸発熱(cal/モル) V=モル体積(cm3/モル) また、高分子の場合の溶解度パラメーターは、溶剤ポケ
ットブック37頁に述べられているように、高分子の構成
単位を更に細かく分け、各官能基の分子間引力定数(δ
v)の値に加成性を仮定してδを推定する方法に基づい
て計算する。こうして得られる溶解度パラメーターの例
を次に示す。
ポリスチレン 9.05(cal/cc)1/2 スチレン−アクリロニトリル共重合体(アクリロニトリ
ル/スチレン=5/95) 9.49(cal/cc)1/2 スチレン−メチルメタアクリレート共重合体(メチルメ
タアクリレート/スチレン=10/90)9.1 (cal/cc)1/2 このときの計算方法をポリスチレン を例に説明すると、ポリスチレンは密度D:1.05g/cc、分
子量Mw=104であり、かつ上記溶剤ポケットブック37頁
表1、8より、分子間引力定数は が735なので、これらの合計は896になり、溶解度パラメ
ータδは次の式で求められる。
本発明において、使用される発泡剤としては、揮発性有
機発泡剤及び熱分解型化学発泡剤がある。例えば、トリ
クロロモノフルオロメタン、ジクロロジフルオロメタ
ン、ジクロロモノフルオロメタン、モノクロロジフルオ
ロメタン、1,1′,2−トリクロロトリフルオロエタン、
1,2−ジクロロテトラフルオロエタン、1−クロロトリ
フルオロエタン、1−クロロ−1,1′−ジフルオロエタ
ン、1,1′−ジフルオロエタン、オフタフルオロジクロ
ロブタン、メチルクロライド、エチルクロライド、メチ
レンクロライド、エチレンクロライド、二酸化炭素等が
ある。
本発明の方法では、使用する発泡剤のうち少なくとも1
成分は、発泡剤の溶解度パラメーターと使用する樹脂と
の溶解度パラメーターの差が、2.0〔(cal/cc)1/2〕以
下のものを用いる。このような発泡剤は、典型的には、
炭化水素やハロゲン化炭化水素である。具体例として
は、例えば、ポリスチレン樹脂(溶解度パラメーター約
9)を使用した場合、トリクロロトリフルオロエタン、
トリクロロモノフルオロメタン、メチルクロライド、エ
チルクロライド等がある。このような、発泡剤を使用す
れば、樹脂との相溶性が良いため、多量の発泡剤を注入
できるため、発泡剤の均一な分散混合ができ、低密度化
が容易となる。また、前記の様なメルトインデックス値
の小さいすなわち高粘度の樹脂を使用しても、該発泡剤
が溶融混合物の流動性を向上するために、適正な溶融混
合物の粘度が保てるため、成形性が良好である。また、
溶融混合物の圧力が保てるため大きな発泡体の断面積が
得られるなどの効果がある。さらに、上記の発泡剤は揮
発性有機発泡剤であるため、成形後は、大気中に拡散
し、可塑化効果がなくなり、発泡体の寸法安定性が良好
になる。
そして本発明の方法では、このような発泡剤を、使用す
る樹脂のメルトインデックス値F〔9g/10min〕との関係
において、樹脂1kgあたり(1.5−0.038F)〜(3.1−0.0
38F)モルの範囲で注入する。この注入量が、使用する
樹脂のメルトインデックスF〔(cal/cc)1/2〕との関
係において、樹脂1kgあたり(−0.038F+3.1)モル以上
の場合は、溶融混合物の粘度が低下し、発泡のバランス
が崩れ(サージング(波うち現象))、セル破壊を起こ
し、連通フォームとなる。また、適正なゲル圧力を得る
ために、ダイ開度を狭くしなければならなくなるため、
その断熱特性から、一般的に使用される20mm以上の厚み
を有する厚板状の発泡体が得られない。
一方、該注入量が、使用する樹脂のメルトインデックス
値Fとの関係において、樹脂1kgあたり(−0.032F+1.
5)モル以下の場合は、相溶性の良い発泡剤の量が少な
すぎて溶融混合物の粘度が大きくなるため、流動性が悪
くなり、成形性が非常に劣り、また発泡効率が悪くな
り、低密度化が困難となる。また使用する樹脂に対し
て、相溶性の悪い発泡剤が、多くなるため、発泡剤が凝
集し、内部発泡し、良好な発泡体が得られない。
本発明において、上記のような発泡剤を含み使用する全
発泡剤の樹脂1kgあたりの注入量は、1.8モル〜4.0モル
の範囲である必要がある。このように多量の発泡剤を使
用することは、溶融混合物中の発泡剤の蒸気圧を高め
て、低密度な発泡体を得るために必要である。すなわ
ち、ポリスチレン系樹脂1kgあたり1.8モル未満では得ら
れる板状発泡体密度が25kg/m3より高くなり、4.0モル以
上では押出成型性が非常に劣り、良好な発泡体が得られ
ない。
好ましい発泡剤の組成は、使用する樹脂の溶解度パラメ
ーター値と使用する発泡剤の溶解度パラメーター値が差
2〔(cal/cc)1/2〕以下の発泡剤が60〜90モル%、該
差が2(cal/cc)1/2を越える発泡剤が40〜10モル%の
混合物である。使用する樹脂の溶解度パラメーター値と
使用する発泡剤との溶解度パラメーター値の差が2以下
の発泡剤が90モル%以上の場合、すなわち該差が2を超
える発泡剤が10モル%以下の場合は、通常使用されてい
る樹脂よりも高粘度の樹脂を使用しても、樹脂との相溶
性が高いため、溶融混合物の粘度が低すぎて、押出発泡
成形では、厚板が出来得ない。また成形に必要な口金
(ダイ)先端での樹脂圧力を保ち得ず、押出時に気泡破
壊が起こり、成形性が困難となるからである。
さらにより好ましくは、用いる発泡剤が、60〜90モル%
の塩化メチル、塩化エチルまたは、それらの混合物と、
40〜10モル%のジクロロジフルオロメタン、トリクロロ
トリフルオロエタンまたはそれらの混合物とからなる。
塩化メチル、塩化エチルは、ポリスチレン系樹脂に対し
て特に相溶性が良いため、多量の発泡剤と混入しても発
泡剤の分散不良による発生する内部発泡が生じない。ま
た、塩化メチル、塩化エチルは、ポリスチレン樹脂に対
するガス透過速度が大きいため、発泡体内部から外部へ
の免散が容易であり、逆に、大気中のエアーが発泡体内
部へ侵入してエアーとの置換が行なわれるため、寸法安
定性が良い。エアーより熱伝導率の低いジクロロジフル
オロメタン、トリクロロトリフルオロエタンは、ポリス
チレン系樹脂に対するガス透過速度が小さいため、発泡
体気泡内に封じこめられるため、発泡体の熱伝導率を低
下させ、製品の断熱性を優れたものとする。すなわち、
塩化メチル、塩化エチル、またはそれらの混合物が、60
〜90モル%と、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロ
トリフルオロエタンが40〜10モル%の範囲では、押出成
形性が良好で、寸法安定性、熱伝導率の優れた発泡体と
なる。
さらに、本発明の方法では、16〜23kg/m3の範囲内の低
密度のポリスチレン樹脂系発泡体を押出で得るに当たっ
て平均気泡径(セルサイズ)を0.45〜2.5mmになるよう
に調整する必要がある。低密度のポリスチレン樹脂系発
泡体を得ようとする場合、上記の如く、使用する樹脂と
発泡剤の種類と使用量を規制するだけでは充分ではな
く、押出発泡体のセルサイズを上記範囲に調整する必要
がある。発泡剤の使用量が多くなると一般にはセルサイ
ズは小さくなる傾向があるが、セルサイズが小さくなる
と、気泡壁の厚みが薄くなるため押出発泡時に連続気泡
になって水蒸気透過性の劣化やフロンガスの拡散による
熱伝導率の低下が生じる、また厚みの厚い、大きな断面
積の発泡体を得るのが困難になる、さらにく気泡癖の厚
みが薄くなくので寸法安定性が低下するなどの問題があ
る。セルサイズの調整は使用する発泡剤の種類または組
成とタルクなどの気泡調整剤の使用量により行うことが
できる。一般に樹脂への溶解度お大きい発泡剤ほど、気
泡調整剤の進化量が現象するほど、セルサイズを大きく
できる。
本発明の方法では、気泡調整剤として無機質の気泡調整
剤を用いることが好ましい。従来の有機質気泡調整剤
(例えばインジゴ)を使用したポリスチレン系低密度発
泡体は、有機系発泡剤と反応し、溶解、分解をしやすい
ため、均一なセルサイズ分布のものを作るためには、使
用する発泡剤が限定される。これに対して無機質気泡調
整剤は、有機系発泡剤と反応して溶解、分解をするおそ
れがないため、使用する発泡剤が限定されず、均一なセ
ルサイズ分布の発泡体が得られる効果がある。また、無
機質気泡調整剤を使用することは、発泡体の色とセルサ
イズを別々にコントロールできるため、色及びセルサイ
ズのバラツキの小さい発泡体が得られる。
本発明における無機質の気泡調整剤としては、タルク、
カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなどの各種の
粉末が使用できるが、気泡の均一化及価格等の点からタ
ルクが好ましい。
上記添加物の使用量は、セルサイズに合わせて、適宜選
択できるが、通常、ポリスチレン系樹脂100重量部に対
して、0.005〜1.0重量部使用される。
本発明の方法では、上記の他に添加剤として、難燃剤、
紫外線吸収剤、滑剤、着色剤を適宜必要に応じて、添加
する。
本発明による方法では、発泡剤は押出機に樹脂を供給す
る前あるいは樹脂を加熱溶融後に、注入装置により樹脂
内へ供給される。該押出機内で、樹脂が溶融状態にされ
て混練装置に押出される。押出された溶融物は、混練装
置に通し、溶融混合物は均一に混練される。溶融混合物
は混練装置から、押出ダイを通過することによって高圧
帯から低圧帯に押出される。押出された押出物は、成形
装置により、一定の断面積を持つ板状成形体に成形され
る。
ここで、押出機と口金の間に連結した混練装置の果たす
役割は、押出機から押出された溶融混合物をセン断し、
表面積を大きくすることにより、発泡剤の分散性を良く
し、低密度化に必要な多量の発泡剤を均一に分散混入で
きるようにすることである。
次に、一例として、F−12/MeCl=2モル/8モルの組成
で、メルトインデックス値が3のポリスチレン樹脂を用
い、溶融混合物の混練機内の滞留時間が、約15分である
場合において、発泡剤の注入量を徐々に増加した場合、
内部発泡が生じないで、得られる最低密度を混練機の攪
拌翼の相対速度の関係を第1図に示す。このように混練
機の相対速度を増すほど、発泡剤の樹脂中への分散性が
良くなり、低密度化に必要な多量の発泡剤を圧入するこ
とができる。
上記可変速型駆動式混練装置の混練能力は、ローターの
回転数、攪拌翼の数、溶融混合物の混練機内の滞留時間
に依存する。このため高温において溶融混合物の混練機
内の滞留時間が長すぎると、樹脂の劣化がおこるため、
何らかの技術的考慮を必要とした。しかるに本発明にお
いては、1)ポリスチレン系樹脂としてASTM−D−1238
Gに記載された方法により測定したメルトインデックス
値が、0.5〜8(g/10min)の範囲のポリスチレン系樹脂
を用い、2)ポリスチレン系樹脂の溶解度パラメーター
(δp)との溶解度パラメーター(δBA)の差が2
〔(cal/cc)1/2〕以下の少なくとも1種類の発泡剤
を、ポリスチレン系樹脂のメルトインデックス値F(g/
10min)と次の関係 1.5−0.038F≦MBA≦3.1−0.038F を満足する注入量MBA(モル/樹脂1kg)で注入し、そし
て3)上記少なくとも1種類の発泡剤を含む全発泡剤の
注入量WBA(モル/樹脂1kg)を1.8<WBA<4.0の範囲内
とすることによって、樹脂の劣化を起こすことなく混練
することができるようになった。
なお、混練機は、第2図に示す如き可変速型駆動式混練
機あるいは特開昭61−69428号公報に述べられている錯
綜混合機及びそれが収容されている筒をその筒軸の周り
に回転するような混合機などを用いることができる。
また、樹脂中への発泡剤の溶解量には、限界があり、い
くら混練能力を増しても、分散不良により、発泡体の気
泡が破壊され、良好な発泡体が得られなく、電力の無駄
となる。
次に、第2図に示す可変速型駆動式混練機を使用した実
験の一態様を説明する。ここで使用された可変速型駆動
式混練機は、中央に挿入されている一部中空のローター
4上に攪拌翼3が溶融混合物の長さ方向に50個円周方向
に4個取り付けられていて、該ローター4はバレル2内
に包囲されている。このローター4が回転することによ
り混練が行なわれる。第2図中、1は冷媒用ジャケッ
ト、5は冷媒を挿入するパイプである。
MeCl/F−113/F−12=1.5モル/0.5モル/0.5モル(MeClは
塩化メチル、F−113、F−12はトリクロロトリフルオ
ロエタン、ジクロロジフルオロメタンの商品名であ
る。)の発泡剤組成で、樹脂1kgあたり2.5モル圧入し、
混練機の攪拌翼の相対速度が35m/分で溶融混合物の混練
機内の滞留時間が15分である場合、密度が19kg/m3のポ
リスチレン発泡体を得たが、MeCl/F−113/F−12=1.0モ
ル/0.5モル/1.0モルの発泡剤組成の場合、混練機の攪拌
翼の相対速度が35m/分では、ブローホールすなわち内部
発泡が起こり、連通フォームであった。しかし、40m/分
にすることにより、独立気泡の良好な発泡体が得られ
た。このように、相溶性の悪い発泡剤を増加した場合
は、混練機の攪拌翼の相対速度を上げる、すなわち混練
能力を大きくすることにより、良好な発泡体が得られ
た。これらの理由のため、発泡剤の注入量は、樹脂1kg
あたり4.0モル程度が現状のところ限界である。
〔実施例〕
実施例1 メルトインデックス値(MI値)が1.1g/10min、溶解度パ
ラメーター値が9.05(cal/cc)1/2であるポリスチレン1
00重量部、気泡調整剤としてタルクを0.1重量部を内径9
0mmφのスクリュー押出機に1時間あたり500kgの割合で
供給し、更らに発泡剤として、該ポリスチレン1kgあた
りメチルクロライド(溶解度パラメーター値=9.7(cal
/cc)1/2)を2モル、トリクロロトリフルオロエタン
(溶解度パラメーター値=7.4(cal/cc)1/2)を1モ
ル、ジクロロジフルオロエタン(溶解度パラメーター値
=6.6(cal/cc)1/2)を0.6モル発泡剤注入口より注入
した。
続いて該溶融物を押出機とスリットダイとの間に連結さ
れた可変速型ローター駆動式混合機(45m/分)を通過さ
せ、均一に混練された溶融混合物をスリットダイ(幅20
0mm×間隙3mm)より120℃にて大気中に押出発砲させ、
成形装置を通じて、厚み50mm、幅600mmの厚板状発泡体
に成形された。上記製造工程中において、観測された押
出成形性及試験片の種々の物性を諸条件とともに第1〜
4表に示した。
各表において、 1) 使用樹脂のMI値はASTM−D−1238Gに準じて測定
した。
2) 発泡体の密度は押出成形後20℃にて、3日間放置
後測定した値である。
3) 発泡体の平均セルサイズはASTM−3576−77に準じ
て測定した値である。
4) 発泡体の圧縮強度は押出成形後20℃にて、5日間
放置後、JIS A 9511に準じて測定した厚み方向の強度で
ある。
5) 発泡体の熱伝導率は押出成形後20℃にて7日間放
置後、JIS A 9511に準じて測定した値である。
6) 発泡体の長さ及び幅方向の加熱寸法変化は20℃に
て、7日間放置後、オーブン中で70℃に加熱したときの
寸法のもとの寸法に対する変化である(−は収縮を表わ
し、+は、伸長を表わしている)。
7) 発泡体のセルサイズ分布は、フォーム断面を厚み
方向に3分割し、外層部と中央部とのセルサイズを3)
と同様に測定しその差から次のように評価した。
○ 差が0.05mm以下 △ 差が0.05mm〜0.1mm × 差が0.1mm以上 実施例2〜19、比較例1〜18 第1〜4表に示した組成の混合発泡剤及メルトインデッ
クス値のポリスチレン、タルク及インジゴ量を使用する
以外は、実施例1と同様に行なった。
評価テスト 床用途の根太間隔のスペースは、木造住宅の場合、一般
に洋間用が260mm、和室用が410mmである。ある。しか
し、大工の施工誤差からこの間隔に±5mm位の誤差がで
る。そこで、実施例13〜15および比較例14,15の発泡体
について、根太間隔より10mm幅の広いサンプル(幅270m
m×厚25mm×長910mmと幅420mm×厚さ5mm×長910mm)を
用いて挿入テストをした。
結果を第5表に示す。評価に当っては、割れたものは
×、ひびが入ったものは△、良好なものは○とした。
この評価テストから、挿入性の点で、密度範囲25kg/m3
以下が好ましいが、より好ましくは22kg/m3以下であ
る。
〔発明の効果〕
本発明によれば、密度範囲が16〜25kg/m3という低密度
でありながら、断面内物性が均一で、ロットごとの色む
らの少なく、良好な寸法安定性を有する板状発泡体を製
造する方法が提供され、この板状発泡体は軽量で、断熱
性に優れ、施工性が良好で、切削等の二次加工性に優れ
ている。
【図面の簡単な説明】
第1図は混練装置のローター回転数と内部発泡を生じな
い最低密度との関係を表わすグラフ図、第2図(ア)
(イ)は可変速型駆動式混練装置の断面図である。 1……冷媒用ジャケット、2……冷却機、 3……翼、 4……中央に挿入されているローター、 5……冷媒を挿入するパイプ。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリスチレン性樹脂、発泡剤、気泡調整剤
    及びその他の必要な添加剤を含む溶融混合物を高圧帯域
    より低圧帯域に押出してポリスチレン系樹脂発泡体を製
    造するに当たって、 1)ポリスチレン系樹脂としてASTM−D−1238Gに記載
    された方法により測定したメルトインデックス値が、0.
    5〜8.0(g/10min)の範囲のポリスチレン系樹脂を用
    い、 2)ポリスチレン系樹脂の溶解度パラメータ(δp)と
    の溶解度パラメータ(δBA)の差が2[(cal/c
    c)1/2]以下の少なくとも1種類の発泡剤を、ポリスチ
    レン系樹脂のメルトインデックス値F(g/10min)と次
    の関係 1.5−0.038F≦MBA≦3.1−0.038F を満足する注入量MBA(モル/樹脂1kg)で注入し、 3)上記少なくとも1種類の発泡剤を含む全発泡剤の注
    入量WBA(モル/樹脂1kg)を1.8<WBA<4.0の範囲内と
    し、かつ 4)得られるポリスチレン系樹脂発泡体の平均気泡径を
    0.45〜2.5mm、密度を16〜23kg/m3とすることを特徴とす
    る低密度ポリスチレン系樹脂発泡体の製造方法。
  2. 【請求項2】前記全発泡剤の組成が、使用する樹脂の溶
    解度パラメーター値と使用する発泡剤の溶解度パラメー
    ター値の差が2[(cal/cc)1/2]以下の発泡剤が60〜9
    0モル%、該差が、2[(cal/cc)1/2]を越える発泡剤
    が40〜10モル%の混合物であり、かつ溶融混合物を押出
    機と口金との間でこれらに連結した混練装置で混練する
    特許請求の範囲第1項に記載の方法。
  3. 【請求項3】前記全発泡剤が、60〜90モル%の塩化メチ
    ル、塩化エチルまたはそれらの混合物と、40〜10モル%
    のジクロロフルオロメタン、トリクロロトリフルオロエ
    タンまたはそれらの混合物とからなく特許請求の範囲第
    2項に記載の方法。
  4. 【請求項4】前記ポリスチレン系樹脂として、ASTM−D
    −1238Gに記載された方法により測定したメルトインデ
    ックス値が、1.0〜5.0(g/10min)の範囲のポリスチレ
    ン系樹脂を用いる特許請求の範囲第1項、第2項または
    第3項に記載の方法。
  5. 【請求項5】前記気泡調整剤として無機質の気泡調整剤
    を用いる特許請求の範囲第1項から第4項までのいずれ
    か1項に記載の方法。
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