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JPH072095B2 - 蛋白質食品 - Google Patents
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JPH072095B2 - 蛋白質食品 - Google Patents

蛋白質食品

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JPH072095B2
JPH072095B2 JP63110905A JP11090588A JPH072095B2 JP H072095 B2 JPH072095 B2 JP H072095B2 JP 63110905 A JP63110905 A JP 63110905A JP 11090588 A JP11090588 A JP 11090588A JP H072095 B2 JPH072095 B2 JP H072095B2
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  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
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  • Meat, Egg Or Seafood Products (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 この発明は、蛋白質食品に関する。さらに詳しくは、蒲
鉾、竹輪、ハム、ソーセージ、ハンバーグ、ミンチボー
ル等の魚肉、畜肉を主原料とした動物性蛋白質食品や、
豆腐類又は大豆蛋白、小麦グルテン等の蛋白質素材を主
原料とした植物性蛋白質食品に関する。
(ロ)従来の技術 蒲鉾、竹輪等の魚肉加工品やハム、ソーセージ、ハンバ
ーグ、ミンチボール等の畜肉加工品においては、通常、
テクスチャー(噛みごたえ)の改良のために澱粉が添加
されている。しかし、単に澱粉と肉素材とを混合して成
形しても形状保持性が劣ったり、またテクスチャーが不
充分である場合がしばしば生じている。ことに最近で
は、魚肉や畜肉の資源不足やコストの面から、澱粉に加
え、大豆蛋白や小麦グルテン等の植物性蛋白質を混合す
ることも行われているが、この植物性蛋白質の混和性や
分散性が不充分なためにテクスチャーの低下、硬さの低
下、形状保持性の劣化等の品質上の不都合が生じやす
く、とくに食感の低下を招く問題があった。
この点の品質改良を意図して、従来から回転摩砕を用い
た特殊な物理的方法で肉にグルテンを混入する方法(特
開昭52−76453号公報参照)、大豆蛋白や小麦グルテン
にグアーガム、キサンタンガム等の増粘剤を添加した
り、さらにグリセリン脂肪酸エステルを添加し、魚肉・
畜肉に混合する方法(特開昭53−79058号公報、特開昭5
4−35240号、特開昭55−64782号各公報参照)、大豆蛋
白や小麦グルテンと大豆抽出残渣を魚肉すり身に混和す
る方法(特開昭53−118546号、特開昭55−39736号各公
報参照)や魚肉や畜肉の代わりに植物性蛋白を用い生澱
粉、α化澱粉及び可食性のアルカリ性物質(可溶化剤)
を含有させる方法(特開昭58−146260号公報参照)等が
知られている。
また、特開昭56−137851号公報においては、植物性蛋白
をアルカリ処理し次いで中和する量の酸で処理する挽肉
様食品の製造法が開示されている。特開昭53−124654号
公報においては、塩酸酸性下で加水分解したグルテンを
粉末として肉加工品の製造に際して添加する方法が開示
されている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 上記した従来の種々の方法は、いずれも魚肉や畜肉ある
いはこれらの代替となる植物性蛋白を用いた食品に品質
を向上することを意図した方法であり、ことに添加剤を
用いて品質向上を図る方法は比較的簡便な方法と考えら
れる。
しかしながら、前記した従来の添加剤、すなわち、増粘
剤、グリセリン脂肪酸エステル、大豆抽出残渣、グルテ
ンの塩酸加水分解物を用いた際の品質改良効果は、必ず
しも充分なものといえなかった。ことに、グルテンの塩
酸加水分解物は、食品用添加剤としては安全性の点で理
想的なものであるが、品質改良効果の点で充分満足でき
るものではなかった。
この発明はかかる状況下なされたものであり、ことに安
全かつ安価でしかも各種品質改良効果が優れた蛋白質食
品用添加剤を提供しようとするものである。
(ニ)課題を解決するための手段 上記観点から、本発明者らは、穀物蛋白質部分分解物の
部分分解手法について種々研究、検討を行った結果、ア
ルカリ分解処理を必須とし、これに酸、酵素、酸化剤又
は還元剤による分解処理を組合わせた逐次的多段分処理
によって得られる特定の蛋白質部分解物が、(i)通常
の蛋白質部分分解物とはその性状等が全く異なる新規物
質であると共に、(ii)単なる酸分解物、アルカリ分解
物、酵素分解物、酸化分解物等に比して優れた蛋白質食
品の品質改良効果を奏する事実を見出した。
かくしてこの発明によれば、穀物蛋白質の部分分解物で
あって、以下の物性、 (a)重量平均分子量(ゲル濾過法による)が500〜900
00の範囲にある、 (b)紫外吸収λmaxが、260〜280nm付近で、かつ赤外
吸収が1400,1630及び3400cm-1付近である、 (c)等電点が、3.9〜5.0の範囲にある、 (d)pH緩衝性(本品の5重量%水溶液100mlのpHを6
から2まで低下させるのに1N−塩酸を2〜25ml必要とす
る)を有する、 (e)水に可溶であり、メタノール、エタノール、アセ
トン、エーテルに不溶である、 (f)外観は淡黄色ないし赤茶色の粉末である、 (g)キサントプロティン反応、ニンヒドリン反応によ
って呈色する、 (h)強い表面張力低下能(本品を25℃の純水に0.1重
量%添加することによって、純水の表面張力を50dyne/c
m以下(デュヌイの表面張力計で計測)に低下させる)
を有する。
(i)強い乳化能(本品1gの添加使用により少なくと
も、大豆油を30重量%含有する水−大豆油混合物100gを
完全乳化(均一な乳化状態を少なくとも10分、好ましく
は1時間以上維持することを意味する)しうる)を有す
る、 で特徴づけられる物質を蛋白食品素材に対して0.05〜10
重量%含有する蛋白質食品が提供される。
上記で特定される蛋白質部分分解物は、それ自体本願出
願前に文献未記載の新規物質であり、とくに上記表面張
力低下能(h)及び(i)の点で従来の穀物蛋白質部分
分解物とは区別されるものである。
また、この発明の添加対象の蛋白質食品とは、蛋白質を
主体(総固形分中に40重量%以上)とする食品を意味す
る。
この発明の品質改良剤は蛋白質食品の製造時に添加して
用いられ、必要量の添加により各種の品質改良効果を発
揮するものである。
例えば、蒲鉾、竹輪等の魚肉を主原料とした動物性蛋白
質食品やハム、ソーセージ、ハンバーグ、ミンチボール
等の畜肉を主原料とした動物性蛋白質食品の製造時にお
いて、必要量添加することによって、その成形性が向上
し、形状保持性やテクスチャーが優れ、食感がより良好
な蛋白質食品を得ることができる。また、かかる品質改
良効果により、従来、その分散性の点で添加量に限界が
あった大豆蛋白等の植物蛋白質の混合量(従来せいぜい
10重量%程度)を増加することもできる。さらに、これ
らの動物性蛋白質食品に限らず、大豆蛋白食品や豆腐の
ごとき植物性蛋白質食品の製造時に添加することによ
り、大豆蛋白食品の安定性、形状保持性、テクスチャー
の向上や豆腐の弾力向上等の品質改良効果を発現するも
のである。
この発明で穀物蛋白質とは、穀物に含有される蛋白質を
意味し、ここで穀物としては、麦類(例えば、小麦)、
トウモロコシ類、豆類(例えば、大豆)などが挙げられ
る。かかる穀物に含まれる蛋白質のうち、例えば小麦蛋
白質は、グルテニンとグリアジンを主成分として含み、
通常小麦グルテンと称せられる。また、トウモロコシ蛋
白質は、ゼインを主成分として含み、通常トウモロコシ
グルテンと称せられる。これらはいずれも公知の物質で
あり、穀物から常法によって分離や抽出して得ることが
できる。例えば、小麦蛋白質(小麦グルテン)を得る場
合、小麦粉に少量の水を加えて固く練り、次いでこれを
多量の水中で練ると澱粉は水中に懸濁し、グルテン含有
分は粘着性のかたまりとなって残る。この操作を、水を
替えて数回行うと灰褐色、粘稠な塊状物となって得るこ
とができる。この発明の部分分解物の調製のためには、
このような塊状物をそのまま使用することができるが、
その乾燥品を用いてもよく、さらに精製したものや部分
変性品等を用いてもよい。例えば、小麦グルテンは、乾
燥品が市販されており容易に入手することができる。そ
の他市販のトウモロコシグルテンや大豆蛋白質を簡便に
使用することができる。
なお、かかる蛋白質は、粗製品を用いても精製品を用い
てもよいが、蛋白質を70%以上含有するものを用いるの
が好ましい。
この発明の部分分解物は、穀物蛋白質を、アルカリによ
る加水分解処理と、酸、酵素、酸化剤又は還元剤を用い
た分解処理とを組合わせた多段分解処理に付すことによ
り得られる。即ち、アルカリ分解処理とこれ以外の分解
処理とを組合わせることにより得られる。
上記アルカリによる加水分解処理は、希アルカリ水溶液
中で加熱することにより行うのが適している。通常、加
水分解対象物の水溶液又は水分散液を、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸ナトリウ
ム、炭酸カリウム等のアルカリ剤の存在下、約60〜180
℃下、約10〜600分撹拌して行うのが適している。ここ
で加水分解対象物の水溶液又は水分散液としては2〜40
重量%のものを用いるのが好ましく、また使用するアル
カリ剤の量は、加水分解対象物20gに対し0.1〜6gとする
のが好ましい。
一方、上記アルカリによる加水分解処理に組合わせる他
の分解処理のうち、酸による分解処理は、希酸水溶液の
中で加熱して行うのが適している。通常、分解対象物の
水溶液や水分散液を、塩酸、硫酸等の無機酸や酢酸等の
有機酸の存在下約60〜120℃以下、約10〜600分撹拌して
行うのが適している。ここでの量的条件は前述したアル
カリ加水分解の際の条件と同一とするのが好ましい。
同じく、酵素による分解処理は、プロテアーゼ活性を有
する酵素の希水溶液中で行うのが適しており、通常、分
解対象物の水溶液や水分散液に、ペプシン、アルカリプ
ロテアーゼ、パパイン等の酵素を少量存在させた状態で
この酵素の至適pH条件下で約10〜60℃下、約60〜600分
行われる。ここで量的条件は分解対象物20gに対し酵素
使用量を0.02〜5gとする以外上記と同様とするのが好ま
しい。
同じく還元剤又は酸化剤による分解処理は、還元剤又は
酸化剤の希水溶液中で行うのが適しており、通常、分解
対象物の水溶液や水分散液に、亜硫酸塩、チオール系化
合物、エリソルビン酸、ヒドラジン等の還元剤又は過酸
化水素、次亜塩素酸塩等の酸化剤を少量存在させた状態
で、約10〜100℃下で、10〜600分行われる。この際の量
的条件は、分解対象物20gに対する還元剤又は酸化剤の
使用量を0.1〜5gとする以外上記と同様とするのが好ま
しい。
上記多段分解処理の順序はとくに限定されない。即ち、
小麦グルテン等の原料を最初にアルカリ加水分解処理
(A)に付した後、上述した酸、酵素、還元剤及び酸化
剤を用いた分解処理(B)(アルカリ以外の分解処理)
のいずれか又はその二種以上の処理に付してもよく、ま
たこの逆の順で分解処理を行ってもよい。また、先にア
ルカリ以外の分解処理(B)に付した後、アルカリ加水
分解処理(A)に対し、再びアルカリ以外の分解処理
(B)に付すことにより得ることも可能である。また、
これらの各処理間では、適宜、中和処理がなされてもよ
い。
この発明において、より優れた品質改良効果は、重量平
均分子量が500〜90000の範囲で認められ、さらに優れた
品質改良効果は同じく1000〜70000の範囲で認められ
る。これらの分子量は、前記した部分分解処理の条件を
調節することにより適宜制御することができる。
なお、これらの分子量は、標準物質として1600,6500,16
000,65000,88000の分子量を有するポリスチレンスルホ
ン酸ソーダを溶媒として1重量%の食塩水を用い、ファ
ルマシア社製のセファデックスG−75又は−100を担体
として用いてゲル濾過法によって測定した値である。
このようにして得られる蛋白質部分分解物は分解後の水
溶液の形態でそのまま蛋白質食品の品質改良剤として使
用できるが、乾燥後に粉末としても用いることもでき
る。また、例えば限外濾過法等による脱塩処理あるいは
脱色処理などによる精製品も良好に使用できる。
この発明の品質改良剤は、前述のごとく各種蛋白質食品
の製造時に添加して用いられ、この際の添加量は通常、
添加対象の蛋白質食品素材に対して0.05〜10重量%とす
るのが適しており、0.2〜3重量%とするのが好まし
い。0.05重量%未満では、前述した種々の品質改良効果
が不充分で適さず、10重量%を越えると、添加量の増大
に見合う品質改良効果の向上が見られず好ましくない。
なお、この発明の品質改良剤中には、上記蛋白質部分分
解物以外に他の品質改良成分が含まれていてもよい。特
にショ糖脂肪酸エステルやグリセリン脂肪酸エステルの
ような多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性剤と併
用するのが一つの好ましい態様である。この際蛋白質部
分分解物と界面活性剤との配合比を1:6〜6:1(重量比)
(好ましくは1:4〜4:1)とすると、相乗的な品質改良効
果が得られるので、より好ましい。
またエタノール、プロピオン酸、乳酸、ソルビン酸、デ
ヒドロ酢酸、食塩などの通常使用される防腐剤が併用さ
れていてもさしつかえはなく、これも一つの好ましい使
用態様である。
(ホ)実施例 この発明を実施例及び試験例によって詳細に説明する。
実施例1〜10(小麦グルテンの酸による部分分解と次い
で実施したアルカリによる部分分解による分解物の調
製) 塩化水素換算で0.5g,1g,2g及び4gに相当する塩酸水溶液
100gの入ったフラスコにそれぞれ和光純薬工業(株)製
の小麦グルテン(試薬品)20gを加え、80℃及び100℃に
て60分間加熱撹拌した。
その後、苛性ソーダで中和し純水で総量200gにして、小
麦グルテンの酸による部分分解物の10%水溶液を調製
し、その各100gをフラスコもしくはオートクレーブ10個
に入れ、これらに苛性ソーダ又は炭酸ナトリウム0.5〜2
gの範囲内の量を各別に加え、80℃〜150℃にて30分〜36
0分間加熱攪拌した。その後、塩酸にて中和し純水で総
量200gにしてこの発明の部分分解物である発明品No.1〜
10を得た。
表−1に分解条件と分解物の平均分子量を示す。
なお、発明品No.1を等電点沈澱又は透析により脱塩した
ものは、ほとんど無味無臭であった。
実施例11〜14(とうもろこしグルテン及び大豆蛋白の酸
による部分分解と次いで実施したアルカリによる部分分
解による分解物の調製) 日本食品化工(株)製とうもろこしグルテンを原料とし
実施例6及び1と同じ条件で酸及びアルカリを用いて順
次、部分分解を実施して発明品No.11,12を得た。平均分
子量はそれぞれ11800と27100であった。
また、市販の湯葉をアセトンで脱脂して得た大豆蛋白を
原料とし、実施例6及び1と同様の条件で酸及びアルカ
リを用いて順次部分分解を行い発明品No.13,14を得た。
平均分子量はそれぞれ12000と29000であった。実施例1
5,16(小麦グルテンのアルカリによる部分分解と次いで
実施した酸による部分分解による分解物の調製) 苛性ソーダ2g又は4gを溶解した水溶液100gに実施例1〜
10で用いた小麦グルテン20gを加えて100℃にて60分間加
熱撹拌後、塩酸にて中和し、純水で総量200gにして小麦
グルテンのアルカリによる部分分解物の10%水溶液を調
製し、その100gに塩化水素換算で0.5g及び1gに相当する
塩酸を各別に加え、100℃にて60分間加熱撹拌した。そ
の後苛性ソーダで中和し、純水で総量200gにして発明品
No.15,16を得た。表−2に分解条件と分解物の平均分子
量を示す。
実施例17(小麦グルテンの酵素による部分分解と次いで
実施したアルカリによる部分分解による分解物の調製) 実施例1〜10で用いた小麦グルテン20gを0.1N−塩酸液1
50gが入ったフラスコに加え、pH1.5の水溶液を得た。こ
れに和光純薬工業(株)製試薬ペプシン(1:10,000)0.
2gを加え37℃で90分間反応させた。その後、苛性ソーダ
で中和し純水で総量200gにして小麦グルテンの酵素によ
る部分分解物の10%水溶液を調製し、その100gに苛性ソ
ーダを1g加えフラスコ中で60分間加熱撹拌した。その後
塩酸にて中和して純水で総量200gとし発明品No.17を得
た。
平均分子量は29000であった。
実施例18(小麦グルテンの還元剤による部分分解と次い
で実施したアルカリによる部分分解による分解物の調
製) 亜硫酸ナトリウム4gを溶解した水溶液100gに実施例1〜
10で用いた小麦グルテン20gを加えて、30℃にて60分間
撹拌後、純水で総量200gにして小麦グルテンの還元剤に
よる部分分解物の10%水溶液を調製し、その100gに苛性
ソーダ1gを加え、フラスコ中で100℃で60分間加熱撹拌
した。その後、塩酸にて中和して純水で総量を200gとし
発明品No.18を得た。平均分子量は39500であった。
実施例19(小麦グルテンのアルカリによる部分分解と次
いで実施した酵素による部分分解(実施例17と順次が
逆)による分解物の調製) 苛性ソーダ2gを溶解した水溶液100gに実施例1〜10で用
いた小麦グルテン20gを加えて100℃にて60分間加熱撹拌
後、塩酸にて中和し、純水で総量200gにして小麦グルテ
ンのアルカリによる部分分解物の10%水溶液を調製し、
その100gに試薬塩酸を加えpH1.5の水溶液を得、これを
フラスコ中で、和光純薬工業(株)製試薬ペプシン(1:
10,000)0.1gを加えて37℃で90分間反応させた。その
後、苛性ソーダで中和して純水で総量200gにし発明品N
o.19を得た。
平均分子量は24500であった。
実施例20(小麦グルテンのアルカリによる部分分解と次
いで実施した酸化剤による部分分解による分解物の調
製) 苛性ソーダ2gを溶解した水溶液100gに実施例1〜10で用
いた小麦グルテン20gを加えて100℃にて60分間加熱撹拌
後、塩酸にて中和し、純水で総量200gにして小麦グルテ
ンのアルカリによる部分分解物の10%水溶液を調製し、
その100gにH2O2換算で0.5gに相当する過酸化水素を加
え、40℃で60分間加熱撹拌した。その後、残存している
H2O2と当量のチオ硫酸ナトリウムを加え、純水で総量を
200gにして発明品20を得た。
平均分子量は37000であった。
以下に実施例1〜20によって得られたこの発明の蛋白質
部分分解物の諸物性及び粒子分散作用を表−3に、表面
張力及び乳化持続時間の測定結果を表−4に示す。
表中、原料欄のWは小麦グルテンを、Cはとうもろこし
グルテンを、Bは大豆蛋白をそれぞれ意味する。なお空
欄は、測定または試験せずを意味する。
各諸物性及び粒子分散作用の測定方法、試験方法は以下
のとおりである。
〔平均分子量〕
これらの分子量は、標準物質として1600,6500,16000,65
000,88000の分子量を有するポリスチレンスルホン酸ソ
ーダを溶媒として1重量%の食塩水を用い、ファルマシ
ア社製のセファデックスG−75又はG−100を担体とし
て用いてゲル濾過法によって測定した値である。
〔等電点〕
ビーカーにこの発明の実施例で得られた発明品1〜20を
各100gづつ取り、室温にて撹拌下、IN−HClを1mlづつ添
加し、pHを測定した。得られたpH曲線の傾きが最も緩や
かになるpH値を等電点とした。
〔緩衝能〕
等電点の測定方法と同様にして得られたpH曲線より、pH
を6から2まで低下させるのに必要な1Nの塩酸量を緩衝
能とした。なお、この際のpH中和曲線を、発明品No.1,N
o.7,No.11,及びNo.13について第1図(イ)〜(ニ)に
示した。
〔UV〕
日立U−3200形分光光度計を用いて800〜200nmの範囲の
吸光度を測定した。
〔IR〕
日立260−10形赤外分光光度計を用いてKBr法で測定し
た。
〔粒子分散力〕(炭酸カルシウムスラリー) ・ナショナルM1型ミキサーに発明品および水道水を計25
0g入れ、炭酸カルシウム(竹原化学工業製軽質炭酸カル
シウム)を250gを加え2分間混合し、50重量%スラリー
を調製する。その後直ちにスラリーをビーカーに移し、
東京計器製DVH−B型粘度計にて、回転数50rpm,ロータ
ーNo.3〜5にて粘度(cps)を測定する。ただし、その
発明の部分分解物の添加濃度は、総量500gに対して0.3
重量%である。
(カオリンスラリー) ・ナショナルM1型ミキサーに、この発明の部分分解物お
よび水道水を200g入れ、カオリン〔土屋カオリン工業
(株)製〕粉末を300gを加えて2分間混合し、60重量%
スラリーを調製する。その後直ちにスラリーをビーカー
に移し、東京計器製DVH−B型粘度計にて、回転数50rp
m,ローターNo.3〜5にて粘度を測定する。ただし、その
発明の部分分解物の添加濃度は、総量500gに対して0.3
重量%である。
表面張力及び乳化持続時間の測定方法は以下のとおりで
ある。
[表面張力の測定] 実施例で調製した発明品の表面張力を温度25℃で純水を
溶媒として用いてデュヌイの表面張力計によって測定し
た。
[乳化持続時間の測定] 実施例で調製した発明品の乳化持続時間を下記の試験方
法により測定した。
《試験方法》 ・ビーカーに試供薬剤および水道水を合計70g入れ、pH
を7.0に調整する。大豆油〔キシダ化学(株)製試薬〕3
0gを加え特殊幾化工業(株)製HV−M型ホモミキサーで
回転数8000rpmにて5分間混合する。混合後直ちに乳化
液を比色管に移し室温にて放置し、分離が始まるまでの
時間を乳化持続時間とする。乳化持続時間の測定は、放
置開始後1時間後までは10分毎に観察し、その後は1時
間毎に観察した。ただし、この発明の部分分解物の添加
濃度は、総量に対して1.0重量%である。
比較例1(小麦グルテンの調製) 実施例1〜10に用いた小麦グルテンを分解処理せずその
まま比較品No.1として用いた。
比較例2(小麦グルテンのアルカリによる部分分解物の
調製) 苛性ソーダ2gを溶解した水溶液100gに実施例1〜10で用
いた小麦グルテン20gを加えて100℃にて60分間加熱撹拌
後、塩酸で中和し、純水で総量200gとして比較品No.2を
得た。
平均分子量は47000であった。
比較例3(小麦グルテンの酸による部分分解物の調製) 塩化水素換算で4gに相当する塩酸水溶液100gの入ったフ
ラスコに和光純薬工業(株)製の小麦グルテン(試薬
品)20gを加え、100℃、60分間加熱撹拌した。その後、
苛性ソーダで中和し純水で総量200gにして、比較品No.3
を得た。部分加水分解物の平均分子量は47000であっ
た。
比較例4(小麦グルテンの酵素による部分分解の調製) 実施例1〜10で用いた小麦グルテン20gを0.1N−塩酸液1
50gが入ったフラスコに加え、pH1.5の水溶液を得た。こ
れに和光純薬工業(株)製試薬ペプシン(1:10,000)0.
2gを加え37℃で90分間反応させた。その後、苛性ソーダ
で中和し純水で総量200gにして比較品No.4を得た。部分
分解物の平均分子量は60000であった。
この発明の実施例の発明品No.1〜20、比較例の比較品N
o.1〜4、及び公知物質であるショ糖脂肪酸エステル
[第1工業製薬(株)製、商品名:DKエステルF−160
(HLB15)、比較品No.5]パルミチン酸モノグリセライ
ド[太陽化学(株)製、商品名:サンソフトNo.8001、
比較品No.6]について以下の試験例を実施した。
試験例1 (蒲鉾の品質改良効果) A.試験方法及び条件 下記に示す配合組成の混合物を擂潰し、蒲鉾用仕上りす
り身を製造する。このすり身をいくつかに分け、夫々別
個に試供品を添加して均一化した。得られた仕上りすり
身の硬さを測定後、塩化ビニリデン系チューブ(折径4.
5cm)に充填し、すわり処理(15℃、15hr)後、加熱(9
0℃、40分間)してチューブ詰蒲鉾を得た。
得られた蒲鉾の破壊強度および破壊時の歪を測定した。
なお、すり身の硬さは成形性に関係し、得られた製品の
破壊強度および破壊歪は、その製品のテクスチャーを表
す。
〈配合組成〉 スケソウ冷凍すり身 2kg(100重量部) 食塩 44g(2.2 ) 砂糖 18g(0.9 〃 ) グルタミン酸ナトリウム 10g(0.5 〃 ) みりん 10g(0.5 〃 ) ばれいしょ澱粉 140g(7 〃 ) 〈すり身の硬さ〉 仕上りすり身を直径6cm、高さ5cmのガラス容器に詰めて
試料とし、不動工業製レオメーター(NRM−2010J・D−
CW)を使用して5mm圧縮したときの応力を「すり身の硬
さ」とした。
〈破壊強度、破壊時の歪〉 得られた蒲鉾を3cmの高さに切断して試料とし、同じレ
オメーターを用いて試料を圧縮し、破壊時の強度(破壊
時の応力(g)と破壊時の歪(mm)を測定する。
B.結果 この結果を表5に示す。
表5の結果に示されるように、この発明の蛋白質食品の
品質改良剤によれば、蒲鉾の形状保持性や硬さを著しく
向上することができる。
試験例2 発明品No.2と、比較品No.5又はNo.6で用いたショ糖脂肪
酸エステル又はパルミチン酸モノグリセリドを併用添加
して、試験例1と同様な試験を行った。
この結果を表6に示す。
このように、ショ糖脂肪酸エステルやパルミチン酸グリ
セリド等を併用することにより、相乗的に優れた蛋白質
食品の品質改良効果が得られることが判る。
試験例3 スケソウ冷凍すり身2kgのうち、300gを小麦グルテンに
代替する以外、試験例1と同様にして発明品No.2,No.6
及びNo.14についての品質改良効果を評価した。
この結果を表7に示す。
試験例4 (ハンバーグの品質改良効果) 下記に示す小麦グルテン入りハンバーグ原料に供試品を
加えてハンバーグを製造した。その結果を表8に示す。
なお食感及び風味の評価は小麦グルテンが入っていない
原料から製造したハンバーグを標準品として用い、それ
と比較した結果である(10人のパネラーによって行い、
その結果を総合的にまとめたものである)。
このように、この発明の品質改良剤によれば、食感、風
味等の品質を向上させることが判る。
試験例5 (大豆蛋白素材の品質改良効果) 粉末状分離大豆タンパク・フジプロR(不二製油(株)
製)に水を加えて溶解し、8%の水溶液とする。これに
供試品を所定濃度添加し撹拌混合後、噴霧乾燥して粉末
品を得た。
得られた粉末を密封して、25℃の恒温室で放置し溶解性
(NSI:Nitorogen Solubility Index)の経日変化を測定
した。
この結果を表9に示す。
このように、この発明の品質改良剤は、大豆蛋白素材の
経時的溶解性を抑制し、より安定に保ち、例えば焼きち
ぢみを抑制するよう作用することも判明した。
また、ショ糖脂肪酸エステル(比較品No.5)又はパルミ
チン酸モノグリセリド(比較品No.6)と併用した際の結
果を表10に示した。このように併用により上記安定化効
果もより向上することが判る。
なお、上記大豆蛋白素材は、小麦蛋白と共に、ミートボ
ール・ハンバーグ等の肉ねり製品の増量剤としても用い
られており、それら蛋白素材を添加すると食感がソフト
化する事も言われている。しかし、この素材を肉ねり製
品に添加する場合、均一化が非常に困難であり、大きな
問題となっている。
上記表9及び表10において、発明品No.2及びNo.12並び
に発明品No.2と比較品No.5との併用により、調製した粉
末品は、ハンバーグの増量剤として添加混合し易く、ま
た均一化が容易である事が確認された。このように発明
品は大豆タンパク素材の品質改良剤として非常に有用で
ある事がわかる。
試験例6 (豆腐の品質改良効果) 原料大豆100gを水洗し、約10℃の水に15時間浸漬し約25
0gとする。これに250gの水を更に加えながら摩砕してな
ま「ご」とし、供試品を加えて加熱沸騰する。加熱開始
後5分後の泡の高さを測定し、10分間煮沸する。その後
加水量を10倍(計1000g)に調製する。この煮沸「ご」
を搾汁して豆乳とオカラに分け、豆乳の温度が75℃にな
ったら、硫酸カルシウム3gを懸濁させた30mlの湯(40
℃)を加えて凝固させる。そのまま10分間放置し、凝固
させて豆腐を製造した。
煮沸時の泡の高さおよび得られた豆腐の重量、品質(弾
力,固形分)を表11に示す。
このように、この発明の品質改良剤によれば、豆腐の弾
力や重力を向上させると共に、製造時において不都合な
泡の発生を抑制するよう作用することが判る。そしてこ
れらの効果はパルミチン酸モノグリセリドとの併用によ
りさらに相乗的に向上することが判る。
試験例7(ソーセージの品質改良効果) 〈処方〉 豚肉 50.0部 豚脂 25.0〃 水(氷) 20.0〃 ゼラチン*1 0.5〃 食塩 1.7〃 ピロリン酸ナトリウム 0.16〃 亜硝酸ナトリウム 0.04〃 香辛料 0.3〃 検体 0.5〃 *1:ゼラチン:湘南ゼラチン(株)製 「コラーゲンパウダーGP」 〈調製方法〉 ○上記処方のものを、サイレントカッターにて混合後、
直径10mmの半腸ケーシングに詰め、82℃にて15分間加熱
し、ウインナソーセージを調製した。
〈評価方法〉 加熱前後の重量差により、次式に依り歩留りを算出
した。
10人のパネラーにより、食感の評価を実施した。
それらの結果を表12に示す。
(へ)発明の効果 この発明の蛋白食品に含有される穀物蛋白質の部分分解
物は、品質改良剤として、各種蛋白質食品の優れた品質
改良効果、例えば、形状保持性、テクスチャー、安定
性、弾力、食感等の向上効果を奏するものである。そし
て、有効成分である穀物蛋白質の部分分解物は食品又は
食品に類するものゆえ、毒性がない点で極めて有利であ
り、食品添加用として安全性も向上され、しかも安価で
ある。
従って、この発明の蛋白食品に含有される穀物蛋白質の
部分分解物は、蛋白質食品用添加剤として極めて有用な
ものであり、優れた形状保持性、テクスチャー、安定
性、弾力、食感等を有する各種蛋白質食品を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)〜(ニ)は、この発明に用いる部分加水分
解物についてのpH中和曲線を例示するグラフ図である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/325 101 D // C08L 89/00 LSE C12P 21/06 9282−4B (56)参考文献 特開 昭56−25093(JP,A) 特開 昭64−14274(JP,A)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】穀物蛋白質の部分分解物であって、以下の
    物性、 (a)重量平均分子量(ゲル濾過法による)が500〜900
    00の範囲にある、 (b)紫外吸収λmaxが、260〜280nm付近で、かつ赤外
    吸収が1400、1630及び3400cm-1付近である、 (c)等電点が、3.9〜5.0の範囲にある、 (d)pH緩衝性(本品の5重量%水溶液100mlのpHを6
    から2まで低下させるのに1N−塩酸を2〜25ml必要とす
    る)を有する、 (e)水に可溶であり、メタノール、エタノール、アセ
    トン、エーテルに不溶である、 (f)外観は淡黄色ないし赤茶色の粉末である、 (g)キサントプロテイン反応、ニンヒドリン反応によ
    って呈色する、 (h)強い表面張力低下能(本品を25℃の純水に0.1重
    量%添加することによって純水の表面張力を50dyne/cm
    以下(デュヌイの表面張力計で計測)に低下させる)を
    有する、 (i)強い乳化能(本品1gの添加使用により少なくと
    も、大豆油を30重量%含有する水−大豆油混合物100gを
    完全乳化(均一な乳化状態を少なくとも10分、好ましく
    は1時間以上維持することを意味する)しうる)を有す
    る、 で特徴づけられる物質を蛋白質食品素材に対して0.05〜
    10重量%含有することを特徴とする蛋白質食品。
  2. 【請求項2】部分分解物が、穀物蛋白質を(A)アルカ
    リによる加水分解処理と、(B)酸、酵素、酸化剤又は
    還元剤を用いた分解処理の1種又は2種以上との組み合
    わせによる多段部分分解処理に付して得られた物質であ
    る請求項1に記載の蛋白質食品。
  3. 【請求項3】部分分解物が、アルカリによる加水分解処
    理と、酸による加水分解処理との組み合わせによる二段
    部分分解処理により得られたものである請求項2に記載
    の蛋白質食品。
  4. 【請求項4】穀物が、小麦グルテン、とうもろこしグル
    テン又は大豆蛋白である請求項1〜3のいずれかに記載
    の蛋白質食品。
  5. 【請求項5】蛋白質食品が動物性蛋白質食品又は植物性
    蛋白質食品である請求項1〜4のいずれかに記載の蛋白
    質食品。
  6. 【請求項6】蛋白質食品が蒲鉾、竹輪、ハム、ソーセー
    ジ、ハンバーグ又は大豆蛋白である請求項1〜4のいず
    れかに記載の蛋白質食品。
  7. 【請求項7】多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性
    剤がさらに併用されてなる請求項1の蛋白質食品。
  8. 【請求項8】蛋白質部分分解物と多価アルコール脂肪酸
    エステル型界面活性剤が重量比1:6〜6:1で配合されてな
    る請求項7の蛋白質食品。
  9. 【請求項9】多価アルコール脂肪酸エステル型界面活性
    剤が、ショ糖脂肪酸エステル及び/又はグリセリン脂肪
    酸エステルである請求項8の蛋白質食品。
  10. 【請求項10】蛋白質食品素材に対して、0.01〜10重量
    %添加して用いられる請求項1又は7記載の蛋白質食
    品。
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