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JPH0729802B2 - 模様を有する結晶化ガラス物品の製造方法 - Google Patents
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JPH0729802B2 - 模様を有する結晶化ガラス物品の製造方法 - Google Patents

模様を有する結晶化ガラス物品の製造方法

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JPH0729802B2
JPH0729802B2 JP30441788A JP30441788A JPH0729802B2 JP H0729802 B2 JPH0729802 B2 JP H0729802B2 JP 30441788 A JP30441788 A JP 30441788A JP 30441788 A JP30441788 A JP 30441788A JP H0729802 B2 JPH0729802 B2 JP H0729802B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建築用及び装飾用等に適する結晶化ガラス部
品の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
これまでに知られている結晶化ガラスに模様を現出させ
る方法の一つには、特公昭37−18063号、特公昭46−432
38号、特開昭57−175751号などに代表されるような着色
を主とする方法があるが、この方法では、単に代表的に
着色模様が得られるだけで、外観の意匠的効果は乏しい
という難があった。
そこで、結晶の配向性及び結晶とマトリックスガラス相
との混在に起因する深みのある濃淡模様を主として、天
然石様の外観をも持たせることができ、非常に味わい深
い美しい模様を得ることを目的とした方法も、特公昭53
−19607号、特公昭55−29018号によって提案されてい
る。
しかし、特公昭53−19607号では、熱処理して得られる
結晶化ガラス物品表面の凹凸を完全に研削除去すること
によって初めて平板状の模様入り結晶化ガラスが得られ
ることになり、鏡面平板を得る為の研削・研磨工程に多
大の労力と時間を要するという欠点がある。
特公昭55−29018号に代表される所謂焼結法では、種々
の色に着色した結晶性ガラス小体を集積しその後熱処理
することによって、結晶の配向性及び結晶とマトリック
スガラス相との混在に起因する深みのある天然石様模様
に加えて着色ガラス小体に基づく着色デザインをも有す
る非常に美しい結晶化ガラスが得られるのではあるが、
集積される結晶性ガラス小体間の空隙が最終結晶化ガラ
ス物品内に必ず気孔として残存することになる為、材料
としての物性を損うことになる。
そこで本出願人は、前記した深みのある意匠的に優れた
外観をもつ結晶化ガラス物品であって、しかも繁雑な仕
上げ加工が不要で、また内部の気孔もない結晶化ガラス
物品の製造方法について種々検討を重ね、前記した意匠
的効果を向上させるためには、結晶化の熱処理に際し
て、結晶化前のガラス物品の内部に結晶析出・成長の起
点となる界面を予め形成させると共に、反面気孔等の不
具合要因は招致しないようにすればよいことに着目し
た。
このような新規な製造方法の一つとして、本出願人は、
熱処理前の結晶性ガラス物品(以下熱処理前のものを結
晶性と称し、熱処理後のものを結晶化と称する)に、ヒ
ビを与えた後熱処理する方法(特開昭61−201631号)、
(以下「ヒビ入れ法」と呼ぶ)を提案している。
さらに本出願人は、結晶性ガラスの融液内に、熱処理前
の結晶性ガラス小片、熱処理済の結晶化ガラス小片、あ
るいは非結晶性ガラス小片を分散させた後、元の結晶性
ガラスを成形、熱処理することを特長とし、自由な着色
デザインをも容易に施すことのできる結晶化ガラス物品
の製造方法(特開昭62−30630号)を提案している。
〔発明が解決しようとする課題〕 しかし、従来のヒビ入れ法による模様の作成は、現出す
る模様の形状を予測することができず、同一模様の製品
を反復して製造することが困難であるという欠点ととも
に、深みのある模様を現出させるためには、表面を厚く
研削する必要があった。
また、ガラス小片を分散させる方法では、ガラス小片を
現出させる模様を考慮して分散させる面倒な作業を必要
とする他、最後に表面を厚く研削する必要があった。
本発明の目的は、簡素な製造工程により結晶化ガラスに
模様を現出させることができ、しかも同一模様を反復し
て得ることができ、さらには表面を極めて薄く研削する
だけでより一層深みのある模様を現出させることができ
る、模様を有する結晶化ガラス物品の製造方法を提供す
るところにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の目的を達成するための手段は、特許請求の範囲
の各請求項に記載したとおりであり、本発明において用
いられる結晶性ガラスは、前記公報に記載された既知の
組成のものであってもよいし、他のものであってもよ
く、本発明方法はガラス組成によって制約されることは
なく、また公知の着色剤によって着色が施された結晶性
ガラスであっても差し支えないことは言うまでもない。
本発明方法を以下詳細に説明する。まず、熱処理により
表面から内部に向かって針状,樹枝状などの結晶が析出
・成長する性質を有する結晶性ガラスを溶融し、ロール
アウト法,プレス法,流し込み法などの従来の成形技術
によって板状あるいはブロック状に成形する。次に、こ
うして得られた板状あるいはブロック状のガラス成形品
の表面の一部に水ガラスを塗布する。塗布する水ガラス
としては、JIS K1408「ケイ酸ソーダnNa2O・mSiO2」に
規定される1号,2号,3号,4号が市販されているが、これ
らをそのまま塗布しても良いし、水で適宜薄めて塗布し
ても良い。希釈度としては上記1号から4号のうち最も
濃度の薄い4号の場合でも約20倍程度まで薄めて使用で
きる。また、水ガラスと同等の効果を持ったケイ酸ソー
ダの結晶を水に溶解して用いても差し支えないし、所謂
カリ水ガラスを用いても良い。塗布方法としては、刷毛
により直接塗る方法や、スプレー法,スクリーン印刷法
等が適用される。塗布される水ガラスの厚さは、約0.1
〜1mmが望ましい。
前記の方法により表面の一部に水ガラスを塗布したガラ
ス成形品は、耐火性型枠ごとに熱処理炉に移し加熱する
と、水ガラス塗布面と水ガラス非塗布面とにおける結晶
の配向性,密度,大きさ等の差に起因する模様を有する
結晶化ガラス物品となる。
その後、化学的耐久性等の物性に乏しいと考えられる極
めて薄い表面変質層(水ガラスと結晶化ガラスとの反応
によって生成するガラス層であり、得られた結晶化ガラ
ス物品の断面をEPMA:Electron Probe X−ray Micro Ana
lyzerを用いて分析したところ、この層は表面からわず
か0〜0.5mmの部分にのみ存在することが分かった。)
を研磨等の方法によって除去することにより、結晶化ガ
ラスが本来有する優れた物性と上記の模様とを合わせ持
たせることができる。
水ガラス塗布面と水ガラス非塗布面とにおいて、前記し
たように結晶成長の様子が異なる原因は次のように推測
される。
通常、熱処理すると表面から内部に向かって結晶が析出
・成長する性質を有する結晶化ガラスを熱処理すると、
表面から内部に向かって垂直に、整然と結晶が針状ある
いは樹枝状に成長する。従って、水ガラス非塗布面は、
均一な結晶化ガラスの表面となる。ところが、予め結晶
性ガラス表面に水ガラスを塗布しておくと、表面から結
晶が析出を開始する温度(約800〜1000℃)よりも低い
温度で、水ガラスが結晶性ガラスとその接触界面におい
て軟化融着し、一体化してしまうものと考えられる。さ
れにこの時、水ガラス中の特にNa2O成分の一部は結晶性
ガラスの表面層中へ拡散していく可能性も大きく、結局
結晶性ガラスの表面(即ち水ガラスと結晶性ガラスとの
界面)は、結晶が析出・成長しうる結晶開始の起点とし
ての能力をほとんど失ってしまうであろうと思われる。
従って、水ガラス塗布面では熱処理中の温度上昇に伴
い、結晶性ガラスの表面(すなわち、水ガラスと結晶性
ガラスとの界面)付近の極めて限られた箇所のみから、
結晶が大きく、ランダム(自由な方向)に、粗に析出・
成長することになるのである。
一方、先に述べたように、水ガラス非塗布面では結晶性
ガラス表面全体から内部に向かって垂直に均一に結晶が
析出・成長するため、水ガラス塗布面と水ガラス非塗布
面とにおける結晶の配向性,密度,大きさ等の差に起因
する模様が現出するのである。
従って、水ガラスをスクリーン印刷法等によって絵柄や
文字等の形に塗布すれば、デザインされたままの模様が
析出・成長した結晶の配向性,密度,大きさ等の差によ
って現出する。
一方、水ガラスを結晶性ガラスの表面全面に塗布して熱
処理した場合には、表面全面にわたって、大きく、ラン
ダムに、粗に成長した結晶自体による深みのある模様が
現出するのである。
また、水ガラスの塗布により、結晶が大きく、ランダム
に、粗に成長した領域は、結晶化ガラスのかなり内部
(厚さの半分程度)にまで及ぶため、熱処理・結晶化終
了後、研磨等の方法により極めて薄い表面変質層を完全
に除去しても、模様が消失することはない。すなわち、
水ガラスの成分はその塗布された極めて薄い表面変質層
のみに存在し、結晶を大きく、ランダムに、粗に成長さ
せる効果を有するのであって、たとえば、その成分が結
晶化ガラス内部にまで浸透していって結晶化ガラスが本
来有する物性を損うようなことはないのである。
また、上述した原理に着目するならば、結晶性ガラスの
表面から結晶が析出を開始する温度(約800〜1000℃)
よりも低い温度で結晶性ガラスと軟化融着・一体化し、
結晶性ガラス表面の結晶開始の起点としての能力を失わ
せ得る他のものを使用しても、水ガラスと同等の効果を
持つことが分かる。
すなわち、プリント絵具、低温釉、低融点ガラス粉末な
どが一例であり、水ガラスと同等の効果を有するが、経
済的な面、取り扱いの面等において水ガラスが最も好ま
しい。
なお、水ガラスを塗布する前に、結晶性ガラスに熱衝撃
や機械的衝撃によってヒビを入れるヒビ入れ法の手法を
併用することも可能である。この場合には、水ガラスを
塗布された結晶性ガラス表面は、前述の理由により、結
晶の析出開始起点としての能力をほとんど失うことにな
るが、一方、表面に入ったヒビは物理的な結晶析出開始
起点としての能力を保持しているため、このヒビから優
先的に結晶が大きく成長することになる。従って、表面
のヒビを骨格として幅の広い帯状の模様が現出し、非常
に味わい深い天然石様の外観を有する結晶化ガラス物品
が得られる。
〔発明の実施例〕
以下本発明の実施例について説明する。
図面第1図(a)は、結晶性ガラス物品5の上表面全面
に水ガラス1を塗布した様子を示したものである。
図面第1図(b)は、結晶性ガラス物品5を熱処理・結
晶化して得られた結晶化ガラス物品4の断面の様子を示
すものであり、2は塗布された水ガラスの効果により、
大きく、ランダムに、粗に成長し結晶3は表面から内部
に向かって整然と均一に成長した結晶、7は変質層を示
している。
図面第2図(a)は、結晶性ガラス物品5の表面の一部
に水ガラス1を塗布した様子を示すものであり、同じく
(b)は(a)を上方から描写したものである。
図面第2図(c)は、結晶性ガラス物品5を熱処理・結
晶化して得られた結晶化ガラス物品6の断面の様子を示
しており、2は塗布された水ガラスの効果により大き
く、ランダムに、粗に成長した結晶を、3は表面から内
部に向かって整然と均一に成長した結晶を示している。
同じく(d)は該結晶化ガラス物品6を上方から描写し
たものである。
実施例−1 珪石粉,水酸化アルミニウム,酸化亜鉛,炭酸カリウ
ム,硝酸カリウム,炭酸ナトリウム,硝酸ナトリウム,
酸化マグネシウム,水酸化マグネシウム,亜砒酸を原料
として、下記ガラス組成を満足するようにガラスバッチ
を調合し、これを坩堝に入れ電気炉で1450℃の温度で約
6時間溶融する。
SiO2 :48.5wt%,Al2O3 :21.5wt%, ZnO : 6.6wt%,K2O : 1.9wt%, Na2O : 4.0wt%,MgO :17.0wt%, As2O3 : 0.5wt%。
得られ溶融ガラスを金属製型枠内に流し込み、300×300
×20mm程度の板状に成形した後、割れない程度の降温速
度で室温まで徐冷し、板状の結晶性ガラス物品を得る。
次に、このガラス成形品を、内面に離型剤粉末を塗布し
た耐火性型枠内に移し入れ、該ガラス成形品上表面全体
に、JIS K1408に規定される水ガラス1号を水で10倍に
希釈して、スプレー法によって約0.3mmの厚さに塗布す
る。
その後、水ガラスを塗布した該ガラス成形品を耐火性型
枠ごと熱処理炉に移して、1050℃の温度まで200℃/hrの
速度で昇温し、1050℃で3時間保持して熱処理を行なっ
た。
熱処理に伴い、表面に塗布した水ガラスは約500〜600℃
に達するまでに、結晶性ガラスと軟化融着・一体化し、
温度が900℃を越えた付近から、水ガラスと結晶性ガラ
スの融着面付近において、ランダムに粗に針状結晶が析
出し始める。さらに熱処理を続けると、第1図(b)
中、付号2で示すような大きくランダムに粗に成長した
針状結晶の集合組織となった。熱処理後の結晶化ガラス
物品には上記の大きくランダムに粗に成長した結晶に起
因した深みのある美しい模様が観察された。この模様は
ダイヤモンド研削盤により、水ガラス塗布面を7〜8mm
程度まで研削・除去しても消失することはなかった。一
方、水ガラス非塗布面である結晶化ガラス物品の側面、
及び裏面からは、第1図(b)中、符号3に示したよう
にその表面から内部に向かって針状結晶が整然と均一に
成長し、単調な陶磁器様の外観を呈した。
なお、熱処理後の結晶化ガラス物品表面を0.5mm程研削
して表面の変質層を除去し、pH=1のH2SO4水溶液中に
室温で24時間浸漬したところ外観,模様とも全く変化な
く、結晶化ガラス本来の優れた耐化学性を持つことが証
明された。その他、ビッカース硬度,曲げ強度等につい
ても調べたところ、結晶化ガラスが本来有する物性値と
ほぼ同一の測定値を示した。すなわち、表面に塗布され
た水ガラスの成分は、極めて薄い表面変質層に留まって
おり、通常の熱処理条件では本来の結晶化ガラスの有す
る優れた物性を損うことはないのである。
実施例−2 実施例−1と同様に成形した結晶性ガラス物品を内面に
離型剤粉末を塗布した耐火性型枠内に移し入れ、該ガラ
ス成形品上表面の一部に、JIS K1408に規定される水ガ
ラス3号をそのまま筆を用いて第2図(a),(b)の
符号1に示したような円形状に約1mmの厚さに塗布す
る。
これを、実施例−1と同様に熱処理すると、第2図
(c)の符号2に示したように、水ガラス塗布部分下部
では、結晶化ガラス物品の厚さの半分程度まで大きくラ
ンダムに粗に結晶が析出・成長し、第2図(d)の符号
2に示すような深みのある美しい模様が観察され、一
方、水ガラス非塗布部分下部では、第2図(c)の符号
3に示したように、その表面から内部に向かって針状結
晶が整然と均一に成長し、第2図(d)の符号3に示す
ような単調な陶磁器様の外観を呈した。すなわち、水ガ
ラス塗布部分と水ガラス非塗布部分とにおける結晶の成
長方向,密度,大きさ等の差に起因して、第2図(d)
に示すような円形の模様がデザインされた結晶化ガラス
物品が得られた。
さらに、結晶性ガラス物品の表面に水ガラスを予めデザ
インされた文字や複雑な絵柄状に、スクリーン印刷法等
によって塗布することにより、第2図(d)に示すよう
に、水ガラス塗布部分と水ガラス非塗布部分とにおける
結晶の成長方向,密度,大きさ等の差に起因して、デザ
インされたままの深みのある美しい模様を有する結晶化
ガラス物品を得ることができた。
なお、熱処理後の結晶化ガラス物品表面を0.5mm程度研
削して表面の変質層を除去し、実施例−1に示したよう
な物性を調べた結果、本来の結晶化ガラスが持つ、優れ
た物性値を示した。
実施例−3 珪石粉,水酸化アルミニウム,酸化亜鉛,炭酸カリウ
ム,硝酸カリウム,炭酸ナトリウム,硝酸ナトリウム,
酸化マグネシウム,水酸化マグネシウム,酸化セリウム
を原料として、下記ガラス組成を満足するようにガラス
バッチを調合し、これを坩堝に入れ電気炉で1450℃の温
度で約6時間溶融する。
SiO2 :57.5wt%,Al2O3 :12.1wt%, ZnO : 8.4wt%,K2O : 1.2wt%, Na2O : 7.0wt%,MgO :13.3wt%, CeO2 : 0.5wt%。
得られた溶融ガラスを金属製型枠内に流し込み、300×3
00×20mm程度の板状に成形する。
このガラス成形品を徐冷炉内で、650℃に30分間保持し
た後、1℃/minの速度で300℃まで降温し、内面に離型
剤粉末を塗布し耐火性型枠内に即座に移し入れ、該ガラ
ス成形品体に水をかけ熱衝撃を与え、ヒビを入れる。次
に、耐火性型枠ごとヒビ入りガラス成形品を乾燥し、そ
の上表面全体に、JIS K1408に規定される水ガラス2号
を刷毛を用いて約0.5mmの厚さに塗布する。
その後、水ガラスを塗布した該ヒビ入りガラス成形品を
耐火性型枠ごと熱処理炉に移して1050℃の温度まで200
℃/hrの速度で昇温し、1050℃で3時間保持して熱処理
を行なった。
熱処理に伴い、表面に塗布した水ガラスは約500〜600℃
に達するまでに結晶性ガラスと軟化融着・一体化し、次
いで温度が800℃を越えた付近からガラス成形品内部の
ヒビがガラスの軟化によって融着を開始する。融着と並
行して、温度が900℃を越えた付近から、ヒビ入りガラ
ス成形品表面や成形品内部に存在するヒビ境界面から、
針状の結晶が、緻密に放射状に成長し始め、さらに熱処
理を続けると、表面のそれぞれのヒビを骨格とした蒲
(がま)の穂様あるいは試験管を洗う際に使用するブラ
シの先端様の結晶組織となった。これを上表面側から観
察すると、表面のヒビを中心とした幅の広い帯状の模様
を呈していた。一方、ヒビから離れた部分では、水ガラ
スと結晶性ガラスの融着面付近において、大きくランダ
ムに粗に成長した結晶に起因した深みのある美しい模様
が観察された。すなわち、ヒビ境界面を起点として緻密
に成長した結晶に起因する幅の広い帯状の模様に加え
て、ヒビから離れた部分の大きくランダムに粗に成長し
た結晶に起因した深みのある模様とによって、あたかも
天然石と見紛うかのような非常に美しい天然石様の外観
を有する結晶化ガラス物品が得られた。
また、結晶化ガラス物品表面を0.5mm程研削して表面の
変質層を除去し、実施例−1と同様の特性を調べた結
果、本来の結晶化ガラスが持つ優れた物性値を示した。
さらに単なるヒビ入れ法では、天然石様模様を現出させ
るために高硬度の結晶化ガラスを1〜3mm程研削する必
要があったが、本方法によれば、極めて薄い0〜0.5mm
程の表面変質層を研削しさえすれば良く、研磨コストが
大幅に削減された。
〔発明の効果〕
本発明によれば、熱処理前に取扱いの容易な、しかも非
常に安価な例えばガラスを結晶性ガラス表面に塗布する
だけで、大きく、ランダムに、粗に成長した結晶に起因
する味わい深い模様を有する結晶化ガラス物品を製造す
ることができる。また、水ガラス等の塗布剤を結晶性ガ
ラス表面の一部に塗布した場合には、水ガラス塗布面と
水ガラス非塗布面とにおける結晶の大きさ,密度等の差
に起因した模様が現出するのであり、従って、水ガラス
を予め文字や絵柄等の形に塗布することにより、最終結
晶化ガラス物品にデザインそのままの模様を現出せしめ
ることができる。さらに、塗布された水ガラスの成分
は、熱処理・結晶化後も極めて薄い表面変質層のみに留
まっており、たとえば、通常の熱処理条件では水ガラス
の成分が結晶化ガラス内部にまで浸透していって、結晶
化ガラスが本来有する優れた物性を損うようなことはな
いのである。従って、熱処理・結晶化後,研磨等の方法
によって表面の極めて薄い変質層を除去することによ
り、上述した非常に味わい深い模様あるいはデザインさ
れた模様と結晶化ガラスの持つ優れた物性とを合わせ持
たせることができる。
このように、極めて簡素な工程により、本来の結晶化ガ
ラスの優れた物性を損うことなく、味わい深いしかもデ
ザイン可能な模様を結晶化ガラスに現出できる等の点に
おいて、本発明方法は画期的なものであり、その有用性
は極めて大である。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は、熱処理前に結晶性ガラス上表面の全面
に水ガラスを塗布した様子を示す側面図、第1図(b)
は結晶性ガラスを熱処理した後の結晶化ガラス物品にお
ける結晶の成長の様子を示す断面図である。 第2図(a),(b)は、熱処理前に結晶性ガラス表面
の一部に水ガラスを塗布した様子を示す側面図及び平面
図、第2図(c),(d)は結晶性ガラスを熱処理した
後の結晶化ガラス物品における結晶の成長の様子を示す
断面図及び平面図である。 1……水ガラス 2……大きく、ランダムに、粗に成長した結晶 3……均一に表面から成長した結晶 4,6……結晶化ガラス物品 5……結晶性ガラス物品、7……変質層

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱処理すると表面から内部に向かって結晶
    が析出・成長する性質を有する結晶性ガラスを、所望の
    形状に成形するガラス成形品成形工程と、該結晶性ガラ
    スの表面から結晶が析出を開始する温度よりも低い温度
    で結晶性ガラスと軟化融着一体化し結晶性ガラス表面の
    結晶開始の起点としての能力を失わせる性質を有する塗
    布剤を該ガラス成形品成形工程により成形されたガラス
    成形品表面の所望する部位に塗布する塗布工程と、その
    後熱処理によって該塗布剤の塗布された該ガラス成形品
    を結晶化させる工程とから構成したことを特徴とする模
    様を有する結晶化ガラス物品の製造方法。
  2. 【請求項2】熱処理すると表面から内部に向かって結晶
    が析出・成長する性質を有する結晶性ガラスを、所望の
    形状に成形するガラス成形品成形工程と、該ガラス成形
    品成形工程で得られたガラス成形品に熱衝撃を与えてヒ
    ビを入れるヒビ入れ工程と、該結晶性ガラスの表面から
    結晶が析出を開始する温度よりも低い温度で結晶性ガラ
    スと軟化融着一体化し結晶性ガラス表面の結晶開始の起
    点としての能力を失わせる性質を有する塗布剤をヒビ入
    れされたガラス成形品表面の所望する部位に塗布する塗
    布工程と、その後熱処理によって該塗布剤の塗布された
    該ガラス成形品を結晶化させる工程とから構成したこと
    を特徴とする模様を有する結晶化ガラス物品の製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記塗布剤は水ガラスであることを特徴と
    する請求項1又は2に記載の模様を有する結晶化ガラス
    物品の製造方法。
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JP6363497B2 (ja) 2014-04-04 2018-07-25 株式会社東芝 中性子計測装置の調整装置及びその調整方法
JP6365614B2 (ja) 2013-05-20 2018-08-01 日本電気株式会社 通信デバイス及び基地局並びにそれらの通信制御方法

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JPH02149440A (ja) 1990-06-08

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